JP2004258066A - 光導波路基板の製造方法、光電気複合実装配線基板の製造方法 - Google Patents
光導波路基板の製造方法、光電気複合実装配線基板の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板を効率よく低コストで得ることができる製造方法を提供すること。
【解決手段】基材11と、コア33、クラッド34、凹部35を有する光導波路層31と、凸状の光路変換部22とを備える光導波路基板10を、以下の手順で製造する。まず、基材11の主面12上に凸状の光路変換部22をあらかじめ形成する。また、光導波路層31において凸状の光路変換部22に対応した位置に、凸状の光路変換部22を逃がすための凹部35をあらかじめ形成する。そして、凸状の光路変換部22が形成された基材11の主面12上に、凹部35が形成された光導波路層31を接合する。
【選択図】 図3
【解決手段】基材11と、コア33、クラッド34、凹部35を有する光導波路層31と、凸状の光路変換部22とを備える光導波路基板10を、以下の手順で製造する。まず、基材11の主面12上に凸状の光路変換部22をあらかじめ形成する。また、光導波路層31において凸状の光路変換部22に対応した位置に、凸状の光路変換部22を逃がすための凹部35をあらかじめ形成する。そして、凸状の光路変換部22が形成された基材11の主面12上に、凹部35が形成された光導波路層31を接合する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路基板の製造方法、光電気複合実装配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットに代表される情報通信技術の発達や、情報処理装置の処理速度の飛躍的向上などに伴って、画像等の大容量データを送受信するニーズが高まりつつある。かかる大容量データを情報通信設備を通じて自由にやり取りするためには10Gbps以上という情報伝達速度が望ましく、そのような高速通信環境を実現しうる技術として光通信技術に大きな期待が寄せられている。一方、機器内の配線基板間での接続、配線基板内の半導体チップ間での接続、半導体チップ内での接続など、比較的短い距離における信号伝達経路に関しても、高速で信号を伝送することが近年望まれている。このため、従来一般的であった金属ケーブルや金属配線から、光ファイバや光導波路を用いた光伝送へと移行することが理想的であると考えられている。
【0003】
特に光導波路は、光ファイバと比較して配線自由度が高い等の利点を有することから、近年注目を集めている。そして最近では、層状の光導波路を基材上にほぼ平行な状態で配設した構造の光導波路基板が各種提案されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。この種の光導波路基板においては、通常、基材の表面に光学素子(発光素子や受光素子)が搭載される。そして、かかる光導波路基板においては、光学素子との間で効率よく光が伝わるように、光導波路内を伝搬する光を基材に対して垂直な方向に進路変換させる光路変換部が、基材や光導波路層に設けられる。
【0004】
図18,図19には、従来の光導波路基板及びその製造方法の一例が示されている。この光導波路基板の製造に際しては、まず、コア62及びクラッド63を有する光導波路層61を、基材66とは別に作製しておく。次に、光導波路層61の下面に、ダイシングブレードを用いたダイシング加工によりV字溝64を形成する。その後、V字溝64の内壁面に金属薄膜65を設けることにより、凹状の光路変換部を形成する。次に、このような光導波路層61を基材66の主面67上に貼り付けた後、主面67上にバンプ70を介して光学素子68を搭載することにより、光導波路基板が完成するようになっている。
【0005】
図20,図21,図22は、従来の光導波路基板及びその製造方法の別の例が示されている。この光導波路基板の製造に際しては、まず、用意しておいた基材66の主面67上に下地層71及び凸状の光路変換部72を形成する。次に、基材66の主面67上に、下層のクラッド63、コア62、上層のクラッド63を順次積層することにより、凸状の光路変換部72を覆うようにして光導波路層61を形成する。そして、主面67上にバンプ70を介して光学素子68を搭載することにより、光導波路基板が完成するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−199827号公報(図1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図18,図19に示す従来技術の場合、ダイシング加工によって形成されるV字溝64の内壁面の表面粗さは比較的大きくなるため、その表面上に設けられる金属薄膜65の反射面の表面粗さも大きくなってしまう。そのため、金属薄膜65の反射面において光が拡散されることで伝送ロスが増大する結果、効率のよい光信号の伝送を実現することができなかった。
【0008】
また、図20〜図22に示す従来技術の場合、既に凸状の光路変換部72がある状態でいわゆるビルドアップ法により光導波路層61を形成していることから、光路変換部72の形成箇所にて光導波路層61が押し上げられ、うねりが発生しやすかった。この場合においても光の伝送ロスが増大することから、効率のよい光信号の伝送を実現することができなかった。しかも、ビルドアップ法による光導波路層61の形成は貼り付け法に比べて工数が多くて煩雑であるため、生産性の向上や低コスト化に向いていないという問題もあった。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板、光電気複合実装配線基板を効率よく低コストで得ることができる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、主面を有する基材と、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部とを備える光導波路基板の製造方法において、前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程とを含むことを特徴とする光導波路基板の製造方法がある。
【0011】
また、別の解決手段としては、主面を有する基材と、前記基材に形成され、電気信号が伝搬する導体回路と、前記基材の表面上に実装され、前記導体回路に電気的に接続される電子部品と、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、前記基材及び前記光導波路層のうちの少なくともいずれかの表面上に実装され、前記光導波路層と光学的に接続される光学素子と、前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部とを備える光電気複合実装配線基板の製造方法において、前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程とを含むことを特徴とする光電気複合実装配線基板の製造方法がある。
【0012】
従って、これらの発明によると、基材に光導波路層を接合したときであっても凹部によって凸状の光路変換部が逃がされるので、光導波路層が凸状の光変換部によって押し上げられず、光導波路層にうねりが発生しない。ゆえに、凸状の光路変換部の近傍におけるコアの直線性が保持され、光の伝送ロスの低減が達成される。また、凸状の光路変換部を基材の主面上にあらかじめ形成するという方法であるため、ダイシング加工によるV字溝に金属薄膜を形成して光路変換部とする従来方法に比べて、反射面の表面粗さを小さくすることができる。即ち、反射面にて光が拡散されにくい光路変換部を形成することができるため、このことによっても光の伝送ロスの低減が達成される。よって、かかる相乗効果により、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板、光電気複合実装配線基板を得ることができる。
【0013】
しかも、光導波路層を接合する方法を採用しているため、ビルドアップ法よりも工数が少なく製造時の煩雑さも解消される。従って、光導波路基板、光電気複合実装配線基板を効率よく低コストで製造することができる。
【0014】
前記光導波路基板、光電気複合実装配線基板を構成する基材としては、例えば、樹脂、セラミック、金属などを主材料とする基材を挙げることができる。これらの基材は、コスト性、孔加工の容易性、導電性などを考慮して適宜選択される。樹脂基材としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)等からなる基材を挙げることができる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基材を使用してもよい。セラミック基材としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ほう素、ベリリア、ムライト、低温焼成ガラスセラミック、ガラスセラミック等からなる基材を挙げることができる。金属基材としては、例えば、銅板や銅合金板、銅以外の金属単体や銅以外の合金からなる基材を挙げることができる。
【0015】
かかる基材は、絶縁層と、電気信号が伝搬する導体回路とを備えた配線基板であることがよい。前記導体回路は基材表面に形成されていてもよく、基材内部に形成されていてもよい。これらの導体回路の層間接続を図るために、基材内部にビアホール導体が形成されていてもよい。なお、かかる導体回路やビアホール導体は、例えば、金属めっき、導電性金属ペーストの印刷や充填などの手法により形成される。なお、このような配線基板に加えて、例えば、樹脂絶縁層と導体回路とを交互に積層してなるビルドアップ層を、基材上に備えるビルドアップ配線基板を用いることも許容される。
【0016】
ここで、基材上に実装される電子部品としては、例えば、裏面に複数の電極を有する半導体集積回路チップなどを挙げることができる。この場合の具体例としては、光学素子(発光素子)の動作回路の機能を有する半導体集積回路チップなどがある。そのほか前記電子部品は、裏面または側面に複数の接続端子を有する半導体パッケージや、裏面または側面に複数の端子を有するチップ部品(例えばチップトランジスタ、チップダイオード、チップ抵抗、チップキャパシタ、チップコイルなど)などであってもよい。この場合、搭載される電子部品は、能動部品であっても受動部品であってもよい。これらの電子部品は、いずれも基材の有する導体回路に電気的に接続されている。
