JP2003307636A - 光デバイス - Google Patents
光デバイスInfo
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- JP2003307636A JP2003307636A JP2003034258A JP2003034258A JP2003307636A JP 2003307636 A JP2003307636 A JP 2003307636A JP 2003034258 A JP2003034258 A JP 2003034258A JP 2003034258 A JP2003034258 A JP 2003034258A JP 2003307636 A JP2003307636 A JP 2003307636A
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- conducting member
- thermoelectric cooling
- diffraction grating
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- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 分散特性の調整が容易な増幅器において好適
に用いられる光デバイスを提供すること。 【解決手段】 この光デバイス10は、屈折率変調によ
る回折格子の格子間隔が長手方向に沿って変化している
光導波路型回折格子素子101と、長手方向に沿って複
数配置されており、加熱又は冷却によって光導波路型回
折格子素子101の分散特性を調整する熱電冷却素子1
04、105と、光導波路型回折格子素子101及び熱
電冷却素子104、105の間に配置され、光導波路型
回折格子素子101と、熱電冷却素子104、105
と、の双方に接する第1の熱伝導部材102、103
と、第1の熱伝導部材102,103が接している熱電
冷却素子104、105の面と対向する面に接して配置
されており、第1の熱伝導部材102、103よりも熱
伝導率が高い第2の熱伝導部材111と、を備える。
に用いられる光デバイスを提供すること。 【解決手段】 この光デバイス10は、屈折率変調によ
る回折格子の格子間隔が長手方向に沿って変化している
光導波路型回折格子素子101と、長手方向に沿って複
数配置されており、加熱又は冷却によって光導波路型回
折格子素子101の分散特性を調整する熱電冷却素子1
04、105と、光導波路型回折格子素子101及び熱
電冷却素子104、105の間に配置され、光導波路型
回折格子素子101と、熱電冷却素子104、105
と、の双方に接する第1の熱伝導部材102、103
と、第1の熱伝導部材102,103が接している熱電
冷却素子104、105の面と対向する面に接して配置
されており、第1の熱伝導部材102、103よりも熱
伝導率が高い第2の熱伝導部材111と、を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路にブラッ
ググレーティングといった屈折率変調による回折格子が
形成された光導波路型回折格子素子を備える光デバイス
に関するものである。
ググレーティングといった屈折率変調による回折格子が
形成された光導波路型回折格子素子を備える光デバイス
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路型回折格子素子は、光導波路
(例えば光ファイバ)における長手方向に沿った所定範
囲に亘って屈折率変調によるグレーティングといった回
折格子が形成されたものであって、この光導波路を伝搬
する光のうち特定波長の光をグレーティングにより選択
的に反射し又は損失を与えることができる。そのうちで
も、屈折率変調の格子間隔が長手方向に沿って変化して
いるチャープトブラッググレーティングが光導波路に形
成された光導波路型回折格子素子は、そのグレーティン
グの長手方向の各位置においてブラッグ条件を満たす波
長の光を反射することができるので、或る一定波長域に
おいて光の波長分散を調整する分散調整モジュールの一
構成要素として用いられ得る。分散調整モジュールは、
信号光を用いて光伝送を行う光通信システムにおいて中
継器等に設けられ、光ファイバ伝送路の波長分散を補償
することができる。
(例えば光ファイバ)における長手方向に沿った所定範
囲に亘って屈折率変調によるグレーティングといった回
折格子が形成されたものであって、この光導波路を伝搬
する光のうち特定波長の光をグレーティングにより選択
的に反射し又は損失を与えることができる。そのうちで
も、屈折率変調の格子間隔が長手方向に沿って変化して
いるチャープトブラッググレーティングが光導波路に形
成された光導波路型回折格子素子は、そのグレーティン
グの長手方向の各位置においてブラッグ条件を満たす波
長の光を反射することができるので、或る一定波長域に
おいて光の波長分散を調整する分散調整モジュールの一
構成要素として用いられ得る。分散調整モジュールは、
信号光を用いて光伝送を行う光通信システムにおいて中
継器等に設けられ、光ファイバ伝送路の波長分散を補償
することができる。
【0003】また、チャープトブラッググレーティング
が光導波路に形成された光導波路型回折格子素子を含む
分散調整モジュールは、その分散特性が可変であって調
整可能であるのが好適である。例えば、一定規格で量産
された各分散調整モジュールを中継器等に設置し、分散
補償の対象である光ファイバ伝送路の分散特性に応じて
分散調整モジュールの分散特性を調整することができる
ので、安価に分散調整モジュールを製造することができ
る。また、分散補償の対象である光ファイバ伝送路の分
散特性が温度変化により変動した場合に、その変動に応
じて分散調整モジュールの分散特性を調整することがで
きるので、常に光ファイバ伝送路の波長分散を分散調整
モジュールにより好適に補償することができる。
が光導波路に形成された光導波路型回折格子素子を含む
分散調整モジュールは、その分散特性が可変であって調
整可能であるのが好適である。例えば、一定規格で量産
された各分散調整モジュールを中継器等に設置し、分散
補償の対象である光ファイバ伝送路の分散特性に応じて
分散調整モジュールの分散特性を調整することができる
ので、安価に分散調整モジュールを製造することができ
る。また、分散補償の対象である光ファイバ伝送路の分
散特性が温度変化により変動した場合に、その変動に応
じて分散調整モジュールの分散特性を調整することがで
きるので、常に光ファイバ伝送路の波長分散を分散調整
モジュールにより好適に補償することができる。
【0004】このような分散特性が可変である分散調整
モジュールとして用いられ得る光導波路型回折格子素子
を含む光部品として、下記特許文献1や非特許文献1に
開示されたものが知られている。
モジュールとして用いられ得る光導波路型回折格子素子
を含む光部品として、下記特許文献1や非特許文献1に
開示されたものが知られている。
【0005】上記公報に開示されたものは、光導波路で
ある光ファイバの長手方向に沿った一定範囲に亘ってグ
レーティングが形成されており、その一定範囲において
複数のマイクロヒータが光ファイバに接して設けられて
いている。そして、これら複数のマイクロヒータにより
上記一定範囲の光ファイバに温度分布が形成されて、こ
れにより、各位置におけるグレーティングの実効屈折率
が調整されて、このグレーティングにおける光の反射の
際の分散特性が調整される。
ある光ファイバの長手方向に沿った一定範囲に亘ってグ
レーティングが形成されており、その一定範囲において
複数のマイクロヒータが光ファイバに接して設けられて
いている。そして、これら複数のマイクロヒータにより
上記一定範囲の光ファイバに温度分布が形成されて、こ
れにより、各位置におけるグレーティングの実効屈折率
が調整されて、このグレーティングにおける光の反射の
際の分散特性が調整される。
【0006】また、上記のOhnの文献に記載されたも
のは、光導波路である光ファイバの長手方向に沿った一
定範囲に亘ってグレーティングが形成されており、その
一定範囲において複数のピエゾ素子が光ファイバに接し
て設けられていている。そして、これら複数のピエゾ素
子により上記一定範囲の光ファイバに応力分布が形成さ
れて、これにより、各位置におけるグレーティングの格
子間隔が調整されて、このグレーティングにおける光の
反射の際の分散特性が調整される。
のは、光導波路である光ファイバの長手方向に沿った一
定範囲に亘ってグレーティングが形成されており、その
一定範囲において複数のピエゾ素子が光ファイバに接し
て設けられていている。そして、これら複数のピエゾ素
子により上記一定範囲の光ファイバに応力分布が形成さ
れて、これにより、各位置におけるグレーティングの格
子間隔が調整されて、このグレーティングにおける光の
反射の際の分散特性が調整される。
【0007】
【特許文献1】特開平2000−235170号公報
【非特許文献1】M. M. Ohn, et a
l., "Dispersionvariable f
ibre Bragg grating using
apiezoelectric stack", El
ectronics Letters, Vol.3
2, No.21 (1996)
l., "Dispersionvariable f
ibre Bragg grating using
apiezoelectric stack", El
ectronics Letters, Vol.3
2, No.21 (1996)
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報またはOhnの文献に記載のものは、複数のマイク
ロヒータまたは複数のピエゾ素子それぞれを微細に制御
することが必要であって、その制御が容易ではなく、し
たがって、グレーティングにおける光の反射の際の分散
特性の調整が容易ではない。
公報またはOhnの文献に記載のものは、複数のマイク
ロヒータまたは複数のピエゾ素子それぞれを微細に制御
することが必要であって、その制御が容易ではなく、し
たがって、グレーティングにおける光の反射の際の分散
特性の調整が容易ではない。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、分散特性の調整が容易な増幅器におい
て好適に用いられる光デバイスを提供することを目的と
する。
れたものであり、分散特性の調整が容易な増幅器におい
て好適に用いられる光デバイスを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光デバイスは、
光導波路の長手方向に沿った所定範囲に渡って屈折率変
調による回折格子が形成され、当該回折格子の格子間隔
が長手方向に沿って変化している光導波路型回折格子素
子と、長手方向に沿って複数配置されており、直流電力
が流れることによってその第1の表面が加熱されると共
に当該第1の表面に対向する第2の表面が冷却され、当
該加熱又は冷却によって光導波路に温度勾配を与えて回
折格子の実効屈折率を調整することにより光導波路型回
折格子素子の分散特性を調整する熱電冷却素子と、光導
波路型回折格子素子及び熱電冷却素子の間に配置され、
光導波路型回折格子素子と、熱電冷却素子の第1の表面
又は第2の表面と、の双方に接する第1の熱伝導部材
と、第1の熱伝導部材が接している熱電冷却素子の第1
の表面又は第2の表面と対向する、当該熱電冷却素子の
第2の表面又は第1の表面に接して配置されており、第
1の熱伝導部材よりも熱伝導率が高い第2の熱伝導部材
と、を備える。
光導波路の長手方向に沿った所定範囲に渡って屈折率変
調による回折格子が形成され、当該回折格子の格子間隔
が長手方向に沿って変化している光導波路型回折格子素
子と、長手方向に沿って複数配置されており、直流電力
が流れることによってその第1の表面が加熱されると共
に当該第1の表面に対向する第2の表面が冷却され、当
