JP2004254830A - 食器洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下2段に食器かごを配設したうちの、上段側に収納された食器類の洗浄作用の促進を図る。
【解決手段】洗浄槽9内に上下2段に配設した食器かご25,26のうち、上段の食器かご26と洗浄槽9の背壁面9bとの間に隙間Gを形成し、この隙間Gを介して洗浄水を上方に噴射可能とするとともに、この噴射洗浄水を天井面9cにて反射させて方向変換し、上段側の食器類の洗浄作用に寄与する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】洗浄槽9内に上下2段に配設した食器かご25,26のうち、上段の食器かご26と洗浄槽9の背壁面9bとの間に隙間Gを形成し、この隙間Gを介して洗浄水を上方に噴射可能とするとともに、この噴射洗浄水を天井面9cにて反射させて方向変換し、上段側の食器類の洗浄作用に寄与する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器かごを上下2段に配設したものにあって、特に上段側の食器類に対する洗浄作用の促進を図った食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、食器洗浄機に備えられた食器かごは、洗浄すべき食器類を配列支持するに当って、大型化を招くことなくできるだけ多くの食器類を収納でき、且つ十分に洗浄できて使い勝手が良いこと等が求められている。
しかして、多くの食器類を洗浄するためには多数の食器類を収納できる食器かごが有用であり、このため従来では食器かごを上下2段に配設するとともに、上下段夫々の食器かごの下方に噴射ノズルを配設し、特には上段側の食器類に対する洗浄性能の低下を改善すべくなしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−146310号公報 (第4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の如き特許文献1記載のような上段の食器かごが回動可能な構成では、その大きさや形状において大きな制約を受けることになり、該食器かごに収納できる食器点数については制限を受けることになるとともに、この上段の食器類を取り出してからでないと、その下方に収納された食器類を取り出せないことから使い勝手も必ずしも良いとは言えなかった。
【0005】
そこで、洗浄槽内に上下2段に略同容量の食器かごを配設し、多くの食器類を収納できるようにすることも考えられるが、上下2段の配設に伴ない限られた洗浄槽の上下方向のスペースは更に狭められ、利用できる食器類の特に収納時における高さに制約を受けることとなる。
更には、この上下段の食器かごの中空間に位置して上段側の噴射ノズルを設け、且つ回転可能に設置するためには、更に上下方向の空間スペースを必要とし、洗浄槽を大型化したり、或は上記した特許文献1の如き上段の食器かごを、下段に収納される背の高い食器類との当接を避けた小容量の形態にせねばならないなど、多くの食器類を効率良く洗浄でき、しかも使い勝手も良好とするには必ずしも十分ではなかった。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は上下2段に多くの食器類を収納できる上で、上段側の食器類に対しても十分な洗浄効果が期待できる食器洗浄機を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の食器洗浄機は、食器類を収納した食器かごを、洗浄槽内の上下2段に配設し、これら上下段に収納された食器類を洗浄するための噴射ノズルを上下部に設けたものにおいて、前記上段の食器かごは、洗浄槽側壁面との間に所定の隙間を有して配設し、前記上部噴射ノズルは前記隙間より下方に設けられ該隙間を介して洗浄水を上方に噴射する噴出孔を有するとともに、この上方に噴射された洗浄水を上段の食器類に向けて方向変換させる反射面を洗浄槽上部に設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0008】
斯かる構成によれば、上下2段に収納されたうちの、特に上段側の食器類に対して上方に噴射された洗浄水を間接的に当てる洗浄手段を付加できるので、多くの食器類を収納可能としながら上段側の食器類の洗浄作用を促進することができる。また、斯かる上部噴射ノズルは前記隙間より下方に設けることで対処でき、大きな空間スペースを必要としないなど、コンパクトに構成できる。
【0009】
そして、請求項1記載のものにおいて、上部噴射ノズルは、上段の食器類に対し直接洗浄水を噴き当てる噴出孔を有することを特徴とする(請求項2の発明)。
【0010】
斯かる構成によれば、更に上段側の食器類における洗浄作用を促進でき、確実に洗浄効果の向上が期待できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1ないし図5を参照して説明する。
まず、図3は食器洗浄機の外観構成を示す斜視図にあって、食器洗浄機本体1と、これの前面部に設けた扉2、および操作パネル3を示しており、そのうち本体1は、概略その外殻を構成する外箱4と、この外箱4内部に設けられた後述する洗浄槽9および洗浄機構部11(いずれも図2参照)等を具備した構成としている。
【0012】
また、扉2は下端部を支点に回動する下扉2aと、上端部を支点に回動する上扉2bとからなり、そのうちの下扉2aには図示しない扉ロック機構と連動する構成にあって、そのロック解除ボタン5および取手6を近接して設けており、従って扉2全体を開放するには、ロック解除ボタン5を押しながら取手6を手前に引けば、下扉2aが下方(前方)に回動して開き、それに連動して上扉2bが上方に回動して、前面を大きく開放することができる。尚、上扉2bには、前記洗浄槽9に連通した排気口7が設けられており、乾燥運転時等における蒸気の排出が行なわれる。
【0013】
一方、前記操作パネル3は、食器洗浄機の運転コースの設定や、運転スタートおよび停止等に係る操作を行なうためのもので、詳細は略すがコース設定キーやスタートキー等の各種操作キー3aを備えている。
尚、この操作パネル3の裏側には、図2に示すようにマイクロコンピュータ等からなる制御装置8を配設しており、これは上記操作パネル3の操作入力に基づき、食器洗浄機の運転全般を制御する。
【0014】
次いで、本体1の内部構成について図1,2を参照して説明する。
そのうち図1は、本体1の要所を切断して示す縦断側面図で、図2は前記扉2を取除いた状態の本体1の正面図である。まず、特に図1から明らかなように前記外箱4内には、大きな空間を占める前記した洗浄槽9を配設している。この洗浄槽9は、その前面を大きく開放した食器類の出入口10を形成しており、その出入口10の全面を開閉する前記扉2(下扉2aおよび上扉2b)により、水密に閉鎖されている。
【0015】
斯かる洗浄槽9の下部には、前記した洗浄機構部11を配設している。該洗浄機構部11は、洗浄ポンプ12とこれを駆動するポンプモータ13、および後述する下部噴射ノズル14、上部噴射ノズル15等を具備してなり、併せて本実施例では洗浄ポンプ12と同軸上に並設した排水ポンプ16も上記ポンプモータ13にて共通に駆動制御される。その制御手段としては、ポンプモータ13を正逆回転可能なモータを用いて、例えば時計回りの正転時には洗浄ポンプ13が正常にポンプ機能する一方、排水ポンプ16は機能せず、また逆転時には排水ポンプ16が正常にポンプ機能して排水管路17から機外に排水できるが、洗浄ポンプ12は送水機能しないように、ポンプランナーの形状若しくはクラッチ機構を備えた構成としている。
【0016】
そして、上記洗浄ポンプ12は、洗浄槽9の外底面側に設けられているのに対し、その内底部側には上記した下部噴射ノズル14が軸筒部18に回転可能に連通支持され、該軸筒部18は前記洗浄ポンプ12の吐出側に連通接続されている。更に、この軸筒部18からは分岐した送水路19が設けられ、該送水路19は洗浄槽9の内底部から側壁面である背壁面9bに沿って上昇して形成され、その先端部には特に図2に示すように左右の横方向に延びる上部噴射ノズル15が連続して形成されている。
【0017】
