JP2004254483A - 車両状態表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関を動力源にして走行する車両に搭載されたバッテリ26又は発電機24の機能低下および異常を検出する。バッテリ26又は発電機24の機能低下等が検出された場合、バッテリ26の残存容量又は発電機24の発電能力とEFIシステム28の各種センサおよび負荷30の消費電力との関係に基づいて、内燃機関の駆動を継続できる残走行可能時間を算出する。そして、その算出された残走行可能時間を、搭乗運転者が視認可能な車室内のコンビネーションメータ40内部の表示部34に表示する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両状態表示装置に係り、特に、内燃機関を動力源にして走行する車両に搭載された電源系に機能低下が生じた際にその電源系の機能低下に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を表示する車両状態表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気自動車等の電動車両においてバッテリの残存容量に基づいて、車両が後どの程度の距離を走行できるかを示す残走行可能距離を求め、その残走行可能距離を表示部に表示するようにした車両状態表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。電動車両は、バッテリを動力源にして走行する。このため、上記従来の装置によれば、動力源であるバッテリの残存容量から求まる車両の残走行可能距離を運転者に認識させることができ、運転者が運転計画を立てるうえで有効に機能する。
【0003】
また、上記従来の装置の如く動力源の現状から求まる残走行可能距離を表示するものとしては、内燃機関を動力源にして走行する車両において、燃料の残量に基づいて残走行可能距離を求め、その残走行可能距離を表示部に表示する装置もある(例えば、特許文献2参照)。かかる装置においても、内燃機関駆動車両の動力源である内燃機関を駆動するための燃料の残量から求まる残走行可能距離を運転者に認識させることが可能となり、運転者が運転計画を立てるうえで有効に機能する。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−135302公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−194204公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関駆動車両においても、電源として車載バッテリや交流発電機としてのオルタネータが搭載される。かかる内燃機関駆動車両のバッテリやオルタネータが正常状態でなくなると、内燃機関を駆動するための燃料が残存していても、その内燃機関を駆動させるうえで必要な電力の供給ができなくなり、その結果、車両を継続して走行させることができなくなるという不都合が生ずる。
【0007】
この点、上記した特許文献1には、電動車両に搭載されるバッテリの残存容量から求まる残走行可能距離を表示することについては記載されている一方で、内燃機関駆動車両に搭載される電源系の機能低下が生じた際にその機能低下に起因して有限となる残走行可能距離を表示することについては何ら開示されていない。また、上記した特許文献2には、内燃機関駆動車両の燃料残量から求まる残走行可能距離を表示することについては記載されている一方で、搭載された電源系に機能低下が生じた際にその機能低下に起因して有限となる残走行可能距離を表示することについては何ら開示されていない。このため、内燃機関駆動車両の運転者は、電源系に機能低下が生じたことに気が付いても、その電源系機能低下によって車両が後どの程度継続して走行できるかを具体的に把握することができなかった。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、内燃機関を動力源にして走行する車両において電源系の機能低下に起因して有限となる残走行可能時間又は残走行可能距離について運転者に定量的に把握させることが可能な車両状態表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、内燃機関を動力源にして走行する車両に搭載された電源系の機能低下を検出する電源機能低下検出手段と、
前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、該電源系の状態に基づいて内燃機関の駆動を継続できる残走行可能時間又は残走行可能距離を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する表示手段と、
を備える車両状態表示装置により達成される。
【0010】
本発明において、内燃機関を動力源にして走行する車両で電源系の機能低下が生ずると、その電源系の状態に基づいて内燃機関の駆動を継続できる残走行可能時間又は残走行可能距離が算出され、表示部に表示される。この場合、車両の運転者は、表示部を見ることにより、電源系の機能低下に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を定量的に認識することができる。従って、本発明によれば、運転者は、内燃機関駆動車両において電源系の機能低下が生じた際に車両が後どの程度継続して走行できるかについての目安を得ることができ、車両をどの位置まで移動させるかについての判断材料を得ることができる。
【0011】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記算出手段は、前記電源系の状態に基づいて前記残走行可能時間を算出する残走行可能時間算出手段と、前記残走行可能時間算出手段により算出された前記残走行可能時間に基づいて前記残走行可能距離を算出する残走行可能距離算出手段と、を有すると共に、前記表示手段は、前記残走行可能距離算出手段により算出された前記残走行可能距離を表示することとすれば、電源系の機能低下に起因して有限となる内燃機関駆動車両の残走行可能距離を運転者に認識させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記電源系の状態は、車載バッテリの充電状態及び内燃機関を用いて発電するオルタネータの発電状態のうちの少なくとも何れか一方であることとすればよい。
【0013】
また、請求項4に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記算出手段は、前記電源系の状態と車両の運行状態とに基づいて前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することとすれば、車両の運行状態が考慮されるので、正確な残走行可能時間又は残走行可能距離を表示することができる。
【0014】
この場合、請求項5に記載する如く、請求項4記載の車両状態表示装置において、前記車両の運行状態は、車両の走行状態であることとしてもよい。
【0015】
また、請求項6に記載する如く、請求項4記載の車両状態表示装置において、前記車両の運行状態は、車両に搭載された電力を消費するシステムの作動状態であることとしてもよい。
【0016】
また、請求項7に記載する如く、請求項4記載の車両状態表示装置において、前記算出手段は、前記電源系の状態と前記車両の運行状態とをパラメータとして予め用意された所定のマップを用いて、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することとすればよい。
【0017】
また、請求項8に記載する如く、請求項6記載の車両状態表示装置において、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合に、前記システムを所定の作動状態に設定する強制設定手段を備え、前記算出手段は、前記強制設定手段により前記システムが所定の作動状態にあるものとした際に消費される電力を前記車両の運行状態を示すパラメータとして、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することとすれば、残走行可能時間又は残走行可能距離を算出するうえでの負担を軽減することができ、最大限の残走行可能時間又は残走行可能距離を確保することができる。
【0018】
尚、請求項9に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記表示手段は、前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する専用の表示手段であることとしてもよい。
【0019】
また、請求項10に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されたときには、前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する一方、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときには、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離とは異なる表示を行う表示切替可能な表示手段であることとしてもよい。
【0020】
この場合、請求項11に記載する如く、請求項10記載の車両状態表示装置において、前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに現在時刻を表示する時刻表示部であることとしてもよい。
【0021】
また、請求項12に記載する如く、請求項10記載の車両状態表示装置において、前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに内燃機関の回転速度を表示するタコメータ部であることとしてもよい。
【0022】
更に、請求項13に記載する如く、請求項10記載の車両状態表示装置において、前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに車両の積算走行距離を表示する積算走行距離表示部であることとしてもよい。
【0023】
また、請求項14に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記表示手段に前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離が表示される際、前記電源系に機能低下が生じている旨を表示する電源機能低下表示手段を備えることとすれば、電源系の機能低下が生じた際にその旨が表示されるので、電源系機能低下に起因して残走行可能時間又は残走行可能距離が表示されていることを運転者に的確に把握させることができる。
【0024】
また、請求項15に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、該電源系の状態に基づいて内燃機関の再始動が可能であるか否かを判別する再始動可否判別手段と、前記表示手段に前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離が表示される際、前記再始動可否判別手段の判別結果を車両運転者へ向けて報知する再始動可否情報報知手段と、を備えることとすれば、電源系に機能低下が生じた際に電源系の状態によって内燃機関の再始動が可能であるか否かが運転者に示されるため、内燃機関の不用意な停止操作によりその再始動ができなくなる事態を防止させることができ、残走行可能時間又は残走行可能距離の範囲内でできるだけ車両の走行継続を確保することができる。
