JP2004256153A - 組立式紙函 - Google Patents
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Abstract
【課題】板紙等シート状部材で形成され、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解が容易に行える紙函において、主に複数個の商品を収納した際に商品の揺動が無く、形状においては外観意匠性に優れるとともに、複数個の積み上げディスプレイが安定して行える組立式紙函を提供する。
【解決手段】矩形の背面板の左右両辺に矩形の側面板を連設し、上下両辺に傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部は天部折込連結片および底部折込連結片で連結し、側面板の一方の延長上には正面板、次いで重合側面板を順設した紙函で、天部折込連結片は傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され側面板の上辺側を貼着部とし、底部折込連結片は前記の角度と同一の角度で前記側面板の下辺から刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とした組立式紙函。
【選択図】 図4
【解決手段】矩形の背面板の左右両辺に矩形の側面板を連設し、上下両辺に傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部は天部折込連結片および底部折込連結片で連結し、側面板の一方の延長上には正面板、次いで重合側面板を順設した紙函で、天部折込連結片は傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され側面板の上辺側を貼着部とし、底部折込連結片は前記の角度と同一の角度で前記側面板の下辺から刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とした組立式紙函。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板紙等シート状部材で形成される商品の流通及び展示用紙函に関し、主に複数個の商品を収納する際、商品の揺動を無くするとともに、紙函本体の外観意匠性に優れ、特に展示に際して積み上げ展示が可能な組立式紙函に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板紙等シート状部材で形成される矩形状の底板と該底板の四辺から起立されそれぞれ対向する側板と妻板からなるトレー状紙函において、それぞれ隣接する側板と妻板の端縁を、側板の端縁に対し少なくとも45度を超える角度の折線を設けた連設板で連結する構成のブランク板であって、他の一対の側板に当接して前記連設板の折り曲げられた折線側の45度を超える三角片部分を接着剤で貼着すべく、底板の対向する二辺の折線を用いて一対の妻板を折り曲げ貼着し、前記底板の他の対向する二辺の折線と前記連設板に設けた折線を用いて立ち起こし、トレー状紙函を形成する。前記45度を超える折線により一対の対向する妻板は紙函内側に傾斜して起き上がり、一対の側板の延長上部は、先端部を半円状とした妻板の端面によって保持され、前記トレー状に形成された紙函の蓋部を形成するという容器が開示されている(例えば特許文献1参照)。この種の紙函の特徴は、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解が容易に行えるトレー状紙函で、しかも形状を蒲鉾型或いは半円柱状にできる等ディスプレイ性に優れるとともに、大きな開口部を有することで、被収容物の収容や取り出しが容易である。しかしながら、対向する妻板が紙函内部に向かって傾斜しているため、例えば被収容物が複数個の商品の場合、図5(B)に示すように紙函内部の天地寸法は明らかに差異を生じ、移送に関して被収容物の揺動しいては破損を生じる可能性があり、かつ被収容物の揺動により紙函自体の変形や破損の惧れが有った。また、立面展示において半円柱状の形状は、単体では優れたディスプレイ性を有するものであるが、天地方向となる各妻板はいずれも紙函の内側方向に傾斜しているため、複数個の積み上げディスプレイは行えないという欠点があった。
【0003】
【特許文献1】
実公昭52−8393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、その目的とするところは、板紙等シート状部材で形成され、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解が容易に行える紙函において、主に複数個の商品を収納した際に商品の揺動が無く、形状においては外観意匠性に優れるとともに、複数個の積み上げディスプレイが安定して行える組立式紙函を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題解決のために、請求項1の発明は、矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して矩形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記側面板と前記傾斜天面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記側面板と前記傾斜底面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して底部折込連結片で連結し、さらに前記側面板の左右どちらか一方の延長上には折線を介して正面板、次いで重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度と同一の角度を前記側面板の下辺との間に形成して刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされた前記傾斜天面板の端縁が前記正面板の上辺で被覆されることを特徴とする組立式紙函であって、それぞれの側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部を折込連結片で貼着連結することで、扁平に折り畳み貼り合わされた状態から組み立てられる際、折線を設けた角度により傾斜天面板は紙函の外方向に傾斜形成され、同じく折線を設けた角度により傾斜底面板は紙函の内方向に傾斜形成され、安定した平行壁面を形成することができ、紙函内部の天地方向に寸法の差異を生じることが無いので被収納物の揺動を抑えるとともに、積み上げ展示の際には下部に載置される紙函の正面板上端は、上部に積み上げ載置される紙函の正面板と傾斜底面板端部間にやや入り込み、かつ下部に載置される紙函の傾斜天面板は、上部に載置される紙函の傾斜底面板に当接して、安定した立面状態での積み上げ展示が行える。
