JP2004254171A - 写真撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存のシステムを変更せずとも容易に導入し運営することが可能な写真撮影装置を提供する。
【解決手段】本写真撮影装置を病院などの医療機関に設置する場合、設置者は、設定スイッチを押下して設定モードを起動させ、印刷レイアウトの設定や、起動時刻の設定や、利用を開始する方法の設定など、利用方法の設定を行なうことができる。そのため、既存の診察券やカルテなどの余白部分のサイズに応じた写真を印刷させることができたり、所定の背景色の写真を撮影させることができたりし、既存のシステムを変更することなく、本写真撮影装置を導入することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本写真撮影装置を病院などの医療機関に設置する場合、設置者は、設定スイッチを押下して設定モードを起動させ、印刷レイアウトの設定や、起動時刻の設定や、利用を開始する方法の設定など、利用方法の設定を行なうことができる。そのため、既存の診察券やカルテなどの余白部分のサイズに応じた写真を印刷させることができたり、所定の背景色の写真を撮影させることができたりし、既存のシステムを変更することなく、本写真撮影装置を導入することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は写真撮影装置に関し、特に、医療機関などの既存のシステムに容易に導入することのできる写真撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬貨を投入して利用者を撮影し、撮影された写真を印刷して提供する写真撮影装置としては、駅やショッピング街などに設置されている証明写真撮影装置や、ゲームセンターなどの遊技場に設置されている写真自動販売機などが広く知られている。
【0003】
また、医療ミス防止のために、診察券やカルテに貼ることができる写真シールを作成する診察券・カルテ用写真撮影機がすでに数箇所の病院に導入され運用されている。このような診察券・カルテ用写真撮影機は、車椅子での利用可能な無段差設計、全自動オペレーション、音声ガイダンスなどの特徴がある。
【0004】
従来よりある写真撮影装置として、特許文献1は、撮像された画像情報から顔画像の位置を自動的に検出して、顔画像が中心に位置し、かつ顔画像の周辺を含むように領域を設定することで、撮影者の負担を軽減することのできる撮像装置について開示している。
【0005】
また、特許文献2は、移動可能な昇降手段に撮影手段を設け、被写体の頭部位置を測定し、測定されたデータから被写体の位置を検出し、撮影手段を移動させて撮影することで、顔写真を失敗なく撮影することのできる証明写真撮影装置を開示している。
【0006】
また、特許文献3は、複数台のプリンタを切換えて写真の作成を行なうことで、写真作成の不良を少なくし、装置の稼働率の低下を防止することのできる課金式写真作成装置を開示している。
【0007】
さらに、特許文献4は、車椅子を利用している人も容易に撮影することができる証明写真ボックスの構造を開示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−230489号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平10−55018号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平11−18035号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2002−311494号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来からある証明写真撮影装置や写真自動販売機や特許文献1〜4で開示されている装置は、いずれも、利用者の操作性を向上させるような構成であり、利用者の好みにあった装置として改善されているものではあるが、当該装置を導入する運営者側の事情はあまり考慮されておらず、これらの装置は、運営者側の事情に関わらず予め設定されている利用形式で利用を提供するしかできないという問題がある。そのため、既存のシステムにおいて開設している医療機関に導入する場合など、既に発行されている診察券やカルテシステムを変更することが困難な事情を有する場合に、このような装置を導入するのは困難であり、予め決められている利用形式では扱い難い場合があるという問題がある。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、利用者も利用しやすく、かつ運営者の事情にも考慮し、既存のシステムを変更せずとも容易に導入し運営することが可能な写真撮影装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、写真撮影装置は、被写体の撮影画像を取得する取得手段と、撮影画像を出力する出力手段と、取得手段と出力手段とを制御する制御手段とを備える写真撮影装置であって、当該写真撮影装置の利用の方法を設定する利用方法設定手段をさらに備え、制御手段は、利用方法設定手段で設定された利用の方法に基づいて、取得手段と出力手段とを制御することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