該加熱又は冷却によって光導波路に温度勾配を与えて回
折格子の実効屈折率を調整することにより光導波路型回
折格子素子の分散特性を調整する熱電冷却素子と、光導
波路型回折格子素子及び熱電冷却素子の間に配置され、
光導波路型回折格子素子と、熱電冷却素子の第1の表面
又は第2の表面と、の双方に接する第1の熱伝導部材
と、第1の熱伝導部材が接している熱電冷却素子の第1
の表面又は第2の表面と対向する、当該熱電冷却素子の
第2の表面又は第1の表面に接して配置されており、第
1の熱伝導部材よりも熱伝導率が高い第2の熱伝導部材
と、を備える。
【0010】本発明の光デバイスによれば、熱電冷却素
子を用いているので、光導波路型回折格子素子と接して
いる面を加熱したり冷却したりすることができ、光導波
路型回折格子素子に対して温度勾配が容易に与えられ
る。第2の熱伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部
材の熱伝導率が低いので、熱電冷却素子から光導波路型
回折格子素子への熱伝達速度が相対的に緩やかになり、
結果として光導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱に
よる温度勾配がより滑らかになる。すなわち、第2の熱
伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率
が低ければ、一般的には第1の熱伝導部材の比熱や熱容
量が大きくなる傾向にあり、熱電冷却素子から第1の熱
伝導部材へ伝えられる熱による温度勾配が例えば階段状
であっても、第1の熱伝導部材に蓄えられる熱量が大き
いために、その階段状の温度勾配の段差部分が相対的に
小さくなって結果的に光導波路型回折格子素子の各部へ
伝わる熱による温度勾配がより滑らかになる。
子を用いているので、光導波路型回折格子素子と接して
いる面を加熱したり冷却したりすることができ、光導波
路型回折格子素子に対して温度勾配が容易に与えられ
る。第2の熱伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部
材の熱伝導率が低いので、熱電冷却素子から光導波路型
回折格子素子への熱伝達速度が相対的に緩やかになり、
結果として光導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱に
よる温度勾配がより滑らかになる。すなわち、第2の熱
伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率
が低ければ、一般的には第1の熱伝導部材の比熱や熱容
量が大きくなる傾向にあり、熱電冷却素子から第1の熱
伝導部材へ伝えられる熱による温度勾配が例えば階段状
であっても、第1の熱伝導部材に蓄えられる熱量が大き
いために、その階段状の温度勾配の段差部分が相対的に
小さくなって結果的に光導波路型回折格子素子の各部へ
伝わる熱による温度勾配がより滑らかになる。
【0011】また本発明の光デバイスでは、第1の熱伝
導部材は、複数の熱電冷却素子それぞれの第1の表面又
は第2の表面に接しており、第2の熱伝導部材は、複数
の熱電冷却素子の内、一の熱電冷却素子の第1の表面、
及び、他の熱電冷却素子の第2の表面にそれぞれ接して
いることが好ましい。第1の熱伝導部材が複数の熱電冷
却素子それぞれに接しているので、複数の熱電冷却素子
それぞれに別個に第1の熱伝導部材が接している場合に
比較して、熱電冷却素子の数を減らすことができる。ま
た、熱電冷却素子の数を相対的に減少させても、第1の
熱伝導部材が熱電冷却素子それぞれに接しているので、
温度勾配の滑らかさが損なわれるといったことが減少す
る。第2の熱伝導部材は、異なる熱電冷却素子の加熱さ
れる面と冷却される面とにそれぞれ接しているので、第
2の熱伝導部材内部での熱循環が起こり、加熱される面
から受け取った熱を冷却される面に受け渡すことにより
熱供給源としての役割を果たすことができる。
導部材は、複数の熱電冷却素子それぞれの第1の表面又
は第2の表面に接しており、第2の熱伝導部材は、複数
の熱電冷却素子の内、一の熱電冷却素子の第1の表面、
及び、他の熱電冷却素子の第2の表面にそれぞれ接して
いることが好ましい。第1の熱伝導部材が複数の熱電冷
却素子それぞれに接しているので、複数の熱電冷却素子
それぞれに別個に第1の熱伝導部材が接している場合に
比較して、熱電冷却素子の数を減らすことができる。ま
た、熱電冷却素子の数を相対的に減少させても、第1の
熱伝導部材が熱電冷却素子それぞれに接しているので、
温度勾配の滑らかさが損なわれるといったことが減少す
る。第2の熱伝導部材は、異なる熱電冷却素子の加熱さ
れる面と冷却される面とにそれぞれ接しているので、第
2の熱伝導部材内部での熱循環が起こり、加熱される面
から受け取った熱を冷却される面に受け渡すことにより
熱供給源としての役割を果たすことができる。
【0012】また本発明の光デバイスでは、第1の熱伝
導部材には長手方向に沿って溝が形成されており、光導
波路型回折格子素子は当該形成された溝に配置されるこ
とが好ましい。光導波路型回折格子素子が第1の熱伝導
部材に形成された溝に配置されているので、第1の熱伝
導部材から光導波路型回折格子素子へより効率的に熱が
伝わるので、熱電冷却素子で消費される直流電力量が低
減される。
導部材には長手方向に沿って溝が形成されており、光導
波路型回折格子素子は当該形成された溝に配置されるこ
とが好ましい。光導波路型回折格子素子が第1の熱伝導
部材に形成された溝に配置されているので、第1の熱伝
導部材から光導波路型回折格子素子へより効率的に熱が
伝わるので、熱電冷却素子で消費される直流電力量が低
減される。
【0013】また本発明の光デバイスでは、光導波路型
回折格子素子は、第一の熱伝導部材に形成された溝に配
置されると共に、固化すると光導波路型回折格子素子と
実質的に同等の熱膨張率となる接着剤を用いて溝に固定
されることが好ましい。固化すると同等の熱膨張率とな
る接着剤によって光導波路型回折格子素子が固定される
ので、固化の後に加熱若しくは冷却する場合の熱応力の
影響を低減できる。
回折格子素子は、第一の熱伝導部材に形成された溝に配
置されると共に、固化すると光導波路型回折格子素子と
実質的に同等の熱膨張率となる接着剤を用いて溝に固定
されることが好ましい。固化すると同等の熱膨張率とな
る接着剤によって光導波路型回折格子素子が固定される
ので、固化の後に加熱若しくは冷却する場合の熱応力の
影響を低減できる。
【0014】また本発明の光デバイスでは、第1の熱伝
導部材は石英ガラスによって形成されることが好まし
い。石英ガラスの熱伝導率は相対的に低いので、光導波
路型回折格子素子に与えられる熱勾配がより滑らかにな
る。
導部材は石英ガラスによって形成されることが好まし
い。石英ガラスの熱伝導率は相対的に低いので、光導波
路型回折格子素子に与えられる熱勾配がより滑らかにな
る。
【0015】また本発明の光デバイスでは、第2の熱伝
導部材はアルミニウムによって形成されることが好まし
い。アルミニウムの熱伝導率は相対的に高いので、熱電
冷却素子で消費される直流電力量がより低減される。
導部材はアルミニウムによって形成されることが好まし
い。アルミニウムの熱伝導率は相対的に高いので、熱電
冷却素子で消費される直流電力量がより低減される。
【0016】また本発明の光デバイスでは、熱電冷却素
子と第1の熱伝導部材との間の少なくとも一部に、薄膜
金属で形成されている第3の熱伝導部材が配置されるこ
とが好ましい。第3の熱伝導部材が配置されると、熱電
冷却素子それぞれの間での熱伝達効率を高めるので熱電
冷却素子間に生じる温度ギャップを緩和できる。
子と第1の熱伝導部材との間の少なくとも一部に、薄膜
金属で形成されている第3の熱伝導部材が配置されるこ
とが好ましい。第3の熱伝導部材が配置されると、熱電
冷却素子それぞれの間での熱伝達効率を高めるので熱電
冷却素子間に生じる温度ギャップを緩和できる。
【0017】また本発明の光デバイスでは、第3の熱伝
導部材は第1の熱伝導部材が熱電冷却素子と接する面の
全面に配置されることが好ましい。第3の熱伝導部材が
第1の熱伝導部材の全面に配置されていると、熱電冷却
素子それぞれの間での熱伝達効率の向上がより顕著とな
る。
導部材は第1の熱伝導部材が熱電冷却素子と接する面の
全面に配置されることが好ましい。第3の熱伝導部材が
第1の熱伝導部材の全面に配置されていると、熱電冷却
素子それぞれの間での熱伝達効率の向上がより顕著とな
る。
【0018】また本発明の光デバイスでは、第3の熱伝
導部材は第1の熱伝導部材が熱電冷却素子と接する面の
熱電冷却素子間にのみ配置されていることが好ましい。
第3の熱伝導部材が熱電冷却素子間にのみ配置されてい
ても熱電冷却素子それぞれの間での熱伝達効率の向上を
図ることができる。
導部材は第1の熱伝導部材が熱電冷却素子と接する面の
熱電冷却素子間にのみ配置されていることが好ましい。
第3の熱伝導部材が熱電冷却素子間にのみ配置されてい
ても熱電冷却素子それぞれの間での熱伝達効率の向上を
図ることができる。
【0019】また本発明の光デバイスでは、第1の熱伝
導部材と光導波路型回折格子素子との間の少なくとも一
部に薄膜金属で形成されている第3の熱伝導部材が配置
されていることが好ましい。第3の熱伝導部材が光導波
路型回折格子素子と第1の熱伝導部材との間に配置され
ていると熱電冷却素子それぞれの間での熱伝達効率の向
上を図ることができる。
導部材と光導波路型回折格子素子との間の少なくとも一
部に薄膜金属で形成されている第3の熱伝導部材が配置
されていることが好ましい。第3の熱伝導部材が光導波
路型回折格子素子と第1の熱伝導部材との間に配置され
ていると熱電冷却素子それぞれの間での熱伝達効率の向
上を図ることができる。
【0020】また本発明の光デバイスでは、第3の熱伝
導部材は金属を蒸着することで形成されていることが好
ましい。蒸着により第3の熱伝導部材を形成すれば、金
属薄膜をより効率的に形成できる。
導部材は金属を蒸着することで形成されていることが好
ましい。蒸着により第3の熱伝導部材を形成すれば、金
属薄膜をより効率的に形成できる。
【0021】また本発明の光デバイスでは、第3の熱伝
導部材の厚みは1〜10μmであることが好ましい。第
3の熱伝導部材の厚みが10μmを超えると、熱が第3
の熱伝導部材の側面から外部に拡散するため、光導波路
型回折格子素子への熱伝達効率が低下する。第3の熱伝
導部材の厚みが1μmより薄い場合には熱電冷却素子間
の熱伝導効率が低下し、温度勾配を滑らかにする効果が
低減される。
導部材の厚みは1〜10μmであることが好ましい。第
3の熱伝導部材の厚みが10μmを超えると、熱が第3
の熱伝導部材の側面から外部に拡散するため、光導波路
型回折格子素子への熱伝達効率が低下する。第3の熱伝
導部材の厚みが1μmより薄い場合には熱電冷却素子間
の熱伝導効率が低下し、温度勾配を滑らかにする効果が
低減される。
【0022】また本発明の光デバイスでは、光導波路型
回折格子素子の温度勾配を測定するための複数の温度セ
ンサと、当該複数の温度センサが測定した光導波路型回
折格子素子の温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子に
流れる直流電流をそれぞれ調整する温度制御機構と、を
更に備えることも好ましい。複数の温度センサで測定し
た温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子に流れる直流
電流をそれぞれ調整するので、各熱電冷却素子の加熱又
は冷却の状態を適切に制御でき、より短時間での温度安
定をもたらすことができる。
回折格子素子の温度勾配を測定するための複数の温度セ
ンサと、当該複数の温度センサが測定した光導波路型回
折格子素子の温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子に
流れる直流電流をそれぞれ調整する温度制御機構と、を