【0025】
この場合、請求項16に記載する如く、請求項15記載の車両状態表示装置において、前記再始動可否判別手段により内燃機関の再始動が不可能であると判別された状況下、車両運転者により内燃機関のイグニションオフ操作がなされた際に、イグニションオン状態を電気的に継続させる強制イグニションオン手段を備えることとすれば、イグニションオフ操作がなされても内燃機関の駆動を継続させるので、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離の走行継続を確保することができる。
【0026】
また、請求項17に記載する如く、請求項15記載の車両状態表示装置において、前記再始動可否情報報知手段は、前記再始動可否判別手段により内燃機関の再始動が不可能であると判別された場合にのみ報知を行うこととすればよい。
【0027】
また、請求項18に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、車両は、主電源および補助電源を搭載していると共に、前記算出手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、前記主電源の充電状態および前記補助電源の充電状態の双方に基づいて前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することとすれば、補助電源を含めた残走行可能時間又は残走行可能距離を表示することができ、車両における正確な残走行可能時間又は残走行可能距離を運転者に認識させることができる。
【0028】
また、請求項19に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された際、内燃機関を用いて発電するオルタネータの発電状態が未だ発電し得る余裕を残している場合には、該内燃機関の回転数の高回転化を図る高回転化措置実行手段を備えることとすれば、内燃機関の回転数の高回転化によりオルタネータの発電能力が上がるので、電源系の機能低下に起因して有限となる残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0029】
この場合、請求項20に記載する如く、請求項19記載の車両状態表示装置において、内燃機関の回転数の高回転化を図るうえで消費される消費電力と該高回転化により前記オルタネータが余分に発電する発電電力とを比較する比較手段を備え、前記高回転化措置実行手段は、前記消費電力が前記発電電力を上回らない範囲に内燃機関の回転数の高回転化を制限することとすれば、かかる高回転化に起因して残走行可能時間および残走行可能距離が短くなる事態を確実に防止することができる。
【0030】
また、請求項21に記載する如く、請求項19記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段は、内燃機関のアイドル回転数の高回転化を図ることとすれば、オルタネータの発電能力が下がる傾向にあるアイドル時にその発電能力を上げるので、適切に残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0031】
この場合、請求項22に記載する如く、請求項21記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段は、アクセルオフ操作がなされた直後に内燃機関の回転数の高回転化を開始することとすれば、内燃機関が通常のアイドル回転数に至る前に速やかにオルタネータの発電能力を上げることができる。
【0032】
また、請求項23に記載する如く、請求項22記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段は、車両のストップランプ点灯による電圧降下量と前記電源系の状態とに基づいて設定される所定回転数へ向けて内燃機関の回転数を高回転化すると共に、該高回転化を少なくともストップランプ点灯時まで継続することとすれば、ストップランプ点灯に起因する消費電力の増大に備えるための電力をオルタネータを用いて発電することができる。
【0033】
また、請求項24に記載する如く、請求項21記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段は、ブレーキ操作が開始された直後に内燃機関の回転数の高回転化を開始することとすれば、内燃機関が通常のアイドル回転数に至る前に速やかにオルタネータの発電能力を上げることができ、また、車両のストップランプ点灯による電圧低下が発生する前にオルタネータの発電能力を上げ、ストップランプ点灯による電圧低下に備えることが可能となる。
【0034】
また、請求項25に記載する如く、請求項19記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段は、内燃機関と車輪との間に介在する変速機の変速パターンを変更することにより内燃機関の回転数の高回転化を図ることとすれば、変速パターンの変更による走行時における内燃機関の高回転化によってオルタネータの発電能力が上がり適切に残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0035】
更に、請求項26に記載する如く、請求項19記載の車両状態表示装置において、前記高回転化措置実行手段により前記高回転化が図られている際、該高回転化措置が実行中である旨を表示する高回転化措置実行表示手段を備えることとすれば、電源系の機能低下に起因して内燃機関の回転数の高回転化が図られている際にその旨を運転者に的確に把握させることができるので、かかる高回転化に伴って運転者に違和感を持たせるのを防止することができる。
【0036】
尚、請求項27に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、車両修理を行う修理施設をナビゲーション装置を用いて自動的に案内する案内手段を備えることとすれば、電源系の機能低下に起因して車両が継続走行不能となる前に車両修理の促進を図ることができる。
【0037】
また、請求項28に記載する如く、請求項1記載の車両状態表示装置において、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、ナビゲーション装置において指定又は予め登録された所定の地点へ自車両が到達し得るか否かを車両運転者へ向けて報知する到達可否情報報知手段を備えることとすれば、車両が所定の地点へ到達し得るか否かを運転者に的確に把握させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である車両状態表示装置20を搭載する車両のシステム構成図を示す。本実施例の車両状態表示装置20は、ガソリンや軽油等の燃料を用いて駆動される内燃機関を動力源にして走行する内燃機関駆動車両(以下、単に車両と称す)に搭載される。
【0039】
本実施例において、車両は、内燃機関を始動させるエンジンスタータ22と、内燃機関の動力を電力に変換する交流発電機(以下、オルタネータと称す)24と、電力を蓄えるバッテリ26と、内燃機関への燃料噴射を行うためのインジェクタや各種センサ等の電装品を有するEFIシステム28と、エアコンやオーディオ,各種ランプ,各種センサ等の負荷30と、を有している。エンジンスタータ22、オルタネータ24、バッテリ26、EFIシステム28、及び負荷30は、互いに並列に接続されている。EFIシステム28及び負荷30は、バッテリ26から供給される充電電力又は内燃機関の駆動中はオルタネータ24から出力される発電電力を用いて作動状態となる。また、エンジンスタータ22は、バッテリ26から供給される充電電力を用いて作動状態となる。
【0040】
車両状態表示装置20は、車両状態を検出するためのマイクロコンピュータを内蔵した電子制御ユニット(以下、ECUと称す)32を備えている。ECU32には、バッテリ26の状態に応じた信号、具体的には、バッテリ26の両端に生ずる電圧に応じた信号、バッテリ26を流れる充放電電流に応じた信号、及びバッテリ26における温度に応じた信号が供給される。ECU32は、バッテリ26の各種出力信号に基づいて、バッテリ26のバッテリ電圧、バッテリ電流、及びバッテリ温度を検出する。
【0041】
ECU32には、また、オルタネータ24から流れる発電電流に応じた信号が供給される。ECU32は、オルタネータ24の発電電流信号に基づいて、オルタネータ24からの発電電流を検出する。オルタネータ24には、ECU32が接続されている。ECU32は、後述の如く検出した車両の状態に基づいてオルタネータ24の発生すべき目標電圧を算出し、オルタネータ24に対してかかる目標電圧が生ずるように指令信号を供給する。
【0042】
オルタネータ24は、三相コイルとしてステータに巻かれたステータコイルと、ロータに巻回されたフィールドコイルと、を有し、ステータコイルから出力される三相交流を整流して出力すると共に、スイッチング回路により構成されたICレギュレータを内蔵したレギュレータ付き発電機である。このICレギュレータは、オルタネータ24の発生電圧を一定に維持するための機能を有している。具体的には、ICレギュレータは、オルタネータ24の発生電圧がECU32からの指令信号に係る目標電圧よりも小さい場合には、スイッチング回路をオン動作させることによりフィールドコイルに励磁電流を流し、オルタネータ24のステータコイルに三相交流電流を発生させ、一方、オルタネータ24の発生電圧が目標電圧よりも大きい場合には、スイッチング回路をオフ動作させることによりフィールドコイルへの励磁電流の供給を停止し、ステータコイルに電流の発生を停止させる。これにより、オルタネータ24の発生電圧が目標電圧に維持される。
【0043】
オルタネータ24のフィールドコイルとICレギュレータとの接点には、上記したECU32が接続されている。ICレギュレータのスイッチング回路がオン動作されると、ECU32へフィールドコイルの通電状態を示す、すなわち、オルタネータ24の発電状態を示すオン信号が供給される。また、ICレギュレータのスイッチング回路がオフ動作されると、ECU32へフィールドコイルの非通電状態を示す、すなわち、オルタネータ24の非発電状態を示すオフ信号が供給される。ECU32は、オルタネータ24のフィールドコイルから供給されるオン・オフ信号に基づいて、オルタネータ20が現時点でのエンジン回転数等から発電し得る最大発電量に対して実際に発電を行っている発電量の割合を示す、オルタネータ24の一サイクル時間当たりのオン・オフ比率、具体的には、一サイクル時間内でのオン時間の比率(通電デューティ;%)F−Dutyを検出する。
【0044】
ECU32には、また、EFIシステム28に搭載された各種センサによる状態量に応じた信号、具体的には、内燃機関の回転数に応じた信号、車速に応じた信号、変速機のシフト位置に応じた信号、スロットル開度に応じた信号、アクセル開度に応じた信号、ブレーキペダルのオン・オフに応じた信号、運転者により操作されるイグニションスイッチのオン・オフに応じた信号等が供給される。ECU32は、EFIシステム28からの各種出力信号に基づいて、内燃機関の回転数、車速、変速機のシフト位置、スロットル開度、アクセル開度、ブレーキペダルのオン・オフ、イグニションスイッチのオン・オフ等の車両の状態を検出する。
【0045】
