JP2004258152A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増加を抑えてバリア機構の組み立て性を向上させることができるカメラを提供する。
【解決手段】レンズ前面を開閉するバリア羽根(2、2’)と、バリア羽根を支持し、レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材(1)と、バリア機構の外装を構成するカバー部材(5)とを備え、カバー部材が、光軸方向に延び、ベース部材を貫通してレンズ鏡筒と係合する係合部(5a〜5c)と、レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することでベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部(5d)とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】レンズ前面を開閉するバリア羽根(2、2’)と、バリア羽根を支持し、レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材(1)と、バリア機構の外装を構成するカバー部材(5)とを備え、カバー部材が、光軸方向に延び、ベース部材を貫通してレンズ鏡筒と係合する係合部(5a〜5c)と、レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することでベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部(5d)とを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのレンズバリア機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンパクトカメラは、レンズ開口部を開閉してレンズ前面を保護するバリア機構をレンズ鏡筒の前面に備えているタイプが一般化している。このバリア機構は、レンズ鏡筒が非撮影位置から撮影位置に移動するのに連動させて2枚のバリア羽根を閉状態から開状態へと移行させるものである(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このバリア機構の分解斜視図を図7に示す。図7において、駆動部材103は、レンズ鏡筒104のレンズ保持部104bの外周面を摺動面として光軸周りに回転可能となるように組み込まれている。バリア開きバネ107は、この一端がレンズ鏡筒104のピン104aに係合し、他端が駆動部材103に形成されたフック103aに係合しており、駆動部材103を時計方向(矢印b方向)に付勢している。
【0004】
レンズ鏡筒がカメラ本体内に繰り込んだ状態にあるときには、駆動部材103のカム部103cがカメラ本体と係合することで、バリア開きバネ107の付勢力に抗して矢印a方向に所定量回転した状態で保持される。そして、レンズ鏡筒がカメラ本体から繰り出すと、カメラ本体およびカム部103cとの係合が解除されて、駆動部材103はバリア開きばね107の付勢力を受けて矢印b方向に回転する。
【0005】
ベース部材101は、レンズ保持部104bの前面に配置されており、図8に示すように係合爪101bがレンズ鏡筒104に形成された係合部104cと係合することで、レンズ鏡筒104に装着される。
【0006】
すなわち、ベース部材101およびレンズ鏡筒104を光軸周りに相対的に回転させると、係合部104cが係合爪101bのテーパ面を乗り上げて、凹部101gにはまり込む。この係合爪101bおよび係合部104cは、いわゆるバヨネット機構となっている。
【0007】
ここで、ストッパ面101eが係合部104cに当接することで、ベース部材101の矢印a方向への回転を阻止し、係合爪101bが係合部104cに当接することで、ベース部材101の矢印b方向への回転を阻止する。
【0008】
レンズ鏡筒104およびベース部材101間に配置される駆動部材103は、ベース部材101がレンズ鏡筒104に装着されることにより、光軸方向への移動が阻止される。
【0009】
一対のバリア羽根102、102’は、孔部102a、102a’がベース部材101に突設されたピン101a、101a’に係合することにより、ピン101a、101a’に対して回動可能に支持されている。バリア閉じバネ106、106’は、この一端がベース部材101のピン101c、101c’に係合するとともに、他端がバリア羽根102、102’のピン102b(不図示)、102b’に係合することにより、バリア羽根102、102’を閉じ方向(ベース部材101の開口部101fを閉じる方向)に付勢する。
【0010】
ここで、駆動部材103が光軸周り(矢印b方向)に回転すると、端面103b、103b’がバリア羽根102、102’のピン(102c’)をバリア閉じバネ106、106’の付勢力に抗して押し込み、バリア羽根102、102’を開き駆動する。
【0011】
カバー部材105は、この中央に被写体光束を通過させる開口部105bを有しており、端板部105aをベース部材101の切り欠き部101dに係合させることにより、ベース部材101に対して光軸周りの回転が阻止される。そして、カバー部材105は、バリア羽根102、102’の前面に配置され、レンズ鏡筒104に接着固定される。
【0012】
【特許文献1】
登録実用新案第2544329号公報
【特許文献2】
