JP2002256796A - シールド掘進機とその予備カッター装置 - Google Patents

シールド掘進機とその予備カッター装置

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JP2002256796A
JP2002256796A JP2001059425A JP2001059425A JP2002256796A JP 2002256796 A JP2002256796 A JP 2002256796A JP 2001059425 A JP2001059425 A JP 2001059425A JP 2001059425 A JP2001059425 A JP 2001059425A JP 2002256796 A JP2002256796 A JP 2002256796A
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cutter
guide rod
cutter bit
spare
spoke
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JP2001059425A
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English (en)
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Susumu Uchiyama
進 内山
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備カッターが必要なときに突出させて使用
でき、使用時には予備カッターが振動等を起こすことな
く確実に支持され、予備カッターを突出させるためのジ
ャッキ等に小容量で小型の駆動装置が使用でき、カッタ
ーヘッド内の限られたスペース内に容易に設置できる予
備カッター装置を提供する。 【解決手段】 スポーク32又はリング状フレーム31
にカッタービット41の突出用開口42を設け、該開口
42より内方へ向けてガイド壁44を形成し、カッター
ビット41を先端に固定したガイドロッド45をガイド
壁44に沿って外方へ突出自在に配装するとともに、ガ
イドロッド45をスポーク32又はリング状フレーム3
1内に固設したジャッキ46に進退可能に取り付け、ガ
イドロッド45の基部に凹状係合部45aを形成し、該
係合部45aに係合可能なカム47を転回自在に軸支し
て係合部45aとの係合方向にスプリング48にて付勢
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トンネル掘削用
のシールド掘進機に関するもので、詳しくは前端に設け
られるカッターヘッドにおいて必要な時に突出させて使
用できる予備カッター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の予備カッター装置に関する先行
技術に、たとえば特許2569374号掲載公報に記
載のシールド掘進機のカッター板、特開平8−312
293号公報に記載のシールド掘進機、特開平10−
169374号公報に記載のトンネル掘削機がある。
の公報に記載のカッター板は、カッタービット保持部材
に対しカッター板の半径方向に一定間隔で配設したカッ
タービットの突出長さを、油圧シリンダを介して調節可
能に構成した装置、の公報に記載のシールド掘進機
は、複数のカッタービットの一部を先行ビットとして他
のカッタービットより先行させるとともに、先行ビット
の先端がジャッキを介して他のカッタービットの先端よ
りも前後方向に進退するように構成した装置、の公報
に記載のトンネル掘削機は、複数のカッタービットを有
するカッターヘッドのスポークに隣接して前後方向に摺
動可能な摺動体を設け、この摺動体に設けたカッタービ
ットを駆動手段により前記スポークのカッタービットと
相対的に駆動させるように構成した装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た各公報に記載の複数のカッタービットを他のカッター
ビットに対し移動させる装置は、つぎのような点で改良
