JP2004257139A - 手摺支柱保持具取付け調整金具および手摺支柱保持具の取付け方法 - Google Patents
手摺支柱保持具取付け調整金具および手摺支柱保持具の取付け方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】中空状支柱11を有する手摺り10が固定される手摺支柱保持具5とコンクリート躯体上面2aとの間に配置される手摺支柱保持具取付け調整金具1において、第1の環状体1aの上部に前記第1の環状体1aより縮径された外径を有する第2の環状体1bを一体形成し、前記第2の環状体1bの上部は略中央に孔1dを有する平板部1cを形成し、前記第1の環状体1aの下端1fに勾配面を設けた調整金具1を複数個積重ねて用い、この複数の調整金具1の配置角度を相互に変化させることにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンション等のベランダに設置される手摺支柱保持具取付け調整金具および手摺支柱保持具の取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本では多くのマンションにベランダが設けられ、ベランダ自体は鉄筋コンクリートの躯体から出来ているものが多い。また、ベランダの外縁部には転落防止を主目的とした手摺りが設けられている。そして、手摺りの一部または全部には、図7に示すように主としてアルミニウム合金材料からなる標準品である手摺り10が取付けられる。これら標準品としての手摺り10には種々のものが存在するが、いずれの手摺り10も工場で大量生産されているものであり、支柱11、笠木12、縦桟13、上弦材14、下弦材15等で構成され、ベランダの外縁をなすコンクリート躯体2の上面2aに手摺支柱保持具を介して取り付けられる。
【0003】
ここで留意しなければならないのは、手摺支柱保持具が取付けられるコンクリート躯体2の上面2aには、雨水の流れを良くするため勾配が設けられている事実である。多くの場合、水平面に対して5〜10度程度内側が低くなるように勾配が設けられている。一方、手摺り10の支柱11は、言うまでもなく鉛直に設置する必要がある。したがって、手摺支柱保持具の取付けの際には、コンクリート躯体2の上面2aに対して直角ではなく、5〜10度の角度だけ補償して取付ける必要がある。
【0004】
従来は、図8に示すように上記角度補償を行うために手摺支柱保持具21の下部端面板21aは、手摺支柱保持具21の軸線に対して直角ではなく、予め5〜10度の角度を付与して製作されていた。したがって、この下部端面板21aの取付け角度とコンクリート躯体上面2aの角度が一致すれば、手摺支柱保持具21は鉛直に取付けられることになり、手摺り10の支柱11も鉛直に取付けられるようになっている。
【0005】
また、調整プレートを用いて手摺支柱保持具の傾きを含む位置調整を行う取付け方法もある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、図9に示すように凸状をなす球面形状の上面を有する調整プレート24と、この調整プレート24の上面に対応し、凹状をなす球面形状の鍔部23aを有する手摺支柱保持具23により、手摺支柱保持具23の傾きを含む位置調整を行う取付け方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−294964号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した図8に示す従来の手摺支柱保持具の取付け方法では、手摺支柱保持具21の下部端面板21aの勾配角が固定であるため、取付け面であるコンクリート躯体上面2aの角度にバラツキがあると、そのバラツキがそのまま手摺支柱保持具21の傾きとなって現われ、手摺りの上部を構成する笠木12部分では、相当大きな水平変位となってしまう。したがって、従来例においては、数種類の厚さを有するシム22を予め用意しておき、コンクリート躯体上面2aの勾配角のバラツキに応じて、適宜コンクリート躯体2の上面2aと手摺支柱保持具21の下部端面板21aの間に何枚かのシム22を挿入して調整していた。このシム調整は、設置する手摺支柱保持具21ごとに試行錯誤的に行う必要があることから調整に多くの時間を費やしていた。
【0008】
