JP2004258294A - パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004258294A JP2004258294A JP2003048632A JP2003048632A JP2004258294A JP 2004258294 A JP2004258294 A JP 2004258294A JP 2003048632 A JP2003048632 A JP 2003048632A JP 2003048632 A JP2003048632 A JP 2003048632A JP 2004258294 A JP2004258294 A JP 2004258294A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pattern
- work
- dimensional display
- resolution
- display element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/70—Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
- G03F7/70216—Mask projection systems
- G03F7/70283—Mask effects on the imaging process
- G03F7/70291—Addressable masks, e.g. spatial light modulators [SLMs], digital micro-mirror devices [DMDs] or liquid crystal display [LCD] patterning devices
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/70—Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
- G03F7/70216—Mask projection systems
- G03F7/70358—Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Abstract
【課題】デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、分解能、スループットともに良好なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rとなる様に設定してパターンを形成する。
【選択図】 なし
【解決手段】ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rとなる様に設定してパターンを形成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク上にデジタルデータに基づいて2次元表示素子を利用してパターンを形成するためのパターン形成方法及びレジストパターン形成方法に関し、より詳しくは、分解能及びスループットをともに良好に保つ事のできるパターン形成方法及びレジストパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板やリードフレーム、ディスプレイ等の電子材料において、配線や電極等の導体パターンを作製する際には、一般に導電性部材上に感光性フィルムをラミネートして、もしくは、液状感光塗液を塗布乾燥をして、その後、フォトマスクを重ねて露光して、レジストパターンを作製した後、アルカリ現像、エッチング処理を行い、パターン以外の不要の導電層を除き、しかる後にレジストを脱膜する事により導体パターンを作製していた。
【0003】
近年、パソコンや家電品では、新商品のライフが年々短くなり、低価格化が進むと同時に新製品開発のサイクルも短縮し、そこに使われるプリント配線板その他の電子材料の製造に関しては、頻繁な回路設計変更に素早く短納期にて対応し、さらにはそれを低コストで実現できる製造システムが求められている。
【0004】
そのため、最近注目されている技術として、直接描画(Laser Direct Imaging)技術がある。それは、基材に設けた感光体上(ワーク)にデジタルデータにより直接描画してフォトマスクを利用せずにパターンを形成するレジストパターン形成方法である。フォトマスクを使用しないため、フォトマスク作製に付随する、フォトマスク自体やその処理にかかるコスト及び時間が省略できる事となり、また、その工程に起因する欠陥原因を除去する事が可能となり、歩留まり向上も期待できる。従って、この直接描画技術は特に多品種少量の製品を作製する際に、短納期で低コストで高品質なレジストパターンの形成ができ、頻繁な回路設計変更に対応できる有望なシステムといえる。
【0005】
また、フォトマスクを利用しないでデジタルデータからワーク上にパターンを形成する方法としては、レーザをポリゴンミラー等の回転を利用してスキャンを行う方式や、LEDアレイを並べてスキャンする方式、また、液晶(LCD)パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等のフラットパネルディスプレイ技術を応用した露光方式も知られている。また、光を用いずに、インクジェット技術により、レジストパターンや導体パターンをワーク表面に直接に形成する種々の試みも始まっている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
これらのデジタルデータから直接パターンを形成する方式では、通常の場合、デジタルデータに基づいて、各画素を時間的にon/offを行いながら、空間的にワーク上をスキャンする事が必要となる。ポリゴンミラーを利用したレーザスキャン方式では、レーザビームを幅方向にスキャンしながら、ワークを一方向に移動(スキャン)させながら、ワーク全面にパターン形成を行う。ビームの時間的なon/offのスイッチングは速いタイミングで可能であるが、大面積に微細なビームを露光する事や、また、高分解能でかつスループットを良好に出力するという点ではまだ課題がある。
【0007】
ここで言う分解能とは、どのくらい細かい間隔でドットを形成していけるかというその最小距離の事であり、その能力の事である。分解能が高ければ(分解能の値が小さければ)、より細かくドットを形成する事ができ、曲線や斜めラインががたつきのない滑らかなラインが形成できる。
【0008】
上述のレーザスキャン方式では、大面積の露光を行うには、大型の光学レンズ(fθレンズ)系が必要となり、装置コストが高くなるとともに、端部と中央部のビーム品質を均一にする事が難しくなる。また、高分解能な露光のためには、レーザのスキャンを細かく(すなわちワークの移動速度を遅く)設定する必要があり、それはすなわちスループットを悪化させる。
【0009】
改善策としては、複数のレーザビームを用いれば良いが、その場合には、複数のレーザビームの位置関係を精度良く合わせるのが難しいという問題がある。従って、そのレーザビーム数にも限界がある。
【0010】
一方、フラットパネルディスプレイ等で開発が進んでいるLCDやDMDの技術を利用して、ワーク上にデジタルデータからのパターンを描画してフォトマスクを使用せずにパターン形成を行うものも紹介されている(例えば、特許文献1参照)。その場合には、複数の画素が2次元的に周期的に配列した2次元表示素子を利用する事となる。この場合には、すでに量産実用化されている素子を利用するため、2次元表示素子の各画素間の位置関係は精度良く維持されており、上述のビーム位置合わせの困難からは解放される。
これらの2次元表示素子を用いて、ワークのパターン形成に必要な領域全面にパターン形成を行う方式としては、以下の様なものがある。光の露光を例にとり以下説明する。
【0011】
まず簡単なものとしては、2次元表示素子上のon/offパターンをそのままワーク上のドットとして、縮小、等倍、拡大露光を行うものである。ワークのスキャンは行わないため、ワーク上の可能なドット数は2次元表示素子上の画素数と等しくなる。ワンショット露光で可能なため、フォトマスクを使用せずにスループットの速い処理が可能であるが、パターン面積や分解能は、2次元表示素子の画素数によって制限を受け、また、分解能に関しては、2次元表示素子の画素間の間隔の縮小拡大倍率を乗じたものとなり、2次元表示素子の配列に従ったドット構成に限られるため、粗いパターン及び小面積のパターン形成に限られる。
【0012】
また、2次元表示素子として、レーザ熱書き込み相転移形の液晶を利用して、デジタルデータを別の熱レーザのスキャンにより、液晶パネルに書き込む技術が開示されている。ワークに対する露光マスクとなる液晶パネルの画素の大きさを、レーザビームの露光の分解能を高める事で小さくする事が可能で、高分解能なパターンの形成が可能になる(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方式では、液晶のマスクを得るためにレーザ描画が必要となり、より時間がかかるとともにシステムも複雑化して好ましくない。
【0013】
また、大面積なワークに対しては、上述のワンショット露光をつなぎ合わせて大面積のパターン形成を行う技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方式では、つなぎ目の精度合わせが難しいものとなる。
【0014】
また、2次元表示素子を利用した他のパターン形成方法としては、ステップワイズにワークを移動して露光する方式がある(例えば、非特許文献2参照)。2次元表示素子の各画素からのワーク上のドットの径を絞りこんで、これにより高分解能なパターン形成が可能となるが、ステップワイズにXY平面に移動させるため、移動時の位置合わせ精度、位置合わせ時間に課題があり、スループットは遅くなる。また、大面積露光のためには、XY平面にともに精度良く駆動させる機構が必要となり、装置が大型化するとともに、機構も複雑化して好ましくない。
【0015】
一方、2次元表示素子をワークの幅方向が露光できる様に配列させ、その配列方向と垂直な方向に2次元表示素子をワークに対して相対的にスキャンしながら、パターンを形成する方式が知られており、この方法であれば、移動の駆動も簡素化でき好ましい。
その際のパターン形成方法は、以下の様なものである。図1、図2を用いて説明する。図1に示す様に、パターン形成すべきワーク1を、矢印で示すスキャン方向7へ移動できるフラットベッド2上に載置し、そのフラットベッド上のワークに2次元表示素子を介して形成されたon/offのドットを投影する。その投影領域が投影領域5である。フラットベッドがスキャン方向7へ移動しながら、投影領域5がワークのパターン形成すべき領域をスキャンし、パターン形成を行う。2次元表示素子の各画素によるワーク上のドット形成位置をドット位置6で示す。
【0016】
この際、ワーク上に投影される2次元表示素子の縦横のマトリクスを図1に示す様に矢印で示すスキャン方向7に対して、微小角度α傾けて設定、形成する。これにより、例えば、ある画素によるドット61によりパターン形成できる直線が直線63で示され、近傍の別の画素によるドット62によりパターン形成できるワーク上の直線が直線64である。従って、スキャン方向7に垂直な方向のドットの分解能Rxが、2次元表示素子の画素が形成するドットのピッチPよりも細かく設定する事ができ高分解能なパターン形成が可能となる。
【0017】
ただし、スキャン方向のドットの分解能Rは、スキャンの移動速度と各画素のon/offの画素スイッチングのタイミングに依存しており、通常スキャン方向のドットの分解能Rは1回の画素スイッチングの間の移動距離Sと等しく設定されている。ここで言う画素スイッチングとは、各画素がパターン形成のためにon/offの切り替えを行う最小周期の事である。従って高分解能なパターン露光を実現するためには、一回の画素スイッチングの間の移動距離を短くしなければならず、そのためにはスキャン速度を遅くしなくてはならず、スループットが向上しない、という問題があった。
【0018】