特開2000−231138号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のバリア機構において、バリア羽根102、102’の開閉動作等の際に、ベース部材101に対して矢印a方向の負荷が加わった場合には、ベース部材101に設けられたストッパ面101eが係合部104cに当接することにより、ベース部材101の矢印a方向の回転を阻止する。
【0014】
一方、ベース部材101に矢印b方向の負荷が加わった場合には、係合爪101bが係合部104に当接することにより、ベース部材101の矢印b方向の回転を阻止することになる。
【0015】
しかしながら、係合爪101bおよび係合部104は、上述したようにバヨネット機構となっており、係合爪101bおよび係合部104の当接面は、ストッパ面101eおよび係合部104の当接面に比べて小さくなっている。このため、ベース部材101に対して矢印b方向に過度の負荷が加わった場合には、係合爪101bが係合部104cを乗り越えてベース部材101が矢印b方向に回転してしまう恐れがある。
【0016】
このような場合には、閉じ状態にあるバリア羽根102、102’が開き状態となってしまうことがあり、レンズ前面を保護することができなくなってしまう。
【0017】
この問題を防ぐ方法としては、ベース部材101をレンズ鏡筒104にビス締めで固定したり、ベース部材101をバヨネット方式にてレンズ鏡筒104に装着した後、接着剤を塗布することでベース部材101およびレンズ鏡筒104を固定したりする方法がある。
【0018】
しかしながら、前者の方法では、ビスを使用するために部品点数が増える(コストアップとなる)とともに、ビス締めを行うために組立て工程が増えるという問題がある。また、後者の方法では、接着剤を塗布するために組立て工程が増加する問題がある。
【0019】
そこで、本発明は、ベース部材がレンズ鏡筒から外れるのを防止しつつ、部品点数の増加を抑え、組み立て性を向上させることができるバリア機構を備えたカメラを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レンズを保持し、光軸方向に繰り出し繰り込み可能なレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の先端に配置されたバリア機構とを有するカメラにおいて、バリア機構が、レンズ鏡筒の繰り出し繰り込み動作に応じてレンズ前面を開閉するバリア羽根と、このバリア羽根を支持し、レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材と、バリア機構の外装を構成するカバー部材とを備えており、カバー部材が、光軸方向に延び、ベース部材を貫通してレンズ鏡筒と係合する係合部と、レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することでベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部とを有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施形態であるカメラについて図を参照しながら説明する。図1および図2は、本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図であり、それぞれ異なる角度から見た図を示している。
【0022】
図3はバリア機構の部分拡大図である。図4は開き状態におけるバリア機構の正面図であり、図5は閉じ状態におけるバリア機構の正面図である。図6は、本実施形態のカメラの外観斜視図(概略図)である。
【0023】
図6において、21はカメラ本体であり、この内部には撮影に必要な各種部材が収納されている。22はレリーズボタンであり、半押し操作で撮影準備動作(測光動作および焦点調節動作等)が開始され、全押し操作で撮影動作(フィルムやCCD等の撮像素子への露光)が開始される。
【0024】
23は被写体像を観察するためのファインダユニットであり、24はAF補助光等を投光する投光部である。25は被写体に向けて照明光を照射するストロボ装置である。
【0025】
26は撮影レンズ(不図示)を保持するレンズ鏡筒であり、カメラ本体21内に収納された沈胴状態と、カメラ本体21から繰り出した撮影状態との間で移動可能(繰り出し繰り込み可能)となっている。このレンズ鏡筒26の前面には、後述するバリア機構が設けられている。
【0026】
図1および図2において、駆動部材3は、レンズ鏡筒4(レンズ鏡筒26の一部)のレンズ保持部4bの外周面に対して、光軸周りに回転可能となるように組み込まれている。
【0027】
バリア開きバネ7は、この一端がレンズ鏡筒4に形成されたピン4aに係合するとともに、他端が駆動部材3に形成されたフック3aに係合することにより、駆動部材3を矢印b方向(時計方向)に付勢する。
【0028】
ベース部材1は、レンズ保持部4bの前面に配置されており、係合爪1bとレンズ鏡筒4に形成された係合部4cとがバヨネット方式によって係合することでレンズ鏡筒4に装着される。
【0029】
具体的には図3(a)に示すように、ベース部材1をレンズ鏡筒4に対して矢印a方向(反時計方向)に回転させると、係合爪1bがレンズ鏡筒4に形成された係合部4cを乗り越えて、係合部4cの端面に当接することでベース部材1がレンズ鏡筒4に装着される(バヨネット機構)。
【0030】