図1は、本実施の形態における医療機関用写真撮影装置(以下、写真撮影装置という)の外観の具体例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態における写真撮影装置は、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)101(図9、図11参照)、プリンタ12、および制御部102(基盤)(図11参照)などの各種機器類を収める筐体1と、筐体1と共に撮影ブース4を形成するパネル2と、フレーム材3とを含む。なお、以降の説明において、便宜上、筐体1の紙面に対して左側の面(ユーザ15から遠い側の面)を背面とする。また、筐体1の紙面に対して右側の面(ユーザ15が相対する面)を正面とする。
【0017】
このような写真撮影装置は病院などの医療機関に設置されるものであって、患者などの被写体であるユーザ15は、筐体1、パネル2およびフレーム材3にて構成される撮影スペースである撮影ブース4内に入り、筐体1に相対する向きで撮影を行なう。本写真撮影装置は病院などの医療機関に設置されるものであるから、ユーザ15として車椅子に乗ったユーザも想定される。そのため、撮影ブース4への出入りは筐体1の正面に相対する装置の後方から行なえるようになっていることが好ましい。そこで、撮影ブース4を形成するパネル2は装置後方には備えられておらず、装置の後方は開放されていることが好ましい。また、撮影ブース4床面と設置されている場所の床面とは段差なくフラットであることが好ましい。
【0018】
さらに、撮影ブース4内には椅子6が備えられる。ユーザ15として車椅子に乗ったユーザや松葉杖を用いているユーザなど、椅子に腰掛けて撮影を行なうことが難しい場合も想定されるため、椅子6は、必要に応じて設置される構成であることが好ましい。さらに、ユーザ15が車椅子などで筐体1の正面に相対する装置後方から撮影ブース4に入るときに、その動作の妨げとならないように、椅子6は、図1に示されるように、いずれかのフレーム材3に備えられることが好ましい。また、大人から子供までユーザ15の身長が様々であることが想定されるため、椅子6は、必要に応じてその高さが調節できることが好ましい。
【0019】
そこで、椅子6は、図2に示されるような構成であることが好ましい。すなわち、図2を参照して、本写真撮影装置に備えられる椅子6は、撮影ブース4内のいずれかのフレーム材3であって円柱のポールにアームでヒンジ接合され、水平方向に回転させて引出し可能である。さらに、複数の異なる高さに対応する複数の椅子を含み、必要に応じて、適切な高さの椅子6を引出して用いることができる。その際、椅子6は、背もたれをさらに備えることが好ましく、その背もたれは、椅子6を図2に示すように重なった状態に戻す際に邪魔にならないよう、折畳み式であることがより好ましい。また、各椅子には、目安となる座高や身長が示されていることがより好ましい。
【0020】
また、椅子6の他の具体例として、図3のような構成であることも好ましい。すなわち、図3を参照して、他の具体例における椅子6も、撮影ブース4内のいずれかのフレーム材3にアームでヒンジ接合され、水平方向に回転させて引出し可能である。さらに、最下段の椅子にはストッパを具備する垂直方向の足が備えられ、それ以外の(2段目以上の)椅子には、トラス構造の足が備えられることを特徴とする。なお、図3においては、便宜上最下段の椅子とそのすぐ上(2段目)の椅子とを示しているが、3段目以上の椅子も同様である。このような構成にすることで、2段目以上の椅子を引出した場合であっても、その椅子以下の椅子が全て引出され、最下段の椅子に備えられるストッパを具備する垂直方向の足が、椅子に腰掛けたユーザ15の重みを支える構造となる。このため、安全性をより向上させることができる。
【0021】
さらに、椅子6には、図示されないセンサ25aが備えられ、上に座ったユーザ15の重み、あるいはユーザ15が座ることによって生じる歪みなどを検出することで、ユーザ15の着座を検出してもよい。また、椅子6には、滑りを防止できる素材であって、足が当たった場合などでも冷たさを感じさせないラバーなどの素材が用いられることが好ましい。
【0022】
また図1を参照して、少なくともユーザ15の背後部分には、外部光を遮断するため、また被写体であるユーザ15の背景とするために、カーテン5が配備される。カーテン5は、撮影が妨げられないよう、ユーザ15の背後部分を含む撮影ブース4の周囲に備えられてもよい。また、カーテン5は、当該写真撮影装置が使用中であるか否かの確認を容易にするため、図1に示されるように、床まで達する長さではなく、撮影ブース4の下を覆わない長さであってもあってもよい。さらに、カーテン5は常時降ろされた状態であってもよいし、撮影時のみ降ろされるものであってもよい。
【0023】
