JP2004258427A - 複屈折誘起材料、位相差フィルム、および位相差フィルムの製造方法、感光性重合体 - Google Patents

複屈折誘起材料、位相差フィルム、および位相差フィルムの製造方法、感光性重合体 Download PDF

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丈也 酒井
Masao Uetsuki
正雄 植月
Yoshihiro Kawatsuki
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Abstract

【目的】光学補償効果を有する位相差フィルムを低コストで製造する。。
【構成】光照射と加熱による分子運動とそれに基づく分子配向により複屈折を誘起する材料(=複屈折誘起材料)に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムの製造法において、複屈折誘起材料に少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端をする材料を混合して用いることによってヘイズの少ない低コストで光学補償効果を有する位相差フィルムを製造できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の視野角特性を改善するため用いられる位相差フィルムおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
位相差フィルムは、互いに垂直な主軸方向に振動する直線偏光成分を透過させ、この二成分間に必要な位相差を与える複屈折性を有するフィルムである。このような位相差フィルムは液晶表示分野にも活用されてきており、特に負の複屈折性を有する液晶性材料を傾斜ないしはベンド配向させた位相差フィルムは液晶表示装置の視野角拡大に有効な光学補償フィルムとして利用されてきている。このような位相差フィルムによって大幅な視野角拡大効果が得られてはいるが、液晶表示装置を見る方向によっては光学補償効果が十分得られていないのが実状である。
位相差フィルムを製造する他の製造法として光照射により位相差を発現させる方法が挙げられる。この方法として、特開平7−168020号や特開平7−207037号に光異性化するアゾベンゼン部を含む高分子のシートに光照射し光軸の傾いた負の一軸性を有する位相差フィルムが提案されている。しかしながら、アゾベンゼンの光異性化を利用しているため耐熱性などの面で実用性に欠けると考えられる。また、特開平11−183722号にシンナモイル基またはその誘導体基が例として示された光反応性置換基を有する液晶性材料の膜に光照射し、照射光の照射方向への射影方向が得られるフィルムのフィルム面内の進相軸方向または遅相軸方向と一致し、該進相軸または遅相軸を傾斜軸とした場合のレタデーション値の傾斜角依存性が法線方向に対して非対称である位相差フィルムが記載されている。しかしながら、このような、進相軸または遅相軸を傾斜軸とした場合のレタデーション値の傾斜角依存性が法線方向に対して非対称にするのみでは光学補償効果は十分でない。
これに対し、本発明者は、特願2002−114490号、特願2002−114491号に、光照射または光照射と加熱冷却により複屈折を誘起する材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される光学補償効果の大きい位相差フィルムおよびその製造法を提案した。しかしながら、これらの方法では、大きな位相差を得るため膜厚を厚くすると材料自体の光吸収が強いため照射光がフィルムの内部ないしは対向面まで届かず、該部分での配向を十分誘起することができず、配向の乱れによるヘイズの発生の原因となり、液晶表示装置などに用いる光学補償フィルムとして用いた場合、コントラストの低下を引起すなどの問題があった。また、これを解決するための方法として特開2002−90539号に記載した光透過性の基材に塗布し塗布面側と基材裏面側から光照射する方法を利用できるが、この方法でも2方向から光照射するため製造装置および工程が煩雑になるなどの問題点がある。
【参考文献】
特開平7−168020号
特開平7−207037号
特開平11−183722号
特願2002−114490号
特願2002−114491号
特開2002−90539号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、TN型液晶表示装置の視野角特性を改善する、即ち、着色現象、階調反転を低減する位相差フィルムおよびその位相差フィルムをより低コストで工業的に提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決する手段】