ベース部材1がレンズ鏡筒4に装着された状態において、ベース部材1の外周縁に形成されているアーム1fは、図3(b)に示すように、係合部4cと、レンズ鏡筒4の内周面に凸状に形成され、周方向に延びる端部4hとに当接するようになっている。これにより、ベース部材1は、光軸方向への移動が阻止される。なお、図3(b)は、図3(a)の矢印A方向から見たときの、レンズ鏡筒4およびベース部材1の係合状態を示す図である。
【0031】
レンズ鏡筒4およびベース部材1間に配置される駆動部材3は、ベース部材1がレンズ鏡筒4に装着されることにより、光軸方向への移動が阻止された状態でレンズ鏡筒4に支持される。
【0032】
駆動部材3の外周には、駆動部材3の径方向に突出するとともに、光軸方向に延びるカム3cが形成されており、このカム3cの先端には斜向カム面3dが形成されている。
【0033】
一対のバリア羽根2、2’は、この基端部に形成された孔部2a、2a’が、ベース部材1に形成された光軸方向に延びるピン1a、1a’に嵌合することにより、ピン1a、1a’に対して回転可能に支持される。バリア羽根2、2’は、ピン1a、1a’を中心に回転することにより、ベース部材1に形成された開口部1gを覆った状態(閉じ状態)と、開口部1gから退避した状態(開き状態)との間で移動する。
【0034】
バリア閉じバネ6、6’は、この一端がベース部材1のピン1c、1c’に係合するとともに、他端がバリア羽根2、2’のピン2b、2b’に係合することにより、バリア羽根2、2’を閉じ状態の方向に付勢する。
【0035】
カバー部材5は、この中央に形成され、被写体光束を通過させる開口部5eと、カバー部材5の周方向3箇所に形成され、光軸方向に延びる保持部(係合部)5a、5b、5cとを有している。このカバー部材5は、保持部5a〜5cの先端に形成された係合爪を、レンズ鏡筒4に形成された係合部4d、4e、4fに係合させることにより、レンズ鏡筒4に装着される。ここで、保持部5a〜5cおよび係合部4d〜4fは、同じ位相関係にある。
【0036】
カバー部材5は、レンズ鏡筒4に装着されることで、バリア羽根2、2’を物体側(レンズ鏡筒26の先端側)から押さえ込み、バリア羽根2、2’がベース部材1(ピン1a、1a’)から外れるのを防止する。
【0037】
カバー部材5をレンズ鏡筒4に装着する際、保持部5aはベース部材1の外周に形成された切り欠き部1dに係合することにより、ベース部材1に対して位相を合わせるとともに、後述するようにベース部材1が光軸周り一方向に回転するのを阻止する。
【0038】
次に、上述した構成のバリア機構において、バリア羽根2、2’の開閉動作について説明する。
【0039】
レンズ鏡筒4が繰り出し動作により沈胴状態から撮影状態に移動する場合には、駆動部材3がバリア開きバネ7の付勢力を受けることにより、矢印b方向に回転する。このとき、駆動部材3の外周縁に形成された端面3b、3b’が、バリア羽根2、2’のピン2c、2c’に当接して、ピン2c、2c’を矢印b方向に押し込む。
【0040】
これにより、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力に抗して、ベース部材1に突設されたピン1a、1a’を回転中心として時計方向(図5)に回転し、ベース部材1の開口部1g(カバー部材5の開口部5e)から退避する。このとき、バリア機構は、図4に示すように開き状態となり、被写体からの光はレンズ鏡筒4(26)内に入射するようになる。
【0041】
一方、レンズ鏡筒4が繰り込み動作により撮影状態から沈胴状態に移動する場合には、駆動部材3のカム3cが斜向カム面3dにおいてカメラ本体に形成された不図示のカム面に当接することで、このカム面に沿って移動する。
【0042】
これにより、駆動部材3が、バリア開きバネ7の付勢力に抗して矢印a方向に回転することで、端面3b、3b’によるピン2c、2c’の矢印b方向への押し込みを解除する。このとき、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力を受けることにより、ピン1a、1a’を中心に閉じ状態の方向に回転する。
【0043】
バリア機構は、最終的には図5に示す閉じ状態となり、バリア羽根2、2’は、ベース部材1の開口部1g(カバー部材5の開口部5e)を覆った状態となる。
【0044】
バリア機構が閉じ状態にあるとき、駆動部材3の端面3b、3b’は、図5に示すようにバリア羽根2、2’(ピン2c、2c’)から離れており、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力を受けて互いに当接した位置で停止している。
【0045】
以上の動作をするバリア機構において、バリア羽根2、2’の開閉動作時等にベース部材1に矢印a方向の負荷が加わった場合、ベース部材1の外周に設けられたストッパ1eが、レンズ鏡筒4の内周面に形成された凸部4gに当接することにより、ベース部材1の矢印a方向への回転を阻止する。
【0046】
ここで、ベース部材1に加わる矢印a方向の負荷は、例えば、レンズ鏡筒4が撮影状態から繰り込む際に生じる場合がある。すなわち、レンズ鏡筒4の繰り込み動作によって駆動部材3の斜向カム面3dがカメラ本体に形成されたカム面に当接した際、カメラ本体のカム面が駆動部材3を矢印a方向に回転させるとともにレンズ鏡筒4の前面側に突き上げられることにより、駆動部材3がベース部材1に当接して、ベース部材1に矢印a方向の負荷を与えることになる。
【0047】
一方、ベース部材1に矢印b方向の負荷が加わった場合、図3(a)に示すように係合爪1bが係合部4cの一端面に係合しているため、ベース部材1の矢印b方向の回転をある程度阻止する。
