JP2004257083A - 側溝ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流入口と排水口とを具えた槽本体と、この槽本体の上部を覆う蓋体とで構成される側溝ユニットにおいて、前記側溝ユニットの内部で排水と接液する表面を親水性塗料で塗装する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は飲食店厨房、食品製造工場に設置される側溝ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品製造工場等の排水には野菜くずのような残さや油脂分などが含まれている。これら排水は厨房床下に配置される側溝とよばれる溝に入り、排水桝やグリ−ス阻集器に流入する。側溝はこれまでコンクリ−ト製などで構成されていたが、近年、工事の容易な側溝ユニットとよばれるステンレス製鋼板を事前に舟形に形成されたユニットを床に設置してからシンダ−コンクリ−トを流した後、モルタル等で固定され設置されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
残渣を含む排水は、側溝ユニットにまず始めに流入する。残さは側溝ユニットの角部などに溜まり易く、その夾雑物にグリースなどが付着すると不衛生な状態となる。このような食品取り扱い場の側溝ユニットは1日に1回清掃をするように指導されているが、甚だ面倒な作業であることもあり、清掃されず放置されることがあった。
そのような場合、悪臭が発生したり、ゴキブリ等の害虫が発生したり、雑菌の繁殖の温床となり、食品衛生上の危害が生じるおそれがある。
【0004】
近年、このような食品衛生上の危害を防止するため、食品の加工方法およびその衛生管理の方法についていろいろな対策が講じられようとしている。
例えば、側溝ユニットの箱状の角部にア−ル処理を施し、残渣などを水で流し易くする等の対策が試みられている。しかしながら、油脂類が一旦、側溝ユニットの側壁等に付着すると水を流すだけでは清掃が行い難く、それを落とすために熱湯をかけながらブラシ清掃を行うなどの面倒な清掃を行う必要があった。
【0005】
また、流し台のシンク表面に撥水性塗膜を形成し、その表面を保護して付着した汚れを除去し易くすることが特許文献1に開示されている。撥水性塗膜は、側溝ユニット表面に、例えば、撥水性(疎水性)に優れたフッ素塗料やアクリルシリコン塗料で形成される。これらは、短期間の防汚効果はあるが、長期間経つと自動車や工場などの排気ガス中の粒子(親油性物質の汚れ)が付着し、更にその親油性物質の汚れが原因で有機物の水垢を付着させてしまい、その結果、防汚効果を減少させるという問題と、且つバクテリアの発生を招く衛生上の問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−319964号公報
【0007】
本発明は上記したこうした従来の側溝ユニット排水桝のもつ課題を解消するために為されたものであって、凝固したグリースその他の夾雑物が側溝ユニットの内表面に付着し難く、簡単かつ容易に除去・清掃でき、抗菌性を有する側溝ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は上記の目的を達成するために、流入口と排水口とも備えた槽本体で構成される側溝ユニットにおいて、前記側溝ユニットの内部で排水と接液する表面を親水性塗料で塗装したことを特徴とする側溝ユニットである。
また、本発明によれば親水性塗料が、界面活性剤を含有する親水性無機塗料であることを特徴とする側溝ユニットであることが望ましい。
さらに、親水性塗料が、抗菌剤を含有する親水性塗料であってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。その前に本発明に至るまでの従来の表面処理について説明する。
従来、汚れ・オイルの付着は各種基材表面を疎水性(撥水性)とすることにより抑制でき、美観が長時間維持されるものと考えられていた。この考え方にしたがって、疎水性(撥水性)に優れたフッ素樹脂を用いて以下に示すような表面処理や塗装が行われている。
【0010】
(1)基材にフッ素樹脂フィルムを熱融着させる方法、(2)基材に防汚性コーティング剤としてアクリル系重合体を含む2液硬化型フッ素樹脂組成物を塗装する方法、(3)基材にフッ化ビニリデン系の熱溶融性フッ素樹脂組成物を塗装する方法等々があり、これら表面処理(1)〜(3)ではフッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン/エチレン共重合体やフッ化ビニリデン系重合体などの疎水性のフッ素樹脂を使用し、基材表面を疎水性としている。
【0011】
ところが、グリースなどの汚れは本来疎水性(親油性)の物質であり、こうした親油性の汚れは疎水性の表面に付着しやすいことがわかった。したがって前記のフッ素樹脂を使用した表面処理方法では親油性の汚れの付着を防止できず、布などでの拭き取りが容易である利点があるだけである。
【0012】
図1は本発明の側溝ユニットの上面図であり、図2は構造断面図である。側溝ユニットは本体1と、蓋体であり且つ流入口であるグレ−チング蓋2を有しており、排水桝3と溶接接合面5で接合される。この溶接接合面5が側溝ユニットの排水口に相当する。排水口5から流れ込んだ排水液は、バスケット4で残渣物・夾雑物を取り除かれ、封水トラップ7を介して排水管6から排水される。本発明はかかる問題に対して側溝ユニットの接液表面8すなわち槽本体1の内表面に親水性塗料を塗布して親水性の被膜を形成する。例えば、シリカやケイ酸塩等の無機物を混ぜてOH基を持たせた塗料を塗布し、水なじみ性の良好な表面状態にする方法がある。また、有機物としては、アクリル樹脂系の塗料や、親水性重合体に界面活性剤を混合した塗料を塗布する方法がある。また、望ましくはグレ−チング蓋にもOH基を持たせた塗料を塗布しても良い。
【0013】
さらに、その他、水性熱硬化型アクリル/アミノプラスト樹脂/水性エマルジョンシリコン樹脂,両性イオン基を有する樹脂粒子及びアルカリ金属塩からなる被膜組成物、・エポキシ系バインダ樹脂,親水性ポリアミド樹脂及びシリカ粒子からなる塗料組成物、・アルカリ金属シリケート,アミノアルコール,水溶性樹脂及び/または水溶性シランカップリング剤を含有する親水性被膜形成処理剤、カルボキシメチルセルロースの金属塩,カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩,N−メチロールアクリルアミドにポリアクリル酸及びジルコニウム化合物を含有する配合物からなる親水処理剤等々、多数種類の塗料や処理剤が混合された塗料がある。
【0014】
