JP2004255999A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面の誤検出等が走行制御装置に与える影響を複雑な機構を設けることなく低コストで軽減する。
【解決手段】自車両前方の対象物までの距離と相対速度とを検知する車間距離センサ12と、この車間距離センサ12で検知した車間距離及び相対速度に基づいて自車両の制動及び駆動の少なくとも一方を制御する車間距離制御部20と、自車両の上下運動を検出する上下加速度センサの上下加速度と車間距離及び相対速度とに基づいてピッチ角速度、車間距離センサの上下変位速度、路面の勾配角度変化率を算出する光軸上下変動検出部21と、この光軸上下変動検出部21で算出したピッチ角速度、車間距離センサの上下変位速度、路面の勾配角度変化率に基づいて誤検出対象物を推定する路面検知判断部22と、この路面検知判断部22で推定した誤検出対象物に応じて前記車間距離制御部20の制御特性を変更する車間距離制御特性可変部23とを備えている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両の前方の走行車線に存在する物体に応じて車両の走行速度を制御する車両用走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車間距離に応じて制駆動力を制御する車両用走行制御装置では、コストの面から車間距離センサとしてレーザレーダが多く使用されている。このレーザレーダが誤検出し易い物体としては道路脇に接地されるデリニエータ等の反射体のほか、路面がある。路面を誤検出しないための従来例としてレーザ光が反射し易い横断歩道の白線などを誤検出しないようにレーザレーダのスキャン方向を高さ方向及び水平方向に2次元化し、所定の高さに存在する物票のみを対象物として認識することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−157697号公報(第5頁〜第9頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、レーザレーダのスキャン方向を2次元化するために6つの長方形のミラーを正六角形の環状に配設され、各ミラー面と回転中心軸とがなす角度が互いに異なる角度に設定されたポリゴンミラーを使用する必要があり、スキャン機構が複雑となると共に、コストが嵩むという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、路面の誤検出等が走行制御装置に与える影響を複雑な機構を設けることなく低コストで軽減することができる車両用走行制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用走行制御装置は、自車両前方の対象物までの距離と相対速度とを対象物検知手段で検知し、これら距離及び相対速度に基づいて制駆動制御手段で自車両の制動及び駆動の少なくとも一方を制御すると共に、自車両の上下運動を車両運動検出手段で検出し、検出した車両上下運動と前記対象物検知手段で検出した距離及び相対速度とに基づいて対象物推定手段で誤検出対象物を推定し、誤検出対象物であるか否かに応じて制御特性変更手段で前記制駆動手段の制御特性を変更するように構成されている。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、自車両の上下運動と対象物検知手段で検知した対象物までの距離及び相対速度とに基づいて対象物が誤検出対象物であるか否かを推定し、対象物検知手段で検知した対象物が誤検出対象物であるときに検出した対象物を無視した直前の制御特性を継続し、誤検出対象物ではないときには対象物との距離及び相対速度に応じた制御特性に変更することが可能となり、運転者に違和感を与えることなく、最適な走行制御を行うことができるという効果が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪、1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0008】
エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置7が設けられている。このエンジン出力制御装置7は、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転速度を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転速度を制御する方法とが考えられるが、本実施形態では、スロットルバルブの開度を調整するようにスロットルアクチュエータ8を制御する方法が採用されている。
【0009】
前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々制動力を発生する制動手段としてのブレーキアクチュエータ9が設けられていると共に、これらブレーキアクチュエータ9の制動油圧が制動制御装置10によって制御される。
ここで、制動制御装置10は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、追従制御用コントローラ20から供給される制動圧指令値PBCの大きさに応じた制動油圧を発生してブレーキアクチュエータ9に供給するように構成されている。
【0010】
一方、車両の前端側の幅方向の中央位置には、先行車両との間の車間距離Lを検出する対象物検知手段としてのレーダ装置で構成される車間距離センサ12が設けられている。この車間距離センサ12としては、例えばレーザ光を前方に掃射して先行車両からの反射光を受光することにより、先行車両と自車両との車間距離Lを計測するレーダ装置や電波や超音波を利用して車間距離Lを計測する測距センサ等を適用することができ、この車間距離センサ12から車間距離L及びこの車間距離Lの変化率を演算するか又は車間距離Lをバンドパスフィルタで微分処理して算出する相対速度Vとが出力される。
【0011】
また、車両には、自動変速機3の出力側に配設された出力軸の回転速度を検出することにより、自車速Vを検出する自車速検出手段としての車速センサ13が配設されている。さらに、車体の前後位置における幅方向の中央位置に、車体に生じる上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ14F及び14Rが配設されている。
【0012】
そして、車間距離センサ12、車速センサ13、上下加速度センサ14F,14Rの各出力信号が走行制御用コントローラ15に入力され、この走行制御用コントローラ15によって、車間距離センサ12で検出した車間距離L及び相対速度V、車速センサ13で検出した自車速V及び上下加速度センサ14F,14Rで検出した上下加速度検出値G,Gに基づいて、制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御することにより、先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走行する走行制御を行う。
【0013】
この走行制御用コントローラ15は、マイクロコンピュータとその周辺機器を備え、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成している。
この制御ブロックは、車間距離センサ12で検出した車間距離L及び相対速度Vと車速センサ13で検出した自車速Vとに基づいてエンジン出力制御装置7及び制動制御装置10を制御して車間距離を制御する制駆動力制御手段としての車間距離制御部20と、上下加速度センサ14F,14Rから入力される上下加速度検出値G,Gに基づいて車体に生じるピッチ角速度θ′と車間距離センサ12の取り付け位置の上下速度VZLとを算出すると共に、自車速Vと制駆動トルクとに基づいて路面勾配角度θの変化率θ′を演算する車両運動件検出手段としての光軸上下変動検出部21と、この光軸上下変動検出部21で検出したピッチ角速度θ′と、車間距離センサ12から入力される相対速度V及び車間距離センサ12の取付け位置での上下変位速度VZL及び勾配角度の変化率θ′と、相対速度Vと自車速Vとから誤検出対象物としての路面を検出したか否かの判断結果を表す路面確率変数Rを算出する対象物推定手段としての路面検知判断部22と、この路面検知判断部22の路面確率変数Rに基づいて、車間距離制御部のゲイン変更や車間距離の補正を行う制御特性変更手段としての距離特性可変部23とを備えている。
【0014】
ここで、車間距離制御部20は、また、制御ブロックは、車間距離センサ12で先行車を捕捉しているときには、車間距離センサ12から入力される車間距離L及び車速センサ13から入力される自車速Vに基づいて先行車と自車との間の車間距離指令値Lを算出し、算出された車間距離指令値Lに、車間距離センサ12から入力される車間距離Lを一致させるための車間距離に応じた車速指令値VLCを演算し、これを車速指令値Vとして出力し、先行車を捕捉していないときには運転者が操作スイッチ15を操作して設定した車速設定値VSET を車速指令値Vとして出力する車間距離制御演算部24と、この車間距離制御演算部24から出力される車速指令値Vに基づいて駆動軸トルク指令値TWCを演算する車速制御部25と、この駆動軸トルク指令値TWCに基づいてエンジン出力制御装置7及び制動制御装置8に対するスロットル開度指令値θ及びブレーキ液圧指令値PBRC を出力する駆動軸トルク制御部26とを備えている。