【0048】
しかしながら、係合爪1bおよび係合部4cの係合を解除するような負荷が加わった場合には、従来技術で説明したように係合爪1bが係合部4cから外れてベース部材1が矢印b方向に回転してしまうことになる。
【0049】
そこで、本実施形態では、保持部5aを切り欠き部1dと係合させて、ベース部材1およびカバー部材5が光軸周り(矢印a、b方向)に一体的に回転するようにしておき、カバー部材5(ベース部材1)が矢印b方向に回転しようとする際に、カバー部材5の外周に形成された端板部(凸部)5dを、レンズ鏡筒4の内周面に形成された凸部4gに当接させるようにしている。
【0050】
これにより、カバー部材5の矢印b方向の回転を阻止するとともに、ベース部材1の矢印b方向の回転を阻止することができる。
【0051】
ここで、ベース部材1に加わる矢印b方向の負荷は、例えば、バリア機構が開き状態にあるときに生じる場合がある。すなわち、バリア機構が開き状態にあるとき、駆動部材3(端面3b)はバリア閉じバネ6、6’の付勢力に抗してピン2c、2c’を矢印b方向に最も押し込んでおり、この状態のときにバリア閉じバネ6、6’に最大の負荷がかかるため、バリア閉じバネ6、6’の一端と係合しているベース部材1のピン1c、1c’には矢印b方向の負荷が多くかかることになる。
【0052】
本実施形態におけるバリア機構の構成によれば、ベース部材1をバヨネット機構を介してレンズ鏡筒4に装着した後、カバー部材5をレンズ鏡筒4に組み込むだけで、バリア羽根2、2’の開閉動作時等にベース部材1に光軸周り(矢印a、b方向)の負荷が加わっても、バヨネット機構が外れるのを防止することができる。
【0053】
すなわち、図4や図5に示すように、矢印a方向の負荷に対しては、ストッパ1eが凸部4gに当接することにより、ベース部材1が矢印a方向に変位するのを防止する。また、矢印b方向の負荷に対しては、端板部5dが凸部4gに当接することにより、ベース部材1が矢印b方向に変位するのを防止する。
【0054】
これにより、従来技術のようにベース部材をレンズ鏡筒にビス締めで固定する方法や、ベース部材をバヨネット機構を介してレンズ鏡筒に装着した後、接着剤等を塗布して固定する方法に比べて、部品点数の増加を抑えることができるとともにバリア機構の組立て性を向上させることができる。
【0055】
以上説明した実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0056】
〔発明1〕 レンズを保持し、光軸方向に繰り出し繰り込み可能なレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の先端に配置されたバリア機構とを有するカメラにおいて、
前記バリア機構が、
前記レンズ鏡筒の繰り出し繰り込み動作に応じてレンズ前面を開閉するバリア羽根と、
このバリア羽根を支持し、前記レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材と、
前記バリア機構の外装を構成するカバー部材とを備えており、
前記カバー部材が、光軸方向に延び、前記ベース部材を貫通して前記レンズ鏡筒と係合する係合部と、前記レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することで前記ベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部とを有することを特徴とするカメラ。
【0057】
上記発明1によれば、カバー部材の係合部をレンズ鏡筒に係合させる(カバー部材をレンズ鏡筒に装着する)だけでベース部材が光軸周りに変位するのを防止でき、ベース部材がレンズ鏡筒から外れるのを防止することができる。
【0058】
すなわち、本発明の構成によれば、係合部がベース部材を貫通することでカバー部材およびベース部材が一体となって動作するようになっており、ベース部材が外力を受けてレンズ鏡筒から外れる方向(光軸周り他方向)に変位しようとしても、ベース部材とともに変位するカバー部材の凸部がレンズ鏡筒の突起部に当接することで、ベース部材の変位を阻止するようになっている。
【0059】
これにより、上述した課題で説明したようにビスを用いてベース部材をレンズ鏡筒に固定したり、ベース部材をレンズ鏡筒に接着させて固定したりする場合に比べて、部品点数や組み立て工程の増加を抑えることができる。
【0060】
〔発明2〕 前記ベース部材が、前記レンズ鏡筒とのバヨネット係合により前記レンズ鏡筒に組み込まれることを特徴とする前記発明1に記載のカメラ。
【0061】
〔発明3〕 前記ベース部材が、この外周に前記係合部と当接する切り欠き部を有することを特徴とする前記発明1又は2に記載のカメラ。
【0062】
【発明の効果】
本発明のカメラによれば、部品点数の増加を抑えてバリア機構の組み立て性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図。
【図2】本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図。
【図3】バリア機構の部分拡大図。
【図4】開き状態におけるバリア機構の正面図。
【図5】閉じ状態におけるバリア機構の正面図。
【図6】本実施形態であるカメラの外観斜視図。
【図7】従来技術におけるバリア機構の分解斜視図。
【図8】従来技術におけるバリア機構の部分拡大図。
【符号の説明】
1 ベース部材
2 バリア羽根
3 駆動部材
4 レンズ鏡筒
5 カバー部材