一方、前記特許文献に開示された図9に示す取付け方法においては、凹凸面を構成する両球面の曲率を大きくすれば調整可能範囲も広がり、両球面の曲率が一致すれば調整も容易に行うことができる。しかし、理論上は曲率に制限はないとはいえ、実際に球面の曲率を大きくすると、両球面の曲率を一致させることが困難になる。その結果、手摺支柱保持具23の設置に際して調整可能な傾き範囲には自ずと限界があった。さらに、手摺支柱保持具23の鍔部23aとコンクリート躯体2の上面2aとの間に調整プレート24を挟んで固定する際には、2本のアンカーボルト3を要し、アンカーボルト3の固着作業等の一連の作業に多くの時間を費やしていた。
【0009】
本発明は上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、ベランダの手摺支柱保持具を取付けるコンクリート躯体上面の勾配角にバラツキが存在しても容易、かつ短時間に手摺支柱保持具の取付けを可能とするものである。より具体的には、手摺りの支柱を固定する手摺支柱保持具を鉛直に取り付けることを容易にする取付け調整金具および取付け方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1の手摺支柱保持具取付け調整金具は、中空状支柱を有する手摺りが固定される手摺支柱保持具とコンクリート躯体上面との間に配置される手摺支柱保持具取付け調整金具において、第1の環状体の上部に前記第1の環状体より縮径された外径を有する第2の環状体を一体形成し、前記第2の環状体の上部は略中央に孔を有する平板部を形成し、前記第1の環状体の下端に勾配面を設けたものである。
【0011】
この手摺支柱保持具取付け調整金具を2個使用することにより、手摺支柱保持具を取付けるコンクリート躯体面の傾斜角が区々であっても、所定範囲内のバラツキであればこれらの手摺支柱保持具取付け調整金具相互の配置角度を調整することにより、容易に手摺支柱保持具を鉛直に取り付けることができる。
【0012】
本発明における請求項2の手摺支柱保持具取付け調整金具は、前記第2の環状体の外周部を裁頭円錐形状としたものである。
【0013】
この手摺支柱保持具取付け調整金具を2個使用することにより、前記請求項1記載の手摺支柱保持具取付け調整金具と同様な作用効果を奏する他、2個の手摺支柱保持具取付け調整金具を積重ねる際の作業が容易になる。
【0014】
本発明における請求項3の手摺支柱保持具取付け調整金具は、前記第1の環状体の外周部の1箇所以上に横孔を設けたものである。
【0015】
この手摺支柱保持具取付け調整金具を2個使用することにより、前記請求項1又は2記載の手摺支柱保持具取付け調整金具と同様な作用効果を奏する他、2個の手摺支柱保持具の取付け調整金具を積重ねた後、相互の配置角度を調整する際の作業が容易になる。
【0016】
本発明における請求項4の手摺支柱保持具の取付け方法は、コンクリート躯体に固着されたアンカーボルトに、請求項1〜3のいずれかに記載の手摺支柱保持具取付け調整金具の下端面を下向きに複数個挿通し、その上に前記手摺支柱保持具取付け調整金具の縮径外径より若干大きな内径を有するパイプを外嵌し、このパイプの上端に環状端面金具を当接し、前記アンカーボルトにナットを螺合することにより前記パイプをコンクリート躯体に固定したものである。
【0017】
この手摺支柱保持具の取付け方法によれば、手摺支柱保持具を取付けるコンクリート躯体上面の勾配角が区々であっても、所定範囲内のバラツキであれば手摺支柱保持具取付け調整金具相互の配置角度を調整することにより、手摺支柱保持具を鉛直に取付けることが容易になる。さらに、コンクリート躯体面に対して手摺支柱保持具取付け調整金具とパイプ及び環状端面金具が、アンカーボルトにより一体にして圧縮固定されるので、手摺支柱保持具全体としてコンクリート躯体への取付け剛性が大きくなり、強固な手摺支柱保持具を実現することができる。
【0018】
本発明における請求項5の手摺支柱保持具の取付け方法は、前記環状端面金具は、第3の環状体の上部に前記第3の環状体より縮径された外径を有する第4の環状体を一体形成し、前記第4の環状体の上部は略中央に孔を有する平板部を形成し、前記第3の環状体の下端を勾配面とした金具であって、この金具を上下反転して前記パイプ上端に当接したものである。
【0019】