ECU32には、また、負荷30へ流れる電流に応じた信号が供給される。ECU32は、負荷30の消費電流信号に基づいて、負荷30へ流れる電流を検出する。また、ECU32には、負荷30が接続されている。ECU32は、車両の状態や操作スイッチの状態等に基づいて各種負荷30を作動状態とし或いは非作動状態とするオン・オフ制御を実行する。
【0046】
ECU32には、また、車両に搭載された表示部34及び音声出力部36が接続されている。ECU32は、後に詳述する如く演算・算出した結果得られた情報を車両に搭乗する運転者に提供すべく、表示部34及び音声出力部36に対して指令信号を供給する。表示部34は、ECU32から供給された指令信号に従って情報を表示する。また、音声出力部36は、ECUから供給された指令信号に従って音声案内を行う。
【0047】
ECU32には、ナビゲーション装置38が接続されている。ナビゲーション装置38は、道路地図情報と、地図上における車両の修理施設や自宅等の位置を記憶する記憶部と、道路地図を模式的に表すモニタ画面と、を有している。ナビゲーション装置38は、GPS衛星等を用いて自車両の現在位置等をモニタ画面に表示すると共に、現在位置から運転者の操作により或いはECU32からの要求により指定された指定地点への経路およびその距離を算出し、モニタ画面に表示する。また、ナビゲーション装置38は、ECU32からの要求により現在位置から指定地点までの距離情報を該ECU32へ向けて出力する。ECU32は、所定の場合に所定地点への経路がナビゲーション装置38のモニタ画面に表示されるように該ナビゲーション装置38へ向けて指令信号を出力すると共に、指定地点までの距離情報を取得すべくナビゲーション装置38へ向けてその距離情報の送信を要求する。
【0048】
ECU32には、また、内燃機関と車輪との間に介在する変速機のシフト位置を変更し、ロックアップの作動を制御する変速コントロールユニット40が接続されている。ECU32は、所定の場合に変速機のシフト位置がローギヤに変更され、或いは、ロックアップの作動が禁止されるように変速コントロールユニット40へ向けて指令信号を出力する。変速コントロールユニット40は、ECU32からの指令信号に従って変速機のシフト位置をローギヤへ変更し、ロックアップの作動を禁止する。
【0049】
図2は、本実施例の車両状態表示装置20の備える表示部34の配設位置を説明するための図を示す。本実施例において、表示部34は、車両に搭乗する運転者が視認可能な車室内に配設されている。具体的には、運転席前方のコンビネーションメータ42内に配設されている。表示部34は、後述の如く算出された車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を液晶画面にデジタル表示する表示画面44と、車両の電源系に異常や劣化などの機能低下が生じた際にその機能低下を知らせるべく点灯或いは点滅する第1のランプ46と、かかる電源系の機能低下時に強制的に内燃機関の回転数の高回転化を図った際にその高回転化を行っている旨を知らせるべく点灯或いは点滅する第2のランプ48と、を有している。尚、表示画面44は、アナログ表示することとしてもよいし、また、残走行可能時間および残走行可能距離の双方を表示するようにしてもよい。
【0050】
ところで、本実施例において、車両は、内燃機関を動力源にして走行すると共に、内燃機関の駆動により発電するオルタネータ24を有する内燃機関駆動車両である。かかる車両は、通常、内燃機関を駆動させるための燃料を十分に有していれば無限に走行することができる。一方、車両に搭載されたバッテリ26やオルタネータ24に異常や劣化などの機能低下が生ずると、バッテリ26の放電や充電が困難となり、或いは、オルタネータ24の発電が困難となる場合がある。かかる場合には、内燃機関の燃料が十分に残存していても、その内燃機関を駆動させるうえで必要なバッテリ26やオルタネータ24からの電力の供給が、現時点では行うことは可能であるが何れ不可能となり、その結果、車両が継続して走行することができなくなる場合がある。
【0051】
このように、内燃機関駆動車両において搭載された電源系に機能低下や異常が生ずることに起因して車両の継続走行が有限となった場合、運転者が電源系に機能低下・異常が生じたことに気が付いても、どのくらい走行した後に車両が走行困難となるかを予測することは難しい。
【0052】
そこで、本実施例のシステムは、内燃機関駆動車両の電源系に機能低下や異常が生じた場合に、それに起因して有限となる残走行可能時間又は残走行可能距離を、すなわち、電源系の機能低下等により車両が後どの程度継続して走行することができるかを車両運転者へ提供し定量的に認識させる点に第1の特徴を有している。以下、本実施例の第1の特徴部について説明する。
【0053】
図3は、負荷30の状態に応じた内燃機関の回転数とオルタネータ24の発電電流との関係を表した図を示す。図4は、バッテリ26の放電が継続する際に時間と共にバッテリ電圧が変化する様子を表した図を示す。図5は、車両の走行状態を示す車速に応じて負荷30の消費電流が変化する様子を表した図を示す。また、図6は、バッテリ26の残存容量Ahと放電電流Iとの関係に基づいて定まる車両の残走行可能時間Tを表した図を示す。
【0054】
尚、図5に示す如く、負荷30の消費電流は、一般に、車両加速時には内燃機関の回転数上昇により増加し、加速終了後の定速走行時には内燃機関の回転数が加速時よりも低下した状態で安定するのでかかる状態に対応した消費電流値となる。また、減速時には、内燃機関の回転数低下による消費電流は減少するものの、ブレーキ操作が行われた際のストップランプ点灯による消費電流がその回転数低下による消費電流の減少分を上回るので、全体として消費電流は高い値を示す。
【0055】
本実施例において、ECU32は、バッテリ26の状態およびオルタネータ24の状態に基づいて両者に生ずる機能低下や異常、具体的には、バッテリ26の充電不能,過剰な残存容量(充電容量)の低下、オルタネータ24の部分的な或いは完全な発電不能、オルタネータ24に接続する電力ラインの断線等を検出する。バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じていない場合には、バッテリ26及びオルタネータ24から正常に電力供給が行われるので、車両は燃料がある限り継続して走行することができる。従って、ECU32は、電源系の機能低下等を検出しない場合には、表示部34の表示画面44に「∞」(時間hour又は距離km)を表示させる。
【0056】
一方、ECU32は、電源系に機能低下等が生じている場合には、まず、その状態においてバッテリ26が電力供給可能な残存している残存容量Ahを検出すると共に、バッテリ26から放電する放電電流Iを検出する。尚、バッテリ26の残存容量Ahの検出は、例えば、バッテリ26の温度に応じたその両端に生ずる電圧とそれに流れる充放電電流との関係に基づいて、初期値からの充放電電流の積算値に基づいて、初期値からのオルタネータ24の発電電流の積算値と負荷30に流れる消費電流の積算値との関係に基づいて、或いは、無負荷時における開放電圧に基づいて行われる。また、放電電流Iの検出は、バッテリ26に接続する電力ラインに設けられた電流センサの出力に基づくバッテリ26の充放電電流に基づいて、或いは、オルタネータ24の発電電流と負荷30の消費電流との関係に基づいて行われる。
【0057】
尚、オルタネータ24の発電電流は、オルタネータ24に直接に接続する電力ラインに流れる電流を検出することにより算出するのみならず、オルタネータ24のフィールドコイルの出力するオン・オフ信号から算出されるF−Dutyと内燃機関の回転数との関係に基づいて図3に示す如きマップを用いても算出することができる。また、負荷30の消費電流は、負荷30に直接に接続する電力ラインに流れる電流を検出することにより算出するのみならず、車両の車速及び加速度に基づいて図5に示す如き関係を用いても算出することができる。
【0058】
そして、ECU32は、バッテリ26の残存容量Ahと放電電流Iとに基づいて、次式(1)に従って図6に示す如きマップを参照して、内燃機関駆動車両の有する内燃機関が後どの程度の時間を継続して駆動できるかを示す残走行可能時間Tを算出し、また、その算出した残走行可能時間Tと車両の走行状態を示す平均的な車速VSPDとに基づいて、次式(2)に従って、車両が後どの程度の距離を継続して走行できるかを示す残走行可能距離Lを算出する。ECU32は、電源系に機能低下等が生じている状況下、上記した車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを算出すると、表示部34の表示画面44にその算出した残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを表示させる。
【0059】
T=Ah/I ・・・(1)
L=T×VSPD ・・・(2)
かかる表示によれば、車両運転者は、表示画面44が「∞」を表示しているか或いは有限の数値を表示しているかを判断することにより、バッテリ26又はオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じているか否かを把握することができると共に、また、電源系の機能低下等が生じている場合にはその機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を具体的に認識することができる。従って、本実施例の構成によれば、内燃機関駆動車両において電源系に機能低下等が生じた際に車両が後どの程度継続して走行できるかをその運転者に提供することができ、これにより、運転者に、内燃機関駆動車両における電源系の機能低下等に起因する車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を定量的に把握させることが可能となっている。
【0060】
図7は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU32が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0061】
ステップ100では、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に生ずる機能低下および異常が検出されたか否かが判別される。かかる検出は、バッテリ26の電圧,電流,温度等の状態およびオルタネータ24の発電電流,F−Duty値等の状態に基づいて行われる。その結果、電源系の機能低下等が検出されず、否定判定がなされた場合には、次にステップ102の処理が実行される。一方、電源系の機能低下が検出され、肯定判定がなされた場合には、次にステップ104の処理が実行される。
【0062】
ステップ102では、表示部34の表示画面44に、残走行可能時間又は残走行可能距離が無限大である旨を示す「∞」を表示すると共に、第1のランプ46を消灯させる処理が実行される。本ステップ102の処理が実行されると、以後、表示画面44に「∞」が表示されると共に、第1のランプ46が消灯されることで、車両運転者は、電源系に機能低下等が生じていないことを把握することができ、車両が継続走行可能であることを認識することができる。本ステップ102の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0063】