また、特にフォトポリマー等のレジスト材料に露光をこのパターン形成方法により行う際には、スキャン方向と垂直な方向の分解能を高めるためには、上述の傾き角を調整して、より細かなピッチでドットが並ぶ様に調整すれば良いが、そうする事は、スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素(例えば、図1の101と102)の数(図3に示すN個)が少なくなる結果となる。現行のフォトポリマーからなるレジスト材料を露光するには、感度に限界があるためある程度の露光量が必要となり、露光光源のパワーアップもしくは、複数の画素により同一のドットを重ねて形成する重ね露光が必要となる。露光光源のパワーアップは、イニシャルコスト、ランニングコストともに高めてしまう原因となり好ましくない。また、複数の画素により同一のドットを重ねて形成する重ね露光では、重ね数Nを増やすと、すなわち傾き角αをより大きく設定すると、上述のスキャン方向と垂直な方向の分解能Rxを大きく(悪化)させる原因となる。Rxを良好に保ちながら、レジストに必要な露光量を得るためには、露光時間を長くする、すなわちスキャンの移動速度を遅くする事となり、スループットが悪化する事となる。
【0019】
液晶を用いて、スループットを向上させる試みとして、ランプ光源をUV固体レーザ光源に置き換えて、露光のエネルギー密度を高めて短時間露光を実現させる技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この技術も、スループットは向上するがレーザ光源の初期コスト、寿命交換によるランニングコストがかかる結果となる。また、スループットに関しても、分解能Rは一回のスイッチングの間の移動距離に等しく設定されているため、制限される。また、2次元表示素子として液晶を用いた場合は、UVに対しては、そのコントラスト(onとoffのワーク上の光量比)が悪く(低く)なる傾向にあり、画線のキレのよいパターン形成は難しくなる(例えば、非特許文献3参照)。
【0020】
従って、高感度でかつ、広い露光波長範囲で感度を有するレジストシステムがこの露光方式によっては、重要となってくるが、その要請を満たすものとして、特願2002−185644号に記載の電子写真方式を利用したレジストパターン作製方法がある。これによれば、低出力の光源の利用ができ装置コスト、ランニングコストともに下げる事ができ好ましいが、この方式によっても、従来のパターン形成方法であると、分解能Rを悪化させずにスループットを高める事、すなわち、フラットベッドのスピードを向上させる事は、できなかった。すなわち、たとえ、電子写真方式を利用して感度を高めたとしても、スキャン方向の分解能をある一定の値に保つ限り、スループットを向上する事はできなかった。
【0021】
【特許文献1】
特表2002−520840号公報
【特許文献2】
特開平1−155347号公報
【特許文献3】
特開昭62−44718号公報
【特許文献4】
特開平11−119439号公報
【非特許文献1】
日経エレクトロニクス2002年6月17号(67頁−78頁)
【非特許文献2】
M&E 2001年12月号(116頁−119頁)「液晶によるレチクルレス露光方式の開発」
【非特許文献3】
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 39 (324頁−329頁)(2000)
T. Horiuchi et al. A New Projection Exposure Method Using a Liquid Crystal Display as a Switching Matrix in Place of a Reticle
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワーク上にデジタルデータに基づいて2次元表示素子を利用してパターンを形成する際に、分解能及びスループットをともに良好に保つ事のできるパターン形成方法及びレジストパターン形成方法を提供する事を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rである事により達成される事を見出した。
【0024】
また、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示上の画素の数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iにより、スイッチングの間のスキャン移動距離S[μm]をS=T・D/iと設定してスキャンを行う事により、スループット及び分解能をともに向上させる事ができる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0025】
【数2】
【0026】
また、このパターン形成方法により露光を行ってレジストパターンを形成する際に、少なくとも片面に少なくとも導電層、電子写真感光層をその順に設けた積層材に露光及び必要な処理を行ってレジストパターンを形成する事により、スループット、分解能、装置のイニシャルコスト、ランニングコストともに良好に保つ事がわかった。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のパターン形成方法及びレジストパターン形成方法について詳細に説明する。
【0028】
本発明に関わる2次元表示素子は、2次元的に複数の画素が周期的に並んだもので、コンピュータからのデジタルデータによって、各画素の駆動(on/off)を行えるものであり、ワーク上のドットのon/offの元となるものである。2次元表示素子のon/offを何らかの手段を経由してワーク上のドットへ反映させる。2次元表示素子の画素としては、on/offのスイッチングができる素子であれば、いずれのものでも良く、2次元表示素子はその素子を2次元に配列させたものである。2次元表示素子としては、液晶パネルやDMD素子等のフラットパネルディスプレイに利用される素子、その他、e−Paper等で紹介される各種表示媒体、また、各種発光素子や電子ビーム、インクジェット等の吐出機構、光変調素子、シャッター等を2次元平面に配列させたものを利用する事ができる。いずれの場合も2次元での画素配列が、ある周期配列をもったものが使用できる。
【0029】
液晶を利用した場合は、光の透過/非透過や偏光状態の違いを利用してon/offのスイッチングを行う。DMDではマイクロミラーの反射角度によって同様に光のon/offのスイッチングを行う。これらは、ともに光源を必要とし、2次元表示素子により、on/offのスイッチングを行い、マイクロレンズアレイ、光学系等を介して、ワーク上に露光のドットとしてパターンを形成する。
ワークと2次元表示素子とは相対的に一方向に移動する事で、2次元表示素子によるパターンをワーク全面にスキャンを行う。
このスキャンは2次元表示素子を固定してワークを移動させても、ワークを固定して2次元表示素子を移動させても良い。また、双方を移動させても良い。また、双方を固定して、2次元表示素子からワークまでの経路を変化させて、ワーク上のパターンをスキャンする様にする事もできる。
【0030】
一次元の移動を行う事で簡単な機構で位置合わせの精度良くパターン形成が可能となる。移動の駆動方式は、連続駆動でもある周期でのステッピング駆動でも可能である。移動の位置情報をセンシングして2次元表示素子のof/offの駆動のタイミングと同期をとる事で、位置合わせ良好なパターン形成が可能となる。
縦横に格子上に並んだ2次元表示素子を利用する場合には、2次元表示素子によるワーク上の投影位置をスキャン方向に対して、図1に示す様に角度αだけ傾けて設定する事もできる。
【0031】
2次元表示素子上の複数の画素によるドットがワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上に並ぶ様に設定する必要がある。
2次元表示素子によるパターン形成法により、ワーク上に形成できるパターンのスキャン方向の各ドット間の距離−すなわちどれだけ細かくドットを打てるかのドット位置の細かさ−をスキャン方向のドットの分解能と呼び、Rで表す。単位はμm。一方、2次元表示素子の各画素のon/offのスイッチングの間隔(周期)にワークが相対的に移動する移動距離をS[μm]とする時、S>Rの関係を満たす様に、ワークの相対的な移動の移動距離をコントロールする。もし、一つの画素によるドットでワークを相対的に移動させながらパターン形成をする場合には、画素のスイッチングの間の移動距離Sがすなわちスキャン方向の分解能Rと等しくなるが、本発明の方法によれば、2次元表示素子を用い、スキャン方向に平行な同一直線上に複数の画素によるドットが並ぶ様に設定した場合には、S>Rの関係を満たす様なパターン形成方法が可能となり、分解能を維持しながらもスループット(すなわちスイッチングの間の移動距離)も向上させる事ができる。すなわち、ある画素のon/offによりワーク上にドットを形成した後、そのドットからスキャン方向に分解能分だけ移動した隣接のドットはその画素とは別の画素(ただし、スキャン方向と平行な同一直線上にある画素)のon/offにより形成する様にする。その方法については、種々の方式が考えられるが、既存のパターン形成装置を用いる事ができ、また、フラットベッドの移動速度と、パターンデータから各画素への割り当ての変更及び、on/offタイミングの変更のみで対応が可能な以下の方式が好ましく活用できる。
【0032】
すなわち、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示素子上の画素の数が複数ある場合にその数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、前述のパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、以下の式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iを定め、そのT,iの値により、スイッチングの間のスキャン移動距離SをS=T・D/iと設定する。パターンデータから、各画素のon/offタイミングの割り当ては、への割り当て分解能を良好に保ちながら、スループットを向上させたパターン形成が可能となる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0033】
【数3】
【0034】
このワーク上へのドットの形成方法を図4により詳細に説明する。図4の▲1▼から▲5▼はそれぞれ、各画素からのドットを形成するためのビームを意味する。▲1▼から▲5▼まで5本のビームがスキャン方向に平行に等間隔(間隔D)に配列した場合を想定している。すなわちN=5の場合である。図4の上段は横軸を時間として、ある時間に対する各ビーム(ドット)のワーク上(スキャン方向の直線上)の位置を示している。すなわち、この傾きがワークと画素との相対的な移動速度を表す。図4の下段は、横軸の時間に対応して、▲1▼から▲5▼までの5本のビームのon/offのタイミングを示している。各ビームの2本の平行点線の上の点線に重なった場合がonを表し、下の点線に重なった場合がoffを表す。図4は5つの画素から生成される同一直線上のあるピッチD隔たった5つのドット(▲1▼から▲5▼)のon/offタイミングを横軸を時間軸として示したものである。形成すべきワーク上のドットパターンをドットパターン10で示す。各画素のワークに対するドット形成可能位置を▲1▼から▲5▼の直線で示してある。この傾きがワークと画素との相対的な移動速度を表す。
図4の例では、画素のスイッチングの間隔をtで表し、その間のワークの移動距離をSで表している。
【0035】
従来の方法(図7)では、図4と同様のドットパターン10(分解能R)を形成する際には、一回の画素スイッチングの時間間隔tの間に距離Sだけ移動させドットを形成していく。この際R=Sである。一方、本発明のパターン形成方法では、図4に示す通り、S=5Rとなっており、同じ分解能を持ちながら、ワークの移動距離を速く、すなわちスループットを速く設定する事ができる。
