JP2006274651A - シールドジャッキ - Google Patents

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Ikuo Oe
郁夫 大江
Kenji Mito
憲二 三戸
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】シールド掘進機に用いるシールドジャッキにおいて、推力作用時にジャッキロッドの先端部が法線方向の外側へ変形するのを抑止して、セグメントに発生するクラックや欠けなどの不具合の発生を防止する。
【解決手段】シールド掘進機においてスキンプレート1の内周面にその周方向に沿って配置され、組み立てられたセグメント3を押圧して推力を発生させるシールドジャッキ4において、変形抑止材9が推力によりジャッキロッド6の先端部が法線方向の外側へ変形するのをスキンプレート1に反力を取って抑止する。これにより、組み立てられたセグメント3を法線方向の外側に押し出そうとする力が軽減され、セグメント3の変形が抑えられ、クラックや欠けなどの不具合の発生が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シールド掘進機に用いられるシールドジャッキに関する。
図2に示すように、シールド掘進機に用いられるシールドジャッキ4は、スキンプレート1の内周面にその周方向に沿って配置され、そのジャッキロッド6を後方へ伸長して、組み立てられたセグメント3を介してシールド機を前進させる推力を発生させている。
例えば、シールドジャッキ4の中心とセグメント3の断面中心が偏心している場合には、ジャッキロッド6の先端部に偏心金具7が着脱可能に固着され、偏心金具7のセグメント3側にはセグメント3の断面中心に合う位置にスプレッダー8が揺動自在に取り付けられている。そして、シールドジャッキ4に対してスプレッダー8から偏心金具7を介して推力を伝達するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−93571号公報
しかし、シールドジャッキ4の中心とスプレッダー8の中心に偏心があるため、シールドジャッキ4には推力が作用している時に法線方向の外向きの曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントにより、シールドジャッキ4が法線方向の外側に変形しようとし、セグメント3に対しては法線方向の外側に押し出そうとする押出し力が作用することになる。
特に、シールド機に中折れを設けると、偏心量が大きくなり、セグメント3に作用する押出し力が大きくなる。また、曲線施工または方向修正時に、例えば、左右方向にシールド機を回転する時に、片側だけジャッキを使用すると、組み立てられたリング状のセグメント3に作用する押出し力は、左右方向よりも上下方向のほうが大きくなり、リング状のセグメント3は上下に伸びて左右に縮んだ状態に変形する。
ところで、セグメント3は、施工コストの縮減のため薄くなりつつある。一方、大深度などの硬質地盤での施工では大きな推力が必要となり、セグメント3に作用する施工時の荷重は大きくなる傾向にある。また、曲線施工または方向修正時には、使用するシールドジャッキ4が少なくなるため、1本当たりのジャッキ推力が大きくなる。
このように、薄くなったセグメント3に大きなジャッキ推力を偏心して作用させると、セグメント3を変形させ、セグメント3にクラックや欠けなどの不具合を発生させやすい。
本発明の課題は、シールド掘進機に用いるシールドジャッキにおいて、推力作用時にジャッキロッドの先端部が法線方向の外側へ変形するのを抑止して、セグメントに発生するクラックや欠けなどの不具合の発生を防止することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、シールド掘進機においてスキンプレート1の内周面にその周方向に沿って配置され、組み立てられたセグメント3を押圧して推力を発生させるシールドジャッキ4であって、前記推力によりジャッキロッド6の先端部が法線方向の外側へ変形するのを、前記スキンプレート1に反力を取って抑止する変形抑止材9を備えることを特徴とする。
このように、変形抑止材9によりスキンプレート1から反力を取って、推力作用時にジャッキロッド6の先端部が法線方向の外側へ変形するのを抑止することにより、組み立てられたセグメント3が法線方向の外側に押し出そうとする力を軽減して、セグメント3の変形を抑え、クラックや欠けなどの不具合を防ぐことができる。