【0006】
請求項2の発明は、矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して一方を矩形の側面板、他方を上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記矩形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部には前記傾斜天面板の側辺から折線を介して天部折込連結片が前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の上辺を切線として配設され、さらに前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の延長上には折線を介して正面板、次いで上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記それぞれの側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度を前記側面板の下辺との間に形成して同一の角度で刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされ形成される正面並びに両側面部がそれぞれ前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と正面板と上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板とで被覆されることを特徴とする組立式紙函であって、それぞれの側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部を折込連結片で貼着連結することで、扁平に折り畳み貼り合わされた状態から組み立てられる際、折線を設けた角度により傾斜天面板は紙函の外方向に傾斜形成され、同じく折線を設けた角度により傾斜底面板は紙函の内方向に傾斜形成され、安定した平行壁面を形成することができ、紙函内部の天地方向に寸法の差異を生じることが無いので被収納物の揺動を抑えるとともに、積み上げ展示の際には下部に載置される紙函の正面板上端は、上部に積み上げ載置される紙函の正面板と傾斜底面板端部間にやや入り込み、かつ下部に載置される紙函の傾斜天面板は、上部に載置される紙函の傾斜底面板に当接して、安定した立面状態での積み上げ展示が行えるうえ、傾斜天面板が上方に傾斜突出して形成される紙函上端部を含め、立ち起こされ形成される正面並びに両側面部がそれぞれ前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と正面板と上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板とで被覆されるので、見栄えの良い紙函となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の組立式紙函に係る第1の実施形態の展開平面図。図2は同じく折り畳み貼り合せ状態を示す平面図。図3は同じく組み立て途中の状態を示す斜視図。図4は同じく完成状態を示す斜視図。図5(A)は同じく被収納物を収納した状態を示す模式図。図5(B)は従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図。図6は立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図。図7(A)は本発明に係る第2の実施形態の展開平面図。図7(B)はその完成状態を示す斜視図。図8(A)は本発明に係る第3の実施形態の展開平面図。図8(B)はその完成状態を示す斜視図である。
【0008】
図1は本発明の組立式紙函に係る実施形態の展開平面図で、矩形状の背面板1の左右両側には垂直折線L1、L2を介してそれぞれ側面板2、3が連設されるとともに、前記背面板1の上側には水平折線L3を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L8、L9、両肩部を傾斜折線L21、L21´、上辺を水平折線L20で囲まれた変形六角形状の傾斜天面板4が連設され、同じく前記背面板1の下側には水平折線L4を介して、前記傾斜天面板と上下に線対称で、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L10、L11、両肩部を傾斜折線L23、L23´、下辺を水平折線L22で囲まれた変形六角形状の傾斜底面板5が連設されている。前記側面板3の左側延長上には垂直折線L16、L17、L18、L19を介して正面板傾斜部6´、正面板6、正面板傾斜部6´、重合側面板7が順に連設されるとともに、該重合側面板7の左側辺中央部には折線L24を介して差込片14が突設されている。又、前記垂直折線L1の中央部には差込溝15が穿設されるとともに、該差込溝15の中央部には前記背面板1の中心に向かって半円状の指掛孔16が穿設されている。尚、前記側面板3の上辺は前記垂直折線L2と水平折線L3の交点を基点とし、略10度強の左上がりの傾斜切線17で形成され、前記正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6の上辺に連続する。前記正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6の上辺は連続する水平切線で、組み立て状態において前記傾斜天面板4が立ち起こされ、上端辺折線L21、L20、L21´が形成する端縁部を覆う位置に配設されており、左端部から略10度強の左下がり傾斜の切線が、前記重合側面板7の上辺として配設されている。
【0009】