【0015】
ここで、車間距離制御部24は、車間距離指令値演算部24aと車間距離制御演算部24bとを有する。車間距離指令値演算部24aは、確保したい車間時間をT、自車速をVとしたとき下記(1)式に基づいて車間距離指令値Lを算出する。
=VPR・T …………(1)
ここで、VPRは先行車車速であり、下記(2)式に示すように、車速センサ13で検出した自車速Vに車間距離センサ12から出力される相対速度Vを加算して算出する。
【0016】
PR=V+V …………(2)
なお、車間距離指令値Lの算出に際しては、先行車車速VPRに代えて車速センサ13で検出した自車速Vを適用するようにしてもよい。
車間距離制御演算部24bは、ブロック図で表すと図3に示すように、減算器31で、距離指令値演算部24aから出力される車間距離指令値Lから車間距離センサ12から入力される車間距離Lを減算して車間距離偏差ΔLを算出し、算出した車間距離偏差ΔLに乗算器32で距離ゲインKを乗算し、その乗算出力を減算器33に供給して、車間距離センサ12から出力される相対速度Vに乗算器34で速度ゲインKを乗算した値から減算し、この減算結果を加算器35に供給して、車間距離センサ12から出力される相対速度Vに自車速Vを加算器36で加算して算出した先行車車速VPRに加算することにより、下記(3)式で表される車間距離Lに基づく車速指令値VLCを算出し、この車速指令値VLCと操作スイッチ36から入力される運転者が設定した車速設定値VSET とを選択回路37に入力し、この選択回路37で車速指令値VLCと車速設定値VSET との何れか小さい方を車速指令値Vとして選択するように構成されている。
【0017】
LC=K・V−K(L−L)+V+V …………(3)
ここで、車間距離指令値Lから車間距離Lまでの応答特性は下記(4)式で表すことができる。
【0018】
【数1】
Figure 2004255999
【0019】
この(4)式で、ζは減衰係数、ωは固有振動数であって、これらは車間距離と相対速度のフィードバックゲインK及びKで決まる値であり、K及びKとζ及びωとの間には次式の関係がある。
=ω /ω …………(5)
=1−(2・ζ・ω/ω) …………(6)
この(5)式及び(6)式でωはカットオフ周波数である。
【0020】
したがって、車間距離応答特性をω及びζで指定することで、様々な車間距離応答を実現することができる。これらのω及びζは後述する車間距離特性可変部23によって変更される。
また、車速制御部25は、車速指令値Vに対する実車速Vの応答が、カットオフ周波数ωとなる一次遅れ系となるような駆動力指令値FWCを演算する。すなわち、車速制御部25は、例えば図4に示す構成となる。ここで、制駆動力の伝達遅れは無視できるとすると、車速制御系から見た制御対象は、次式で示すように、入力が駆動トルク指令値TWC、出力が車速Vであり、外乱が空気抵抗と転がり抵抗の和FDHと勾配抵抗FGHとなる。
【0021】
=(TWC/R+FDH+FGH)/(M・s) …………(7)
但し、Mは車重、Rはタイヤ半径である。この(7)式で空気抵抗と転がり抵抗の和FDHは次式に従って予め計算し、駆動力指令値FWCに加えることで空気抵抗と転がり抵抗の影響を除去する。
DH=μ・S・V +μ・M・g …………(8)
但し、μは空気抵抗係数、Sは前面投影面積、μは転がり抵抗係数、gは重力加速度である。
【0022】
勾配抵抗FGHは、駆動力指令値FWCと自車速Vとから次式を用いて推定する。
GH={ωVH/(s+ωVH)}M・s・V−{ωVH/(s+ωVH)}FWC …………(9)
次に、駆動力目標値FWC0 に対して次式のように駆動力指令値FWCを演算することで、駆動力目標値FWC0 から自車速Vまでの伝達特性への勾配抵抗等の影響を排除する。
【0023】
WC=FWC0 −FGH …………(10)
このようにして算出した駆動力指令値FWCをもとにタイヤ半径をRとすると、駆動軸トルク指令値TWCは次式で算出することができる。
WC=R(FWC+FDH) …………(11)
以上の走行抵抗補償により駆動力目標値FWC0 から自車速Vまでの伝達特性への外乱は除去されたと仮定すると、駆動力目標値FWC0 から自車速Vまでの伝達特性は次式で表される。
【0024】
=FWC0 /(M・s) …………(12)
上記システムに対して、速度ゲインをKSPとして駆動力目標値FWC0 を次式のように発生させれば、
WC0 =KSP(V−V)…………(13)
車速指令値Vから自車速Vまでの応答GV(S) は次式で表わされる。
【0025】
GV(S) =(KSP/M)/{s+(KSP/M)} …………(14)
この(14)式で速度ゲインKSPを次式で表されるように設定すると、車速制御系はカットオフ周波数ωの一次遅れ系となる。
SP=ω・M …………(15)
このため、車速制御部25は、車間距離制御部24から入力される車速指令値Vから自車速Vを減算器41で減算して車速偏差を算出し、この車速偏差に乗算器42で速度ゲインKSPを乗算して駆動力目標値FWC0 を算出し、算出した駆動力目標値FWC0 を減算器43に供給して、駆動力目標値FWC0 から走行抵抗演算部44で算出する勾配抵抗FGHを減算して駆動力指令値FWCを算出し、この駆動力指令値FWCに加算器45で空気抵抗と転がり抵抗の和FDHを加算し、この加算値に乗算器46でタイヤ半径Rを乗算することにより、駆動軸トルク指令値TWCを算出する。また、走行抵抗演算部44では、自車速Vと減算器43から出力される駆動力指令値FWCとをもとに前記(9)式の演算を行って勾配抵抗FGHを算出する。
【0026】
また、駆動軸トルク制御部26は、車速制御部25で演算された駆動軸トルク指令値TWCを実現するためのスロットル開度指令値θ及びブレーキ液圧指令値PBRC を演算する。具体的には、トルクコンバータのトルク増幅率をR、自動変速機ギヤ比をRAT、ディファレンシャルギヤ比をRDEF 、エンジンイナーシャをJ、エンジン回転速度をN、ブレーキトルクをTBRとすると、駆動軸トルクTとエンジントルクTとの関係は、下記(16)式で表される。
【0027】
=KGEAR{T−J(dN/dt)}−TBR …(16)
GEAR=R・RAT・RDEF …………(17)
ここで、加速度が所定値内に制限されており、エンジン回転数の変化率が小さい場合は、エンジンイナーシャの影響は小さいと見做せるので、これを零とおくと、上記(16)式は下記(18)式で表すことができる。
【0028】
=KGEAR・T−TBR …………(18)
この(18)式より駆動軸トルク指令値TWCに対して、次式でエンジントルク指令値TERを計算し、
ER=TWC/KGEAR …………(19)
算出したエンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTEID よりも大きいか否かを判断する。このエンジンブレーキトルクTEID は概ねエンジン回転速度で定まるため、予めエンジン回転速度NとエンジンブレーキトルクTEID との関係を測定して設定した図7に示すエンジンブレーキトルク算出マップを参照して算出する。
【0029】
エンジントルク指令値TERが、エンジンブレーキトルクTEID 以上であれば、ブレーキを使わずにエンジンブレーキトルクTEID のみで駆動軸トルク指令値通りのトルクを実現できる。エンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTEID 未満となれば、エンジンブレーキトルクTEID による駆動トルクを考慮して駆動軸トルクを指令値似一致させるためのブレーキ操作量を演算する。
【0030】
以上により、エンジントルク指令値TERとブレーキトルク指令値TBRとの分配制御則は以下のようになる。
(A)エンジントルク指令値TER≧TEID のとき
BC=0 …………(20)
ER=TWC/KGEAR …………(21)
(B)エンジントルク指令値TER<TEID のとき
スロットル開度が零、又はスロットルがアイドルポジション時のエンジンブレーキトルクをTEID とすると、上記(18)式は下記(22)式で表すことができる。
【0031】
=KGEAR・TEID −TBR …………(22)
したがって、駆動軸トルク指令値TWCに対して次式で表されるブレーキトルクTBRを発生させればよい。
ブレーキシリンダ面積をA、ロータ有効半径をR、パッド摩擦係数をμとすると、ブレーキトルク指令値TBRに対して、ブレーキ操作量であるブレーキ液圧指令PBRC は次式で表すことができる。
【0032】
BRC =TBR/KBR …………(23)
BR=8・A・R・μ …………(24)
したがって、図6に示すように、駆動軸トルク指令値TWCをエンジントルク指令値演算部61に供給して前記(19)式に従って演算を行ってエンジントルク指令値TERを演算し、このエンジントルク指令値TERをスロットル開度演算部62に供給して、図7に示すエンジン回転速度Nをパラメータとしてエンジントルク指令値TERとスロットル開度指令値θとの関係を表すエンジンマップを参照してスロットル開度指令値θを算出し、このスロットル開度指令値θをスロットル開度サーボ系110に出力する。