すべき余地がある。すなわち、いずれの装置も、複数の
カッタービットをジャッキ若しくはシリンダ等の駆動手
段により所定位置に移動させて保持する構造からなって
いる。このため、トンネル掘削時に切羽からの反力を受
けてカッタービットが前後に振動し切羽が不安定になる
など掘削作業が安定せず、またカッタービットに作用す
る反力が極めて大きいので、駆動手段に容量の大きな大
型の装置を使用しなければならず、カッターヘッド内の
限られた空間内に設置する関係上、設置が難しいだけで
なく、設置できない場合も生じている。
【0004】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、予備カッターが必要なときに前方または半径方向外
方へ突出させて使用でき、しかも使用時には予備カッタ
ーが振動等を起こすことなく確実に支持され、また予備
カッターを突出させるためのジャッキ等に小容量で小型
の駆動装置が使用でき、カッターヘッド内の限られたス
ペース内に容易に設置できる、シールド掘進機の予備カ
ッター装置を提供することを目的としている。
【0005】また、この発明の予備カッター装置は、掘
削の予定のトンネルの途中あるいは最終段階でも、グラ
スファイバーにコンクリートを混合したNOMST(ノ
ムスト)と称される壁面を掘削できるようにすることを
も目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明に係るシールド掘進機の予備カッター装置
は、円筒状のシールドを備えた掘進機本体の前端に装備
されるカッターヘッドのスポーク内または面板内にカッ
タービットの突出用開口を設け、該開口より内方へ向け
てガイド壁を形成し、カッタービットを先端に固定した
ガイドロッドを前記ガイド壁に沿って外方へ突出自在に
配装するとともに、前記ガイドロッドを前記スポーク内
または面板内に固設したジャッキ等の駆動装置により進
退可能に構成し、前記ガイドロッドの基部に凹状係合部
を形成し、該係合部に係合可能なカムを転回自在に軸支
して前記係合部との係合方向に付勢して係合後の前記ガ
イドロッドの後退を不可能にしたこと―を特徴としてい
る。
【0007】上記した構成を有する本発明の予備カッタ
ー装置によれば、予備カッターの必要時にジャッキを伸
長して開口よりカッタービットを外方へ突出させる。カ
ッタービットはガイド壁にガイドロッドが支持されなが
ら外方へ摺動され突出する。このとき、ガイドロッドは
係合方向に付勢されているカムに接触しつつ外方へ摺動
する。そして、ガイドロッドの凹状係合部がカムの位置
まで移動した時に、カムが付勢力を受けてガイドロッド
側へ転回し係合部に係合する。そこで、ジャッキ等の駆
動装置をやや引き戻すように収縮することにより、ガイ
ドロッドの凹状係合部とカムとが確実に係合され、カッ
タービットは突出状態に保持される。この状態でカッタ
ーヘッドを回転して掘削作業を行なうことにより、切羽
からの反力(スラスト力)はカムを介してその支軸で支
持されるので、構造的に安定し、大きなスラスト力が作
用してもカッタービットが後退して切羽が不安定になる
ことがなく、掘削作業が安定する。また、掘削作業時に
駆動装置にはスラスト力が作用しないので、駆動装置は
カッタービットを押し出せるだけの推力の小さいもので
充分で小型の駆動装置を使用できるために、スポーク内
または面板内の限定された空間に容易に設置できる。
【0008】請求項2に記載のように、前記ガイドロッ
ドの基部に前記凹状係合部を2段階以上形成し、前記カ
ッタービットを2段階以上突出可能にすることができ
る。
【0009】請求項2記載の予備カッター装置によれ
ば、一回で突出する予備カッタービットの突出量が大き
くなり過ぎると切羽が不安定になるので、カッタービッ
トがある程度摩耗したときに再度突出させられ、また、
そのように段階的に突出させることで、予備カッタービ
ットの寿命も延びる。さらに、2段以上のカッタービッ
トを段階的にずらせて設けることと組み合わせることに
より、カッタービットが摩耗したときに新しいカッター
ビットに替えて掘削することができる。
【0010】請求項3に記載のように、前記カッタービ
ットを前記ガイドロッドと一体的に形成することができ