前記側面板2と前記傾斜天面板4との隅角部は、前記傾斜天面板4の側辺の折線L8から50度の角度で刻設された折線L12で区画される天部折込連結片8で連結され、前記水平折線L5側の三角片部分は貼着部8´である。前記側面板3と前記傾斜天面板4との隅角部は、前記傾斜天面板4の側辺の折線L9から50度の角度で刻設された折線L13で区画される天部折込連結片8で、前記傾斜切線17上方の三角片部分を貼着部8´とし、貼着部分を大きくするための突起切込18を穿設しても良い。前記側面板2と前記傾斜底面板5との隅角部は、水平折線L6から50度の角度で刻設された折線L14で区画される底部折込連結片9で連結され、前記水平折線L6側の三角片部分は貼着部9´であり、同様に前記側面板3と前記傾斜底面板5との隅角部は、水平折線L7から50度の角度で刻設された折線L15で区画される底部折込連結片9で連結され、前記水平折線L7側の三角片部分は貼着部9´である。
尚、前記傾斜天面板4の上端辺折線L21、L20、L21´の上部延長上には、それぞれ耳片11、10、11´が連設されており、前記傾斜底面板5の下端辺折線L23、L22、L23´の下部延長上には、それぞれ耳片13、12、13´が連設されている。
【0010】
図2は同実施形態の折り畳み貼り合せ状態を示す平面図で、前記側面板2、前記背面板1の上辺に設けた水平折線L5、L3を折り曲げるとともに、同じく前記側面板2、前記背面板1、前記側面板3の下辺に設けた水平折線L6、L4、L7を折り曲げ、それぞれの天部折込連結片8、8に設けられた貼着部8´、8´を前記側面板2および前記側面板3の上部内面に貼着するとともに、それぞれの底部折込連結片9、9に設けられた貼着部9´、9´を前記側面板2および前記側面板3の下部内面に貼着した状態を表している。
【0011】
図3は同実施形態の組み立て途中の状態を示す斜視図で、本発明の組立式紙函の組み立てにあたっては、前述の如くあらかじめ傾斜天面板4および傾斜底面板5とともに折り込まれ、それぞれ側面板2および3に貼着された天部折込連結片8、8と底部折込連結片9、9の折線L12、L13、L14、L15を用いて、前記傾斜天面板4および傾斜底面板5を立ち起こすとともに、連動して前記側面板2および3が起立し、図に示す如く、背面板1を底面とし、側面板2および3、傾斜天面板4、傾斜底面板5を周壁とし、正面板方向を開放した変形トレー状態となる。開放部分より被収納物を収納した後、前記前記傾斜天面板4および傾斜底面板5のそれぞれ上部延長上に連設された耳片10、11、11´および12、13、13´を紙函内側方向に折り込み、正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6を前記傾斜天面板4および傾斜底面板5の上端辺に沿わせて開放部分を閉塞し、次いで重合側面板7を前記側面板2に重合しつつ、差込片14を差込溝15に差し込んで、組み立てを完了する。
本発明の組立式紙函の使用にあたっては、前述の組み立てに使用した差込片14を差込溝15から抜き出すことによる開封方法が一般的であるが、例えば重合側面板7の長手方向にミシン刃やジッパー等の破断線構造を穿設して、その破り取りによる開封等、紙器の開封・開口に係る公知の方法を用いることができる。
【0012】
図4は本発明の組立式紙函の完成状態を示す斜視図で、前述のように組み立てられた紙函を立ち上がらせて載置した状態を表している。通常、単品での販売に当たっては、店頭における載置スペースを効率よく使用する観点から、縦置き載置されることが多く、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6を設けて表示部分を立体的にすることは、平面的表示部分を持つカートンの中で訴求力を持ち、多様な意匠表現を行うことができる。もちろん、背面板を底面とするような販売方法も可能で、例えばコーヒー、砂糖の詰め合わせギフト製品等では、平置き状態で使用されることが主となり、複数個の詰め合わせにおいては、実施形態のように立体的な正面板部分の連続が、ギフト全体の意匠効果を上げて、商品訴求を図ることができる。
【0013】
図5(A)は本発明の組立式紙函に被収納物を収納した状態を示す模式図であり、図5(B)は従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図であるが、両図とも側面板方向から見た模式図で、本発明の組立式紙函では傾斜天面板および傾斜底面板が平行に形成されるため、複数個の被収納物は長さ方向において無駄な空隙無く、タイトな状態で収納され保護される。これに対し、従来の技術の項でも述べたように、それぞれの妻板を内側に傾斜させた従来技術では、複数個の被収納物のうち上部に収納されるものはタイトになるが、下部に至るほど被収納物と妻板との間には無駄な空隙が存在することとなり、移送或いは輸送時において揺動を発生し、被収納物が破損したり、揺動の衝撃により外装が破損する惧れもある。
【0014】
図6は本発明の組立式紙函の立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図で、先にも述べたように通常、単体での販売にあたっては、店頭における載置スペースを効率よく使用する観点から、縦置き載置されることが多いが、載置条件の変化例えば量販店における陳列棚の最上段や、フロアでの陳列などでは、高さ方向にスペースが有るため、積み上げ陳列が行われる。本発明の組立式紙函の実施形態を積み上げ載置するにあたって、上段に載置される紙函の水平折線L6およびL7で折り曲げられ底部折込連結片9、9の貼着部9´、9´を貼着した側面板2および3と、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6とで形成される略三方の側壁部分と、水平折線L4で折り曲げられ天方向へ傾斜して両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6に当接する傾斜底面板5とで形成される凹み部に、下段に載置される紙函の側面板3および重合側面板7と、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6とで形成される略三方の側壁部分と、水平折線L3で折り曲げられ天方向へ傾斜して両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6に当接する傾斜天面板4とで形成される天部分の凸部が嵌まり込み、前記上段に載置される紙函の傾斜底面板5と前記下段に載置される紙函の傾斜天面板4とは当接して安定的に積み上げ載置が行える。尚、下段に載置される紙函の前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6の上辺を、前記傾斜天面板5の当接する位置よりやや上方とすれば、前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6の上辺は、上段に載置される紙函の前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6と前記傾斜底面板5の端縁部との間に挟みこまれ、より安定的に積み上げ載置を行うことができる。
