JP2003267085A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

車両用走行制御装置

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JP2003267085A
JP2003267085A JP2002072992A JP2002072992A JP2003267085A JP 2003267085 A JP2003267085 A JP 2003267085A JP 2002072992 A JP2002072992 A JP 2002072992A JP 2002072992 A JP2002072992 A JP 2002072992A JP 2003267085 A JP2003267085 A JP 2003267085A
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JP
Japan
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vehicle
preceding vehicle
inter
distance
vehicle distance
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Application number
JP2002072992A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ashizawa
裕之 芦沢
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先行車両追従走行制御中に先行車両を見失った
ときの乗心地を向上すると共に、先行車両が全くなくな
ったときには速やかに制御を中止する。 【解決手段】先行車両を見失ったら、見失い保留時間t
LST の間、先行車両見失い直前の相対加速度Δαを用い
て、推定相対速度ΔVEST 及び推定車間距離LES T を算
出し、それらに基づいて先行車両追従走行制御を継続
し、見失い保留時間tLST が経過したら制御を中止す
る。見失い保留時間tLST は、自車両に対する先行車両
の横変位LX が大きいほど小さくする。また、先行車両
を見失い易いきついカーブや車間距離が長いときには見
失い保留時間tLST を大きくする。また、相対速度が負
の時にも見失い保留時間tLST を大きくして自車両が先
行車両に接近しすぎないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自車両に先行す
る先行車両に追従して走行する先行車両追従走行制御装
置等の車両用走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような車両用走行制御装置として
は、例えば特開2000−135934号公報に記載さ
れるものがある。この車両用走行制御装置は、車間距離
センサで自車両に先行する先行車両までの車間距離を検
出し、その車間距離と目標とする車間距離との差並びに
自車両と先行車両との相対速度に応じて車間距離制御系
の応答特性を決定すると共に、その車間距離制御系の応
答特性に基づいて目標とする自車両の走行速度を設定
し、実際の自車両の走行速度と目標値とが一致するよう
に制駆動力及び変速比を制御する。この車両用走行制御
装置では、車間距離を維持して先行車両に追従走行して
いるときに、先行車両が車線変更などにより自車両の走
行レーンから外れた場合、つまり先行車両がいなくなっ
た場合には、予め設定された車速まで自動的に加速し、
定速走行に移行する。しかしながら、実際には先行車両
が存在しているにもかかわらず、車間距離センサが先行
車両を見失ったときには、先行車両がいないものと判断
して加速し、不用意に車間距離が短くなってしまう恐れ
がある。そこで、特開平11ー192858号公報に
は、先行車両を見失った地点に自車両が到達するまでは
現状の走行速度を維持する車両用走行制御装置が提案さ
れている。また、特開平10−157487号公報に
は、先行車両を見失う直前に検出した車間距離を継続し
て用いて車間距離制御を行う車両用走行制御装置が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平11−192858号公報に記載される車両用走行
制御装置では、先行車両を見失ったときに、そのときの
走行速度を維持する構成となっているため、例えば減速
制御中に実際には存在する先行車両を見失うと、それ以
後の減速制御を中止することになるため、先行車両との
車間距離が短くなる可能性があるという問題がある。ま
た、前記特開平10−157487号公報に記載される
車両用走行制御装置では、先行車両を見失う直前に検出
した車間距離を継続して用いて車間距離制御を行う構成
となっているため、例えば目標車間距離よりも実際の車
間距離の方が長く、しかしながら先行車両に合わせて減
速制御しているときに実際には存在する先行車両を見失
うと、車間距離を変えないように減速制御を中止する
か、或いは加速制御に移行し、その後、再び先行車両を
検出すると減速制御を再開するという現象が繰り返さ
れ、乗心地が悪化すると共に乗員に不安感を与えるとい
う問題がある。特に、カーブ路を走行しているときや、
ノーズダイブを伴う減速制御中は車間距離センサが先行
車両を見失いやすく、前述の問題の発生頻度が大きくな
る。
【0004】本発明は、これらの諸問題を解決すべく開
発されたものであり、先行車両を見失ったときに、乗心
地を悪化することなく、適切に車間距離制御を行った後
に制御を中止することが可能な車両用走行制御装置を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両用走行制御装置
は、自車両に先行する先行車両を検出し、自車両と先行
車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車
両の走行速度を検出する自車速度検出手段及び前記先行
車両の走行速度を検出する先行車両速度検出手段の少な
くとも何れか一方と、前記自車速度検出手段で検出され
た自車両の走行速度又は前記先行車両速度検出手段で検
出された先行車両の走行速度の何れか一方に基づいて目