カーテン5が常時降ろされた状態である場合には、図1に示されるように、ユーザ15の後方の中央部が左右に分かれたのれん状の構造であることが好ましい。さらに、撮影時の照明環境に影響を及ぼすユーザ15の背後からの照明を防ぐために、カーテン5のユーザ15の後方の中央部は、一部重なっていることがより好ましい。上述のように、ユーザ15として車椅子に乗ったユーザや松葉杖を用いているユーザなど手の自由が利かない利用者である場合が想定されるので、ユーザ15自身でカーテン5を押して撮影ブース4に入ったときに、カーテン5がユーザ15にまとわりつかないようにするためである。
【0024】
カーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、カーテン5は、ユーザ15の背後の部分が上げ下ろしされる巻上げ式のものであってもよい。なお、カーテン5が巻上げ式のものである場合には、カーテン5は、おもりを必要としない程度の厚みのある素材であることが好ましい。カーテン5の下端におもりがある場合には、ユーザ15がカーテン5の下をくぐって撮影ブース4に入る際に、ユーザ15の頭部などが当たる危険性があるからである。また、カーテン5は、片側あるいは両側から撮影ブース4の周囲に引出される方式のものであってもよい。
【0025】
このようにカーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、カーテン5は、撮影を行なうユーザ15の手動操作により降され、あるいは引出されてもよいし、以降に説明する撮影処理を開始するときに、自動的に降され、あるいは引出されてもよい。
【0026】
また、カーテン5は複数種類備えられてもよい。上述のようにカーテン5は撮影時の背景ともなり得るので、複数のユーザ15の性別や、年齢や、受診科や、保険証の有効期限などに応じて、カーテン5を使い分けることで、背景色や背景模様などを使い分けることが可能になる。なお、このような複数のカーテン5の使い分け方については、後に説明する利用方法設定モードで設定されるものとする。
【0027】
さらに、本写真撮影装置は、筐体1またはフレーム材3の適当な位置に、図1には図示されない手すりを備えることが好ましい。ユーザ15が椅子6に座ったり、椅子6から立ち上がったり、撮影ブース4内で移動したりする際に、その動作を助けることができる。また、手すりにつかまって安定した姿勢で撮影を行なうことができ、撮影時のぶれを防ぐことができる。このような手すりは、撮影ブース4内の左右の対称的な位置に備えられることがより好ましい。また、手すりの素材は、滑りを防止できる素材であって、素手で握った場合でも冷たさを感じさせないラバーなどの素材が好ましい。
【0028】
また、本写真撮影装置は、筐体1などの適当な位置に、図1には図示されない点字による案内を備えることが好ましい。このことによって、ユーザ15が視力に障害のある場合でも、当該写真撮影装置の利用が可能になる。
【0029】
次に、図4に、上述の筐体1を正面(撮影ブース4内方向)から見た具体例を示す。
【0030】
図4を参照して、筐体1の正面、すなわち被写体であるユーザ15と相対する面には反射板22が備えられ、相対したユーザ15は、自らの撮影状態を確認することができる。たとえば、反射板22には鏡などが好適に用いられる。反射板22のほぼ中央部には、被写体を撮影するカメラ21が備えられる。また、筐体1の正面には、BGMや操作方法などのアナウンスを出力するスピーカ23a,23bと、撮影中の操作手順や各種設定用の画面などを表示するディスプレイ13と、選択操作や各種設定操作を行なうための操作ボタン51と、音声入力を受付けるマイク24と、当該撮影ブース4へのユーザ15の入室を検出するセンサ25bと、ユーザ15が診察券を挿入する診察券挿入口29と、記録媒体であるメモリカードなどを挿入するメモリカード挿入口30と、コインを投入するコイン投入口26と、前面のメンテナンスなどを行なうためのフロントドア28とが備えられる。また、筐体1のカメラ21の周囲には、蛍光灯やフラッシュなどを内蔵し、被写体の照明を行なうための照明ボックス18a,18bが備えられている。
【0031】
カメラ21としては、一般にデジタルカメラが用いられる。一般的なデジタルカメラで設定できる項目(たとえばシャッタスピード、絞り値、露出補正、ホワイトバランスなど)の変更や、撮影タイミングは、PC101(図9,図11参照)から指示される。
【0032】
カメラ21の位置は、図5に示されるように、筐体1に固定されているものであってもよい。この場合、ユーザ15は、反射板22に備えられる位置合わせ用のラインなどを利用してカメラ21に対して適切な位置になるよう、座る場所を調整したり、椅子6の高さを調整したりする。
【0033】
また、カメラ21の位置が固定されている場合には、ユーザ15がやや前傾姿勢であっても顔の正面が撮影できるように、ユーザ15が背筋を伸ばした場合よりも20度程度下方に設置されることが好ましい。このことで、ユーザ15が老人であった場合でも楽な姿勢での撮影が可能となる。
【0034】
また、カメラ21の位置は、図6に示されるように、筐体1内部の高さ方向に備えられるレール上を移動することで、高さ方向に可動であってもよい。この場合、赤外線センサなどのセンサ25bでユーザ15の高さを測定し、その高さに応じてユーザ15の顔部分が撮影画像の範囲に収まる位置に自動的にカメラ21の高さを移動させる。
【0035】
