JP2005110901A - 食器洗い機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 上下2段に備えた2つの食器洗浄部をそれぞれ有効に使用できるように構成した食器洗い機を提供する。
【解決手段】 上部食器洗浄部2が備える上部洗浄槽4の内部高さ寸法は下部食器洗浄部3の洗浄槽5の内部高さ寸法より大きく構成され、それに応じて上部と下部の各食器カゴ6,7の構造や洗浄制御方法が異なる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、2つの食器洗浄部を上下2段に備えた食器洗い機に関するものである。
システムキッチンを構成するキッチンカウンタ下にビルトインされる食器洗い機として上下2段に食器洗浄部を配置したものが知られている。食器洗浄部が2つあると、被洗浄物の量に応じて一方だけを使用したり両方で大量の被洗浄物を洗うことができる。
上下2段に食器洗浄部を構成するとき、同様な構成の食器洗浄ユニットを上下2段に積み重ねることにより、生産性の向上と低コスト化を図ったものが知られている(特許文献1)。
また、被洗浄物の種類により上下の食器洗浄部を使い分けすることもでき、下段の食器洗浄部は調理器具を主に洗う目的に使用できるように調理器具載置カゴを設置し、調理器具に適した洗浄制御を行うようにした食器洗い機が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−180594号(第2〜4頁、図11) 特開2003−174991号(第2〜4頁、図1)
上下に2段に食器洗浄部を設けた場合、それが特許文献1に開示されているように、同様の構成のものを2つ積み重ねただけでは、被洗浄物の量の変化に対応できる利点だけしか得られない。また、1つの食器洗浄部に収容できる量を僅かに越える量であっても2つの食器洗浄部を使用する無駄が生じる。
被洗浄物は形状や寸法は様々であり、それら全ての汚れを確実に落とすには、洗浄ノズルから噴射される洗浄水が全ての被洗浄物の全ての場所に満遍なく当たるように食器カゴの構造や洗浄ノズルの構造を複雑に構成する必要がある。その点で特許文献2に開示されたように、1つの食器洗浄部を主に調理器具の洗浄に使用するように特化すると、食器カゴやノズルは調理器具に適した構成とすることができる。しかし、食器カゴを調理器具に対応する形状としたり、調理器具に適した洗浄制御を行うだけでは不充分で、明確に2つの食器洗浄部を使い分けることができるように構成する必要がある。
本発明が目的とするところは、2つの食器洗浄部を一体に構成した食器洗い機において、各食器洗浄部の使い分けを明確にした食器洗い機を提供することにある。
上記目的を達成するための本願第1発明に係る食器洗い機は、個別に開閉及び運転可能な上部食器洗浄部と下部食器洗浄部とが上下に配設され、上部食器洗浄部が備える洗浄槽の内部高さ寸法と、下部食器洗浄部が備える洗浄槽の内部高さ寸法とが異なることを特徴とする。
上記構成によれば、上下2段に配置された食器洗浄部がそれぞれ備える洗浄槽の高さ寸法が異なっているので、幅及び奥行き寸法が同一である場合には被洗浄物を収容できる容量に差ができ、被洗浄物の量が多い場合には両方の食器洗浄部を使用し、普通の量である場合には容量が大きい方の食器洗浄部を使用し、少ない量の場合には容量が小さい方の食器洗浄部を使用することができるので、無駄のない洗浄が可能となる。また、寸法が大きい被洗浄物は高さ寸法が大きい方の食器洗浄部で、寸法が小さい被洗浄物は高さ寸法が小さい方の食器洗浄部で洗浄するようにすると、被洗浄物の寸法に応じた最適の洗浄を実施することができる。
上記構成において、上部食器洗浄部の洗浄槽と下部食器洗浄部の洗浄槽との内部高さ寸法比は、55:45以上とするのが好適である。