標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、前記車
間距離検出手段で検出された先行車両との車間距離及び
前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に
基づいて自車両の走行状態を制御する走行制御手段とを
備えた車両用走行制御装置において、自車両と先行車両
との横方向への位置の差を横変位として検出する先行車
両横変位検出手段と、先行車両の見失い時に、その見失
い直前の先行車両の挙動に基づいて見失い後の先行車両
の挙動及び前記車間距離を推定する見失い後先行車両挙
動及び車間距離推定手段とを備え、前記制御手段は、前
記先行車両を見失ったときから所定時間の間、前記見失
い後の先行車両挙動及び車間距離推定手段で推定された
先行車両の挙動及び車間距離に基づいて自車両の走行状
態を制御すると共に、前記先行車両横変位検出手段で検
出された自車両と先行車両との横変位が大きいときに前
記所定時間を小さくすることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明のうち請求項2に係る車両用
走行制御装置は、前記請求項1の発明において、走行車
線の曲率半径を検出する走行車線曲率半径検出手段を備
え、前記先行車両横変位検出手段は、前記走行車線曲率
半径検出手段で検出された走行車線の曲率半径に基づい
て前記自車両と先行車両との横変位を検出することを特
徴とするものである。また、本発明のうち請求項3に係
る車両用走行制御装置は、前記請求項1又は2の発明に
おいて、前記制御手段は、前記先行車両横変位検出手段
で検出された自車両と先行車両との横変位が所定値以上
であるときに前記所定時間を零とすることを特徴とする
ものである。
【0007】また、本発明のうち請求項4に係る車両用
走行制御装置は、前記請求項1乃至3の何れかの発明に
おいて、前記制御手段は、前記車間距離検出手段で検出
された自車両と先行車両との車間距離が大きいときには
前記所定時間を大きくすることを特徴とするものであ
る。また、本発明のうち請求項5に係る車両用走行制御
装置は、前記請求項1乃至4の何れかの発明において、
自車両と先行車両との相対速度を検出する相対速度検出
手段を備え、前記制御手段は、前記相対速度検出手段で
検出された自車両と先行車両との相対速度が小さいとき
には前記所定時間を大きくすることを特徴とするもので
ある。
【0008】また、本発明のうち請求項6に係る車両用
走行制御装置は、前記請求項1乃至5の何れかの発明に
おいて、走行車線の曲率半径を検出する走行車線曲率半
径検出手段を備え、前記制御手段は、前記走行車線曲率
半径検出手段で検出された走行車線の曲率半径が小さい
ときには前記所定時間を大きくすることを特徴とするも
のである。
【0009】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係る車
両用走行制御装置によれば、先行車両の見失い時に、そ
の見失い直前の先行車両の挙動に基づいて見失い後の先
行車両の挙動及び車間距離を推定し、当該先行車両を見
失ったときから所定時間の間、見失い後に推定された先
行車両の挙動及び車間距離に基づいて自車両の走行状態
を制御する構成としたため、急激な加減速を伴うことな
く、先行車両見失い直前まで行われていた制御から滑ら
かに制御が継続され、乗心地が悪化せず、適切な車間距
離制御を行った後に先行車両追従制御を中止することが
可能となると共に、自車両と先行車両との横変位が大き
いときに前記所定時間を小さくする構成としたため、先
行車両が車線変更したときのように明らかに先行車両が
なくなったときには、前記推定された先行車両の挙動及
び車間距離に基づく自車両の走行状態制御を不必要に継
続せず、先行車両追従制御を適切に中止することができ
る。
【0010】また、本発明のうち請求項2に係る車両用
走行制御装置によれば、検出された走行車線の曲率半径
に基づいて自車両と先行車両との横変位を検出する構成
としたため、直線の走行車線と同程度の精度で見失い後
の先行車両を検出することが可能となる。また、本発明
のうち請求項3に係る車両用走行制御装置によれば、検
出された自車両と先行車両との横変位が所定値以上であ
るときに先行車両の挙動及び車間距離に基づく自車両の
走行状態制御の継続所定時間を零とする構成としたた
め、明らかに先行車両がなくなったときには、先行車両
追従制御を直ちに中止することができる。
【0011】また、本発明のうち請求項4に係る車両用
走行制御装置によれば、検出された自車両と先行車両と
の車間距離が大きいときには先行車両の挙動及び車間距
離に基づく自車両の走行状態制御の継続所定時間を大き
くする構成としたため、先行車両を見失い易い車間距離
の大きなときに先行車両の見失いと認識とを繰り返して
も乗心地が悪化しない。また、本発明のうち請求項5に
係る車両用走行制御装置によれば、検出された自車両と
先行車両との相対速度が小さいときには先行車両の挙動
及び車間距離に基づく自車両の走行状態制御の継続所定
時間を大きくする構成としたため、自車両が先行車両に
近づきすぎるのを防止することができる。
【0012】また、本発明のうち請求項6に係る車両用
走行制御装置によれば、検出された走行車線の曲率半径
が小さいときには先行車両の挙動及び車間距離に基づく
自車両の走行状態制御の継続所定時間を大きくする構成
としたため、先行車両を見失い易い走行車線曲率半径の
小さなときに先行車両の見失いと認識とを繰り返しても
乗心地が悪化しない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の車両用走行制御装
置を適用した先行車両追従走行装置付き後輪駆動車両の
システム構成図である。図中の符号1FL、1FRは従
動輪としての前輪、1RL、1RRは駆動輪としての後
輪であり、当該後輪1RL、1RRはエンジン2の駆動
力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置
5及び車軸6を介して伝達され、回転駆動される。
【0014】また、前記後輪1RL、1RRには、夫々
制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられている
と共に、これらディスクブレーキ7の制動流体圧が制動