さらに、カメラ21は、図7に示されるように、撮影用の反射板m1,m2を介してユーザ15を撮影することも好ましい。この場合、カメラ21の位置が固定されていても、限られた空間内で撮影距離を長く確保することができるために撮影範囲を大きくすることができる。そして、図8に示されるように、撮影された広い範囲の撮影画像から一般的な画像抽出技術を用いて顔領域を抽出し、顔部分を切出した顔画像を得ることができる。このようにすることで、写真撮影装置は、被写体であるユーザ15を位置を測定するためのセンサ25bや、高さを調整するための複数の椅子6などを備える必要がない。なお、この場合、撮影画像から切出した顔画像をディスプレイ13にリアルタイム、あるいは撮影の度に表示し、ユーザ15が確認できるようにすれば、失敗なく撮影を行なうことができて好ましい。また、撮影画像の一部を切出して顔画像を得ることから、カメラ21の解像度は高い方が印刷時の品質を保つことができて好ましい。
【0036】
本写真撮影装置は、さらにその内部に、あるいは接続されて読取装置(図示せず)を備え、メモリカード挿入口30から挿入されたメモリカードなどの記録媒体から、他の撮影装置(自宅のカメラなど)で撮影された画像を取込むことができる。また、メモリカード挿入口30に替えて、デジタルカメラや撮影機能を備える携帯電話などから直接画像情報を入力する手段を備えてもよい。このようにすることで、当該写真撮影装置まで撮影を行ないに来ることができない利用者であっても、他の撮影装置で撮影した画像をメモリカードなどの記録媒体に記録して、当該写真撮影装置に読取らせて以降に説明する印刷処理などを行なわせることができる。
【0037】
また、図示されない読取装置は、診察券挿入口29から挿入された診察券に磁気データが記録されている場合、またはICチップなどの記録媒体が付加されている場合、診察券挿入口29から挿入された診察券から情報を読取ることができる。あるいは、OCR(Optical Character Reader)などの光学的に文字を読取る機能を備える場合には、診察券挿入口29から挿入された診察券に印刷されている情報を読取ることができる。さらに、本写真撮影装置が、保険証や指示用紙などを挿入する部位を備える場合には、読取装置は、それらに付加されている、あるいは印刷されている情報を読取ってもよい。
【0038】
また、上述の操作ボタン51は、図4に示されるようにカーソル位置を上下左右に移動させるための矢印ボタンと決定ボタンと取消しボタンとからなるものであってもよいし、ディスプレイ13がタブレットペンからのタッチ入力を受付ける機能を備える場合には、タブレットペンであってもよい。また、ディスプレイ13が指でのタッチ入力を受付ける機能を備える場合、あるいは、全ての入力をマイク24による音声入力で行なう場合には、操作ボタン51は備えられていなくても構わない。さらに、ユーザ15からの操作入力は全てマイク24で受付け、設置者からの設定操作を操作ボタン51で受付ける場合には、操作ボタン51が備えられる部分は、引出し式やカバー付きなどの構造で、設置者が設定操作を行なうときのみにボタン入力可能にされる構造であることが好ましい。このようにすることによって、当該写真撮影装置が多くのユーザが利用する環境に置かれる場合であっても、故障を防止することができる。
【0039】
さらに、筐体1の上面には、筐体1内部の熱を逃がすためのファンや、外部装置への画像の配信、リモートメンテナンスなどの、外部装置との通信を行なうときにケーブルを差込むためのLAN(Local Area Network)ケーブル差込口などが備えられていることが好ましい。なお、このようなファンは、筐体1内部の熱を逃がす目的で備えられるものであるため、筐体1の上面に限定されず、熱を発生しやすい機器類の近傍などの他の場所に備えられても、また複数備えられてもかまわない。また、LANケーブル差込口が備えられる位置も、ケーブルの配線の取回しが容易な位置であれば筐体1の上面に限定されない。
【0040】
さらに、筐体1の側面には、プリント取出口9が備えられる。プリント取出口9は、箱型の形状を奏しており、プリンタ12でプリントされた写真は排出され、ここに落とされる。プリント取出口9は、そこに落とされた写真が、ユーザが手にするまで地面に落ちない等の作用を奏するものであれば、その形状は限定されない。たとえば、筐体1の内部方向に窪んだ箱状の空間と筐体1の側面に沿う方向に取りつけられた蓋とで形成されていてもよい。そして、ユーザ15は、プリント取出口9よりプリントされた写真を取出す。なお、プリント排出口9は、車椅子に乗ったユーザ15や松葉杖を利用しているユーザ15などが容易に印刷された印刷媒体を取出すことのできる位置に備えられることが好ましい。
【0041】
また、筐体1の、プリント取出口9が備えられる側面の同じ側面には、印刷中LED(Light Emitting Diode)10および印刷エラーLED11が備えられ、それらが点灯あるいは点滅することによって、ユーザ15もしくは設置者は、印刷中であるという状態、あるいは印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生しているという状態を知ることができる。
【0042】
