JP2004257054A - シールド掘進機の推進装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールドジャッキのロッドの撓みに起因するセグメントの破損をより効果的に防止できるシールド掘進機の推進装置を提供する。
【解決手段】シールドジャッキ1のロッド3を、シールドフレーム51の径方向外側に延出した偏心金物4を介して既設セグメントSに当接させてシールド掘進機を推進させるシールド掘進機の推進装置において、上記ロッド3が上記セグメントSから受ける反力によって上記シールドフレーム51の径方向外側に撓んだときに、上記シールドジャッキ1が上記シールドフレーム51の径方向内側にほぼ同じ角度で傾くように、上記シールドジャッキ1を上記シールドフレーム51の径方向に揺動可能に設けたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシールド掘進機の推進装置に係り、特に、シールドジャッキのロッドの撓みに起因するセグメントの破損を防止したシールド掘進機の推進装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5にシールド掘進機の一例を示す。
【0003】
図5に示すシールド掘進機50は泥水式シールド掘進機であり、シールドフレーム51と、シールドフレーム51の前方に設けられた回転カッタ52とを備える。回転カッタ52と、シールドフレーム51内に設けられた隔壁53との間にチャンバー室54が形成され、回転カッタ52により掘削された土砂はチャンバー室54内に取り込まれる。隔壁53にはチャンバー室54内に泥土を送り込む送泥管55と、チャンバー室54内で泥土と混ぜ合わされた土砂を後方に排出する排泥管56とが接続される。つまり、このシールド掘進機50は、回転カッタ52により地山を掘削して土砂をチャンバー室54内に取り込み、その土砂を送泥管55から送り込まれた泥土と混ぜ合わせて排泥管56から排出するものである。
【0004】
シールドフレーム51の内側後方には、図示しないセグメント組立装置(エレクタ)が設けられ、回転カッタ52により掘削した孔内に順次セグメントSを組み立ててトンネルを構築する。
【0005】
シールドフレーム51は、前胴51aと後胴51bとからなり、それら前胴51aと後胴51bとはシールドフレーム51の内側で周方向に沿って複数設けられた中折れジャッキ57を介して接続される。中折れジャッキ57のロッド58を伸長あるいは縮退させることでシールド掘進機50の掘進方向を変えることができる。
【0006】
係るシールド掘進機50の推進装置は、シールドフレーム51の内側で周方向に沿って複数設けられたシールドジャッキ60で主に構成される。シールドジャッキ60のロッド61を、シールドフレーム51の径方向外側に延出した偏心金物62を介して既設セグメントSに当接させた状態で伸長させることで、既設セグメントSに反力を取ってシールド掘進機50を推進させる。このような推進装置は、例えば特許文献1等にも記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−291378号公報
【非特許文献1】
「トンネルと地下(シールドトンネルに施工時荷重が及ぼす影響)」,2002年,8月号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、このようなシールド掘進機50によりトンネル掘削工事を行うときに、セグメントSの一部に破損(欠け・割れ等)が生じることがあった。その理由としては幾つかの要因があると考えられるが、そのうちの一つを図6を用いて説明する。
【0009】
図6はシールドジャッキ60の拡大図である。シールドジャッキ60は、シールドフレーム51に固定されたジャッキ本体63と、ジャッキ本体63から伸長・縮退可能なロッド61と、ロッド61の先端部に取り付けられ、シールドフレーム51の径方向外側に延出した偏心金物62と、偏心金物62の先端部に取り付けられ、既設セグメントSと当接するシュー64とを備える。
【0010】
図6(a)に示すように、シールドジャッキ60は、レイアウト上の問題(ジャッキ本体63とシールドフレーム51や中折れ継手との接触を回避するためなど)から、ジャッキ本体63の軸芯JCが、セグメントSの断面中心SCに対してシールドフレーム51の径方向内側に偏心(オフセット)するように配置される。