なお、変形抑止材9とスキンプレート1の内周面との間に、セグメント3の変形が許容される範囲内で隙間を設けてよい。例えば、変形抑止材9を棒部材として、その端部とスキンプレート1との間に隙間を設けて、スキンプレート1に変形があっても、ジャッキロッド6の伸縮に支障がないようにすることができる。
また、変形抑止材9がジャッキロッド6の動きに連動してスキンプレート1の内周面に接触する場合には、スキンプレート1との間の摩擦係数を小さくすることが望ましい。例えば、変形抑止材9が鋼等の金属材料であれば、その接触面を滑らかにしたり、その端部のエッジを丸くしたりすることが望ましい。さらに、接触面に潤滑材を塗布してもよい。また、変形抑止材9の少なくとも接触部分に摩擦係数の小さい材料、例えばテフロン(登録商標)などの樹脂材料を用いてもよい。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載のシールドジャッキ4において、前記変形抑止材9は、前記スキンプレート1の内周面に回動可能に接する車輪11を有することを特徴とする。
このように、回動可能に接する車輪11がスキンプレート1の内面を走行することにより、ジャッキロッド6の伸縮をスムーズに行うことができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1または2に記載のシールドジャッキ4において、前記変形抑止材9は、法線方向に所定長さ伸縮可能な弾性部材(スプリング10)を有することを特徴とする。
このように、弾性部材が法線方向に所定長さ伸縮することにより、スキンプレート1に変形があっても、この変形に追従させてジャッキロッド6を伸縮させることができる。
ここで、弾性部材としては、コイルバネや板バネなどのバネ部材、ゴム製や樹脂製の部材などが挙げられる。なお、所定長さとは、セグメント3のおいて許容される変形量よりも小さいものである。また、変形抑止材9のほぼ全体を弾性部材としてもよく、変形抑止材9の一部に弾性部材を組み入れてもよい。
本発明によれば、シールド掘進機においてスキンプレートの内周面にその周方向に沿って配置され、組み立てられたセグメントを押圧して推力を発生させるシールドジャッキにおいて、変形抑止材が推力によりジャッキロッドの先端部が法線方向の外側へ変形するのをスキンプレートに反力を取って抑止する。これにより、組み立てられたセグメントを法線方向の外側に押し出そうとする力が軽減され、セグメントの変形が抑えられ、クラックや欠けなどの不具合の発生が防止される。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本実施の形態のシールドジャッキ4は、図1(a)に示すように、従来のシールド掘進機に用いられるのと同様に、スキンプレート1の内周面にその周方向に沿ってほぼ等間隔に配置され、そのジャッキロッド6を後方へ伸長して、組み立てられた鉄筋コンクリート製のセグメント3を介してシールド機を前進させる推力を発生させるものである。
シールドジャッキ4のジャッキシリンダ5は、スキンプレート1の内周面に固着されているリングウェブ材2に固定されている。また、シールドジャッキ4の中心とセグメント3の断面中心が偏心しているため、ジャッキロッド6の先端部に偏心金具7が着脱可能に固定され、偏心金具7のセグメント3側にはセグメント3の断面中心に合う位置にスプレッダー8が揺動自在に取り付けられている。そして、シールドジャッキ4に対してスプレッダー8から偏心金具7を介して推力を伝達するようになっている。
つまり、組み立てられたセグメント3に、ジャッキロッド6の先端部に取り付けられたスプレッダー8を当接し、シールドジャッキ4を伸長することによりセグメント3を押圧し、セグメント3に対する反力でシールド掘進機を前進させる。
ここで、シールドジャッキ4の中心とスプレッダー8の中心とは法線方向に偏心があるため、シールドジャッキ4に推力が作用している時に、ジャッキシリンダ5のリングウェブ材2による固定箇所を支点として法線方向の外向きの曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントにより、ジャッキロッド6の先端部が法線方向の外側に変形しようとし、セグメント3に対しては法線方向の外側に押し出そうとする押出し力が作用することになる。