制御装置8によって制御される。ここで、制動制御装置
8は、ブレーキペダル8aの踏込みに応じて制動流体圧
を発生すると共に、走行制御用コントロールユニット2
0からの制動流体圧指令値に応じた制動流体圧を発生す
るように構成されている。
【0015】また、前記エンジン2には、その出力を制
御するエンジン出力制御装置9が設けられている。この
エンジン出力制御装置9は、エンジン出力の制御方法と
して、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転
数を制御すると方法と、アイドルコントロールバルブの
開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する
方法とが考えられているが、本実施形態では、スロット
ルバルブの開度を調整する方法が採用されている。
【0016】また、前記自動変速機3は、変速機制御装
置10によって、そのときのエンジンの回転状態と負荷
の状態に応じて最適な変速比が得られるように制御され
る。一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両を検
出し、自車両から先行車両までの車間距離を検出する車
間距離検出手段としてのレーダ装置等で構成される前方
状態検出装置12が設けられていると共に、前記自動変
速機3には、その出力軸の回転速度から自車両の走行速
度(以下、単に自車速度とも記す)を検出する車速セン
サ13が配設され、更にブレーキペダル8aに、その踏
込みを検出するブレーキペダルスイッチ14が配設され
ている。なお、前記前方状態検出装置12は、走行車線
の曲率半径を検出する機能がある。
【0017】そして、前記前方状態検出装置12、車速
センサ13、及びブレーキペダルスイッチ14の各出力
信号が走行制御用コントロールユニット20に入力さ
れ、この走行制御用コントロールユニット20によっ
て、前記前方状態検出装置12で検出された車間距離D
及び走行車線曲率半径R、車速センサ13で検出された
自車速Vに基づいて、制動制御装置8、エンジン出力制
御装置9、変速機制御装置10を制御することにより、
先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走
行する定常追従走行制御を行うと共に、先行車両が加減
速したら、それに合わせて自車両を加減速し、走行状態
を制御する。
【0018】前記走行制御用コントロールユニット20
は、マイクロコンピュータとその周辺部品から構成さ
れ、図2のブロック図に相当する演算処理を行う。この
うち、車間距離及び先行車両横変位及び相対速度検出・
推定部21は、前記前方状態検出装置12で検出された
車間距離情報を読込み、車間距離L及び及び先行車両横
変位LX 及び相対速度ΔVを検出或いは推定する。具体
的には、前記前方状態検出装置12で検出された車間距
離情報には、自車両と先行車両との車間距離L及び自車
両と先行車両との横方向への位置の差、つまり横変位L
X が含まれているので、それを検出すると共に、当該車
間距離Lの変化率から相対速度ΔVを算出する。
【0019】また、前記図2における走行車線曲率半径
検出部31では、前記前方状態検出装置12で検出され
た走行車線曲率半径情報を読込み、自車両が走行してい
る走行車線の曲率半径Rを検出する。また、前記図2に
おける見失い保留時間設定部32では、前記車間距離及
び先行車両横変位及び相対速度検出・推定部21で検出
或いは推定された車間距離L及び先行車両横変位LX
び相対速度ΔV及び前記走行車線曲率半径検出部31で
検出された走行車線曲率半径Rを読込み、後述する図3
及び図4の演算処理に従って見失い保留時間tLST を算
出設定する。
【0020】また、前記図2における車間距離指令値設
定部22は、前記車間距離及び先行車両横変位相対速度
検出・推定部21で検出或いは推定された車間距離L及
び先行車両横変位LX 及び相対速度ΔV及び前記見失い
保留時間設定部32で設定された見失い保留時間tLST
並びに車速センサ13で検出された自車速度Vに基づい
て、以下のようにして車間距離指令値L* を算出設定す
る。即ち、前記相対速度ΔVと自車速度Vとの和から先
行車速度VT が得られるから、この先行車速度VT に係
数aを乗じ、更に停止時距離Lofを加えて車間距離指令
値L* を算出設定する。なお、先行車速度VT に代え
て、自車速度Vを用いてもよい。
【0021】また、前記図2における目標車間距離算出
用定数設定部23は、車間距離制御系の減衰係数ζT
びに固有振動数ωT を車間距離の差分値ΔL及び相対速
度ΔVに応じて設定する。車間距離制御系とは、前記車
間距離指令値設定部22で設定された車間距離指令値L
* を入力とし、前方状態検出装置12で検出される車間
距離Lを出力とする系であり、前記車間距離制御系の減
衰係数ζT 並びに固有振動数ωT は、この車間距離制御
系において車間距離Lが車間距離指令値L* に到達する
までの車間距離制御の応答特性を、前記車間距離の差分
値ΔL及び相対速度ΔVに応じて最適に設定するための
ものである。車間距離差分値は車間距離Lから車間距離
指令値L* を減じて求められる。具体的には、種々の先
行車両追従制御において最適な車間距離制御の応答性が
得られるように車間距離の差分値ΔL及び相対速度ΔV
に応じた減衰係数ζT 及び固有振動数ωT をマップとし
て設定し、実際の追従走行制御時の車間距離の差分値Δ
L及び相対速度ΔVに応じた減衰係数ζT 並びに固有振
動数ωT を目標車間距離算出用定数に設定する。
【0022】また、前記図2における目標車間距離及び
目標相対速度設定部24は、前記車間距離及び相対速度
検出・推定部21で検出或いは推定された車間距離L及
び相対速度ΔV、前記車間距離指令値設定部22で設定
された車間距離指令値L* 、前記目標車間距離算出用定
数設定部23で設定された減衰係数ζT 並びに固有振動
数ωT に基づいて、下記1式の二次形式フィルタを通し
て目標車間距離LT 及び目標相対速度ΔVT を算出設定
する。なお、先行車両を検出した直後の車間距離L0
相対速度ΔV0 とを初期値とする。
【0023】
【数1】
【0024】つまり、前記1式に従って算出される目標
車間距離LT 及び目標相対速度ΔV T は、実際の車間距
離Lが前述した目標応答特性を経て車間距離指令値L*
に収束するように、車間距離と相対速度との時間的推移