そのうち、下部噴射ノズル14は、洗浄ポンプ12から圧送された洗浄水を複数の噴出孔(図示せず)から上方に噴射し、主として後述する下段の食器かご25内に収納された食器類を洗浄するとともに、その噴射水の反動を利用して回転する構成にある。
これに対し、上部噴射ノズル15は、後述する上段の食器かご26の下位にあって洗浄槽9の背壁面9bに固定的に設けられ、洗浄ポンプ12から圧送された洗浄水を軸筒部18にて一部分岐して送水路19側に流し、複数の噴出孔15aから上方に噴射して、上段の食器かご26内に収納された食器類を洗浄するようにしている。しかるに、上記噴射孔15aは、洗浄水を本実施例では上記食器かご26に向け図1中に矢印E1で示す斜め上方への噴射から、同矢印E2で示す略直上方向への広角な範囲で噴射できるように形成されている。特に、矢印E2で示す直上方向へ噴射された洗浄水は、洗浄槽9の天井面9cに向けて噴射されるもので、その詳細な作用説明は後述する。
【0018】
このように構成された洗浄機構部11において、前記洗浄ポンプ12の吸入側は、連通管路20を介して洗浄槽9の最低部位である凹所9aに連通接続され、従って、例えば洗浄運転時には洗浄機構部11の駆動に伴ない、洗浄槽9内に供給された洗浄水は、凹所9aから洗浄ポンプ12を介して下部,上部噴射ノズル14,15に圧送され、これら噴射ノズル14,15から洗浄槽9内の後述する食器類に向けて噴射し洗浄した後、凹所9aに集水され洗浄ポンプ12に取り込まれ、再び圧送するとした洗浄水の循環が繰り返し行なわれる。
【0019】
また、洗浄槽9の内底部には、例えばシーズヒータによるヒータ21を配設しており、上記洗浄水の加熱や乾燥運転時に取り込んだ外気を加熱温風化するようにしている。尚、この温風化手段としては、詳細は略すが洗浄槽9の背面側に送風装置22が配設され、この送風装置22により取り込まれた外気が洗浄槽9下部のヒータ21近傍から供給されることで、該ヒータ21にて加熱温風化されるようにしている。
【0020】
一方、洗浄槽9への給水手段としては、洗浄槽9の背面側から内方に給水できるように給水弁23を設けていて、外部の給水源である水道水を供給可能としている。そして、この給水手段による給水量を制御すべく水位検知装置24を備えていて、これは例えば所定水位を検知して動作するフロート式スイッチ(図示せず)を具備してなり、洗浄槽9の内底部に連通して設けられている。
【0021】
これに対して、洗浄槽9の内方には図1,2に示すように、上下2段に配設された下段の食器かご25、および上段の食器かご26を夫々独立した構成体として配設していて、出入口10から夫々出し入れ可能に収容されている。これら食器かご25,26内には、後述する茶碗や皿などの食器をはじめ、鍋やおたまなどの調理器具(用具)などを含む所謂食器類を適宜収納できる構成にあって、前記した下部,上部の噴射ノズル14,15から噴射された洗浄水により洗浄できるよう配設されている。
【0022】
しかして、まず下段の食器かご25の具体構成について述べると、これはワイヤを組んで大略矩形枠状に構成され、上面を開放した比較的浅底の容器状をなしている。そして、本実施例では左右に異なる食器類の収納スペースを配分していて、特に図2に示すように例えば略右半分には径大な皿27や、小物入れ28に収納された長尺のスプーン29および箸30等の、所謂収納時に縦長となる背の高い食器類を配列支持する収納スペースAを形成しており、残り略左半分には茶碗31やどんぶり(図示せず)等の一般的な汁器などお碗の類の食器類を配列支持する収納スペースBを形成している。
【0023】
そのうち、右側の食器類の背の高い収納スペースAには、底部から逆ハ字状に起立した長寸の食器支え32(特に図1参照)を複数配設するとともに、筒状の小物入れ28も立設保持している。従って、上記各食器支え32間には前記した径大な皿27のうち図示例ではやゝ径小な小皿27aと、やゝ径大な中皿27bとを複数枚立設状態に左右方向に一列に配列支持し、また小物入れ28も着脱可能に支持している。
【0024】
これに対し、同じく図2の左側の一般的な食器類の収納スペースBには、やはり底部から逆ハ字状に起立した短寸の食器支え33を複数配設している。但し、具体的には各食器支え33は、同図示するように長さが異なる二つの支え部材33a,33bを一対となした構成にあって、これら各支え部材33a,33b間に茶碗31が挟持されるように配列支持されるもので、且つこれは図1から理解できるように前後に2列配設した構成としている。
因みに、斯かる構成からなる下段の食器かご25は、前記下部噴射ノズル14の上方に収容配設され、洗浄槽9の左右両側壁に固定されたレール部材34に対し、下段の食器かご25の左右両側下部に装着されたスライド部材35を介して、前後方向にスライド可能に載置支持されている。
【0025】
一方、上段の食器かご26の大略構成として、ワイヤにて矩形容器状に形成され、図2に示すように底部の高さが左右で異なる段違いに構成されている。即ち、前記した下段の食器かご25の右側の背の高い食器類の収納スペースAの上方に対応した部位を、底部が上段に位置する所謂浅底収納スペースCとし、同じく下段左側の収納スペースBの上方に対応する部位にあっては、底部が下段に位置する所謂深底収納スペースDとした構成としている。従って、図示するように右側の浅底収納スペースCには、コップ36やマグカップ(図示せず)等の比較的小物の食器類を収納し、一方左側の深底収納スペースDには、鍋37などの全体に大物の食器類を収納可能としている。
【0026】
そして、斯かる上段の食器かご26もスライド可能に収容支持されており、そのスライド支持手段として、洗浄槽9の左右両側壁に設けたレール部材38に対し、該食器かご26の左右両側に装着されたスライド部材39をスライド可能に支持した構成からなるが、併せてこの上段の食器かご26に対し高さ方向に調整可能としている。即ち、スライド部材39には上下方向に複数の例えば3条の溝部39a,39b,39cを形成していて(後述する図5も参照)、これらの一つを選択してレール部材38と係合させることにより、高さ位置を変更可能としている。因みに、図2では最上段の溝部39aがレール部材38に係合支持されており、従って上段の食器かご26としては、最も低い位置に配設収容された状態を示している。
【0027】
更に、図4および図5には、上記した上段の食器かご26とスライド部材39との具体構成を示したもので、そのうち図4は上記両者の組み込み状態を示す斜視図で、図5は分解斜視図である。
まず、上段の食器かご26の構成について詳述すると、これは上記した段違い構成に加えて特に図5から明らかなように、浅底収納スペースC側の底部を構成する食器支持部材40を着脱可能に設けた構成を特徴としたもので、所謂上段の食器かご26を構成する一部が着脱可能な構成となしている。
【0028】
即ち、食器かご26は、深底収納スペースDを有するかご本体41と、上記した浅底収納スペースC側に着脱可能に設けられた食器支持部材40とから構成され、従ってかご本体41の右側における浅底収納スペースC側においては、底部が抜けた如き矩形の開放口41aが形成されていて、該スペースC側はワイヤにて周囲枠のみ形成された形態にある。しかも、この周囲枠において開放口41aの後方側の後枠部41bは、その全体が該開放口41a側に若干押出した構成にあり、これにより上段の食器かご26としては右側の浅底収納スペースC区分に相当する後面側に凹み41eを形成した構成としている。
従って、斯かる上段の食器かご26を洗浄槽9内に収容した状態では、上記凹み41eを形成した部位にあっては、図1に示すように洗浄槽9の側壁面たる背壁面9bとの間に所定の隙間Gが常に形成される。
【0029】
一方、上記食器支持部材40は、ワイヤを格子状に組み平坦な底部を形成する棚部40aを主体に、その前後側を上方に折曲して所謂コ字状をなしている。そして、このうちの4隅部の各1本のワイヤを延出して、先端部を鉤状となした40bを形成するとともに、このうちの前方側の2本の腕部40b間に位置して略同形状に延出形成された取手兼腕部40cを設けている。この取手兼腕部40cは、その先端部を逆U字状に連ねて鉤状となし、その鉤状の直下の基部に後方に窪んだ係合凹部40dを形成している。従って、これら腕部40bおよび取手兼腕部40cは、弾性変形に富むが取手兼腕部40cはやゝ剛性を高めた構成としている。
【0030】