【0011】
このように、ジャッキ本体63がセグメントSに対して偏心させて設けられているため、ロッド61を伸長させたときにシールドジャッキ60がセグメントSから受ける反力fも当然ジャッキ本体63の軸芯JCに対して距離Lだけ偏心した位置に作用する。その結果、ロッド61をシールドフレーム51の径方向外側に回転させようとする力(モーメント力)が発生し、図6(b)に示すように、ロッド61がシールドフレーム51の径方向外側に撓む。このロッド61の撓みに伴ってシュー64及びそれと接触している最先端のセグメントSがシールドフレーム51の径方向外側へと傾き、セグメントSの角部(図中Aで示す部分)に破損(欠け・割れ等)が生じる。また、ロッド61が撓むと偏心金物62及びシュー64が傾くため、ロッド61の伸長力の一部がセグメントSをシールドフレーム51の径方向外側へと押す力として作用する。これもセグメントSを径方向外側へと傾ける原因となる。
【0012】
特に近年では、工期短縮を図るために、セグメントSの幅Wを大きくする傾向にあり、それに伴ってシールドジャッキ60のロッド61の長さも長くなっている。このため、ロッド61がより撓みやすくなりセグメントSに破損が生じる可能性が高まっていると考えられる。
【0013】
セグメントSの破損を防止するには、ロッド61の強度が高い、大径のシールドジャッキ60を用いることが考えられるが、この場合、コストが増加するうえ、シールドフレーム51内のスペースが小さくなってしまう。また、シールドジャッキ60の径が大きくなれば、その分シールドジャッキ60をシールドフレーム51の径方向内側にずらさなければならず、偏心距離Lがより大きくなってしまうため充分な効果を期待できない虞れもある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、シールドジャッキのロッドの撓みに起因するセグメントの破損をより効果的に防止できるシールド掘進機の推進装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、シールドジャッキのロッドを、シールドフレームの径方向外側に延出した偏心金物を介して既設セグメントに当接させてシールド掘進機を推進させるシールド掘進機の推進装置において、上記ロッドが撓んだとき又は傾いたときにその撓み又は傾きを吸収するように、上記シールドジャッキを上記シールドフレームの径方向に揺動可能に設けたものである。
【0016】
ここで、上記シールドジャッキは、上記ロッドが上記シールドフレームの径方向外側に撓んだとき又は傾いたときに、上記シールドフレームの径方向内側に上記ロッドの撓み又は傾斜角度とほぼ同じ角度で傾斜するようにしても良い。
【0017】
また、上記シールドジャッキのロッドが撓んだとき又は傾いたときに、上記シールドジャッキを上記シールドフレームの径方向内側に上記ロッドの撓み又は傾斜角度とほぼ同じ角度だけ揺動させるアクチュエータを設けても良い。
【0018】
また、上記シールドジャッキのロッドの伸長量及び/又はロッドの伸長圧力を検出する手段を設け、上記アクチュエータが上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させるようにしても良い。
【0019】
また、上記シールドジャッキの上記ロッド又は偏心金物と上記シールドフレームとの間の距離を検出する手段を設け、上記アクチュエータが上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させるようにしても良い。
【0020】
また、上記偏心金物に取り付けられ、上記セグメントに当接されるシューを備え、そのシューが、上記偏心金物に対して固定された固定シューと、その固定シューに対して上記シールドフレームの径方向にスライド可能に取り付けられたスライドシューとを備え、上記スライドシューと上記固定シューとの変位量を検出する手段を設け、上記アクチュエータが上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させるようにしても良い。
【0021】