【0036】
本発明のパターン形成の例を図4、図5を用いて詳細に説明する。すなわち、ワーク上のスキャン方向にドットパターン10を形成する際には、例えば、ある画素▲1▼からのビームでドット11を形成した後、次のスイッチングタイミングでは画素▲1▼からのビームはドット12を形成する。すなわち一回の画素スイッチングの移動距離は5Rと設定している。以下、ドットパターン10の全ドットの形成のためのシーケンスを詳細に説明すると、次の様になる。1回目のスイッチングタイミングで▲1▼のビームでドット11を形成、2回目のスイッチングタイミングで▲1▼のビームでドット12及び、▲2▼のビームでドット13を形成、3回目のスイッチングタイミングで▲3▼のビームでドット14を形成。4回目のスイッチングタイミングで▲3▼のビームでドット15を形成。5回目のスイッチングタイミングで▲4▼のビームでドット16を、▲5▼のビームでドット17を形成。6回目のスイッチングタイミングで▲5▼のビームでドット18を形成して、ドットパターン10が完成する。
【0037】
この本発明の方法によれば、従来方法と同様のドットの分解能Rを維持しながらも、一回の画素スイッチングの間の移動距離を5倍とする事ができ、スイッチングのタイミングの時間を長く設定したとしても(例えば、図4に示す様に素子自体の持つon/off駆動タイミングの2倍を画素ドット形成の画素スイッチングタイミングとして設定したとしても)従来よりもスループットの向上をはかる事ができる。
【0038】
この際、ビームon時の移動距離により一画素のドット形状が変化するが、それはビームスポット形状を補正する事や、露光のパルス信号化、または移動を連続駆動ではなくステップ駆動(すなわち、露光時には移動ストップ)させる事により、パターン形成に良好なドット形状を得る事ができる。
【0039】
上述の例ではN=5を例として説明したが、本発明の方法は、N,Rの関係が前述の式(1)(2)(3)の関係を満足していれば、いずれの方式を用いても良く、分解能R、スループット、露光重なり度合い、スキャンと垂直な方向の分解能Rx等のバランスを考慮して設定する事ができる。上述の例では、N=5に対して、従来技術との比較のため、R=D/4と設定した。すなわち、R=GCD(T,i)=D/4を満足させるため、TとiをT=5、i=4と設定し(すなわちR=GCD(5,4)・D/4=D/4)、これより、画素スイッチングの間の移動距離SはS=T・D/i=5D/4となる。一方、従来技術の方法(図7)では、一回の画素スイッチングの間の移動距離S=R=D/4となり、一回の画素スイッチングの間の移動距離としては、本発明の方法によれば5倍の移動距離が得られる。
【0040】
これらの関係はTとiを条件式に合う形で任意に選択する事で、様々な分解能R及び画素スイッチングの間の移動距離Sの設定が可能となる。ただし、一旦設定を決めると、それに対して、2次元表示素子の各画素とワーク上の画素との関係を登録して、デジタルデータからの画像データを、適切な2次元表示素子の画素のon/offに変換して、スキャンの移動と同期させて適切なパターン形成を行わせる様に設定する必要がある。
【0041】
また、本発明の方法では、スキャン方向と垂直方向に、必要なら2次元表示素子を複数個配列させる事ができるが、この2次元表示素子間のパターンのつなぎ目を滑らかにする必要がある。これに関しては、2次元表示素子の位置合わせを確定させた後、実際に露光させて各画素の位置関係を明確にした上で、つなぎ目がなめらかとなる様にデータ上で修正する事でつなぎ目を精度良く合わせる事ができる。
【0042】
また、本発明の方法のレジストパターン形成方法は上述のパターン形成方法を良好にレジストパターン形成に適用するための方法である。本発明のパターン形成方法は上述の様に、従来の方法に比べ、分解能を良好に維持したままスキャンの移動速度を向上させる事ができる。もしくは、スキャンの移動速度を良好に維持したまま、分解能を向上、または、スキャンの移動速度、分解能ともに向上させる事ができる。ただし、従来の方法と比較して、同一ドットへの重ね露光の重なり回数は少なくなる。従来のフォトポリマー等のレジストに本発明のパターン形成方法により露光を行った際には、露光エネルギーの要請から、重ね露光が必要となり、本発明のパターン形成方法によるメリットが充分生かされない場合がある。
本発明のレジストパターン形成方法では、感光層として電子写真感光層を用いる事で、本発明のパターン形成方法のメリットを最大限に発揮させ、良好なレジストパターン形成方法が実現できる。
【0043】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる導電層は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO等が挙げられる。本発明のレジストパターン形成方法に関わる積層材としては、ガラスや絶縁性基材の上に導電層及び電子写真感光層を設けたものが利用できる。また導電層及び電子写真感光層のみの積層材も使われる。絶縁性基材としては、ガラス基材エポキシ樹脂板、紙基材フェノール樹脂板、紙基材エポキシ樹脂板、ガラス基材ポリイミド樹脂板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリふっ化ビニルフィルム等が挙げられる。
【0044】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる電子写真感光層としては、特開平8−32232号公報に記載の光導電層の様な通常の帯電後露光するタイプの電子写真感光体、及び特願2000−366644号に出願の様なフォトメモリー性感光体を使用する事ができる。
これらの感光層を、導電層上に形成する方法としては、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法、電着法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スピンコート法等が利用できる。
【0045】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる電子写真感光層の処理について説明する。帯電及び露光もしくは、露光及び帯電を行って静電潜像を形成した積層材にトナー現像処理を行って、静電潜像をトナー画像化する。その後のアルカリ現像工程においてアルカリ現像液に対してレジストとなるものであれば、乾式トナー現像、液体トナー現像、いずれのトナー現像方式も利用可能である。高解像性の画像を得るためには、液体トナー現像が望ましい。この際の露光を本発明のパターン形成方法により行う。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
実施例1
下記の表1に基づいた塗液を調液し、ガラス基材にアルミ蒸着層を設けたものの上にディップ塗布法を利用してアルミ蒸着層面に電子写真感光層(フォトメモリー性感光体)を形成した。ガラスサイズは356mm×432mmのものを使用した。
【0048】
【表1】
【0049】
【化1】
【0050】
この感光層を設けた基材をワークとして、図6に概略図を示す様な2次元表示素子を利用した露光装置によりパターン露光を行い、その後、トナー現像処理を行って、レジストパターンを形成した。その際の露光によるパターン形成の方法は以下の様にして行った。
【0051】
まず、電子写真感光層を設けたワーク1をフラットベッド2の所定の位置にセットし、露光を行う。露光は、コンピュータ4からのデジタルデータをパターン生成手段3に送り、パターン生成手段3では、そのデジタルデータに従って、その中に内蔵する2次元表示素子の画素のon/offを行う。この際、デジタルデータ上のドットを、どの画素のどのタイミングのon/offに一致させるかは、後述するパターン形成の方法により決定され、あらかじめ設定がなされる。パターン生成手段3内には、微小なミラーが等間隔に配列されたデジタルマイクロミラーデバイスからなる2次元表示素子及び光源を内蔵しており、光源からの光をデジタルマイクロミラーデバイスの各画素のミラーの角度を変える事で、画素のon/offを行い、レンズ光学系を経てワーク上の所定の位置に露光ドットを形成する様になっている。
【0052】
2次元表示素子による露光をワーク上に投影したときのドットの形成位置を図1に示す。各画素をonにした際のワーク上のドット位置の間隔P[μm]は15.0μmであり、2次元表示素子の画素数は縦600個、横800個配列した48万画素のものを30個幅方向に配列させたものである。矢印で示すスキャン方向7に対して微小角度αだけ傾けて露光する様になっている。角度αはtanα=1/30となる様に設定(α=1.91°)してある。従って、スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素の数Nは600/30=20個となる。その間隔DはD=30P/cosα=450.25μmとなる。スキャン方向に垂直な方向の分解能Rxは、図2に示す様に、Rx=P・sinα=0.50μmとなる。
【0053】
この2次元表示素子の素子自体の可能なスイッチング時間は5000Hzである(スイッチングの最小間隔は0.2msec)ものを使用した。
次の様にして露光を行った。
【0054】
Rを0.50μmとなる様にi、Tを表3に示す様に、i=901、T=4と定めた。このときの一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=2.00μmとなり、一画素スイッチングに要する時間を、素子のスイッチング時間と等しく0.2msecとすると、フラットベッドの移動速度は、10.0mm/secとなった。この条件にて、ワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定を行ってパターン露光を行った。
各ドットの多重露光数は、5となる。
【0055】
この方法により、分解能はRx=0.50μm、R=0.50μmでありながら、フラットベッドの移動速度は10.0mm/secという速いスピードでのパターン形成が可能であった。432mm長さのワークを露光するのに必要な時間は、約43secの速さである。
その後、帯電及びトナー現像を行ってレジストパターンを形成し、良好なレジストパターンが形成できた。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0056】
比較例1
表3にある通り、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=R=0.50μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した以外はすべて実施例1と同様にして露光を行った。この際、多重露光数は20となり、フラットベッドの移動速度は2.5mm/secであった。432mm長さのワークを処理するのに3分近くの時間がかかり、スループットとしては好ましくない結果となった。
【0057】
実施例2
実施例1において、ワーク上の感光層を感光性のフォトポリマーで形成し、帯電及びトナー現像処理を省略した以外は、実施例1と同様にしてパターン形成を行い、レジストパターン形成を行った。その結果、良好な分解能でスループットも良好にレジストパターンの形成ができたが、その後のアルカリ現像、エッチングを行った結果、画線パターンの細りが観測され、やや露光量不足である事がわかった。従って、画線の仕上がりに対して、更に好ましい結果を得るためには、露光機の光源のパワーをより大きなものにコストをかけて変更する必要がある事がわかった。
【0058】
実施例3
実施例1の感光層の形成において、以下の様な塗液を調整し、塗布方式をスピンコータで塗布した以外は、すべて実施例1と同様にして感光層の形成を行った。すなわち、塗液は電子写真感光層形成のための塗液で、有機光導電体にはχ型無金属フタロシアニン、結着樹脂にはn−ブチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(単量体質量比 4:3:3、重量平均分子量 約20000)、溶剤には1−メトキシ−2−プロパノールを使用し、表2に示した配合組成に従って混合し、有機光導電体を0.2μm以下の粒子径になるまで分散を行い不揮発分が33質量%の塗液を作製し、電子写真感光層を形成したワークを得た。