る。
【0011】この構成により、構造が簡素化され、強度
も向上するうえ、前記突出遊底開口に生じる不要な空間
をなくすことができる。
【0012】請求項4に記載のように、前記カムを係合
方向にスプリングにより付勢することができる。
【0013】この構成により、カムの付勢力を簡単に調
整できる。
【0014】請求項5に記載のように、一つの前記突出
用開口に対して複数のカッタービットを先端に固定した
ガイドロッドを前記ガイド壁に沿って外方へ突出自在に
配装するとともに、少なくとも一台のジャッキにより進
退可能に構成することができる。
【0015】請求項5の構成により、全体構造が簡単に
なり、コスト低減が図られ、またジャッキによりガイド
ロッドを進退させることで、強力な前進力が期待できる
ので、地山からの反力に対抗して確実にカッタービット
を突出させられる。また、ジャッキが一台で不十分なと
きには二台以上に増やして前進力を増強することも容易
である。
【0016】請求項6に記載のように、前記カッタービ
ットがノムスト(NOMST)壁の掘削に対応できるも
のであってもよい。
【0017】この構成により、掘削予定のトンネルの途
中や最終位置にノムスト壁が設けられている場合にも、
予備カッタービットを突出させて新しいカッタービット
でノムスト壁を掘削することができる。ノムスト壁は周
知のようにグラスファイバーとコンクリートとの混合材
で形成されており、一軸圧縮強度が200〜700kg
/cm2と非常に高いため、地山に比べてはるかに掘削
しにくいが、油圧ロックに比べて構造が簡単で確実なメ
カニック的固定機構であるカムを用いてカッタービット
を固定しているので、掘削時に振動が起こりにくく、確
実に掘削できる。
【0018】請求項7に記載のシールド掘進機は、前記
カッターヘッドが表裏に複数のカッタービットを一定間
隔で設けた複数本の回転スポークを円周方向に間隔をあ
けて備えるとともに、各回転スポークは半径方向の中間
位置あるいは中心部で軸受により回動自在に支持され、
前記軸受を挟んで円周方向に前記面板に配設されるリン
グ状フレームあるいは該フレームより外周側の半径方向
に延設されたスポークの前面に、請求項1〜6のいずれ
かに記載の上記した予備カッター装置を設けている。
【0019】請求項7に記載のシールド掘進機によれ
ば、比較的長距離のトンネル掘削を行なう場合に、回転
スポークの表(切羽)側のカッタービットが摩耗限度に
達したときに回転スポークを半回転(180゜回転)さ
せて裏側のカッタービットを切羽側に向けて掘削作業を
継続できる。そして、たとえばトンネル掘削の途中にノ
ムスト壁が設けられている場合には、表側のカッタービ
ットが摩耗限度に達していなくても回転スポークを半回
転させて裏側の新しいカッタービットをノムスト壁に向
けるとともに、回転スポークの半径方向の中間位置にあ
る軸受の位置から予備カッタービットを前方へ突出させ
るか、あるいはリング状フレームより外周側のスポーク
の前面から予備カッタービットを突出させ、ノムスト壁
に対し掘削作業を行なうことによりノムスト壁に対して
も確実に開口部(トンネル)を掘削することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシールド掘進
機およびその予備カッター装置の実施の形態を図面に基
づいて詳述する。
【0021】図1は本発明のシールド掘進機の実施例を
示す中央縦断面図、図2は図1のII−II方向矢視図で一
部を省略したもの、図3は図1のIII−III方向矢視図で
一部を省略したもの、図4は図2のIV−IV線断面図で、
図4(a)はカッタービットが収納された状態を表し、
図4(b)はカッタービットが突出された状態を表して
いる。図1に示すように、シールド掘進機1は、円筒状
のシールド2の前端にカッターヘッド3を備えており、
このカッターヘッド3はバルクヘッド4に回動自在にセ
ンター支持され、複数のモータ5によりリングギヤ6を
介して回転する。カッターヘッド3とバルクヘッド4と
の間の空間部は泥圧室7に構成され、掘進機1の後方か
ら泥水供給管8一端がバルクヘッド4を貫通して泥圧室
7に接続されている。一方、泥水排出管9がバルクヘッ