更に本発明は、シールドジャッキのロッドを、シールドフレームの径方向外側に延出した偏心金物を介して既設セグメントに当接させてシールド掘進機を推進させるシールド掘進機の推進装置において、上記ロッドが上記シールドフレームの径方向に撓む又は傾くことを防止すべく、上記ロッド又は偏心金物に、上記シールドフレームの径方向外側に突出して上記シールドフレームと接触する突き当て部材を設けたものである。
【0022】
ここで、上記突き当て部材の突出量を変更する突出量調整手段と、上記ロッド又は偏心金物と上記シールドフレームとの間の距離を検出する手段とを設け、上記突出量調整手段が、上記手段の検出値に応じて上記突き当て部材の突出量を変更するようにしても良い。
【0023】
また、上記偏心金物に取り付けられ、上記セグメントに当接されるシューを設け、そのシューが、上記偏心金物に対して固定された固定シューと、その固定シューに対して上記シールドフレームの径方向にスライド可能に取り付けられたスライドシューとを備え、上記固定シューに上記突き当て部材を設けても良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0025】
本実施形態は、図5に示すような泥水式シールド掘進機の推進装置として適用したものであり、図1は本実施形態の推進装置を構成するシールドジャッキの拡大図である。
【0026】
本実施形態のシールドジャッキ1は、シールドフレーム51の内側に周方向に沿って複数配置される。シールドジャッキ1は、シールドフレーム51の内面に取り付けられたジャッキ本体2と、そのジャッキ本体2から伸長・縮退可能なロッド3と、ロッド3の先端部に取り付けられ、シールドフレーム51の径方向外側に延出した偏心金物4と、偏心金物4のボス部4aに取り付けられ、既設セグメントSと当接するシュー5とを備える。なお、本明細書中では、シールドフレーム51の中心から外側に向かう方向を径方向外側と言い、逆にシールドフレーム51の外周部から中心に向かう方向を径方向内側と言うが、シールドフレーム51の断面形状は円形に限定されず、矩形や馬蹄形などあらゆる形状であって良い。
【0027】
ジャッキ本体2は、その軸芯JCがセグメントSの断面中心SCに対して距離L1だけシールドフレーム51の径方向内側に偏心(オフセット)させて配置される。シュー5は、偏心金物4によってジャッキ本体2の軸芯JCに対して距離L1だけ径方向外側に偏心させて配置される。従って、シュー5とセグメントSとは互いに偏心することなく接触する。
【0028】
ジャッキ本体2とロッド3との間には図示しない油圧通路が接続されており、この油圧通路を介してジャッキ本体2とロッド3との間に油を供給することでロッド3がセグメントS側に伸長し、ジャッキ本体2とロッド3との間から油を排出することでロッド3がセグメントSから離れる方向に後退する。各シールドジャッキ1のロッド3を、偏心金物4及びシュー5を介して既設セグメントSに当接させた状態で伸長させてシールド掘進機を推進させる。
【0029】
さて、本実施形態の推進装置の特徴は、シールドジャッキ1がシールドフレーム51に対して、シールドフレーム51の径方向に揺動可能に設けられている点にある。具体的に説明すると、シールドジャッキ1のジャッキ本体2の後端部(図中左側端部)がシールドフレーム51に固定された第1ブラケット6に対してピン7廻りに回動自在に取り付けられ、ジャッキ本体2の先端部がシールドフレーム51に固定された第2ブラケット8に対してシールドフレーム51の径方向に移動可能に取り付けられる。第2ブラケット8にはシールドフレーム51の径方向に延出する穴9が設けられる。ジャッキ本体2はその穴9内に挿通され、先端部がスライド機構10を介して第2ブラケット8に取り付けられる。スライド機構10は、第2ブラケット8に固定された固定側10aと、ジャッキ本体2の先端部に固定されると共に、固定側10aに対してシールドフレーム51の径方向にスライド可能に取り付けられたスライド側10bとを備える。この構成により、シールドジャッキ1はピン7を中心にシールドフレーム51の径方向に所定の範囲で揺動することができる。
【0030】
本実施形態では、シールドジャッキ1を積極的(強制的)に揺動させるためのアクチュエータ12が設けられる。アクチュエータ12は油圧シリンダであり、その本体12aがスライド機構10の固定側10aに取り付けられ、本体12aからシールドフレーム51の径方向に伸長・縮退可能なロッド12bの先端部がスライド機構10のスライド側10bに取り付けられる。