斯くして、図4に示す如く上段の食器かご26を構成するには、図5に示すように上記かご本体51の開放口41aに、上方から食器支持部材40を挿入し、まず後方(奥方)側の2本の腕部40bを周囲枠のうちの後枠部41bに引掛けるように係合し、次いで食器支持部材40の前方側の取手兼腕部40cを後方に押しながら下方に押圧操作する。すると、取手兼腕部40cは、周囲枠の前枠部41cの内面を摺接しつつ弾性変形して挿入され、そして係合凹部40dの位置まで挿入されると、該凹部40dが前枠部41cに弾性係合するとともに、このとき同時に前方側の腕部40bも前枠部41cに対して弾性変形しつつ挿入され下方への抜け止め状態に係合保持される。
【0031】
この結果、かご本体41の浅底収納スペースC側に装着された食器支持部材40は、開放口41aを閉鎖して棚部40aにより当該浅底収納スペースC側の底部を形成するとともに、4隅部の腕部40bおよび取手兼腕部40cにより、主に下方への抜け止め状態のもとに圧挿されて弾性的に保持されるに加えて、取手兼腕部40cでは係合凹部40dと前枠部41cとの弾性係合により、上方への抜け止め作用も加わり、この組み込まれた状態に確実に保持される。この場合、上記した食器支持部材40側の弾性変形のみに非ず、周囲枠を構成する後,前枠部40b,40Cの弾性変形も利用できるので、有効な弾性変形のもとに容易に圧挿装着できる。尚、この図4に示す組立状態にある食器かご26が、図1,2に示す使用形態としている。
【0032】
逆に、この組み込み状態の食器支持部材40を取り外す場合には、上記とは逆の手順で行なえばよい。即ち、まず剛性の高い取手兼腕部40cの鉤状の上端部を掴んで後方(奥方)に押しやりながら上方へ持ち上げるようにする。すると、まず前方側における前枠部41cに対する係合凹部40dの係合、および腕部40bが圧挿状態から解かれて、後部側の腕部40bと後枠部41bとの係合部位を支点に上方に回動される。従って、この状態から食器支持部材40を上方に持ち上げることで取外すことができ、このような着脱操作は、上段の食器かご26を出入口10から外方に出した状態で簡単にできる。
【0033】
また、この図4,5には前記した上段の食器かご26用のスライド部材39の具体構成についても示しており、これは図示から明らかなように該食器かご26の左右両側面にワイヤが有する弾力性を利用して、該スライド部材39を弾性係合により装着している。そして、このスライド部材39の両外側面には、上下複数段の例えば3段の溝部39a,39b,39cを設けており、このいずれかを選択して前記洗浄槽9内の両側面上部に形成したレール部材38(図2参照)とスライド可能に係合させることにより、上段の食器かご26を前記出入口10から出し入れ可能としている。
【0034】
しかるに、スライド部材39に3段の溝部39a,39b,39cを設けたことは、上段の食器かご26の取付高さを3段階に調節できるようにするためで、即ち洗浄槽9内に収容される該食器かご26の高さ位置を選択的に設定可能としている。因みに、最も上段の溝部39aを選択してレール部材38と係合した場合には、図1にも示すように洗浄槽9内における上段の食器かご26は、最も低い高さ位置に収容支持され、最下段の溝部39cとレール部材38との組み合わせでは、当該食器かご26は最も高い位置に収容支持された状態が得られるもので、所謂高さ調節が可能なスライド支持手段を構成している。このことは、下段の食器かご25に収納された食器類の高さに応じて、上段の食器かご26を適正な高さ位置にセットすることができる。
【0035】
次に、上記構成とした食器かご25,36を上下2段に収容配設した食器洗浄機の作用について説明する。
しかして、図1,2に示された使用形態は、一般的に使用される一例を示したもので、上下2段に配設した食器かご25,36の食器類収納スペースを全て利用して、一度に多くの食器類を収納し効果的に洗浄する場合に好適する。
即ち、下段の食器かご25の右側の背が高い食器類の収納スペースAには、比較的背が高い皿27としての小皿27a,中皿27b、および小物入れ28に収納されたスプーン29や箸30等が長寸の食器支え32を利用して立設状態に配列支持される。
【0036】
そして、この上方に対応して上段の食器かご26の浅底収納スペースCが位置するように収容配設され、この場合、図4,5にて開示した如く該スペースCの開放口41aには食器支持部材40が挿入され、その腕部40bおよび取手兼腕部40cによる弾性的な係合支持により、浅底収納スペースCの底部を構成しており、且つ上記した下段の皿27等の背の高い食器類が当接しない位置設定としている。従って、この浅底とする食器支持部材40には複数のコップ36が載置され収納されている。
尚、この例では上段の食器かご26は、図2に示すようにスライド部材39の最上段の溝部39aがレール部材38に係合した支持状態にあるので、最も下位にセットされた収容状態にあるが、これは上記した下段の皿24等の背の高い食器類に応じて選択的に位置設定される。
【0037】
また、下段の食器かご25の左側の一般的な食器類の収納スペースBには、短寸の食器支え33を介して茶碗31の如く背が低い食器類が複数個配列支持されている。従って、この上方に収容される段違い構成の上段の食器かご26にあっては、その深底収納スペースD側を対応配置することができ、該スペースDには全体に大物の鍋37などを何ら支障なく載置収納することができる。
【0038】
このように、段違い構成の上段の食器かご26と、背の高い食器類を収納する収納スペースAを有する下段の食器かご25とを、上下方向の空間を巧みに組合わせ利用して上下2段に収容できるので、異なる種類を含めた多くの食器類を効率良く収容できる。しかして、この状態で洗浄運転がなされた場合は、下段の食器かご25内の食器類に対しては、その下方に位置する下部噴射ノズル14から回転しつつ洗浄水が直接噴き当てられ洗浄される。
【0039】
これに対し、上段の食器かご26内の食器類の洗浄作用は、下部噴射ノズル14から下段の食器類間を上方に飛び抜けた噴射水も加えて、主には上部噴射ノズル15から噴射された洗浄水により行なわれる。即ち、該噴射ノズル15の噴出孔15aは、広角度に形成され図1に矢印E1で示す如く斜め上方に噴射された洗浄水にて、上段に収容された全ての食器類に対する洗浄を行なう。
【0040】
ところが、上方に噴射された洗浄水のうち矢印E2で示す略直上方向に指向して噴射された水は、当該食器かご26の凹み41eに伴なう洗浄槽9の背壁面9bとの隙間Gから、食器類に衝突することなく勢い良く天井面9cに向って噴射される。そして、この天井面9cに衝突した後に方向変換され、所謂反射された洗浄水は図中矢印F方向に指向されて、この場合浅底収納スペースC側の食器支持部材40に収納された食器類(例えば、コップ36)に向けて注がれる。
【0041】
但し、これは食器類に直接噴射するのと異なり、天井面9cを介した間接的に洗浄水を噴き当てるようしたもので、該天井面9cは所謂水の反射面として機能する。従って、このコップ36の洗浄作用は、上下両方からの間接的および直接的に洗浄水が噴き当てられ、効果的に洗浄が行われる。以って、上下2段に効率良く収容された食器類に対し、下部,上部の噴射ノズル14,15を利用した噴射洗浄水により、むらなく洗浄できるとともに、特に本実施例では上段の浅底収納スペースC側に収納された食器類に対し、上方からの間接的な噴射水も加えて効果的な洗浄が行なわれ、殊に図示したコップ36やマグカップ(図示せず)等の有底筒状の細長い食器類に対しても、その上下部から洗浄水を当てて効率良く洗浄できる。
【0042】
しかるに、上記構成は上段の食器かご26に着脱可能な食器支持部材40を装着した使用形態の場合であるが、この食器支持部材40を取外して使用する場合としては、例えば下段側に背の高い食器類を収納し洗浄したいとき、当該食器類が上段の食器支持部材40の底部に当接して収納不可となる場合などである。例えば、このような使用例として図2中に二点鎖線で示したように小物入れ28への収納状態が縦長となるおたま42、径大な大皿43、ほか図示しないが麦茶用ボトルとか、まな板など種々多様な食器類の洗浄時に有効で、これは上段の食器かご26の段違い構成の相乗的効果と相俟って一層有効である。
【0043】
以上説明したように、本実施例によれば次の効果を有する。