を規定した最終車間距離指令値である。ここで、前記1
式を展開してラプラス変換すると下記2式を得る。
【0025】
【数2】
【0026】前記2式は、車間距離指令値L* に対する
目標車間距離LT の伝達関数であり、二次式で表され
る。この実施形態では、前述した車間距離制御系におい
て、実際の車間距離Lが前記2式で表される目標車間距
離(最終車間距離指令値)LTとなるようにフィードバ
ック制御を行う。そして、前述したように車間距離制御
系の減衰係数ζT 並びに固有振動数ωT を、車間距離の
差分値ΔL及び相対速度ΔVに応じた目標車間距離制御
応答特性が得られる値に設定したので、種々の先行車両
追従走行形態に応じて望ましい車間距離制御応答特性が
得られる。
【0027】目標車間距離制御応答特性としては、割込
み時や追抜き時等において、先行車両との車間距離が指
令値を下回っているときでも、先行車両との相対速度が
小さい場合は急激な減速を行わず、実際の車間距離が指
令値にゆっくりと収束するような応答が望ましい。ま
た、先行車両に接近しているときなどにおいて相対速度
が大きいときでも、車間距離が大きいときには急激な減
速を行わず、実際の車間距離が指令値にゆっくりと収束
するような応答が望ましい。このような先行車両追従走
行制御形態では、実際に車間距離が指令値をオーバシュ
ート又はアンダシュートしてから収束するような二次の
応答特性となり、そうした応答特性を前記1式及び2式
に示す二次のフィルタによって実現することができる。
【0028】また、前記図2における車速指令値設定部
25は、前記目標車間距離及び目標相対速度設定部24
で算出設定された目標車間距離LT 及び目標相対速度Δ
T、前記車間距離及び相対速度検出・推定部21で検
出又は推定された車間距離L及び相対速度ΔV、車速セ
ンサ13で検出された自車両速度Vを用いて、下記3式
に従って車速指令値V* を算出設定する。式中、f
V は、目標相対速度ΔVTから相対速度ΔVを減じた値
に乗ずる定数、fL は、目標車間距離LT から車間距離
Lを減じた値に乗ずる定数である。
【0029】
【数3】
【0030】一方、前記図2における前置補償車速指令
値設定部27は、前記車間距離指令値設定部22で算出
設定された車間距離指令値L* 、車間距離及び先行車両
横変位及び相対速度検出・推定部21で検出又は推定さ
れた車間距離L及び先行車両横変位LX 及び相対速度Δ
Vを用い、下記4式のフィルタを通して補償車速指令値
C を算出設定する。
【0031】
【数4】
【0032】この4式のフィルタは、車速指令値V*
ら実際の車間距離Lまでの伝達関数の逆系と、下記5式
に示す目標車間距離制御応答特性との積で表される。こ
こで、車速指令値V* から実際の車間距離Lまでの伝達
関数は、前記車速指令値V*を入力とし且つ実際の自車
速度Vを出力とする前記一次遅れ系の車速制御系の伝達
関数と、実際の自車速度Vと先行車速度VT との差分
値、即ち相対速度ΔVを積分して実際の車間距離Lを得
るための積分器との積で表される。なお、前記4式で補
償車速指令値VC を算出するときの初期値は、先行車両
を検出した直後の車間距離L0 と相対速度ΔV0 とす
る。
【0033】
【数5】
【0034】また、前記図2における補正車速指令値設
定部28は、前記車速指令値設定部25で算出設定され
た車速指令値V* から前記前置補償車速指令値設定部2
7で算出設定された補償車速指令値VC を減じた値を補
正車速指令値V*'として算出する。そして、前記車速制
御部26は、この補償車速指令値V*'を入力とし、前記
車速センサ13で検出される自車両速度Vを出力とする
車速制御系の伝達特性を一次遅れの系に近似し、その応
答特性で自車両速度Vが車速指令値V* に一致するため
の目標加減速度を算出設定し、その目標加減速度が達成
されるための制駆動力並びに変速比を算出設定し、それ
らを達成するための指令信号を前記エンジン出力制御装
置9、制動制御装置8及び変速機制御装置10に向けて
出力する。
【0035】この実施形態では、車間距離フィードバッ
ク制御系にフィードフォワードループを加え、車間距離
指令値L* から目標車間距離応答特性を得るための補償
車速指令値VC を求め、この補償車速指令値VC により
車間距離制御系で得られた車速指令値V* を補正する。
もし、車間距離Lが目標車間距離応答特性を示す目標車
間距離LT に一致するようにフィードバック制御する車
間距離フィードバック制御系のみの場合、応答性を向上
するためには、車間距離制御系の制御ゲインを大きく
し、制御時定数を短くしなければならず、そのようにす
ると安定性が犠牲になるというトレードオフの関係があ
る。そこで、本実施形態では、前記フィードフォワード
ループを加えることにより、車間距離制御系の安定性を
損なわずに応答性を向上することができる。
【0036】次に、前記車間距離及び先行車両横変位及
び相対速度検出・推定部21及び前記見失い保留時間設
定部32で行われる演算処理について、図3のフローチ
ャートを用いて説明する。この演算処理は、所定の制御
時間ΔT(例えば10msec.)毎にタイマ割込処理され
る。なお、このフローチャートでは、特に通信のための
ステップを設けていないが、例えばフローチャート中で
得られた情報は随時記憶装置に記憶されるし、必要な情
報は随時記憶装置から読出される。また、各装置間も相
互通信を行っており、必要な情報は、主として制御を司
っている装置から常時読込まれ、送られてきた情報は、
随時記憶装置に記憶される。
【0037】この演算処理のステップS20では、同ス
テップ内で行われる図5の演算処理に従って、見失い保
留時間tLST を設定する。次にステップS40に移行し
て、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、
前記前方状態検出装置12からの車間距離情報に基づい
て先行車両があるか否かを判定し、先行車両がある場合
にはステップS45に移行し、そうでない場合にはステ
ップS50に移行する。
【0038】前記ステップS50では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、先行車両を見失い、
その結果、前記ステップS40から始めてステップS5
0に移行するフローが開始されてから前記ステップS2
0で設定された見失い保留時間tLST が経過したか否か