【0015】
図7(A)は本発明に係る組立式紙函の、第2の実施形態の展開平面図であり、(B)はその完成状態を示す斜視図で、正面板6を平面状としたことを形状的な特徴として、矩形状の背面板1の左右両側には垂直折線L1、L2を介してそれぞれ側面板2、3が連設されるとともに、前記背面板1の上側には水平折線L3を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L8、L9、上辺を水平折線L20で囲まれた矩形状の傾斜天面板4が連設され、同じく前記背面板1の下側には水平折線L4を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L10、L11、下辺を水平折線L22で囲まれた矩形状の傾斜底面板5が連設されている。前記側面板3の左側延長上には垂直折線L16、L19を介して正面板6、重合側面板7が順に連設されている。前記正面板6は前記背面板1に対し上辺方向にやや大きい矩形状で、その上辺は組み立て状態において前記傾斜天面板4が立ち起こされ、上端辺折線L20が形成する端縁部を覆う位置に配設されており、実施形態においては上方に突出した展開となる。又、前記側面板2の垂直折線L1と水平折線L5およびL6で形成される隅角部には、前記重合側面板7の左側上下角部を差込係止するための弧状差込溝19、19´がそれぞれ穿設されている。
【0016】
前記側面板2および3と前記傾斜天面板4とのそれぞれの隅角部は、前記傾斜天面板4のそれぞれ側辺の折線L8およびL9から50度の角度で刻設された折線L12およびL13で区画されるそれぞれの天部折込連結片8、8で連結され、前記水平折線L5およびL5´側の三角片部分はそれぞれ貼着部8´、8´である。又、前記側面板2および3と前記傾斜底面板5とのそれぞれの隅角部は、水平折線L6およびL7から50度の角度で刻設された折線L14およびL15で区画されるそれぞれの底部折込連結片9、9で連結され、前記水平折線L6およびL7側の三角片部分はそれぞれ貼着部9´、9´である。
第2の実施形態の折り畳み貼り合せならびに組み立てに関しては、第1の実施形態とほぼ同じであるので説明は省略するが、前述のように、組み立てならびに被収納物の収納後、前記重合側面板7の左側上下角部を、前記側面板2の垂直折線L1と水平折線L5およびL6で形成される隅角部に穿設した弧状差込溝19、19´に差込係止して、組み立てを完了する。
【0017】
図8(A)は本発明に係る組立式紙函の、第3の実施形態の展開平面図であり、(B)はその完成状態を示す斜視図で、正面板6を湾曲して突出する曲面状としたことを特徴とする。
第3の実施形態の構成および折り畳み貼り合せならびに組み立てに関しては、第1の実施形態とほぼ同じであるので説明は省略するが、傾斜天面板4および傾斜底面板5のそれぞれの端縁部分には耳片を連設せず、弧状の端縁をすることにより、正面板6の湾曲を保持する。
【0018】
【発明の効果】
本発明の組立式紙函は、前述のような構成を持つことで、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解を容易に行うことができる。
また、本発明の組立式紙函では傾斜天面板および傾斜底面板が平行に形成されるため、複数個の被収納物の長さ方向において紙函との間に無駄な空隙が生じず、移送の際に揺動しないタイトな状態で収納され、保護することができる。
【0019】
本発明の組立式紙函は、上段に載置される紙函の正面板下端の壁部と傾斜底面板とで形成される凹み部に、下段に載置される紙函のやや突出した正面板上端と傾斜天面板とで形成される凸部が嵌まり込むとともに、上段の紙函の傾斜底面板と下段の紙函の傾斜天面板は当接するので、安定した積み上げ載置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立式紙函に係る実施形態の展開平面図。
【図2】同じく折り畳み貼り合せ状態を示す平面図。
【図3】同じく組み立て途中の状態を示す斜視図。
【図4】同じく完成状態を示す斜視図。
【図5】(A)同じく被収納物を収納した状態を示す模式図。
(B)従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図。
【図6】立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図。
【図7】(A)本発明に係る第2の実施形態の展開平面図。
(B)本発明に係る第2の実施形態の完成状態を示す斜視図。
【図8】(A)本発明に係る第3の実施形態の展開平面図。
(B)本発明に係る第3の実施形態の完成状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 背面板
2、3 側面板
4 傾斜天面板
5 傾斜底面板
6 正面板
6´ 正面板傾斜部
7 重合側面板
8 天部折込連結片
8´ 貼着部
9 底部折込連結片
9´ 貼着部
10、11、11´、12、13、13´ 耳片
14 差込片
15 差込溝
16 指掛孔
17 傾斜切線
18 突起切込
19、19´ 弧状差込溝
L1、L2、L8、L9、L10、L11、L16〜L19 垂直折線
L3、L4、L5、L5´、L6、L7、L20、L22 水平折線
L21、L21´、L23、L23´ 傾斜折線
L12〜L15、L24 折線
【発明の属する技術分野】