なお、筐体1に備えられるカメラ21などの位置、形態、数などの構成は、上述の構成に限定されない。たとえば、カメラ21は、天井から下向きに備えられてもよい。あるいは、複数のヒンジを含むアームに位置が可動に備えられてもよい。これによって、筐体1の正面に位置できないユーザ15であったとしても(たとえば、ベッドに横になったままの場合など)、正面から顔写真を撮影することができる。またたとえば、センサ25bは、センサ種類に応じて、重みを検出するセンサである場合には床部分に備えられてもよい。またたとえば、スピーカ23およびマイク24は、ユーザ15の頭部に取付け可能な一体型に構成されていてもよい。これによって、ユーザ15が筐体1正面のスピーカ23から出力される音声が聞き取り難い場合であっても、また、筐体1正面のマイク24まで音声を発し難い場合であっても利用可能になる。またたとえば、ユーザ15が操作入力を行なうための操作ボタン51は、ユーザ15が手元で操作可能なように筐体1と分離した構成のリモートコントローラであってもよいし、足で操作可能なように床部分に備えられてもよい。これによって、ユーザ15が操作の度に筐体1まで近づくことができない場合であっても、あるいはユーザ15が手による入力ができない場合であっても、操作入力が可能になる。
【0043】
次に、図9に、筐体1内部の簡略な構造の具体例を示す。図9を参照して、本写真撮影装置は、その内部に、プリンタ12、当該写真撮影装置を動作させるためのPC101、電源をバックアップするUPS(Uninterrupted Power Supply)104、各種メンテナンスを行なうためのボタンを備えるメンテナンスパネル200、コイン挿入口26から挿入されるコインを格納するコイン格納箱などを含んで構成される。
【0044】
上述のPC101は、PC101の制御を行なう演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、装置を動作させるためのプログラムおよびプログラムで必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された画像や撮影画像に対して入力した編集画像その他の各種画像などを記憶する記憶装置と、プログラムの一時的な作業領域ともなるメモリと、カメラ21、プリンタ12、ディスプレイ13などの周辺機器を制御するためのソフトウェアであるドライバと、LANケーブルを介して外部機器と接続された場合に通信を行なう通信部とを含む。なお、PC101は、電源スイッチ31(図11参照)が押され、当該写真撮影装置に電源プラグより電源が投入されると、上記プログラムが起動されて動作する。
【0045】
また、プリンタ12は、撮影された画像を紙やシールなどの印刷媒体に印刷するためのプリンタであって、昇華型プリンタやサーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)等のプリンタが一般的に用いられる。なお、本実施の形態においては、プリンタ12でシールが印刷されるものとして説明を行なうが、印刷媒体はシールに限定されず、上に示す他の印刷媒体であっても同様の処理が実行される。
【0046】
さらに、本写真撮影装置は、プリンタ12として2台のプリンタ12a,12bを備え、印刷するプリンタを切替える切替装置(図示せず)を備えることを特徴とする。このようにすることで、1台のプリンタでシールやインクリボンなどの消耗品が消耗した場合でも、他のプリンタで印刷を続行することができ、本写真撮影装置を止めることなく稼動を続けることができる。
【0047】
このような複数のプリンタ12a,12bとプリント取出口9とは、図10に示されるような位置関係であることが好ましい。すなわち、図10を参照して、プリンタ12a,12bは筐体1内部でプリント取出口9より上方に縦に並んで配置され、プリンタ12a,12bのプリント排出口から排出された印刷された印刷媒体が、プリント取出口9に滑り落ちる構造であることが好ましい。
【0048】
なお、上述の印刷するプリンタを切替える切替装置としては、具体的には以下のように動作する装置が挙げられる。すなわち、予め記憶部に各プリンタ12a,12bの状態を表わす情報を格納し、当該写真撮影装置が利用を待機している状態であるときに、1回あるいは所定間隔で、各プリンタ12a,12bに消耗品の残量などプリンタ12の状態を問合せて、記憶部に格納されている情報を更新する。このようなプリンタ12の状態を表わす情報としては、正常状態を「0」、消耗品が消耗している状態を「1」、用紙が詰まっている状態を「2」などとコード化された情報などが該当する。そして、印刷を開始する際に、記憶部に格納されているプリンタ12の状態を表わす情報を参照して、現在印刷可能なプリンタ12を選択し、選択されたプリンタ12に対して印刷するデータと制御信号とを出力する。
【0049】
あるいは、予め記憶部に現在印刷可能なプリンタ12を特定する特定情報を格納し、当該写真撮影装置が利用を待機している状態であるときに、1回あるいは所定間隔で、特定情報で特定されたプリンタ12の状態を問合せて、当該プリンタ12が印刷不可能な状態であれば、記憶部に格納されている特定情報を他のプリンタ12を特定する特定情報に変更する。そして、印刷を開始する際に、記憶部に格納されている特定情報を参照して特定されたプリンタ12を選択し、選択されたプリンタ12に対して印刷するデータと制御信号とを出力する。
【0050】