【0059】
【表2】
【0060】
このワークを全面帯電を行った後、実施例と同様に図6に示す露光装置に載置して露光を行ったが、その際、i=900、T=19と設定し、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=9.51μmとし、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の4回分をもって設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例1と同様にしてパターン形成のための露光を行った。その後、トナ現像を行い、レジストパターンの形成を行った。
【0061】
その結果、分解能はRx=0.50μm、R=0.50μmでありながら、フラットベッドの移動速度は11.9mm/secという速いスピードでのパターン形成が可能であった。432mm長さのワークを、約36secの速さで露光ができた。また、画素のスイッチングのための時間を素子自体のスイッチング時間(0.2msec)の4回分、すなわち0.8msecとした事で、データ転送等の負荷も軽減され、装置に負荷をかけず、簡易な構成でパターン生成手段を構成する事ができる事がわかった。多重露光数は1であった。
【0062】
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0063】
実施例4
実施例3と同様のワークを用い、2次元素子のワーク上での傾斜角度αをtanα=1/15となる様に設定(α=3.81°)した。その際、N=40となり、D=15P/cosα=225.50μmとなる。スキャン方向と垂直の方向の分解能RxはRx=P・sinα=1.00μmとなる。その構成の元、i=225、T=13と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=13.03μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例3と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は3となった。
【0064】
その結果、露光の分解能はRx=R=1.00μmであるが、フラットベッドの移動速度は16.3mm/secという速いスピードが可能であった。432mmの長さのワークの露光が、26.5secの速さで可能であった。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0065】
比較例2
実施例4において、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SをS=R=1.00μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した以外はすべて実施例4と同様にして露光を行った。この際、多重露光数は40となり、フラットベッドの移動速度は5.0mm/secであった。432mm長さのワークであれば約90secの時間がかかり、スループットとしては好ましくない結果となった。
【0066】
実施例5
実施例4において、i=225、T=17と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=17.04μmと設定し、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の2回分をもって設定しその条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例4と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は2となった。
その結果、露光の分解能はRx=R=1.00μmであるが、フラットベッドの移動速度は42.6mm/secという速いスピードが可能であった。432mm長さのワークの露光が、約10secの速さで可能であった。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0067】
実施例6
実施例3と同様のワークを用い、2次元素子のワーク上での傾斜角度αをtanα=1/50となる様に設定(α=1.15°)した。その際、N=12となり、D=50P/cosα=750.15μmとなる。スキャン方向と垂直の方向の分解能RxはRx=P・sinα=0.30μmとなる。その構成の元、i=2500、T=11と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=3.30μmと設定し、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の2回分をもって設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例3と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は1となった。その結果、フラットベッドの移動速度が8.3mm/secという良好な速さでありながら、露光の分解能をRx=R=0.30μmと高める事が可能であった。432mm長さのワークの露光が、52secの速さで可能であった。その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、高精細な良好な導電性パターンが得られた。以上の結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】
以上説明した如く、デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rとなる様に設定してパターンを形成する事により、分解能とスループットをともに良好にする事ができる。その具体的な一方法として、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示素子上の画素の数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、以下の式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iにより、画素スイッチングの間のスキャン移動距離S[μm]をS=T・D/iと設定してパターン形成を行う事により、分解能とスループットをともに良好にする事ができる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0070】
【数4】
【0071】
また、このパターン形成方法を露光手段として用いて、少なくとも片面に少なくとも導電層、電子写真感光層をその順に設けた積層材にパターン形成を行う事により、フォトマスクを必要とせず、かつ高分解能で高スループットで装置コスト、ランニングコストともに低減させたレジストパターン形成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によるワーク上のドット形成状況の説明図。
【図2】スキャンと垂直方向の分解能Rxと傾斜角度αとの関係を説明するための説明図。
【図3】本発明の方法で用いられる2次元表示素子のワーク上のドットパターン及びスキャン方向と平行な直線上に並ぶ画素数Nについての説明図。
【図4】本発明の方法の画素のon/offタイミングの一例を説明するためタイミング図。
【図5】本発明の方法で用いられる2次元表示素子のワーク上のドットパターン形成の説明のためのドットパターン図。
【図6】本発明の方法を実施する2次元表示素子を利用した露光装置の概略構成図。
【図7】従来の方法による画素のon/offタイミングを説明するためのタイミング図。
【符号の説明】
1 ワーク
2 フラットベッド
3 パターン生成手段
4 コンピュータ
5 2次元表示素子投影領域
6 各画素のワーク上のドット位置
7 スキャン方向
10 ドットパターン
11、12、13、14、15、16、17、18 ドットパターン10を形成するドット
61 ある画素1によるドット
62 ある画素2によるドット
63 ある画素1によるドットが形成する直線
64 ある画素2によるドットが形成する直線
101、102 スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素の組の例
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク上にデジタルデータに基づいて2次元表示素子を利用してパターンを形成するためのパターン形成方法及びレジストパターン形成方法に関し、より詳しくは、分解能及びスループットをともに良好に保つ事のできるパターン形成方法及びレジストパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板やリードフレーム、ディスプレイ等の電子材料において、配線や電極等の導体パターンを作製する際には、一般に導電性部材上に感光性フィルムをラミネートして、もしくは、液状感光塗液を塗布乾燥をして、その後、フォトマスクを重ねて露光して、レジストパターンを作製した後、アルカリ現像、エッチング処理を行い、パターン以外の不要の導電層を除き、しかる後にレジストを脱膜する事により導体パターンを作製していた。
【0003】
近年、パソコンや家電品では、新商品のライフが年々短くなり、低価格化が進むと同時に新製品開発のサイクルも短縮し、そこに使われるプリント配線板その他の電子材料の製造に関しては、頻繁な回路設計変更に素早く短納期にて対応し、さらにはそれを低コストで実現できる製造システムが求められている。
【0004】
そのため、最近注目されている技術として、直接描画(Laser Direct Imaging)技術がある。それは、基材に設けた感光体上(ワーク)にデジタルデータにより直接描画してフォトマスクを利用せずにパターンを形成するレジストパターン形成方法である。フォトマスクを使用しないため、フォトマスク作製に付随する、フォトマスク自体やその処理にかかるコスト及び時間が省略できる事となり、また、その工程に起因する欠陥原因を除去する事が可能となり、歩留まり向上も期待できる。従って、この直接描画技術は特に多品種少量の製品を作製する際に、短納期で低コストで高品質なレジストパターンの形成ができ、頻繁な回路設計変更に対応できる有望なシステムといえる。
【0005】
また、フォトマスクを利用しないでデジタルデータからワーク上にパターンを形成する方法としては、レーザをポリゴンミラー等の回転を利用してスキャンを行う方式や、LEDアレイを並べてスキャンする方式、また、液晶(LCD)パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等のフラットパネルディスプレイ技術を応用した露光方式も知られている。また、光を用いずに、インクジェット技術により、レジストパターンや導体パターンをワーク表面に直接に形成する種々の試みも始まっている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
これらのデジタルデータから直接パターンを形成する方式では、通常の場合、デジタルデータに基づいて、各画素を時間的にon/offを行いながら、空間的にワーク上をスキャンする事が必要となる。ポリゴンミラーを利用したレーザスキャン方式では、レーザビームを幅方向にスキャンしながら、ワークを一方向に移動(スキャン)させながら、ワーク全面にパターン形成を行う。ビームの時間的なon/offのスイッチングは速いタイミングで可能であるが、大面積に微細なビームを露光する事や、また、高分解能でかつスループットを良好に出力するという点ではまだ課題がある。
【0007】