複屈折誘起材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムにおいて、複屈折誘起材料として少なくとも2種の互いに異なる波長に光吸収をする材料を混合して用いることをことによって上記課題を解決することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明では、複屈折誘起材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムの製造法において、複屈折誘起材料に少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端をする材料を混合して用いることを特徴とする。該複屈折誘起材料としては、メソゲン成分として多用されているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基と感光性の基を結合した化学式1または化学式2に示す構造を含む側鎖を有し、炭化水素、アクリレート、メタクリレート、シロキサンなどの構造を主鎖に有する重合体であり、少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端をする材料の混合体が挙げられる。例を挙げて説明すると、この少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端を有する材料のうち1種が化学式3で示されるシンナモイル基またはその誘導体基を有する材料である場合、該基と異なる感光波長吸収端を有する材料として化学式4または化学式5または化学式6または化学式7または化学式8または化学式9または化学式10または化学式11または化学式12または化学式13で示される構造を有する材料が代表的に挙げられる。
【化1】
Figure 2004258427
【化2】
Figure 2004258427
【化3】
Figure 2004258427
【化4】
Figure 2004258427
【化5】
Figure 2004258427
【化6】
Figure 2004258427
【化7】
Figure 2004258427
【化8】
Figure 2004258427
【化9】
Figure 2004258427
【化10】
Figure 2004258427
【化11】
Figure 2004258427
【化12】
Figure 2004258427
【化13】
Figure 2004258427
但し、−R〜−R11=−H、ハロゲン基、−CN、ニトロ基、アミノ基、アルキル基またはメトキシ基などのアルキルオキシ基、またはそれらを弗化した基、x:y=100〜0:0〜100、n=1〜12、m=1〜12、j=1〜12、X,Y,=none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−or−C−、W,W=化学式3または化学式4または化学式5または化学式6または化学式7または化学式8または化学式9または化学式10または化学式11または化学式12または化学式13で表される構造である。
【0006】
これら重合体を混合する手段として、少なくとも2種の単量体の単独重合体を混合し相溶、分散させることや、それら単量体を共重合させる方法が挙げられる。
本発明に関わる詳細を更に説明すると、本発明において2種の互いに異なる感光波長吸収端を有する複屈折誘起材料としてシンナモイル基とナフチルアクリロイル基の2種を感光性基とした材料を用いた場合、それらの感光波長吸収端はそれぞれの320nmと370nmである。ここに光源として313nmと365nmに分光ピークを有する高圧水銀灯を用い光照射する。この場合、シンナモイル基とナフチルアクリロイル基による吸収のため313nmの光は比較的フィルム表面で吸収され膜深部まで到達しない。これに対し365nmの光は、ナフチルアクリロイル基に吸収されるものの、該基の含有量を適宜調整すると膜の比較的内部または対向面まで到達し、ナフチルアクリロイル基の反応を膜の比較的深部で進行させることができる。このことによりフィルム深部での分子の配向を増強させヘイズの低減を実現できる。
また、本発明の複屈折誘起材料では、照射光を比較的広い波長範囲で光反応に利用でき比較的少ない照射エネルギー量で位相差を発現できることから製造コストを低減できる。更に、照射エネルギー量の低減には、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなどを使用することも有効である。
【0007】
また、特願2000−400356号に記載したようなメソゲン成分として多用されているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基を有する結晶性または、液晶性を有する低分子化合物を混合することもできる。混合する低分子化合物は、単一の化合物のみとは限らず複数種の化合物を混合することも可能である。
更には、液晶性を損なわない程度に配向性を向上させるための配向助剤や耐熱性を向上させるための架橋剤を添加すること、感光性基を含まない側鎖を有する単位を共重合させることや、液晶性を損なうことなく液晶性を示さない単位を共重合してもかまわない。例えば、炭化水素、アクリレートアルキルエステル、メタクリレートアルキルエステル、シロキサンなどを共重合させることによりヘイズ抑制などフィルムの光学特性の良化に役立つ場合がある。