また、上部食器洗浄部が備える食器カゴの構造と、下部食器洗浄部が備える食器カゴの構造とが異なるように構成することにより、高さ寸法の大きい食器洗浄部には寸法の大きい被洗浄物を収容できるように食器カゴを構成し、高さ寸法の小さい食器洗浄部には寸法の小さい被洗浄物を収容できるように食器カゴを構成すると、ユーザは上下の食器洗浄部を迷わず使い分けすることができる。また、使用頻度の高い被洗浄物は上段の食器洗浄部に収容できるように食器カゴを構成することにより作業性を向上させることができる。
また、上部食器洗浄部に設定された洗浄制御方法と、下部食器洗浄部に設定された洗浄制御方法とが異なるように構成することにより、上下の食器洗浄部で収容する被洗浄物の種類を区別した場合に、被洗浄物の種類に対応する洗浄制御を実施することができる。
また、上下の食器洗浄部の構成が異なっていても、上部食器洗浄部に設けられたヒータと、下部食器洗浄部に設けられたヒータとが同一仕様のものとするのが好適で、部材の管理コストを低減することができ、生産性の向上とコストの削減を図ることができる。
また、少なくとも上部食器洗浄部の開閉構造は水平方向への進退移動させるように構成することにより、高い位置にある上部食器洗浄部を開いて洗浄槽から被洗浄物を出し入れする動作は、水平方向に進退移動させる開閉構造が適したものとなる。下部食器洗浄部の開閉構造は、低い位置にあるので下方を回動支点として上部を回動させ回動開閉構造を適用することができる。
また、上部食器洗浄部の洗浄槽容積を下部食器洗浄部の洗浄槽容積より大きくするのが好適で、上部食器洗浄部を使用頻度の高い被洗浄物の洗浄に適するように構成すると、高い位置にあって使い易い上部食器洗浄部を普段の使用に用いることができる。
本発明によれば、洗浄槽の内部高さ寸法が上部食器洗浄部と下部食器洗浄部とで異なり、それに応じて食器カゴの構造や洗浄制御方法を異にしているので、2つの食器洗浄部の使い分けが容易であり、被洗浄物の量の変化に容易に対応できる食器洗い機を提供することができる。
図1は、実施形態に係る食器洗い機1の外観構成を示すもので、上部食器洗浄部2と下部食器洗浄部3とを上下2段に一体化して構成されている。上部食器洗浄部2及び下部食器洗浄部3はそれぞれ個別に運転可能で、運転操作は上部食器洗浄部2の前面パネル12に設けられた運転操作部14から一元的に操作することができる。本食器洗い機1は、主にキッチンカウンタ下にビルトインしてシステムキッチンを構成すると好適である。
図2は、上記食器洗い機1の要部構成を示す断面図で、上部及び下部の各食器洗浄部2,3は、それぞれ個別に上部洗浄槽4,下部洗浄槽5を洗浄機本体15の前面開放部から引き出すことができ、洗浄機本体15から引き出したとき、上部洗浄槽4及び下部洗浄槽5の上方は開放されるので被洗浄物を出し入れすることができ、上部洗浄槽4及び下部洗浄槽5を洗浄機本体15に押し入れることにより、洗浄機本体15の前面開放部は各前面パネル12,13によって閉じられ、上部及び下部の各洗浄槽4,5の上方開放部は蓋体18,19によってそれぞれ閉じられる。
上部洗浄槽4内には、上部食器カゴ6、上部洗浄ノズル8、上部ヒータ10が配設され、下部洗浄槽5内には、下部食器カゴ7、下部洗浄ノズル9、下部ヒータ11が配設され、それぞれ給水ポンプ16,17から供給される洗浄水を上部又は下部の各洗浄ノズル8,9から噴射させることにより、上部又は下部の各食器カゴ6,7に収容した被洗浄物を洗浄する。また、上部又は下部の各ヒータ10,11は洗い工程時あるいは加熱すすぎ工程時には洗浄水を加熱し、乾燥工程時には上部及び下部の各洗浄槽4,5内に送風された空気を加熱して被洗浄物の乾燥を促進させる。