更に備えることも好ましい。複数の温度センサで測定し
た温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子に流れる直流
電流をそれぞれ調整するので、各熱電冷却素子の加熱又
は冷却の状態を適切に制御でき、より短時間での温度安
定をもたらすことができる。
【0023】また本発明の光デバイスでは、温度制御機
構が、熱電冷却素子から光導波路型回折格子素子に与え
られる温度勾配が非線形な温度勾配となるように直流電
流を調整することも好ましい。熱電冷却素子から光導波
路型回折格子素子に与えられる温度勾配が非線形温度勾
配となるように制御すれば、可変分散範囲の拡大を図る
ことができる。特に光導波路型回折格子素子の長手方向
の中心近傍の温度勾配を急峻なものとすれば、可変分散
範囲をより広げることができる。
構が、熱電冷却素子から光導波路型回折格子素子に与え
られる温度勾配が非線形な温度勾配となるように直流電
流を調整することも好ましい。熱電冷却素子から光導波
路型回折格子素子に与えられる温度勾配が非線形温度勾
配となるように制御すれば、可変分散範囲の拡大を図る
ことができる。特に光導波路型回折格子素子の長手方向
の中心近傍の温度勾配を急峻なものとすれば、可変分散
範囲をより広げることができる。
【0024】また本発明の光デバイスでは、温度制御機
構を含む回路基板を更に備えることも好ましい。回路基
板が温度制御機構を含んでいるので、回路基板と光導波
路型回折格子素子と第1の熱伝導部材と第2の熱伝導部
材とを組み合わせて、分散特性の調整が容易な増幅器を
構成するモジュールを形成できる。
構を含む回路基板を更に備えることも好ましい。回路基
板が温度制御機構を含んでいるので、回路基板と光導波
路型回折格子素子と第1の熱伝導部材と第2の熱伝導部
材とを組み合わせて、分散特性の調整が容易な増幅器を
構成するモジュールを形成できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の知見は、例示のみのため
に示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮
することによって容易に理解することができる。引き続
いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説
明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を
付して、重複する説明を省略する。
に示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮
することによって容易に理解することができる。引き続
いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説
明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を
付して、重複する説明を省略する。
【0026】(第1実施形態)本発明の第1実施形態で
ある光デバイス10について説明する。図1(a)は、
光デバイス10の構成を示す図であり、図1(b)は、
図1(a)の光導波路型回折格子素子101近傍の断面
を示す図である。図1(a)に示される光デバイス10
は、光導波路型回折格子素子101、第1の熱伝導部材
102、103、熱電冷却素子104、105、温度セ
ンサ106、107、108、温度制御機構109、回
路基板110、及び、第2の熱伝導部材111を備えて
いる。
ある光デバイス10について説明する。図1(a)は、
光デバイス10の構成を示す図であり、図1(b)は、
図1(a)の光導波路型回折格子素子101近傍の断面
を示す図である。図1(a)に示される光デバイス10
は、光導波路型回折格子素子101、第1の熱伝導部材
102、103、熱電冷却素子104、105、温度セ
ンサ106、107、108、温度制御機構109、回
路基板110、及び、第2の熱伝導部材111を備えて
いる。
【0027】光導波路型回折格子素子101は、光導波
路である光ファイバにブラッググレーティングが形成さ
れたものであり、光ファイバを伝搬してきて入射した特
定波長の光をブラッググレーティングによりブラッグ反
射し、その反射した光を入射時と逆の方向に伝搬させる
ものである。光導波路型回折格子素子101は、屈折率
変調の格子間隔が長手方向に沿って変化しているチャー
プトブラッググレーティングである。
路である光ファイバにブラッググレーティングが形成さ
れたものであり、光ファイバを伝搬してきて入射した特
定波長の光をブラッググレーティングによりブラッグ反
射し、その反射した光を入射時と逆の方向に伝搬させる
ものである。光導波路型回折格子素子101は、屈折率
変調の格子間隔が長手方向に沿って変化しているチャー
プトブラッググレーティングである。
【0028】この光導波路型回折格子素子101は、第
1の熱伝導部材102の長手方向に沿って形成されてい
るV字溝102aと、第1の熱伝導部材103との間に
挟まれて固定されている。光導波路型回折格子素子10
1は、第1の熱伝導部材102と第1の熱伝導部材10
3との双方に接しており、第1の熱伝導部材102及び
第1の熱伝導部材103に与えられる熱が、第1の熱伝
導部材102及び第1の熱伝導部材103を経由して光
導波路型回折格子素子101に伝えられる。また、第1
の熱伝導部材102及び第1の熱伝導部材103と、光
導波路型回折格子素子101との隙間には、熱が伝わり
やすいように樹脂材料を充填している。
1の熱伝導部材102の長手方向に沿って形成されてい
るV字溝102aと、第1の熱伝導部材103との間に
挟まれて固定されている。光導波路型回折格子素子10
1は、第1の熱伝導部材102と第1の熱伝導部材10
3との双方に接しており、第1の熱伝導部材102及び
第1の熱伝導部材103に与えられる熱が、第1の熱伝
導部材102及び第1の熱伝導部材103を経由して光
導波路型回折格子素子101に伝えられる。また、第1
の熱伝導部材102及び第1の熱伝導部材103と、光
導波路型回折格子素子101との隙間には、熱が伝わり
やすいように樹脂材料を充填している。
【0029】第1の熱伝導部材102及び第1の熱伝導
部材103は、石英ガラスによって形成されている。ま
た、第1の熱伝導部材102のV字溝102aと対向す
る底面102bに接して熱電冷却素子104及び熱電冷
却素子105が、V字溝102aの長手方向に沿うよう
に配置されている。
部材103は、石英ガラスによって形成されている。ま
た、第1の熱伝導部材102のV字溝102aと対向す
る底面102bに接して熱電冷却素子104及び熱電冷
却素子105が、V字溝102aの長手方向に沿うよう
に配置されている。
【0030】熱電冷却素子104及び熱電冷却素子10
5は、冷却能力を持ったP型半導体及びN型半導体の接
合対であって、いわゆるペルチェ効果を有する素子であ
る。熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105は、直
流電流が流れることによって、素子の両表面が加熱又は
冷却されるものであり、直流電流の向きを変えることに
よって加熱又は冷却される面を切り替えることができ
る。熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105はそれ
ぞれ独立して温度制御機構109に接続されており、温
度制御機構109からの制御信号に応じてその内部に流
れる直流電流の向きや量を変えることができ、第1の熱
伝導部材102の底面102bに接する面を適宜加熱又
は冷却できるように構成されている。
5は、冷却能力を持ったP型半導体及びN型半導体の接
合対であって、いわゆるペルチェ効果を有する素子であ
る。熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105は、直
流電流が流れることによって、素子の両表面が加熱又は
冷却されるものであり、直流電流の向きを変えることに
よって加熱又は冷却される面を切り替えることができ
る。熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105はそれ
ぞれ独立して温度制御機構109に接続されており、温
度制御機構109からの制御信号に応じてその内部に流
れる直流電流の向きや量を変えることができ、第1の熱
伝導部材102の底面102bに接する面を適宜加熱又
は冷却できるように構成されている。
【0031】第1の熱伝導部材103の第1の熱伝導部
材102と接しているのとは反対側の天面103aに
は、温度センサ106、107、108がそれぞれ第1
の熱伝導部材102のV字溝102aの長手方向に沿う
ように配置されている。温度センサ106〜108は、
第1の熱伝導部材103の表面温度を測定し、その測定
結果を温度制御機構109に出力する。
材102と接しているのとは反対側の天面103aに
は、温度センサ106、107、108がそれぞれ第1
の熱伝導部材102のV字溝102aの長手方向に沿う
ように配置されている。温度センサ106〜108は、
第1の熱伝導部材103の表面温度を測定し、その測定
結果を温度制御機構109に出力する。
【0032】温度制御機構109は、温度センサ106
〜108から出力された温度測定結果に基づいて、間接
的に光導波路型回折格子素子101の温度勾配が、図2
(a)の例えば温度分布20aのようになっていること
を知ることができる。より具体的には、第1の熱伝導部
材103の厚みや熱伝導率は既知のものであるから、測
定した第1の熱伝導部材103の表面温度に所定の演算
を施すことによって、図2(a)に示すような光導波路
型回折格子素子101の長手方向の温度分布を得ること
ができる。光導波路型回折格子素子101の温度分布
は、温度分布20aのように、光導波路形回折格子素子
101の入口側から奥に向かって温度が下がるようにな
っている場合や、逆に温度分布20bのように奥に向か
って温度が上がっている場合や、温度分布20cのよう
に非線形の分布の場合もある。この温度分布は、光導波
路型回折格子素子101が与えようとする波長分散量に
よって決まるものである。一般的に、温度勾配と波長分
散量とは、図2(b)の波長分散量21aや波長分散量
21bのように特定の関係があることから、光導波路型
回折格子素子101の温度勾配を制御することによって
波長分散補償が可能となる。
〜108から出力された温度測定結果に基づいて、間接
的に光導波路型回折格子素子101の温度勾配が、図2
(a)の例えば温度分布20aのようになっていること
を知ることができる。より具体的には、第1の熱伝導部
材103の厚みや熱伝導率は既知のものであるから、測
定した第1の熱伝導部材103の表面温度に所定の演算
を施すことによって、図2(a)に示すような光導波路
型回折格子素子101の長手方向の温度分布を得ること
ができる。光導波路型回折格子素子101の温度分布
は、温度分布20aのように、光導波路形回折格子素子
101の入口側から奥に向かって温度が下がるようにな
っている場合や、逆に温度分布20bのように奥に向か
って温度が上がっている場合や、温度分布20cのよう
に非線形の分布の場合もある。この温度分布は、光導波
路型回折格子素子101が与えようとする波長分散量に
よって決まるものである。一般的に、温度勾配と波長分
散量とは、図2(b)の波長分散量21aや波長分散量
21bのように特定の関係があることから、光導波路型
回折格子素子101の温度勾配を制御することによって
波長分散補償が可能となる。
【0033】ここで、光導波路型回折格子素子101の
温度勾配を制御することによって波長分散補償を行うし
くみについて説明する。既に説明したように、光導波路
型回折格子素子101は、屈折率変調の格子間隔が長手
方向に沿って変化しているチャープトブラッググレーテ
ィングであり、その入口から奥に向かって格子間隔が長