洗浄槽9内に、上下2段に食器かご25,26を配設したので、多くの食器類を収納でき、一度に洗浄できる食器点数の増大が図れるとともに、それでいて食器かご25,26は夫々独立した構成体としたので、出し入れ操作は軽やかにでき使い勝手も良い。また、上段の食器かご26は、高さが異なる段違い構成として浅底収納スペースCおよび深底収納スペースDとし、下段の食器かご25の背の高い食器類に対応した収納スペースAおよび一般的な食器類の収納スペースBとを上下方向に対応した組み合わせにより、径大,径小,大物,小物など多種多様な食器類をコンパクトに効率良く収納でき、および一度に洗浄できて便利である。
【0044】
加えて、本実施例では上段の食器かご26の一部を構成する食器支持部材40を着脱可能に設け、殊に食器支持部材40を取外した状態では段違い構成による効果に加えて、更に背の高い食器類をその下段側に収納可能となり、一層多種の食器類の洗浄に対応でき使い勝手も良くなる。また、この食器支持部材40を着脱可能に設ける部位は、段違い構成の高い段部側(浅底収納スペースC)に特定しているので、常に背の高い食器類や食器支持部材40の取扱いを場所的に迷うことなく容易に操作できる。
【0045】
更に加えて、上段の食器かご26は、スライド部材39とレール部材38との係合位置を変えることで高さ調整が可能であるため、所謂上段の食器かご26全体を洗浄槽9内にセットする高さ位置を複数段に調整できるので、下段の食器かご25に収納された食器類の背の高さに応じた槽内セットができ、食器類の大きさに対応した使い勝手は一層有効である。
【0046】
そして、上記したように食器類を上下2段配置にするなど多種多様の食器類を一度に収容できるようにしたのに対し、十分な洗浄効果が得られることが求められる。
一般的に、本実施例のように上下2段の食器かご25,26を配設した場合には、下部噴射ノズル14からの噴射水は下段側の食器類にて遮られ易く、上段側の食器類への洗浄作用としては弱くなり不十分となり易い。しかして、本実施例では上段側の食器類の洗浄用に上部噴射ノズル15を設けるだけでなく、一部の噴射水を上段の食器かご26と洗浄槽9の背壁面9bとの間の隙間Gを介して天井面9cに向けて勢い良く噴射できるようにし、その天井面9cで衝突して所謂反射された洗浄水を上段の食器類の上方から降り注ぐようにした。
【0047】
この結果、上段の食器かご26内の食器類は、上部噴射ノズル15にて主に下方からの噴射水にて直接噴射洗浄されるとともに、そのうち浅底収納スペースC側に収納された食器類は天井面9cからの反射した水、所謂上方から間接的に洗浄水を受けて洗浄作用が促進され、より十分な洗浄効果が得られる。特に、本実施例のように下段に背の高い食器類が収納された状態では、図2から明らかなように下部噴射ノズル14の噴射水の多くが当該食器類(中皿27b等)の洗浄に利用され、上段側の食器類に至る洗浄作用として大きく期待できない。従って、斯かる上段側の浅底収納スペースCに収納された食器類に対し、上方からの間接的な洗浄水による洗浄手段を介して十分な洗浄効果が得られる。
【0048】
また、上部噴射ノズル15は背壁面9bに固定して設けられているため、従来の如き上下2段の食器かごの中空間に設けたものに比し、上下方向の空間を大きくする必要もなくてコンパクトに構成でき、更には上段に収納した食器類全体に噴射できるように背壁面9bの全幅(左右の横方向)に亘って設けることも容易にできるとともに、この噴射ノズル15が各食器かご25,26の出し入れに何ら支障ないので、使い勝手も何ら損なわないなどの利点も有する。
【0049】
尚、上記したように間接的な噴射洗浄水を右側半分に有効とすべく、浅底収納スペースC側にのみ隙間Gを設ける構成としたが、これは上段の食器かご26の後部(背面側)全幅に亘って設けるようにしても良い。この場合、上記実施例に対し隙間Gを全域に設けることで上段の食器類の収納点数が若干減少することになるが、上段の食器類の全てに対し十分な間接的な洗浄手段が加わり、一層確実に洗浄効果の向上が期待できる。或は、逆に上部噴射ノズル15は、隙間Gを形成した領域のみ間接的な洗浄手段を可能とする小形のもとし、他の領域の上段の食器類に対しては下部噴射ノズル14で洗浄するようにしてもよい。
【0050】
(変形例)
上記実施例に対し、図6は変形例を示す要部の概略構成を示す断面図であり、上記実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このものは、上記実施例では上段の食器かご26には凹み41eを備え、側壁面たる背壁面9bとの間に隙間Gを設けたのに対し、上記凹みのない構成の上段の食器かご42を備えるとともに、洗浄槽9の背壁面9bの上半部に凹陥部9dを設けて、該凹陥部9dから当該食器かご26の後方端部との間に隙間Gを確保した構成にある。
【0051】
しかるに、上部噴射ノズル15は、凹陥部9dの下部に設けられ、噴出孔15aから噴射された洗浄水は矢印E1方向から上記隙間Gを介して噴射される矢印E2方向に至る広角範囲に噴射される。そして、天井面9cにおいて、矢印E2方向の特に直上方向に噴射された水に対して、矢印Fで示す槽内方に方向変換すべき傾斜面部9eを形成していて、上段の食器かご42内の食器類に有効な噴射洗浄水を間接的に当てるようにしている。
【0052】
従って、上記構成においても上段の食器かご42に収納された食器類に対して矢印E1側の下方からの直接噴射された水での洗浄作用と、主に隙間Gを抜けた矢印E2側の上方への噴射水を天井面9cで反射して方向変換した後、食器類に対し上方から間接的に洗浄水を当てて行なう洗浄作用の併用により、上記実施例同様に十分な洗浄効果が期待できる。特に、上記実施例に対して、隙間Gを確保する手段として上段の食器かご42に凹み等を設ける必要がないので、その分収納スペースとして拡大でき食器類を多く収納するのに有利である。
また、本実施例では洗浄水の反射面として機能する天井面9cには、一部傾斜面部9eを設けたことにより、一部の水を所望の方向へ反射させることができ、該反射水を洗浄作用に有効活用できる。但し、このような構成は必要に応じて設ければ良く、また上記実施例に対しても適宜転用可能である。
【0053】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例にのみ限定されるものではなく、例えば上部噴射ノズルは洗浄槽側壁面に直接設けたものに限らず、独立して形成するようにしても良く、要は上段の食器かごと洗浄槽側壁面との隙間より下方に位置して設ければ良い。また、食器かごとしては上下2段に個々に配設した構成としたが、これは上下一体の構成としても良い。更に、上部噴射ノズルの噴出孔は、間接的に食器に当てる噴射洗浄水とすべく専用の噴出孔を設けても良いし、或は上段側の食器類に対しては全て間接的な洗浄手段とすることも可能で、この場合下部噴射ノズルからの噴射水も有効利用することで所望の洗浄効果を得るようにすればよい。
その他、反射面として機能する天井面に代えて別体の反射部材を洗浄槽上部に設けることも容易にできるなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施し得る。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明の食器洗浄機は、食器類を収納する食器かごを上下2段に配設するとともに、そのうちの上段の食器かごと洗浄槽側壁面との間に隙間を形成し、該隙間を介して上方に噴射された洗浄水を反射させて上段の食器類に当て、洗浄できるようにした。
これにより、上下2段に食器類を収納されたうちの、特に上段側の食器類に対し間接的な洗浄手段を加えることができ、この上段側の食器類の洗浄作用を促進することで、多くの食器類を収納可能としつつ十分な洗浄効果が期待できる食器洗浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を要所を切断して示す縦断側面図
【図2】扉を取除いた状態の正面図
【図3】外観斜視図
【図4】上段の食器かごの斜視図
【図5】上段の食器かごの分解斜視図
【図6】変形例を示す要部の概略構成図
【符号の説明】