【0017】
前記基材の主面上には凸状の光路変換部があらかじめ形成される。ここで光路変換部とは、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換するための部材を指す。かかる光路変換部の形状は特定に限定されず、実質的に光を所定方向に反射することが可能な突起状の構造物であれば足りる。
【0018】
基材の主面上に対する凸状の光路変換部の形成にあたっては、基本的に周知の手法を採用することができる。例えば、基材へのめっきにより突起を形成する方法、あらかじめ形成した突起を基材上に転写・接着する方法、金属素材を型押し治具で成形して所定の突起とする方法などがある。これらの方法の中では、金属素材を型押し治具で成形して所定の突起とする方法が好適である。その例としては、ワイヤボンディング装置のキャピラリを基材上に押し付けて金属塊を固着させると同時に、型押し治具を兼ねるキャピラリによってその金属塊を所定の突起に成形する方法がある。また、この方法よりもさらに好ましい例としては、基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形するという方法がある。この場合、基材上に金属塊を固着させるための手段は、例えば、ワイヤボンディング装置のキャピラリ等であってもよい。
【0019】
専用の型押し治具を用いる後者の方法は、型押し治具を兼ねるキャピラリを用いる前者の方法に比べて、型押し治具が製造しやすいという利点がある。また、専用の型押し治具を用いる後者の方法によれば、突起自体の形状を極めて正確なものとすることができる。このことは光軸ズレの低減、ひいては光の伝送ロスの低減に確実に貢献する。
【0020】
凸状の光路変換部は、基材の主面に対して傾斜した反射面を有することがよい。その具体例としては、例えば、基材の主面に対して傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプが挙げられる。この場合における金属バンプとしては、光沢を有する金属(例えば、金、銀、銅、ニッケル、ロジウム等)からなるバンプであることが好ましい。光沢のある金属は光を効率よく反射しうるため、光路変換部としての使用に適するからである。なお、先細り形状の金属バンプの好適例としては、例えば、略四角錐状、略円錐状、略四角錐台状、略円錐台状などに形成された金属バンプなどがある。
【0021】
前記光導波路層とは、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される部材を指す。光導波路層には、大別して有機系のものと無機系のものとがありいずれも使用可能であるが、ここでは有機系のものを選択することがより好ましい。有機系の光導波路層は、可撓性に富む、加工が容易である、比較的安価である等の利点を有するからである。
【0022】
有機系の光導波路層とは、ポリマからなる光導波路(コア及びクラッド)が形成されたフィルム状の層のことを指す。コア及びクラックを形成するポリマ材料としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを選択することができ、具体的には、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが好適である。コアを形成する材料及びクラッドを形成する材料はいずれも透光性を有することが好ましい。コアを形成する材料は、クラッドを形成する材料よりも数%ほど屈折率が高くなるように設定される。コア及びクラッドの厚さは数μm〜数十μm程度に設定される。
【0023】
前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置には、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部があらかじめ形成される。このような凹部は、少なくとも光導波路層における基材との接合面において開口している必要がある。即ち、かかる凹部は、前記接合面にのみ開口部を有する非貫通孔であってもよいほか、前記接合面及びその反対側面にそれぞれ開口部を有する貫通孔であっても構わない。なお、前記凹部は凸状の光路変換部を無理なく収容可能なものであればよく、この条件さえ満たしていれば大きさ、形状等については特に限定されない。ただし好ましくは、凸状の光路変換部の上端部が凹部の内壁面に接触しないように、凹部の大きさや形状等を設定することがよい。よって、この観点からすると非貫通孔のほうが有利である。凹部の形成方法としては周知の技術を採用することができ、具体例としては、ドリル加工、パンチ加工、ダイシング加工等の機械的加工、レーザ加工等の光学的加工、エッチング加工等の化学的加工などを採用することが可能である。
【0024】
前記光学素子は、前記基材及び前記光導波路層のうちの少なくともいずれかの表面上に、1つまたは2つ以上搭載される。その搭載方法としては、例えば、ワイヤボンディングやフリップチップボンディング等の手法、異方導電性材料を用いた手法などを採用することができる。発光部を有する光学素子(即ち発光素子)としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、半導体レーザダイオード(Laser Diode ;LD)、面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)等を挙げることができる。これらの発光素子は、入力した電気信号を光信号に変換した後、その光信号を光導波路層の所定部位に向けて発光部から出射する機能を備えている。一方、受光部を有する光学素子(即ち受光素子)としては、例えば、pinフォトダイオード(pin Photo Diode;pin PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)等を挙げることができる。これらの受光素子は、光導波路層の所定部位から出射された光信号を受光部にて入射し、その入射した光信号を電気信号に変換して出力する機能を有している。従って、発光素子の発光部や受光素子の受光部は、光導波路層に対して光学的に接続(即ち、光導波路層と互いの光軸を合わせた状態で接続)される必要がある。なお、前記光学素子は発光部及び受光部の両方を有するものであってもよい。前記光学素子に使用する好適な材料としては、例えば、Si、Ge、InGaAs、GaAsP、GaAlAsなどを挙げることができる。このような光学素子(特に発光素子)は動作回路によって動作される。
【0025】
そして、凸状の光路変換部が形成された基材と、凹部が形成された光導波路層とを用意したら、次いで基材と光導波路層とを位置合わせしつつ接合する工程を行う。基材と光導波路層とを接合する方法については特に限定されず、周知の方法を採用することができる。その具体例を挙げると、クリップ等の挟持治具を用いて基材と光導波路層とを挟み込む方法、接着剤を用いて接着する方法、光導波路層を基材に熱圧着する方法などがある。そして前記工程にて光導波路層を基材に接合した後、前記光導波路層上または前記基材上に前記光学素子を実装する工程を行えば、所望の光導波路基板、光電気複合実装配線基板を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
【0027】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態の光導波路基板を図1〜図13に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1には、一組のセラミック基材11をポリマ光導波路フィルム31によって接続してなる光導波路基板10が示されている。この光導波路基板10は、光学素子と電気部品とを複合的に実装した構造の光電気複合実装配線基板となっている。本実施形態の光導波路基板10を構成するセラミック基材11は、上面12(主面)及び下面13を有する略矩形状の板部材である。かかるセラミック基材11はいわゆる多層配線基板であって、上面12(主面)及び内層に金属配線層からなる導体回路16を備えている。このセラミック基材11はビアホール導体(図示略)も備えており、層の異なる導体回路16同士はビアホール導体を介して層間接続されている。セラミック基材11の上面12(主面)には複数のパッド14が設けられている。それらのパッド上14には、ICチップ15を始めとする各種の電子部品の端子が、はんだバンプを介して接合されている。これらの電子部品に対しては、セラミック基材11の導体回路16等を介して電流(電気信号)が流れるようになっている。
【0029】
図1,図2,図3に示されるように、セラミック基材11の上面12(主面)における所定箇所(光路変換部を形成すべき箇所)には、下地層21が形成されている。本実施形態では、銅、ニッケル及び金の3層からなる下地層21が、セラミック基材11側に近い側からこの順番で積層形成されている。これらの下地層21の表面上には、凸状の光路変換部である略四角錐台状の金属バンプ22が設けられている。金属バンプ22の高さは150μmであって、ポリマ光導波路フィルム31の厚さの1/2倍以上(具体的には2/3倍程度)となるように設定されている。金属バンプ22の底面における一辺の長さは、約300μmとなっている。かかる金属バンプ22の有する4つの側面は、セラミック基材11の上面12に対してそれぞれ約45°の角度をもって傾斜している。そして、前記4側面のうちの1つが、光を反射する反射面として機能するようになっている。
【0030】