くなるように構成されている。このように構成されてい
ると、光導波路型回折格子素子101の入口付近の回折
格子の周期は相対的に短く、ブラッグ反射波長が短いの
で、波長の短い光は光導波路型回折格子素子101の入
口付近で反射されて光導波路を戻っていくことになる。
また、波長の長い光は逆に、光導波路型回折格子素子1
01の奥側に入り、回折格子の周期で定まるブラッグ反
射波長と一致した点で反射される。従って、波長の短い
光の方が波長の長い光よりも短い距離を通過することと
なり、結果的に正の波長分散を与えることができる。
温度勾配を制御することによって波長分散補償を行うし
くみについて説明する。既に説明したように、光導波路
型回折格子素子101は、屈折率変調の格子間隔が長手
方向に沿って変化しているチャープトブラッググレーテ
ィングであり、その入口から奥に向かって格子間隔が長
くなるように構成されている。このように構成されてい
ると、光導波路型回折格子素子101の入口付近の回折
格子の周期は相対的に短く、ブラッグ反射波長が短いの
で、波長の短い光は光導波路型回折格子素子101の入
口付近で反射されて光導波路を戻っていくことになる。
また、波長の長い光は逆に、光導波路型回折格子素子1
01の奥側に入り、回折格子の周期で定まるブラッグ反
射波長と一致した点で反射される。従って、波長の短い
光の方が波長の長い光よりも短い距離を通過することと
なり、結果的に正の波長分散を与えることができる。
【0034】ここで、ブラッグ反射波長λは、光導波路
型回折格子素子101の屈折率nと、回折格子の周期Λ
との積に比例するので、光導波路型回折格子素子101
の一部分が例えば加熱されて屈折率が変化すれば、回折
格子の周期Λが一定であったとしても、ブラッグ反射波
長λが長波長側にシフトすることとなる。従って、光導
波路型回折格子素子101の温度勾配を適当に制御すれ
ば、その温度勾配に応じて、図2(b)に示すように波
長分散量を連続的に変化させることができる。
型回折格子素子101の屈折率nと、回折格子の周期Λ
との積に比例するので、光導波路型回折格子素子101
の一部分が例えば加熱されて屈折率が変化すれば、回折
格子の周期Λが一定であったとしても、ブラッグ反射波
長λが長波長側にシフトすることとなる。従って、光導
波路型回折格子素子101の温度勾配を適当に制御すれ
ば、その温度勾配に応じて、図2(b)に示すように波
長分散量を連続的に変化させることができる。
【0035】この場合、波長分散量を連続的に変化させ
るためには、光導波路型回折格子素子101の温度勾配
が滑らかになるようにすることが好ましい。光導波路型
回折格子素子101の温度勾配が滑らかでないと、光導
波路型回折格子素子101の長手方向のブラッグ反射波
長λの変化が階段状になり、波長分散量の変化も階段状
になってしまうからである。本実施形態では光導波路型
回折格子素子101の温度勾配を滑らかにするために次
のような手法を採用している。
るためには、光導波路型回折格子素子101の温度勾配
が滑らかになるようにすることが好ましい。光導波路型
回折格子素子101の温度勾配が滑らかでないと、光導
波路型回折格子素子101の長手方向のブラッグ反射波
長λの変化が階段状になり、波長分散量の変化も階段状
になってしまうからである。本実施形態では光導波路型
回折格子素子101の温度勾配を滑らかにするために次
のような手法を採用している。
【0036】温度制御機構109は、温度センサ106
〜108の温度測定結果と、予め求められている第1の
熱伝導部材102や第1の熱伝導部材103の熱伝導率
といった物性値に基づいて、光導波路型回折格子素子1
01の温度分布を推測する。温度制御機構109は、そ
の推測した温度分布が目標とする温度勾配となるよう
に、熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105に流す
直流電流を制御する。熱電冷却素子104及び熱電冷却
素子105と、光導波路型回折格子素子101に接して
いる第1の熱伝導部材102の熱伝導率といった物性値
は予め求められているから、温度制御機構109は、温
度センサ106〜108の温度測定結果に応じて、熱電
冷却素子104及び熱電冷却素子105に流す直流電流
を制御することにより光導波路型回折格子素子101の
温度勾配を滑らかに制御できる。
〜108の温度測定結果と、予め求められている第1の
熱伝導部材102や第1の熱伝導部材103の熱伝導率
といった物性値に基づいて、光導波路型回折格子素子1
01の温度分布を推測する。温度制御機構109は、そ
の推測した温度分布が目標とする温度勾配となるよう
に、熱電冷却素子104及び熱電冷却素子105に流す
直流電流を制御する。熱電冷却素子104及び熱電冷却
素子105と、光導波路型回折格子素子101に接して
いる第1の熱伝導部材102の熱伝導率といった物性値
は予め求められているから、温度制御機構109は、温
度センサ106〜108の温度測定結果に応じて、熱電
冷却素子104及び熱電冷却素子105に流す直流電流
を制御することにより光導波路型回折格子素子101の
温度勾配を滑らかに制御できる。
【0037】特に、第1の熱伝導部材102及び第1の
熱伝導部材103は石英ガラスであって、その熱伝導率
は比較的低いものであるから、熱電冷却素子104及び
熱電冷却素子105から光導波路型回折格子素子101
への伝熱速度は比較的遅くなり、光導波路型回折格子素
子101の長手方向の長さに比して熱電冷却素子104
及び熱電冷却素子105の設置個数が少なくても、光導
波路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに与える
ことができる。
熱伝導部材103は石英ガラスであって、その熱伝導率
は比較的低いものであるから、熱電冷却素子104及び
熱電冷却素子105から光導波路型回折格子素子101
への伝熱速度は比較的遅くなり、光導波路型回折格子素
子101の長手方向の長さに比して熱電冷却素子104
及び熱電冷却素子105の設置個数が少なくても、光導
波路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに与える
ことができる。
【0038】温度制御機構109は、回路基板110に
設けられており、回路基板110は、第2の熱伝導部材
111に固定されている。第2の熱伝導部材111は、
アルミニウムで形成されており、熱電冷却素子104及
び熱電冷却素子105のそれぞれと接している。例え
ば、光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ために、熱電冷却素子104の第1の熱伝導部材102
に接する面を加熱し、熱電冷却素子105の第1の熱伝
導部材102に接する面を冷却する場合に、熱電冷却素
子104は第2の熱伝導部材111から熱を吸収し、熱
電冷却素子105は第2の熱伝導部材111に熱を与え
ることとなる。従って、熱電冷却素子104と熱電冷却
素子105とは第2の熱伝導部材111を介して熱交換
を行うことにより、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
設けられており、回路基板110は、第2の熱伝導部材
111に固定されている。第2の熱伝導部材111は、
アルミニウムで形成されており、熱電冷却素子104及
び熱電冷却素子105のそれぞれと接している。例え
ば、光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ために、熱電冷却素子104の第1の熱伝導部材102
に接する面を加熱し、熱電冷却素子105の第1の熱伝
導部材102に接する面を冷却する場合に、熱電冷却素
子104は第2の熱伝導部材111から熱を吸収し、熱
電冷却素子105は第2の熱伝導部材111に熱を与え
ることとなる。従って、熱電冷却素子104と熱電冷却
素子105とは第2の熱伝導部材111を介して熱交換
を行うことにより、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
【0039】ここで、第2の熱伝導部材111の変形例
である、第2の熱伝導部材112について図3を用いて
説明する。図3は、図1に示す光デバイス10の熱電冷
却素子104及び熱電冷却素子105を、熱電冷却素子
113〜118に、第2の熱伝導部材111を、第2の
熱伝導部材112a〜112cにそれぞれ置き換えた構
成を示す図である。尚、温度センサ106〜108、温
度制御機構109、回路基板110は、それぞれ図1に
示す光デバイス10と同様であるので記載を省略してい
る。
である、第2の熱伝導部材112について図3を用いて
説明する。図3は、図1に示す光デバイス10の熱電冷
却素子104及び熱電冷却素子105を、熱電冷却素子
113〜118に、第2の熱伝導部材111を、第2の
熱伝導部材112a〜112cにそれぞれ置き換えた構
成を示す図である。尚、温度センサ106〜108、温
度制御機構109、回路基板110は、それぞれ図1に
示す光デバイス10と同様であるので記載を省略してい
る。
【0040】熱電冷却素子113、熱電冷却素子11
4、熱電冷却素子115、熱電冷却素子116、熱電冷
却素子117、熱電冷却素子118は、光導波路型回折
格子素子101に沿って第1の熱伝導部材102に接す
るように設置されている。熱電冷却素子113〜118
はそれぞれ温度制御機構109によって個別に制御され
ており、熱電冷却素子113〜118の第1の熱伝導部
材102に接する面はそれぞれ独立して加熱又は冷却す
ることができるが、本実施形態の場合は、熱電冷却素子
113〜115が第1の熱伝導部材102に接する面は
加熱し、熱電冷却素子116〜118が第1の熱伝導部
材102に接する面は冷却するものとしている。
4、熱電冷却素子115、熱電冷却素子116、熱電冷
却素子117、熱電冷却素子118は、光導波路型回折
格子素子101に沿って第1の熱伝導部材102に接す
るように設置されている。熱電冷却素子113〜118
はそれぞれ温度制御機構109によって個別に制御され
ており、熱電冷却素子113〜118の第1の熱伝導部
材102に接する面はそれぞれ独立して加熱又は冷却す
ることができるが、本実施形態の場合は、熱電冷却素子
113〜115が第1の熱伝導部材102に接する面は
加熱し、熱電冷却素子116〜118が第1の熱伝導部
材102に接する面は冷却するものとしている。
【0041】第2の熱伝導部材112は、第2の熱伝導
部材112a〜112cによって構成されており、それ
ぞれアルミニウムを用いて形成されている。第2の熱伝
導部材112aは、熱電冷却素子113と熱電冷却素子
118とに接して設置され、第2の熱伝導部材112b
は、熱電冷却素子114と熱電冷却素子117とに接し
て設置され、第2の熱伝導部材112cは、熱電冷却素
子115と熱電冷却素子116とに接して設置されてい
る。すなわち、第1の熱伝導部材102を介して光導波
路型回折格子素子101を加熱する熱電冷却素子113
〜115のそれぞれと、第1の熱伝導部材102を介し
て光導波路型回折格子素子101を冷却する熱電冷却素
子116〜118のそれぞれが対になるように、第2の
熱伝導部材112a〜112cと接している。
部材112a〜112cによって構成されており、それ
ぞれアルミニウムを用いて形成されている。第2の熱伝
導部材112aは、熱電冷却素子113と熱電冷却素子
118とに接して設置され、第2の熱伝導部材112b
は、熱電冷却素子114と熱電冷却素子117とに接し
て設置され、第2の熱伝導部材112cは、熱電冷却素
子115と熱電冷却素子116とに接して設置されてい
る。すなわち、第1の熱伝導部材102を介して光導波
路型回折格子素子101を加熱する熱電冷却素子113
〜115のそれぞれと、第1の熱伝導部材102を介し
て光導波路型回折格子素子101を冷却する熱電冷却素
子116〜118のそれぞれが対になるように、第2の
熱伝導部材112a〜112cと接している。