9は洗浄槽、9bは背壁面(側壁面)、9cは天井面(反射面)、9dは凹陥部、9eは傾斜面部、14は下部噴射ノズル、15は上部噴射ノズル、15aは噴出孔、25は下段の食器かご、26,42は上段の食器かご、38はレール部材、39はスライド部材、および40は食器支持部材を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器かごを上下2段に配設したものにあって、特に上段側の食器類に対する洗浄作用の促進を図った食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、食器洗浄機に備えられた食器かごは、洗浄すべき食器類を配列支持するに当って、大型化を招くことなくできるだけ多くの食器類を収納でき、且つ十分に洗浄できて使い勝手が良いこと等が求められている。
しかして、多くの食器類を洗浄するためには多数の食器類を収納できる食器かごが有用であり、このため従来では食器かごを上下2段に配設するとともに、上下段夫々の食器かごの下方に噴射ノズルを配設し、特には上段側の食器類に対する洗浄性能の低下を改善すべくなしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−146310号公報 (第4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の如き特許文献1記載のような上段の食器かごが回動可能な構成では、その大きさや形状において大きな制約を受けることになり、該食器かごに収納できる食器点数については制限を受けることになるとともに、この上段の食器類を取り出してからでないと、その下方に収納された食器類を取り出せないことから使い勝手も必ずしも良いとは言えなかった。
【0005】
そこで、洗浄槽内に上下2段に略同容量の食器かごを配設し、多くの食器類を収納できるようにすることも考えられるが、上下2段の配設に伴ない限られた洗浄槽の上下方向のスペースは更に狭められ、利用できる食器類の特に収納時における高さに制約を受けることとなる。
更には、この上下段の食器かごの中空間に位置して上段側の噴射ノズルを設け、且つ回転可能に設置するためには、更に上下方向の空間スペースを必要とし、洗浄槽を大型化したり、或は上記した特許文献1の如き上段の食器かごを、下段に収納される背の高い食器類との当接を避けた小容量の形態にせねばならないなど、多くの食器類を効率良く洗浄でき、しかも使い勝手も良好とするには必ずしも十分ではなかった。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は上下2段に多くの食器類を収納できる上で、上段側の食器類に対しても十分な洗浄効果が期待できる食器洗浄機を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の食器洗浄機は、食器類を収納した食器かごを、洗浄槽内の上下2段に配設し、これら上下段に収納された食器類を洗浄するための噴射ノズルを上下部に設けたものにおいて、前記上段の食器かごは、洗浄槽側壁面との間に所定の隙間を有して配設し、前記上部噴射ノズルは前記隙間より下方に設けられ該隙間を介して洗浄水を上方に噴射する噴出孔を有するとともに、この上方に噴射された洗浄水を上段の食器類に向けて方向変換させる反射面を洗浄槽上部に設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0008】
斯かる構成によれば、上下2段に収納されたうちの、特に上段側の食器類に対して上方に噴射された洗浄水を間接的に当てる洗浄手段を付加できるので、多くの食器類を収納可能としながら上段側の食器類の洗浄作用を促進することができる。また、斯かる上部噴射ノズルは前記隙間より下方に設けることで対処でき、大きな空間スペースを必要としないなど、コンパクトに構成できる。
【0009】
そして、請求項1記載のものにおいて、上部噴射ノズルは、上段の食器類に対し直接洗浄水を噴き当てる噴出孔を有することを特徴とする(請求項2の発明)。
【0010】
斯かる構成によれば、更に上段側の食器類における洗浄作用を促進でき、確実に洗浄効果の向上が期待できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図1ないし図5を参照して説明する。
まず、図3は食器洗浄機の外観構成を示す斜視図にあって、食器洗浄機本体1と、これの前面部に設けた扉2、および操作パネル3を示しており、そのうち本体1は、概略その外殻を構成する外箱4と、この外箱4内部に設けられた後述する洗浄槽9および洗浄機構部11(いずれも図2参照)等を具備した構成としている。
【0012】
また、扉2は下端部を支点に回動する下扉2aと、上端部を支点に回動する上扉2bとからなり、そのうちの下扉2aには図示しない扉ロック機構と連動する構成にあって、そのロック解除ボタン5および取手6を近接して設けており、従って扉2全体を開放するには、ロック解除ボタン5を押しながら取手6を手前に引けば、下扉2aが下方(前方)に回動して開き、それに連動して上扉2bが上方に回動して、前面を大きく開放することができる。尚、上扉2bには、前記洗浄槽9に連通した排気口7が設けられており、乾燥運転時等における蒸気の排出が行なわれる。
【0013】
一方、前記操作パネル3は、食器洗浄機の運転コースの設定や、運転スタートおよび停止等に係る操作を行なうためのもので、詳細は略すがコース設定キーやスタートキー等の各種操作キー3aを備えている。
尚、この操作パネル3の裏側には、図2に示すようにマイクロコンピュータ等からなる制御装置8を配設しており、これは上記操作パネル3の操作入力に基づき、食器洗浄機の運転全般を制御する。
【0014】
次いで、本体1の内部構成について図1,2を参照して説明する。
そのうち図1は、本体1の要所を切断して示す縦断側面図で、図2は前記扉2を取除いた状態の本体1の正面図である。まず、特に図1から明らかなように前記外箱4内には、大きな空間を占める前記した洗浄槽9を配設している。この洗浄槽9は、その前面を大きく開放した食器類の出入口10を形成しており、その出入口10の全面を開閉する前記扉2(下扉2aおよび上扉2b)により、水密に閉鎖されている。
【0015】
斯かる洗浄槽9の下部には、前記した洗浄機構部11を配設している。該洗浄機構部11は、洗浄ポンプ12とこれを駆動するポンプモータ13、および後述する下部噴射ノズル14、上部噴射ノズル15等を具備してなり、併せて本実施例では洗浄ポンプ12と同軸上に並設した排水ポンプ16も上記ポンプモータ13にて共通に駆動制御される。その制御手段としては、ポンプモータ13を正逆回転可能なモータを用いて、例えば時計回りの正転時には洗浄ポンプ13が正常にポンプ機能する一方、排水ポンプ16は機能せず、また逆転時には排水ポンプ16が正常にポンプ機能して排水管路17から機外に排水できるが、洗浄ポンプ12は送水機能しないように、ポンプランナーの形状若しくはクラッチ機構を備えた構成としている。
【0016】
そして、上記洗浄ポンプ12は、洗浄槽9の外底面側に設けられているのに対し、その内底部側には上記した下部噴射ノズル14が軸筒部18に回転可能に連通支持され、該軸筒部18は前記洗浄ポンプ12の吐出側に連通接続されている。更に、この軸筒部18からは分岐した送水路19が設けられ、該送水路19は洗浄槽9の内底部から側壁面である背壁面9bに沿って上昇して形成され、その先端部には特に図2に示すように左右の横方向に延びる上部噴射ノズル15が連続して形成されている。
【0017】
そのうち、下部噴射ノズル14は、洗浄ポンプ12から圧送された洗浄水を複数の噴出孔(図示せず)から上方に噴射し、主として後述する下段の食器かご25内に収納された食器類を洗浄するとともに、その噴射水の反動を利用して回転する構成にある。
これに対し、上部噴射ノズル15は、後述する上段の食器かご26の下位にあって洗浄槽9の背壁面9bに固定的に設けられ、洗浄ポンプ12から圧送された洗浄水を軸筒部18にて一部分岐して送水路19側に流し、複数の噴出孔15aから上方に噴射して、上段の食器かご26内に収納された食器類を洗浄するようにしている。しかるに、上記噴射孔15aは、洗浄水を本実施例では上記食器かご26に向け図1中に矢印E1で示す斜め上方への噴射から、同矢印E2で示す略直上方向への広角な範囲で噴射できるように形成されている。特に、矢印E2で示す直上方向へ噴射された洗浄水は、洗浄槽9の天井面9cに向けて噴射されるもので、その詳細な作用説明は後述する。
【0018】