6 バリア閉じバネ
7 バリア開きバネ
101 ベース部材
102 バリア羽根
103 駆動部材
104 レンズ鏡筒
105 カバー部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのレンズバリア機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンパクトカメラは、レンズ開口部を開閉してレンズ前面を保護するバリア機構をレンズ鏡筒の前面に備えているタイプが一般化している。このバリア機構は、レンズ鏡筒が非撮影位置から撮影位置に移動するのに連動させて2枚のバリア羽根を閉状態から開状態へと移行させるものである(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このバリア機構の分解斜視図を図7に示す。図7において、駆動部材103は、レンズ鏡筒104のレンズ保持部104bの外周面を摺動面として光軸周りに回転可能となるように組み込まれている。バリア開きバネ107は、この一端がレンズ鏡筒104のピン104aに係合し、他端が駆動部材103に形成されたフック103aに係合しており、駆動部材103を時計方向(矢印b方向)に付勢している。
【0004】
レンズ鏡筒がカメラ本体内に繰り込んだ状態にあるときには、駆動部材103のカム部103cがカメラ本体と係合することで、バリア開きバネ107の付勢力に抗して矢印a方向に所定量回転した状態で保持される。そして、レンズ鏡筒がカメラ本体から繰り出すと、カメラ本体およびカム部103cとの係合が解除されて、駆動部材103はバリア開きばね107の付勢力を受けて矢印b方向に回転する。
【0005】
ベース部材101は、レンズ保持部104bの前面に配置されており、図8に示すように係合爪101bがレンズ鏡筒104に形成された係合部104cと係合することで、レンズ鏡筒104に装着される。
【0006】
すなわち、ベース部材101およびレンズ鏡筒104を光軸周りに相対的に回転させると、係合部104cが係合爪101bのテーパ面を乗り上げて、凹部101gにはまり込む。この係合爪101bおよび係合部104cは、いわゆるバヨネット機構となっている。
【0007】
ここで、ストッパ面101eが係合部104cに当接することで、ベース部材101の矢印a方向への回転を阻止し、係合爪101bが係合部104cに当接することで、ベース部材101の矢印b方向への回転を阻止する。
【0008】
レンズ鏡筒104およびベース部材101間に配置される駆動部材103は、ベース部材101がレンズ鏡筒104に装着されることにより、光軸方向への移動が阻止される。
【0009】
一対のバリア羽根102、102’は、孔部102a、102a’がベース部材101に突設されたピン101a、101a’に係合することにより、ピン101a、101a’に対して回動可能に支持されている。バリア閉じバネ106、106’は、この一端がベース部材101のピン101c、101c’に係合するとともに、他端がバリア羽根102、102’のピン102b(不図示)、102b’に係合することにより、バリア羽根102、102’を閉じ方向(ベース部材101の開口部101fを閉じる方向)に付勢する。
【0010】
ここで、駆動部材103が光軸周り(矢印b方向)に回転すると、端面103b、103b’がバリア羽根102、102’のピン(102c’)をバリア閉じバネ106、106’の付勢力に抗して押し込み、バリア羽根102、102’を開き駆動する。
【0011】
カバー部材105は、この中央に被写体光束を通過させる開口部105bを有しており、端板部105aをベース部材101の切り欠き部101dに係合させることにより、ベース部材101に対して光軸周りの回転が阻止される。そして、カバー部材105は、バリア羽根102、102’の前面に配置され、レンズ鏡筒104に接着固定される。
【0012】
【特許文献1】
登録実用新案第2544329号公報
【特許文献2】
特開2000−231138号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のバリア機構において、バリア羽根102、102’の開閉動作等の際に、ベース部材101に対して矢印a方向の負荷が加わった場合には、ベース部材101に設けられたストッパ面101eが係合部104cに当接することにより、ベース部材101の矢印a方向の回転を阻止する。
【0014】
一方、ベース部材101に矢印b方向の負荷が加わった場合には、係合爪101bが係合部104に当接することにより、ベース部材101の矢印b方向の回転を阻止することになる。
【0015】
しかしながら、係合爪101bおよび係合部104は、上述したようにバヨネット機構となっており、係合爪101bおよび係合部104の当接面は、ストッパ面101eおよび係合部104の当接面に比べて小さくなっている。このため、ベース部材101に対して矢印b方向に過度の負荷が加わった場合には、係合爪101bが係合部104cを乗り越えてベース部材101が矢印b方向に回転してしまう恐れがある。
【0016】
このような場合には、閉じ状態にあるバリア羽根102、102’が開き状態となってしまうことがあり、レンズ前面を保護することができなくなってしまう。
【0017】
この問題を防ぐ方法としては、ベース部材101をレンズ鏡筒104にビス締めで固定したり、ベース部材101をバヨネット方式にてレンズ鏡筒104に装着した後、接着剤を塗布することでベース部材101およびレンズ鏡筒104を固定したりする方法がある。