図1,図2,図3に示されるように、セラミック基材11の上面12(主面)には、長尺状のポリマ光導波路フィルム31が図示しない接着剤層を介して接合されている。より詳細には、フィルム31の左端は図1における左側のセラミック基材11に接合され、フィルム31の右端は図1における右側のセラミック基材11に接合されている。このフィルム31は、コア33及びそれを上下から取り囲むクラッド34を有している。実質的にコア33は光信号が伝搬する光路となる。本実施形態の場合、コア33及びクラッド34は、屈折率等の異なる透明なポリマ材料、具体的には屈折率等の異なるPMMA(ポリメチルメタクリレート)により形成されている。光路となるコア33は4つであって、それらは直線的にかつ平行に延びるように形成されている。コア33を形成する材料は、クラッド34を形成する材料よりも数%ほど屈折率が高くなるように設定される。コア33及びクラッド34の厚さは、それぞれ数十μm程度に設定されている。また本実施形態では、フィルム31のセラミック基材11に対する非接合面(即ち図1,図3等における上面)側には、パッド36が導電性材料を用いて形成されている。なお、かかるパッド36は位置合わせ基準部としての役割も有する。また、フィルム31のセラミック基材11に対する非接合面には、同じく導電性材料を用いて導体パターン38も形成されている(図2参照)。導体パターン38はパッド36に接続されている。
【0031】
フィルム31の上面左端側にあるパッド36上には、光学素子(発光素子)の一種であるVCSEL41やその動作回路用IC(図示略)が、はんだバンプ45を介して接続されている。一方、フィルム31の上面右端側にあるパッド36上には、光学素子(受光素子)の一種であるフォトダイオード43がはんだバンプ45を介して接続されている。
【0032】
VCSEL41は、発光面を下方に向けた状態で搭載されていて、一列に並べられた複数(ここでは4つ)の発光部42をその発光面内に有している。従って、これらの発光部42は、セラミック基材11の上面12に対して直交する方向(即ち図1,図3の下方向)に、所定波長のレーザ光を出射するようになっている。フォトダイオード43は、受光面を下方に向けた状態で搭載されていて、一列に並べられた複数(ここでは4つ)の受光部44をその受光面内に有している。従って、これらの受光部44は、図1の下側から上側に向かうレーザ光を受けやすいような構成となっている。
【0033】
フィルム31において光学素子(VCSEL41及びフォトダイオード43)の実装領域の内側には、フィルム31の下面(接合面)及び上面(非接合面)の両方にて開口する貫通溝35(逃がしのための凹部)が形成されている。貫通溝35の幅は、金属バンプ22の底面における一辺の長さよりも大きく、500μm〜700μm程度に設定されている。そして、このような貫通溝35内に4つの金属バンプ22が配置される結果、これらの金属バンプ22が実質的に逃がされている。
【0034】
このように構成された光導波路基板10の一般的な動作について簡単に述べておく。
【0035】
VCSEL41及びフォトダイオード43は、セラミック基材11の導体回路16及びフィルム31の導体パターン38を介した電力供給により、動作可能な状態となる。動作回路用ICからVCSEL41に電気信号が出力されると、VCSEL41は入力した電気信号を光信号(レーザ光)に変換した後、その光信号を金属バンプ22の反射面に向けて、発光部42から出射する。発光部42から出射した光信号は、フィルム31の上面側から入射して、金属バンプ22の反射面に入射する。前記反射面に入射した光信号は、そこで進行方向を90°変更する。このため、光信号はコア33の内部をその長手方向に沿って伝搬することとなる。そして、コア33の右端に到った光信号は、今度はそこに設けられている金属バンプ22の反射面に入射する。金属バンプ22の反射面に入射した光信号は、そこで進行方向を90°変更する。このため、光信号はフィルム31の上面側から出射し、さらにフォトダイオード43の受光部44に入射する。フォトダイオード43は受光した光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号をセラミック基材11上のさらに別のIC(図示略)等に出力するようになっている。
【0036】
次に、上記構成の光導波路基板10の製造方法を図4〜図13に基づいて説明する。
【0037】
まず、以下の手順によりセラミック基材11を作製する。アルミナ粉末、有機バインダ、溶剤、可塑剤などを均一に混合・混練してなる原料スラリーを作製し、この原料スラリーを用いてドクターブレード装置によるシート成形を行って、所定厚みのグリーンシートを形成する。グリーンシートにおける所定部分にはパンチ加工を施し、形成された穴の中にビアホール導体形成用の金属ペーストを充填する。また、グリーンシートの表面に金属ペーストを印刷することにより、後に導体回路16となる印刷層を形成する。そして、これら複数枚のグリーンシートを積層プレスして一体化し、グリーンシート積層体とする。このグリーンシート積層体を、周知の手法に従って乾燥、脱脂、焼成することにより、セラミック基材11とする。このようにして得られたセラミック基材11の上面12(主面)の表面に所定のめっきレジストを形成し、銅、ニッケル及び金を順でめっきを行い、3層構造の下地層21を形成する(図4参照)。
【0038】
次に、下地層21の表面上に下記のようにして金属バンプ22を形成する。図5には、ワイヤボンディング装置のキャピラリ51(型押し治具)が示されている。キャピラリ51の内部には、金属ワイヤ54を先端側(図5の下端側)に繰り出すための通路52が形成されている。なお本実施形態では、光沢のある金属である金ワイヤを、金属ワイヤ54として使用している。通路52はその下端に開口部53を有している。開口部53の内部形状は金属バンプ22と同じ略四角錐台状になっていて、4つある内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、開口部53の内側面の平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下に設定されている。そして、キャピラリ51から所定量だけ繰り出した金属ワイヤ54を溶融させ、その先端部に微小金属塊である金属ボール55を形成する。
【0039】
この後、キャピラリ51の先端部を下地層21の表面上に押し付けた後(図6参照)。キャピラリ51を引き上げて金属ワイヤ54を切り離す。その結果、下地層21の表面上に略半球状の金属バンプ53が固着された状態となる(図7参照)。
【0040】
なお図7には、下地層21の表面上に形成された略半球状の金属バンプ53の上方に成形金型60(型押し治具)を配置した状態が示されている。かかる成形金型60の下面(成形面)には、金属バンプ22と同じ略四角錐台状の凹部59が複数設けられている。これらの凹部59の内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、凹部59の内側面の平均表面粗さ(Ra)は0.1μm以下に設定されている。長期にわたって高精度の成形を行うべく、成形金型60は超硬合金を用いて形成されている。また、凹部59における傾斜した内側面を高精度にかつ比較的簡単に形成すべく、前記成形金型60は複数の材料を貼り合わせることにより構成されている。凹部59は前記複数の材料同士の合わせ面に位置しており、凹部59における傾斜した内側面は削り出しによって加工形成されている。
【0041】
そして、このような成形金型60の凹部59を前記略半球状の金属バンプ53に所定の圧力で押し付けることにより、略四角錐台状の金属バンプ22が成形される(図8参照)。
【0042】
このようなバンプ形成方法によれば、例えば型押し治具を兼ねるキャピラリ51を用いる方法(後述する第2の実施形態参照)に比べて、キャピラリ51が製造しやすくなるという利点がある。また、専用の成形金型60を用いて成形を行うことから、金属バンプ22自体の形状を極めて正確なものとすることができる。このことは光軸ズレの低減、ひいては光の伝送ロスの低減に確実に貢献する。
【0043】
また、光導波路層であるポリマ光導波路フィルム31は、下記のようにして製造される。図示しない支持材上に樹脂材料(PMMA)をディップコート法やスピンコート法などによって50μm〜70μmほど塗布しかつ硬化させることにより、下層側のクラッド34を形成する。次いで、同様の手法により、その下層側のクラッド34の表面上にコア33を形成し、さらにコア33の表面上に上層側のクラッド34を形成する(図9参照)。得られたフィルム31(厚さ150μm〜200μm程度)の片側面に図示しないレジストを形成し、この状態でスパッタ、真空蒸着、CVD、またはめっき等を行い、パッド36等を形成する(図10参照)。さらにこの後、フィルム31に対しダイシングブレードによるダイシング加工を施すことにより、逃がし用の凹部である貫通溝35を形成する(図11参照)。なお、かかるダイシング加工は前記支持材を剥離した状態で行ってもよく、剥離しない状態で行ってもよい。
【0044】
次に、貫通溝35が形成されたフィルム31と、金属バンプ22が形成されたセラミック基材11とを用いて、両者を接合する工程を下記の要領で行う。まず、セラミック基材11の上面12(主面)またはフィルム31の下面(接合面)側に、あらかじめ接着剤層を設けておく。そして、セラミック基材11の上面12(主面)とフィルム31の下面(接合面)とを対向させて離間配置する。この状態で例えばCCDカメラを利用して画像認識を行いながら、両者を位置合わせしつつ接合するようにする(図12参照)。この後、接着剤層を硬化させる処理を行い、セラミック基材11とフィルム31との接合をより強固なものとする。そして、セラミック基材11上に接合されたフィルム31のパッド36上に、光学素子を実装する工程を行えば、所望の光導波路基板10を得ることができる。
【0045】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0046】
(1)本実施形態の製造方法によると、セラミック基材11にポリマ光導波路フィルム31を接合したときに、凹部35によって金属バンプ22が逃がされる。そのため、ポリマ光導波路フィルム31が金属バンプ22の上端によって押し上げられず、フィルム31にうねりが発生しない。ゆえに、金属バンプ22の近傍におけるコア33の直線性が保持され、光の伝送ロスの低減が達成される。また、金属バンプ22をセラミック基材11上にあらかじめ形成するという方法であるため、ダイシング加工によるV字溝に金属薄膜を形成して光路変換部とする従来方法に比べて、反射面の表面粗さを小さくすることができる。即ち、反射面にて光が拡散されにくい光路変換部を形成することができるため、このことによっても光の伝送ロスの低減が達成される。よって、かかる相乗効果により、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板10を確実に得ることができる。