ここで言う分解能とは、どのくらい細かい間隔でドットを形成していけるかというその最小距離の事であり、その能力の事である。分解能が高ければ(分解能の値が小さければ)、より細かくドットを形成する事ができ、曲線や斜めラインががたつきのない滑らかなラインが形成できる。
【0008】
上述のレーザスキャン方式では、大面積の露光を行うには、大型の光学レンズ(fθレンズ)系が必要となり、装置コストが高くなるとともに、端部と中央部のビーム品質を均一にする事が難しくなる。また、高分解能な露光のためには、レーザのスキャンを細かく(すなわちワークの移動速度を遅く)設定する必要があり、それはすなわちスループットを悪化させる。
【0009】
改善策としては、複数のレーザビームを用いれば良いが、その場合には、複数のレーザビームの位置関係を精度良く合わせるのが難しいという問題がある。従って、そのレーザビーム数にも限界がある。
【0010】
一方、フラットパネルディスプレイ等で開発が進んでいるLCDやDMDの技術を利用して、ワーク上にデジタルデータからのパターンを描画してフォトマスクを使用せずにパターン形成を行うものも紹介されている(例えば、特許文献1参照)。その場合には、複数の画素が2次元的に周期的に配列した2次元表示素子を利用する事となる。この場合には、すでに量産実用化されている素子を利用するため、2次元表示素子の各画素間の位置関係は精度良く維持されており、上述のビーム位置合わせの困難からは解放される。
これらの2次元表示素子を用いて、ワークのパターン形成に必要な領域全面にパターン形成を行う方式としては、以下の様なものがある。光の露光を例にとり以下説明する。
【0011】
まず簡単なものとしては、2次元表示素子上のon/offパターンをそのままワーク上のドットとして、縮小、等倍、拡大露光を行うものである。ワークのスキャンは行わないため、ワーク上の可能なドット数は2次元表示素子上の画素数と等しくなる。ワンショット露光で可能なため、フォトマスクを使用せずにスループットの速い処理が可能であるが、パターン面積や分解能は、2次元表示素子の画素数によって制限を受け、また、分解能に関しては、2次元表示素子の画素間の間隔の縮小拡大倍率を乗じたものとなり、2次元表示素子の配列に従ったドット構成に限られるため、粗いパターン及び小面積のパターン形成に限られる。
【0012】
また、2次元表示素子として、レーザ熱書き込み相転移形の液晶を利用して、デジタルデータを別の熱レーザのスキャンにより、液晶パネルに書き込む技術が開示されている。ワークに対する露光マスクとなる液晶パネルの画素の大きさを、レーザビームの露光の分解能を高める事で小さくする事が可能で、高分解能なパターンの形成が可能になる(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方式では、液晶のマスクを得るためにレーザ描画が必要となり、より時間がかかるとともにシステムも複雑化して好ましくない。
【0013】
また、大面積なワークに対しては、上述のワンショット露光をつなぎ合わせて大面積のパターン形成を行う技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方式では、つなぎ目の精度合わせが難しいものとなる。
【0014】
また、2次元表示素子を利用した他のパターン形成方法としては、ステップワイズにワークを移動して露光する方式がある(例えば、非特許文献2参照)。2次元表示素子の各画素からのワーク上のドットの径を絞りこんで、これにより高分解能なパターン形成が可能となるが、ステップワイズにXY平面に移動させるため、移動時の位置合わせ精度、位置合わせ時間に課題があり、スループットは遅くなる。また、大面積露光のためには、XY平面にともに精度良く駆動させる機構が必要となり、装置が大型化するとともに、機構も複雑化して好ましくない。
【0015】
一方、2次元表示素子をワークの幅方向が露光できる様に配列させ、その配列方向と垂直な方向に2次元表示素子をワークに対して相対的にスキャンしながら、パターンを形成する方式が知られており、この方法であれば、移動の駆動も簡素化でき好ましい。
その際のパターン形成方法は、以下の様なものである。図1、図2を用いて説明する。図1に示す様に、パターン形成すべきワーク1を、矢印で示すスキャン方向7へ移動できるフラットベッド2上に載置し、そのフラットベッド上のワークに2次元表示素子を介して形成されたon/offのドットを投影する。その投影領域が投影領域5である。フラットベッドがスキャン方向7へ移動しながら、投影領域5がワークのパターン形成すべき領域をスキャンし、パターン形成を行う。2次元表示素子の各画素によるワーク上のドット形成位置をドット位置6で示す。
【0016】
この際、ワーク上に投影される2次元表示素子の縦横のマトリクスを図1に示す様に矢印で示すスキャン方向7に対して、微小角度α傾けて設定、形成する。これにより、例えば、ある画素によるドット61によりパターン形成できる直線が直線63で示され、近傍の別の画素によるドット62によりパターン形成できるワーク上の直線が直線64である。従って、スキャン方向7に垂直な方向のドットの分解能Rxが、2次元表示素子の画素が形成するドットのピッチPよりも細かく設定する事ができ高分解能なパターン形成が可能となる。
【0017】
ただし、スキャン方向のドットの分解能Rは、スキャンの移動速度と各画素のon/offの画素スイッチングのタイミングに依存しており、通常スキャン方向のドットの分解能Rは1回の画素スイッチングの間の移動距離Sと等しく設定されている。ここで言う画素スイッチングとは、各画素がパターン形成のためにon/offの切り替えを行う最小周期の事である。従って高分解能なパターン露光を実現するためには、一回の画素スイッチングの間の移動距離を短くしなければならず、そのためにはスキャン速度を遅くしなくてはならず、スループットが向上しない、という問題があった。
【0018】
また、特にフォトポリマー等のレジスト材料に露光をこのパターン形成方法により行う際には、スキャン方向と垂直な方向の分解能を高めるためには、上述の傾き角を調整して、より細かなピッチでドットが並ぶ様に調整すれば良いが、そうする事は、スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素(例えば、図1の101と102)の数(図3に示すN個)が少なくなる結果となる。現行のフォトポリマーからなるレジスト材料を露光するには、感度に限界があるためある程度の露光量が必要となり、露光光源のパワーアップもしくは、複数の画素により同一のドットを重ねて形成する重ね露光が必要となる。露光光源のパワーアップは、イニシャルコスト、ランニングコストともに高めてしまう原因となり好ましくない。また、複数の画素により同一のドットを重ねて形成する重ね露光では、重ね数Nを増やすと、すなわち傾き角αをより大きく設定すると、上述のスキャン方向と垂直な方向の分解能Rxを大きく(悪化)させる原因となる。Rxを良好に保ちながら、レジストに必要な露光量を得るためには、露光時間を長くする、すなわちスキャンの移動速度を遅くする事となり、スループットが悪化する事となる。
【0019】
液晶を用いて、スループットを向上させる試みとして、ランプ光源をUV固体レーザ光源に置き換えて、露光のエネルギー密度を高めて短時間露光を実現させる技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この技術も、スループットは向上するがレーザ光源の初期コスト、寿命交換によるランニングコストがかかる結果となる。また、スループットに関しても、分解能Rは一回のスイッチングの間の移動距離に等しく設定されているため、制限される。また、2次元表示素子として液晶を用いた場合は、UVに対しては、そのコントラスト(onとoffのワーク上の光量比)が悪く(低く)なる傾向にあり、画線のキレのよいパターン形成は難しくなる(例えば、非特許文献3参照)。
【0020】
従って、高感度でかつ、広い露光波長範囲で感度を有するレジストシステムがこの露光方式によっては、重要となってくるが、その要請を満たすものとして、特願2002−185644号に記載の電子写真方式を利用したレジストパターン作製方法がある。これによれば、低出力の光源の利用ができ装置コスト、ランニングコストともに下げる事ができ好ましいが、この方式によっても、従来のパターン形成方法であると、分解能Rを悪化させずにスループットを高める事、すなわち、フラットベッドのスピードを向上させる事は、できなかった。すなわち、たとえ、電子写真方式を利用して感度を高めたとしても、スキャン方向の分解能をある一定の値に保つ限り、スループットを向上する事はできなかった。
【0021】
【特許文献1】
特表2002−520840号公報
【特許文献2】
特開平1−155347号公報
【特許文献3】
特開昭62−44718号公報
【特許文献4】
特開平11−119439号公報
【非特許文献1】
日経エレクトロニクス2002年6月17号(67頁−78頁)
【非特許文献2】
M&E 2001年12月号(116頁−119頁)「液晶によるレチクルレス露光方式の開発」
【非特許文献3】
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 39 (324頁−329頁)(2000)
T. Horiuchi et al. A New Projection Exposure Method Using a Liquid Crystal Display as a Switching Matrix in Place of a Reticle
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワーク上にデジタルデータに基づいて2次元表示素子を利用してパターンを形成する際に、分解能及びスループットをともに良好に保つ事のできるパターン形成方法及びレジストパターン形成方法を提供する事を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rである事により達成される事を見出した。
【0024】
また、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示上の画素の数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iにより、スイッチングの間のスキャン移動距離S[μm]をS=T・D/iと設定してスキャンを行う事により、スループット及び分解能をともに向上させる事ができる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0025】
【数2】
【0026】
また、このパターン形成方法により露光を行ってレジストパターンを形成する際に、少なくとも片面に少なくとも導電層、電子写真感光層をその順に設けた積層材に露光及び必要な処理を行ってレジストパターンを形成する事により、スループット、分解能、装置のイニシャルコスト、ランニングコストともに良好に保つ事がわかった。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のパターン形成方法及びレジストパターン形成方法について詳細に説明する。
【0028】
本発明に関わる2次元表示素子は、2次元的に複数の画素が周期的に並んだもので、コンピュータからのデジタルデータによって、各画素の駆動(on/off)を行えるものであり、ワーク上のドットのon/offの元となるものである。2次元表示素子のon/offを何らかの手段を経由してワーク上のドットへ反映させる。2次元表示素子の画素としては、on/offのスイッチングができる素子であれば、いずれのものでも良く、2次元表示素子はその素子を2次元に配列させたものである。2次元表示素子としては、液晶パネルやDMD素子等のフラットパネルディスプレイに利用される素子、その他、e−Paper等で紹介される各種表示媒体、また、各種発光素子や電子ビーム、インクジェット等の吐出機構、光変調素子、シャッター等を2次元平面に配列させたものを利用する事ができる。いずれの場合も2次元での画素配列が、ある周期配列をもったものが使用できる。
【0029】