【0018】
しかしながら、前者の方法では、ビスを使用するために部品点数が増える(コストアップとなる)とともに、ビス締めを行うために組立て工程が増えるという問題がある。また、後者の方法では、接着剤を塗布するために組立て工程が増加する問題がある。
【0019】
そこで、本発明は、ベース部材がレンズ鏡筒から外れるのを防止しつつ、部品点数の増加を抑え、組み立て性を向上させることができるバリア機構を備えたカメラを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レンズを保持し、光軸方向に繰り出し繰り込み可能なレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の先端に配置されたバリア機構とを有するカメラにおいて、バリア機構が、レンズ鏡筒の繰り出し繰り込み動作に応じてレンズ前面を開閉するバリア羽根と、このバリア羽根を支持し、レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材と、バリア機構の外装を構成するカバー部材とを備えており、カバー部材が、光軸方向に延び、ベース部材を貫通してレンズ鏡筒と係合する係合部と、レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することでベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部とを有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施形態であるカメラについて図を参照しながら説明する。図1および図2は、本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図であり、それぞれ異なる角度から見た図を示している。
【0022】
図3はバリア機構の部分拡大図である。図4は開き状態におけるバリア機構の正面図であり、図5は閉じ状態におけるバリア機構の正面図である。図6は、本実施形態のカメラの外観斜視図(概略図)である。
【0023】
図6において、21はカメラ本体であり、この内部には撮影に必要な各種部材が収納されている。22はレリーズボタンであり、半押し操作で撮影準備動作(測光動作および焦点調節動作等)が開始され、全押し操作で撮影動作(フィルムやCCD等の撮像素子への露光)が開始される。
【0024】
23は被写体像を観察するためのファインダユニットであり、24はAF補助光等を投光する投光部である。25は被写体に向けて照明光を照射するストロボ装置である。
【0025】
26は撮影レンズ(不図示)を保持するレンズ鏡筒であり、カメラ本体21内に収納された沈胴状態と、カメラ本体21から繰り出した撮影状態との間で移動可能(繰り出し繰り込み可能)となっている。このレンズ鏡筒26の前面には、後述するバリア機構が設けられている。
【0026】
図1および図2において、駆動部材3は、レンズ鏡筒4(レンズ鏡筒26の一部)のレンズ保持部4bの外周面に対して、光軸周りに回転可能となるように組み込まれている。
【0027】
バリア開きバネ7は、この一端がレンズ鏡筒4に形成されたピン4aに係合するとともに、他端が駆動部材3に形成されたフック3aに係合することにより、駆動部材3を矢印b方向(時計方向)に付勢する。
【0028】
ベース部材1は、レンズ保持部4bの前面に配置されており、係合爪1bとレンズ鏡筒4に形成された係合部4cとがバヨネット方式によって係合することでレンズ鏡筒4に装着される。
【0029】
具体的には図3(a)に示すように、ベース部材1をレンズ鏡筒4に対して矢印a方向(反時計方向)に回転させると、係合爪1bがレンズ鏡筒4に形成された係合部4cを乗り越えて、係合部4cの端面に当接することでベース部材1がレンズ鏡筒4に装着される(バヨネット機構)。
【0030】
ベース部材1がレンズ鏡筒4に装着された状態において、ベース部材1の外周縁に形成されているアーム1fは、図3(b)に示すように、係合部4cと、レンズ鏡筒4の内周面に凸状に形成され、周方向に延びる端部4hとに当接するようになっている。これにより、ベース部材1は、光軸方向への移動が阻止される。なお、図3(b)は、図3(a)の矢印A方向から見たときの、レンズ鏡筒4およびベース部材1の係合状態を示す図である。
【0031】
レンズ鏡筒4およびベース部材1間に配置される駆動部材3は、ベース部材1がレンズ鏡筒4に装着されることにより、光軸方向への移動が阻止された状態でレンズ鏡筒4に支持される。
【0032】
駆動部材3の外周には、駆動部材3の径方向に突出するとともに、光軸方向に延びるカム3cが形成されており、このカム3cの先端には斜向カム面3dが形成されている。
【0033】
一対のバリア羽根2、2’は、この基端部に形成された孔部2a、2a’が、ベース部材1に形成された光軸方向に延びるピン1a、1a’に嵌合することにより、ピン1a、1a’に対して回転可能に支持される。バリア羽根2、2’は、ピン1a、1a’を中心に回転することにより、ベース部材1に形成された開口部1gを覆った状態(閉じ状態)と、開口部1gから退避した状態(開き状態)との間で移動する。
【0034】
バリア閉じバネ6、6’は、この一端がベース部材1のピン1c、1c’に係合するとともに、他端がバリア羽根2、2’のピン2b、2b’に係合することにより、バリア羽根2、2’を閉じ状態の方向に付勢する。
【0035】