【0047】
(2)しかも、本実施形態では、セラミック基材11にポリマ光導波路フィルム31を接合する方法を採用しているため、ビルドアップ法よりも工数が少なく、製造時の煩雑さも解消される。従って、所望の光導波路基板10を効率よく低コストで製造することができる。
【0048】
(3)また、この光導波路基板10では、無機系の光ファイバや無機系の光導波路に比べて可撓性に富むポリマ光導波路フィルム31を使用している。このフィルム31には曲げによる機械的劣化が起こりにくいため、好適なボード間接続を達成でき、ボード間での高速な光信号のやり取りを実現することができる。しかも、ポリマ光導波路フィルム31は、加工が容易であることに加え比較的安価であるという利点がある。よって、これを材料として使用すれば、所望の光導波路基板10を低コストで製造することができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
次に、図14〜図17に基づいて第2の実施形態の光導波路基板10の製造方法について説明する。ここでも、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0050】
この実施形態では、金属バンプ22の形成方法が相違している。図14には、ワイヤボンディング装置のキャピラリ51が示されている。このキャピラリ51は型押し治具を兼ねている点で第1の実施形態と異なっている。キャピラリ51の内部には、金属ワイヤ54を先端側(図14の下端側)に繰り出すための通路52が形成されている。通路52はその下端に開口部53を有している。開口部53の内部形状は金属バンプ22と同じ略四角錐台状になっていて、4つある内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、開口部53の内側面の平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下に設定されている。そして、キャピラリ51から所定量だけ繰り出した金属ワイヤ54を溶融させ、その先端部に微小金属塊である金属ボール55を形成する。この後、金属ボール55を備えるキャピラリ51の先端部を、下地層21の表面上に所定圧力で押し付ける。よって、金属ボール55が下地層21の表面上に固着され、金属ボール55が開口部53によって型押し成形される結果、金属ボール55が変形して略四角錐台状となる(図15参照)。このとき、成形性を高めるために、セラミック基材11を加熱したり、キャピラリ51に超音波振動を加えたりしてもよい。この後、キャピラリ51を引き上げる際に金属バンプ22と金属ワイヤ54との間にアーク放電を飛ばして、金属ワイヤ54を金属バンプ23(凸状の第2嵌合部)の頭頂部から完全に切り離す(図16,図17参照)。
【0051】
そして、このような製造方法であっても、高速度化・高密度化等に十分に対応しうる上記の光導波路基板10を確実にかつ低コストで製造することができる。また、このようなワイヤボンディング技術を利用したバンプ形成方法によれば、上面12(主面)上における任意の位置に高い位置精度で金属バンプ22を形成することができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0053】
・前記実施形態では、光学素子や電子部品を実装する工程をフィルム接合工程の実施後に行っていたが、これをフィルム接合工程の実施前に行うようにしてもよい。
【0054】
・前記実施形態では、パッド36及び導体パターン38の形成を、フィルム接合工程の実施前に行っていたが、これをフィルム接合工程の実施後に行うようにしてもよい。また、光学素子の実装のためのパッド36をフィルム31上に形成せず、その代わりにセラミック基材11の上面12(主面)上に同パッド36を形成して、そこに光学素子を実装するようにしてもよい。
【0055】
・前記実施形態では、コア33の本数に対応した数だけ凸状の光路変換部を設けていたが、勿論これに限定されることはなく、例えば、複数本のコア33を横切る(跨ぐ)凸状の光路変換部を設けてもよい。
【0056】
・前記実施形態では、複数ある凸状の光路変換部を同時に逃がす1つの貫通溝(凹部)として設けていたが、凸状の光路変換部の数に対応して複数の凹部を設けるようにしても勿論よい。
【0057】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0058】
(1)請求項2において、前記金属バンプは、型押し治具で金属素材を型押しすることにより形成されることを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0059】
(2)前記技術的思想(1)において、前記傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプからなる光路変換部を、前記基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形することにより、形成することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0060】
(3)前記技術的思想(1)において、前記傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプからなる光路変換部を、ワイヤボンディング装置のキャピラリを基材上に押し付けて前記基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形することにより、形成することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0061】
(4)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記凹部は前記光導波路層の表裏面を貫通する貫通孔であることを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施形態の光導波路基板を示す全体概略断面図。
【図2】第1の実施形態の光導波路基板を示す部分概略平面図。
【図3】第1の実施形態の光導波路基板を示す要部拡大断面図。
【図4】第1の実施形態の光導波路基板の製造プロセスにおいて、セラミック基材に下地層を形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図5】前記製造プロセスにおいて、金属バンプ形成用の金属ワイヤを繰り出した状態を示す要部拡大断面図。
【図6】前記製造プロセスにおいて、金属ワイヤを下地層に押し付けた状態を示す要部拡大断面図。
【図7】前記製造プロセスにおいて、下地層の表面上に形成された金属塊の上方に成形金型を配置した状態を示す要部拡大断面図。
【図8】前記製造プロセスにおいて、金属バンプが完成した状態を示す要部拡大断面図。
【図9】前記製造プロセスにおいて、ポリマ光導波路フィルムを示す要部拡大断面図。
【図10】前記製造プロセスにおいて、前記フィルムの非接合面側にパッドを形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図11】前記製造プロセスにおいて、前記フィルムの接合面側に貫通溝を形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図12】前記製造プロセスにおいて、セラミック基材とフィルムとを位置合わせしつつ接合する工程を示す要部拡大断面図。
【図13】前記製造プロセスにおいて、フィルム上に光学素子を搭載した状態を示す要部拡大断面図。
【図14】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属バンプ形成用の金属ワイヤを繰り出した状態を示す要部拡大断面図。
【図15】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属ワイヤを下地層に押し付けた状態を示す要部拡大断面図。
【図16】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、押し付けた金属ワイヤの上部をカットした状態を示す要部拡大断面図。
【図17】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属バンプが完成した状態を示す要部拡大断面図。
【図18】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図19】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図20】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図21】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図22】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【符号の説明】
10…光導波路基板、光電気複合実装配線基板
11…基材としてのセラミック基材
12…(基材の)主面としての上面
15…電子部品としてのICチップ
16…導体回路
22…凸状の光路変換部としての金属バンプ
31…光導波路層としてのポリマ光導波路フィルム
33…コア
34…クラッド
35…凹部としての貫通溝
41…光学素子としてのVCSEL