本発明は、板紙等シート状部材で形成される商品の流通及び展示用紙函に関し、主に複数個の商品を収納する際、商品の揺動を無くするとともに、紙函本体の外観意匠性に優れ、特に展示に際して積み上げ展示が可能な組立式紙函に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板紙等シート状部材で形成される矩形状の底板と該底板の四辺から起立されそれぞれ対向する側板と妻板からなるトレー状紙函において、それぞれ隣接する側板と妻板の端縁を、側板の端縁に対し少なくとも45度を超える角度の折線を設けた連設板で連結する構成のブランク板であって、他の一対の側板に当接して前記連設板の折り曲げられた折線側の45度を超える三角片部分を接着剤で貼着すべく、底板の対向する二辺の折線を用いて一対の妻板を折り曲げ貼着し、前記底板の他の対向する二辺の折線と前記連設板に設けた折線を用いて立ち起こし、トレー状紙函を形成する。前記45度を超える折線により一対の対向する妻板は紙函内側に傾斜して起き上がり、一対の側板の延長上部は、先端部を半円状とした妻板の端面によって保持され、前記トレー状に形成された紙函の蓋部を形成するという容器が開示されている(例えば特許文献1参照)。この種の紙函の特徴は、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解が容易に行えるトレー状紙函で、しかも形状を蒲鉾型或いは半円柱状にできる等ディスプレイ性に優れるとともに、大きな開口部を有することで、被収容物の収容や取り出しが容易である。しかしながら、対向する妻板が紙函内部に向かって傾斜しているため、例えば被収容物が複数個の商品の場合、図5(B)に示すように紙函内部の天地寸法は明らかに差異を生じ、移送に関して被収容物の揺動しいては破損を生じる可能性があり、かつ被収容物の揺動により紙函自体の変形や破損の惧れが有った。また、立面展示において半円柱状の形状は、単体では優れたディスプレイ性を有するものであるが、天地方向となる各妻板はいずれも紙函の内側方向に傾斜しているため、複数個の積み上げディスプレイは行えないという欠点があった。
【0003】
【特許文献1】
実公昭52−8393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、その目的とするところは、板紙等シート状部材で形成され、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解が容易に行える紙函において、主に複数個の商品を収納した際に商品の揺動が無く、形状においては外観意匠性に優れるとともに、複数個の積み上げディスプレイが安定して行える組立式紙函を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題解決のために、請求項1の発明は、矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して矩形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記側面板と前記傾斜天面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記側面板と前記傾斜底面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して底部折込連結片で連結し、さらに前記側面板の左右どちらか一方の延長上には折線を介して正面板、次いで重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度と同一の角度を前記側面板の下辺との間に形成して刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされた前記傾斜天面板の端縁が前記正面板の上辺で被覆されることを特徴とする組立式紙函であって、それぞれの側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部を折込連結片で貼着連結することで、扁平に折り畳み貼り合わされた状態から組み立てられる際、折線を設けた角度により傾斜天面板は紙函の外方向に傾斜形成され、同じく折線を設けた角度により傾斜底面板は紙函の内方向に傾斜形成され、安定した平行壁面を形成することができ、紙函内部の天地方向に寸法の差異を生じることが無いので被収納物の揺動を抑えるとともに、積み上げ展示の際には下部に載置される紙函の正面板上端は、上部に積み上げ載置される紙函の正面板と傾斜底面板端部間にやや入り込み、かつ下部に載置される紙函の傾斜天面板は、上部に載置される紙函の傾斜底面板に当接して、安定した立面状態での積み上げ展示が行える。
【0006】
請求項2の発明は、矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して一方を矩形の側面板、他方を上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記矩形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部には前記傾斜天面板の側辺から折線を介して天部折込連結片が前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の上辺を切線として配設され、さらに前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の延長上には折線を介して正面板、次いで上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記それぞれの側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度を前記側面板の下辺との間に形成して同一の角度で刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされ形成される正面並びに両側面部がそれぞれ前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と正面板と上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板とで被覆されることを特徴とする組立式紙函であって、それぞれの側面板と傾斜天面板および傾斜底面板との隅角部を折込連結片で貼着連結することで、扁平に折り畳み貼り合わされた状態から組み立てられる際、折線を設けた角度により傾斜天面板は紙函の外方向に傾斜形成され、同じく折線を設けた角度により傾斜底面板は紙函の内方向に傾斜形成され、安定した平行壁面を形成することができ、紙函内部の天地方向に寸法の差異を生じることが無いので被収納物の揺動を抑えるとともに、積み上げ展示の際には下部に載置される紙函の正面板上端は、上部に積み上げ載置される紙函の正面板と傾斜底面板端部間にやや入り込み、かつ下部に載置される紙函の傾斜天面板は、上部に載置される紙函の傾斜底面板に当接して、安定した立面状態での積み上げ展示が行えるうえ、傾斜天面板が上方に傾斜突出して形成される紙函上端部を含め、立ち起こされ形成される正面並びに両側面部がそれぞれ前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と正面板と上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板とで被覆されるので、見栄えの良い紙函となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の組立式紙函に係る第1の実施形態の展開平面図。