液晶を利用した場合は、光の透過/非透過や偏光状態の違いを利用してon/offのスイッチングを行う。DMDではマイクロミラーの反射角度によって同様に光のon/offのスイッチングを行う。これらは、ともに光源を必要とし、2次元表示素子により、on/offのスイッチングを行い、マイクロレンズアレイ、光学系等を介して、ワーク上に露光のドットとしてパターンを形成する。
ワークと2次元表示素子とは相対的に一方向に移動する事で、2次元表示素子によるパターンをワーク全面にスキャンを行う。
このスキャンは2次元表示素子を固定してワークを移動させても、ワークを固定して2次元表示素子を移動させても良い。また、双方を移動させても良い。また、双方を固定して、2次元表示素子からワークまでの経路を変化させて、ワーク上のパターンをスキャンする様にする事もできる。
【0030】
一次元の移動を行う事で簡単な機構で位置合わせの精度良くパターン形成が可能となる。移動の駆動方式は、連続駆動でもある周期でのステッピング駆動でも可能である。移動の位置情報をセンシングして2次元表示素子のof/offの駆動のタイミングと同期をとる事で、位置合わせ良好なパターン形成が可能となる。
縦横に格子上に並んだ2次元表示素子を利用する場合には、2次元表示素子によるワーク上の投影位置をスキャン方向に対して、図1に示す様に角度αだけ傾けて設定する事もできる。
【0031】
2次元表示素子上の複数の画素によるドットがワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上に並ぶ様に設定する必要がある。
2次元表示素子によるパターン形成法により、ワーク上に形成できるパターンのスキャン方向の各ドット間の距離−すなわちどれだけ細かくドットを打てるかのドット位置の細かさ−をスキャン方向のドットの分解能と呼び、Rで表す。単位はμm。一方、2次元表示素子の各画素のon/offのスイッチングの間隔(周期)にワークが相対的に移動する移動距離をS[μm]とする時、S>Rの関係を満たす様に、ワークの相対的な移動の移動距離をコントロールする。もし、一つの画素によるドットでワークを相対的に移動させながらパターン形成をする場合には、画素のスイッチングの間の移動距離Sがすなわちスキャン方向の分解能Rと等しくなるが、本発明の方法によれば、2次元表示素子を用い、スキャン方向に平行な同一直線上に複数の画素によるドットが並ぶ様に設定した場合には、S>Rの関係を満たす様なパターン形成方法が可能となり、分解能を維持しながらもスループット(すなわちスイッチングの間の移動距離)も向上させる事ができる。すなわち、ある画素のon/offによりワーク上にドットを形成した後、そのドットからスキャン方向に分解能分だけ移動した隣接のドットはその画素とは別の画素(ただし、スキャン方向と平行な同一直線上にある画素)のon/offにより形成する様にする。その方法については、種々の方式が考えられるが、既存のパターン形成装置を用いる事ができ、また、フラットベッドの移動速度と、パターンデータから各画素への割り当ての変更及び、on/offタイミングの変更のみで対応が可能な以下の方式が好ましく活用できる。
【0032】
すなわち、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示素子上の画素の数が複数ある場合にその数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、前述のパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、以下の式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iを定め、そのT,iの値により、スイッチングの間のスキャン移動距離SをS=T・D/iと設定する。パターンデータから、各画素のon/offタイミングの割り当ては、への割り当て分解能を良好に保ちながら、スループットを向上させたパターン形成が可能となる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0033】
【数3】
【0034】
このワーク上へのドットの形成方法を図4により詳細に説明する。図4の▲1▼から▲5▼はそれぞれ、各画素からのドットを形成するためのビームを意味する。▲1▼から▲5▼まで5本のビームがスキャン方向に平行に等間隔(間隔D)に配列した場合を想定している。すなわちN=5の場合である。図4の上段は横軸を時間として、ある時間に対する各ビーム(ドット)のワーク上(スキャン方向の直線上)の位置を示している。すなわち、この傾きがワークと画素との相対的な移動速度を表す。図4の下段は、横軸の時間に対応して、▲1▼から▲5▼までの5本のビームのon/offのタイミングを示している。各ビームの2本の平行点線の上の点線に重なった場合がonを表し、下の点線に重なった場合がoffを表す。図4は5つの画素から生成される同一直線上のあるピッチD隔たった5つのドット(▲1▼から▲5▼)のon/offタイミングを横軸を時間軸として示したものである。形成すべきワーク上のドットパターンをドットパターン10で示す。各画素のワークに対するドット形成可能位置を▲1▼から▲5▼の直線で示してある。この傾きがワークと画素との相対的な移動速度を表す。
図4の例では、画素のスイッチングの間隔をtで表し、その間のワークの移動距離をSで表している。
【0035】
従来の方法(図7)では、図4と同様のドットパターン10(分解能R)を形成する際には、一回の画素スイッチングの時間間隔tの間に距離Sだけ移動させドットを形成していく。この際R=Sである。一方、本発明のパターン形成方法では、図4に示す通り、S=5Rとなっており、同じ分解能を持ちながら、ワークの移動距離を速く、すなわちスループットを速く設定する事ができる。
【0036】
本発明のパターン形成の例を図4、図5を用いて詳細に説明する。すなわち、ワーク上のスキャン方向にドットパターン10を形成する際には、例えば、ある画素▲1▼からのビームでドット11を形成した後、次のスイッチングタイミングでは画素▲1▼からのビームはドット12を形成する。すなわち一回の画素スイッチングの移動距離は5Rと設定している。以下、ドットパターン10の全ドットの形成のためのシーケンスを詳細に説明すると、次の様になる。1回目のスイッチングタイミングで▲1▼のビームでドット11を形成、2回目のスイッチングタイミングで▲1▼のビームでドット12及び、▲2▼のビームでドット13を形成、3回目のスイッチングタイミングで▲3▼のビームでドット14を形成。4回目のスイッチングタイミングで▲3▼のビームでドット15を形成。5回目のスイッチングタイミングで▲4▼のビームでドット16を、▲5▼のビームでドット17を形成。6回目のスイッチングタイミングで▲5▼のビームでドット18を形成して、ドットパターン10が完成する。
【0037】
この本発明の方法によれば、従来方法と同様のドットの分解能Rを維持しながらも、一回の画素スイッチングの間の移動距離を5倍とする事ができ、スイッチングのタイミングの時間を長く設定したとしても(例えば、図4に示す様に素子自体の持つon/off駆動タイミングの2倍を画素ドット形成の画素スイッチングタイミングとして設定したとしても)従来よりもスループットの向上をはかる事ができる。
【0038】
この際、ビームon時の移動距離により一画素のドット形状が変化するが、それはビームスポット形状を補正する事や、露光のパルス信号化、または移動を連続駆動ではなくステップ駆動(すなわち、露光時には移動ストップ)させる事により、パターン形成に良好なドット形状を得る事ができる。
【0039】
上述の例ではN=5を例として説明したが、本発明の方法は、N,Rの関係が前述の式(1)(2)(3)の関係を満足していれば、いずれの方式を用いても良く、分解能R、スループット、露光重なり度合い、スキャンと垂直な方向の分解能Rx等のバランスを考慮して設定する事ができる。上述の例では、N=5に対して、従来技術との比較のため、R=D/4と設定した。すなわち、R=GCD(T,i)=D/4を満足させるため、TとiをT=5、i=4と設定し(すなわちR=GCD(5,4)・D/4=D/4)、これより、画素スイッチングの間の移動距離SはS=T・D/i=5D/4となる。一方、従来技術の方法(図7)では、一回の画素スイッチングの間の移動距離S=R=D/4となり、一回の画素スイッチングの間の移動距離としては、本発明の方法によれば5倍の移動距離が得られる。
【0040】
これらの関係はTとiを条件式に合う形で任意に選択する事で、様々な分解能R及び画素スイッチングの間の移動距離Sの設定が可能となる。ただし、一旦設定を決めると、それに対して、2次元表示素子の各画素とワーク上の画素との関係を登録して、デジタルデータからの画像データを、適切な2次元表示素子の画素のon/offに変換して、スキャンの移動と同期させて適切なパターン形成を行わせる様に設定する必要がある。
【0041】
また、本発明の方法では、スキャン方向と垂直方向に、必要なら2次元表示素子を複数個配列させる事ができるが、この2次元表示素子間のパターンのつなぎ目を滑らかにする必要がある。これに関しては、2次元表示素子の位置合わせを確定させた後、実際に露光させて各画素の位置関係を明確にした上で、つなぎ目がなめらかとなる様にデータ上で修正する事でつなぎ目を精度良く合わせる事ができる。
【0042】
また、本発明の方法のレジストパターン形成方法は上述のパターン形成方法を良好にレジストパターン形成に適用するための方法である。本発明のパターン形成方法は上述の様に、従来の方法に比べ、分解能を良好に維持したままスキャンの移動速度を向上させる事ができる。もしくは、スキャンの移動速度を良好に維持したまま、分解能を向上、または、スキャンの移動速度、分解能ともに向上させる事ができる。ただし、従来の方法と比較して、同一ドットへの重ね露光の重なり回数は少なくなる。従来のフォトポリマー等のレジストに本発明のパターン形成方法により露光を行った際には、露光エネルギーの要請から、重ね露光が必要となり、本発明のパターン形成方法によるメリットが充分生かされない場合がある。
本発明のレジストパターン形成方法では、感光層として電子写真感光層を用いる事で、本発明のパターン形成方法のメリットを最大限に発揮させ、良好なレジストパターン形成方法が実現できる。
【0043】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる導電層は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO等が挙げられる。本発明のレジストパターン形成方法に関わる積層材としては、ガラスや絶縁性基材の上に導電層及び電子写真感光層を設けたものが利用できる。また導電層及び電子写真感光層のみの積層材も使われる。絶縁性基材としては、ガラス基材エポキシ樹脂板、紙基材フェノール樹脂板、紙基材エポキシ樹脂板、ガラス基材ポリイミド樹脂板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリふっ化ビニルフィルム等が挙げられる。
【0044】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる電子写真感光層としては、特開平8−32232号公報に記載の光導電層の様な通常の帯電後露光するタイプの電子写真感光体、及び特願2000−366644号に出願の様なフォトメモリー性感光体を使用する事ができる。
これらの感光層を、導電層上に形成する方法としては、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法、電着法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スピンコート法等が利用できる。
【0045】