ステップ104では、バッテリ26の電圧,電流,温度や負荷30の消費電流及びオルタネータ24の発電電流等に基づいて、現時点においてバッテリ26に残存する残存容量Ahおよびバッテリ26から放電する放電電流Iを検出する処理が実行される。尚、放電電流Iは、負荷変動等を考慮して、平均的に単位時間当たりに放電する電流量を示すこととするのがよい。
【0064】
ステップ106では、上記ステップ104で検出されたバッテリ26の残存容量Ah及び放電電流Iに基づいて、内燃機関の駆動が後どの程度の時間継続できるのか、すなわち、車両が後どの程度の時間継続して走行できるのかを示す残走行可能時間T(=Ah/I)を算出し、或いは、その残走行可能時間T及び車両の平均車速VSPDに基づいて、車両が後どの程度の距離継続して走行できるのかを示す残走行可能距離L(=T×VSPD)を算出する処理が実行される。
【0065】
ステップ108では、表示部34の表示画面44に、上記ステップ106で算出した残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを表示すると共に、第1のランプ46を点灯・点滅させる処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、表示画面44に残走行可能時間T又は残走行可能距離Lが表示されると共に、第1のランプ46が点灯・点滅されることで、車両運転者は、電源系に機能低下等が生じていることを把握できると共に、車両を後どの程度走行させることができるかを認識することができる。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0066】
上記図7に示すルーチンによれば、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じていない場合には、コンビネーションメータ42の表示部34に電源系に基づく車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が無限大であることを文字表示すると共に、電源系に機能低下等が生じていない旨の非表示を行うことができる。一方、電源系に機能低下や異常が生じている場合には、表示部34に電源系に基づく車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が有限であることを具体的な数値を用いて表示すると共に、電源系に機能低下等が生じている旨の点灯表示をすることができる。
【0067】
この場合、車両運転者は、コンビネーションメータ42の表示部34を見て、第1のランプ46が点灯・点滅しているか或いは消灯しているかを判断し、若しくは、表示画面44が「∞」を表示しているか或いは有限の数値を表示しているかを判断することにより、バッテリ26又はオルタネータ24の電源系に異常が生じているか否かを把握することができる。また、車両運転者は、表示部34の表示画面44を見ることにより、電源系に機能低下や異常が生じている場合には、その機能低下等に起因して有限となる車両の具体的な残走行可能時間又は残走行可能距離を認識することができる。
【0068】
従って、本実施例の車両状態表示装置20によれば、内燃機関を動力源にして走行する車両において電源系に機能低下等が生じた際に車両が後どの程度継続して走行できるかをその運転者に提供することができ、これにより、運転者に、内燃機関駆動車両における電源系の機能低下等に起因する車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を定量的に把握させ、かかる車両における電源系の機能低下等に起因した運転者の不安を解消させることが可能となっている。
【0069】
尚、本実施例において、電源系の機能低下等の旨は、表示画面44における有限値の表示によるだけでなく、第1のランプ46の点灯・点滅によっても表示される。このため、本実施例によれば、バッテリ26又はオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じていることを運転者に確実に把握させることができ、電源系の機能低下等に起因して車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が表示画面44に表示されていることを運転者に的確に把握させることが可能となっている。
【0070】
図8は、内燃機関の始動が可能であるか否かを示すバッテリ26の残存容量Ahと温度THとの関係を表した図を示す。バッテリ26の残存容量Ahが内燃機関を始動し得る状態にあるか否かは、そのバッテリ26の温度THに応じて変動する。具体的には、図8に示す如く、バッテリ26の温度THが低いほど、また、その温度THが高くなりすぎても、残存容量Ahが多くなければ、エンジンスタータ22により内燃機関を始動することは困難である。
【0071】
この点、上記したバッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じた状況下において、バッテリ26が内燃機関の再始動を行うことができる程度の残存容量Ahを有していない場合には、車両運転者がイグニションオフ操作を行うものとすると、その後、内燃機関の再始動が不可能となってしまうため、その電源系の機能低下等に起因して表示部34に上記の如く車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が表示されていたとしても、車両をその残走行可能時間又は残走行可能距離まで走行させることができなくなってしまう。
【0072】
そこで、本実施例のシステムは、図8に示す如きエンジンスタータ22により内燃機関の始動が可能であるか否かを示すバッテリ26の残存容量Ahと温度THとの関係を予めマップとして記憶する。そして、内燃機関駆動車両の電源系に機能低下や異常が生じた場合、かかるマップを用いてバッテリ26の残存容量Ahが内燃機関を再始動させることができる程度にあるか否かを判別し、その判別結果を車両運転者に提供し把握させることにより、運転者に不用意なイグニションオフ操作を行わないように促し、不用意なイグニションオフ操作により内燃機関の再始動ができなくなる事態を防止させる点に第2の特徴を有している。以下、本実施例の第2の特徴部について説明する。
【0073】
図9は、電源系の機能低下時等にエンジンスタータ22による内燃機関の再始動の可否を表示すべく、本実施例においてECU32が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図9に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図9に示すルーチンが起動されると、まずステップ200の処理が実行される。
【0074】
ステップ200では、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に生ずる機能低下および異常が検出されたか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合は、以後何ら処理が進められることなく、今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にステップ202の処理が実行される。
【0075】
ステップ202では、現時点においてバッテリ26に残存する残存容量Ahおよびバッテリ26の温度THを検出する処理が実行される。
【0076】
ステップ204では、上記ステップ202で検出された残存容量Ahが上記図8のマップに示す如き内燃機関の始動可能領域に含まれ、その残存容量Ahと温度THとから規定されるバッテリ26の状態がエンジンスタータ22による内燃機関の再始動を行うことのできる状態であるか否かが判別される。その結果、エンジンスタータ22による内燃機関の再始動が可能であると判別された場合は、今回のルーチンは終了される。一方、エンジンスタータ22による内燃機関の再始動が不可能であると判別された場合は、次にステップ206の処理が実行される。
【0077】
ステップ206では、音声出力部36から内燃機関の再始動が不可能である旨を運転者へ向けて音声案内することにより報知を行う処理が実行される。本ステップ206の処理が実行されると、以後、運転者に内燃機関の再始動が不可能である旨の通知がなされ、その旨の注意が喚起される。
【0078】
また、ステップ208では、イグニションオフ操作が行われた際、強制的にイグニションオンを電気的に継続させる処理が実行される。本ステップ208の処理が実行されると、以後、操作的にはイグニションオフ状態にあっても、内燃機関の電装品やエアコン等の負荷30に対してバッテリ26及びオルタネータ24からの電力供給が継続されることとなり、車両の走行が継続される。本ステップ208の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0079】
上記図9に示すルーチンによれば、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じた場合、その状態においてバッテリ26が内燃機関の再始動を行うことができる程度の残存容量Ahを有しているか否かを判別することができる。そして、バッテリ26が内燃機関の再始動に必要な残存容量Ahを有していない場合には、音声出力部36から内燃機関の再始動が不可能である旨の報知を行うことができる。
【0080】
この場合、車両運転者は、音声出力部36による報知を聞くことにより、内燃機関の再始動が不可能であることを把握することができる。従って、本実施例によれば、電源系に機能低下等が生じた状況下、バッテリ26が内燃機関の再始動に必要な残存容量Ahを有していない場合に、運転者に電源系の状態によって内燃機関の再始動が不可能であることを把握させ、不用意なイグニションオフ操作を行わないように促すことができる。このため、車両運転者による不用意なイグニショオフ操作により内燃機関の再始動ができなくなる事態を防止させることができ、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離の範囲内でできるだけ車両の走行継続を確保することが可能となっている。
【0081】
尚、本実施例において、内燃機関の再始動が不可能である旨は、音声により報知されるが、音声による報知に加えて又は単独でランプ等の視覚表示により報知されることとしてもよい。また、本実施例において、内燃機関の再始動が不可能である旨の報知は行われる一方で、可能である旨の報知は行われないが、ランプ等の視覚表示等によりその再始動が可能である旨の報知を行うこととしてもよい。内燃機関の再始動が可能である旨も報知されれば、電源系の異常が生じた際に内燃機関の再始動が可能であるか否か何れかを示すことができ、車両運転者にとって便宜である。
【0082】
また、上記図9に示すルーチンによれば、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じた状況下、バッテリ26が内燃機関の再始動に必要な残存容量Ahを有していない場合においては、車両運転者によりイグニションオフ操作が行われても、車両のイグニションオンを強制的に継続させることができる。この場合、内燃機関の駆動は継続されるので、従って、本実施例によれば、車両運転者による不用意なイグニションオフ操作により内燃機関の再始動ができなくなる事態を確実に防止することができ、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離の走行継続を確実に確保することが可能となっている。
【0083】