図2は同じく折り畳み貼り合せ状態を示す平面図。図3は同じく組み立て途中の状態を示す斜視図。図4は同じく完成状態を示す斜視図。図5(A)は同じく被収納物を収納した状態を示す模式図。図5(B)は従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図。図6は立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図。図7(A)は本発明に係る第2の実施形態の展開平面図。図7(B)はその完成状態を示す斜視図。図8(A)は本発明に係る第3の実施形態の展開平面図。図8(B)はその完成状態を示す斜視図である。
【0008】
図1は本発明の組立式紙函に係る実施形態の展開平面図で、矩形状の背面板1の左右両側には垂直折線L1、L2を介してそれぞれ側面板2、3が連設されるとともに、前記背面板1の上側には水平折線L3を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L8、L9、両肩部を傾斜折線L21、L21´、上辺を水平折線L20で囲まれた変形六角形状の傾斜天面板4が連設され、同じく前記背面板1の下側には水平折線L4を介して、前記傾斜天面板と上下に線対称で、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L10、L11、両肩部を傾斜折線L23、L23´、下辺を水平折線L22で囲まれた変形六角形状の傾斜底面板5が連設されている。前記側面板3の左側延長上には垂直折線L16、L17、L18、L19を介して正面板傾斜部6´、正面板6、正面板傾斜部6´、重合側面板7が順に連設されるとともに、該重合側面板7の左側辺中央部には折線L24を介して差込片14が突設されている。又、前記垂直折線L1の中央部には差込溝15が穿設されるとともに、該差込溝15の中央部には前記背面板1の中心に向かって半円状の指掛孔16が穿設されている。尚、前記側面板3の上辺は前記垂直折線L2と水平折線L3の交点を基点とし、略10度強の左上がりの傾斜切線17で形成され、前記正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6の上辺に連続する。前記正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6の上辺は連続する水平切線で、組み立て状態において前記傾斜天面板4が立ち起こされ、上端辺折線L21、L20、L21´が形成する端縁部を覆う位置に配設されており、左端部から略10度強の左下がり傾斜の切線が、前記重合側面板7の上辺として配設されている。
【0009】
前記側面板2と前記傾斜天面板4との隅角部は、前記傾斜天面板4の側辺の折線L8から50度の角度で刻設された折線L12で区画される天部折込連結片8で連結され、前記水平折線L5側の三角片部分は貼着部8´である。前記側面板3と前記傾斜天面板4との隅角部は、前記傾斜天面板4の側辺の折線L9から50度の角度で刻設された折線L13で区画される天部折込連結片8で、前記傾斜切線17上方の三角片部分を貼着部8´とし、貼着部分を大きくするための突起切込18を穿設しても良い。前記側面板2と前記傾斜底面板5との隅角部は、水平折線L6から50度の角度で刻設された折線L14で区画される底部折込連結片9で連結され、前記水平折線L6側の三角片部分は貼着部9´であり、同様に前記側面板3と前記傾斜底面板5との隅角部は、水平折線L7から50度の角度で刻設された折線L15で区画される底部折込連結片9で連結され、前記水平折線L7側の三角片部分は貼着部9´である。
尚、前記傾斜天面板4の上端辺折線L21、L20、L21´の上部延長上には、それぞれ耳片11、10、11´が連設されており、前記傾斜底面板5の下端辺折線L23、L22、L23´の下部延長上には、それぞれ耳片13、12、13´が連設されている。
【0010】
図2は同実施形態の折り畳み貼り合せ状態を示す平面図で、前記側面板2、前記背面板1の上辺に設けた水平折線L5、L3を折り曲げるとともに、同じく前記側面板2、前記背面板1、前記側面板3の下辺に設けた水平折線L6、L4、L7を折り曲げ、それぞれの天部折込連結片8、8に設けられた貼着部8´、8´を前記側面板2および前記側面板3の上部内面に貼着するとともに、それぞれの底部折込連結片9、9に設けられた貼着部9´、9´を前記側面板2および前記側面板3の下部内面に貼着した状態を表している。
【0011】
図3は同実施形態の組み立て途中の状態を示す斜視図で、本発明の組立式紙函の組み立てにあたっては、前述の如くあらかじめ傾斜天面板4および傾斜底面板5とともに折り込まれ、それぞれ側面板2および3に貼着された天部折込連結片8、8と底部折込連結片9、9の折線L12、L13、L14、L15を用いて、前記傾斜天面板4および傾斜底面板5を立ち起こすとともに、連動して前記側面板2および3が起立し、図に示す如く、背面板1を底面とし、側面板2および3、傾斜天面板4、傾斜底面板5を周壁とし、正面板方向を開放した変形トレー状態となる。開放部分より被収納物を収納した後、前記前記傾斜天面板4および傾斜底面板5のそれぞれ上部延長上に連設された耳片10、11、11´および12、13、13´を紙函内側方向に折り込み、正面板傾斜部6´、6´を両側に有する正面板6を前記傾斜天面板4および傾斜底面板5の上端辺に沿わせて開放部分を閉塞し、次いで重合側面板7を前記側面板2に重合しつつ、差込片14を差込溝15に差し込んで、組み立てを完了する。
本発明の組立式紙函の使用にあたっては、前述の組み立てに使用した差込片14を差込溝15から抜き出すことによる開封方法が一般的であるが、例えば重合側面板7の長手方向にミシン刃やジッパー等の破断線構造を穿設して、その破り取りによる開封等、紙器の開封・開口に係る公知の方法を用いることができる。
【0012】