このように構成された洗浄機構部11において、前記洗浄ポンプ12の吸入側は、連通管路20を介して洗浄槽9の最低部位である凹所9aに連通接続され、従って、例えば洗浄運転時には洗浄機構部11の駆動に伴ない、洗浄槽9内に供給された洗浄水は、凹所9aから洗浄ポンプ12を介して下部,上部噴射ノズル14,15に圧送され、これら噴射ノズル14,15から洗浄槽9内の後述する食器類に向けて噴射し洗浄した後、凹所9aに集水され洗浄ポンプ12に取り込まれ、再び圧送するとした洗浄水の循環が繰り返し行なわれる。
【0019】
また、洗浄槽9の内底部には、例えばシーズヒータによるヒータ21を配設しており、上記洗浄水の加熱や乾燥運転時に取り込んだ外気を加熱温風化するようにしている。尚、この温風化手段としては、詳細は略すが洗浄槽9の背面側に送風装置22が配設され、この送風装置22により取り込まれた外気が洗浄槽9下部のヒータ21近傍から供給されることで、該ヒータ21にて加熱温風化されるようにしている。
【0020】
一方、洗浄槽9への給水手段としては、洗浄槽9の背面側から内方に給水できるように給水弁23を設けていて、外部の給水源である水道水を供給可能としている。そして、この給水手段による給水量を制御すべく水位検知装置24を備えていて、これは例えば所定水位を検知して動作するフロート式スイッチ(図示せず)を具備してなり、洗浄槽9の内底部に連通して設けられている。
【0021】
これに対して、洗浄槽9の内方には図1,2に示すように、上下2段に配設された下段の食器かご25、および上段の食器かご26を夫々独立した構成体として配設していて、出入口10から夫々出し入れ可能に収容されている。これら食器かご25,26内には、後述する茶碗や皿などの食器をはじめ、鍋やおたまなどの調理器具(用具)などを含む所謂食器類を適宜収納できる構成にあって、前記した下部,上部の噴射ノズル14,15から噴射された洗浄水により洗浄できるよう配設されている。
【0022】
しかして、まず下段の食器かご25の具体構成について述べると、これはワイヤを組んで大略矩形枠状に構成され、上面を開放した比較的浅底の容器状をなしている。そして、本実施例では左右に異なる食器類の収納スペースを配分していて、特に図2に示すように例えば略右半分には径大な皿27や、小物入れ28に収納された長尺のスプーン29および箸30等の、所謂収納時に縦長となる背の高い食器類を配列支持する収納スペースAを形成しており、残り略左半分には茶碗31やどんぶり(図示せず)等の一般的な汁器などお碗の類の食器類を配列支持する収納スペースBを形成している。
【0023】
そのうち、右側の食器類の背の高い収納スペースAには、底部から逆ハ字状に起立した長寸の食器支え32(特に図1参照)を複数配設するとともに、筒状の小物入れ28も立設保持している。従って、上記各食器支え32間には前記した径大な皿27のうち図示例ではやゝ径小な小皿27aと、やゝ径大な中皿27bとを複数枚立設状態に左右方向に一列に配列支持し、また小物入れ28も着脱可能に支持している。
【0024】
これに対し、同じく図2の左側の一般的な食器類の収納スペースBには、やはり底部から逆ハ字状に起立した短寸の食器支え33を複数配設している。但し、具体的には各食器支え33は、同図示するように長さが異なる二つの支え部材33a,33bを一対となした構成にあって、これら各支え部材33a,33b間に茶碗31が挟持されるように配列支持されるもので、且つこれは図1から理解できるように前後に2列配設した構成としている。
因みに、斯かる構成からなる下段の食器かご25は、前記下部噴射ノズル14の上方に収容配設され、洗浄槽9の左右両側壁に固定されたレール部材34に対し、下段の食器かご25の左右両側下部に装着されたスライド部材35を介して、前後方向にスライド可能に載置支持されている。
【0025】
一方、上段の食器かご26の大略構成として、ワイヤにて矩形容器状に形成され、図2に示すように底部の高さが左右で異なる段違いに構成されている。即ち、前記した下段の食器かご25の右側の背の高い食器類の収納スペースAの上方に対応した部位を、底部が上段に位置する所謂浅底収納スペースCとし、同じく下段左側の収納スペースBの上方に対応する部位にあっては、底部が下段に位置する所謂深底収納スペースDとした構成としている。従って、図示するように右側の浅底収納スペースCには、コップ36やマグカップ(図示せず)等の比較的小物の食器類を収納し、一方左側の深底収納スペースDには、鍋37などの全体に大物の食器類を収納可能としている。
【0026】
そして、斯かる上段の食器かご26もスライド可能に収容支持されており、そのスライド支持手段として、洗浄槽9の左右両側壁に設けたレール部材38に対し、該食器かご26の左右両側に装着されたスライド部材39をスライド可能に支持した構成からなるが、併せてこの上段の食器かご26に対し高さ方向に調整可能としている。即ち、スライド部材39には上下方向に複数の例えば3条の溝部39a,39b,39cを形成していて(後述する図5も参照)、これらの一つを選択してレール部材38と係合させることにより、高さ位置を変更可能としている。因みに、図2では最上段の溝部39aがレール部材38に係合支持されており、従って上段の食器かご26としては、最も低い位置に配設収容された状態を示している。
【0027】
更に、図4および図5には、上記した上段の食器かご26とスライド部材39との具体構成を示したもので、そのうち図4は上記両者の組み込み状態を示す斜視図で、図5は分解斜視図である。
まず、上段の食器かご26の構成について詳述すると、これは上記した段違い構成に加えて特に図5から明らかなように、浅底収納スペースC側の底部を構成する食器支持部材40を着脱可能に設けた構成を特徴としたもので、所謂上段の食器かご26を構成する一部が着脱可能な構成となしている。
【0028】
即ち、食器かご26は、深底収納スペースDを有するかご本体41と、上記した浅底収納スペースC側に着脱可能に設けられた食器支持部材40とから構成され、従ってかご本体41の右側における浅底収納スペースC側においては、底部が抜けた如き矩形の開放口41aが形成されていて、該スペースC側はワイヤにて周囲枠のみ形成された形態にある。しかも、この周囲枠において開放口41aの後方側の後枠部41bは、その全体が該開放口41a側に若干押出した構成にあり、これにより上段の食器かご26としては右側の浅底収納スペースC区分に相当する後面側に凹み41eを形成した構成としている。
従って、斯かる上段の食器かご26を洗浄槽9内に収容した状態では、上記凹み41eを形成した部位にあっては、図1に示すように洗浄槽9の側壁面たる背壁面9bとの間に所定の隙間Gが常に形成される。
【0029】
一方、上記食器支持部材40は、ワイヤを格子状に組み平坦な底部を形成する棚部40aを主体に、その前後側を上方に折曲して所謂コ字状をなしている。そして、このうちの4隅部の各1本のワイヤを延出して、先端部を鉤状となした40bを形成するとともに、このうちの前方側の2本の腕部40b間に位置して略同形状に延出形成された取手兼腕部40cを設けている。この取手兼腕部40cは、その先端部を逆U字状に連ねて鉤状となし、その鉤状の直下の基部に後方に窪んだ係合凹部40dを形成している。従って、これら腕部40bおよび取手兼腕部40cは、弾性変形に富むが取手兼腕部40cはやゝ剛性を高めた構成としている。
【0030】
斯くして、図4に示す如く上段の食器かご26を構成するには、図5に示すように上記かご本体51の開放口41aに、上方から食器支持部材40を挿入し、まず後方(奥方)側の2本の腕部40bを周囲枠のうちの後枠部41bに引掛けるように係合し、次いで食器支持部材40の前方側の取手兼腕部40cを後方に押しながら下方に押圧操作する。すると、取手兼腕部40cは、周囲枠の前枠部41cの内面を摺接しつつ弾性変形して挿入され、そして係合凹部40dの位置まで挿入されると、該凹部40dが前枠部41cに弾性係合するとともに、このとき同時に前方側の腕部40bも前枠部41cに対して弾性変形しつつ挿入され下方への抜け止め状態に係合保持される。
【0031】