ド4を貫通して泥圧室7から掘進機1の後方に配管され
ている。泥水供給管8および泥水排出管9は、泥圧室7
との接続側が複数に分岐され、各分岐管が泥圧室7に接
続されている。
【0022】シールド2内の長手方向(前後方向)の中
間位置には、複数本のシールドジャッキ10が円周方向
に間隔をあけ且つピストンロッド10aを後方へ向けて
配設されている。また、シールドジャッキ10のやや後
部寄りに、エレクター装置11が旋回自在に配設され、
さらにシールド2の後端部にテールシール(図示せず)
が装着されている。なお、図1中の符号12はアジテー
タで、泥圧室7内の泥水を撹拌する。また符号Sはセグ
メントピースで、エレクター装置11によりシールド掘
進機1の後方にリング状に構築される。
【0023】図2に示すように、カッターヘッド3は、
半径方向のほぼ中間位置にリング状フレーム31を備
え、このフレーム31に内装された軸受(不図示)によ
り回転スポーク32が円周方向に90゜の間隔をあけて
中心軸線回りに転回可能に支持されている。また回転ス
ポーク32間の円周方向の中間位置に非回転スポーク3
3がセンターカッター36から半径方向外方に配設さ
れ、さらに回転スポーク32と非回転スポーク33間の
円周方向の中間位置にはそれぞれ非回転スポーク34・
35がフレーム31から半径方向外方に配設されてい
る。なお、回転スポーク32、非回転スポーク33〜3
5の両側には、一定幅の土砂取込み口30aが面板30
に開設されている。
【0024】回転スポーク32は、表側の両側縁部上に
沿って多数のカッタービット32aが一定間隔毎に前方
へ突設され、また裏側の両側縁部上に沿っても図3のよ
うに多数のカッタービット32aが一定間隔毎に前方へ
突設されている。さらに回転スポーク32上の軸受の位
置にはカッタービット32aは設けられないので、軸受
の位置の両側にカッタービット32bが回転不可の形態
で側方へ突設されている。非回転スポーク33〜35
は、両側縁部に沿って多数のカッタービット33b〜3
5bが一定間隔毎に突設されている。
【0025】非回転スポーク34・35のうちの一方3
4は、半径方向の外端(先端)にフレーム34f内に内
装されたジャッキ34j(図1参照)により外方へ出入
りするコピーカッター34cを備えており、トンネル屈
曲部などでコピーカッター34cを突出させて掘削作業
を行なうようになっている。また、他方の非回転スポー
ク35の前面およびこれに隣接するリング状フレーム3
1の前面には、予備カッタービット41の突出用開口4
2・43がそれぞれ穿設されている。
【0026】図4に示すように、開口42・43より内
方へ向けて所定深さのガイド壁44がそれぞれ全周にわ
たり形成されている。各開口42・43に対応する形状
のガイドロッド45、つまり非回転スポーク35側は正
面より見て半径方向に延びた長方形からなり、リング状
フレーム31側は横長の長方形あるいは円形状からな
り、各イドロッド45の先端面(前面)に予備カッター
ビット41が前方へ向けて突設されている。非回転スポ
ーク35側ガイドロッド45には、長手方向に間隔をあ
けて複数の予備カッタービット41が突設されている。
それらの各ガイドロッド45は、それぞれガイド壁44
に沿って前後方向に摺動自在に配装され、ガイド壁44
の内端寄りに設けられた環状溝44aにリング状の止水
シール44bが嵌め込まれている。なお、予備カッター
ビット41は、本例ではとくにノムスト壁に対して切削
性に優れたものを使用している。なお、予備カッタービ
ット41を、図6のようにガイドロッド45と一体に形
成してもよい。
【0027】ガイドロッド45は、非回転スポーク35
内の底板またはリング状フレーム31内の底板にロッド
46aを開口42・43に向けてジャッキ46が進退自
在に固設された、各ロッド46aの先端部にピン46b
を介して軸着されている。非回転スポーク35側のガイ
ドロッド45は開口42に対応して長尺であるので、2
本〜3本のジャッキ46のロッド46aに軸着されてい
る。各ガイドロッド45の基部の両側は、内側に向けて
半円弧状の凹状係合部45aに形成されている。一方、
両側の各凹状係合部45aに対応する略U形のカム47
が、前記ガイド壁44のやや内方において回転軸49に