【0042】光導波路型回折格子素子101に温度勾配
を与えるために、熱電冷却素子113〜115の第1の
熱伝導部材102に接する面を加熱すると、その面と反
対側の面が接する第2の熱伝導部材112a〜112c
からは熱を吸収することとなる。同様に、熱電冷却素子
116〜118の第1の熱伝導部材102に接する面を
冷却すると、その面と反対側の面が接する第2の熱伝導
部材112a〜112cには熱を与えることとなる。す
なわち、熱電冷却素子113と熱電冷却素子118とは
第2の熱伝導部材112aを介して、熱電冷却素子11
4と熱電冷却素子117とは第2の熱伝導部材112b
を介して、熱電冷却素子115と熱電冷却素子116と
は第2の熱伝導部材112cを介して、それぞれ熱交換
を行うこととなり、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
を与えるために、熱電冷却素子113〜115の第1の
熱伝導部材102に接する面を加熱すると、その面と反
対側の面が接する第2の熱伝導部材112a〜112c
からは熱を吸収することとなる。同様に、熱電冷却素子
116〜118の第1の熱伝導部材102に接する面を
冷却すると、その面と反対側の面が接する第2の熱伝導
部材112a〜112cには熱を与えることとなる。す
なわち、熱電冷却素子113と熱電冷却素子118とは
第2の熱伝導部材112aを介して、熱電冷却素子11
4と熱電冷却素子117とは第2の熱伝導部材112b
を介して、熱電冷却素子115と熱電冷却素子116と
は第2の熱伝導部材112cを介して、それぞれ熱交換
を行うこととなり、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
【0043】本実施形態の作用及び効果について説明す
る。熱電冷却素子104、105を用いているので、光
導波路型回折格子素子101と接している面を加熱した
り冷却したりすることができ、光導波路型回折格子素子
101に対して温度勾配が容易に与えられる。第2の熱
伝導部材111の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材10
2、103の熱伝導率が低いので、熱電冷却素子10
4、105から光導波路型回折格子素子101への熱伝
達速度が相対的に緩やかになり、結果として光導波路型
回折格子素子の各部へ伝わる熱による温度勾配がより滑
らかになる。すなわち、第2の熱伝導部材111の熱伝
導率よりも第1の熱伝導部材102、103の熱伝導率
が低ければ、一般的には第1の熱伝導部材102、10
3の比熱や熱容量が大きくなる傾向にあり、熱電冷却素
子104、105から第1の熱伝導部材102、103
へ伝えられる熱による温度勾配が例えば階段状であって
も、第1の熱伝導部材102、103に蓄えられる熱量
が大きいために、その階段状の温度勾配の段差部分が相
対的に小さくなって結果的に光導波路型回折格子素子1
01の各部へ伝わる熱による温度勾配がより滑らかにな
る。
る。熱電冷却素子104、105を用いているので、光
導波路型回折格子素子101と接している面を加熱した
り冷却したりすることができ、光導波路型回折格子素子
101に対して温度勾配が容易に与えられる。第2の熱
伝導部材111の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材10
2、103の熱伝導率が低いので、熱電冷却素子10
4、105から光導波路型回折格子素子101への熱伝
達速度が相対的に緩やかになり、結果として光導波路型
回折格子素子の各部へ伝わる熱による温度勾配がより滑
らかになる。すなわち、第2の熱伝導部材111の熱伝
導率よりも第1の熱伝導部材102、103の熱伝導率
が低ければ、一般的には第1の熱伝導部材102、10
3の比熱や熱容量が大きくなる傾向にあり、熱電冷却素
子104、105から第1の熱伝導部材102、103
へ伝えられる熱による温度勾配が例えば階段状であって
も、第1の熱伝導部材102、103に蓄えられる熱量
が大きいために、その階段状の温度勾配の段差部分が相
対的に小さくなって結果的に光導波路型回折格子素子1
01の各部へ伝わる熱による温度勾配がより滑らかにな
る。
【0044】第1の熱伝導部材102、103が複数の
熱電冷却素子104、105それぞれに接しているの
で、複数の熱電冷却素子104、105それぞれに別個
に第1の熱伝導部材が接している場合に比較して、熱電
冷却素子の数を減らすことができる。また、熱電冷却素
子の数を相対的に減少させても、第1の熱伝導部材10
2、103が熱電冷却素子104,105それぞれに接
しているので、温度勾配の滑らかさが損なわれるといっ
たことが減少する。第2の熱伝導部材111は、異なる
熱電冷却素子104、105の加熱される面と冷却され
る面とにそれぞれ接しているので、第2の熱伝導部材1
11内部での熱循環が起こり、加熱される面から受け取
った熱を冷却される面に受け渡すことにより熱供給源と
しての役割を果たすことができる。
熱電冷却素子104、105それぞれに接しているの
で、複数の熱電冷却素子104、105それぞれに別個
に第1の熱伝導部材が接している場合に比較して、熱電
冷却素子の数を減らすことができる。また、熱電冷却素
子の数を相対的に減少させても、第1の熱伝導部材10
2、103が熱電冷却素子104,105それぞれに接
しているので、温度勾配の滑らかさが損なわれるといっ
たことが減少する。第2の熱伝導部材111は、異なる
熱電冷却素子104、105の加熱される面と冷却され
る面とにそれぞれ接しているので、第2の熱伝導部材1
11内部での熱循環が起こり、加熱される面から受け取
った熱を冷却される面に受け渡すことにより熱供給源と
しての役割を果たすことができる。
【0045】光導波路型回折格子素子101が第1の熱
伝導部材102に形成されたV字溝102aに配置され
ているので、第1の熱伝導部材102から光導波路型回
折格子素子101へより効率的に熱が伝わり、熱電冷却
素子104、105で消費される直流電力量が低減され
る。
伝導部材102に形成されたV字溝102aに配置され
ているので、第1の熱伝導部材102から光導波路型回
折格子素子101へより効率的に熱が伝わり、熱電冷却
素子104、105で消費される直流電力量が低減され
る。
【0046】また本実施形態の光デバイス10では、第
1の熱伝導部材102、103は石英ガラスによって形
成されており、石英ガラスの熱伝導率は相対的に低いの
で、光導波路型回折格子素子101に与えられる熱勾配
がより滑らかになる。
1の熱伝導部材102、103は石英ガラスによって形
成されており、石英ガラスの熱伝導率は相対的に低いの
で、光導波路型回折格子素子101に与えられる熱勾配
がより滑らかになる。
【0047】また本実施形態の光デバイス10では、第
2の熱伝導部材111はアルミニウムによって形成され
ており、アルミニウムの熱伝導率は相対的に高いので、
熱電冷却素子104、105で消費される直流電力量が
より低減される。
2の熱伝導部材111はアルミニウムによって形成され
ており、アルミニウムの熱伝導率は相対的に高いので、
熱電冷却素子104、105で消費される直流電力量が
より低減される。
【0048】複数の温度センサ106、107、108
で測定した温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子10
4、105に流れる直流電流をそれぞれ調整するので、
各熱電冷却素子104、105の加熱又は冷却の状態を
適切に制御でき、より短時間での温度安定をもたらすこ
とができる。
で測定した温度勾配に応じて、複数の熱電冷却素子10
4、105に流れる直流電流をそれぞれ調整するので、
各熱電冷却素子104、105の加熱又は冷却の状態を
適切に制御でき、より短時間での温度安定をもたらすこ
とができる。
【0049】回路基板110が温度制御機構109を含
んでいるので、回路基板110と光導波路型回折格子素
子101と第1の熱伝導部材102、103と第2の熱
伝導部材111とを組み合わせて、分散特性の調整が容
易な分散調整モジュールの一部としての光デバイス10
を形成できる。
んでいるので、回路基板110と光導波路型回折格子素
子101と第1の熱伝導部材102、103と第2の熱
伝導部材111とを組み合わせて、分散特性の調整が容
易な分散調整モジュールの一部としての光デバイス10
を形成できる。
【0050】(第2実施形態)本発明の第2実施形態で
ある光デバイス30について説明する。図4(a)は、
光デバイス30の構成を示す図であり、図4(b)は、
図4(a)の光導波路型回折格子素子101近傍の断面
を示す図である。図4(a)に示される光デバイス30
は、光導波路型回折格子素子101、第1の熱伝導部材
301、103、熱電冷却素子104、105、30
2、303、温度センサ106、107、108、温度
制御機構109、回路基板110、第2の熱伝導部材1
11、及び第3の熱伝導部材304、305、306を
備えている。
ある光デバイス30について説明する。図4(a)は、
光デバイス30の構成を示す図であり、図4(b)は、
図4(a)の光導波路型回折格子素子101近傍の断面
を示す図である。図4(a)に示される光デバイス30
は、光導波路型回折格子素子101、第1の熱伝導部材
301、103、熱電冷却素子104、105、30
2、303、温度センサ106、107、108、温度
制御機構109、回路基板110、第2の熱伝導部材1
11、及び第3の熱伝導部材304、305、306を
備えている。
【0051】光導波路型回折格子素子101、温度セン
サ106、107、108、回路基板110、及び第2
の熱伝導部材111は、第1実施形態と同様の構成であ
ってその働きも同様であるので説明を省略する。
サ106、107、108、回路基板110、及び第2
の熱伝導部材111は、第1実施形態と同様の構成であ
ってその働きも同様であるので説明を省略する。
【0052】光導波路型回折格子素子101は、第1の
熱伝導部材301の長手方向に沿って形成されているV
字溝301aと、第1の熱伝導部材103との間に挟ま
れて固定されている。光導波路型回折格子素子101
は、第1の熱伝導部材301と第1の熱伝導部材103
との双方に接しており、第1の熱伝導部材301及び第
1の熱伝導部材103に与えられる熱が、第1の熱伝導
部材301及び第1の熱伝導部材103を経由して光導
波路型回折格子素子101に伝えられる。また、第1の
熱伝導部材301及び第1の熱伝導部材103と、光導
波路型回折格子素子101との隙間には、熱が伝わりや
すいように樹脂材料を充填している。この場合におい
て、光導波路型回折格子素子101は接着剤によってV
字溝301aに固定されている。この接着剤は固化する
と光導波路型回折格子素子101と実質的に同等の熱膨
張率となる。
熱伝導部材301の長手方向に沿って形成されているV
字溝301aと、第1の熱伝導部材103との間に挟ま
れて固定されている。光導波路型回折格子素子101
は、第1の熱伝導部材301と第1の熱伝導部材103
との双方に接しており、第1の熱伝導部材301及び第
1の熱伝導部材103に与えられる熱が、第1の熱伝導
部材301及び第1の熱伝導部材103を経由して光導
波路型回折格子素子101に伝えられる。また、第1の
熱伝導部材301及び第1の熱伝導部材103と、光導
波路型回折格子素子101との隙間には、熱が伝わりや
すいように樹脂材料を充填している。この場合におい
て、光導波路型回折格子素子101は接着剤によってV
字溝301aに固定されている。この接着剤は固化する
と光導波路型回折格子素子101と実質的に同等の熱膨
張率となる。
【0053】第1の熱伝導部材301及び第1の熱伝導
部材103は、石英ガラスによって形成されている。ま
た、第1の熱伝導部材301のV字溝301aと対向す
る底面301bに接して熱電冷却素子104、302、
303、105が、V字溝301aの長手方向に沿うよ