カバー部材5は、この中央に形成され、被写体光束を通過させる開口部5eと、カバー部材5の周方向3箇所に形成され、光軸方向に延びる保持部(係合部)5a、5b、5cとを有している。このカバー部材5は、保持部5a〜5cの先端に形成された係合爪を、レンズ鏡筒4に形成された係合部4d、4e、4fに係合させることにより、レンズ鏡筒4に装着される。ここで、保持部5a〜5cおよび係合部4d〜4fは、同じ位相関係にある。
【0036】
カバー部材5は、レンズ鏡筒4に装着されることで、バリア羽根2、2’を物体側(レンズ鏡筒26の先端側)から押さえ込み、バリア羽根2、2’がベース部材1(ピン1a、1a’)から外れるのを防止する。
【0037】
カバー部材5をレンズ鏡筒4に装着する際、保持部5aはベース部材1の外周に形成された切り欠き部1dに係合することにより、ベース部材1に対して位相を合わせるとともに、後述するようにベース部材1が光軸周り一方向に回転するのを阻止する。
【0038】
次に、上述した構成のバリア機構において、バリア羽根2、2’の開閉動作について説明する。
【0039】
レンズ鏡筒4が繰り出し動作により沈胴状態から撮影状態に移動する場合には、駆動部材3がバリア開きバネ7の付勢力を受けることにより、矢印b方向に回転する。このとき、駆動部材3の外周縁に形成された端面3b、3b’が、バリア羽根2、2’のピン2c、2c’に当接して、ピン2c、2c’を矢印b方向に押し込む。
【0040】
これにより、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力に抗して、ベース部材1に突設されたピン1a、1a’を回転中心として時計方向(図5)に回転し、ベース部材1の開口部1g(カバー部材5の開口部5e)から退避する。このとき、バリア機構は、図4に示すように開き状態となり、被写体からの光はレンズ鏡筒4(26)内に入射するようになる。
【0041】
一方、レンズ鏡筒4が繰り込み動作により撮影状態から沈胴状態に移動する場合には、駆動部材3のカム3cが斜向カム面3dにおいてカメラ本体に形成された不図示のカム面に当接することで、このカム面に沿って移動する。
【0042】
これにより、駆動部材3が、バリア開きバネ7の付勢力に抗して矢印a方向に回転することで、端面3b、3b’によるピン2c、2c’の矢印b方向への押し込みを解除する。このとき、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力を受けることにより、ピン1a、1a’を中心に閉じ状態の方向に回転する。
【0043】
バリア機構は、最終的には図5に示す閉じ状態となり、バリア羽根2、2’は、ベース部材1の開口部1g(カバー部材5の開口部5e)を覆った状態となる。
【0044】
バリア機構が閉じ状態にあるとき、駆動部材3の端面3b、3b’は、図5に示すようにバリア羽根2、2’(ピン2c、2c’)から離れており、バリア羽根2、2’は、バリア閉じバネ6、6’の付勢力を受けて互いに当接した位置で停止している。
【0045】
以上の動作をするバリア機構において、バリア羽根2、2’の開閉動作時等にベース部材1に矢印a方向の負荷が加わった場合、ベース部材1の外周に設けられたストッパ1eが、レンズ鏡筒4の内周面に形成された凸部4gに当接することにより、ベース部材1の矢印a方向への回転を阻止する。
【0046】
ここで、ベース部材1に加わる矢印a方向の負荷は、例えば、レンズ鏡筒4が撮影状態から繰り込む際に生じる場合がある。すなわち、レンズ鏡筒4の繰り込み動作によって駆動部材3の斜向カム面3dがカメラ本体に形成されたカム面に当接した際、カメラ本体のカム面が駆動部材3を矢印a方向に回転させるとともにレンズ鏡筒4の前面側に突き上げられることにより、駆動部材3がベース部材1に当接して、ベース部材1に矢印a方向の負荷を与えることになる。
【0047】
一方、ベース部材1に矢印b方向の負荷が加わった場合、図3(a)に示すように係合爪1bが係合部4cの一端面に係合しているため、ベース部材1の矢印b方向の回転をある程度阻止する。
【0048】
しかしながら、係合爪1bおよび係合部4cの係合を解除するような負荷が加わった場合には、従来技術で説明したように係合爪1bが係合部4cから外れてベース部材1が矢印b方向に回転してしまうことになる。
【0049】
そこで、本実施形態では、保持部5aを切り欠き部1dと係合させて、ベース部材1およびカバー部材5が光軸周り(矢印a、b方向)に一体的に回転するようにしておき、カバー部材5(ベース部材1)が矢印b方向に回転しようとする際に、カバー部材5の外周に形成された端板部(凸部)5dを、レンズ鏡筒4の内周面に形成された凸部4gに当接させるようにしている。
【0050】
これにより、カバー部材5の矢印b方向の回転を阻止するとともに、ベース部材1の矢印b方向の回転を阻止することができる。
【0051】
ここで、ベース部材1に加わる矢印b方向の負荷は、例えば、バリア機構が開き状態にあるときに生じる場合がある。すなわち、バリア機構が開き状態にあるとき、駆動部材3(端面3b)はバリア閉じバネ6、6’の付勢力に抗してピン2c、2c’を矢印b方向に最も押し込んでおり、この状態のときにバリア閉じバネ6、6’に最大の負荷がかかるため、バリア閉じバネ6、6’の一端と係合しているベース部材1のピン1c、1c’には矢印b方向の負荷が多くかかることになる。
【0052】
本実施形態におけるバリア機構の構成によれば、ベース部材1をバヨネット機構を介してレンズ鏡筒4に装着した後、カバー部材5をレンズ鏡筒4に組み込むだけで、バリア羽根2、2’の開閉動作時等にベース部材1に光軸周り(矢印a、b方向)の負荷が加わっても、バヨネット機構が外れるのを防止することができる。