【0033】
一方、エンジントルク演算部63で、スロットル開度指令値θ及びエンジン回転速度Nをもとに図5に示すエンジンマップを参照してスロットル開度が零のときのエンジンブレーキトルクTEID を算出し、算出したエンジンブレーキトルクTEID を制駆動力補正値演算部64に供給することにより、この制駆動力補正値演算部64で、前記(22)式の右辺第1項の演算を行って、制駆動力補正値TW0(=KGEAR・T)を算出し、この制駆動力補正値TW0を制動力演算部65に供給することにより、この制動力演算部65で、制駆動力補正値TW0から駆動軸トルク指令値Tを減算してブレーキトルク指令値TBRを算出し、次いで前記(22)式の演算を行うことによりブレーキ液圧指令値PBRC を算出し、これをブレーキ液圧サーボ系100に出力する。なお、先行車を検出していない状態では、ブレーキ液圧指令値PBRC を“0”に設定して、エンジントルク制御のみの制動制御を行う。
【0034】
このブレーキ液圧サーボ系100では、図6に示すように、ブレーキ液圧指令値PBRC とブレーキ液圧センサ101で検出したブレーキ液圧検出値PBDとの偏差に基づいてブレーキアクチュエータ9をフィードバック制御する。
一方、駆動軸トルク制御部60から出力されるスロットル開度指令値θはスロットル開度サーボ系110に供給され、このスロットル開度サーボ系110で、図6に示すように、スロットル開度指令値θとスロットル開度センサ111で検出したスロットル開度検出値θとの偏差に基づいてスロットルアクチュエータ8をフィードバック制御する。
【0035】
そして、走行制御用コントローラ15では、車体の上下動を考慮した路面検知を行い、その検知結果に基づいて車間距離制御部24における車間距離応答特性を変更する特性変更制御処理を実行する。
この特性変更制御処理は、所定のメインプログラムに対する所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、図8に示すように、先ず、ステップS1で、車間距離センサ12で検出した車間距離L、相対車速Vを読込み、次いで、ステップS2に移行して、車間距離センサ12で制御対象物を捕捉したか否かを判定する。この判定は、車間距離センサ12から出力される車間距離Lが予め設定した設定距離L以下であるか否かによって行い、L>Lであるときには制御対象物を捕捉していないものと判断してステップS3に移行し、後述する路面確率変数Rを“0”にクリアすると共に、路面適合フラグF、F、F、Fを全て“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0036】
また、ステップS2の判定結果が、L≦Lであるときには、制御対象物を捕捉しているものと判断してステップS4に移行し、前回の車間距離L(n−1) と今回の車間距離L(n) との偏差の絶対値|L(n) −L(n−1) |が所定値ΔL(例えば5m程度)以上であるか否かを判定する。
この判定結果が、|L(n) −L(n−1) |≧ΔLであるときには、変化量が大きく先行車両の車線変更、他車線からの先行車両の割込み、自車両の車線変更等によって制御対象物体の入れ替わりが発生したものと判断して、前記ステップS3に移行し、|L(n) −L(n−1) |<ΔLであるときには、制御対象物体の入れ替わりがないものと判断してステップS5に移行し、上下加速度センサ14F,14Rで検出した車体上下加速度G,Gを読込んでからステップS6に移行する。
【0037】
このステップS6では、前後の上下加速度G及びGを積分演算して、前後の車体上下速度VZF及びVZRを算出し、次いで、ステップS7に移行して、算出した車体上下速度VZF及びVZRと前側の上下加速度センサ14F及び後側の上下加速度センサ14R間の距離Xとに基づいて下記(25)式の演算を行ってピッチ角速度θ′を算出する。
【0038】
θ′=(VZF−VZR)/X …………(25)
次いで、ステップS8に移行して、前方側の上下加速度センサ14Fと車間距離センサ12との間の距離X、前後の上下加速度センサ14F及び14R間の距離X、ピッチ角速度θ′及び後輪側の車体上下速VZRをもとに下記(26)式の演算を行って車間距離センサ12の取付位置での上下速度VZLを算出する。
【0039】
ZL=(X+X)θ′+VZR …………(26)
次いで、ステップS9に移行して、路面勾配変化率θ′を算出する。この路面勾配変化率θ′を算出するためには、先ず、アクセル操作やブレーキ操作によって発生する制駆動トルクを求める。エンジントルクは予めエンジン回転速度毎にアクセル開度とエンジントルクとの関係を測定し、これらのテーブルマップを作成する。エンジントルク推定値TEHは、アクセル開度とエンジン回転速度を測定し、テーブルマップを参照することで求める。或いは、車間距離制御中であれば、エンジントルク指令値通りのエンジンが出力されているものとして、エンジントルク推定値TEHにエンジントルク指令値TERを代入しても良い。トルクコンバータのトルク増幅率をR、変速機ギヤ比をRAT 、ディフレンシャルギヤ比をRDEF 、エンジンイナーシャJ、エンジン回転速度をNとすると、駆動トルク推定値TWDH は次式で算出される。
【0040】
WDH =R・RAT・RDEF {TEH−J(d/dt)N}……(27)
次に、ブレーキ操作による制動トルクTBRH は、ブレーキ操作による液圧センサの圧力をPBRH 、ブレーキシリンダ面積をA、ロータ有効半径をR、パッド摩擦係数をμとすると次式で算出される。
BRH =PBRH (8・A・R・μ) …………(28)
したがって、次式のように駆動トルク推定値TWDH から制動トルクTBRH を減算することにより制駆動軸トルクTWHを算出することができる。
【0041】
WH=TWDH −TBRH …………(29)
次に、空気抵抗と転がり抵抗の和をFとし、勾配抵抗をF、車重をM、タイヤ半径をR、ラプラス演算子をsとすると、自車速Vと制駆動力トルクTWHとの関係は次式で表すことができる。
={(TWH/R)+F+F}/(M・s) …………(30)
ここで、空気抵抗と転がり抵抗の和Fは次式で予め算出する。
【0042】
=μ・S・V +μ・M・g …………(31)
但し、μは空気抵抗係数、Sは前面投影面積、μは転がり抵抗係数、gは重力加速度である。
勾配抵抗FGMH は、制駆動軸トルクTMHと自車速Vとから次式を用いて推定する。
【0043】
GMH ={ωVH/(s+ωVH)}M・s・V
−{ωVH/(s+ωVH)}(TMH/R−F) ……(32)
この(32)式で、右辺第1項は車速から求めた駆動力であり、第2項は車両に加わる駆動力の和であり、これらの差が勾配抵抗とする。
したがって、勾配の角度θは次式で表すことができる。
【0044】
θ=tan−1{FGMH /(M・g)} …………(33)
次に、所定時間Δt毎の勾配角度θの変化から次式に基づいて勾配角度変化率θ′を算出する。
θ′={θ(t+ Δt)−θ(t) }/Δt …………(34)
次いで、ステップS10に移行して、車間距離センサで検出した対象物の路面パターン適合度合いを判定する路面パターン適合判定処理を行う。
【0045】
この路面パターン適合判定処理は、図9に示すように、先ず、ステップS21で、車速センサ13で検出した自車速Vを読込み、次いでステップS22に移行して、読込んだ自車速Vと相対車速Vとをもとに前記(2)式の演算を行って先行車車速VPRを算出し、次いでステップS23に移行して、勾配角度変化率θ′が所定値−γ未満であり、且つ先行車車速VPRが負である状態(θ′<−γ且つVPR<0)即ち路面が下り勾配に変化すると共に、先行車両が自車両に向かって来る物体が存在するか、又は勾配角度変化率θ′が所定値+γを超えており、且つ先行車車速VPRが自車速Vより大きい状態(θ′>+γ且つVPR>V)即ち路面が上り勾配に変化すると共に、先行車両が自車両と同一方向に遠ざかる物体が存在する第1の路面適合パターンであるか否かを判定する。ここで、所定値γは正の定数であり、その数値は実験によって設定する。
【0046】
このステップS23の判定結果が、第1の路面適合パターンであるときには、ステップS24へ移行して、第1の路面適合フラグFを“1”にセットしてからステップS25へ移行し、第1の路面適合パターンでないときには直接ステップS25へ移行する。
ステップS25では、ピッチ角速度θ′が所定値−α及び+αの範囲内(−α≦θ′≦+α)で、且つ車間距離センサ12の上下変位速度VZLが所定値−β及び+βの範囲内(−β≦VZL≦+β)で、且つ先行車車速VPRが略停止状態を表す所定値−ΔV及び+ΔVの範囲内(−ΔV≦VPR≦+ΔV)であって、対象物を路面として特定できる第2の路面適合パターンであるか否かを判定し、第2の路面適合パターンであるときにはステップS26に移行して、第2の路面適合フラグFを“1”にセットしてから路面パターン適合判定処理を終了して図9のステップS11に移行し、第2の路面適合パターンでないときにはステップS27に移行する。