うに配置されている。第1の熱伝導部材301と熱電冷
却素子104、302、303、105との間には、第
3の熱伝導部材304、305、306が配置されてい
る。第3の熱伝導部材304〜306は、アルミニウム
や銅といった金属薄膜によって形成される。この金属薄
膜は、蒸着といった手法で形成される。この第3の熱伝
導部材304〜306の厚みは1〜10μmであること
が好ましい。厚みが10μmを超えると、熱が第3の熱
伝導部材304〜306の側面から外部に拡散するた
め、光導波路型回折格子素子101への熱伝達効率が低
下する。第3の熱伝導部材304〜306の厚みが1μ
mより薄い場合には熱電冷却素子104、302、30
3、105間の熱伝導効率が低下し、温度勾配を滑らか
にする効果が低減される。
部材103は、石英ガラスによって形成されている。ま
た、第1の熱伝導部材301のV字溝301aと対向す
る底面301bに接して熱電冷却素子104、302、
303、105が、V字溝301aの長手方向に沿うよ
うに配置されている。第1の熱伝導部材301と熱電冷
却素子104、302、303、105との間には、第
3の熱伝導部材304、305、306が配置されてい
る。第3の熱伝導部材304〜306は、アルミニウム
や銅といった金属薄膜によって形成される。この金属薄
膜は、蒸着といった手法で形成される。この第3の熱伝
導部材304〜306の厚みは1〜10μmであること
が好ましい。厚みが10μmを超えると、熱が第3の熱
伝導部材304〜306の側面から外部に拡散するた
め、光導波路型回折格子素子101への熱伝達効率が低
下する。第3の熱伝導部材304〜306の厚みが1μ
mより薄い場合には熱電冷却素子104、302、30
3、105間の熱伝導効率が低下し、温度勾配を滑らか
にする効果が低減される。
【0054】熱電冷却素子104、302、303、1
05は、冷却能力を持ったP型半導体及びN型半導体の
接合対であって、いわゆるペルチェ効果を有する素子で
ある。熱電冷却素子104、302、303、105
は、直流電流が流れることによって、素子の両表面が加
熱又は冷却されるものであり、直流電流の向きを変える
ことによって加熱又は冷却される面を切り替えることが
できる。熱電冷却素子104、302、303、105
はそれぞれ独立して温度制御機構109に接続されてお
り、温度制御機構109からの制御信号に応じてその内
部に流れる直流電流の向きや量を変えることができ、第
1の熱伝導部材301の底面301bに接する面を適宜
加熱又は冷却できるように構成されている。
05は、冷却能力を持ったP型半導体及びN型半導体の
接合対であって、いわゆるペルチェ効果を有する素子で
ある。熱電冷却素子104、302、303、105
は、直流電流が流れることによって、素子の両表面が加
熱又は冷却されるものであり、直流電流の向きを変える
ことによって加熱又は冷却される面を切り替えることが
できる。熱電冷却素子104、302、303、105
はそれぞれ独立して温度制御機構109に接続されてお
り、温度制御機構109からの制御信号に応じてその内
部に流れる直流電流の向きや量を変えることができ、第
1の熱伝導部材301の底面301bに接する面を適宜
加熱又は冷却できるように構成されている。
【0055】温度制御機構109は、温度センサ106
〜108から出力された温度測定結果に基づいて、間接
的に光導波路型回折格子素子101の温度勾配が、図6
(a)の実線のようになっていることを知ることができ
る。より具体的には、第1の熱伝導部材301の厚みや
熱伝導率は既知のものであるから、測定した第1の熱伝
導部材301の表面温度に所定の演算を施すことによっ
て、図6(a)に示すような光導波路型回折格子素子1
01の長手方向の温度分布を得ることができる。本実施
形態の場合には、光導波路型回折格子素子101の温度
分布は非線形の分布となっている。特に光導波路型回折
格子素子101の長手方向の中心近傍でその傾きが急峻
になるように制御されている。このように制御すれば可
変分散範囲の拡大が図れる。一般的に、温度勾配と波長
分散量とは、図6(b)の実線のように特定の関係があ
ることから、光導波路型回折格子素子101の温度勾配
を制御することによって波長分散補償が可能となる。
〜108から出力された温度測定結果に基づいて、間接
的に光導波路型回折格子素子101の温度勾配が、図6
(a)の実線のようになっていることを知ることができ
る。より具体的には、第1の熱伝導部材301の厚みや
熱伝導率は既知のものであるから、測定した第1の熱伝
導部材301の表面温度に所定の演算を施すことによっ
て、図6(a)に示すような光導波路型回折格子素子1
01の長手方向の温度分布を得ることができる。本実施
形態の場合には、光導波路型回折格子素子101の温度
分布は非線形の分布となっている。特に光導波路型回折
格子素子101の長手方向の中心近傍でその傾きが急峻
になるように制御されている。このように制御すれば可
変分散範囲の拡大が図れる。一般的に、温度勾配と波長
分散量とは、図6(b)の実線のように特定の関係があ
ることから、光導波路型回折格子素子101の温度勾配
を制御することによって波長分散補償が可能となる。
【0056】また、図6(a)及び図6(b)に示す実
線の非線形制御と、図6(a)及び図6(b)に示す二
点鎖線の線形制御とを組み合わせることにより高精度な
分散分解能と可変分散幅の拡大の両立が可能となる。よ
り具体的には次のとおりである。例えば線形制御の場合
に100mmの範囲で温度差100℃を生じさせた場合
はその温度勾配は1℃/mmであるのに対して、非線形
制御の場合には勾配が生じる範囲が狭まって50mmと
なり、温度差100℃を生じさせればその温度勾配は2
℃/mmとなる。また、それらの温度差を99℃にすれ
ば、線形制御の場合の温度勾配は0.99℃/mmであ
るのに対して、非線形制御の温度勾配は1.98℃/m
mとなる。従って、1℃の変化において、線形制御の場
合には0.01℃/mmの精度で制御が可能であるが、
非線形制御の場合には0.02℃/mmの精度で制御が
可能となる。すなわち、高精度な分散分解能を要求され
る場合には線形制御を選択し、可変分散幅の拡大を要求
される場合には非線形制御を選択することとなる。
線の非線形制御と、図6(a)及び図6(b)に示す二
点鎖線の線形制御とを組み合わせることにより高精度な
分散分解能と可変分散幅の拡大の両立が可能となる。よ
り具体的には次のとおりである。例えば線形制御の場合
に100mmの範囲で温度差100℃を生じさせた場合
はその温度勾配は1℃/mmであるのに対して、非線形
制御の場合には勾配が生じる範囲が狭まって50mmと
なり、温度差100℃を生じさせればその温度勾配は2
℃/mmとなる。また、それらの温度差を99℃にすれ
ば、線形制御の場合の温度勾配は0.99℃/mmであ
るのに対して、非線形制御の温度勾配は1.98℃/m
mとなる。従って、1℃の変化において、線形制御の場
合には0.01℃/mmの精度で制御が可能であるが、
非線形制御の場合には0.02℃/mmの精度で制御が
可能となる。すなわち、高精度な分散分解能を要求され
る場合には線形制御を選択し、可変分散幅の拡大を要求
される場合には非線形制御を選択することとなる。
【0057】本実施形態では光導波路型回折格子素子1
01の温度勾配を滑らかにするために次のような手法を
採用している。
01の温度勾配を滑らかにするために次のような手法を
採用している。
【0058】温度制御機構109は、温度センサ106
〜108の温度測定結果と、予め求められている第1の
熱伝導部材301や第1の熱伝導部材103の熱伝導率
といった物性値に基づいて、光導波路型回折格子素子1
01の温度分布を推測する。温度制御機構109は、そ
の推測した温度分布が目標とする温度勾配(図6(a)
参照)となるように、熱電冷却素子104、302、3
03、105に流す直流電流を制御する。熱電冷却素子
104、302、303、105と、光導波路型回折格
子素子101に接している第1の熱伝導部材301の熱
伝導率といった物性値は予め求められているから、温度
制御機構109は、温度センサ106〜108の温度測
定結果に応じて、熱電冷却素子104、302、30
3、105に流す直流電流を制御することにより光導波
路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに制御でき
る。
〜108の温度測定結果と、予め求められている第1の
熱伝導部材301や第1の熱伝導部材103の熱伝導率
といった物性値に基づいて、光導波路型回折格子素子1
01の温度分布を推測する。温度制御機構109は、そ
の推測した温度分布が目標とする温度勾配(図6(a)
参照)となるように、熱電冷却素子104、302、3
03、105に流す直流電流を制御する。熱電冷却素子
104、302、303、105と、光導波路型回折格
子素子101に接している第1の熱伝導部材301の熱
伝導率といった物性値は予め求められているから、温度
制御機構109は、温度センサ106〜108の温度測
定結果に応じて、熱電冷却素子104、302、30
3、105に流す直流電流を制御することにより光導波
路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに制御でき
る。
【0059】特に、第1の熱伝導部材301及び第1の
熱伝導部材103は石英ガラスであって、その熱伝導率
は比較的低いものであるから、熱電冷却素子104、3
02、303、105から光導波路型回折格子素子10
1への伝熱速度は比較的遅くなり、光導波路型回折格子
素子101の長手方向の長さに比して熱電冷却素子10
4、302、303、105の設置個数が少なくても、
光導波路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに与
えることができる。
熱伝導部材103は石英ガラスであって、その熱伝導率
は比較的低いものであるから、熱電冷却素子104、3
02、303、105から光導波路型回折格子素子10
1への伝熱速度は比較的遅くなり、光導波路型回折格子
素子101の長手方向の長さに比して熱電冷却素子10
4、302、303、105の設置個数が少なくても、
光導波路型回折格子素子101の温度勾配を滑らかに与
えることができる。
【0060】温度制御機構109は、回路基板110に
設けられており、回路基板110は、第2の熱伝導部材
111に固定されている。第2の熱伝導部材111は、
アルミニウムで形成されており、熱電冷却素子104、
302、303、105のそれぞれと接している。例え
ば、光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ために、熱電冷却素子104、302の第1の熱伝導部
材301に接する面を加熱し、熱電冷却素子105、3
03の第1の熱伝導部材301に接する面を冷却する場
合に、熱電冷却素子104、302は第2の熱伝導部材
111から熱を吸収し、熱電冷却素子105、303は
第2の熱伝導部材111に熱を与えることとなる。ま
た、熱電冷却素子104、302、303、105は、
第3の熱伝導部材304〜306を介して熱交換を行
う。従って、熱電冷却素子104と熱電冷却素子105
とは第2の熱伝導部材111及び第3の熱伝導部材30
4〜306を介して熱交換を行うことにより、より効率
的に光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ことができる。
設けられており、回路基板110は、第2の熱伝導部材
111に固定されている。第2の熱伝導部材111は、
アルミニウムで形成されており、熱電冷却素子104、
302、303、105のそれぞれと接している。例え
ば、光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ために、熱電冷却素子104、302の第1の熱伝導部
材301に接する面を加熱し、熱電冷却素子105、3