前記上部洗浄槽4の庫内高さ寸法は下部洗浄槽5の庫内高さ寸法より大きく構成されており、主に調理器具や比較的大きな食器類を収容できるように、図3に示すように、上部食器カゴ6もそれに対応する寸法形状に構成されている。また、前記下部洗浄槽5内には比較的小型の食器や箸、スプーン等を収容できるように、図4に示すように、下部食器カゴ7もそれに対応する寸法形状に構成されている。尚、上部洗浄槽4と下部洗浄槽5との庫内高さ寸法比は55:45(55/45)以上とするのが望ましく、上部及び下部の各洗浄槽4、5を使い分けするのに好適なものとなる。
この上部及び下部の各食器カゴ6,7の構造は、上述のように被洗浄物の大きさで区分することに限定されるものでなく、上部食器洗浄部2を使用頻度の高い被洗浄物を主に収容するように構成してもよく、高い位置にあって使い勝手のよい上部食器洗浄部2を普段使用する側とし、下部食器洗浄部3は被洗浄物の量が多くなった場合や使用頻度の低い被洗浄物の洗浄に用いるように構成することもできる。
上部洗浄槽4内に配設された上部ヒータ10と、下部洗浄槽5内に配設された下部ヒータ11とは同一仕様のものとして在庫上や製造上の管理を容易にしているが、上部食器洗浄部2及び下部食器洗浄部3では収容する被洗浄物の種類に応じた洗浄制御ができるように、加熱温度が異なる洗浄コースが設定される。
図5は、上部食器洗浄部2に設定された各洗浄コースにおける各工程毎の温度制御のグラフを示すもので、標準洗浄コースと高温洗浄コースとが設定されており、上部食器洗浄部2の前面パネル12に設けられた運転操作部14から選択設定することができる。高温洗浄コースが設けられていることにより、比較的大型の食器類や調理器具などの汚れ落ちし難い食器類を洗う場合に備えることができる。
また、図6は、下部食器洗浄部3に設定された各洗浄コースにおける各工程毎の温度制御のグラフを示すもので、標準洗浄コースと小物洗浄コースとが設定されており、図1に示したように、上部食器洗浄部2の前面パネル12に設けられた運転操作部14から選択設定することができる。
食器洗い機1による運転は、図5,図6に示す標準洗浄コースを選択した場合、上部及び下部の各食器洗浄部2,3における制御動作は同一で、上部食器洗浄部2を例にとると以下のように実施される。
上部洗浄槽4に洗剤を加えて貯留された洗浄水を上部ヒータ10に通電して加熱し、予め設定された加熱温度になるように通電制御する。この洗浄水を給水ポンプ16から上部洗浄ノズル8に送給し、洗浄水の噴射により回転する上部洗浄ノズル8から噴射させて上部食器カゴ6に収容した被洗浄物を洗浄する洗浄工程を所定時間実施する。洗浄工程が終了すると上部ヒータ10に対する通電は停止し、汚れた洗浄水を排水して上部洗浄槽4内に複数段階(ここでは3回)にわたって水道水を供給して、上部洗浄ノズル8から水道水を噴射するすすぎ工程を実施し、洗浄後に残る残菜や洗剤などをすすぎ落す。水すすぎ工程の終了後に上部ヒータ10に通電して水道水を加熱し、加熱された水道水を上部洗浄ノズル8から噴射する加熱すすぎ工程を実施して被洗浄物の殺菌と乾燥しやすい温度に加熱する。所定時間の加熱すすぎ工程の終了後に上部洗浄槽4内の水を排水し、図示しない送風機によって外気が上部洗浄槽4内に送給され、上部ヒータ10には間欠通電されて外気が加熱され、送風と加熱とによって被洗浄物に付着した水滴を蒸発させる乾燥工程が所定時間実施される。
上部食器洗浄部2に設定された高温洗浄コースが選択されたときには、上部ヒータ10に対する通電時間を長くして洗浄工程における洗浄水の加熱温度を高くする温度制御がなされ、加熱すすぎ工程における水道水の加熱も同様に高い温度設定がなされ、図5に示すように全体に標準洗浄コースより高い温度設定により各工程が実施される。この高温洗浄コースを選択することにより洗浄性を向上させることができ、比較的大型の食器類や調理器具などを洗浄する上部食器洗浄部2に適した洗浄を実施することができる。