尚、上記したイグニションオフ操作時におけるイグニションオンの継続は、イグニションオフ操作が一回行われた場合にのみ有効なものとし、再度イグニションオフ操作が行われた場合やアクセサリオン状態が所定時間維持された場合、ロック位置への操作が行われた場合などには無効なものとして、現実のイグニションオフ状態が実現されるものとしてもよい。また、イグニションオフ操作が押しボタン操作により行われる構成においては、かかる押しボタン操作によるイグニションオフ操作が再度行われたとき、或いは、押しボタンが長時間継続して押されたときなどに現実のイグニションオフ状態が実現されるものとしてもよい。また、これらの場合、現実のイグニションオフ状態へ移行する前に、内燃機関が停止される旨の音声案内を行い、例えば5秒などの所定時間経過後にイグニションオン操作などの何の操作も行われなかった場合に現実のイグニションオフ状態へ移行するようにしてもよい。
【0084】
ところで、上記の如く、本実施例においては、車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lが、バッテリ26の残存容量Ahおよび放電電流Iに基づいて算出される。バッテリ26の放電電流Iは、電力の供給を受ける負荷の状態に応じて変動するが、更に、オルタネータ24の発電状態に応じても変動する。すなわち、負荷が同一の状態にあるものとすると、オルタネータ24の発電量が少なくなるほどバッテリ26の放電量は多くなる。特に、内燃機関がアイドル状態にある際には、その回転数が少ないため、オルタネータ24の発電能力が下がりその発電量が減ることにより、バッテリ26の放電量が増大する。バッテリ26の放電量が増大すると、その分だけバッテリ26の寿命が短くなり、車両の残走行可能時間Tおよび残走行可能距離Lが短くなってしまう。従って、上記した残走行可能時間Tおよび残走行可能距離Lを長くうえでは、オルタネータ24の発電量を多くすることによりバッテリ26からの放電量を減らすことが有効である。
【0085】
オルタネータ24の発電量の増大は、内燃機関の回転数を増加させる高回転数化措置を実行することにより実現される。尚、オルタネータ24の発電能力が限界に達し、発電する余裕を残していない場合には、内燃機関に対して高回転化措置が実行されても、オルタネータ24の発電量は増大しない。従って、内燃機関に対する高回転化措置は、オルタネータ24の発電状態が発電する余裕を残している場合にのみ行うことが適切である。
【0086】
そこで、本実施例のシステムは、電源系に機能低下や異常が生じた際、オルタネータ24の発電状態が発電する余裕を未だ残している場合には、以後、その機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間Tおよび残走行可能距離Lを長くすべく、燃料噴射量を増加させることにより或いは内燃機関と車輪との間に介在する変速機の変速パターンをローギヤに変更することにより又は変速機のロックアップを禁止することにより内燃機関の回転数を例えば通常時よりも所定回転数だけ或いはオルタネータ24の発電能力が限界に達する程度まで増加させる点に第3の特徴を有している。
【0087】
かかる構成によれば、電源系の機能低下時や異常時にアイドル時を含めてオルタネータ24の発電能力が上がり、その発電量が増大する。この場合、電気負荷に対してバッテリ26が放電すべき電力量は減少する。従って、本実施例の構成によれば、内燃機関駆動車両において電源系に機能低下等が生じた際に、バッテリ26の残存容量低下の抑制が図られるので、その電源系の機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができ、これにより、車両の走行継続を長期間確保することが可能となる。
【0088】
尚、内燃機関の回転数の高回転化措置が行われることによりオルタネータ24の発電量が増大しても、その高回転化措置を図るうえで必要な消費電力(例えば燃料噴射弁の駆動電力等)の増大分がその発電量の増大分よりも多いと、逆にバッテリ26の残存容量の低下が進行し、残走行可能時間および残走行可能距離が短くなってしまう。この点、内燃機関の回転数の高回転化措置は、その高回転化を図るうえで必要な消費電力がその高回転化によりオルタネータ24が余分に発電する発電量を上回らない範囲に制限することが、車両の残走行可能時間および残走行可能距離が短くなるのを確実に防止するうえで望ましい。
【0089】
そこで、本実施例のシステムは、オルタネータ24の発電量を増大すべく内燃機関の回転数を所望の回転数へ増加させる高回転化措置を実行しようとする状況下、まず、その高回転化を図るうえで必要な消費電力とその高回転化によりオルタネータ24が余分に発電しようとする発電量とを比較する。そして、比較結果として消費電力の増大分が発電量の増大分を上回らない範囲に高回転化措置を制限する。例えば、消費電力の増大分が発電量の増大分を下回る場合には、かかる高回転化措置の実行を許可し、一方、消費電力の増大分が発電量の増大分を上回る場合には、高回転化措置の実行を禁止し、又は、所望の回転数を増加若しくは減少させて消費電力の増大分が発電量の増大分を上回らない範囲で高回転化措置の実行を許可する。
【0090】
かかる構成によれば、内燃機関の回転数の高回転化措置が行われる際に、その高回転化措置に伴う消費電力の増大分が発電量の増大分に比べて多くなることは回避される。従って、本実施例の構成によれば、電源系の機能低下等が生じた際に行われる内燃機関の回転数の高回転化に起因して車両の残走行可能時間および残走行可能距離が短くなる事態を確実に防止することが可能となる。
【0091】
また、本実施例においては、上記の如く、電源系に機能低下等が生じた状況下、オルタネータ24の発電能力に余裕がある場合にはアイドル時を含めて常に、内燃機関の回転数の高回転化措置を実行してその発電能力を上げることにより、車両の残走行可能時間および残走行可能距離が長くされるが、オルタネータ24の発電能力が下がるアイドル時にのみ内燃機関の回転数の高回転化措置を実行するのも車両の残走行可能時間および残走行可能距離を長くするうえでは有効である。
【0092】
尚、このように内燃機関のアイドル時にのみ高回転化措置が実行される構成において、内燃機関の回転数がアイドル回転数に至った後に高回転化措置の実行が開始されるものとすると、そのアイドル状態に至るまでオルタネータ24の発電量が少ない状態が形成されることとなるので、有効に残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができないおそれがある。従って、かかる構成においては、内燃機関の回転数がアイドル回転数に至る前、例えば、運転者によるアクセルオフ操作がなされた直後やブレーキ操作が開始された直後に高回転化措置の実行を開始することが適切である。この場合には、内燃機関がアイドル状態に至る前に速やかにオルタネータ24の発電能力を上げることができ、これにより、適切に車両の残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることが可能となる。
【0093】
また、内燃機関がアイドル状態に至る際には、運転者のブレーキ操作によりストップランプが点灯し、電源系の消費電力が増大するのが一般的であるので、そのストップランプの点灯に起因する消費電力の増大分を余分に発電しておくことが車両の残走行可能時間および残走行可能距離を長くするうえでは重要である。この点、上記したアイドル時における高回転化措置により増大される内燃機関の回転数を、少なくともストップランプの点灯に伴う消費電力の増大分だけオルタネータ24が余分に発電し得る回転数に設定することが適切である。また、内燃機関の回転数がアイドル回転数に至る前、運転者によるアクセルオフ操作がなされた直後にアイドル時の高回転化措置の実行が開始される構成においては、その高回転化措置を、少なくともストップランプが点灯するまで、好ましくはストップランプが消灯するまで継続することが適切であり、また、内燃機関の回転数がアイドル回転数に至る前、運転者によるブレーキ操作により制動がなされた直後にアイドル時の高回転化措置の実行が開始される構成においては、その高回転化措置を、ブレーキ操作によるストップランプの消灯まで継続することが適切である。かかる構成によれば、ストップランプ点灯に起因する消費電力の増大分を補うための電力をオルタネータを用いて発電することができ、これにより、車両の残走行可能時間および残走行可能距離の早期減少を抑制することが可能となる。
【0094】
図10は、上記の如く電源系の機能低下時や異常時に内燃機関の回転数の高回転化措置を行うべく、本実施例においてECU32が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図10に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図10に示すルーチンが起動されると、まずステップ300の処理が実行される。
【0095】
ステップ300では、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に生ずる機能低下および異常が検出されたか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合は、次にステップ302の処理が実行される。ステップ302では、第2のランプ48を消灯させる処理が実行される。そして、本ステップ302の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0096】
一方、上記ステップ300において肯定判定がなされた場合は、次にステップ304の処理が実行される。
【0097】
ステップ304では、オルタネータ24の発電状態が未だ発電し得る余裕を残しているか否か、具体的には、オルタネータ24の発電電流が上記した図3に示す発電電流の上限値近傍に達していないか否か、又はオルタネータ24の発電電流が全く検出されていないか否かが判別される。その結果、オルタネータ24の発電電流が上限値近傍であり、発電余裕を残していない、又はオルタネータ24が全く発電できない状態にあると判別された場合は、次に上記したステップ302の処理が実行される。一方、オルタネータ24が全く発電できない状態にはなく、かつ、オルタネータ24の発電電流が上限値近傍になく、発電余裕を残していると判別された場合は、次にステップ306の処理が実行される。
【0098】
ステップ306では、変速コントロールユニット40又はEFIシステム28へ指令信号を供給して、オルタネータ24の発電電流が増加し、発電量が増大するように変速機の変速パターンをローギヤに変更し又はロックアップを禁止し或いは燃料噴射量を増加させることにより、内燃機関の回転数の高回転化措置を行う処理が実行される。本ステップ306の処理が実行されると、以後、内燃機関の回転数の高回転化に伴ってオルタネータ24の回転数が増加してその発電量が増大する。尚、本ステップ306の処理に先立って、ECU32において高回転化措置に伴う消費電力の増大分が発電量の増大分を上回っていることが検知され、或いは、内燃機関がアイドル状態にないことが検知される場合には、かかる高回転化措置を行わないこととし、以後、上記ステップ302の処理が実行される。
【0099】
また、ステップ308では、第2のランプ48を点灯・点滅させる処理が実行される。本ステップ308の処理が実行されると、以後、第2のランプ48が点灯・点滅されることで、車両運転者は、電源系の機能低下等に起因して内燃機関の回転数の高回転化が図られていることを把握することができる。本ステップ308の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0100】