を判定し、見失い保留時間tLST が経過している場合に
はステップS60に移行し、そうでない場合にはステッ
プS70に移行する。前記ステップS60では、先行車
両を見失ってから前記見失い保留時間tLSTが経過し、
先行車両追従走行制御を終了するために、先行車両認識
フラグをクリアしてからメインプログラムに復帰する。
【0039】一方、前記ステップS70では、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、後述するステ
ップS120で求めた先行車両見失い直前の相対加速
度、つまり相対速度の変化量Δα、先行車両見失い直前
の相対速度ΔVLST 、先行車両を見失ってからの経過時
間tprg を用いて推定相対速度ΔVEST を下記6式に従
って算出すると共に、先行車両見失い直前の車間距離L
LST 及び前記推定相対速度ΔVEST を用いて推定車間距
離LEST を下記7式に従って算出設定し、合わせて先行
車両を見失ってから未だ前記見失い保留時間tLST が経
過していないとして見失い保留フラグをセットしてから
メインプログラムに復帰する。なお、前記図2の各ブロ
ックでは、これらの推定相対速度ΔVEST 、推定車間距
離LEST をそれぞれ相対速度ΔV、車間距離Lとして用
いる。
【0040】
【数6】
【0041】また、前記ステップS45では、前記前方
状態検出装置12からの車間距離情報に基づいて先行車
両までの車間距離L及び先行車両と自車両との相対速度
ΔVを算出してからステップ80に移行する。相対速度
ΔVは、車間距離Lを微分して求めるか、同等の機能を
有するバンドパスフィルタに通して求めるか、或いはそ
の単位時間当たりの変化量から求めることができる。前
記ステップS80では、同ステップ内で行われる個別の
演算処理に従って、前記見失い保留フラグがセットされ
ているか否かを判定し、当該見失い保留フラグがセット
されているときにはステップS90に移行し、そうでな
い場合にはステップS120に移行する。
【0042】前記ステップS90では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、見失い保留が終了し
たか否かを判定し、見失い保留が終了した場合にはステ
ップS110に移行し、そうでない場合にはステップS
100に移行する。具体的に見失い保留が終了したか否
かの判定は、後述するステップS10でローパスフィル
タ処理されたローパスフィルタ処理済み相対速度ΔV
LPF 或いは車間距離LLP F が、前記ステップS45で算
出された相対速度ΔV或いは車間距離Lに近づいたら、
例えば相対速度が±0.05km/hの範囲、車間距離が±
0.5mの範囲になったら見失い保留が終了したと見な
す。
【0043】前記ステップS100では、同ステップ内
で行われる個別の演算処理に従って、下記8式及び前記
5式に従って前記ステップS45で算出した車間距離L
及び相対速度ΔVにローパスフィルタ処理(図ではLP
F処理)を施し、ローパスフィルタ処理済み車間距離L
LPF 及び相対速度ΔVLPF を算出してからステップS1
20に移行する。なお、前記図2の各ブロックでは、こ
のローパスフィルタ処理済み車間距離LLPF 及び相対速
度ΔVLPF を前記車間距離L及び相対速度ΔVとして用
いる。
【0044】
【数7】
【0045】また、前記ステップS110では、見失い
保留フラグをクリアしてから前記ステップS120に移
行する。つまり、先行車両を検出しているときでも、見
失い保留フラグがセットされている間は、前記ステップ
S100で算出したローパスフィルタ処理済み車間距離
LPF 及び相対速度ΔVLPF を用いて自車速度の制御を
行うことにより、前記見失い時に推定していた車間距離
EST 及び相対速度ΔVEST と、先行車両を際検出した
ときの車間距離L及び相対速度ΔVの真値とが乖離して
いた場合でも不連続点が生じないようにすることが可能
となる。
【0046】前記ステップS120では、同ステップ内
で行われる個別の演算処理に従って、例えば下記9式に
従って相対加速度Δα、即ち相対速度ΔVの変化量を算
出すると共に、前記先行車両認識フラグをセットしてか
らメインプログラムに復帰する。下記9式はローパスフ
ィルタとハイパスフィルタとの積で表されるバンドパス
フィルタを示している。このうち、ローパスフィルタは
相対速度ΔVに混入した高周波数ノイズを除去し、ハイ
パスフィルタは相対速度ΔVを微分して相対加速度Δα
を算出する微分器を構成する。
【0047】
【数8】
【0048】次に、この実施形態による先行車両見失い
時の車両挙動について図4を用いて説明する。図4は時
刻t01まで先行車両を検出し、先行車両に追従走行する
制御を継続していたが、時刻t01で先行車両を見失い、
前記見失い保留時間tLST が経過する前に、時刻t02
再び先行車両を検出した場合のシミュレーションであ
る。ちなみに、先行車両見失い時間中の車間距離LR
相対速度ΔVR 、相対加速度ΔαR は何れも真値を表し
ている。
【0049】この実施形態では、先行車両を見失った場
合、前記図3の演算処理のステップS70で、先行車両
見失い直前の相対加速度Δαを用いて推定相対速度ΔV
EST及び推定車間距離LEST を推定算出するため、推定
相対速度ΔVEST は傾き、即ち相対加速度Δα一定で増
加し、それに伴って推定車間距離LEST も傾き一様で減
少する。つまり、先行車両見失い直前の加減速制御が継
続されるため、乗心地が悪化することがない。また、先
行車両を見失ったまま、前記見失い保留時間t LST が経
過した場合には、前記図3の演算処理のステップS60
で先行車両認識フラグがクリアされてしまうため、先行
車両追従走行制御が終了する。
【0050】一方、このシミュレーションのように見失
い保留時間tLST が経過する以前に時刻t02で先行車両
を再検出すると、推定車間距離LEST とその真値LR
或いは推定相対速度ΔVEST とその真値ΔVR とが乖離
している場合もある。このような場合に、検出された車
間距離L及び相対速度ΔVを用いて即座に先行車両追従
走行制御を行うと、それらに不連続点が生じ、結果的に
急激な加減速が行われて乗心地が悪化する。そこで、こ
の実施形態では、前記図3の演算処理のステップS80
からステップS90を経てステップS100に移行し、