また、無機塗料に界面活性剤を添加した親水性無機塗料を排水桝の接液表面すなわち槽の内表面や、バスケットの内外面に塗布して親水性の被膜を形成する方法でも良い。界面活性剤には親水性向上効果があるため、界面活性剤を添加すると、紫外線照射なしに成膜当初から界面活性剤により表面親水性が発揮される。
【0015】
なお、一般の界面活性剤には、時間の経過と共に分解、劣化したり、塗装膜の表面から流れ落ちたりする問題点があり、塗装膜の表面親水性を長期間維持させることが困難である。しかし、この問題を解消するために、親水性無機塗料は、シリコーンレジンを主成分とする無機塗料に、末端に反応性基を有するシラン変性界面活性剤を含有させても良い。この様な塗料で側溝ユニットの接液表面に塗装し成膜すれば、グリース等の汚染物質が付着しにくいと共に、たとえ汚染物質が付着してもそれを除去し易い。
【0016】
図3はグリ−ス除去性能実験に用いたオイルパンの上面図を、図4は断面図を示す。グリ−ス除去性能実験では、1.5mm厚のステンレス鋼板で加工されたオイルパン9に撥水性塗料と親水性塗料を塗布したものと、塗装されていない、3種の供試片を用意し、各試片の重量を測定する。
その後、55℃の液状化した純正ラ−ド50gをオイルパン9に投入し、そのオイルパン孔部10からラ−ドが流れ出ないようにラ−ド膜を塗布する。約10分塗布面を乾燥させた後、60℃のお湯5リッタ−を流して純正ラ−ドを洗い落とした。
12時間乾燥させたあと試験後オイルパン重量を測定し、試験前オイルパン重量との差からラ−ド付着重量(流し洗い時の未清掃ラ−ド重量)を算出した。表1に実験結果を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
表1から、セラミック系の無機親水性塗料と塗布したものは、他の2試片と比較してほとんどのラ−ドがお湯を流し洗いするだけで除去できていることが判る。
【0019】
さらに、アルミノ珪酸塩などの構造内に抗菌性を有する銀イオンを取り込んだ抗菌剤を塗料中に練り込み、これを使用して側溝ユニットの接液表面に塗装し成膜すれば、金属イオン(銀イオン)による働きで強い抗菌力が得られる。
【0020】
次に、抗菌材入りの親水性塗料を塗布した検体(50mm×50mmの板材)に対し、表2に示す菌液を接種して、ポリエチレンフィルムを密着させた後、35℃で保存し、保存開始時及び24時間後の生菌数を測定した。
【0021】
【表2】
【0022】
表2に示すように、保存開始後24時間後の生菌数は10以下であることから、この塗料は十分な抗菌性を有していることが判る。
【0023】
【発明の効果】
以上に記述の如く、本発明の側溝ユニットは、夾雑物やグリ−スが内表面に接しても、親水化された表面によって高性能の水濡れ性(親水性)を有するので、グリース等の汚染物質と表面との間に水が割り込んで汚染物質を浮かせるために付着しにくく、また清掃時に容易に除去されるため、汚染物質が付着して堆積しにくく、清掃を容易に行うことができる。さらに、親水性無機塗料に界面活性剤を含ませることにより、親水性付与効果すなわち防汚機能を発揮でき、界面活性剤が時間経過と共に劣化したり、被膜表面から流れ出たりすることが殆ど無く、長期間に親水性付与効果すなわち防汚機能を維持できる。また、上記の効果に加え、抗菌材入りの塗料を塗布すれば、強い働きの抗菌力を有することのできる側溝ユニットである。
【図面の簡単な説明】
【図1】側溝ユニットと排水桝を示す上面図
【図2】側溝ユニットと排水桝を示す断面図
【図3】実験に使用したオイルパンの上面図
【図4】実験に使用したオイルパンの断面図
【符号の説明】
1 側溝ユニット本体
2 グレ−チング蓋
3 排水桝
4 バスケット
5 溶接接合面(側溝ユニット排水口)
6 排水管
7 封水トラップ
8 接液表面
9 オイルパン
10 孔部
Claims (3)
- 流入口と排水口とも備えた槽本体と、この槽本体の上部を覆う蓋体とで構成される側溝ユニットにおいて、前記側溝ユニットの内部で排水と接液する表面を親水性塗料で塗装したことを特徴とする側溝ユニット。
- 前記親水性塗料が、界面活性剤を含有する親水性無機塗料であることを特徴とする請求項1に記載の側溝ユニット。
- 前記親水性塗料が、抗菌剤を含有する親水性塗料であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の側溝ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048115A JP2004257083A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 側溝ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048115A JP2004257083A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 側溝ユニット |
Publications (1)
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---|---|
JP2004257083A true JP2004257083A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33114172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003048115A Pending JP2004257083A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 側溝ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004257083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009108567A (ja) * | 2007-10-30 | 2009-05-21 | Teshika:Kk | 汚水受器 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09217402A (ja) * | 1996-02-13 | 1997-08-19 | Nippon Pitsuto:Kk | 排水路装置 |
JP2000226533A (ja) * | 1999-02-03 | 2000-08-15 | Kobe Steel Ltd | 表面親水性を有する基材及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003048115A patent/JP2004257083A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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