上記図10に示すルーチンによれば、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じた際に、内燃機関の回転数の高回転化によりオルタネータ24の発電量を増大させることができる。この場合には、負荷30に対するバッテリ26の放電量がオルタネータ24の発電量が増大する前に比べて減少し、バッテリ26の残存容量低下の抑制が図れることとなる。従って、本実施例によれば、電源系の機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができ、これにより、車両の走行継続を長期間確保することが可能となっている。
【0101】
また、上記図10に示すルーチンによれば、電源系の機能低下時等に、車両の残走行可能時間及び残走行可能距離を長くすべく内燃機関の回転数の高回転化措置が行われていることを第2のランプ48の点灯・点滅により表示することができる。この場合、車両運転者は、第2のランプ48による表示を見ることにより、内燃機関の回転数の高回転化措置によってバッテリ26の残存容量低下の抑制を図り、車両の残走行可能時間及び残走行可能距離を長くする処理が行われていることを把握することができる。従って、本実施例の車両状態表示装置20によれば、電源系の機能低下や異常に起因した内燃機関の高回転化措置に伴って運転者に違和感を持たせるのを防止することが可能となっている。
【0102】
ところで、本実施例においては、上記の如く、電源系の機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離がコンビネーションメータ42内に設けられた表示部34に表示される。この点、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が表示部34に表示されたということは、その後何れ、内燃機関の駆動が電力供給不能に起因して停止することを意味するので、従って、車両が道路上で電力供給不能に起因して走行不能に陥るのを回避するうえでは、速やかに電源系を修理することが適切である。本実施例においては、車両にナビゲーション装置38が搭載されている。従って、電源系の機能低下等が生じた場合、ナビゲーション装置38のモニタ画面に車両ディーラや修理工場,高速のサービスエリア等の修理施設(複数でも可)の地図上位置を表示すること、又は、最寄りの修理施設への経路案内を行うことが、機能低下等の生じた電源系の修理を促進するうえで適切である。
【0103】
また、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離は表示部34に表示されるので、車両運転者は、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を具体的に認識することはできる。しかし、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が表示部34に表示される状態であっても、例えばナビゲーション装置38において運転者の操作により或いは自動的に指定された目的地への経路案内が行われている場合には、電源系の機能低下等に起因して有限となった残走行可能時間又は残走行可能距離に基づいて目的地へ自車両が到達できるか否かについて車両運転者が判断することは困難である。従って、このようにナビゲーション装置38において経路案内が行われる場合には、表示部34に表示されている車両の残走行可能時間又は残走行可能距離により目的地への到達が可能か否かを運転者に提供することが便宜である。
【0104】
そこで、本実施例のシステムは、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じた場合、ECU32からその電源系に機能低下等が生じたことを示す情報をナビゲーション装置38へ送信して、ナビゲーション装置38において車両の修理施設の地図上位置をモニタ画面に表示し、最寄りの修理施設を目的地とした経路をモニタ画面や音声出力により案内する。かかる構成によれば、電源系の機能低下等が生じた際に車両運転者に車両の修理施設の情報を提供することができる。このため、本実施例によれば、車両運転者に対して電源系の修理の促進を図ることが可能となる。
【0105】
また、本実施例のシステムは、ECU32において算出された車両の残走行可能距離Lを含む情報をナビゲーション装置38へ送信して、ナビゲーション装置38において最寄りの修理施設までの距離と送信に係る残走行可能距離Lとを比較することにより車両がその最寄りの修理施設に到達することができるか否かを判別して、その到達可否をナビゲーション装置38のモニタ画面の表示および音声出力により報知する。かかる構成によれば、電源系の機能低下等に起因してナビゲーション装置38において車両修理施設の情報が提供される際に、自車両が目的地としてのその修理施設へ到達できるか否かの情報を運転者に提供することができる。このため、本実施例によれば、車両が電源系の機能低下等に起因して何れ継続走行することができなくなる状況でも、その車両が最寄りの修理施設へ到達し得るか否かを運転者に的確に把握させることができ、運転者の不安をできるだけ解消させることが可能となる。
【0106】
図11は、車両の残走行可能距離を含む情報をナビゲーション装置38へ送信すべく、本実施例においてECU32が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図11に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図11に示すルーチンが起動されると、先ずステップ400の処理が実行される。
【0107】
ステップ400では、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に生ずる機能低下や異常が検出されたか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合は、以後何ら処理が進められることなく、今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にステップ402の処理が実行される。
【0108】
ステップ402では、上記図7のステップ106で算出した車両の残走行可能距離Lを含む情報をナビゲーション装置38へ向けて送信する処理が実行される。本ステップ402の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。かかる図11に示すルーチンによれば、電源系の機能低下時や異常時に、車両状態表示装置20のECU32からナビゲーション装置38へその電源系の機能低下等に起因して有限となる残走行可能距離の情報を提供することができる。
【0109】
図12は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてナビゲーション装置38が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図12に示すルーチンは、所定時間毎に繰り返し起動されるルーチンである。図12に示すルーチンが起動されると、まずステップ450の処理が実行される。
【0110】
ステップ450では、ECU32からの車両の残走行可能距離Lを含む情報を受信したか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合は、以後何ら処理が進められることなく今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にステップ452の処理が実行される。
【0111】
ステップ452では、地図データ上に登録されている車両の修理施設の位置をモニタ画面上に映し出される地図データに重畳して表示すると共に、車両の現在位置から最寄りの修理施設までの経路を案内する処理が実行される。
【0112】
ステップ454では、自車両の現在位置から上記ステップ452で経路案内される最寄りの修理施設までの距離LMが上記ステップ450で受信した情報に係る車両の残走行可能距離Lよりも長いか否かが判別される。LM>Lが成立する場合は、車両が最寄りの修理施設に到達することができないと判断できるので、従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ456の処理が実行される。一方、LM>Lが成立しない場合は、車両が最寄りの修理施設に到達することができると判断できるので、従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ458の処理が実行される。
【0113】
ステップ456では、自車両が最寄りの修理施設へ到達することができない旨をモニタ画面に表示すると共に、音声により出力する。また、ステップ458では、自車両が最寄りの修理施設へ到達することができる旨をモニタ画面に表示すると共に、音声により出力する。ステップ456,458の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0114】
上記図12に示すルーチンによれば、ECU32から電源系の機能低下等に起因して有限となった車両の残走行可能距離を含む情報が受信された場合に、車両の修理施設の地図上位置をモニタ画面に表示すると共に、そのうち最寄りの修理施設を目的地とした経路案内を行うことができる。かかる構成によれば、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じた際に、車両運転者に車両の修理施設の情報を提供することができる。
【0115】
このため、本実施例のシステムによれば、ECU32において電源系の機能低下等が検出され、車両の残走行可能距離が算出された後、その距離情報がナビゲーション装置38に送信されることにより、車両が電源系の機能低下等に起因して継続走行することが不能となる前に車両運転者に対するその電源系の修理の促進を図ることが可能となっている。
【0116】
また、上記図12に示すルーチンによれば、経路案内される最寄りの修理施設に自車両が到達することができるか否かの旨をモニタ画面に表示しかつ音声により出力することができる。かかる構成によれば、電源系の機能低下等に起因して最寄りの修理施設の情報が車両運転者に提供される際に、車両運転者にその修理施設への到達可否情報を提供することができる。
【0117】
このため、本実施例のシステムによれば、車両が電源系の機能低下等に起因して何れ継続走行不能となる状況下、ナビゲーション装置38により電源系の機能低下等に起因して最寄りの修理施設の情報が車両運転者に提供される際に、その最寄りの修理施設へ自車両が到達できるか否かを車両運転者に的確に把握させることができ、運転者の不安をできるだけ解消させることが可能となっている。
【0118】
尚、上記の実施例においては、表示部34の表示画面44が特許請求の範囲に記載した「表示手段」に、負荷30が特許請求の範囲に記載した「システム」に、それぞれ相当している。
【0119】
また、上記の実施例においては、ECU32が、上記図7に示すルーチン中ステップ100の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「電源機能低下検出手段」が、ステップ106の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「算出手段」、「残走行可能時間算出手段」、及び「残走行可能距離算出手段」が、それぞれ実現されている。