【0047】
このステップS27では、ピッチ角速度θ′が所定値+αより大きく(θ′>+α)、且つ先行車車速VPRが所定値+ΔVより大きい(VPR>+ΔV)か、又は車間距離センサ12の上下変位速度VZLが所定値+βより大きく(VZL>+β)、且つ先行車車速VPRが所定値+ΔVより大きい(VPR>+ΔV)対象物を路面として特定できる第3の路面適合パターンであるか否かを判定し、第3の路面適合パターンであるときにはステップS28に移行して、第3の路面適合フラグFを“1”にセットしてから路面パターン適合判定処理を終了して図9のステップS11に移行し、第3の路面適合パターンでないときにはステップS29に移行する。
【0048】
このステップS29では、ピッチ角速度θ′が所定値−αより小さく(θ′<−α)、且つ先行車車速VPRが所定値−ΔVより小さい(VPR<−ΔV)か、又は車間距離センサ12の上下変位速度VZLが所定値−βより小さく(VZL<−β)、且つ先行車車速VPRが所定値−ΔVより小さい(VPR<−ΔV)対象物を路面として特定できる第4の路面適合パターンであるか否かを判定し、第4の路面適合パターンであるときにはステップS30に移行して、第4の路面適合フラグFを“1”にセットしてから路面パターン適合判定処理を終了して図9のステップS11に移行し、第4の路面適合パターンでないときにはそのまま路面パターン適合判定処理を終了して図8のステップS11に移行する。
【0049】
図9のステップS11では、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされている場合には、ステップS12に移行して、路面確率変数Rを“0”に設定してからステップS15に移行する。
また、ステップS11の判定結果が第2の路面適合フラグFが“1”にセットされているときには、ステップS13に移行して、下記(35)式の演算を行って、各路面適合フラグF、F、F及びFの値の和で表される路面確率変数Rを算出してからステップS14に移行する。
【0050】
=F+F+F+F …………(35)
ステップS14では、相対速度V及び目標車間距離Lから車間距離Lを減算した車間距離偏差Lをもとに図10に示す車間距離応答特性を表す固有振動数ωを通常応答用固有振動数算出マップを参照して通常固有振動数ωLNを算出し、次いでステップS15に移行して、路面確率変数Rが“0”であるか否かを判定し、R=0であるときには、路面を誤検出している可能性がないもの判断してステップS16に移行し、前記ステップS14で算出した通常固有振動数ωLNを固有振動数ωとして設定してから特性変更制御処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0051】
また、ステップS15の判定結果が、路面確率変数Rが“2”以上であるときにはステップS17に移行して、下記(36)式に従ってステップS14で算出した通常固有振動数ωLNに“1”より小さい値(例えば0.9程度)に設定された係数Kωを乗算して算出する緩応答用固有振動数ωLSを固有振動数ωとして設定してから特性変更制御処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0052】
ωLS=Kω・ωLN …………(36)
この図8及び図9の処理において、ステップS5〜S9の処理が車両運動検出手段に対応し、ステップS10〜S13の処理及び図9の処理が対象物推定手段に対応し、ステップS14〜S17の処理が制御特性変更手段に対応している。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
【0053】
今、自車両が前方に上り坂が存在しない平坦な平地を車間距離センサ12で運転者が設定した設定車速VSET よりは低いが所定車速ΔVよりは速い車速で走行する先行車両を捕捉して走行しているものとする。この走行状態では、図9の特性変更制御処理で、車速センサ12で制御対象物を捕捉しており、車間距離Lが設定距離Ls以下であるので、車体上下加速度センサ14F及び14Rで検出した車体上下加速度G及びGを読込んだときに(ステップS5)、これら車体上下加速度G及びGが略零となり、これら車体上下加速度G及びGに基づいて算出する前輪側車体上下速度VZF及び後輪側車体上下速度VZRも略零となる(ステップS6)。次いで、前輪側車体上下速度VZF及び後輪側車体上下速度VZRに基づいて車体のピッチ角速度θ′を算出すると(ステップS7)、このピッチ角速度θ′も略零となり、ステップS9で算出される路面の勾配角度変化率θ′も略零となる。
【0054】
このため、図9の路面パターン適合判定処理で、路面の勾配角度変化率θ′が−γ≦θ′≦+γとなるため、ステップS21からステップS23に移行し、第1の路面適合フラグFは“0”にリセットされた状態を維持し、ピッチ角速度θ′が−α≦θ′≦+αであり、車間距離センサ12の上下変位速度VZLが−β≦VZL≦+βであるが、先行車両が所定車速+ΔVより速い先行車車速VPRで走行しているので、VPR>+ΔVとなるため、ステップS25に移行し、第2の路面適合フラグFも“0”にリセットされた状態を維持し、さらにピッチ角速度θ′が−α≦θ′≦+αであり、車間距離センサ12の上下変位速度VZLが−β≦VZL≦+βであるため、第3の路面適合フラグF及び第4の路面適合フラグFを“0”にリセットされた状態が維持される。
【0055】
このため、図8のステップS11に移行したときに、第2の路面適合フラグFが“0”にリセットされているので、ステップS13に移行して、路面確率変数Rは“0”に設定される。
その後、ステップS14で、相対速度Vと、車間距離指令値Lから車間距離Lを減算した車間距離偏差Lとをもとに通常応答用固有振動数算出マップを参照して通常固有振動数ωLNを算出してからステップS15に移行し、Rが“0”であるので、ステップS16に移行して、通常固有振動数ωLNが固有振動数ωとして設定される。
【0056】
一方、車間距離制御部24では、車間距離センサ12から、先行車両との車間距離Lが出力されると共に、自車両との相対車速Vが出力され、これらが車間距離指令値演算部24aに入力されるので、この車間距離指令値演算部24aで先行車車速VPRを算出すると共に、これと車間時間Tとをもとに前記(1)式に従って車間距離指令値Lを算出する。
【0057】
そして、車間距離制御演算部24bでは、車間距離指令値L、車間距離L、相対速度V及び自車速Vをもとに前記(3)式の演算を行って車速指令値VLCを算出する。このとき、(3)式における車間距離フィードバックゲインK及び相対速度フィードバックゲインKが上述した特性変更制御処理で算出された固有振動数ω及び別途通常固有振動数算出マップと同様に相対速度Vと車間距離偏差Lとをもとに通常減衰係数算出マップを参照して算出した減衰係数ζと、カットオフ周波数ωとに基づいて前記(5)式及び(6)式で算出される。
【0058】
このため、両フィードバックゲインK及びKが通常の先行車両に追従する追従走行制御に最適な応答特性に設定され、これらフィードバックゲインK及びKに基づいて通常の追従走行制御の車間距離に基づく速度指令値VLCが算出される。
そして、算出された車間距離に基づく速度指令値VLCが運転者が設定した設定車速VSET 以下であるときにはこの車間距離に基づく速度指令値VLCが速度指令値Vとして速度制御部25に出力される。
【0059】
この速度制御部25では、入力された車速指令値Vに対する実車速Vの応答が、カットオフ周波数ωとなる一次遅れ系となるように駆動力指令値FWCを演算し、この駆動力指令値FWCに空気抵抗と転がり抵抗の和FDHを加算した値にタイヤ半径Rを乗算することにより、駆動軸トルク指令値TWCを算出し、これを駆動軸トルク制御部26に出力する。
【0060】
この駆動軸トルク制御部26では、入力される駆動軸トルク指令値TWCに基づいて前記(19)式に従ってエンジントルク指令値TERを算出し、このエンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTEID 以上であるときにはブレーキを使用することなくエンジントルクのみで駆動軸トルク指令値TWC通りのトルクを実現できるものと判断して、エンジントルク指令値TERをスロットル開度演算部62に供給して、対応するスロットル開度指令値θを算出し、このスロットル開度指令値θをスロットル開度サーボ系110に供給し、このスロットル開度サーボ系110でスロットルアクチュエータ8をフィードバック制御して、車間距離Lを車間距離指令値Lに一致させて先行車両に追従走行する。
【0061】
また、エンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTEID 未満であるときには、エンジンブレーキトルクによる制動トルクを考慮して駆動軸トルクを駆動軸トルク指令値TWCに一致させるためのブレーキ操作量である液圧指令値PBRC を算出し、これをブレーキ液圧サーボ系100に出力し、このブレーキ液圧サーボ系100でブレーキアクチュエータ9をフィードバック制御して、車間距離Lを車間距離指令値Lに一致させて先行車両に追従走行する。
【0062】