ここで検出した車間距離L及び相対速度ΔVにローパス
フィルタ処理を施し、ローパスフィルタ処理済み車間距
離LLPF 及び相対速度ΔVLPF を用いて先行車両追従走
行制御を行う。そのため、推定車間距離LEST とローパ
スフィルタ処理済み車間距離LLP F との間、或いは推定
相対速度ΔVEST とローパスフィルタ処理済み相対速度
ΔVLPF との間に不連続点が生じず、急激な加減速制御
が回避されて乗心地が確保される。
【0051】そして、前記ローパスフィルタ処理済み車
間距離LLPF 及び相対速度ΔVLPFが、それぞれ検出さ
れた車間距離L及び相対速度ΔVに近づいた時刻t
03で、前記図3の演算処理のステップS90からステッ
プS110に移行し、見失い保留制御を終了するものと
して見失い保留フラグがクリアされ、それ以後は検出さ
れた車間距離L及び相対速度ΔVを用いて、再び先行車
両追従走行制御が開始される。
【0052】次に、前記図3の演算処理のステップS2
0で行われる図5の演算処理について説明する。この演
算処理では、まずステップS1で、今回、先行車両を検
出できているか否かを判定し、今回、先行車両を検出で
きている場合にはステップS2に移行し、そうでない場
合にはステップS3に移行する。前記ステップS2で
は、見失い保留時間tLST を“0”とすると共に、前記
車間距離及び先行車両横変位及び相対速度検出・推定部
21で検出或いは推定された車間距離Lを見失い直前車
間距離LLST 、先行車両横変位LX を見失い直前先行車
両横変位LXLST、相対速度ΔVを見失い直前相対速度Δ
LST として更新記憶してから前記図3の演算処理のス
テップS40に移行する。
【0053】一方、前記ステップS3では、前回、先行
車両を検出していたか否かを判定し、前回、先行車両を
検出していた場合にはステップS4に移行し、そうでな
い倍には前記図3の演算処理のステップS40に移行す
る。前記ステップS4では、前記走行車線曲率半径検出
部31で検出された走行車線曲率半径Rから、現在直線
路走行中であるか否かを判定し、直線路走行中である場
合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステ
ップS6に移行する。
【0054】前記ステップS5では、先行車両横変位補
正量LXOFFを“0”に設定してからステップS7に移行
する。また、前記ステップS6では、下記10式に従っ
て先行車両横変位補正量LXO FFを算出してから前記ステ
ップS7に移行する。ここで算出する先行車両横変位補
正量LXOFFは、前記ステップS1及びステップS2のフ
ローから、既に先行車両を見失っている状況下で、前記
図3の演算処理によって推定した車間距離Lを用いて、
見失った先行車両の横変位を求めようとするものであ
り、式中のL/Rは、図6のように曲率半径Rの曲線路
で先行車両と自車両とのなす角度Φを近似したものであ
る。
【0055】
【数9】
【0056】前記ステップS7では、前記ステップS2
で見失い直前に記憶した見失い直前先行車両横変位L
XLSTから前記先行車両横変位補正量LXOFFを減じて見失
い直前先行車両横変位補正値LXLSTH を算出する。この
見失い直前先行車両横変位補正値LXLSTH こそ、推定さ
れる現在の先行車両の横変位である。次にステップS8
に移行して、前記ステップS7で算出した見失い直前先
行車両横変位補正値LXLSTH を用いて、図7aに示す制
御マップから基準見失い保留時間tLSTBを算出設定す
る。この図7aの制御マップでは、前記見失い直前先行
車両横変位補正値LXLSTH が“0”のとき、基準見失い
保留時間tLSTBは所定値tLSTB0 であり、当該見失い直
前先行車両横変位補正値の絶対値|LXLSTH |が所定値
XLSTH0以上の領域では、基準見失い保留時間tLSTB
“0”であり、“0”から所定値LXLSTH0までの間は、
見失い直前先行車両横変位補正値の絶対値|LXLSTH
の増加に伴って基準見失い保留時間tLSTBはリニアに減
少する。なお、この基準見失い保留時間tLSTBは、見失
い直前先行車両横変位補正値の絶対値|LXLSTH |が所
定値LXLSTH0以上の領域で“0”であればよいので、例
えば図7bに示すように、見失い直前先行車両横変位補
正値の絶対値|LXLSTH |が所定値LXLSTH0未満の領域
で前記所定値tLSTB0 一定であってもよい。
【0057】次にステップS9に移行して、前記ステッ
プS2で記憶した見失い直前車間距離LLST を用いて、
図8の制御マップから第1見失い保留時間補正係数KL
を算出設定する。この図8の制御マップでは、前記見失
い直前車間距離LLST が“0”から比較的小さい所定値
LST1までの領域では、第1見失い保留時間補正係数K
L は、“1”より小さい所定値KLmin一定であり、見失
い直前車間距離LLSTが比較的大きい所定値LLST2以上
の領域では、第1見失い保留時間補正係数KLは、
“1”より大きい所定値KLmax一定であり、所定値L
LST1から所定値LLST2までの領域では、見失い直前車間
距離LLST の増加に伴って、第1見失い保留時間補正係
数KL はリニアに増加する。
【0058】次にステップS10に移行して、前記ステ
ップS2で記憶した見失い直前相対速度ΔVを用いて、
図9の制御マップから第2見失い保留時間補正係数KL
を算出設定する。この図9の制御マップでは、前記見失
い直前相対速度ΔVが“0”より小さい負値の所定値
(−ΔV1 )以下の領域では、第2見失い保留時間補正
係数KV は、“1”より大きい所定値KVmax一定であ
り、見失い直前相対速度ΔVが“0”以上の領域では、
第2見失い保留時間補正係数KV は、“1”より小さい
所定値KVmin一定であり、所定値(−ΔV1 )から
“0”までの領域では、見失い直前相対速度ΔVの増加
に伴って、第2見失い保留時間補正係数KV はリニアに
減少する。
【0059】次にステップS11に移行して、前記走行
車線曲率半径検出部31で検出された走行車線の曲率半
径Rを用いて、図10の制御マップから第3見失い保留
時間補正係数KR を算出設定する。この図10の制御マ
ップでは、走行車線曲率半径Rが比較的小さい所定値R
0 以下の領域では、第3見失い保留時間補正係数K
Rは、“1”より大きい所定値KRmax一定であり、走行
車線曲率半径Rが比較的大きい所定値R1 以上の領域で