43…光学素子としてのフォトダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路基板の製造方法、光電気複合実装配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットに代表される情報通信技術の発達や、情報処理装置の処理速度の飛躍的向上などに伴って、画像等の大容量データを送受信するニーズが高まりつつある。かかる大容量データを情報通信設備を通じて自由にやり取りするためには10Gbps以上という情報伝達速度が望ましく、そのような高速通信環境を実現しうる技術として光通信技術に大きな期待が寄せられている。一方、機器内の配線基板間での接続、配線基板内の半導体チップ間での接続、半導体チップ内での接続など、比較的短い距離における信号伝達経路に関しても、高速で信号を伝送することが近年望まれている。このため、従来一般的であった金属ケーブルや金属配線から、光ファイバや光導波路を用いた光伝送へと移行することが理想的であると考えられている。
【0003】
特に光導波路は、光ファイバと比較して配線自由度が高い等の利点を有することから、近年注目を集めている。そして最近では、層状の光導波路を基材上にほぼ平行な状態で配設した構造の光導波路基板が各種提案されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。この種の光導波路基板においては、通常、基材の表面に光学素子(発光素子や受光素子)が搭載される。そして、かかる光導波路基板においては、光学素子との間で効率よく光が伝わるように、光導波路内を伝搬する光を基材に対して垂直な方向に進路変換させる光路変換部が、基材や光導波路層に設けられる。
【0004】
図18,図19には、従来の光導波路基板及びその製造方法の一例が示されている。この光導波路基板の製造に際しては、まず、コア62及びクラッド63を有する光導波路層61を、基材66とは別に作製しておく。次に、光導波路層61の下面に、ダイシングブレードを用いたダイシング加工によりV字溝64を形成する。その後、V字溝64の内壁面に金属薄膜65を設けることにより、凹状の光路変換部を形成する。次に、このような光導波路層61を基材66の主面67上に貼り付けた後、主面67上にバンプ70を介して光学素子68を搭載することにより、光導波路基板が完成するようになっている。
【0005】
図20,図21,図22は、従来の光導波路基板及びその製造方法の別の例が示されている。この光導波路基板の製造に際しては、まず、用意しておいた基材66の主面67上に下地層71及び凸状の光路変換部72を形成する。次に、基材66の主面67上に、下層のクラッド63、コア62、上層のクラッド63を順次積層することにより、凸状の光路変換部72を覆うようにして光導波路層61を形成する。そして、主面67上にバンプ70を介して光学素子68を搭載することにより、光導波路基板が完成するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−199827号公報(図1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図18,図19に示す従来技術の場合、ダイシング加工によって形成されるV字溝64の内壁面の表面粗さは比較的大きくなるため、その表面上に設けられる金属薄膜65の反射面の表面粗さも大きくなってしまう。そのため、金属薄膜65の反射面において光が拡散されることで伝送ロスが増大する結果、効率のよい光信号の伝送を実現することができなかった。
【0008】
また、図20〜図22に示す従来技術の場合、既に凸状の光路変換部72がある状態でいわゆるビルドアップ法により光導波路層61を形成していることから、光路変換部72の形成箇所にて光導波路層61が押し上げられ、うねりが発生しやすかった。この場合においても光の伝送ロスが増大することから、効率のよい光信号の伝送を実現することができなかった。しかも、ビルドアップ法による光導波路層61の形成は貼り付け法に比べて工数が多くて煩雑であるため、生産性の向上や低コスト化に向いていないという問題もあった。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板、光電気複合実装配線基板を効率よく低コストで得ることができる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、主面を有する基材と、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部とを備える光導波路基板の製造方法において、前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程とを含むことを特徴とする光導波路基板の製造方法がある。
【0011】
また、別の解決手段としては、主面を有する基材と、前記基材に形成され、電気信号が伝搬する導体回路と、前記基材の表面上に実装され、前記導体回路に電気的に接続される電子部品と、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、前記基材及び前記光導波路層のうちの少なくともいずれかの表面上に実装され、前記光導波路層と光学的に接続される光学素子と、前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部とを備える光電気複合実装配線基板の製造方法において、前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程とを含むことを特徴とする光電気複合実装配線基板の製造方法がある。
【0012】
従って、これらの発明によると、基材に光導波路層を接合したときであっても凹部によって凸状の光路変換部が逃がされるので、光導波路層が凸状の光変換部によって押し上げられず、光導波路層にうねりが発生しない。ゆえに、凸状の光路変換部の近傍におけるコアの直線性が保持され、光の伝送ロスの低減が達成される。また、凸状の光路変換部を基材の主面上にあらかじめ形成するという方法であるため、ダイシング加工によるV字溝に金属薄膜を形成して光路変換部とする従来方法に比べて、反射面の表面粗さを小さくすることができる。即ち、反射面にて光が拡散されにくい光路変換部を形成することができるため、このことによっても光の伝送ロスの低減が達成される。よって、かかる相乗効果により、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板、光電気複合実装配線基板を得ることができる。
【0013】
しかも、光導波路層を接合する方法を採用しているため、ビルドアップ法よりも工数が少なく製造時の煩雑さも解消される。従って、光導波路基板、光電気複合実装配線基板を効率よく低コストで製造することができる。
【0014】
前記光導波路基板、光電気複合実装配線基板を構成する基材としては、例えば、樹脂、セラミック、金属などを主材料とする基材を挙げることができる。これらの基材は、コスト性、孔加工の容易性、導電性などを考慮して適宜選択される。樹脂基材としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)等からなる基材を挙げることができる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基材を使用してもよい。セラミック基材としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ほう素、ベリリア、ムライト、低温焼成ガラスセラミック、ガラスセラミック等からなる基材を挙げることができる。金属基材としては、例えば、銅板や銅合金板、銅以外の金属単体や銅以外の合金からなる基材を挙げることができる。
【0015】
かかる基材は、絶縁層と、電気信号が伝搬する導体回路とを備えた配線基板であることがよい。前記導体回路は基材表面に形成されていてもよく、基材内部に形成されていてもよい。これらの導体回路の層間接続を図るために、基材内部にビアホール導体が形成されていてもよい。なお、かかる導体回路やビアホール導体は、例えば、金属めっき、導電性金属ペーストの印刷や充填などの手法により形成される。なお、このような配線基板に加えて、例えば、樹脂絶縁層と導体回路とを交互に積層してなるビルドアップ層を、基材上に備えるビルドアップ配線基板を用いることも許容される。
【0016】
ここで、基材上に実装される電子部品としては、例えば、裏面に複数の電極を有する半導体集積回路チップなどを挙げることができる。この場合の具体例としては、光学素子(発光素子)の動作回路の機能を有する半導体集積回路チップなどがある。そのほか前記電子部品は、裏面または側面に複数の接続端子を有する半導体パッケージや、裏面または側面に複数の端子を有するチップ部品(例えばチップトランジスタ、チップダイオード、チップ抵抗、チップキャパシタ、チップコイルなど)などであってもよい。この場合、搭載される電子部品は、能動部品であっても受動部品であってもよい。これらの電子部品は、いずれも基材の有する導体回路に電気的に接続されている。
【0017】
前記基材の主面上には凸状の光路変換部があらかじめ形成される。ここで光路変換部とは、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換するための部材を指す。かかる光路変換部の形状は特定に限定されず、実質的に光を所定方向に反射することが可能な突起状の構造物であれば足りる。
【0018】
基材の主面上に対する凸状の光路変換部の形成にあたっては、基本的に周知の手法を採用することができる。例えば、基材へのめっきにより突起を形成する方法、あらかじめ形成した突起を基材上に転写・接着する方法、金属素材を型押し治具で成形して所定の突起とする方法などがある。これらの方法の中では、金属素材を型押し治具で成形して所定の突起とする方法が好適である。その例としては、ワイヤボンディング装置のキャピラリを基材上に押し付けて金属塊を固着させると同時に、型押し治具を兼ねるキャピラリによってその金属塊を所定の突起に成形する方法がある。また、この方法よりもさらに好ましい例としては、基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形するという方法がある。この場合、基材上に金属塊を固着させるための手段は、例えば、ワイヤボンディング装置のキャピラリ等であってもよい。
【0019】