また、メンテナンスパネル200は、ヒューズボックスと、電源のON/OFFを行なう電源スイッチと、スピーカ23から出力する音声の音量を調整する音量ボリュームつまみと、設定を行なう設定モードに移行させるための設定スイッチと、コイン投入枚数の概算値をカウントするコインカウンタと、プリント枚数の概算値をカウントするプリンタカウンタとを含む。このようなメンテナンスパネル200は、各種設定を行なおうとする設置者が、筐体1正面のフロントドア28を開けると操作可能に現れる。なお、当該写真撮影装置の設置者が、メンテナンスパネル200に含まれる設定スイッチを押して各種設定を行なうための操作については、後に説明する。
【0051】
次に、図11に、本写真撮影装置の機能ブロック図を示し、写真撮影装置の機能について説明する。
【0052】
図11を参照して、写真撮影装置は、当該写真撮影装置を動作させるためのPC101と、基板から構成され、動作中のPC101からの指示を受付けて、接続されている各種装置を制御する制御部102とを備える。
【0053】
また、写真撮影装置は、電源を必要とするスピーカ23や、照明ボックス18の中にある照明装置32などの電源系統を制御する電源制御部103を備え、外部からそれらの装置に対する電源の電圧を安定させるよう制御する。さらに、そのような電源の投入および切断は、電源スイッチ31を押すことで行なわれる。しかし、電源切断によりPC101で動作しているプログラムを強制的に終了させることは、動作を不安定にさせる原因となる。そのため、電源が落とされても、しばらくはUPS104が電源をバックアップし、PC101に停電信号を送信する。その間に、PC101はプログラムの終了の手続を行ない、プログラムを正常に終了させる。
【0054】
上述の制御部102は、メンテナンスパネル200から制御信号を受付ける。また、制御部102は、操作ボタン51、メンテナンスパネル200、コイン制御部107からの信号を受付けPC101に通知したり、逆に、PC101からの制御信号(指示コマンドなど)によりメンテナンスパネル200、フラッシュ制御部(図示せず)、フラッシュ(図示せず)、コイン制御部107、印刷中LED10、印刷エラーLED11を制御したりする。
【0055】
コイン制御部107は、コイン格納箱に備えられ、コイン投入口26から投入されたコインの正当性を検出して制御部102にコインが投入された信号を送る。逆に、コイン投入を禁止するときは、コイン制御部107は制御部102からの信号により、コインが投入されないようにコイン投入口26をブロックすることができる。
【0056】
メンテナンスパネル200は、設定スイッチが押下された信号を制御部102に送る。逆に、制御部102からの信号により、コインカウンタ、プリントカウンタを動作させる(たとえばカウンタを1インクリメントする)。また、PC101から出力される音声は、メンテナンスパネル200上の音量調整つまみで調整された音量でスピーカ23から出力される。
【0057】
操作ボタン51は、操作ボタン51での入力信号を制御部102に送る。制御部102に送られた入力信号はPC101に送信され、PC101は、操作内容に応じた処理を行なう。
【0058】
また、マイク24も、入力された音声信号を制御部102に送る。制御部102に送られた音声信号はPC101に送信され、PC101は、CPUが記憶装置に記憶されるプログラムを実行することで入力された音声信号を制御信号に変換し、変換された制御信号に応じた処理を実行する。
【0059】
センサ25は、センサ情報をPC101に送る。PC101は、そのセンサ情報に応じて制御部102に制御信号を送る。
【0060】
さらに、プリンタ12の状態がPC101に通知され、PC101は、その状態に応じて制御部102に信号を送る。その信号によって、印刷中LED10または印刷エラーLED11が点灯または点滅する。
【0061】
なお、言うまでもなく、写真撮影装置の形態は図1〜図11に示される具体例に限定されるものではない。すなわち、図1〜図11に記載されない他の機能が備えられていてもよいし、図1〜図11に記載されている機能の必ずしも全てが備えられていなくても構わない。たとえば、プリンタ12は写真撮影装置に含まれていなくてもよく、その場合、写真撮影装置は、LAN等の専用回線や無線通信等を介して、印刷制御信号を他の装置であるプリンタ12に出力するものとする。またたとえば、図12に示されるような、撮影ブース4を含まない、机上に置けるサイズの小型の写真撮影装置であってもよい。図12に示されるような構成にすることで、個人病院などの広いスペースのない医療機関であっても容易に導入できる。
【0062】
次に、図13のフローチャートを用いて、本実施の形態における写真撮影装置での処理について説明する。図13のフローチャートに示される処理は、PC101のCPUが、記憶装置に記憶されるプログラムをメモリに読出して実行することによって実現される。
【0063】