【0053】
すなわち、図4や図5に示すように、矢印a方向の負荷に対しては、ストッパ1eが凸部4gに当接することにより、ベース部材1が矢印a方向に変位するのを防止する。また、矢印b方向の負荷に対しては、端板部5dが凸部4gに当接することにより、ベース部材1が矢印b方向に変位するのを防止する。
【0054】
これにより、従来技術のようにベース部材をレンズ鏡筒にビス締めで固定する方法や、ベース部材をバヨネット機構を介してレンズ鏡筒に装着した後、接着剤等を塗布して固定する方法に比べて、部品点数の増加を抑えることができるとともにバリア機構の組立て性を向上させることができる。
【0055】
以上説明した実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0056】
〔発明1〕 レンズを保持し、光軸方向に繰り出し繰り込み可能なレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の先端に配置されたバリア機構とを有するカメラにおいて、
前記バリア機構が、
前記レンズ鏡筒の繰り出し繰り込み動作に応じてレンズ前面を開閉するバリア羽根と、
このバリア羽根を支持し、前記レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材と、
前記バリア機構の外装を構成するカバー部材とを備えており、
前記カバー部材が、光軸方向に延び、前記ベース部材を貫通して前記レンズ鏡筒と係合する係合部と、前記レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することで前記ベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部とを有することを特徴とするカメラ。
【0057】
上記発明1によれば、カバー部材の係合部をレンズ鏡筒に係合させる(カバー部材をレンズ鏡筒に装着する)だけでベース部材が光軸周りに変位するのを防止でき、ベース部材がレンズ鏡筒から外れるのを防止することができる。
【0058】
すなわち、本発明の構成によれば、係合部がベース部材を貫通することでカバー部材およびベース部材が一体となって動作するようになっており、ベース部材が外力を受けてレンズ鏡筒から外れる方向(光軸周り他方向)に変位しようとしても、ベース部材とともに変位するカバー部材の凸部がレンズ鏡筒の突起部に当接することで、ベース部材の変位を阻止するようになっている。
【0059】
これにより、上述した課題で説明したようにビスを用いてベース部材をレンズ鏡筒に固定したり、ベース部材をレンズ鏡筒に接着させて固定したりする場合に比べて、部品点数や組み立て工程の増加を抑えることができる。
【0060】
〔発明2〕 前記ベース部材が、前記レンズ鏡筒とのバヨネット係合により前記レンズ鏡筒に組み込まれることを特徴とする前記発明1に記載のカメラ。
【0061】
〔発明3〕 前記ベース部材が、この外周に前記係合部と当接する切り欠き部を有することを特徴とする前記発明1又は2に記載のカメラ。
【0062】
【発明の効果】
本発明のカメラによれば、部品点数の増加を抑えてバリア機構の組み立て性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図。
【図2】本実施形態におけるバリア機構の分解斜視図。
【図3】バリア機構の部分拡大図。
【図4】開き状態におけるバリア機構の正面図。
【図5】閉じ状態におけるバリア機構の正面図。
【図6】本実施形態であるカメラの外観斜視図。
【図7】従来技術におけるバリア機構の分解斜視図。
【図8】従来技術におけるバリア機構の部分拡大図。
【符号の説明】
1 ベース部材
2 バリア羽根
3 駆動部材
4 レンズ鏡筒
5 カバー部材
6 バリア閉じバネ
7 バリア開きバネ
101 ベース部材
102 バリア羽根
103 駆動部材
104 レンズ鏡筒
105 カバー部材
Claims (1)
- レンズを保持し、光軸方向に繰り出し繰り込み可能なレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒の先端に配置されたバリア機構とを有するカメラにおいて、
前記バリア機構が、
前記レンズ鏡筒の繰り出し繰り込み動作に応じてレンズ前面を開閉するバリア羽根と、
このバリア羽根を支持し、前記レンズ鏡筒に対して光軸周り一方向への回転によって組み込まれるベース部材と、
前記バリア機構の外装を構成するカバー部材とを備えており、
前記カバー部材が、光軸方向に延び、前記ベース部材を貫通して前記レンズ鏡筒と係合する係合部と、前記レンズ鏡筒に形成された突起部に当接することで前記ベース部材の光軸周り他方向への変位を阻止するための凸部とを有することを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009042640A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Canon Inc | バリア機構およびカメラ |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003046851A patent/JP2004258152A/ja not_active Withdrawn
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