は、第3見失い保留時間補正係数KR は“1”一定であ
り、所定値R0 から所定値R1 までの領域では、走行車
線曲率半径Rの増加に伴って、第3見失い保留時間補正
係数KR はリニアに減少する。
【0060】次にステップS12に移行して、前記基準
見失い保留時間tLSTHに、前記第1見失い保留時間補正
係数KL 、第2見失い保留時間補正係数KV 、第3見失
い保留時間補正係数KR を乗じて、見失い保留時間t
LST を算出してから前記図3の演算処理のステップS4
0に移行する。この演算処理によれば、先行車両を見失
ってからの先行車両横変位を見失い直前先行車両横変位
補正値LXLSTH として算出し、その値に基づいて基準見
失い保留時間tLSTBを算出設定する。この基準見失い保
留時間tLSTBは、本実施形態では、見失い直前先行車両
横変位補正値の絶対値|LXLSTH |が大きいほど小さな
値に設定されるので、例えば先行車両が車線変更するな
ど、明らかに先行車両がなくなるときには、前記図3の
演算処理に用いる見失い保留時間tLST も小さくなる。
つまり、そのような状況下で、先行車両追従走行を不必
要に継続することがなく、適切に中止することが可能と
なる。
【0061】一方、前記基準見失い保留時間tLSTBに乗
じられる第1見失い保留時間補正係数KL は、見失い直
前車間距離LLST が大きいほど、大きな値に設定され
る。同様に、前記基準見失い保留時間tLSTBに乗じられ
る第3見失い保留時間補正係数KR は、走行車線曲率半
径Rが小さいほど、大きな値に設定される。これらの状
況は、先行車両を見失い易い状況であるから、各補正係
数KL 、KR を大きな値に設定することにより、前記図
3の演算処理に用いる見失い保留時間tLST を大きく
し、先行車両追従走行を適切に継続することを可能とす
る。
【0062】これらに対し、前記基準見失い保留時間t
LSTBに乗じられる第2見失い保留時間補正係数KV は、
自車両と先行車両との見失い直前相対速度ΔVが負値で
あるとき、つまり数値的に小さいときに大きな値に設定
される。自車両と先行車両との相対速度が負値であると
いうことは、自車両は先行車両に接近しつつあることを
意味しているから、そのような状況下で前記図3の演算
処理に用いる見失い保留時間tLST を大きくし、先行車
両追従走行を継続することにより、自車両が先行車両に
不必要に接近するのを回避することができる。
【0063】図11は、前記実施形態により、直線路走
行中に時刻t11で先行車両に追いつき、その後、時刻t
12で先行車両が車線変更を開始し、時刻t13で先行車両
が車線変更を終了したため、自車両では先行車両を見失
ったときのシミュレーションである。走行している車線
は直線路であるから、検出される走行車線曲率半径Rは
“0”であり、そのため前記第3見失い保留時間補正係
数KR は“1”である。また、先行車両を見失う時刻t
13における見失い直前車間距離LLST は正値であること
から前記第1見失い保留時間補正係数KL は或る程度大
きな値であり、同様に見失い直前相対速度ΔVLST は負
値であることから前記第2見失い保留時間補正係数KV
も或る程度大きな値になるが、見失い直前先行車両横変
位LLSTが絶対値の大きな値であるから、前記基準見失
い保留時間tLSTB自体が比較的小さな値になる。そのた
め、この基準見失い保留時間tLSTBに前記第1〜第3見
失い保留時間補正係数KL 、KV 、KR を乗じた見失い
保留時間tLST も小さな値となり、結果的に先行車両を
見失った時刻t13からまもなく、時刻t14で見失い保留
時間tLST が経過し、先行車両追従走行が中止された。
なお、前記時刻t13から時刻t14までの車間距離L、相
対速度ΔVは前記図5の演算処理による推定値である。
【0064】また、図12は、前記実施形態により、曲
率半径Rが一定の曲線路走行中に時刻t21で先行車両に
追いつき、その後、先行車両は車線変更を行うことはな
かったが時刻t22で自車両が先行車両を見失ったときの
シミュレーションである。走行している車線は曲線路で
あり、検出される走行車線曲率半径Rは比較的大きな値
であり、そのため前記第3見失い保留時間補正係数KR
も比較的大きな値に設定される。また、先行車両を見失
う時刻t22における見失い直前車間距離LLSTは正値で
あることから前記第1見失い保留時間補正係数KL は或
る程度大きな値であり、同様に見失い直前相対速度ΔV
LST は負値であることから前記第2見失い保留時間補正
係数KV も或る程度大きな値になる。更に、見失い直前
先行車両横変位LLST が“0”であるから、前記基準見
失い保留時間tLSTB自体が比較的大きな値になる。その
ため、この基準見失い保留時間tLSTBに前記第1〜第3
見失い保留時間補正係数KL 、KV 、KR を乗じた見失
い保留時間tLST も大きな値となり、結果的に先行車両
を見失った時刻t22からしばらく後の時刻t23で先行車
両を再度検出することができ、その後も先行車両追従走
行が継続された。なお、前記時刻t22から時刻t23まで
の車間距離L、相対速度ΔVは前記図5の演算処理によ
る推定値である。
【0065】これらに対し、図13は、見失い保留時間
LST が一定の従来の走行制御装置により、前記図11
のシミュレーションと同様に、直線路走行中に時刻t31
で先行車両に追いつき、その後、時刻t32で先行車両が
車線変更を開始し、時刻t33で先行車両が車線変更を終
了したため、自車両では先行車両を見失ったときのシミ
ュレーションである。見失い保留時間tLST が一定であ
る場合には、先行車両見失い後も、或る程度は推定によ
る先行車両追従走行を継続しなければならないので、当
該見失い保留時間tLST を或る程度大きく設定しておか
なければならない。見失い保留時間tLST の計測は、先
行車両を見失った時刻t33から開始されるが、当該見失
い保留時間tLST が一定であるため、先行車両が全くな
いにも関わらず、結果的に先行車両を見失った時刻t33
からしばらく後の時刻t34まで先行車両追従走行が不必
要に継続されている。
【0066】以上より、前記前方状態検出装置12及び
図3の演算処理のステップS45が本発明の車間距離検
出手段を構成し、以下同様に、前記車速センサ13が自
車速度検出手段を構成し、前記図2の目標車間距離及び