【0031】
油圧シリンダ12のロッド12bは、基本的には、図1(a)に示すように、シールドジャッキ1のジャッキ本体2の軸芯JCがセグメントSの断面中心SCと平行に位置するように調整される。この状態から油圧シリンダ12のロッド12bを縮退させると、図1(b)に示すように、シールドジャッキ1がピン7を中心としてシールドフレーム51の径方向内側へと揺動する(傾く)。逆に、ロッド12bを伸長させると、シールドジャッキ1がシールドフレーム51の径方向外側へと揺動する。
【0032】
このようにシールドジャッキ1がシールドフレーム51の径方向に揺動可能であるので、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したようにシールドジャッキ1のロッド3がセグメントSから受ける反力によってシールドフレーム51の径方向外側に撓んだ(又は傾いた)ときに、シールドジャッキ1がロッド3の撓み方向と逆方向、つまり、シールドフレーム51の径方向内側にロッド3の撓み角度(又は傾斜角度)とほぼ同じ角度で揺動すれば、ロッド3の撓みによる偏心金物4及びシュー5の変位及び傾きを吸収できる。それによって、セグメントSの傾き及びそれに伴う破損を防止できる。
【0033】
そこで本実施形態では、シールドジャッキ1のロッド3の撓みを検出するための検出手段13と、検出手段13の検出値に応じて油圧シリンダ12のロッド12bの伸長量を制御してシールドジャッキ1を適切に揺動させる制御装置14が設けられる。
【0034】
図2を用いて検出手段13を説明する。
【0035】
図2はシールドジャッキ1のシュー5の拡大断面図であり、シュー5は、偏心金物4のボス部4aに対して相対移動不可に固定される固定シュー5aと、その固定シュー5aに対してシールドフレーム51の径方向にスライド可能に取り付けられ、セグメントSと直接接触するスライドシュー5bとを備える。そして検出手段13は、スライドシュー5bの固定シュー5aに対する変位量を検出するセンサーからなる。
【0036】
固定シュー5aは矩形状の断面を有し、その固定シュー5aの外側に断面コ字状のスライドシュー5bが嵌合される。スライドシュー5bの内面の径方向長さは固定シュー5aの径方向長さよりも長く、固定シュー5aとスライドシュー5bとは互いにシールドフレーム51の径方向に所定の範囲内で相対移動できる。固定シュー5aの先端部とスライドシュー5bの内面との間には、固定シュー5aとスライドシュー5bとが円滑に相対移動できるようにベアリング15が設けられる。また、固定シュー5aの径方向両端部と、スライドシュー5bの内面の径方向両端部との間にスプリング16が設けられ、スライドシュー5bをシールドフレーム51の径方向両側から同一の付勢力で付勢している。従って、無負荷状態では固定シュー5aとスライドシュー5bとは互いに偏心することなく整合する。そして、固定シュー5aとスライドシュー5bとの間に、それらの間隔を検出するセンサー13が設けられる。
【0037】
図1に示すように、センサー13は制御装置14に接続されており、その検出値が制御装置14に入力される。また、制御装置14はシールドジャッキ1を揺動させる油圧シリンダ12に接続されており、センサー13から入力された検出値に応じて油圧シリンダ12を制御してシールドジャッキ1を揺動させる。
【0038】
図3を用いて、本実施形態の作用を説明する。
【0039】
シールド掘進機を推進させるべくシールドジャッキ1のロッド3を伸長させると、セグメントSからの反力によってロッド3がシールドフレーム51の径方向外側に撓む。すると、ロッド3の先端部に取り付けられた偏心金物4及びシュー5がシールドフレーム51の径方向外側に移動(変位)しようとする。このとき、スライドシュー5bはセグメントSと大きな摩擦力で接触しているため移動せず、偏心金物4と固定シュー5aとがスライドシュー5bに対して径方向外側へと移動する。固定シュー5aがスライドシュー5bに対して移動すると、センサー13がその変位量を検出する。センサー13の検出値が制御装置14(図1参照)に入力されると、制御装置14はその変位量を吸収するべく、油圧シリンダ12(図1参照)を制御して、シールドジャッキ1を、固定シュー5aとスライドシュー5bとが整合する位置まで揺動させる。言い換えれば、シールドジャッキ1をロッド3の撓み角度と同じ角度αだけシールドフレーム51の径方向内側に傾斜させる。これによって、ロッド3の撓みに伴う偏心金物4及び固定シュー5aの変位及び傾きが吸収される。従って、セグメントSをシールドフレーム51の径方向外側へと押す力は発生せず、セグメントSは破損しない。