まず、当該写真撮影装置に備わる電源スイッチ31が投入されると、各種装置の電源が投入される。すると、PC101の記憶装置に格納された動作プログラムが起動する。PC101は、各種装置が正常に接続されているかチェックし、初期化が必要な装置に対しては初期化を行なう。その後、当該写真撮影装置の利用方法などを案内する案内画面をディスプレイ13に表示し、同時に音声をスピーカ23a,23bから出力する(S100)。なお、ステップS100では、電力消費を抑えるために、初期化を行なった後、ディスプレイ13およびスピーカ23からの出力を行なわずに、以降の処理の開始を待機してもよい。あるいは、椅子6に備えられるセンサ25aまたは筐体1に備えられるセンサ25bが、ユーザ15の着座あるいは入室を検出すると、ディスプレイ13およびスピーカ23から、コインをコイン投入口26に投入するように促がすような案内を出力することも好ましい。
【0064】
案内画面が表示されている状態(あるいは、上述の待機状態)で、コイン投入口26から当該写真撮影装置を利用するためのコインの投入を受付ける(S110)。なお、上述のコインの受付けに替えて、案内画面表示中にメンテナンスパネル200の設定スイッチを押下することによって、当該写真撮影装置の各種設定を行なうための設定モードが起動する。
【0065】
ステップS110で受付けたコインは、コイン制御部107において正当性や枚数等が検知される。そして、正常にコインを受付けると撮影処理が開始される。なお、ここでは、コインが検出されることで以降の処理が開始されるものとしているが、その他のきっかけで処理が開始されてもよい。たとえば、診察券挿入口29より挿入された診察券から読取った情報が正規の情報(当該病院の患者である、など)であると認識されることで、自動的に開始されてもよい。あるいは、保険証や指示用紙などの情報を読取る機能を備える場合には、それらの情報が正規の情報であると認識されることで、自動的に開始されてもよい。あるいは、椅子6に備えられるセンサ25aまたは筐体1に備えられるセンサ25bが、ユーザ15着座あるいは入室を検出することで自動的に開始されてもよい。
【0066】
さらに、ステップS110では、ユーザ15の属性に対応して種類の異なるコインや異なる枚数のコインを受付けることもできる。すなわち、予めユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの様々な属性に応じてコインの種類あるいは枚数を設定モードにおいて設定しておき、ステップS110で投入されたコインの種類あるいは枚数をコイン制御部107が検出することで、その設定に応じた処理を行なうこともできる。あるいは、本写真撮影装置が複数のコイン投入口26を備え、対応するコイン投入口26にコインを投入することで適した処理を行なうこともできる。なお、この場合、コイン投入口26をコインの直径や厚みに応じた形状とし、対応していないコインが間違って他のコイン投入口26に入らないようにされていることが好ましい。さらに、各コイン投入口26には、文字やイラストによる案内に加えて、点字による案内がなされていることがより好ましい。あるいは、読取装置が読み取った診察券の情報、保険証の内容などに応じた処理を行なうこともできる。
【0067】
なお、本写真撮影装置のカーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、撮影処理の開始に先だって、自動的にカーテン5が降ろされてもよい。その際、複数種類のカーテン5を備える場合には、上述のように、ユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの様々な属性に応じた種類のカーテン5を選択して降ろすことが好ましい。具体的には、ユーザ15が男性なら青色、女性なら赤色のカーテン5を降ろしたり、17歳以下なら「小児」の文字が入ったカーテン5を降ろしたりすることが考えられる。
【0068】
撮影処理を開始すると、カメラ21で被写体であるユーザ15を撮影する。このとき、時間経過とともに「3、2、1」などのカウントダウンをディスプレイ13あるいはスピーカ23a,23bに出力して撮影してもよい。また、操作ボタン51を押下して、あるいは、マイク24から音声を入力して撮影を指示してもよい。また、カメラ21が取得する画像をディスプレイ13にリアルタイムに表示し、所望のタイミングで撮影を指示してもよい。
【0069】
撮影は、PC101からカメラ21に撮影信号が送信されることでシャッタが切られ、実行される。ステップS120での撮影は、複数回行なうことが好ましいが、ユーザ15に負担の減少させる観点からは1回で行なうことが好ましい。あるいは、1回の撮影動作で連続的に複数の写真を撮影する(連写する)ことが好ましい。しかし、1回の撮影では目を閉じてしまう場合もある。そこで、撮影した画像に対してPC101において画像認識処理を行なってユーザ15が目を閉じているか否かを認識して、目を閉じていると認識された場合には、「目を閉じた可能性があります。もう一度撮影しますか?」とスピーカ23あるいはディスプレイ13から出力して再度撮影するように促がすことが好ましい。この場合、ユーザ15は、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24から音声入力で再度の撮影を行なうか否かの指示をし、それに応じて、ステップS120の処理を再度行なう、あるいは次のステップに処理を進める。
【0070】