専用の型押し治具を用いる後者の方法は、型押し治具を兼ねるキャピラリを用いる前者の方法に比べて、型押し治具が製造しやすいという利点がある。また、専用の型押し治具を用いる後者の方法によれば、突起自体の形状を極めて正確なものとすることができる。このことは光軸ズレの低減、ひいては光の伝送ロスの低減に確実に貢献する。
【0020】
凸状の光路変換部は、基材の主面に対して傾斜した反射面を有することがよい。その具体例としては、例えば、基材の主面に対して傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプが挙げられる。この場合における金属バンプとしては、光沢を有する金属(例えば、金、銀、銅、ニッケル、ロジウム等)からなるバンプであることが好ましい。光沢のある金属は光を効率よく反射しうるため、光路変換部としての使用に適するからである。なお、先細り形状の金属バンプの好適例としては、例えば、略四角錐状、略円錐状、略四角錐台状、略円錐台状などに形成された金属バンプなどがある。
【0021】
前記光導波路層とは、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される部材を指す。光導波路層には、大別して有機系のものと無機系のものとがありいずれも使用可能であるが、ここでは有機系のものを選択することがより好ましい。有機系の光導波路層は、可撓性に富む、加工が容易である、比較的安価である等の利点を有するからである。
【0022】
有機系の光導波路層とは、ポリマからなる光導波路(コア及びクラッド)が形成されたフィルム状の層のことを指す。コア及びクラックを形成するポリマ材料としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを選択することができ、具体的には、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが好適である。コアを形成する材料及びクラッドを形成する材料はいずれも透光性を有することが好ましい。コアを形成する材料は、クラッドを形成する材料よりも数%ほど屈折率が高くなるように設定される。コア及びクラッドの厚さは数μm〜数十μm程度に設定される。
【0023】
前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置には、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部があらかじめ形成される。このような凹部は、少なくとも光導波路層における基材との接合面において開口している必要がある。即ち、かかる凹部は、前記接合面にのみ開口部を有する非貫通孔であってもよいほか、前記接合面及びその反対側面にそれぞれ開口部を有する貫通孔であっても構わない。なお、前記凹部は凸状の光路変換部を無理なく収容可能なものであればよく、この条件さえ満たしていれば大きさ、形状等については特に限定されない。ただし好ましくは、凸状の光路変換部の上端部が凹部の内壁面に接触しないように、凹部の大きさや形状等を設定することがよい。よって、この観点からすると非貫通孔のほうが有利である。凹部の形成方法としては周知の技術を採用することができ、具体例としては、ドリル加工、パンチ加工、ダイシング加工等の機械的加工、レーザ加工等の光学的加工、エッチング加工等の化学的加工などを採用することが可能である。
【0024】
前記光学素子は、前記基材及び前記光導波路層のうちの少なくともいずれかの表面上に、1つまたは2つ以上搭載される。その搭載方法としては、例えば、ワイヤボンディングやフリップチップボンディング等の手法、異方導電性材料を用いた手法などを採用することができる。発光部を有する光学素子(即ち発光素子)としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、半導体レーザダイオード(Laser Diode ;LD)、面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)等を挙げることができる。これらの発光素子は、入力した電気信号を光信号に変換した後、その光信号を光導波路層の所定部位に向けて発光部から出射する機能を備えている。一方、受光部を有する光学素子(即ち受光素子)としては、例えば、pinフォトダイオード(pin Photo Diode;pin PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)等を挙げることができる。これらの受光素子は、光導波路層の所定部位から出射された光信号を受光部にて入射し、その入射した光信号を電気信号に変換して出力する機能を有している。従って、発光素子の発光部や受光素子の受光部は、光導波路層に対して光学的に接続(即ち、光導波路層と互いの光軸を合わせた状態で接続)される必要がある。なお、前記光学素子は発光部及び受光部の両方を有するものであってもよい。前記光学素子に使用する好適な材料としては、例えば、Si、Ge、InGaAs、GaAsP、GaAlAsなどを挙げることができる。このような光学素子(特に発光素子)は動作回路によって動作される。
【0025】
そして、凸状の光路変換部が形成された基材と、凹部が形成された光導波路層とを用意したら、次いで基材と光導波路層とを位置合わせしつつ接合する工程を行う。基材と光導波路層とを接合する方法については特に限定されず、周知の方法を採用することができる。その具体例を挙げると、クリップ等の挟持治具を用いて基材と光導波路層とを挟み込む方法、接着剤を用いて接着する方法、光導波路層を基材に熱圧着する方法などがある。そして前記工程にて光導波路層を基材に接合した後、前記光導波路層上または前記基材上に前記光学素子を実装する工程を行えば、所望の光導波路基板、光電気複合実装配線基板を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
【0027】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態の光導波路基板を図1〜図13に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1には、一組のセラミック基材11をポリマ光導波路フィルム31によって接続してなる光導波路基板10が示されている。この光導波路基板10は、光学素子と電気部品とを複合的に実装した構造の光電気複合実装配線基板となっている。本実施形態の光導波路基板10を構成するセラミック基材11は、上面12(主面)及び下面13を有する略矩形状の板部材である。かかるセラミック基材11はいわゆる多層配線基板であって、上面12(主面)及び内層に金属配線層からなる導体回路16を備えている。このセラミック基材11はビアホール導体(図示略)も備えており、層の異なる導体回路16同士はビアホール導体を介して層間接続されている。セラミック基材11の上面12(主面)には複数のパッド14が設けられている。それらのパッド上14には、ICチップ15を始めとする各種の電子部品の端子が、はんだバンプを介して接合されている。これらの電子部品に対しては、セラミック基材11の導体回路16等を介して電流(電気信号)が流れるようになっている。
【0029】
図1,図2,図3に示されるように、セラミック基材11の上面12(主面)における所定箇所(光路変換部を形成すべき箇所)には、下地層21が形成されている。本実施形態では、銅、ニッケル及び金の3層からなる下地層21が、セラミック基材11側に近い側からこの順番で積層形成されている。これらの下地層21の表面上には、凸状の光路変換部である略四角錐台状の金属バンプ22が設けられている。金属バンプ22の高さは150μmであって、ポリマ光導波路フィルム31の厚さの1/2倍以上(具体的には2/3倍程度)となるように設定されている。金属バンプ22の底面における一辺の長さは、約300μmとなっている。かかる金属バンプ22の有する4つの側面は、セラミック基材11の上面12に対してそれぞれ約45°の角度をもって傾斜している。そして、前記4側面のうちの1つが、光を反射する反射面として機能するようになっている。
【0030】
図1,図2,図3に示されるように、セラミック基材11の上面12(主面)には、長尺状のポリマ光導波路フィルム31が図示しない接着剤層を介して接合されている。より詳細には、フィルム31の左端は図1における左側のセラミック基材11に接合され、フィルム31の右端は図1における右側のセラミック基材11に接合されている。このフィルム31は、コア33及びそれを上下から取り囲むクラッド34を有している。実質的にコア33は光信号が伝搬する光路となる。本実施形態の場合、コア33及びクラッド34は、屈折率等の異なる透明なポリマ材料、具体的には屈折率等の異なるPMMA(ポリメチルメタクリレート)により形成されている。光路となるコア33は4つであって、それらは直線的にかつ平行に延びるように形成されている。コア33を形成する材料は、クラッド34を形成する材料よりも数%ほど屈折率が高くなるように設定される。コア33及びクラッド34の厚さは、それぞれ数十μm程度に設定されている。また本実施形態では、フィルム31のセラミック基材11に対する非接合面(即ち図1,図3等における上面)側には、パッド36が導電性材料を用いて形成されている。なお、かかるパッド36は位置合わせ基準部としての役割も有する。また、フィルム31のセラミック基材11に対する非接合面には、同じく導電性材料を用いて導体パターン38も形成されている(図2参照)。導体パターン38はパッド36に接続されている。
【0031】
フィルム31の上面左端側にあるパッド36上には、光学素子(発光素子)の一種であるVCSEL41やその動作回路用IC(図示略)が、はんだバンプ45を介して接続されている。一方、フィルム31の上面右端側にあるパッド36上には、光学素子(受光素子)の一種であるフォトダイオード43がはんだバンプ45を介して接続されている。
【0032】
VCSEL41は、発光面を下方に向けた状態で搭載されていて、一列に並べられた複数(ここでは4つ)の発光部42をその発光面内に有している。従って、これらの発光部42は、セラミック基材11の上面12に対して直交する方向(即ち図1,図3の下方向)に、所定波長のレーザ光を出射するようになっている。フォトダイオード43は、受光面を下方に向けた状態で搭載されていて、一列に並べられた複数(ここでは4つ)の受光部44をその受光面内に有している。従って、これらの受光部44は、図1の下側から上側に向かうレーザ光を受けやすいような構成となっている。