この手摺支柱保持具の取付け方法によれば、環状端面金具として手摺支柱保持具取付け調整金具を用いることから、部品の共通化が図られ、部品購入コストおよび部品管理コストの低減がもたらされる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例としての手摺支柱保持具取付け調整金具(以下、発明の実施の形態の説明では「調整金具」という。)の外観斜視図であり、図2はその中央断面図である。図2に示すように、本発明の実施例としての調整金具は、第1の環状体1aの上部に前記第1の環状体1aより縮径された外径を有する第2の環状体1bを一体形成し、前記第2の環状体1bの上部には略中央に孔1dを有する平板部1cが形成されている。そして、前記第1の環状体1aの下端1fには勾配面が設けられている。したがって、調整金具1の上端面1hと下端面1fとは平行面を構成しない。具体的には5度程度の勾配が付与されている。
【0021】
次に、この調整金具1を傾斜したコンクリート躯体上面2aに適用した場合の構成と取付け方法について、図3に基づいて説明する。図3において、2は手摺り10を設置すべきベランダの外縁部のコンクリート躯体であり、その上面2aの所定位置には略鉛直となるようにアンカーボルト固着用穴2bが設けられる。その後、所定長さを有するアンカーボルト3が固着される。アンカーボルト3には種々の形式のものがあるが、本実施例に用いるアンカーボルト3は種類を問わず適用できる。図3に示すアンカーボルト3は、いわゆるケミカルアンカーと呼ばれているものであり、固着剤4によりコンクリート躯体2に設けた穴2b内に固着されるものである。
【0022】
アンカーボルト3を鉛直状態に固着した後、本発明による調整金具1を2個用意し、調整金具1の下端1fがコンクリート躯体の上面2aに接する方向にして調整金具の孔1dをアンカーボルト3に挿入する。調整金具1は2個同時にアンカーボルト3に挿入してもよいし、別々に挿入してもよい。また、この段階では2個の調整金具1の相互の配置角度に留意する必要はないが、下側になる調整金具1はコンクリート躯体上面2aの勾配を相殺するように配置するのが好ましい。
【0023】
次に、手摺支柱保持具となるパイプ5を上側の調整金具1の上面1hに載置する。このパイプ5には側面の一部に手摺り10の中空状支柱11を取付けるための螺子穴5aが設けられている。また、このパイプ5の内径は調整金具1の第2の環状体1bの大径寸法より若干大きな寸法を有しており、外径は調整金具1の第1の環状体1aの外径寸法とほぼ同一に製作されている。なお、パイプ5の上下両端面はパイプ5の軸線に対して直角に仕上げられている。したがって、パイプ5を上側の調整金具1上に載置した段階で、パイプ5の鉛直姿勢が確保できているか否かは目視にて容易に判定できる。殊に鉛直に設置されたアンカーボルト3が、パイプ5内壁の中心に位置するか否かを観察することにより、パイプ5の鉛直姿勢が確保されているか否かは容易に判定できる。ここで、パイプ5の鉛直姿勢が確保できていない場合、2個重ねて装着された調整金具1のうち、上側の調整金具1を回転させて相互の配置角度を調整する。調整金具1の回転によりパイプ5の傾きも変化するので、パイプ5の鉛直姿勢が確保された段階で調整金具1の回転を止める。以上の操作によりパイプ5の鉛直調整は完了する。なお、調整金具1の回転操作を行う際には、調整金具1の第1の環状体1aに設けられた横孔1gにプラスドライバー等の軸を挿入して回転させると、微調整であっても容易に作業を行うことができる。
【0024】
その後、前記パイプ5の上端に環状端面金具6を装着し、アンカーボルト3にナット7を螺合して2個の調整金具1、パイプ5、環状端面金具6を一体としてコンクリート躯体上面2aに固定する。以上により手摺支柱保持具5を鉛直姿勢で取付けることができる。なお、手摺り10の取付けは、手摺り10の支柱11に設けられた取付け孔11aとパイプ5の側面に設けられた螺子孔5aとを位置合わせした後、ビス8等により締結される。
【0025】
次に、この調整金具1を傾斜したコンクリート躯体上面2aに適用した場合の作用を図4に基づいて説明する。図4に示すように、本調整金具1は2個とも下端面1fが下向きになるよう積重ねて使用する。コンクリート躯体上面2aの勾配角αと調整金具1に付与された勾配角が一致すれば、1個だけ使用することで手摺支柱保持具5を鉛直に固定することができる。両勾配の方向を一致させれば補償できるからである。しかしながら、そのようなケースは稀であり、一般的とは言えない。コンクリート躯体上面2aの勾配角が一定範囲内ではあるが変動する場合には、任意の角度に対応して補償する必要がある。そのためには、2個の調整金具1を対として用いる必要がある。同一の調整金具1を2個用いて相互の配置角度を調整することにすると、単独の調整金具1に付与された勾配角の2倍の角度から平行面、すなわち角度0まで連続的に可変調整することができる。たとえば、単独の調整金具1に付与された勾配角が5度であれば、0〜10度まで任意の角度に設定調整することができる。図4は2個の調整金具1の勾配の方向を同一とした場合を示している。上記の例ではα=10度の傾斜面の補償に適用できる。