【0040】
また、本実施形態では、スライドシュー5bが固定シュー5a及び偏心金物4に対してシールドフレーム51の径方向に所定の範囲で移動可能であるため、シールドジャッキ1を傾動させる際に、セグメントSとシュー5(スライドシュー5b)との間に大きな荷重が加わることを防止できる。
【0041】
本実施形態は様々な変形例が考えられるものである。
【0042】
例えば、上記実施形態では、固定シュー5aとスライドシュー5bとの変位量に基づいてシールドジャッキ1を揺動させるとして説明したが、本発明はこの点において限定されない。
【0043】
例えば、ロッド3の伸長量及び/又は伸長圧力(ジャッキ本体2とロッド3との間の油圧)に対するロッド3の撓み角度を予め実験やシミュレーション等で求めておき、制御装置14に記憶させておく。そして、ロッド3の伸長量及び/又は伸長圧力を検出するセンサー(図示せず)を設け、そのセンサーにより検出された実際のロッド伸長量及び/又はロッド伸長圧力に基づいて制御装置14がロッド3の撓み角度を決定し、その撓み角度に基づいてシールドジャッキ1を揺動させるようにしても良い。なお、ロッド3の伸長量及び/又は伸長圧力からロッド3の撓み角度を算出する演算式を制御装置14に記憶させておいても良い。
【0044】
又は、図1に示すように、ロッド3の外面とシールドフレーム51の内面との間の距離L2を検出するセンサー17を設け、センサー17の検出値に基づいてシールドジャッキ1を揺動させて、ロッド3の撓みに伴う偏心金物4及びシュー5の変位及び傾きを吸収するようにしても良い。なおセンサー17は、偏心金物4又はシュー5とシールドフレーム51の内面との間の距離を検出するものであっても良い。
【0045】
このように、ロッド3の伸長量及び/又は伸長圧力や、ロッド3とシールドフレーム51との間の距離に基づいてシールドジャッキ1を揺動させるように構成する場合、シュー5を固定シュー5aとスライドシュー5bとに分けて構成しなくても良い。つまり、図6に示すシュー64と同様に、シュー5全体を偏心金物4に対して相対移動不可に構成しても良い。
【0046】
また、シールドジャッキ1を揺動させるアクチュエータは油圧ジャッキ12に限定されず、油圧モータなど他の手段を用いても良い。
【0047】
ここで、本発明ではシールドジャッキ1を積極的に揺動させるアクチュエータ12は必ずしも必要な要素ではない。つまり、シールドジャッキ1を単にシールドフレーム51に対して揺動自在に取り付けるだけでも上記効果を得ることができる。
【0048】
その理由は、図6(b)に示すように、シールドジャッキ1のロッド3が撓むと、偏心金物62及びシュー64が傾くため、セグメントSから受ける反力fがシールドジャッキ1の軸芯JCに対して傾斜した方向に作用するからである。このとき、図6(b)のシールドジャッキ60のように、ジャッキ本体63がシールドフレーム51に対してリジットに(揺動不可に)固定されていると、セグメントSが傾いて破損する。これに対して、図1に示すようにシールドジャッキ1がシールドフレーム51に対して揺動可能であれば、セグメントSから反力fを受けたときに、その反力fによりシールドジャッキ1がシールドフレーム51の径方向内側に揺動するためセグメントSが傾くことはない。
【0049】
このように、アクチュエータ12を設けずに、シールドジャッキ1を単に揺動可能としただけでもセグメント破損防止効果は期待できるのであるが、その場合、シールドジャッキ1が安定しないためシールド掘進機の推進精度が悪化するおそれがある。そこで、図1に示す油圧シリンダ12を設けて、シールドジャッキ1の揺動範囲を規制するようにしても良い。つまり、シールドジャッキ1がロッド3の撓み角度を超えて傾斜しようとしたときに、油圧シリンダ12によりシールドジャッキ1をロックする。これによって、シールド掘進機の推進精度を確保することができる。この場合、油圧シリンダ12はシールドジャッキ1を積極的に揺動させるアクチュエータとしてではなく、シールドジャッキ1の揺動範囲を規制するストッパとしての機能を有する。