このように車間距離センサ12で先行車両を捕捉して、この先行車両に追従走行している状態では、路面の凹凸の通過によるピッチ角速度θ′に変化が生じたり、車間距離センサ12の上下変位速度VZLに変化が生じたりしたとしても、車間距離センサ12の制御対象物検出領域が車間距離Lが大きくなるに従って広くなることにより、先行車両を捕捉できなくなることは殆どなく、図9の路面パターン適合判定処理で、先行車車速VPRが所定車速+ΔVを超えているので、ステップS25からステップS26に移行することはなく、ステップS27からステップS28に移行して、第3の路面適合フラグFが“1”にセットされることはあっても、第2の路面適合フラグFは“0”にリセットされた状態を維持する。
【0063】
したがって、路面確率変数Rは“0”を維持することになり、固有振動数ωは通常固有振動数ωNLを維持し、通常の追従走行制御に最適な応答特性が維持される。
この追従走行制御状態から先行車両が隣接走行車線に車線変更したり、右左折したりするか、又は自車両が隣接走行車線に車線変更することにより、車間距離センサ12で先行車両を捕捉できない状態となると、図8の特性変更制御処理では、ステップS2からステップS3に移行して、路面確率変数Rを“0”にクリアすると共に、各路面適合フラグF、F、F、Fを“0”にリセットする。
【0064】
一方、車間距離制御部24では、車間距離センサ12から出力される車間距離Lが無限大となり、車間距離制御演算部24bで演算される車速指令値VLCも無限大となって運転者が予め設定した車速設定値VSET を超えることになるので、選択回路37で、車速設定値VSET が車速指令値Vとして選択され、これが車速制御部25に出力される。
【0065】
したがって、自車速Vが車速設定値VSET に一致するまで加速制御された後、車速設定値VSET を維持する定速走行状態となる。
この車間距離センサ12で先行車両を捕捉していない平地の走行状態で、図11に示すように、自車両50の前方に上り坂51が存在する状態となり、この上り坂51を車間距離センサ12で検出し、検出した車間距離Lが設定車間距離L以下となると、ステップS2からステップS4を経てステップS5以降に移行する。
【0066】
このとき、自車両50にピッチング及びバウンスを生じていない状態であるものとすると、車間距離センサ12の光軸が図11において符号BSPAで示すように現在走行している平地52の路面と平行な状態を維持して上り坂51を検出する状態を継続するので、車間距離センサ12で検出される車間距離Lが自車両50の自車速Vに応じて減少し、これに応じて相対速度Vが自車速Vと略一致する負の値となる。
【0067】
このため、図9の路面パターン適合判定処理が実行されたときに、ステップS22で算出される先行車車速VPRが略零となり、路面勾配角度変化率θ′は平地を走行しているため略零を維持しているので、ステップS23からステップS25に移行し、車両にピッチング及びバウンスを生じていないので、ピッチ角速度θ′が−α≦θ′≦+αとなり、車間距離センサ12の上下変位速度VZLは−β≦VZL≦+βとなり、先行車車速VPRが−ΔV≦VPR≦+ΔVとなるので、ステップS26に移行して、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされる。
【0068】
このように第2の路面適合フラグFが“1”にセットされると、図8の特性変更制御処理におけるステップS11からステップS13に移行して、各路面適合フラグF、F、F及びFの値を加算して路面確率変数Rを算出するが、この状態では路面適合フラグFのみが“1”にセットされているので、路面確率変数Rが“1”となり、ステップS15からステップS16に移行して固有振動数ωとして通常固有振動数ωLNの設定が継続される。
【0069】
この車間距離センサ12で上り坂51を検出している状態で、路面の凹凸を乗り越えるか、自車両50を加減速することにより、自車両50にピッチング又はスカット現象が発生し、車間距離センサ12の光軸が図11で符号BSPBに示すように上向き状態となると、車間距離センサ12で検出する車間距離LPBが光軸が路面と平行な状態であるときの車間距離LPAに比較して長くなり、逆に車間距離センサ12の光軸が図11で符号BSPCで示すように下向き状態となると、車間距離センサ12で検出する車間距離LPCが光軸が路面と平行な状態であるときの車間距離Lに比較して短くなる。
【0070】
したがって、自車両50にピッチング又はスカット現象が生じて上向きの光軸BSとなった場合には、ピッチ角速度θ′が所定値+αを超えることになり、且つ車間距離Lが水平な光軸BSPAでの車間距離LPAより長い車間距離LPBとなることにより、相対車速Vが自車速Vより遅い負の値となって、先行車車速VPRが所定値+ΔVを超える正の値となると、図9の路面パターン適合判定処理でステップS25からステップS27を経てステップS28に移行して、第3の路面適合フラグFが“1”にセットされる。
【0071】
このため、図8のステップS11からステップS13に移行したときに、既に第2の路面適合フラグFが“1”にセットされているので、路面確率変数Rが“2”となるので、ステップS15からステップS17に移行して、通常固有振動数ωLNに“1”より小さい値の係数Kωを乗算して算出する緩応答用固有振動数ωLSを固有振動数ωとして設定する。
【0072】
このため、車間距離制御演算部24bでは、車間距離指令値L、車間距離L、相対速度V及び自車速Vをもとに前記(3)式の演算を行って車速指令値VLCを算出する。このとき、(3)式における車間距離フィードバックゲインK及び相対速度フィードバックゲインKが上述した特性変更制御処理で算出された固有振動数ω及び別途通常固有振動数算出マップと同様に相対速度Vと車間距離偏差Lとをもとに通常減衰係数算出マップを参照して算出した減衰係数ζと、カットオフ周波数ωとに基づいて前記(5)式及び(6)式で算出される。
【0073】
ここで、固有振動数ωが通常固有振動数ωLNより小さい緩応答用固有振動数ωLSに設定されているので、前記(5)式で算出される車間距離フィードバックゲインKが通常値より小さい値となるので、車間距離指令値Lから現在の車間距離Lを減算した車間距離偏差(L−L)に応じた応答特性が低下され、一方、前記(6)式で算出される相対速度フィードバックゲインKが通常値より大きい値となるので、相対車速Vに応じた応答特性が高められる。このとき、相対車速Vの変化量は少ないが、車間距離指令値Lの変化量は大きく、この車間距離指令値Lの変化量に基づく車速指令値分が抑制されることになり、車間距離センサ12で上り坂41を先行車両として誤検出した場合の自車両50に生じる前後加速度を小さく抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0074】
その後、平地を走行している状態で、車間距離センサ12で上り坂51を誤検出したときに、ピッチング又はスカット現象の揺り戻しが生じるか、車両が制動状態となってノーズダイブ現象が生じて図11に示すように車間距離センサ12が下向きの光軸BSとなった場合には、車間距離LPCが路面と平行な光軸BSPAであるときの車間距離LPAに比較して短くなり、先行車両が自車両に向かって走行しているものと誤判断される。この場合も、図9の処理でステップS27からステップS29に移行し、ピッチ角速度θ′がθ′<−αで且つ先行車車速VPRが所定値−ΔVより小さい値となるので、ステップS30に移行して、第4の路面適合フラグFが“1”にセットされる。
【0075】
このため、図8のステップS13で算出される路面確率変数Rが“3”となり、ステップS15からステップS17に移行して、緩応答用固有振動数ωLSが固有振動数ωとして設定される状態が継続され、車間距離センサ12で上り坂を誤検出した場合の自車両に生じる前後加速度を小さく抑制することを継続する。
【0076】
また、自車両50が車間距離センサ12で先行車両を捕捉することなく平地52を定速走行している状態で、車間距離センサ12で前方の上り坂51を検出したときに、路面凹凸により車両がピッチングを生じないが図12に示すように上下方向に路面と平行に変位するバウンス状態となった場合にも、上記自車両50に上方向の変位が生じたときには、車間距離センサ12も上方に変位することからその光軸も図12で符号BSBBで示すように、車両にバウンスが生じていないときの光軸BSBAに対して上方に変位し、これに応じて車間距離センサ12で検出する車間距離LBBがバウンスを生じていないときの車間距離LBAに比較して長くなる。このため、車間距離センサ12の上下変位速度VZLが所定値+βを超え且つ先行車車速VPRが所定値+ΔVを超える状態となると、図9におけるステップS27からステップS28に移行して、第3の路面適合フラグFを“1”にセットすることにより、路面確率変数Rが“2”となって、前述した自車両にピッチングが生じた場合と同様に緩応答用固有振動数ωLSが固有振動数ωとして設定されることにより、車間距離センサ12で上り坂を誤検出した場合に、自車両に発生する前後加速度を小さく抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0077】