図4は本発明の組立式紙函の完成状態を示す斜視図で、前述のように組み立てられた紙函を立ち上がらせて載置した状態を表している。通常、単品での販売に当たっては、店頭における載置スペースを効率よく使用する観点から、縦置き載置されることが多く、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6を設けて表示部分を立体的にすることは、平面的表示部分を持つカートンの中で訴求力を持ち、多様な意匠表現を行うことができる。もちろん、背面板を底面とするような販売方法も可能で、例えばコーヒー、砂糖の詰め合わせギフト製品等では、平置き状態で使用されることが主となり、複数個の詰め合わせにおいては、実施形態のように立体的な正面板部分の連続が、ギフト全体の意匠効果を上げて、商品訴求を図ることができる。
【0013】
図5(A)は本発明の組立式紙函に被収納物を収納した状態を示す模式図であり、図5(B)は従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図であるが、両図とも側面板方向から見た模式図で、本発明の組立式紙函では傾斜天面板および傾斜底面板が平行に形成されるため、複数個の被収納物は長さ方向において無駄な空隙無く、タイトな状態で収納され保護される。これに対し、従来の技術の項でも述べたように、それぞれの妻板を内側に傾斜させた従来技術では、複数個の被収納物のうち上部に収納されるものはタイトになるが、下部に至るほど被収納物と妻板との間には無駄な空隙が存在することとなり、移送或いは輸送時において揺動を発生し、被収納物が破損したり、揺動の衝撃により外装が破損する惧れもある。
【0014】
図6は本発明の組立式紙函の立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図で、先にも述べたように通常、単体での販売にあたっては、店頭における載置スペースを効率よく使用する観点から、縦置き載置されることが多いが、載置条件の変化例えば量販店における陳列棚の最上段や、フロアでの陳列などでは、高さ方向にスペースが有るため、積み上げ陳列が行われる。本発明の組立式紙函の実施形態を積み上げ載置するにあたって、上段に載置される紙函の水平折線L6およびL7で折り曲げられ底部折込連結片9、9の貼着部9´、9´を貼着した側面板2および3と、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6とで形成される略三方の側壁部分と、水平折線L4で折り曲げられ天方向へ傾斜して両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6に当接する傾斜底面板5とで形成される凹み部に、下段に載置される紙函の側面板3および重合側面板7と、両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6とで形成される略三方の側壁部分と、水平折線L3で折り曲げられ天方向へ傾斜して両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6に当接する傾斜天面板4とで形成される天部分の凸部が嵌まり込み、前記上段に載置される紙函の傾斜底面板5と前記下段に載置される紙函の傾斜天面板4とは当接して安定的に積み上げ載置が行える。尚、下段に載置される紙函の前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6の上辺を、前記傾斜天面板5の当接する位置よりやや上方とすれば、前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6の上辺は、上段に載置される紙函の前記両側に正面板傾斜部6´、6´を有する正面板6と前記傾斜底面板5の端縁部との間に挟みこまれ、より安定的に積み上げ載置を行うことができる。
【0015】
図7(A)は本発明に係る組立式紙函の、第2の実施形態の展開平面図であり、(B)はその完成状態を示す斜視図で、正面板6を平面状としたことを形状的な特徴として、矩形状の背面板1の左右両側には垂直折線L1、L2を介してそれぞれ側面板2、3が連設されるとともに、前記背面板1の上側には水平折線L3を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L8、L9、上辺を水平折線L20で囲まれた矩形状の傾斜天面板4が連設され、同じく前記背面板1の下側には水平折線L4を介して、両側を前記折線L1、L2に連続する垂直折線L10、L11、下辺を水平折線L22で囲まれた矩形状の傾斜底面板5が連設されている。前記側面板3の左側延長上には垂直折線L16、L19を介して正面板6、重合側面板7が順に連設されている。前記正面板6は前記背面板1に対し上辺方向にやや大きい矩形状で、その上辺は組み立て状態において前記傾斜天面板4が立ち起こされ、上端辺折線L20が形成する端縁部を覆う位置に配設されており、実施形態においては上方に突出した展開となる。又、前記側面板2の垂直折線L1と水平折線L5およびL6で形成される隅角部には、前記重合側面板7の左側上下角部を差込係止するための弧状差込溝19、19´がそれぞれ穿設されている。
【0016】
前記側面板2および3と前記傾斜天面板4とのそれぞれの隅角部は、前記傾斜天面板4のそれぞれ側辺の折線L8およびL9から50度の角度で刻設された折線L12およびL13で区画されるそれぞれの天部折込連結片8、8で連結され、前記水平折線L5およびL5´側の三角片部分はそれぞれ貼着部8´、8´である。又、前記側面板2および3と前記傾斜底面板5とのそれぞれの隅角部は、水平折線L6およびL7から50度の角度で刻設された折線L14およびL15で区画されるそれぞれの底部折込連結片9、9で連結され、前記水平折線L6およびL7側の三角片部分はそれぞれ貼着部9´、9´である。
第2の実施形態の折り畳み貼り合せならびに組み立てに関しては、第1の実施形態とほぼ同じであるので説明は省略するが、前述のように、組み立てならびに被収納物の収納後、前記重合側面板7の左側上下角部を、前記側面板2の垂直折線L1と水平折線L5およびL6で形成される隅角部に穿設した弧状差込溝19、19´に差込係止して、組み立てを完了する。
【0017】
図8(A)は本発明に係る組立式紙函の、第3の実施形態の展開平面図であり、(B)はその完成状態を示す斜視図で、正面板6を湾曲して突出する曲面状としたことを特徴とする。
第3の実施形態の構成および折り畳み貼り合せならびに組み立てに関しては、第1の実施形態とほぼ同じであるので説明は省略するが、傾斜天面板4および傾斜底面板5のそれぞれの端縁部分には耳片を連設せず、弧状の端縁をすることにより、正面板6の湾曲を保持する。
【0018】