【0026】
一方、図5は2個の調整金具1の勾配の方向を正反対にした場合を示している。上記の例ではα=0度の水平面の補償に適用できる。このようにして、2個の調整金具1の配置角度を同一方向から正反対まで連続的に180度変化させることにより、0〜10度の傾斜面を補償して水平面を得ることが可能になる。換言するなら、手摺支柱保持具5を鉛直に固定することが可能になる。
【0027】
以上述べたように、本実施例による調整金具1を2個用いて相互の配置角度を調整することにより、手摺支柱保持具であるパイプ5を取付けるコンクリート躯体上面2aの勾配にバラツキが存在しても、所定範囲内のバラツキであれば手摺支柱保持具5を鉛直に取付けることができる。
【0028】
また、図2に示すように、第2の環状体1bの外周部1eを裁頭円錐形状としている。このことにより、複数の調整金具1を積重ねる場合の作業が容易になるし、芯合わせも容易になる。
【0029】
さらに、第1の環状体1aの外周部の1箇所以上に横孔1gを設けている。このことにより、複数の調整金具1を積重ねた後、相互の配置角度を調整する段階において、該横孔1gに適宜丸棒等を挿入することにより調整金具1を回転させることができる。したがって、複数の調整金具1の配置角度の調整を容易に行うことができる。
【0030】
上述したように本実施例による調整金具1の取付け方法は、コンクリート躯体2に固着されたアンカーボルト3に、調整金具1の下端1f面を下向きに2個挿通し、その上に前記調整金具1の縮径外径より若干大きな内径を有するパイプ5を外嵌し、このパイプ5の上端に環状端面金具6を当接し、前記アンカーボルト3にナット7を螺合することにより前記パイプ5をコンクリート躯体2に固定したのである。その結果、手摺支柱保持具5を取付けるコンクリート躯体上面2aの傾斜角が区々であっても、所定範囲内のバラツキであれば調整金具1相互の配置角度を調整することにより、手摺支柱保持具5を鉛直に取り付けることが容易になる。
【0031】
また、図8および図9に示す従来例のように調整シム22や調整プレート24を必要とすることもない。したがって、手摺支柱保持具5の鉛直取付け調整が容易であるのみならず、低コストで手摺り10の設置工事を行うことができる。
【0032】
さらに、コンクリート躯体上面2aに対して調整金具1とパイプ5及び環状端面金具6が、アンカーボルト3により一体として圧縮固定されるので、手摺支柱保持具5全体としてコンクリート躯体上面2aへの取付け剛性が大きくなり、強固な手摺支柱保持具5を実現することができる。
【0033】
なお、手摺り10の支柱11は、通常図6に示すように矩形または正方形の断面を有するアルミニウム合金材料を用いた押出し成型品から製作される。手摺支柱保持具5をコンクリート躯体上面2aに固定した後、この標準量産品である手摺り10の支柱11を手摺支柱保持具5の上部から被せるようにして装着する。また、手摺り支柱11の側面の所定位置には、手摺支柱保持具5へ取付けるための孔11aが設けられており、手摺支柱保持具を構成するパイプ5の対応する螺子孔5aにビス8等により適宜固定される。
【0034】
また、上述した取付け方法において、パイプ5の上面に当接する環状端面金具6には、第3の環状体の上部に前記第3の環状体より縮径された外径を有する第4の環状体を一体形成し、前記第4の環状体の上部は略中央に孔を有する平板部を形成し、前記第3の環状体の下端を勾配面とした金具であって、この金具を上下反転して用いることができる。具体的には請求項1〜3のいずれかに記載した調整金具1を上下反転して用いることができる。すなわち、図3に示すように調整金具1の下端1fが上方になるような姿勢で装着する。このようにして用いると、パイプ5の中心位置と鉛直に固着されたアンカーボルト3の中心位置とを容易に確認できる。また、パイプ5の下部に配置される本来の調整金具1と共通化できるので、部品点数が削減され、部品購入コストおよび部品管理コストの低減がもたらされる。
【0035】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。たとえば前記実施例では、調整金具1の第1の環状部1aの外形を円筒形状としているが、円筒形状に替えて多角形状にして配置角度の調整作業を容易にすることもできる。また、前記実施例では、適用可能なコンクリート躯体上面2aの勾配角αとして10度を最大値として説明したが、αの最大値が10度に限定されないことは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