【0120】
また、上記の実施例においては、ECU32が、ステップ108において第1のランプ46を点灯・点滅させることにより特許請求の範囲に記載した「電源機能低下表示手段」が、上記図9に示すルーチン中ステップ204の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「再始動可否判別手段」が、ステップ206の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「再始動可否情報報知手段」が、ステップ208の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「強制イグニションオン手段」が、それぞれ実現されている。
【0121】
更に、上記の実施例においては、ECU32が、図10に示すルーチン中ステップ306の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「高回転化措置実行手段」が、内燃機関の回転数の高回転化を図るうえで必要な消費電力とその高回転化によりオルタネータ24が余分に発電しようとする発電量とを比較することにより特許請求の範囲に記載した「比較手段」が、ステップ308の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「高回転化措置実行表示手段」が、それぞれ実現されている。また、ナビゲーション装置38が、上記図12に示すルーチン中のステップ452の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「案内手段」が、ステップ456及び458の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「到達可否表示手段」が、それぞれ実現されている。
【0122】
ところで、上記の実施例においては、バッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下や異常が生じていない場合、表示部34の表示画面44に車両の残走行可能時間又は残走行可能距離が無限大であることを示す「∞」の表示をなすこととしているが、その「∞」表示を行わないこととしてもよい。
【0123】
また、上記の実施例においては、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を無限大を含めて専用的に表示する表示部34を設けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、既存の表示部、例えば、現在時刻を表示する時計表示部分や、コンビネーションメータ42内の内燃機関の回転速度を表示するタコメータ部分,車両の積算走行距離を表示するトリップメータ部分,ナビゲーション装置38のモニタ画面上等に、電源系の機能低下等が生じた際にのみその機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を表示することとしてもよい。この場合、表示部分における表示内容は、電源系の機能低下・異常時と正常時とに応じて異なり、切り替わることとなる。かかる構成においては、電源系の機能低下等に起因して有限となる車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を表示する専用の表示部34を設けることは不要であり、車両における表示部分が煩雑となるのを抑制することができる。
【0124】
また、上記の実施例においては、内燃機関駆動車両に搭載されたバッテリ26及びオルタネータ24の電源系に機能低下等が生じた場合に、その電源系の状態に基づいて算出された車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を表示部34に表示することとしているが、内燃機関駆動車両の燃料残量に基づいて算出される残走行可能時間又は残走行可能距離を表示部34に表示し得る構成において、その燃料残量に基づく残走行可能時間又は残走行可能距離と、電源系異常時における電源系の状態に基づく残走行可能時間又は残走行可能距離とを比較し、何れか短い方を表示部34に表示することとしてもよいし、何れか運転者の操作により選択的に表示部34に表示することとしてもよい。
【0125】
また、上記の実施例においては、車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを算出するうえで負荷30の作動状態に対して何ら積極的な操作を加えることなくバッテリ26の放電電流Iの検出を行うこととしているが、車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを算出するうえで、負荷30の作動状態を、例えば内燃機関の駆動に必要な負荷のみに電力が供給される一方でエアコン等の負荷に電力が供給されないような規定の作動状態に強制的に固定し、その際に生ずるバッテリ26の放電電流を予め記憶したメモリから読み出し、放電電流Iとして用いることとしてもよい。かかる構成においては、バッテリ26の放電電流Iをセンサ等を用いて検出する必要はなく、ECU32において車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを算出するうえでの負担を軽減することが可能となる。この場合には、ECU32が、負荷30を強制的にある状態に固定することにより特許請求の範囲に記載した「強制設定手段」が実現される。
【0126】
また、上記の実施例においては、内燃機関駆動車両にバッテリ26を一つ設けることとしているが、主電源であるバッテリ26の補助のために電力を蓄えるバックアップ電源を設けることとしてもよい。この場合には、車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lは、主電源とバックアップ電源との双方に残存している残存容量Ahの加算値および双方から放電する放電電流Iの加算値に基づいて算出される。従って、かかる構成によれば、バックアップ電源を搭載するにもかかわらず、主電源のみの残存容量Ahと放電電流Iとに基づいて車両の残走行可能時間T又は残走行可能距離Lを算出する構成と比較して、その算出を正確に行うことができ、運転者に電源系の機能低下等に起因する車両の正確な残走行可能時間又は残走行可能距離を認識させることが可能となる。
【0127】
また、上記の実施例においては、電源系の機能低下等が生じた際に、車両の修理施設の地図上の位置をモニタ画面に表示し、かつ、そのうち最寄りの修理施設を目的地とした経路案内を行うこととしているが、何れか一方を行うこととしてもよい。
【0128】
また、上記の実施例においては、電源系の機能低下等が生じた際、ナビゲーション装置38において現時点で車両の修理施設以外の地点を目的地とした経路案内が行われているか否かに関係なく、最寄りの修理施設を目的地とした経路案内を行うこととしているが、車両の修理施設以外の地点を目的地とした経路案内が行われていない場合にのみ、或いは、車両運転者の操作により選択された場合にのみ最寄りの修理施設を目的地とした経路案内を行うこととしてもよい。
【0129】
また、上記の実施例においては、車両の残走行可能距離Lを、地図上位置が表示されかつ経路案内される最寄りの修理施設までの距離LMと比較して、自車両がその最寄りの修理施設に到達できるか否かを車両運転者に提供することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の残走行可能距離Lを、運転者が既に指定している目的地或いは予め登録されている自宅等までの距離と比較して、自車両がその地点に到達できるか否かを車両運転者に提供することとしてもよい。
【0130】
更に、上記の実施例においては、ECU32において算出された車両の残走行可能距離をナビゲーション装置38に送信して、ナビゲーション装置38において自車両が目的地としての最寄りの修理施設に到達できるか否かを判別させることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、ナビゲーション装置38において指定されている目的地或いは自宅までの距離をECU32に送信し、ECU32においてその距離と算出した残走行可能距離とを比較することにより自車両が目的地等に到達できるか否かを判別させることとしてもよい。
【0131】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、3、9、10、11、12、及び13記載の発明によれば、電源系の機能低下に起因して有限となる内燃機関駆動車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を運転者に定量的に認識させることができる。
【0132】
請求項2記載の発明によれば、電源系の機能低下に起因して有限となる内燃機関駆動車両の残走行可能距離を運転者に定量的に認識させることができる。
【0133】
請求項4、5、6、及び7記載の発明によれば、残走行可能時間又は残走行可能距離を算出するうえで電源系の状態のみならず車両の運行状態を考慮するので、正確な残走行可能時間又は残走行可能距離を運転者に認識させることができる。
【0134】
請求項8記載の発明によれば、電源系の機能低下が検出された際に電力消費システムを所定の作動状態に固定するので、残走行可能時間又は残走行可能距離を算出するうえでの負担を軽減することができる。
【0135】
請求項14記載の発明によれば、電源系の機能低下が生じた際に残走行可能時間又は残走行可能距離と共に電源系機能低下の旨を表示するので、電源系の機能低下に起因して残走行可能時間又は残走行可能距離が表示されていることを運転者に的確に把握させることができる。
【0136】
請求項15及び17記載の発明によれば、電源系に機能低下が生じた際に電源系の状態によって内燃機関の再始動が可能であるか否かを運転者に把握させることができ、これにより、内燃機関の不用意な停止操作によりその再始動ができなくなる事態を防止させることができる。
【0137】
請求項16記載の発明によれば、イグニションオフ操作がなされても内燃機関の駆動を継続させるので、車両の残走行可能時間又は残走行可能距離の走行継続を確保することができる。
【0138】
請求項18記載の発明によれば、補助電源を含めた残走行可能時間又は残走行可能距離を表示することができ、車両における正確な残走行可能時間又は残走行可能距離を運転者に定量的に認識させることができる。
【0139】
請求項19記載の発明によれば、内燃機関の回転数の高回転化によりオルタネータの発電能力を上げることができるので、電源系の機能低下に起因して有限となる残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0140】
請求項20記載の発明によれば、内燃機関の回転数の高回転化に起因して残走行可能時間および残走行可能距離が短くなる事態を確実に防止することができる。
【0141】
請求項21記載の発明によれば、オルタネータの発電能力が下がる傾向にあるアイドル時にその発電能力を上げることができるので、適切に残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0142】
請求項22及び24記載の発明によれば、内燃機関が通常のアイドル回転数に至る前に速やかにオルタネータの発電能力を上げることができる。
【0143】