【0033】
フィルム31において光学素子(VCSEL41及びフォトダイオード43)の実装領域の内側には、フィルム31の下面(接合面)及び上面(非接合面)の両方にて開口する貫通溝35(逃がしのための凹部)が形成されている。貫通溝35の幅は、金属バンプ22の底面における一辺の長さよりも大きく、500μm〜700μm程度に設定されている。そして、このような貫通溝35内に4つの金属バンプ22が配置される結果、これらの金属バンプ22が実質的に逃がされている。
【0034】
このように構成された光導波路基板10の一般的な動作について簡単に述べておく。
【0035】
VCSEL41及びフォトダイオード43は、セラミック基材11の導体回路16及びフィルム31の導体パターン38を介した電力供給により、動作可能な状態となる。動作回路用ICからVCSEL41に電気信号が出力されると、VCSEL41は入力した電気信号を光信号(レーザ光)に変換した後、その光信号を金属バンプ22の反射面に向けて、発光部42から出射する。発光部42から出射した光信号は、フィルム31の上面側から入射して、金属バンプ22の反射面に入射する。前記反射面に入射した光信号は、そこで進行方向を90°変更する。このため、光信号はコア33の内部をその長手方向に沿って伝搬することとなる。そして、コア33の右端に到った光信号は、今度はそこに設けられている金属バンプ22の反射面に入射する。金属バンプ22の反射面に入射した光信号は、そこで進行方向を90°変更する。このため、光信号はフィルム31の上面側から出射し、さらにフォトダイオード43の受光部44に入射する。フォトダイオード43は受光した光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号をセラミック基材11上のさらに別のIC(図示略)等に出力するようになっている。
【0036】
次に、上記構成の光導波路基板10の製造方法を図4〜図13に基づいて説明する。
【0037】
まず、以下の手順によりセラミック基材11を作製する。アルミナ粉末、有機バインダ、溶剤、可塑剤などを均一に混合・混練してなる原料スラリーを作製し、この原料スラリーを用いてドクターブレード装置によるシート成形を行って、所定厚みのグリーンシートを形成する。グリーンシートにおける所定部分にはパンチ加工を施し、形成された穴の中にビアホール導体形成用の金属ペーストを充填する。また、グリーンシートの表面に金属ペーストを印刷することにより、後に導体回路16となる印刷層を形成する。そして、これら複数枚のグリーンシートを積層プレスして一体化し、グリーンシート積層体とする。このグリーンシート積層体を、周知の手法に従って乾燥、脱脂、焼成することにより、セラミック基材11とする。このようにして得られたセラミック基材11の上面12(主面)の表面に所定のめっきレジストを形成し、銅、ニッケル及び金を順でめっきを行い、3層構造の下地層21を形成する(図4参照)。
【0038】
次に、下地層21の表面上に下記のようにして金属バンプ22を形成する。図5には、ワイヤボンディング装置のキャピラリ51(型押し治具)が示されている。キャピラリ51の内部には、金属ワイヤ54を先端側(図5の下端側)に繰り出すための通路52が形成されている。なお本実施形態では、光沢のある金属である金ワイヤを、金属ワイヤ54として使用している。通路52はその下端に開口部53を有している。開口部53の内部形状は金属バンプ22と同じ略四角錐台状になっていて、4つある内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、開口部53の内側面の平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下に設定されている。そして、キャピラリ51から所定量だけ繰り出した金属ワイヤ54を溶融させ、その先端部に微小金属塊である金属ボール55を形成する。
【0039】
この後、キャピラリ51の先端部を下地層21の表面上に押し付けた後(図6参照)。キャピラリ51を引き上げて金属ワイヤ54を切り離す。その結果、下地層21の表面上に略半球状の金属バンプ53が固着された状態となる(図7参照)。
【0040】
なお図7には、下地層21の表面上に形成された略半球状の金属バンプ53の上方に成形金型60(型押し治具)を配置した状態が示されている。かかる成形金型60の下面(成形面)には、金属バンプ22と同じ略四角錐台状の凹部59が複数設けられている。これらの凹部59の内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、凹部59の内側面の平均表面粗さ(Ra)は0.1μm以下に設定されている。長期にわたって高精度の成形を行うべく、成形金型60は超硬合金を用いて形成されている。また、凹部59における傾斜した内側面を高精度にかつ比較的簡単に形成すべく、前記成形金型60は複数の材料を貼り合わせることにより構成されている。凹部59は前記複数の材料同士の合わせ面に位置しており、凹部59における傾斜した内側面は削り出しによって加工形成されている。
【0041】
そして、このような成形金型60の凹部59を前記略半球状の金属バンプ53に所定の圧力で押し付けることにより、略四角錐台状の金属バンプ22が成形される(図8参照)。
【0042】
このようなバンプ形成方法によれば、例えば型押し治具を兼ねるキャピラリ51を用いる方法(後述する第2の実施形態参照)に比べて、キャピラリ51が製造しやすくなるという利点がある。また、専用の成形金型60を用いて成形を行うことから、金属バンプ22自体の形状を極めて正確なものとすることができる。このことは光軸ズレの低減、ひいては光の伝送ロスの低減に確実に貢献する。
【0043】
また、光導波路層であるポリマ光導波路フィルム31は、下記のようにして製造される。図示しない支持材上に樹脂材料(PMMA)をディップコート法やスピンコート法などによって50μm〜70μmほど塗布しかつ硬化させることにより、下層側のクラッド34を形成する。次いで、同様の手法により、その下層側のクラッド34の表面上にコア33を形成し、さらにコア33の表面上に上層側のクラッド34を形成する(図9参照)。得られたフィルム31(厚さ150μm〜200μm程度)の片側面に図示しないレジストを形成し、この状態でスパッタ、真空蒸着、CVD、またはめっき等を行い、パッド36等を形成する(図10参照)。さらにこの後、フィルム31に対しダイシングブレードによるダイシング加工を施すことにより、逃がし用の凹部である貫通溝35を形成する(図11参照)。なお、かかるダイシング加工は前記支持材を剥離した状態で行ってもよく、剥離しない状態で行ってもよい。
【0044】
次に、貫通溝35が形成されたフィルム31と、金属バンプ22が形成されたセラミック基材11とを用いて、両者を接合する工程を下記の要領で行う。まず、セラミック基材11の上面12(主面)またはフィルム31の下面(接合面)側に、あらかじめ接着剤層を設けておく。そして、セラミック基材11の上面12(主面)とフィルム31の下面(接合面)とを対向させて離間配置する。この状態で例えばCCDカメラを利用して画像認識を行いながら、両者を位置合わせしつつ接合するようにする(図12参照)。この後、接着剤層を硬化させる処理を行い、セラミック基材11とフィルム31との接合をより強固なものとする。そして、セラミック基材11上に接合されたフィルム31のパッド36上に、光学素子を実装する工程を行えば、所望の光導波路基板10を得ることができる。
【0045】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0046】
(1)本実施形態の製造方法によると、セラミック基材11にポリマ光導波路フィルム31を接合したときに、凹部35によって金属バンプ22が逃がされる。そのため、ポリマ光導波路フィルム31が金属バンプ22の上端によって押し上げられず、フィルム31にうねりが発生しない。ゆえに、金属バンプ22の近傍におけるコア33の直線性が保持され、光の伝送ロスの低減が達成される。また、金属バンプ22をセラミック基材11上にあらかじめ形成するという方法であるため、ダイシング加工によるV字溝に金属薄膜を形成して光路変換部とする従来方法に比べて、反射面の表面粗さを小さくすることができる。即ち、反射面にて光が拡散されにくい光路変換部を形成することができるため、このことによっても光の伝送ロスの低減が達成される。よって、かかる相乗効果により、効率のよい光信号の伝送が可能な光導波路基板10を確実に得ることができる。
【0047】
(2)しかも、本実施形態では、セラミック基材11にポリマ光導波路フィルム31を接合する方法を採用しているため、ビルドアップ法よりも工数が少なく、製造時の煩雑さも解消される。従って、所望の光導波路基板10を効率よく低コストで製造することができる。
【0048】
(3)また、この光導波路基板10では、無機系の光ファイバや無機系の光導波路に比べて可撓性に富むポリマ光導波路フィルム31を使用している。このフィルム31には曲げによる機械的劣化が起こりにくいため、好適なボード間接続を達成でき、ボード間での高速な光信号のやり取りを実現することができる。しかも、ポリマ光導波路フィルム31は、加工が容易であることに加え比較的安価であるという利点がある。よって、これを材料として使用すれば、所望の光導波路基板10を低コストで製造することができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
次に、図14〜図17に基づいて第2の実施形態の光導波路基板10の製造方法について説明する。ここでも、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0050】