より転回自在に軸支され、カム47の先端側がスプリン
グ48によりガイドロッド45側へ付勢されている。
【0028】以上のようにして、本実施例に係る予備カ
ッター装置40が構成される。この予備カッター装置4
0は、使用時に次のように動作する。すなわち、使用さ
れるまでは図4(a)のように、ジャッキ46は収縮状
態で、予備カッタービット41はガイドロッド45とと
もに開口42・43内に引き込まれている。この状態
で、各カム47の先端側はスプリング48に付勢されて
ガイドロッド45に接触している。またガイドロッド4
5の先端部はガイド壁44に接触し、かつ止水シール4
4bによって開口42・43から内部へ浸水するのが防
止されている。
【0029】そして、予備カッターの使用時にはジャッ
キ46を伸長し、ロッド46aを前方へ押し出すことに
よりガイドロッド45がガイド壁44壁に沿って摺動し
つつ前進し、予備カッタービット41が開口42・43
からそれぞれ前方へ突出する。これとほぼ同時に両側の
カム47の先端部がスプリング48の付勢力を受け、ガ
イドロッド45の凹状係合部45a側へ転回し、凹状係
合部45aに係合する。ここで、ジャッキ46をわずか
に引き込めば係合状態が一層確実になる。この状態で、
図4(b)のようにガイドロッド45の先端面が非回転
スポーク35およびリング状フレーム31の前面にほぼ
面一になり(同一面でなくてもよい)、予備カッタービ
ット41が突出した状態に堅固に支持される。なお、と
くにガイドロッド45を押し込む方向に対しては、カム
47によってガイドロッド45が後退するのが阻止され
るために、予備カッタービット41による掘削作業時に
カッタービット41ががたつくことがない。このため、
たとえばトンネル掘削予定の途中あるいは最終場所にお
いて、ノムスト壁をスムーズにかつ確実に掘削すること
ができる。
【0030】図5は予備カッター装置の別の実施例を示
す断面図で、本例の装置40’が上記実施例と相違する
ところは以下の点である。すなわち、図5に示すよう
に、カムの形状を略台形のカム47’に変更するととも
に、ガイドロッド45’にはカム47’の先端角部47
aが係合可能な略直角な凹状係合部45b・45aを外
壁側から内側下端部にかけて上下2段階に形成し、カム
47’を挟むように回転軸49の周囲に巻装した捩りコ
イルスプリング(図示せず)によりカム47’の先端側
をガイドロッド45側へ付勢したこと、またこれに伴っ
てジャッキ46’を2段階に前進するように構成したこ
と、さらにガイドロッド45’には、長手方向に間隔を
あけて複数のカッタービット41a・41bをジャッキ
46’の突出量に応じ2段階に突出量を変えて突設した
ことである。
【0031】したがって、本例の予備カッター装置4
0’によると、ジャッキ46’を1段階前進させ、まず
突出量の大きな予備カッタービット41aを開口42よ
り外方へ突出させて掘削作業を行なう、そして1段目の
予備カッタービット41aが磨損したときに、ジャッキ
46’を最大限に突出させることにより2段目の予備カ
ッタービット41bを開口42より突出させて掘削作業
を行なうことができる。1段目および2段目のいずれの
場合にも、カム47’の先端角部47aがガイドロッド
45’の凹状係合部45aまたは45bに係合し、予備
カッタービット41a・41bが切羽側からの反力を受
けても後退しない。
【0032】また、図示は省略するが、一つの予備カッ
タービットを段階的に2段階あるいはそれ以上に分けて
突出できるようにすることもできる。一回で突出する予
備カッタービットの突出量が大きくなり過ぎると切羽が
不安定になるので、カッタービットが一定量摩耗したと
きに再度突出させる。そして、そのように段階的に突出
させることで、予備カッタービットの寿命も延長され
る。
【0033】上記に本発明の予備カッター装置について
実施例を説明したが、本発明の予備カッター装置は、カ
ッターヘッド3の面板30内やフレーム31内など空間
部があれば、とくに配置する場所は限定されるものでは
なく、またガイドロッド45の形状や1つのガイドロッ
ド45に配置されるカッタービット41の個数について
も限定されるものではなく、さらにカッターヘッド3よ