本発明の位相フィルムまたはその製造法で作製された位相差フィルムの製造例としては、照射する光の偏光度や照射角度によって複屈折性を調整された光学的に1軸性の異方性を有するフィルム、光学的に2軸性の異方性を有するフィルム、それら屈折率楕円体がフィルム面に対して傾斜した配置にあるフィルム、本発明者が提案した特願平2002−114490号に記載した、図3に示すような、X軸とY軸の成す面をフィルム面内としZ軸を厚さ方向とした場合にX軸方向に主屈折率nx、Y軸方向に主屈折率ny、Z軸方向に主屈折率nzを有する第1の屈折率楕円体31(ここで第1の屈折率楕円体の主屈折率の関係は、nx>ny≧nzである)と、第1の屈折率楕円体を、Y軸を回転軸として角度θ1°回転させ、更にZ軸を回転軸として角度θ2°回転させた方向に主屈折率nx´、ny´、nz´を有する第2の屈折率楕円体32(ここで第2の屈折率楕円体の主屈折率の関係は、nx´>ny´≧nz´である)とを併せてなる複屈折性を有する位相差フィルム、ないしは、図4に示すような、フィルム面に平行するX軸、Y軸およびフィルム面法線方向のZ軸からなる座標系に対して、X、Y、Zの各軸方向にそれぞれ主屈折率nx、ny、nz(nx≠ny≠nz)を有する2軸性の屈折率楕円体を仮定したときに、この屈折率楕円体を前記X軸を回転軸として任意の回転角γ1°回転させ、次にY軸を回転軸として任意の回転角γ2°回転させてなる2軸性の屈折率楕円体の主屈折率nx´(41a軸方向)、ny´(41b軸方向)、nz´(41c軸方向)で示される複屈折特性を有する位相差フィルムを挙げることができる。但し、これに限定されるものではない。
本発明の位相差フィルムの実施例において用いた感光性重合体の原料化合物および低分子化合物に関する合成方法を以下に示す。
【0008】
(単量体1)
4,4’−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、化学式6に示される単量体1を合成した。
【化14】
Figure 2004258427
(単量体2)
単量体1に、塩基性の条件下において、桂皮酸クロライドを加え、化学式12に示される単量体2を合成した。
【化15】
Figure 2004258427
【0009】
(単量体3)
単量体1に、塩基性の条件下において、3−(1−ナフチル)アクリロイルクロライドを加え、化学式4に示される単量体3を合成した。
【化16】
Figure 2004258427
【0010】
(単量体4)
単量体1に、塩基性の条件下において、3−(4−ビフェニル)アクリロイルクロライドを加え、化学式5に示される単量体4を合成した。
【化17】
Figure 2004258427
【0011】
(重合体1)
単量体2と単量体3をモル比8.5:1.5でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体1を得た。この重合体1は、液晶性を呈した。
【0012】
(重合体2)
単量体2と単量体4をモル比8.5:1.5でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体2も液晶性を呈した。
【0013】
(重合体3)
単量体1と単量体3をモル比8.5:1.5でテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して重合し、ここに塩基性の条件下において、3−(2−フリル)アクリロイルクロライドを加えることにより、感光性の重合体3を得た。この重合体3も液晶性を呈した。
【0014】
(低分子化合物1)
4,4’−ビフェニルジオールと6−ブロモヘキサノールを、アルカリ条件下で反応させ、4,4’− ビス(6−ブロモヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。次いで、塩基性の条件下において、メタクリル酸クロライドを加え反応させ、生成物を再結晶することにより化学式7に示される低分子化合物1を合成した。
【化18】
Figure 2004258427
【0015】
図1には、本発明の位相差フィルムの製造方法(装置)を、例を挙げて示す。紫外線ランプ(12)、集光鏡(13)、平面鏡(14、14´)、インテグレータレンズ(15)、コリメーターレンズ(16)などから構成されている通常用いられている光照射装置の光路中ないしは光照射装置と被照射サンプル(11)の間に、非偏光性の紫外線を所望の偏光度に変換する素子(17)を介して被照射サンプルに任意の方法で照射する。
実施例1から実施例3は、本発明の製造法により光軸の傾いた位相差フィルムまたは異方性を有するフィルムを作製した実施例である。
【0016】
(実施例1) 4.2重量%の重合体1と0.8重量%の低分子化合物1をシクロヘキサノンに溶解し、該溶液をケン化処理したTAC基材(支持体)上に塗布し、約2μmの厚さの塗布膜を作製した。該基材を塗布面が照射面となるように配置し、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度(ここで、偏光度は、完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)×100%である。)が50%の紫外線を水平面に対し垂直方向から室温で140mJ/cm照射し、続いて、100℃に加熱した後、室温まで冷却した。更に、配向を固定するために300mJ/cmの非偏光性の紫外光を照射した。このように作製したフィルムのフィルム法線方向から見た場合のリタデーションは、633nmの測定波長に対して90nmであり、ヘイズは目立たなかった。
【0017】