同様に、自車両がバウンスによって下方に変位する場合には、車間距離センサ12の上下変位速度VZLが所定値−βより小さくなり且つ先行車車速VPRが所定値−ΔVより小さい状態となると、図9におけるステップS27からステップS29を経てステップS30に移行して、第3の路面適合フラグFを“1”にセットすることにより、路面確率変数Rが“3”となって、前述した場合と同様に緩応答用固有振動数ωLSが固有振動数ωとして設定されることにより、車間距離センサ12で上り坂を誤検出した場合に、自車両に発生する前後加速度を小さく抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0078】
また、図13に示すように、自車両50が車間距離センサ12で先行車両を検出することなく下り坂51を走行している状態で、車間距離センサ12で前方の平地又は上り坂を検出する状態となった場合に、車両にピッチング、バウンス、スカット及びノーズダイブ等を生じていないときに、図9の処理において、ステップS25からステップS26に移行して、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされ、その後に、ピッチングやスカット、ノーズダイブを生じた場合には、前述した図11と同様に車間距離センサ12が上向きの光軸BSPBとなると、車間距離LPBが路面と平行な光軸BSPAであるときの車間距離LPAに比較して長くなって、図9の処理におけるステップS28で第3の路面適合フラグFが“1”にセットされ、逆に下向きの光軸BSPCとなると、車間距離LPCが路面と平行な光軸BSPAであるときの車間距離LPAに比較して短くなるので、図9の処理でステップS30で第4の路面適合フラグFが“1”にセットされることにより、路面確率変数Rが“2”以上となって、緩応答用固有振動数ωLSが固有振動数ωとして設定されることにより、車間距離センサ12で上り坂を誤検出した場合に、自車両に発生する前後加速度を小さく抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0079】
さらに、図14に示すように、自車両50が車間距離センサ12で先行車両を検出することなく下り坂53を走行している状態で、車間距離センサ12で前方の平地54又は上り坂を検出する状態となった場合に、車両にピッチング、バウンス、スカット及びノーズダイブ等を生じていないときに、図9の処理において、ステップS25からステップS26に移行して、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされる。
【0080】
その後に、車両にバウンスを生じた場合には、前述した図12と同様に車間距離センサ12が上方に変位して高光軸BSPBとなると、車間距離LPBがバウンスを生じていない路面と平行な光軸BSPAであるときの車間距離LPAに比較して長くなって、図9の処理におけるステップS28で第3の路面適合フラグFが“1”にセットされる。逆に下方に変位して低光軸BSPCとなると、車間距離LPCがバウンスを生じていない路面と平行な光軸BSPAであるときの車間距離LPAに比較して短くなる。このため、図9の処理におけるステップS30で第4の路面適合フラグFが“1”にセットされることにより、路面確率変数Rが“2”以上となって、緩応答用固有振動数ωLSが固有振動数ωとして設定されることにより、車間距離センサ12で平地を誤検出した場合に、自車両に発生する前後加速度を小さく抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0081】
さらにまた、図15に示すように、自車両50が車間距離センサ12で先行車両を捕捉していない状態で平地55を走行している状態で、下り坂56に差し掛かり、その前方に平地57が存在する場合には、平地55から下り坂56に差し掛かったときに、前方の平地57を車間距離センサ12で検出することにより、この平地を自車両50に向かって移動する物体として認識することになる。
【0082】
しかしながら、この場合にも、下り坂56に差し掛かったときに、図9の処理において、ステップS23で路面勾配角度変化率θ′が所定値−γより小さく且つ先行車車速VPRが自車両に向かって来る負の値と判定されることにより、ステップS24に移行して、第1の路面適合フラグFが“1”にセットされる。その後、下り坂56の路面勾配が一定の路面を走行する状態となると、平地57を停止物として認識することにより、図9の処理において、ステップS25からステップS26に移行し、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされることにより、図8の処理において、ステップS11からステップS13に移行して、路面確率変数Rが“2”となる。このため、ステップS15からステップS17に移行して、緩応答用固有振動数ωLSを固有振動数ωとして設定されることにより、自車両に生じる前後加速度を小さい値に抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0083】
なおさらに、図16に示すように、自車両50が下り坂58を走行している状態から平地59に差し掛かる場合には、平地59に近い下り坂58を走行している状態から平地59を走行する状態となるときに、車間距離センサ12で平地59を検出することにより、車間距離Lが徐々に長くなり、自車両50と同一方向に遠ざかる先行車両であると誤認識することになる。
【0084】
しかしながら、この場合も図9の処理で、下り坂58の一定勾配を走行しているときに、平地59を停止物として判断することにより、図9の処理でステップS25からステップS26に移行して、第2の路面適合フラグFが“1”にセットされる。その後、自車両50が平地に差し掛かることにより、勾配角度変化率θ′が所定値+γより大きくなり、且つ先行車車速VPRが自車速Vより大きくなるので、ステップS23からステップS24に移行して、第1の路面適合フラグFが“1”にセットされることにより、路面確率変数Rが“2”となる。このため、図8のステップS15からステップS17に移行して、緩応答用固有振動数ωLSを固有振動数ωとして設定されることにより、自車両に生じる前後加速度を小さい値に抑制して路面を誤検出した場合の追従走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0085】
このように、第1の実施形態によると、上下加速度センサ14F及び14Rで検出した車体上下加速度G及びGに基づいて車体前後の上下変位速度VZF及びVZRを算出し、これに基づいてピッチ角速度θ′、車間距離センサ12の上下変位速度VZLを算出することにより、これらに基づいて自車両が平地を走行していて前方に上り坂が存在したり、下り坂を走行していて前方に平地又は上り坂が存在したりする場合に、車間距離センサ12で路面を先行車両又は停止物と誤認識したときに、車両の走行制御の応答特性を通常応答特性から緩応答特性に変更するので、路面を誤検出したときの走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
【0086】
また、自車速Vと制駆動トルクとから路面の勾配角度変化率θ′を算出し、この勾配角度変化率θ′と先行車車速VPRとに基づいて平地から下り坂に差し掛かる際又は下り坂から平地に差し掛かる際に、路面を自車両に向かう移動体又は自車両から遠ざかる移動体と誤認識した場合にも、車両の走行制御の応答特性を通常応答特性から緩応答特性に変更するので、路面を誤検出したときの走行制御への影響を最小限に抑制することができる。しかも、路面の勾配角度変化率θ′を自車速Vと制駆動トルクとから算出するので、ブレーキやアクセル操作で発生するピッチ角変化よりも、変化速度が遅く、高精度な積分演算や加速度センサが要求されるが、これらを用いることなく、簡易に勾配角度変化率θ′を算出することができる。
【0087】
さらに、自車両の上下方向速度に対する検知対象物運動特性と、ピッチ角速度に対する検知対象物運動特性と、路面勾配変化に対する検知対象物運動特性とを、各々の基準運動特性と比較し、それぞれの車両運動に対する検知対象物運動特性が基準運動特性に応じたものになるか否かを判定し、各々の判定結果に基づいて誤検出対象物の判定を行うので、誤検出対象物の推定を確実に行うことができる。
【0088】
さらにまた、制御特性変更手段が、対象物推定手段の推定結果が路面である場合に、制駆動力変化を小さくする方向に制御特性を変更するので、対象物検知手段で路面を誤検出した場合に、走行制御への影響を最小限に抑制することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、前後の上下加速度GFM及びGRMを積分演算することで、前側上下変位速度VZF及び後側上下変位速度VZRを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ピッチ変位や上下変位は比較的速い周波数帯の運動であるため、積分誤差による演算オーバーフローを防止するため、前側上下変位速度VZF及び後側上下変位速度VZRに低いカットオフ周波数のハイパスフィルタを施すようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1の実施形態においては、前後に2つの上下加速度センサ14F及び14Rを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、サスペンション特性を制御するために各車輪位置に4つの上下加速度センサを有する場合には、前側の2つの上下加速度センサの平均値を前側上下加速度Gとし、後側の2つの上下加速度センサの平均値を後側上下加速度Gとして使用することができ、4つの上下加速度センサのうちの1つを省略して、省略した上下加速度センサ位置の上下加速度を残りの3つの上下加速度センサの上下加速度検出値から推定するようにしてもよい。