この結果、かご本体41の浅底収納スペースC側に装着された食器支持部材40は、開放口41aを閉鎖して棚部40aにより当該浅底収納スペースC側の底部を形成するとともに、4隅部の腕部40bおよび取手兼腕部40cにより、主に下方への抜け止め状態のもとに圧挿されて弾性的に保持されるに加えて、取手兼腕部40cでは係合凹部40dと前枠部41cとの弾性係合により、上方への抜け止め作用も加わり、この組み込まれた状態に確実に保持される。この場合、上記した食器支持部材40側の弾性変形のみに非ず、周囲枠を構成する後,前枠部40b,40Cの弾性変形も利用できるので、有効な弾性変形のもとに容易に圧挿装着できる。尚、この図4に示す組立状態にある食器かご26が、図1,2に示す使用形態としている。
【0032】
逆に、この組み込み状態の食器支持部材40を取り外す場合には、上記とは逆の手順で行なえばよい。即ち、まず剛性の高い取手兼腕部40cの鉤状の上端部を掴んで後方(奥方)に押しやりながら上方へ持ち上げるようにする。すると、まず前方側における前枠部41cに対する係合凹部40dの係合、および腕部40bが圧挿状態から解かれて、後部側の腕部40bと後枠部41bとの係合部位を支点に上方に回動される。従って、この状態から食器支持部材40を上方に持ち上げることで取外すことができ、このような着脱操作は、上段の食器かご26を出入口10から外方に出した状態で簡単にできる。
【0033】
また、この図4,5には前記した上段の食器かご26用のスライド部材39の具体構成についても示しており、これは図示から明らかなように該食器かご26の左右両側面にワイヤが有する弾力性を利用して、該スライド部材39を弾性係合により装着している。そして、このスライド部材39の両外側面には、上下複数段の例えば3段の溝部39a,39b,39cを設けており、このいずれかを選択して前記洗浄槽9内の両側面上部に形成したレール部材38(図2参照)とスライド可能に係合させることにより、上段の食器かご26を前記出入口10から出し入れ可能としている。
【0034】
しかるに、スライド部材39に3段の溝部39a,39b,39cを設けたことは、上段の食器かご26の取付高さを3段階に調節できるようにするためで、即ち洗浄槽9内に収容される該食器かご26の高さ位置を選択的に設定可能としている。因みに、最も上段の溝部39aを選択してレール部材38と係合した場合には、図1にも示すように洗浄槽9内における上段の食器かご26は、最も低い高さ位置に収容支持され、最下段の溝部39cとレール部材38との組み合わせでは、当該食器かご26は最も高い位置に収容支持された状態が得られるもので、所謂高さ調節が可能なスライド支持手段を構成している。このことは、下段の食器かご25に収納された食器類の高さに応じて、上段の食器かご26を適正な高さ位置にセットすることができる。
【0035】
次に、上記構成とした食器かご25,36を上下2段に収容配設した食器洗浄機の作用について説明する。
しかして、図1,2に示された使用形態は、一般的に使用される一例を示したもので、上下2段に配設した食器かご25,36の食器類収納スペースを全て利用して、一度に多くの食器類を収納し効果的に洗浄する場合に好適する。
即ち、下段の食器かご25の右側の背が高い食器類の収納スペースAには、比較的背が高い皿27としての小皿27a,中皿27b、および小物入れ28に収納されたスプーン29や箸30等が長寸の食器支え32を利用して立設状態に配列支持される。
【0036】
そして、この上方に対応して上段の食器かご26の浅底収納スペースCが位置するように収容配設され、この場合、図4,5にて開示した如く該スペースCの開放口41aには食器支持部材40が挿入され、その腕部40bおよび取手兼腕部40cによる弾性的な係合支持により、浅底収納スペースCの底部を構成しており、且つ上記した下段の皿27等の背の高い食器類が当接しない位置設定としている。従って、この浅底とする食器支持部材40には複数のコップ36が載置され収納されている。
尚、この例では上段の食器かご26は、図2に示すようにスライド部材39の最上段の溝部39aがレール部材38に係合した支持状態にあるので、最も下位にセットされた収容状態にあるが、これは上記した下段の皿24等の背の高い食器類に応じて選択的に位置設定される。
【0037】
また、下段の食器かご25の左側の一般的な食器類の収納スペースBには、短寸の食器支え33を介して茶碗31の如く背が低い食器類が複数個配列支持されている。従って、この上方に収容される段違い構成の上段の食器かご26にあっては、その深底収納スペースD側を対応配置することができ、該スペースDには全体に大物の鍋37などを何ら支障なく載置収納することができる。
【0038】
このように、段違い構成の上段の食器かご26と、背の高い食器類を収納する収納スペースAを有する下段の食器かご25とを、上下方向の空間を巧みに組合わせ利用して上下2段に収容できるので、異なる種類を含めた多くの食器類を効率良く収容できる。しかして、この状態で洗浄運転がなされた場合は、下段の食器かご25内の食器類に対しては、その下方に位置する下部噴射ノズル14から回転しつつ洗浄水が直接噴き当てられ洗浄される。
【0039】
これに対し、上段の食器かご26内の食器類の洗浄作用は、下部噴射ノズル14から下段の食器類間を上方に飛び抜けた噴射水も加えて、主には上部噴射ノズル15から噴射された洗浄水により行なわれる。即ち、該噴射ノズル15の噴出孔15aは、広角度に形成され図1に矢印E1で示す如く斜め上方に噴射された洗浄水にて、上段に収容された全ての食器類に対する洗浄を行なう。
【0040】
ところが、上方に噴射された洗浄水のうち矢印E2で示す略直上方向に指向して噴射された水は、当該食器かご26の凹み41eに伴なう洗浄槽9の背壁面9bとの隙間Gから、食器類に衝突することなく勢い良く天井面9cに向って噴射される。そして、この天井面9cに衝突した後に方向変換され、所謂反射された洗浄水は図中矢印F方向に指向されて、この場合浅底収納スペースC側の食器支持部材40に収納された食器類(例えば、コップ36)に向けて注がれる。
【0041】
但し、これは食器類に直接噴射するのと異なり、天井面9cを介した間接的に洗浄水を噴き当てるようしたもので、該天井面9cは所謂水の反射面として機能する。従って、このコップ36の洗浄作用は、上下両方からの間接的および直接的に洗浄水が噴き当てられ、効果的に洗浄が行われる。以って、上下2段に効率良く収容された食器類に対し、下部,上部の噴射ノズル14,15を利用した噴射洗浄水により、むらなく洗浄できるとともに、特に本実施例では上段の浅底収納スペースC側に収納された食器類に対し、上方からの間接的な噴射水も加えて効果的な洗浄が行なわれ、殊に図示したコップ36やマグカップ(図示せず)等の有底筒状の細長い食器類に対しても、その上下部から洗浄水を当てて効率良く洗浄できる。
【0042】
しかるに、上記構成は上段の食器かご26に着脱可能な食器支持部材40を装着した使用形態の場合であるが、この食器支持部材40を取外して使用する場合としては、例えば下段側に背の高い食器類を収納し洗浄したいとき、当該食器類が上段の食器支持部材40の底部に当接して収納不可となる場合などである。例えば、このような使用例として図2中に二点鎖線で示したように小物入れ28への収納状態が縦長となるおたま42、径大な大皿43、ほか図示しないが麦茶用ボトルとか、まな板など種々多様な食器類の洗浄時に有効で、これは上段の食器かご26の段違い構成の相乗的効果と相俟って一層有効である。
【0043】
以上説明したように、本実施例によれば次の効果を有する。
洗浄槽9内に、上下2段に食器かご25,26を配設したので、多くの食器類を収納でき、一度に洗浄できる食器点数の増大が図れるとともに、それでいて食器かご25,26は夫々独立した構成体としたので、出し入れ操作は軽やかにでき使い勝手も良い。また、上段の食器かご26は、高さが異なる段違い構成として浅底収納スペースCおよび深底収納スペースDとし、下段の食器かご25の背の高い食器類に対応した収納スペースAおよび一般的な食器類の収納スペースBとを上下方向に対応した組み合わせにより、径大,径小,大物,小物など多種多様な食器類をコンパクトに効率良く収納でき、および一度に洗浄できて便利である。
【0044】
加えて、本実施例では上段の食器かご26の一部を構成する食器支持部材40を着脱可能に設け、殊に食器支持部材40を取外した状態では段違い構成による効果に加えて、更に背の高い食器類をその下段側に収納可能となり、一層多種の食器類の洗浄に対応でき使い勝手も良くなる。また、この食器支持部材40を着脱可能に設ける部位は、段違い構成の高い段部側(浅底収納スペースC)に特定しているので、常に背の高い食器類や食器支持部材40の取扱いを場所的に迷うことなく容易に操作できる。