(実施例2) 4.2重量%の重合体2と0.8重量%の低分子化合物1をシクロヘキサノンに溶解し、該溶液をケン化処理したTAC基材(支持体)上に塗布し、約2μmの厚さの塗布膜を作製した。該基材を塗布面が照射面となるように配置し、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度(ここで、偏光度は、完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)×100%である。)が50%の紫外線を水平面に対し垂直方向から室温で180mJ/cm照射し、続いて、100℃に加熱した後、室温まで冷却した。更に、配向を固定するために300mJ/cmの非偏光性の紫外光を照射した。このように作製したフィルムのフィルム法線方向から見た場合のリタデーションは、633nmの測定波長に対して80nmであり、ヘイズは目立たなかった。
【0018】
(実施例3) 4.2重量%の重合体3と0.8重量%の低分子化合物1をシクロヘキサノンに溶解し、該溶液をケン化処理したTAC基材(支持体)上に塗布し、約2μmの厚さの塗布膜を作製した。該基材を塗布面が照射面となるように配置し、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度(ここで、偏光度は、完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)×100%である。)が50%の紫外線を水平面に対し垂直方向から室温で180mJ/cm照射し、続いて、100℃に加熱した後、室温まで冷却した。更に、配向を固定するために300mJ/cmの非偏光性の紫外光を照射した。このように作製したフィルムのフィルム法線方向から見た場合のリタデーションは、633nmの測定波長に対して70nmであり、ヘイズは目立たなかった。
【0019】
(実施例4) 4.2重量%の重合体1と0.8重量%の低分子化合物1をシクロヘキサノンに溶解し、該溶液をケン化処理したTAC基材(支持体)上に塗布し、約1.5μmの厚さの塗布膜を作製した。該基材を水平面に対して45度傾け、塗布面が照射面となるように配置し、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度(ここで、偏光度は、完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)×100%である。)が63.5%の紫外線を、完全偏光成分の電界振動方向が照射面の傾斜軸に対して45°回転させて水平面に対し垂直方向から室温で60mJ/cm照射し、次に基材裏面より同様に紫外線を60mJ/cm照射した。続いて、100℃に加熱した後、室温まで冷却した。更に、配向を固定するために300mJ/cmの非偏光性の紫外光を照射した。このように作製した位相差フィルムのフィルム法線方向から見た場合のリタデーションは、633nmの測定波長に対して60nmであった。
【0020】
実施例4で作製した位相差フィルムを、カシオ製液晶カラーテレビEV−510の偏光シートを剥がし、液晶セルの上下面に1枚ずつ貼り合わせ、次いで、偏光シート(日東電工製 HEG1425DU)を上下1枚ずつ貼り合わせた。各光学素子の軸配置は、図2のようにした。
図2において、21、21´は本発明の位相差フィルムであり、a、a´はその位相鎖フィルムを正面から見たときの遅相軸の方向を示し、42は液晶セルであり、b、b´がプレチルト方向を示し、23、23´は偏光シートであり、c、c´がそれぞれの光透過軸方向を示している。
このような構成で液晶カラーテレビを駆動したところ、左右方向で黄色味を呈することなく大幅に視野角特性が改善され、更に、上下方向でも視野角拡大効果が確認された。
【0021】
(比較例1)単量体3の単独重合体を合成し、実施例1と同様に、4.2重量%の該重合体および0.8重量%の低分子化合物1をシクロヘキサノンに溶解し、ケン化処理したTAC基材(支持体)(支持体)上に約約2μmの厚さで塗布した。実施例1と同様の方法で、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度が63.5%の紫外線を照射し、100℃に加熱した後、室温まで冷却し比較サンプルを作製したところ、十分な位相差を得るには照射エネルギーは500mJ/cm必要であった。このように作製したフィルムではヘイズが大きかった。
【0022】
実施例および比較例より、複屈折誘起材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムの製造法において、複屈折誘起材料に少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端をする材料を混合して用いることことによって、着色現象、階調反転を低減する位相差フィルムにおいてヘイズの低減が可能であるとともに製造工程における光照射エネルギー量を削減できることが立証された。
【0023】
【発明の効果】