本発明における請求項1の手摺支柱保持具取付け調整金具によれば、複数の手摺支柱保持具取付け調整金具を積重ねて使用し、それら複数の手摺支柱保持具取付け調整金具相互の配置角度を変化させることで、積重ねられた第1の環状体の勾配角を連続的に変化させることができる。したがって、この手摺支柱保持具取付け調整金具をベランダのコンクリート躯体上面と手摺支柱保持具との間に用いると、極めて容易に手摺支柱保持具の鉛直姿勢を確保することができる。
【0037】
本発明における請求項2の手摺支柱保持具取付け調整金具によれば、複数の手摺支柱保持具取付け調整金具を積重ねる際の作業が容易になる。
【0038】
本発明における請求項3の手摺支柱保持具取付け調整金具によれば、複数の手摺支柱保持具取付け調整金具を積重ねた後、相互の配置角度を調整する際の作業が容易になる。
【0039】
本発明における請求項4の手摺支柱保持具の取付け方法によれば、手摺支柱保持具を取付けるコンクリート躯体上面の傾斜角が区々であっても、所定範囲内のバラツキであれば複数の手摺支柱保持具取付け調整金具相互の配置角度を調整することにより、手摺支柱保持具を鉛直に取り付けることが容易になる。
【0040】
本発明における請求項5の手摺支柱保持具取付け方法によれば、部品の共通化が図られ、部品購入コストおよび部品管理コストの低減がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す手摺支柱保持具取付け調整金具の外観斜視図である。
【図2】同上、中央断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す手摺支柱保持具の取付け方法を示す断面図である。
【図4】同上、手摺支柱保持具取付け調整金具を傾斜面に適用した例を示す断面図である。
【図5】同上、手摺支柱保持具取付け調整金具を水平面に適用した例を示す断面図である。
【図6】図3のA−A線断面図である。
【図7】ベランダに設置された手摺りを示す一部切欠き斜視図である。
【図8】従来例としての手摺支柱保持具の取付け方法を示す断面図である。
【図9】特許文献1に開示された手摺支柱保持具の取付け方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 手摺支柱保持具取付け調整金具
1a 第1の環状体、第3の環状体
1b 第2の環状体、第4の環状体
1c 平板部
1d 孔
1e 裁頭円錐面
1f 下端
1g 横孔
2 コンクリート躯体
3 アンカーボルト
5 手摺支柱保持具、パイプ
6 環状端面金具
7 ナット
10 手摺り
11 支柱
Claims (5)
- 中空状支柱を有する手摺りが固定される手摺支柱保持具とコンクリート躯体上面との間に配置される手摺支柱保持具取付け調整金具において、第1の環状体の上部に前記第1の環状体より縮径された外径を有する第2の環状体を一体形成し、前記第2の環状体の上部は略中央に孔を有する平板部を形成し、前記第1の環状体の下端を勾配面としたことを特徴とする手摺支柱保持具取付け調整金具。
- 前記第2の環状体の外周部を裁頭円錐形状としたことを特徴とする請求項1記載の手摺支柱保持具取付け調整金具。
- 前記第1の環状体の外周部の1箇所以上に横孔を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の手摺支柱保持具取付け調整金具。
- コンクリート躯体に固着されたアンカーボルトに、請求項1〜3のいずれかに記載の手摺支柱保持具取付け調整金具の下端面を下向きに複数個挿通し、その上に前記手摺支柱保持具取付け調整金具の縮径外径より若干大きな内径を有するパイプを外嵌し、このパイプの上端に環状端面金具を当接し、前記アンカーボルトにナットを螺合することにより前記パイプをコンクリート躯体に固定したことを特徴とする手摺支柱保持具の取付け方法。
- 前記環状端面金具は、第3の環状体の上部に前記第3の環状体より縮径された外径を有する第4の環状体を一体形成し、前記第4の環状体の上部は略中央に孔を有する平板部を形成し、前記第3の環状体の下端を勾配面とした金具であって、この金具を上下反転して前記パイプ上端に当接したことを特徴とする請求項4記載の手摺支柱保持具の取付け方法。
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