そこで、本実施の形態においては、ジャッキロッド6の先端部が法線方向の外側へ変形するのを抑止する変形抑止材9を、ジャッキロッド6の先端部である偏心金具7にスキンプレート1に反力を取るように設けている。これにより、曲げモーメントによる法線方向の外向きの力を変形抑止材9を介してスキンプレート1に伝達させ、組み立てられたセグメント3における法線方向の外側への押出し力を軽減し、セグメント3の変形を抑え、クラックや欠けなどの不具合を防ぐことができる。
図1(b)に示すように、変形抑止材9は、2つの圧縮コイルバネであるスプリング10(弾性部材)とそれぞれのスプリング10に取り付けられる2つの車輪11とから構成されている。スプリング10は、その一端を偏心金具7に固定し他端をスキンプレート1に向けて、横断面方向にハの字状に開いて設けられている。車輪11は、それぞれのスプリング10の他端にスキンプレート1に回動自在に接するように設けられている。
車輪11がスキンプレート1の内周面を走行することで、ジャッキロッド6の伸縮がスムーズに行うことができ、また、スプリング10が法線方向に所定長さ伸縮することで、スキンプレート1に製作精度、施工時荷重による変形があっても、この変形に追従させてジャッキロッド6を伸縮させることができる。なお、所定長さとは、セグメント3のおいて許容される変形量よりも小さいものである。
なお、以上の実施の形態においては、ジャッキロッド6の先端部に偏心金具7を固定し、この偏心金具7にスプレッダー8を取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏心金具7及びスプレッダー8は必ずしも備えていなくても良い。
また、変形抑止材9を2本のスプリング10とそれぞれのスプリングに取り付けられる車輪11とから構成したが、スプリング10は1つであってもよく、3つ以上であってもよく、車輪も1つであってもよく、3つ以上であってもよい。弾性部材としては、圧縮コイルバネを用いたが、板バネその他のバネ部材であってもよく、所定の弾性を有するゴム製、樹脂製の部材であってもよい。また、変形抑止材をハの字状に配置したが、このような形状に限らず、その数などに応じて適宜変更可能である。さらに、変形抑止材9を弾性部材でなく棒部材として、その端部とスキンプレート1との間に隙間を設けてもよい。これらにより、スキンプレート1に変形があっても、ジャッキロッド6の伸縮に支障がない。
また、車輪を用いることなく、変形抑止材9をジャッキロッド6の動きに連動してスキンプレート1の内周面に接触させる場合には、スキンプレート1との間の摩擦係数を小さくすることが望ましい。例えば、変形抑止材9が鋼等の金属材料であれば、その接触面を滑らかにしたり、その端部のエッジを丸くしたりすることが望ましい。さらに、接触面に潤滑材を塗布してもよい。また、変形抑止材9の少なくとも接触部分に摩擦係数の小さい材料、例えばテフロンなどの樹脂材料を用いてもよい。
また、変形抑止材9の配置は、ジャッキロッド6の先端部付近が望ましいがこれに限られるものではなく、その数も適宜に変更可能である。その他具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明を適用した一実施の形態のシールドジャッキの構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は断面図である。 従来のシールドジャッキの構成を示す図である。
符号の説明
1 スキンプレート
2 リングウェブ材
3 セグメント
4 シールドジャッキ
5 ジャッキシリンダ
6 ジャッキロッド
7 偏心金具
8 スプレッダー
9 変形抑止材
10 スプリング(弾性部材)
11 車輪

Claims (3)

  1. シールド掘進機においてスキンプレートの内周面にその周方向に沿って配置され、組み立てられたセグメントを押圧して推力を発生させるシールドジャッキであって、
    前記推力によりジャッキロッドの先端部が法線方向の外側へ変形するのを、前記スキンプレートに反力を取って抑止する変形抑止材を備えることを特徴とするシールドジャッキ。
  2. 前記変形抑止材は、前記スキンプレートの内周面に回動可能に接する車輪を有することを特徴とする請求項1に記載のシールドジャッキ。
  3. 前記変形抑止材は、法線方向に所定長さ伸縮可能な弾性部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシールドジャッキ。
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