【発明の効果】
本発明の組立式紙函は、前述のような構成を持つことで、扁平に折り畳まれた状態で保管、移送が行え、組み立てならびに分解を容易に行うことができる。
また、本発明の組立式紙函では傾斜天面板および傾斜底面板が平行に形成されるため、複数個の被収納物の長さ方向において紙函との間に無駄な空隙が生じず、移送の際に揺動しないタイトな状態で収納され、保護することができる。
【0019】
本発明の組立式紙函は、上段に載置される紙函の正面板下端の壁部と傾斜底面板とで形成される凹み部に、下段に載置される紙函のやや突出した正面板上端と傾斜天面板とで形成される凸部が嵌まり込むとともに、上段の紙函の傾斜底面板と下段の紙函の傾斜天面板は当接するので、安定した積み上げ載置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立式紙函に係る実施形態の展開平面図。
【図2】同じく折り畳み貼り合せ状態を示す平面図。
【図3】同じく組み立て途中の状態を示す斜視図。
【図4】同じく完成状態を示す斜視図。
【図5】(A)同じく被収納物を収納した状態を示す模式図。
(B)従来技術における被収納物を収納した状態を示す模式図。
【図6】立面積み上げディスプレイ状態を側面から見た模式図。
【図7】(A)本発明に係る第2の実施形態の展開平面図。
(B)本発明に係る第2の実施形態の完成状態を示す斜視図。
【図8】(A)本発明に係る第3の実施形態の展開平面図。
(B)本発明に係る第3の実施形態の完成状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 背面板
2、3 側面板
4 傾斜天面板
5 傾斜底面板
6 正面板
6´ 正面板傾斜部
7 重合側面板
8 天部折込連結片
8´ 貼着部
9 底部折込連結片
9´ 貼着部
10、11、11´、12、13、13´ 耳片
14 差込片
15 差込溝
16 指掛孔
17 傾斜切線
18 突起切込
19、19´ 弧状差込溝
L1、L2、L8、L9、L10、L11、L16〜L19 垂直折線
L3、L4、L5、L5´、L6、L7、L20、L22 水平折線
L21、L21´、L23、L23´ 傾斜折線
L12〜L15、L24 折線
Claims (2)
- 矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して矩形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記側面板と前記傾斜天面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記側面板と前記傾斜底面板とのそれぞれの隅角部は折線を介して底部折込連結片で連結し、さらに前記側面板の左右どちらか一方の延長上には折線を介して正面板、次いで重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度と同一の角度を前記側面板の下辺との間に形成して刻設された折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされた前記傾斜天面板の端縁が前記正面板の上辺で被覆されることを特徴とする組立式紙函。
- 矩形の背面板の左右両辺にそれぞれ折線を介して一方を矩形の側面板、他方を上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板を連設し、前記背面板の上下両辺にそれぞれ折線を介して傾斜天面板および傾斜底面板を連設し、前記矩形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部は折線を介して天部折込連結片で連結し、前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と前記傾斜天面板との隅角部には前記傾斜天面板の側辺から折線を介して天部折込連結片が前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の上辺を切線として配設され、さらに前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板の延長上には折線を介して正面板、次いで上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板を順設した紙函において、前記天部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から45度を超える角度で刻設された折線で区画され前記それぞれの側面板の上辺側を貼着部とし、前記底部折込連結片は前記傾斜天面板の側辺から折線を刻設した角度を前記側面板の下辺との間に形成して同一の角度で刻設され折線で区画され前記側面板の下辺側を貼着部とし、かつ前記天部折込連結片ならびに底部折込連結片はそれぞれ前記側面板に貼着接合されるとともに、立ち起こされ形成される正面並びに両側面部がそれぞれ前記上辺に上向き傾斜辺を有する四角形の側面板と正面板と上辺に下向き傾斜辺を有する四角形の重合側面板とで被覆されることを特徴とする組立式紙函。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004256153A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018520957A (ja) * | 2015-07-31 | 2018-08-02 | フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム | 丸みのあるまたは面取りした隅角部を有する容器を形成するための筋付けされたブランク |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050625A patent/JP2004256153A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018520957A (ja) * | 2015-07-31 | 2018-08-02 | フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム | 丸みのあるまたは面取りした隅角部を有する容器を形成するための筋付けされたブランク |
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