り突出させるカッタービットの向きも前方に限らず、半
径方向外方であってもよい。また駆動装置にはジャッキ
46のほか、油圧シリンダなどを使用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明に係るシールド掘進機の予備カッター装置には、
次のような優れた効果がある。
【0035】(1)請求項1に記載の装置では、予備カ
ッターが必要なときにだけ前方等へ突出させて使用で
き、しかも使用時には予備カッターが振動等を起こすこ
となく確実に支持されるから、ノムスト壁に対しても確
実にトンネルを掘削できる。また、大きなスラスト力が
作用してもカッタービットが後退することがなく、掘削
作業が安定する。また掘削作業時にジャッキ等にはスラ
スト力が作用しないので、ジャッキ等はカッタービット
を押し出せるだけの推力の小さいもので充分で、小型の
ジャッキ等を使用できるので、カッターヘッド内の限ら
れたスペース内に容易に設置できる。
【0036】(2)請求項2記載の装置では、カッター
ビットの突出量が大きくなり過ぎると切羽が不安定にな
ることがあるが、カッタービットの一回の吐出量を小さ
くしてある程度摩耗したときに再度突出させられるの
で、切羽が不安定にならず、予備カッタービットの寿命
も延びる。
【0037】(3)請求項3に装置では、前記カッター
ビットを前記ガイドロッドと、一体的に形成できるか
ら、構造が簡素化され、強度も向上するうえ、前記突出
遊底開口に生じる不要な空間をなくすことができる。
【0038】(4)請求項4に記載のように前記カムを
係合方向にスプリングにより付勢することにより、カム
の付勢力を簡単に調整でき、また請求項5に記載のよう
に少なくとも一台のジャッキにより進退可能に構成する
ことにより、全体構造がシンプルになりコストが低減さ
れ、ジャッキによりガイドロッドを進退させることで、
強力な前進力が期待できるので、地山からの反力に対抗
して確実にカッタービットを突出させられるうえに、ジ
ャッキが一台で不十分なときには二台以上に増やして前
進力を増強することも容易にできる。
【0039】(5)請求項6に記載の装置では、掘削予
定のトンネルの途中や最終位置にノムスト壁が設けられ
ている場合にも、予備カッタービットを突出させて新し
いカッタービットでノムスト壁を掘削することができる
とともに、地山に比べてはるかに掘削しにくいが、油圧
ロックに比べて構造が簡単で確実なメカニック的固定機
構であるカムを用いてカッタービットを固定しているの
で、掘削時に振動が起こりにくく、確実に掘削できる。
【0040】(6)請求項7に記載のシールド掘進機で
は、比較的長距離のトンネル掘削を行なう場合に、回転
スポークの表(切羽)側のカッタービットが摩耗限度に
達したときに回転スポークを半回転(180゜回転)さ
せて裏側のカッタービットを切羽側に向けて掘削作業を
継続でき、とくにトンネル掘削の途中にノムスト壁が設
けられている場合でも、表側のカッタービットが摩耗限
度に達していなくても回転スポークを半回転させて裏側
の新しいカッタービットをノムスト壁に向け、ノムスト
壁に対し掘削作業を行なうことによりノムスト壁に対し
ても確実に開口部(トンネル)を掘削することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る予備カッター装置を備えたのシー
ルド掘進機の実施例を示す中央縦断面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図で、一部(3/4)を
省略している。
【図3】図1のIII−III方向矢視図で、一部(3/4)
を省略している。
【図4】図2のIV−IV線断面図で、図4(a)はカッタ
ービットが収納された状態を表し、図4(b)はカッタ
ービットが突出された状態を表している。
【図5】本発明に係る予備カッター装置の別の実施例を
示す断面図で、図5(a)は1・2段目のカッタービッ
トが収納された状態を、図5(b)は1段目のカッター
ビットが突出された状態を、図5(c)は2段目のカッ
タービットが突出された状態を、それぞれ表している。
【図6】予備カッタービットをガイドロッドに一体に形