【0045】
更に加えて、上段の食器かご26は、スライド部材39とレール部材38との係合位置を変えることで高さ調整が可能であるため、所謂上段の食器かご26全体を洗浄槽9内にセットする高さ位置を複数段に調整できるので、下段の食器かご25に収納された食器類の背の高さに応じた槽内セットができ、食器類の大きさに対応した使い勝手は一層有効である。
【0046】
そして、上記したように食器類を上下2段配置にするなど多種多様の食器類を一度に収容できるようにしたのに対し、十分な洗浄効果が得られることが求められる。
一般的に、本実施例のように上下2段の食器かご25,26を配設した場合には、下部噴射ノズル14からの噴射水は下段側の食器類にて遮られ易く、上段側の食器類への洗浄作用としては弱くなり不十分となり易い。しかして、本実施例では上段側の食器類の洗浄用に上部噴射ノズル15を設けるだけでなく、一部の噴射水を上段の食器かご26と洗浄槽9の背壁面9bとの間の隙間Gを介して天井面9cに向けて勢い良く噴射できるようにし、その天井面9cで衝突して所謂反射された洗浄水を上段の食器類の上方から降り注ぐようにした。
【0047】
この結果、上段の食器かご26内の食器類は、上部噴射ノズル15にて主に下方からの噴射水にて直接噴射洗浄されるとともに、そのうち浅底収納スペースC側に収納された食器類は天井面9cからの反射した水、所謂上方から間接的に洗浄水を受けて洗浄作用が促進され、より十分な洗浄効果が得られる。特に、本実施例のように下段に背の高い食器類が収納された状態では、図2から明らかなように下部噴射ノズル14の噴射水の多くが当該食器類(中皿27b等)の洗浄に利用され、上段側の食器類に至る洗浄作用として大きく期待できない。従って、斯かる上段側の浅底収納スペースCに収納された食器類に対し、上方からの間接的な洗浄水による洗浄手段を介して十分な洗浄効果が得られる。
【0048】
また、上部噴射ノズル15は背壁面9bに固定して設けられているため、従来の如き上下2段の食器かごの中空間に設けたものに比し、上下方向の空間を大きくする必要もなくてコンパクトに構成でき、更には上段に収納した食器類全体に噴射できるように背壁面9bの全幅(左右の横方向)に亘って設けることも容易にできるとともに、この噴射ノズル15が各食器かご25,26の出し入れに何ら支障ないので、使い勝手も何ら損なわないなどの利点も有する。
【0049】
尚、上記したように間接的な噴射洗浄水を右側半分に有効とすべく、浅底収納スペースC側にのみ隙間Gを設ける構成としたが、これは上段の食器かご26の後部(背面側)全幅に亘って設けるようにしても良い。この場合、上記実施例に対し隙間Gを全域に設けることで上段の食器類の収納点数が若干減少することになるが、上段の食器類の全てに対し十分な間接的な洗浄手段が加わり、一層確実に洗浄効果の向上が期待できる。或は、逆に上部噴射ノズル15は、隙間Gを形成した領域のみ間接的な洗浄手段を可能とする小形のもとし、他の領域の上段の食器類に対しては下部噴射ノズル14で洗浄するようにしてもよい。
【0050】
(変形例)
上記実施例に対し、図6は変形例を示す要部の概略構成を示す断面図であり、上記実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このものは、上記実施例では上段の食器かご26には凹み41eを備え、側壁面たる背壁面9bとの間に隙間Gを設けたのに対し、上記凹みのない構成の上段の食器かご42を備えるとともに、洗浄槽9の背壁面9bの上半部に凹陥部9dを設けて、該凹陥部9dから当該食器かご26の後方端部との間に隙間Gを確保した構成にある。
【0051】
しかるに、上部噴射ノズル15は、凹陥部9dの下部に設けられ、噴出孔15aから噴射された洗浄水は矢印E1方向から上記隙間Gを介して噴射される矢印E2方向に至る広角範囲に噴射される。そして、天井面9cにおいて、矢印E2方向の特に直上方向に噴射された水に対して、矢印Fで示す槽内方に方向変換すべき傾斜面部9eを形成していて、上段の食器かご42内の食器類に有効な噴射洗浄水を間接的に当てるようにしている。
【0052】
従って、上記構成においても上段の食器かご42に収納された食器類に対して矢印E1側の下方からの直接噴射された水での洗浄作用と、主に隙間Gを抜けた矢印E2側の上方への噴射水を天井面9cで反射して方向変換した後、食器類に対し上方から間接的に洗浄水を当てて行なう洗浄作用の併用により、上記実施例同様に十分な洗浄効果が期待できる。特に、上記実施例に対して、隙間Gを確保する手段として上段の食器かご42に凹み等を設ける必要がないので、その分収納スペースとして拡大でき食器類を多く収納するのに有利である。
また、本実施例では洗浄水の反射面として機能する天井面9cには、一部傾斜面部9eを設けたことにより、一部の水を所望の方向へ反射させることができ、該反射水を洗浄作用に有効活用できる。但し、このような構成は必要に応じて設ければ良く、また上記実施例に対しても適宜転用可能である。
【0053】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例にのみ限定されるものではなく、例えば上部噴射ノズルは洗浄槽側壁面に直接設けたものに限らず、独立して形成するようにしても良く、要は上段の食器かごと洗浄槽側壁面との隙間より下方に位置して設ければ良い。また、食器かごとしては上下2段に個々に配設した構成としたが、これは上下一体の構成としても良い。更に、上部噴射ノズルの噴出孔は、間接的に食器に当てる噴射洗浄水とすべく専用の噴出孔を設けても良いし、或は上段側の食器類に対しては全て間接的な洗浄手段とすることも可能で、この場合下部噴射ノズルからの噴射水も有効利用することで所望の洗浄効果を得るようにすればよい。
その他、反射面として機能する天井面に代えて別体の反射部材を洗浄槽上部に設けることも容易にできるなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施し得る。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかなように、本発明の食器洗浄機は、食器類を収納する食器かごを上下2段に配設するとともに、そのうちの上段の食器かごと洗浄槽側壁面との間に隙間を形成し、該隙間を介して上方に噴射された洗浄水を反射させて上段の食器類に当て、洗浄できるようにした。
これにより、上下2段に食器類を収納されたうちの、特に上段側の食器類に対し間接的な洗浄手段を加えることができ、この上段側の食器類の洗浄作用を促進することで、多くの食器類を収納可能としつつ十分な洗浄効果が期待できる食器洗浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を要所を切断して示す縦断側面図
【図2】扉を取除いた状態の正面図
【図3】外観斜視図
【図4】上段の食器かごの斜視図
【図5】上段の食器かごの分解斜視図
【図6】変形例を示す要部の概略構成図
【符号の説明】
9は洗浄槽、9bは背壁面(側壁面)、9cは天井面(反射面)、9dは凹陥部、9eは傾斜面部、14は下部噴射ノズル、15は上部噴射ノズル、15aは噴出孔、25は下段の食器かご、26,42は上段の食器かご、38はレール部材、39はスライド部材、および40は食器支持部材を示す。
Claims (2)
- 食器類を収納した食器かごを、洗浄槽内の上下2段に配設し、これら上下段に収納された食器類を洗浄するための噴射ノズルを上下部に設けたものにおいて、
前記上段の食器かごは、洗浄槽側壁面との間に所定の隙間を有して配設し、前記上部噴射ノズルは前記隙間より下方に設けられ該隙間を介して洗浄水を上方に噴射する噴出孔を有するとともに、この上方に噴射された洗浄水を上段の食器類に向けて方向変換させる反射面を洗浄槽上部に設けたことを特徴とする食器洗浄機。 - 上部噴射ノズルは、上段の食器類に対し直接洗浄水を噴き当てる噴出孔を有することを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
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