この実施形態では、金属バンプ22の形成方法が相違している。図14には、ワイヤボンディング装置のキャピラリ51が示されている。このキャピラリ51は型押し治具を兼ねている点で第1の実施形態と異なっている。キャピラリ51の内部には、金属ワイヤ54を先端側(図14の下端側)に繰り出すための通路52が形成されている。通路52はその下端に開口部53を有している。開口部53の内部形状は金属バンプ22と同じ略四角錐台状になっていて、4つある内側面はセラミック基材11の上面12(主面)を基準として約45°の傾斜を有している。また、金属バンプ22に好適な反射面を形成すべく、開口部53の内側面の平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下に設定されている。そして、キャピラリ51から所定量だけ繰り出した金属ワイヤ54を溶融させ、その先端部に微小金属塊である金属ボール55を形成する。この後、金属ボール55を備えるキャピラリ51の先端部を、下地層21の表面上に所定圧力で押し付ける。よって、金属ボール55が下地層21の表面上に固着され、金属ボール55が開口部53によって型押し成形される結果、金属ボール55が変形して略四角錐台状となる(図15参照)。このとき、成形性を高めるために、セラミック基材11を加熱したり、キャピラリ51に超音波振動を加えたりしてもよい。この後、キャピラリ51を引き上げる際に金属バンプ22と金属ワイヤ54との間にアーク放電を飛ばして、金属ワイヤ54を金属バンプ23(凸状の第2嵌合部)の頭頂部から完全に切り離す(図16,図17参照)。
【0051】
そして、このような製造方法であっても、高速度化・高密度化等に十分に対応しうる上記の光導波路基板10を確実にかつ低コストで製造することができる。また、このようなワイヤボンディング技術を利用したバンプ形成方法によれば、上面12(主面)上における任意の位置に高い位置精度で金属バンプ22を形成することができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0053】
・前記実施形態では、光学素子や電子部品を実装する工程をフィルム接合工程の実施後に行っていたが、これをフィルム接合工程の実施前に行うようにしてもよい。
【0054】
・前記実施形態では、パッド36及び導体パターン38の形成を、フィルム接合工程の実施前に行っていたが、これをフィルム接合工程の実施後に行うようにしてもよい。また、光学素子の実装のためのパッド36をフィルム31上に形成せず、その代わりにセラミック基材11の上面12(主面)上に同パッド36を形成して、そこに光学素子を実装するようにしてもよい。
【0055】
・前記実施形態では、コア33の本数に対応した数だけ凸状の光路変換部を設けていたが、勿論これに限定されることはなく、例えば、複数本のコア33を横切る(跨ぐ)凸状の光路変換部を設けてもよい。
【0056】
・前記実施形態では、複数ある凸状の光路変換部を同時に逃がす1つの貫通溝(凹部)として設けていたが、凸状の光路変換部の数に対応して複数の凹部を設けるようにしても勿論よい。
【0057】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0058】
(1)請求項2において、前記金属バンプは、型押し治具で金属素材を型押しすることにより形成されることを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0059】
(2)前記技術的思想(1)において、前記傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプからなる光路変換部を、前記基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形することにより、形成することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0060】
(3)前記技術的思想(1)において、前記傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプからなる光路変換部を、ワイヤボンディング装置のキャピラリを基材上に押し付けて前記基材上に金属塊を固着させた後、その金属塊に専用の型押し治具を押し付けることによりその金属塊を所定の突起に成形することにより、形成することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0061】
(4)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記凹部は前記光導波路層の表裏面を貫通する貫通孔であることを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施形態の光導波路基板を示す全体概略断面図。
【図2】第1の実施形態の光導波路基板を示す部分概略平面図。
【図3】第1の実施形態の光導波路基板を示す要部拡大断面図。
【図4】第1の実施形態の光導波路基板の製造プロセスにおいて、セラミック基材に下地層を形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図5】前記製造プロセスにおいて、金属バンプ形成用の金属ワイヤを繰り出した状態を示す要部拡大断面図。
【図6】前記製造プロセスにおいて、金属ワイヤを下地層に押し付けた状態を示す要部拡大断面図。
【図7】前記製造プロセスにおいて、下地層の表面上に形成された金属塊の上方に成形金型を配置した状態を示す要部拡大断面図。
【図8】前記製造プロセスにおいて、金属バンプが完成した状態を示す要部拡大断面図。
【図9】前記製造プロセスにおいて、ポリマ光導波路フィルムを示す要部拡大断面図。
【図10】前記製造プロセスにおいて、前記フィルムの非接合面側にパッドを形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図11】前記製造プロセスにおいて、前記フィルムの接合面側に貫通溝を形成した状態を示す要部拡大断面図。
【図12】前記製造プロセスにおいて、セラミック基材とフィルムとを位置合わせしつつ接合する工程を示す要部拡大断面図。
【図13】前記製造プロセスにおいて、フィルム上に光学素子を搭載した状態を示す要部拡大断面図。
【図14】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属バンプ形成用の金属ワイヤを繰り出した状態を示す要部拡大断面図。
【図15】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属ワイヤを下地層に押し付けた状態を示す要部拡大断面図。
【図16】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、押し付けた金属ワイヤの上部をカットした状態を示す要部拡大断面図。
【図17】第2の実施形態の製造プロセスにおいて、金属バンプが完成した状態を示す要部拡大断面図。
【図18】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図19】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図20】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図21】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【図22】従来技術の光導波路基板及びその製造方法を説明するための要部概略断面図。
【符号の説明】
10…光導波路基板、光電気複合実装配線基板
11…基材としてのセラミック基材
12…(基材の)主面としての上面
15…電子部品としてのICチップ
16…導体回路
22…凸状の光路変換部としての金属バンプ
31…光導波路層としてのポリマ光導波路フィルム
33…コア
34…クラッド
35…凹部としての貫通溝
41…光学素子としてのVCSEL
43…光学素子としてのフォトダイオード
Claims (4)
- 主面を有する基材と、
光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、
前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と
を備える光導波路基板の製造方法において、
前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、
前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、
前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程と
を含むことを特徴とする光導波路基板の製造方法。 - 前記凸状の光路変換部は、傾斜した反射面を有する先細り形状の金属バンプであることを特徴とする請求項1に記載の光導波路基板の製造方法。
- 前記光導波路層は、ポリマからなる光導波路が形成されたフィルム状の層であることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路基板の製造方法。
- 主面を有する基材と、
前記基材に形成され、電気信号が伝搬する導体回路と、
前記基材の表面上に実装され、前記導体回路に電気的に接続される電子部品と、
光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有し、前記基材の主面に接合される光導波路層と、
前記基材及び前記光導波路層のうちの少なくともいずれかの表面上に実装され、前記光導波路層と光学的に接続される光学素子と、
前記光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と
を備える光電気複合実装配線基板の製造方法において、
前記基材の主面上に凸状の光路変換部をあらかじめ形成する工程と、
前記光導波路層において前記凸状の光路変換部に対応した位置に、前記凸状の光路変換部を逃がすための凹部をあらかじめ形成する工程と、
前記凸状の光路変換部が形成された前記基材の主面上に、前記凹部が形成された前記光導波路層を接合する工程と
を含むことを特徴とする光電気複合実装配線基板の製造方法。
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