従来技術の光照射により位相差を発現させる位相差フィルムおよびその製造方法では、十分な位相差を得るため膜厚を厚くするとヘイズが大きく光学補償フィルムとして用いた場合、コントラストの低下を引起すなどの問題があったが、本発明の複屈折誘起材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムの製造法において、複屈折誘起材料に少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端をする材料を混合して用いることによってヘイズの低減が可能であるとともに製造工程における光照射エネルギー量を削減でき位相差フィルムの製造コストを低減することができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差フィルムの製造方法を示す概念図
【図2】視野角特性評価時の光学系
【図3】本発明の複屈折材料を用いて製造した位相差フィルムの例1の複屈折性を示す説明図
【図4】本発明の複屈折材料を用いて製造した位相差フィルムの例2の複屈折性を示す説明図
【符号の説明】
11・・・被照射サンプル
12・・・紫外線ランプ
13・・・集光鏡
14,14・・・平面鏡
15・・・インテグレータレンズ
16・・・コリメータレンズ
17・・・偏光度変換素子

Claims (6)

  1. 光照射と加熱による分子運動とそれに基づく分子配向により複屈折を誘起する複屈折誘起材料であって、少なくとも2種の互いに異なる感光波長吸収端を有する材料を混合していることを特徴とする複屈折誘起材料。
  2. 請求項1に記載の複屈折誘起材料において、互いに異なる感光波長吸収端を有する前記材料のうち少なくとも1種がナフチルアクリロイル基またはその誘導体基、ビフェニルアクリロイル基またはその誘導体基、フリルアクリロイル基またはその誘導体基、シンナミリデン基またはその誘導体基、カルコン基またはその誘導体基、クマリン基またはその誘導体基を有する化合物であることを特徴とする複屈折誘起材料。
  3. 請求項1ないし請求項2に記載の複屈折誘起材料で形成したフィルム内に3次元的な分子配向を誘起させて形成したことを特徴とする位相差フィルム。
  4. 請求項3に記載の位相差フィルムであって、X軸とY軸の成す面をフィルム面内としZ軸を厚さ方向とした場合に、X軸方向に主屈折率nx、Y軸方向に主屈折率ny、Z軸方向に主屈折率nzを有する第1の屈折率楕円体(ここで第1の屈折率楕円体の主屈折率の関係は、nx>ny≧nzである)と、第1の屈折率楕円体を、Y軸を回転軸として角度θ1°回転させ更にZ軸を回転軸として角度θ2°回転させた方向に主屈折率nx´、ny´、nz´を有する第2の屈折率楕円体(ここで第2の屈折率楕円体の主屈折率の関係は、nx´>ny´≧nz´である)とを併せてなる複屈折性、ないしは、フィルム面に平行するX軸、Y軸およびフィルム面法線方向のZ軸からなる座標系に対して、X、Y、Zの各軸方向にそれぞれ主屈折率nx、ny、nz(nx≠ny≠nz)を有する2軸性の屈折率楕円体を仮定したときに、 この屈折率楕円体を、前記X軸を回転軸として任意の回転角γ1°回転させ、次にY軸を回転軸として任意の回転角γ2°回転させてなる2軸性の屈折率楕円体の主屈折率nx´、ny´、nz´で示される複屈折特性を有することを特徴とする位相差フィルム。
  5. 複屈折誘起材料に光照射と加熱冷却する操作を含む工程によって作製される位相差フィルムの製造法において、少なくとも2つの波長域に分光スペクトルを有する照射光に対し、各波長域において異なる光吸収強度を有する複屈折誘起材料を混合して用いることを特徴とする位相差フィルムの製造法。
  6. 複屈折誘起材料がナフチルアクリロイル基またはその誘導体基、ビフェニルアクリロイル基またはその誘導体基、フリルアクリロイル基またはその誘導体基、シンナミリデン基またはその誘導体基、カルコン基またはその誘導体基、クマリン基またはその誘導体基のうち少なくとも1つを屈曲部を介してまたは介さずビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどで表されるメソゲン成分として多用されている剛直な構造と結合した側鎖を有し、該側鎖が屈曲成分を介し主鎖に結合し、該主鎖が炭化水素、アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド、シロキサンなどである感光性を有する側鎖型の重合体と、シンナモイル基またはその誘導体基を屈曲部を介してまたは介さずビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどで表されるメソゲン成分として多用されている剛直な構造と結合した側鎖を有し、該側鎖が屈曲成分を介し主鎖に結合し、該主鎖が炭化水素、アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド、シロキサンなどである感光性を有する側鎖型の重合体とを、混合ないしは共重合することにより共に含有することを特徴とする感光性重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100441567C (zh) * 2005-11-02 2008-12-10 苏州大学 丙烯酸酯及甲基丙烯酸酯类侧链型发光聚合物及其合成
JP2011002633A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置

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