また、下部食器洗浄部3に設定された小物洗浄コースが選択されたときには、洗浄工程時の温度設定が標準洗浄コースより低くなるように温度制御されるので、比較的小型の食器類などの汚れが少なく汚れを落としやすい被洗浄物には低い温度設定での洗浄が可能であり、消費電力を削減した洗浄が可能になる。
以上説明した実施形態の構成においては、上部食器洗浄部2及び下部食器洗浄部3は、いずれも上部洗浄槽4及び下部洗浄槽5の洗浄機本体15からの出し入れは引き出し構造のプルオープン方式としているが、上部食器洗浄部2は高い位置にあるので被洗浄物の出し入れを容易にするためにはプルオープン方式が望ましいが、下部食器洗浄部3は、図2に示したプルオープン方式の他、図7に示すような前面パネル13を回動させて下部洗浄槽5の前面を開放し、開放部から下部食器カゴ7を引き出す構造のフロントオープン方式に構成することもできる。
本発明によれば、2つの食器洗浄部を上下2段に構成した食器洗い機において、各食器洗浄部を被洗浄物のサイズや種類に応じた洗浄槽の内部高さや食器カゴに構成し、それに適合する洗浄制御を行うことができるので、被洗浄物の量や種類に応じて2つの食器洗浄部を使い分けて効率よく洗浄ができる食器洗い機を提供することができる。
実施形態に係る食器洗い機の外観構成を示す斜視図。 同上食器洗い機の構成を示す断面図。 上部食器洗浄部に配設される食器カゴを示す斜視図。 下部食器洗浄部に配設される食器カゴを示す斜視図。 上部食器洗浄部に設定された洗浄コースの温度制御を示すグラフ。 下部食器洗浄部に設定された洗浄コースの温度制御を示すグラフ。 下部食器洗浄部の開閉構造の変形例を示す断面図。
符号の説明
1 食器洗い機
2 上部食器洗浄部
3 下部食器洗浄部
4 上部洗浄槽
5 下部洗浄槽
6 上部食器カゴ
7 下部食器カゴ
8 上部洗浄ノズル
9 下部洗浄ノズル
10 上部ヒータ
11 下部ヒータ
15 洗浄機本体

Claims (10)

  1. 個別に開閉及び運転可能に上部食器洗浄部と下部食器洗浄部とが上下に配設され、上部食器洗浄部が備える洗浄槽の内部高さ寸法と、下部食器洗浄部が備える洗浄槽の内部高さ寸法とが異なることを特徴とする食器洗い機。
  2. 上部食器洗浄部の洗浄槽と下部食器洗浄部の洗浄槽との内部高さ寸法比が55:45以上である請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 上部食器洗浄部が備える食器カゴの構造と、下部食器洗浄部が備える食器カゴの構造とが異なる請求項1又は2に記載の食器洗い機。
  4. 上部食器洗浄部の食器カゴには比較的大型の被洗浄物を収容する大物収容部が設けられ、下部食器洗浄部の食器カゴには比較的小型の被洗浄物を収容する小物収容部が設けられてなる請求項3に記載の食器洗い機。
  5. 上部食器洗浄部の食器カゴに使用頻度が高い食器類を収容する食器類収容部が設けられてなる請求項3に記載の食器洗い機。
  6. 上部食器洗浄部に設定された洗浄制御方法と、下部食器洗浄部に設定された洗浄制御方法とが異なる請求項1〜5いずれか一項に記載の食器洗い機。
  7. 上部食器洗浄部に設けられたヒータと、下部食器洗浄部に設けられたヒータとが同一仕様のものである請求項1〜6いずれか一項に記載の食器洗い機。
  8. 少なくとも上部食器洗浄部の開閉構造が水平方向への進退移動である請求項1〜7いずれか一項に記載の食器洗い機。
  9. 下部食器洗浄部の開閉構造は、下方を回動支点として上部を回動させるように構成されてなる請求項1〜8いずれか一項に記載の食器洗い機。
  10. 上部食器洗浄部の洗浄槽容積が下部食器洗浄部の洗浄槽容積より大きく形成されてなる請求項1〜9いずれか一項に記載の食器洗い機。

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