本発明のレジストパターン形成方法に関わる電子写真感光層の処理について説明する。帯電及び露光もしくは、露光及び帯電を行って静電潜像を形成した積層材にトナー現像処理を行って、静電潜像をトナー画像化する。その後のアルカリ現像工程においてアルカリ現像液に対してレジストとなるものであれば、乾式トナー現像、液体トナー現像、いずれのトナー現像方式も利用可能である。高解像性の画像を得るためには、液体トナー現像が望ましい。この際の露光を本発明のパターン形成方法により行う。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
実施例1
下記の表1に基づいた塗液を調液し、ガラス基材にアルミ蒸着層を設けたものの上にディップ塗布法を利用してアルミ蒸着層面に電子写真感光層(フォトメモリー性感光体)を形成した。ガラスサイズは356mm×432mmのものを使用した。
【0048】
【表1】
【0049】
【化1】
【0050】
この感光層を設けた基材をワークとして、図6に概略図を示す様な2次元表示素子を利用した露光装置によりパターン露光を行い、その後、トナー現像処理を行って、レジストパターンを形成した。その際の露光によるパターン形成の方法は以下の様にして行った。
【0051】
まず、電子写真感光層を設けたワーク1をフラットベッド2の所定の位置にセットし、露光を行う。露光は、コンピュータ4からのデジタルデータをパターン生成手段3に送り、パターン生成手段3では、そのデジタルデータに従って、その中に内蔵する2次元表示素子の画素のon/offを行う。この際、デジタルデータ上のドットを、どの画素のどのタイミングのon/offに一致させるかは、後述するパターン形成の方法により決定され、あらかじめ設定がなされる。パターン生成手段3内には、微小なミラーが等間隔に配列されたデジタルマイクロミラーデバイスからなる2次元表示素子及び光源を内蔵しており、光源からの光をデジタルマイクロミラーデバイスの各画素のミラーの角度を変える事で、画素のon/offを行い、レンズ光学系を経てワーク上の所定の位置に露光ドットを形成する様になっている。
【0052】
2次元表示素子による露光をワーク上に投影したときのドットの形成位置を図1に示す。各画素をonにした際のワーク上のドット位置の間隔P[μm]は15.0μmであり、2次元表示素子の画素数は縦600個、横800個配列した48万画素のものを30個幅方向に配列させたものである。矢印で示すスキャン方向7に対して微小角度αだけ傾けて露光する様になっている。角度αはtanα=1/30となる様に設定(α=1.91°)してある。従って、スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素の数Nは600/30=20個となる。その間隔DはD=30P/cosα=450.25μmとなる。スキャン方向に垂直な方向の分解能Rxは、図2に示す様に、Rx=P・sinα=0.50μmとなる。
【0053】
この2次元表示素子の素子自体の可能なスイッチング時間は5000Hzである(スイッチングの最小間隔は0.2msec)ものを使用した。
次の様にして露光を行った。
【0054】
Rを0.50μmとなる様にi、Tを表3に示す様に、i=901、T=4と定めた。このときの一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=2.00μmとなり、一画素スイッチングに要する時間を、素子のスイッチング時間と等しく0.2msecとすると、フラットベッドの移動速度は、10.0mm/secとなった。この条件にて、ワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定を行ってパターン露光を行った。
各ドットの多重露光数は、5となる。
【0055】
この方法により、分解能はRx=0.50μm、R=0.50μmでありながら、フラットベッドの移動速度は10.0mm/secという速いスピードでのパターン形成が可能であった。432mm長さのワークを露光するのに必要な時間は、約43secの速さである。
その後、帯電及びトナー現像を行ってレジストパターンを形成し、良好なレジストパターンが形成できた。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0056】
比較例1
表3にある通り、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=R=0.50μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した以外はすべて実施例1と同様にして露光を行った。この際、多重露光数は20となり、フラットベッドの移動速度は2.5mm/secであった。432mm長さのワークを処理するのに3分近くの時間がかかり、スループットとしては好ましくない結果となった。
【0057】
実施例2
実施例1において、ワーク上の感光層を感光性のフォトポリマーで形成し、帯電及びトナー現像処理を省略した以外は、実施例1と同様にしてパターン形成を行い、レジストパターン形成を行った。その結果、良好な分解能でスループットも良好にレジストパターンの形成ができたが、その後のアルカリ現像、エッチングを行った結果、画線パターンの細りが観測され、やや露光量不足である事がわかった。従って、画線の仕上がりに対して、更に好ましい結果を得るためには、露光機の光源のパワーをより大きなものにコストをかけて変更する必要がある事がわかった。
【0058】
実施例3
実施例1の感光層の形成において、以下の様な塗液を調整し、塗布方式をスピンコータで塗布した以外は、すべて実施例1と同様にして感光層の形成を行った。すなわち、塗液は電子写真感光層形成のための塗液で、有機光導電体にはχ型無金属フタロシアニン、結着樹脂にはn−ブチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(単量体質量比 4:3:3、重量平均分子量 約20000)、溶剤には1−メトキシ−2−プロパノールを使用し、表2に示した配合組成に従って混合し、有機光導電体を0.2μm以下の粒子径になるまで分散を行い不揮発分が33質量%の塗液を作製し、電子写真感光層を形成したワークを得た。
【0059】
【表2】
【0060】
このワークを全面帯電を行った後、実施例と同様に図6に示す露光装置に載置して露光を行ったが、その際、i=900、T=19と設定し、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=9.51μmとし、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の4回分をもって設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例1と同様にしてパターン形成のための露光を行った。その後、トナ現像を行い、レジストパターンの形成を行った。
【0061】
その結果、分解能はRx=0.50μm、R=0.50μmでありながら、フラットベッドの移動速度は11.9mm/secという速いスピードでのパターン形成が可能であった。432mm長さのワークを、約36secの速さで露光ができた。また、画素のスイッチングのための時間を素子自体のスイッチング時間(0.2msec)の4回分、すなわち0.8msecとした事で、データ転送等の負荷も軽減され、装置に負荷をかけず、簡易な構成でパターン生成手段を構成する事ができる事がわかった。多重露光数は1であった。
【0062】
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0063】
実施例4
実施例3と同様のワークを用い、2次元素子のワーク上での傾斜角度αをtanα=1/15となる様に設定(α=3.81°)した。その際、N=40となり、D=15P/cosα=225.50μmとなる。スキャン方向と垂直の方向の分解能RxはRx=P・sinα=1.00μmとなる。その構成の元、i=225、T=13と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=13.03μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例3と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は3となった。
【0064】
その結果、露光の分解能はRx=R=1.00μmであるが、フラットベッドの移動速度は16.3mm/secという速いスピードが可能であった。432mmの長さのワークの露光が、26.5secの速さで可能であった。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0065】
比較例2
実施例4において、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SをS=R=1.00μmと設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した以外はすべて実施例4と同様にして露光を行った。この際、多重露光数は40となり、フラットベッドの移動速度は5.0mm/secであった。432mm長さのワークであれば約90secの時間がかかり、スループットとしては好ましくない結果となった。
【0066】
実施例5
実施例4において、i=225、T=17と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=17.04μmと設定し、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の2回分をもって設定しその条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例4と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は2となった。
その結果、露光の分解能はRx=R=1.00μmであるが、フラットベッドの移動速度は42.6mm/secという速いスピードが可能であった。432mm長さのワークの露光が、約10secの速さで可能であった。
その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、良好な導電性パターンが得られた。
【0067】
実施例6
実施例3と同様のワークを用い、2次元素子のワーク上での傾斜角度αをtanα=1/50となる様に設定(α=1.15°)した。その際、N=12となり、D=50P/cosα=750.15μmとなる。スキャン方向と垂直の方向の分解能RxはRx=P・sinα=0.30μmとなる。その構成の元、i=2500、T=11と設定し、従って、一画素スイッチングあたりにフラットベッドが進む距離SはS=T・D/i=3.30μmと設定し、かつ、一画素スイッチングを素子自体のスイッチング時間の2回分をもって設定し、その条件にてワーク上のパターンに相当する位置にドットを形成する様に設定した他は、全て実施例3と同様にしてパターン形成及びレジストパターン形成を行った。多重露光数は1となった。その結果、フラットベッドの移動速度が8.3mm/secという良好な速さでありながら、露光の分解能をRx=R=0.30μmと高める事が可能であった。432mm長さのワークの露光が、52secの速さで可能であった。その後、アルカリ現像、エッチングを行った結果、高精細な良好な導電性パターンが得られた。以上の結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【発明の効果】
以上説明した如く、デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rとなる様に設定してパターンを形成する事により、分解能とスループットをともに良好にする事ができる。その具体的な一方法として、ワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成しうる2次元表示素子上の画素の数をN、このN個の画素のワーク上のドット間隔をD[μm]、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能をR[μm]としたときに、以下の式(1)(2)(3)の関係を有する自然数T,iにより、画素スイッチングの間のスキャン移動距離S[μm]をS=T・D/iと設定してパターン形成を行う事により、分解能とスループットをともに良好にする事ができる。ただし、GCD(T,i)はTとiの最大公約数を示す。