目標相対速度設定部24が目標車間距離設定手段を構成
し、前記図2の車速指令値設定部25及び前置車速指令
値設定部27及び補正車速指令値設定部28及び車速制
御部26及びエンジン出力制御装置9及び制動制御装置
8及び変速機制御装置10が走行制御手段を構成し、前
記前方状態検出装置12及び図2の走行車線曲率半径検
出部31が先行車両横変位検出手段を構成し、前記図3
の演算処理のステップS70が見失い後相対速度及び車
間距離推定手段を構成している。
【0067】なお、前期実施形態では、各コントロール
ユニットをマイクロコンピュータで構成したが、これに
代えて各種の論理回路を用いることも可能である。ま
た、車間距離の検出には、レーダ装置に代えて、CCD
カメラなどの撮像装置を備え、その撮像装置でとらえた
自車両前方の画像から先行車両との車間距離を求めるよ
うにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用走行制御装置の一実施形態を示
す車両構成図である。
【図2】図1の走行制御装置で行われる先行車両追従走
行制御の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】車間距離及び相対速度検出・推定部で行われる
演算処理のフローチャートである。
【図4】図2の実施形態による作用の説明図である。
【図5】図3の演算処理で行われるマイナプログラムの
フローチャートである。
【図6】図5の演算処理の説明図である。
【図7】図5の演算処理に用いられる制御マップであ
る。
【図8】図5の演算処理に用いられる制御マップであ
る。
【図9】図5の演算処理に用いられる制御マップであ
る。
【図10】図5の演算処理に用いられる制御マップであ
る。
【図11】図5の演算処理による作用説明図である。
【図12】図5の演算処理による作用説明図である。
【図13】従来の走行制御装置による作用説明図であ
る。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪 2はエンジン 3は自動変速機 7はディスクブレーキ 8は制動制御装置 9はエンジン制御装置 10は変速機制御装置 12は前方状態検出装置 13は車速センサ 20は走行制御用コントロールユニット 21は車間距離及び相対速度検出・推定部 22は車間距離指令値設定部 23は目標車間距離算出用定数設定部 24は目標車間距離及び目標相対速度設定部 25は車速指令値設定部 26は車速制御部 27は前置補償車速指令値設定部 28は補正車速指令値設定部 31は走行車線曲率半径検出部 32は見失い保留時間設定部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車両に先行する先行車両を検出し、自
    車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手
    段と、自車両の走行速度を検出する自車速度検出手段及
    び前記先行車両の走行速度を検出する先行車両速度検出
    手段の少なくとも何れか一方と、前記自車速度検出手段
    で検出された自車両の走行速度又は前記先行車両速度検
    出手段で検出された先行車両の走行速度の何れか一方に
    基づいて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段
    と、前記車間距離検出手段で検出された先行車両との車
    間距離及び前記目標車間距離設定手段で設定された目標
    車間距離に基づいて自車両の走行状態を制御する走行制
    御手段とを備えた車両用走行制御装置において、自車両
    と先行車両との横方向への位置の差を横変位として検出
    する先行車両横変位検出手段と、先行車両の見失い時
    に、その見失い直前の先行車両の挙動に基づいて見失い
    後の先行車両の挙動及び前記車間距離を推定する見失い
    後先行車両挙動及び車間距離推定手段とを備え、前記制
    御手段は、前記先行車両を見失ったときから所定時間の
    間、前記見失い後の先行車両挙動及び車間距離推定手段
    で推定された先行車両の挙動及び車間距離に基づいて自
    車両の走行状態を制御すると共に、前記先行車両横変位
    検出手段で検出された自車両と先行車両との横変位が大
    きいときに前記所定時間を小さくすることを特徴とする
    車両用走行制御装置。
  2. 【請求項2】 走行車線の曲率半径を検出する走行車線
    曲率半径検出手段を備え、前記先行車両横変位検出手段
    は、前記走行車線曲率半径検出手段で検出された走行車
    線の曲率半径に基づいて前記自車両と先行車両との横変
    位を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用
    走行制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記先行車両横変位検
    出手段で検出された自車両と先行車両との横変位が所定
    値以上であるときに前記所定時間を零とすることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記車間距離検出手段
    で検出された自車両と先行車両との車間距離が大きいと
    きには前記所定時間を大きくすることを特徴とする請求
    項1乃至3の何れかに記載の車両用走行制御装置。
  5. 【請求項5】 自車両と先行車両との相対速度を検出す
    る相対速度検出手段を備え、前記制御手段は、前記相対
    速度検出手段で検出された自車両と先行車両との相対速
    度が小さいときには前記所定時間を大きくすることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用走行制
    御装置。
  6. 【請求項6】 走行車線の曲率半径を検出する走行車線
    曲率半径検出手段を備え、前記制御手段は、前記走行車
    線曲率半径検出手段で検出された走行車線の曲率半径が
    小さいときには前記所定時間を大きくすることを特徴と
    する請求項1乃至5の何れかに記載の車両用走行制御装
    置。
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