【0090】
さらに、上記第1の実施形態においては、車間距離センサ12の上下変位速度VZL及びピッチ角速度θ′と路面の勾配角度変化率θ′とに基づいて路面パターン適合判定を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、上下変位速度VZL及びピッチ角速度θ′と勾配角度変化率θ′との何れかを省略するようにしてもよい。
【0091】
さらにまた、上記第1の実施形態においては、路面確率変数Rが“2”以上であるときに緩応答用固有振動数ωLSを固有振動数ωとして設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、路面確率変数Rの値が大きくなるに応じて順次小さい値となる緩応答用固有振動数ωLSを設定するようにしてもよく、また、路面確率変数Rが“3”以上であるときには、路面を誤検出している可能性が高いので、車間距離センサ12での車間距離Lを先行車を検出しない非検知扱いとしたり、車間距離Lを路面確率変数Rの値に応じて順次長い値に補正したりして、路面を誤検出した場合の走行制御への影響を抑制するようにしてもよい。
【0092】
なおさらに、上記第1の実施形態においては、固有振動数ωを変更する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、減衰係数ζを路面確率変数Rに応じて通常減衰係数ζLNからこれより小さい緩応答用減衰係数ζLSに変更するようにしてもよく、固有振動数ω及び減衰係数ζの双方を路面確率変数Rに応じて通常値より小さい値に変更するようにしてもよい。さらには、固有振動数ω及び減衰係数ζの双方向を変更する場合に、固有振動数ωについては通常固有振動数ωLNより小さい緩応答用固有振動数ωLSに変更し、減衰係数ζについては通常減衰係数ζLNより大きい値(例えば1.1倍程度)に変更することにより、相対車速制御ゲインKは略変化させずに、車間距離制御ゲインKのみを小さく変更するようにして、車間距離フィードバック系の応答性のみを緩やかに変更するようにしてもよい。
【0093】
次に、本発明の第2の実施形態を図17〜図20について説明する。
この第2の実施形態は、本発明を車両前方の障害物を検出したときに自動的に制動制御を行う制動制御装置に適用したものである。
すなわち、第2の実施形態では、図17に示すように、車間距離センサ12で車間距離L及び相対速度Vを検出し、これら車間距離L及び相対速度Vを制駆動力制御手段としての自動ブレーキ制御部71に供給して、この自動ブレーキ制御部71で相対速度V及び車間距離Lに基づいて操舵で回避不可能且つ制動で回避不可能な領域であるか否かを判定し、この領域であるときに、目標制動トルクTBRC を算出し、この目標制動トルクTBRC に基づいてブレーキ液圧指令値PBRC を算出し、このブレーキ液圧指令値PBRC をブレーキアクチュエータ9に出力する。
【0094】
また、前述した第1の実施形態と同様に車両運動検出手段としての光軸上下変動検出部21で、ピッチ角速度θ′、車間距離センサ12の上下変位速度VZL及び路面の勾配角度変化率θ′を算出し、対象物推定手段としての路面検知判断部22で、ピッチ角速度θ′、車間距離センサ12の上下変位速度VZL及び勾配角度変化率θ′に基づいて路面確率変数Rを算出し、制御特性変更手段としての制動特性可変部72で、路面確率変数Rに基づいて自動ブレーキ制御部71で操舵及び制動で回避不可能領域の判断に使用する横加速度α及び減速度αを設定する。
【0095】
そして、自動ブレーキ制御部71では、障害物と接触が回避できない場合に自動ブレーキ作動信号を出力する。この障害物と接触が回避できない場合とは、操舵で回避不可能な場合且つ制動で回避不可能な場合である。
先ず、操舵で障害物を回避できる条件について説明する。今、図18に示すように、自車両75が先行車両76に対して車間距離L、相対速度Vで接近していると仮定する。この時、車間距離Lが零になる前に自車両75の前左側端点Aが先行車両76の車幅Wだけ横方向に移動できれば接触回避可能である。回避字に自車両75は横加速度αで横方向に移動するとすれば、車幅Wだけ移動するのに要する時間Tは下記(37)式で算出することができる。
【0096】
=√(2・W/α) …………(37)
したがって、操舵で接触を回避するためには、相対速度Vと車間距離Lとの関係が次式となればよい。
L>T・V …………(38)
次に、制動で障害物を回避できる条件について説明する。上記と同様に自車両75は先行車両76に対して車間距離L、相対速度Vで接近していると仮定する。この時、接触回避に発生する減速度をαとすると、制動で障害物との接触を回避するためには相対速度Vと車間距離Lとの関係が次式となればよい。
【0097】
L>V /(2・α) …………(39)
今、横加速度αを5(m/s)とし、減速度αを8(m/s)と想定した場合、操舵で回避可能となる境界線BLは横軸に相対速度Vを、縦軸に車間距離Lをそれぞれとった図19で実線図示のように表され、制動で回避可能となる境界線BLは図19で点線図示のように表される。この図19から、車間距離Lと相対速度Vが殿領域に含まれるかを判定することで、接触回避不可能か否かを判断することができる。ここでの接触回避不可能とは「操舵で回避不可能」且つ「制動で回避不可能」であり、その接触回避不可能領域は図19でハッチング表示された領域となる。
【0098】
したがって、前記(38)式が非成立、且つ前記(39)式が非成立の場合に、所定の減速度αBRを発生させるブレーキ液圧指令値PBRC をブレーキアクチュエータ9に出力し、自車両を減速させる。目標減速度をαBRとした場合、走行抵抗と、エンジンブレーキによる制動トルクを無視すると目標制動トルクTBRC は次式で表される。
【0099】
BRC =M・αBR・R …………(40)
ここで、Mは車重、Rはタイヤ半径である。
したがって、目標制動トルクTBRC に対して次式のブレーキ液圧指令値PBRC を発生させればよい。
BRC =TBRC /KBR …………(41)
ここで、KBR=8・A・R・μであり、Aはブレーキシリンダ面積、Rはロータ有効半径、μはパッド摩擦係数である。
【0100】
以上から横加速度α及び減速度αを変化させると、ブレーキ作動のタイミングが変化し、目標減速度αBRを変化させると制動減速度が変化する。
一方、制動特性可変部72では、路面検知判断部からの路面確率変数Rに基づいて、自動ブレーキ制御部71の定数となる横加速度α、減速度α及び目標減速度αBRの変更や車間距離信号の補正を行う。
【0101】
すなわち、路面確率変数Rが“2”未満であれば、横加速度α及び減速度αを通常の値αXN及びαYNに設定する。
α=αXN …………(42)
α=αYN …………(43)
また、路面確率変数Rが“2”以上であれば、路面を捉えている可能性が高いが、路面であれば、前方上り坂で自車両が上り坂にかかった場合など、車間距離Lが近くから遠くに離れて車間距離センサ12で非検知状態となる場合もあるため、ブレーキ作動タイミングを遅らせて様子をみることで路面の検知確率が増加し、路面誤検出による自動ブレーキ作動による違和感を軽減することができる。
【0102】
したがって、路面確率変数Rが“2”以上であるときには、横加速度α及び減速度αを通常の値αXN及びαYNより大きな値の遅延用横加速度αXL及び遅延用減速度αYLを設定する。このときの遅延用横加速度αXL及び遅延用減速度αYLは車両の物理的な限界値を設定するようにしてもよい。
α=αXL …………(44)
α=αYL …………(45)
さらに、路面確率変数Rが大きくなるほど路面である確率が増加するので、この値に応じてα及びαを更に大きくしてブレーキ作動タイミングを路面確率変数Rが大きくなるにつれて遅くするか目標減速度αBRを小さく設定するようにしてもよい。また、高速走行時には、極端な路面変化がないと想定できるため、車速が高い程、横加速度α及び減速度αの増加幅を小さく或いは目標減速度αBRの減少幅を小さくしてもよい。
【0103】
この第2の実施形態によると、制動特性可変部72で、路面検知判断部22から入力される路面確率変数が“2”未満であるときには、路面を誤検出している可能性が少ないものと判断して、横加速度α及び減速度αを通常の値αXN及びαYNに設定する。このため、車間距離センサ12で渋滞や赤信号等で停車している先行車両やその他の停止している障害物を検出した場合に、運転者が操舵制御或いは制動制御を行うことなく、図19のハッチングで表す回避不可能領域となったときに、自動ブレーキ制御部71で、前記(40)式に従って目標制動トルクTBRC を算出し、この目標制動トルクTBRC をもとに前記(41)式に従ってブレーキ液圧指令値PBRC を算出し、このブレーキ液圧指令値PBRC をブレーキアクチュエータ9に出力することにより、自動ブレーキを作動させる。