成した構造の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 シールド 3 カッターヘッド 10 シールドジャッキ 11 エレクター装置 31 リング状フレーム 32 回転スポーク 33〜35 非回転スポーク 32a・32b カッタービット 33b〜35b カッタービット 40 予備カッター装置 41 予備カッタービット 42・43 突出用開口 44 ガイド壁 45・45’ ガイドロッド 45a・45b 凹状係合部 46 ジャッキ 47・47’ カム 48 捩りコイルスプリング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のシールドを備えた掘進機本体の
    前端に装備されるカッターヘッドのスポーク内または面
    板内にカッタービットの突出用開口を設け、該開口より
    内方へ向けてガイド壁を形成し、 カッタービットを先端に固定したガイドロッドを前記ガ
    イド壁に沿って外方へ突出自在に配装するとともに、前
    記ガイドロッドを前記スポーク内または面板内に固設し
    たジャッキ等の駆動装置により進退可能に構成し、 前記ガイドロッドの基部に凹状係合部を形成し、該係合
    部に係合可能なカムを転回自在に軸支して前記係合部と
    の係合方向に付勢して係合後の前記ガイドロッドの後退
    を不可能にしたこと―を特徴とするシールド掘進機の予
    備カッター装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイドロッドの基部に前記凹状係合
    部を2段階以上形成し、前記カッタービットを2段階以
    上突出可能にした請求項1記載のシールド掘進機の予備
    カッター装置。
  3. 【請求項3】 前記カッタービットを前記ガイドロッド
    と一体的に形成した請求項1又は2記載のシールド掘進
    機の予備カッター装置。
  4. 【請求項4】 前記カムを係合方向にスプリングにより
    付勢した請求項1〜3のいずれかに記載のシールド掘進
    機の予備カッター装置。
  5. 【請求項5】 一つの前記突出用開口に対して複数のカ
    ッタービットを先端に固定したガイドロッドを前記ガイ
    ド壁に沿って外方へ突出自在に配装するとともに、少な
    くとも一台のジャッキにより進退可能に構成した請求項
    1〜4のいずれかに記載のシールド掘進機の予備カッタ
    ー装置。
  6. 【請求項6】 前記カッタービットがノムスト壁の掘削
    に対応できるものである請求項1〜5のいずれかに記載
    のシールド掘進機の予備カッター装置。
  7. 【請求項7】 前記カッターヘッドが表裏に複数のカッ
    タービットを一定間隔で設けた複数本の回転スポークを
    円周方向に間隔をあけて備えるとともに、各回転スポー
    クは半径方向の中間位置あるいは中心部で軸受により回
    動自在に支持され、 前記軸受を挟んで円周方向に前記面板に配設されるリン
    グ状フレームあるいは該フレームより外周側の半径方向
    に延設されたスポークの前面に、請求項1〜6のいずれ
    かに記載の予備カッター装置を設けたシールド掘進機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016079632A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 飛島建設株式会社 シールド掘削機のカッタヘッド
WO2017124431A1 (zh) * 2016-01-22 2017-07-27 青岛静力工程股份有限公司 地下工程挤入装置
CN110725692A (zh) * 2019-11-22 2020-01-24 中交隧道工程局有限公司 一种盾构机伸缩式中心切削刀装置
JP2020084526A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 株式会社熊谷組 カッタービット及びカッターヘッド

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