【0050】
次に図4を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。
【0051】
上記実施形態が、ロッド3の撓みに伴う偏心金物4及びシュー5の変位及び傾きをシールドジャッキ1の揺動により吸収してセグメントSの破損を防止するのに対して、図4の実施形態はロッド3の撓み又は傾きそのものを防止するものである。なお、図1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図に示すように、本実施形態の推進装置のシールドジャッキ20は、シュー5からシールドフレーム51の径方向外側に延出し、シールドフレーム51の内面と接触する突き当て部材21を有する。
【0053】
シュー5は、図1及び図2に示した形態と同様に、ロッド3及び偏心金物4に対して相対移動不可に固定された固定シュー5aと、固定シュー5aに対してシールドフレーム51の径方向にスライド可能に取り付けられ、セグメントSと直接接触するスライドシュー5bとを備え、突き当て部材21は、固定シュー5aに取り付けられる。突き当て部材21は、台座22と、台座22の径方向外側に設けられたころ23とからなり、ころ23はシールドフレーム51の内面に常に押し付けられる。また、ころ23はロッド3の伸長・縮退に伴ってシールドフレーム51の内面を回転移動する。なお、突き当て部材21は、シュー5を介して偏心金物4及びロッド3に取り付けられていると言い換えることもできる。
【0054】
このように、シュー5からシールドフレーム51の径方向外側に延出した突き当て部材21がシールドフレーム51の内面と常に接触することによって、シュー5、偏心金物4及びロッド3がシールドフレーム51の径方向外側に変位することが防止される。従って、ロッド3がシールドフレーム51の径方向外側に撓むことはなく、セグメントSが破損することはない。
【0055】
本実施形態では、突き当て部材21が固定シュー5aに対して径方向にスライド可能に設けられており、突き当て部材21の径方向への突出量を変更する突出量調整手段24が設けられる。突出量調整手段24は油圧シリンダからなる。油圧シリンダ24は、その本体24aが固定シュー5aに固定され、本体24aからシールドフレーム51の径方向に伸長・縮退可能なロッド24bの先端部に突き当て部材21の台座22が固定される。油圧シリンダ24のロッド24bを伸長・縮退させることで突き当て部材21の突出量を変更できる。
【0056】
シールドジャッキ20のロッド3には、ロッド3の外面とシールドフレーム51の内面との間の距離L3を検出するセンサー(検出手段)25が設けられており、センサー25と油圧シリンダ24とが制御装置26に接続されている。センサー25の検出値が制御装置26に入力され、制御装置26はその検出値に応じて油圧シリンダ24を制御して突き当て部材21の突出量を調整する。これによって、突き当て部材21とシールドフレーム51の内面とが常に適切な押し付け力で接触する。例えば、シールド掘進機が湾曲したトンネルを掘削するときなどは、ロッド3とシールドフレーム51との間の距離L3が変化する場合があるので、その変化に応じて突き当て部材21の突出量を適宜調整する。なお、センサー25は偏心金物4又はシュー5とシールドフレーム51の内面との間の距離を検出するものであっても良い。
【0057】
本実施形態の推進装置によれば、突き当て部材21によりロッド3の撓みが防止されるため、セグメントSが破損することはない。
【0058】
これまで、泥水式シールド掘進機に適用した例を説明したが、本発明はあらゆる掘進機に適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、シールドジャッキのロッドの撓みに起因するセグメントの破損をより効果的に防止できるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る推進装置のシールドジャッキの側面図である。
(b)は図1(a)のシールドジャッキがシールドフレームの径方向内側に揺動した状態を示す側面図である。
【図2】偏心金物及びシューの拡大断面図である。