【0104】
一方、路面検知判断部22で算出される路面確率変数が“2”以上であるときには、制動特性可変部72で、路面を誤検出している可能性が高ものと判断して、横加速度α及び減速度αを通常の値αXN及びαYNより大きい遅延用横加速度αXL及び遅延用減速度αYLを設定する。このため、自動ブレーキ制御部71では、回避不可能領域が図20でハッチング図示のように、図19でハッチング図示されている回避不可能領域に対して操舵回避可能境界線BLの傾きが小さくなると共に、制動回避可能境界線BLの増加率が小さくなる。したがって、相対速度Vに対する車間距離Lがより小さい値となるまで自動ブレーキ制御部71でブレーキ液圧指令値PBRC が算出されてブレーキアクチュエータ9に出力されるタイミングが遅らされることになり、車間距離センサ12で路面を誤検出した場合に、自動ブレーキ制御が開始されるタイミング遅らせて、路面を誤検出した場合の自動ブレーキ制御の開始を抑制して、路面を誤検出した場合に自動ブレーキ制御が開始されて運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
【0105】
また、制動特性可変部72で、路面確率変数Rが“2”以上となったときに、目標減速度αBRを通常値αBRN に比較して小さい値の緩制動用目標減速度αBRS に設定する場合には、自動ブレーキ制御部71で回避不可能領域となった場合に算出される目標制動トルクTBRC が通常時に比較して小さい値となり、これに応じてブレーキ液圧指令値PBRC も小さい値となることにより、ブレーキアクチュエータ9で発生する制動力が抑制されて、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
【0106】
なお、第2の実施形態においては、制動特性可変部72で、横加速度α及び減速度αを可変するか又は目標減速度αBRを可変する場合について説明したが、横加速度α及び減速度αと目標減速度αBRとの双方を路面確率変数Rに応じて同時に変更するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、誤検出対象物が路面である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、道路の中央線に埋め込まれたキャッツアイや道路脇に設置された反射板等の固定物を誤検出対象物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施形態における走行制御用コントローラの制御ブロック図である。
【図3】車間距離制御演算部のブロック図である。
【図4】車速制御部のブロック図である。
【図5】エンジン回転速度とエンジンブレーキトルクとの関係を表すエンジンブレーキトルク算出マップを示す特性線図である。
【図6】駆動軸トルク制御部のブロック図である。
【図7】エンジン回転速度をパラメータとしたエンジントルク指令値とスロットル開度指令値との関係を表すエンジンマップを示す特性線図である。
【図8】走行制御用コントローラで実行する特性変更制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8の路面パターン適合判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】通常応答用固有振動数算出マップを示す説明図である。
【図11】平地を走行して前方に上り坂が存在する場合のピッチングによる車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図12】平地を走行して前方に上り坂が存在する場合のバウンスによる車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図13】下り坂を走行して前方に平地が存在する場合のピッチングによる車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図14】下り坂を走行して前方に平地が存在する場合のバウンスによる車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図15】平地から下り坂を走行し、前方に平地が存在する場合の車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図16】下り坂から平地を走行する状態となる場合の車間距離センサの光軸変化を示す説明図である。
【図17】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図18】自車両が先行車を操舵回避する場合の位置関係を示す説明図である。
【図19】通常時の回避不可能領域を示す説明図である。
【図20】路面誤検出時の回避不可能領域を示す説明図である。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪
1RL,1RR 後輪
2 エンジン
7 エンジン出力制御装置
8 スロットルアクチュエータ
9 ブレーキアクチュエータ
10 制動制御装置
12 車間距離センサ
13 車速センサ
14F,14R 上下加速度センサ
15 走行制御用コントローラ
20 車間距離制御部
21 光軸上下変動検出部
22 路面検知判断部
23 距離特性可変部
24 車間距離制御演算部
24a 車間距離指令値演算部
24b 車間距離制御演算部
25 車速制御部
26 駆動軸トルク制御部
71 自動ブレーキ制御部
72 制動特性可変部

Claims (8)

  1. 自車両前方の対象物までの距離と相対速度とを検知する対象物検知手段と、該対象物検知手段で検知した距離及び相対速度に基づいて自車両の制動及び駆動の少なくとも一方を制御する制駆動制御手段と、自車両の上下運動を検出する車両運動検出手段と、該車両運動検出手段で検出した車両上下運動と前記対象物検知手段で検出した距離及び相対速度とに基づいて誤検出対象物を推定する対象物推定手段と、該対象物推定手段で推定した誤検出対象物に応じて前記制駆動手段の制御特性を変更する制御特性変更手段とを備えたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 前記車両運動検出手段は、車両の上下方向運動とピッチ角速度とを検出し、前記対象物推定手段は、車両の上下方向運動及びピッチ角速度と検知対象物運動特性とに基づいて誤検出対象物であるか否かの判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
  3. 前記車両運動検出手段は、車両の上下方向運動とピッチ角速度と路面勾配変化とを検出し、前記対象物推定手段は、車両の上下方向運動、ピッチ角速度及び路面勾配変化と検知対象物運動特性とに基づいて誤検出対象物であるか否かの判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
  4. 前記対象物推定手段は、自車両の上下方向速度に対する検知対象物運動特性と、ピッチ角速度に対する検知対象物運動特性とを、各々の基準運動特性と比較し、それぞれの車両運動に対する検知対象物運動特性が基準運動特性に応じたものになるか否かを判定し、各々の判定結果に基づいて誤検出対象物の判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用走行制御装置。
  5. 前記対象物推定手段は、自車両の上下方向速度に対する検知対象物運動特性と、ピッチ角速度に対する検知対象物運動特性と、路面勾配変化に対する検知対象物運動特性とを、各々の基準運動特性と比較し、それぞれの車両運動に対する検知対象物運動特性が基準運動特性に応じたものになるか否かを判定し、各々の判定結果に基づいて誤検出対象物の判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用走行制御装置。
  6. 前記対象物推定手段は、路面を誤検出対象物として設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車両用走行制御装置。
  7. 前記制御特性変更手段は、前記対象物推定手段の推定結果が路面である場合、制駆動力変化を小さくする方向に制御特性を変更することを特徴とする請求項6に記載の車両用走行制御装置。
  8. 自車速を検出する車速検出手段を有し、前記制御特性変更手段は、対象物推定手段の推定結果が路面である場合、車速が高いほど制駆動力を発生するタイミングの遅れ時間を小さくするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用走行制御装置。
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