請求項23記載の発明によれば、ストップランプ点灯に起因する消費電力の増大分をオルタネータを用いて発電することができる。
【0144】
請求項25記載の発明によれば、変速パターンの変更により適切に残走行可能時間および残走行可能距離を長くすることができる。
【0145】
請求項26記載の発明によれば、電源系の機能低下に起因して内燃機関の回転数の高回転化が図られている際にその旨を運転者に的確に把握させることができ、これにより、かかる高回転化に伴って運転者に違和感を持たせるのを防止することができる。
【0146】
請求項27記載の発明によれば、電源系の機能低下に起因して車両が継続走行できなくなる前に車両修理の促進を図ることができる。
【0147】
また、請求項28記載の発明によれば、車両が所定の地点へ到達し得るか否かを運転者に的確に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両状態表示装置を搭載する車両のシステム構成図である。
【図2】本実施例の車両状態表示装置の備える表示部の配設位置を説明するための図である。
【図3】負荷の状態に応じた内燃機関の回転数と発電機の発電電流との関係を表した図である。
【図4】バッテリ放電時にバッテリ電圧が変化する様子を表した図である。
【図5】車速に応じて負荷の消費電流が変化する様子を表した図である。
【図6】バッテリの残存容量と放電電流との関係に基づいて定まる車両の残走行可能時間を表した図である。
【図7】本実施例において、電源系の機能低下時に車両の残走行可能時間又は残走行可能距離を表示すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】内燃機関の始動が可能であるか否かを示すバッテリの残存容量と温度との関係を表した図である。
【図9】本実施例において、電源系の機能低下時にエンジンスタータによる内燃機関の再始動の可否を表示すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図10】本実施例において、電源系の機能低下時に内燃機関の回転数の高回転化措置を行うべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図11】本実施例において、車両の残走行可能距離を含む情報をナビゲーション装置へ送信すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図12】本実施例のナビゲーション装置において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
20 車両状態表示装置
22 エンジンスタータ
24 発電機
26 バッテリ
28 EFIシステム
30 負荷
32 電子制御ユニット(ECU)
34 表示部
36 音声出力部
38 ナビゲーション装置
40 変速コントロールユニット
42 コンビネーションメータ
44 表示画面
46 第1のランプ
48 第2のランプ
Claims (28)
- 内燃機関を動力源にして走行する車両に搭載された電源系の機能低下を検出する電源機能低下検出手段と、
前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、該電源系の状態に基づいて内燃機関の駆動を継続できる残走行可能時間又は残走行可能距離を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする車両状態表示装置。 - 前記算出手段は、前記電源系の状態に基づいて前記残走行可能時間を算出する残走行可能時間算出手段と、前記残走行可能時間算出手段により算出された前記残走行可能時間に基づいて前記残走行可能距離を算出する残走行可能距離算出手段と、を有すると共に、
前記表示手段は、前記残走行可能距離算出手段により算出された前記残走行可能距離を表示することを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。 - 前記電源系の状態は、車載バッテリの充電状態及び内燃機関を用いて発電するオルタネータの発電状態のうちの少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記算出手段は、前記電源系の状態と車両の運行状態とに基づいて前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記車両の運行状態は、車両の走行状態であることを特徴とする請求項4記載の車両状態表示装置。
- 前記車両の運行状態は、車両に搭載された電力を消費するシステムの作動状態であることを特徴とする請求項4記載の車両状態表示装置。
- 前記算出手段は、前記電源系の状態と前記車両の運行状態とをパラメータとして予め用意された所定のマップを用いて、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することを特徴とする請求項4記載の車両状態表示装置。
- 前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合に、前記システムを所定の作動状態に設定する強制設定手段を備え、
前記算出手段は、前記強制設定手段により前記システムが所定の作動状態にあるものとした際に消費される電力を前記車両の運行状態を示すパラメータとして、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することを特徴とする請求項6記載の車両状態表示装置。 - 前記表示手段は、前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する専用の表示手段であることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されたときには、前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を表示する一方、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときには、前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離とは異なる表示を行う表示切替可能な表示手段であることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに現在時刻を表示する時刻表示部であることを特徴とする請求項10記載の車両状態表示装置。
- 前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに内燃機関の回転速度を表示するタコメータ部であることを特徴とする請求項10記載の車両状態表示装置。
- 前記表示手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出されないときに車両の積算走行距離を表示する積算走行距離表示部であることを特徴とする請求項10記載の車両状態表示装置。
- 前記表示手段に前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離が表示される際、前記電源系に機能低下が生じている旨を表示する電源機能低下表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、該電源系の状態に基づいて内燃機関の再始動が可能であるか否かを判別する再始動可否判別手段と、
前記表示手段に前記算出手段により算出された前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離が表示される際、前記再始動可否判別手段の判別結果を車両運転者へ向けて報知する再始動可否情報報知手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。 - 前記再始動可否判別手段により内燃機関の再始動が不可能であると判別された状況下、車両運転者により内燃機関のイグニションオフ操作がなされた際に、イグニションオン状態を電気的に継続させる強制イグニションオン手段を備えることを特徴とする請求項15記載の車両状態表示装置。
- 前記再始動可否情報報知手段は、前記再始動可否判別手段により内燃機関の再始動が不可能であると判別された場合にのみ報知を行うことを特徴とする請求項15記載の車両状態表示装置。
- 車両は、主電源および補助電源を搭載していると共に、
前記算出手段は、前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、前記主電源の充電状態および前記補助電源の充電状態の双方に基づいて前記残走行可能時間又は前記残走行可能距離を算出することを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。 - 前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された際、内燃機関を用いて発電するオルタネータの発電状態が未だ発電し得る余裕を残している場合には、該内燃機関の回転数の高回転化を図る高回転化措置実行手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 内燃機関の回転数の高回転化を図るうえで消費される消費電力と該高回転化により前記オルタネータが余分に発電する発電電力とを比較する比較手段を備え、
前記高回転化措置実行手段は、前記消費電力が前記発電電力を上回らない範囲に内燃機関の回転数の高回転化を制限することを特徴とする請求項19記載の車両状態表示装置。 - 前記高回転化措置実行手段は、内燃機関のアイドル回転数の高回転化を図ることを特徴とする請求項19記載の車両状態表示装置。
- 前記高回転化措置実行手段は、アクセルオフ操作がなされた直後に内燃機関の回転数の高回転化を開始することを特徴とする請求項21記載の車両状態表示装置。
- 前記高回転化措置実行手段は、車両のストップランプ点灯による電圧降下量と前記電源系の状態とに基づいて設定される所定回転数へ向けて内燃機関の回転数を高回転化すると共に、該高回転化を少なくともストップランプ点灯時まで継続することを特徴とする請求項22記載の車両状態表示装置。
- 前記高回転化措置実行手段は、ブレーキ操作が開始された直後に内燃機関の回転数の高回転化を開始することを特徴とする請求項21記載の車両状態表示装置。
- 前記高回転化措置実行手段は、内燃機関と車輪との間に介在する変速機の変速パターンを変更することにより内燃機関の回転数の高回転化を図ることを特徴とする請求項19記載の車両状態表示装置。
- 前記高回転化措置実行手段により前記高回転化が図られている際、該高回転化措置が実行中である旨を表示する高回転化措置実行表示手段を備えることを特徴とする請求項19記載の車両状態表示装置。
- 前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、車両修理を行う修理施設をナビゲーション装置を用いて自動的に案内する案内手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
- 前記電源機能低下検出手段により前記電源系の機能低下が検出された場合、ナビゲーション装置において指定又は予め登録された所定の地点へ自車両が到達し得るか否かを車両運転者へ向けて報知する到達可否情報報知手段を備えることを特徴とする請求項1記載の車両状態表示装置。
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