【図3】シールドジャッキをロッドの撓み角度と同じ角度だけシールドフレームの径方向内側に揺動させた状態を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る推進装置のシールドジャッキの側面図である。
【図5】泥水式シールド掘進機の側面断面図である。
【図6】(a)従来の推進装置のシールドジャッキの側面図である。
(b)従来の推進装置のシールドジャッキにおいて、ロッドの撓みに伴ってセグメントが破損する状態を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 シールドジャッキ
2 ジャッキ本体
3 ロッド
4 偏心金物
5 シュー
5a 固定シュー
5b スライドシュー
12 アクチュエータ(油圧シリンダ)
13 センサー(検出手段)
21 突き当て部材
24 突出量調整手段
25 センサー(検出手段)
51 シールドフレーム
S セグメント

Claims (9)

  1. シールドジャッキのロッドを、シールドフレームの径方向外側に延出した偏心金物を介して既設セグメントに当接させてシールド掘進機を推進させるシールド掘進機の推進装置において、
    上記ロッドが撓んだとき又は傾いたときにその撓み又は傾きを吸収するように、上記シールドジャッキを上記シールドフレームの径方向に揺動可能に設けたことを特徴とするシールド掘進機の推進装置。
  2. 上記シールドジャッキは、上記ロッドが上記シールドフレームの径方向外側に撓んだとき又は傾いたときに、上記シールドフレームの径方向内側に上記ロッドの撓み又は傾斜角度とほぼ同じ角度で傾斜する請求項1記載のシールド掘進機の推進装置。
  3. 上記シールドジャッキのロッドが撓んだとき又は傾いたときに、上記シールドジャッキを上記シールドフレームの径方向内側に上記ロッドの撓み又は傾斜角度とほぼ同じ角度だけ揺動させるアクチュエータを備えた請求項1又は2記載のシールド掘進機の推進装置。
  4. 上記シールドジャッキのロッドの伸長量及び/又はロッドの伸長圧力を検出する手段を備え、上記アクチュエータは上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させる請求項3記載のシールド掘進機の推進装置。
  5. 上記シールドジャッキの上記ロッド又は偏心金物と上記シールドフレームとの間の距離を検出する手段を備え、上記アクチュエータは上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させる請求項3記載のシールド掘進機の推進装置。
  6. 上記偏心金物に取り付けられ、上記セグメントに当接されるシューを備え、該シューが、上記偏心金物に対して固定された固定シューと、該固定シューに対して上記シールドフレームの径方向にスライド可能に取り付けられたスライドシューとを備え、上記スライドシューと上記固定シューとの変位量を検出する手段を設け、上記アクチュエータは上記手段の検出値に応じて上記シールドジャッキを揺動させる請求項3記載のシールド掘進機の推進装置。
  7. シールドジャッキのロッドを、シールドフレームの径方向外側に延出した偏心金物を介して既設セグメントに当接させてシールド掘進機を推進させるシールド掘進機の推進装置において、
    上記ロッドが上記シールドフレームの径方向に撓む又は傾くことを防止すべく、上記ロッド又は偏心金物に、上記シールドフレームの径方向外側に突出して上記シールドフレームと接触する突き当て部材を設けたことを特徴とするシールド掘進機の推進装置。
  8. 上記突き当て部材の突出量を変更する突出量調整手段と、上記ロッド又は偏心金物と上記シールドフレームとの間の距離を検出する手段とを備え、上記突出量調整手段は、上記手段の検出値に応じて上記突き当て部材の突出量を変更する請求項7記載のシールド掘進機の推進装置。
  9. 上記偏心金物に取り付けられ、上記セグメントに当接されるシューを備え、該シューが、上記偏心金物に対して固定された固定シューと、該固定シューに対して上記シールドフレームの径方向にスライド可能に取り付けられたスライドシューとを備え、上記固定シューに上記突き当て部材が設けられる請求項7又は8記載のシールド掘進機の推進装置。
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