03の第1の熱伝導部材301に接する面を冷却する場
合に、熱電冷却素子104、302は第2の熱伝導部材
111から熱を吸収し、熱電冷却素子105、303は
第2の熱伝導部材111に熱を与えることとなる。ま
た、熱電冷却素子104、302、303、105は、
第3の熱伝導部材304〜306を介して熱交換を行
う。従って、熱電冷却素子104と熱電冷却素子105
とは第2の熱伝導部材111及び第3の熱伝導部材30
4〜306を介して熱交換を行うことにより、より効率
的に光導波路型回折格子素子101に温度勾配を与える
ことができる。
【0061】第3の熱伝導部材は、図5に示すように、
第1の熱伝導部材301のV字溝301a部分に蒸着さ
れて第3の熱伝導部材307として形成されていてもよ
い。熱電冷却素子104、302、303、105相互
の熱交換を考慮すれば、第3の熱伝導部材は熱電冷却素
子104、302、303、105に近い方がより好ま
しいけれども、少なくとも熱電冷却素子104、30
2、303、105と光導波路型回折格子素子101と
の間にあれば実用的な効果を発揮できる。
第1の熱伝導部材301のV字溝301a部分に蒸着さ
れて第3の熱伝導部材307として形成されていてもよ
い。熱電冷却素子104、302、303、105相互
の熱交換を考慮すれば、第3の熱伝導部材は熱電冷却素
子104、302、303、105に近い方がより好ま
しいけれども、少なくとも熱電冷却素子104、30
2、303、105と光導波路型回折格子素子101と
の間にあれば実用的な効果を発揮できる。
【0062】ここで、第1の熱伝導部材301、第2の
熱伝導部材111、及び第3の熱伝導部材304〜30
6の変形例である、第1の熱伝導部材700、第2の熱
伝導部材112、及び第3の熱伝導部材701〜705
について図7を用いて説明する。図7は、図4に示す光
デバイス30の熱電冷却素子104、302、303、
105を熱電冷却素子113〜118に、第1の熱伝導
部材301を第1の熱伝導部材700に、第2の熱伝導
部材111を第2の熱伝導部材112a〜112cに、
第3の熱伝導部材304〜306を第3の熱伝導部材7
01〜705にそれぞれ置き換えた構成を示す図であ
る。尚、温度センサ106〜108、温度制御機構10
9、回路基板110は、それぞれ図4に示す光デバイス
30と同様であるので記載を省略している。
熱伝導部材111、及び第3の熱伝導部材304〜30
6の変形例である、第1の熱伝導部材700、第2の熱
伝導部材112、及び第3の熱伝導部材701〜705
について図7を用いて説明する。図7は、図4に示す光
デバイス30の熱電冷却素子104、302、303、
105を熱電冷却素子113〜118に、第1の熱伝導
部材301を第1の熱伝導部材700に、第2の熱伝導
部材111を第2の熱伝導部材112a〜112cに、
第3の熱伝導部材304〜306を第3の熱伝導部材7
01〜705にそれぞれ置き換えた構成を示す図であ
る。尚、温度センサ106〜108、温度制御機構10
9、回路基板110は、それぞれ図4に示す光デバイス
30と同様であるので記載を省略している。
【0063】熱電冷却素子113、熱電冷却素子11
4、熱電冷却素子115、熱電冷却素子116、熱電冷
却素子117、熱電冷却素子118は、光導波路型回折
格子素子101に沿って第1の熱伝導部材700に接す
るように設置されている。熱電冷却素子113〜118
はそれぞれ温度制御機構109によって個別に制御され
ており、熱電冷却素子113〜118の第1の熱伝導部
材700に接する面はそれぞれ独立して加熱又は冷却す
ることができるが、本実施形態の場合は、熱電冷却素子
113〜115が第1の熱伝導部材700に接する面は
加熱し、熱電冷却素子116〜118が第1の熱伝導部
材700に接する面は冷却するものとしている。
4、熱電冷却素子115、熱電冷却素子116、熱電冷
却素子117、熱電冷却素子118は、光導波路型回折
格子素子101に沿って第1の熱伝導部材700に接す
るように設置されている。熱電冷却素子113〜118
はそれぞれ温度制御機構109によって個別に制御され
ており、熱電冷却素子113〜118の第1の熱伝導部
材700に接する面はそれぞれ独立して加熱又は冷却す
ることができるが、本実施形態の場合は、熱電冷却素子
113〜115が第1の熱伝導部材700に接する面は
加熱し、熱電冷却素子116〜118が第1の熱伝導部
材700に接する面は冷却するものとしている。
【0064】第2の熱伝導部材112は、第2の熱伝導
部材112a〜112cによって構成されており、それ
ぞれアルミニウムを用いて形成されている。第2の熱伝
導部材112aは、熱電冷却素子113と熱電冷却素子
118とに接して設置され、第2の熱伝導部材112b
は、熱電冷却素子114と熱電冷却素子117とに接し
て設置され、第2の熱伝導部材112cは、熱電冷却素
子115と熱電冷却素子116とに接して設置されてい
る。すなわち、第1の熱伝導部材700を介して光導波
路型回折格子素子101を加熱する熱電冷却素子113
〜115のそれぞれと、第1の熱伝導部材700を介し
て光導波路型回折格子素子101を冷却する熱電冷却素
子116〜118のそれぞれが対になるように、第2の
熱伝導部材112a〜112cと接している。
部材112a〜112cによって構成されており、それ
ぞれアルミニウムを用いて形成されている。第2の熱伝
導部材112aは、熱電冷却素子113と熱電冷却素子
118とに接して設置され、第2の熱伝導部材112b
は、熱電冷却素子114と熱電冷却素子117とに接し
て設置され、第2の熱伝導部材112cは、熱電冷却素
子115と熱電冷却素子116とに接して設置されてい
る。すなわち、第1の熱伝導部材700を介して光導波
路型回折格子素子101を加熱する熱電冷却素子113
〜115のそれぞれと、第1の熱伝導部材700を介し
て光導波路型回折格子素子101を冷却する熱電冷却素
子116〜118のそれぞれが対になるように、第2の
熱伝導部材112a〜112cと接している。
【0065】光導波路型回折格子素子101に温度勾配
を与えるために、熱電冷却素子113〜115の第1の
熱伝導部材700に接する面を加熱すると、その面と反
対側の面が接する第2の熱伝導部材112a〜112c
からは熱を吸収することとなる。同様に、熱電冷却素子
116〜118の第1の熱伝導部材700に接する面を
冷却すると、その面と反対側の面が接する第2の熱伝導
部材112a〜112cには熱を与えることとなる。す
なわち、熱電冷却素子113と熱電冷却素子118とは
第2の熱伝導部材112aを介して、熱電冷却素子11
4と熱電冷却素子117とは第2の熱伝導部材112b
を介して、熱電冷却素子115と熱電冷却素子116と
は第2の熱伝導部材112cを介して、それぞれ熱交換
を行うこととなり、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
を与えるために、熱電冷却素子113〜115の第1の
熱伝導部材700に接する面を加熱すると、その面と反
対側の面が接する第2の熱伝導部材112a〜112c
からは熱を吸収することとなる。同様に、熱電冷却素子
116〜118の第1の熱伝導部材700に接する面を
冷却すると、その面と反対側の面が接する第2の熱伝導
部材112a〜112cには熱を与えることとなる。す
なわち、熱電冷却素子113と熱電冷却素子118とは
第2の熱伝導部材112aを介して、熱電冷却素子11
4と熱電冷却素子117とは第2の熱伝導部材112b
を介して、熱電冷却素子115と熱電冷却素子116と
は第2の熱伝導部材112cを介して、それぞれ熱交換
を行うこととなり、より効率的に光導波路型回折格子素
子101に温度勾配を与えることができる。
【0066】本実施形態の作用及び効果について説明す
る。尚、第1実施形態と重複する部分については説明を
省略する。光導波路型回折格子素子101は、第一の熱
伝導部材301に形成されたV字溝301aに配置され
ると共に、固化すると光導波路型回折格子素子101と
実質的に同等の熱膨張率となる接着剤を用いて溝に固定
されるので、固化の後に加熱若しくは冷却する場合の熱
応力の影響を低減できる。
る。尚、第1実施形態と重複する部分については説明を
省略する。光導波路型回折格子素子101は、第一の熱
伝導部材301に形成されたV字溝301aに配置され
ると共に、固化すると光導波路型回折格子素子101と
実質的に同等の熱膨張率となる接着剤を用いて溝に固定
されるので、固化の後に加熱若しくは冷却する場合の熱
応力の影響を低減できる。
【0067】熱電冷却素子104、302、303、1
05と第1の熱伝導部材301との間の少なくとも一部
に、薄膜金属で形成されている第3の熱伝導部材304
〜306が配置されるので、熱電冷却素子104、30
2、303、105それぞれの間での熱伝達効率を高め
るので熱電冷却素子間に生じる温度ギャップを緩和でき
る。
05と第1の熱伝導部材301との間の少なくとも一部
に、薄膜金属で形成されている第3の熱伝導部材304
〜306が配置されるので、熱電冷却素子104、30
2、303、105それぞれの間での熱伝達効率を高め
るので熱電冷却素子間に生じる温度ギャップを緩和でき
る。
【0068】また、第3の熱伝導部材304〜306は
第1の熱伝導部材301が熱電冷却素子104、30
2、303、105と接する面301bの全面に配置さ
れることも好ましい。第3の熱伝導部材304〜306
が第1の熱伝導部材301の全面に配置されていると、
熱電冷却素子104、302、303、105それぞれ
の間での熱伝達効率の向上がより顕著となる。
第1の熱伝導部材301が熱電冷却素子104、30
2、303、105と接する面301bの全面に配置さ
れることも好ましい。第3の熱伝導部材304〜306
が第1の熱伝導部材301の全面に配置されていると、
熱電冷却素子104、302、303、105それぞれ
の間での熱伝達効率の向上がより顕著となる。
【0069】また図5に示すように、第1の熱伝導部材
301と光導波路型回折格子素子101との間に薄膜金
属で形成されている第3の熱伝導部材307が配置され
ていると熱電冷却素子104、302、303、105
それぞれの間での熱伝達効率の向上を図ることができ
る。
301と光導波路型回折格子素子101との間に薄膜金
属で形成されている第3の熱伝導部材307が配置され
ていると熱電冷却素子104、302、303、105
それぞれの間での熱伝達効率の向上を図ることができ
る。
【0070】熱電冷却素子104、302、303、1
05から光導波路型回折格子素子101に与えられる温
度勾配が非線形温度勾配となるように制御すれば、可変
分散範囲の拡大を図ることができる。特に光導波路型回
折格子素子101の長手方向の中心近傍の温度勾配を急
峻なものとすれば、可変分散範囲をより広げることがで
きる。
05から光導波路型回折格子素子101に与えられる温
度勾配が非線形温度勾配となるように制御すれば、可変
分散範囲の拡大を図ることができる。特に光導波路型回
折格子素子101の長手方向の中心近傍の温度勾配を急
峻なものとすれば、可変分散範囲をより広げることがで
きる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、熱電冷却素子を用いて
いるので、光導波路型回折格子素子と接している面を加
熱したり冷却したりすることができ、光導波路型回折格
子素子に対して温度勾配が容易に与えられる。第2の熱
伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率
が低いので、熱電冷却素子から光導波路型回折格子素子
への熱伝達速度が相対的に緩やかになり、結果として光
導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱による温度勾配
がより滑らかになる。すなわち、第2の熱伝導部材の熱
伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率が低ければ、
一般的には第1の熱伝導部材の比熱や熱容量が大きくな
る傾向にあり、熱電冷却素子から第1の熱伝導部材へ伝
えられる熱による温度勾配が例えば階段状であっても、
第1の熱伝導部材に蓄えられる熱量が大きいために、そ
の階段状の温度勾配の段差部分が相対的に小さくなって
結果的に光導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱によ
る温度勾配がより滑らかになる。従って本発明の目的と
する、分散特性の調整が容易な増幅器において好適に用
いられる光デバイスを提供することができた。
いるので、光導波路型回折格子素子と接している面を加
熱したり冷却したりすることができ、光導波路型回折格
子素子に対して温度勾配が容易に与えられる。第2の熱
伝導部材の熱伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率
が低いので、熱電冷却素子から光導波路型回折格子素子
への熱伝達速度が相対的に緩やかになり、結果として光
導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱による温度勾配
がより滑らかになる。すなわち、第2の熱伝導部材の熱
伝導率よりも第1の熱伝導部材の熱伝導率が低ければ、
一般的には第1の熱伝導部材の比熱や熱容量が大きくな
る傾向にあり、熱電冷却素子から第1の熱伝導部材へ伝
えられる熱による温度勾配が例えば階段状であっても、
第1の熱伝導部材に蓄えられる熱量が大きいために、そ
の階段状の温度勾配の段差部分が相対的に小さくなって
結果的に光導波路型回折格子素子の各部へ伝わる熱によ
る温度勾配がより滑らかになる。従って本発明の目的と
する、分散特性の調整が容易な増幅器において好適に用
いられる光デバイスを提供することができた。
【図1】本発明の第1実施形態である光デバイスの構成
を示した図である。
を示した図である。
【図2】図1の光導波路型回折格子素子の温度勾配を説
明するための図である。
明するための図である。
【図3】図1の第2の熱伝導部材の変形例を示した図で
ある。
ある。
【図4】本発明の第1実施形態である光デバイスの構成
を示した図である。
を示した図である。
【図5】図4の第3の熱伝導部材の変形例を示した図で
ある。
ある。
【図6】図4の光導波路型回折格子素子の温度勾配を説
明するための図である。
明するための図である。
【図7】図4の第2の熱伝導部材の変形例を示した図で
ある。
ある。
10…光デバイス、101…光導波路型回折格子素子、
102…第1の熱伝導部材、102a…V字溝、102
b…底面、103…第1の熱伝導部材、103a…天面
104…熱電冷却素子、105…熱電冷却素子、106
…温度センサ、107…温度センサ、108…温度セン
サ、109…温度制御機構、110…回路基板、111
…第2の熱伝導部材。
102…第1の熱伝導部材、102a…V字溝、102
b…底面、103…第1の熱伝導部材、103a…天面
104…熱電冷却素子、105…熱電冷却素子、106
…温度センサ、107…温度センサ、108…温度セン
サ、109…温度制御機構、110…回路基板、111
…第2の熱伝導部材。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 蔀 龍彦
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 牧 久雄
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 井上 享
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 柴田 俊和
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
Fターム(参考) 2H047 LA02 LA03 NA01 NA05 QA04
RA08
2H050 AC71 AC82 AC84
2H079 AA06 AA12 CA04 EA09 HA11
Claims (15)
- 【請求項1】 光導波路の長手方向に沿った所定範囲に
渡って屈折率変調による回折格子が形成され、当該回折
格子の格子間隔が前記長手方向に沿って変化している光
導波路型回折格子素子と、 前記長手方向に沿って複数配置されており、直流電力が
流れることによってその第1の表面が加熱されると共に
当該第1の表面に対向する第2の表面が冷却され、当該
加熱又は冷却によって前記光導波路に温度勾配を与えて
前記回折格子の実効屈折率を調整することにより前記光
導波路型回折格子素子の分散特性を調整する熱電冷却素
子と、 前記光導波路型回折格子素子及び前記熱電冷却素子の間
に配置され、前記光導波路型回折格子素子と、前記熱電
冷却素子の第1の表面又は第2の表面と、の双方に接す
る第1の熱伝導部材と、 前記第1の熱伝導部材が接している前記熱電冷却素子の
第1の表面又は第2の表面と対向する、当該熱電冷却素
子の第2の表面又は第1の表面に接して配置されてお
り、前記第1の熱伝導部材よりも熱伝導率が高い第2の
熱伝導部材と、を備える光デバイス。 - 【請求項2】 前記第1の熱伝導部材は、前記複数の熱
電冷却素子それぞれの第1の表面又は第2の表面に接し
ており、 前記第2の熱伝導部材は、前記複数の熱電冷却素子の
内、一の熱電冷却素子の第1の表面、及び、他の熱電冷
却素子の第2の表面にそれぞれ接している、請求項1に
記載の光デバイス。 - 【請求項3】 前記第1の熱伝導部材には前記長手方向
に沿って溝が形成されており、前記光導波路型回折格子
素子は当該形成された溝に配置されている、請求項1又
は2に記載の光デバイス。 - 【請求項4】 前記光導波路型回折格子素子は、前記第
一の熱伝導部材に形成された溝に配置されると共に、固
化すると前記光導波路型回折格子素子と実質的に同等の
熱膨張率となる接着剤を用いて前記溝に固定されてい
る、請求項3に記載の光デバイス。 - 【請求項5】 前記第1の熱伝導部材は、石英ガラスに
よって形成されている、請求項1から4のいずれか1項
に記載の光デバイス。 - 【請求項6】 前記第2の熱伝導部材は、アルミニウム
によって形成されている、請求項1から5のいずれか1
項に記載の光デバイス。 - 【請求項7】 前記熱電冷却素子と前記第1の熱伝導部
材との間の少なくとも一部に薄膜金属で形成されている
第3の熱伝導部材が配置されている、請求項1から6の
いずれか1項に記載の光デバイス。 - 【請求項8】 前記第3の熱伝導部材は前記第1の熱伝
導部材が前記熱電冷却素子と接する面の全面に配置され
ている、請求項7に記載の光デバイス。 - 【請求項9】 前記第3の熱伝導部材は前記第1の熱伝
導部材が前記熱電冷却素子と接する面の前記熱電冷却素
子間にのみ配置されている、請求項7に記載の光デバイ
ス。 - 【請求項10】 前記第1の熱伝導部材と前記光導波路
型回折格子素子との間の少なくとも一部に薄膜金属で形
成されている第3の熱伝導部材が配置されている、請求
項1から6のいずれか1項に記載の光デバイス。 - 【請求項11】 前記第3の熱伝導部材は金属を蒸着す
ることで形成されている、請求項7から10のいずれか
1項に記載の光デバイス。 - 【請求項12】 前記第3の熱伝導部材の厚みは1〜1
0μmである、請求項7から11のいずれか1項に記載
の光デバイス。 - 【請求項13】 前記光導波路型回折格子素子の温度勾
配を測定するための複数の温度センサと、 当該複数の温度センサが測定した前記光導波路型回折格
子素子の温度勾配に応じて、前記複数の熱電冷却素子に
流れる直流電流をそれぞれ調整する温度制御機構と、を
更に備える請求項1から12のいずれか1項に記載の光
デバイス。 - 【請求項14】 前記温度制御機構は、前記熱電冷却素
子から前記光導波路型回折格子素子に与えられる温度勾
配が非線形な温度勾配となるように前記直流電流を調整
する、請求項13に記載の光デバイス。 - 【請求項15】 前記温度制御機構を含む回路基板を更
に備える請求項13又は14に記載の光デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034258A JP2003307636A (ja) | 2002-02-13 | 2003-02-12 | 光デバイス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002-35854 | 2002-02-13 | ||
JP2002035854 | 2002-02-13 | ||
JP2003034258A JP2003307636A (ja) | 2002-02-13 | 2003-02-12 | 光デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003307636A true JP2003307636A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29405124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003034258A Pending JP2003307636A (ja) | 2002-02-13 | 2003-02-12 | 光デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003307636A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010026296A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Mitsubishi Electric Corp | 可変分散補償器 |
US8111724B2 (en) | 2009-07-07 | 2012-02-07 | International Business Machines Corporation | Temperature control device for optoelectronic devices |
-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034258A patent/JP2003307636A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010026296A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Mitsubishi Electric Corp | 可変分散補償器 |
US8111724B2 (en) | 2009-07-07 | 2012-02-07 | International Business Machines Corporation | Temperature control device for optoelectronic devices |
US8363686B2 (en) | 2009-07-07 | 2013-01-29 | International Business Machines Corporation | Temperature control device for optoelectronic devices |
US8912032B2 (en) | 2009-07-07 | 2014-12-16 | International Business Machines Corporation | Temperature control device for optoelectronic devices |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060418 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060822 |