【0070】
【数4】
【0071】
また、このパターン形成方法を露光手段として用いて、少なくとも片面に少なくとも導電層、電子写真感光層をその順に設けた積層材にパターン形成を行う事により、フォトマスクを必要とせず、かつ高分解能で高スループットで装置コスト、ランニングコストともに低減させたレジストパターン形成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によるワーク上のドット形成状況の説明図。
【図2】スキャンと垂直方向の分解能Rxと傾斜角度αとの関係を説明するための説明図。
【図3】本発明の方法で用いられる2次元表示素子のワーク上のドットパターン及びスキャン方向と平行な直線上に並ぶ画素数Nについての説明図。
【図4】本発明の方法の画素のon/offタイミングの一例を説明するためタイミング図。
【図5】本発明の方法で用いられる2次元表示素子のワーク上のドットパターン形成の説明のためのドットパターン図。
【図6】本発明の方法を実施する2次元表示素子を利用した露光装置の概略構成図。
【図7】従来の方法による画素のon/offタイミングを説明するためのタイミング図。
【符号の説明】
1 ワーク
2 フラットベッド
3 パターン生成手段
4 コンピュータ
5 2次元表示素子投影領域
6 各画素のワーク上のドット位置
7 スキャン方向
10 ドットパターン
11、12、13、14、15、16、17、18 ドットパターン10を形成するドット
61 ある画素1によるドット
62 ある画素2によるドット
63 ある画素1によるドットが形成する直線
64 ある画素2によるドットが形成する直線
101、102 スキャン方向に平行な直線上に並ぶ画素の組の例
Claims (3)
- デジタルデータを2次元表示素子を用いて、ワークを相対的に一方向にスキャンしながら、ワーク上にパターンを形成する方法であって、2次元表示素子上の複数の画素がワーク上のスキャン方向に平行な同一直線上にドットを形成する場合に、ワーク上に形成されるパターンのスキャン方向のドットの分解能R[μm]と一回の画素スイッチングの間のスキャン移動距離をS[μm]とした時に、S>Rである事を特徴とするパターン形成方法。
- 少なくとも片面に少なくとも導電層、電子写真感光層をその順に設けた積層材に露光及び必要な処理を行ってレジストパターンを形成するレジストパターン形成方法において、該露光を請求項1もしくは2に記載のパターン形成方法により行う事を特徴とするレジストパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048632A JP2004258294A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048632A JP2004258294A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004258294A true JP2004258294A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33114542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003048632A Pending JP2004258294A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004258294A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006245556A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 描画装置及び描画方法 |
EP1722273A2 (en) * | 2005-05-12 | 2006-11-15 | Sharp Kabushiki Kaisha | Exposure method and exposure device |
JP2007025394A (ja) * | 2005-07-19 | 2007-02-01 | Fujifilm Holdings Corp | パターン形成方法 |
JP2007086373A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Fujifilm Corp | 永久パターン形成方法 |
JP2007227715A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Stanley Electric Co Ltd | パターニング基板の製造方法 |
US8109605B2 (en) | 2005-02-04 | 2012-02-07 | Fujifilm Corporation | Image recording apparatus and image recording method |
JP2012510085A (ja) * | 2008-11-26 | 2012-04-26 | マイクロニック マイデータ アーベー | 複雑な2次元インターレーススキームを使用した画像読出し/書込み方法 |
CN114214628A (zh) * | 2022-01-04 | 2022-03-22 | 曾倩 | 一种不锈钢装饰板蚀刻脱膜生产线 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048632A patent/JP2004258294A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006245556A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 描画装置及び描画方法 |
JP4638826B2 (ja) * | 2005-02-04 | 2011-02-23 | 富士フイルム株式会社 | 描画装置及び描画方法 |
US8109605B2 (en) | 2005-02-04 | 2012-02-07 | Fujifilm Corporation | Image recording apparatus and image recording method |
KR101170067B1 (ko) * | 2005-02-04 | 2012-07-31 | 후지필름 가부시키가이샤 | 묘화 장치 및 묘화 방법 |
EP1722273A2 (en) * | 2005-05-12 | 2006-11-15 | Sharp Kabushiki Kaisha | Exposure method and exposure device |
EP1722273A3 (en) * | 2005-05-12 | 2008-02-20 | Sharp Kabushiki Kaisha | Exposure method and exposure device |
JP2007025394A (ja) * | 2005-07-19 | 2007-02-01 | Fujifilm Holdings Corp | パターン形成方法 |
JP2007086373A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Fujifilm Corp | 永久パターン形成方法 |
JP2007227715A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Stanley Electric Co Ltd | パターニング基板の製造方法 |
JP2012510085A (ja) * | 2008-11-26 | 2012-04-26 | マイクロニック マイデータ アーベー | 複雑な2次元インターレーススキームを使用した画像読出し/書込み方法 |
US8885145B2 (en) | 2008-11-26 | 2014-11-11 | Micronic Mydata AB | Image reading and writing using a complex two-dimensional interlace scheme |
CN114214628A (zh) * | 2022-01-04 | 2022-03-22 | 曾倩 | 一种不锈钢装饰板蚀刻脱膜生产线 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6238852B1 (en) | Maskless lithography system and method with doubled throughput | |
US7495813B2 (en) | Optical scanning device and image forming apparatus | |
US5923403A (en) | Simultaneous, two-sided projection lithography system | |
US7154674B2 (en) | Imaging method | |
JPH11320968A (ja) | 光像形成方法及びその装置、画像形成装置並びにリソグラフィ用露光装置 | |
US6552779B2 (en) | Flying image of a maskless exposure system | |
JP2001135562A (ja) | リソグラフィ装置 | |
KR20100030999A (ko) | 마스크리스 노광 장치 및 이를 이용한 정렬 오차의 보상 방법 | |
WO2007015393A1 (ja) | カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ並びに液晶表示装置 | |
JP2005003762A (ja) | 画素位置特定方法、画像ずれ補正方法、および画像形成装置 | |
JP4496711B2 (ja) | 露光装置及び露光方法 | |
JP2004258294A (ja) | パターン形成方法及びレジストパターン形成方法 | |
US6178006B1 (en) | Photoplotting method and an arrangement for plotting a computer-stored raster image on a plane, photosensitive record carrier | |
CN201083959Y (zh) | 综合式直写光刻装置 | |
CN111742263A (zh) | 数字化双面光刻或曝光系统和方法 | |
US7564535B2 (en) | Seamless exposure with projection system comprises array of micromirrors with predefined reflectivity variations | |
JP2004303951A (ja) | 露光装置及び露光方法 | |
CN201083960Y (zh) | 直写光刻装置 | |
JPH0274022A (ja) | 露光装置およびパターン形成方法 | |
JP2014056167A (ja) | パターニング装置、パターニング方法及び表示用パネル基板の製造方法 | |
KR20080049841A (ko) | 묘화 데이터 취득 방법 및 장치, 그리고 묘화 방법 및 장치 | |
JP2009170681A (ja) | 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 | |
KR100643500B1 (ko) | 레티클 마스킹장치를 갖는 반도체 제조용 스캔 설비 | |
JP4081606B2 (ja) | パターン描画装置およびパターン描画方法 | |
JPH068516A (ja) | 電子写真プリンタ及びその調整方法 |