次に、ステップS120で撮影した画像をディスプレイ13に表示し、この写真を印刷するか否かの指示を受付ける(S130)。ここでは、「この写真を印刷しますか?」などをスピーカ23あるいはディスプレイ13から出力して、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24からの音声入力によって、「はい」あるいは「いいえ」の入力を受付ける。また、ステップS120で複数の写真を撮影した場合には、撮影した各々の画像に番号などの識別情報を付与して表示し、識別情報で選択可能とする。そして、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24からの音声入力で、印刷する画像の番号、あるいは、撮り直しの指示を受付ける。なお、ステップS130以降の処理において、ステップS120で撮影された画像に替えて、メモリカード挿入口30から挿入されたメモリカードなどの記録媒体から読取られた画像データを用いてもよい。すなわち、写真撮影装置まで撮影を行ないに来ることのできない患者などが予め撮影した画像データを読取らせることで、ステップS130以降では、その読取られた画像データを用いて同様の処理を行なうことができる。
【0071】
ステップS130で、撮影された画像の印刷を行なわない旨の入力があった場合には(S130でNO)、ステップS120に処理を戻して撮影を再度行ない、ステップS130で撮影画像を印刷するか否かの指示を受付ける。
【0072】
ステップS130で撮影画像の印刷を行なう場合には(S130でYES)、撮影画像に対して画像調整と画像加工とを行なう(S140)。ステップS140では、PC101の制御部が記憶装置に記憶されていてプログラムを読出して実行し、必要に応じて撮影画像の明るさ調整などを行なうことが好ましい。また、ステップS140では、設定モードでの設定に応じて撮影画像に対して加工処理を行なうことも好ましい。加工処理としては、撮影画像から被写体部分を抽出し、被写体以外の部分に指定された色彩を合成するような処理が挙げられる。合成される色彩は、予め設定モードで設定されており、ユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの属性に応じて指定されているものである。このような加工処理を行なう場合には、背景となるカーテン5の色は、被写体を抽出しやすいように青色などであることが好ましい。
【0073】
ステップS140での画像調整処理および画像加工処理が終了すると、予め設定モードで設定されているレイアウトにしたがって印刷画像データを生成し、印刷可能であるプリンタ12に出力する。さらに、ユーザ15をプリンタ12の前に誘導するアナウンス(たとえば「写真は右側から出ます」)をスピーカ23またはディスプレイ13より出力して、プリンタ12に印刷を実行させる(S150)。なお、この際、予め設定モードで設定されている撮影画像以外のテキストや画像などの情報を、撮影画像と共に印刷媒体に印刷してもよい。撮影画像と共に印刷される情報は、設定モードにおいて入力されている情報であってもよいし、読取装置によって、診察券や保険証などから読取られた情報に含まれている情報であってもよいし、LANなどを介して他の装置から入力された情報であってもよいし、投入されたコインの種類や数に応じて予め設定モードで印刷するように設定されている情報であってもよい。
【0074】
そして、撮影画像が印刷された印刷媒体をプリント取出口9より排出してユーザ15に提供する(S160)。さらに、ステップS160では、LAN等の通信回線を介して他の装置に対して撮影画像データを送信してもよい。これにより、写真撮影装置を設置している病院などの医療機関に電子カルテシステムなどのシステムが構築されている場合に、そのようなシステムにおいて本写真撮影装置で撮影された撮影画像データを用いることができる。
【0075】
以上の処理が、ユーザ15が使用する際に本写真撮影装置で実行される処理である。そして、上述の処理を終了すると、次にコインが投入されるまで、再度案内画面をディスプレイ13から出力し、さえずり音などのBGMをスピーカ23から出力して待機する。あるいは、それらの出力なく、次のコインの投入まで待機してもよい。
【0076】
上述の処理は、ユーザ15が老人や子供など写真撮影装置の操作に不慣れな場合も想定されるため、制限時間なく実行されることが好ましい。しかし、撮影処理中に、何らか事情で当該処理を放棄する場合なども想定されるため、十分に余裕のある程度の制限時間を設けることも好ましい。またあるいは、所定時間内にユーザ15からの指示等の操作入力がない場合にタイムアウトとして処理を終了することも好ましい。
【0077】
次に、設置者が設定モードにおいて、写真撮影装置の利用方法についての種々の設定を行なう操作について具体的に説明する。
【0078】
上述のように、ステップS110のコインの投入に替えてメンテナンスパネル200の設定スイッチを押下することによって設定モードが起動する。設定モードが起動すると、始めに、図14に示すような設定メニュー画面がディスプレイ13に表示される。設定モードにおいては、図14の設定メニュー画面に示される各設定を行なうことができる。具体的には、プリント取出口9が筐体1の左右など複数箇所にある場合には、いずれのプリント取出口9から印刷された印刷媒体を排出するかを設定する「プリント出口設定」や、カメラ21やプリンタ12の機能をテストする「カメラ&プリントテスト」や、日付け情報をPC101に対して設定する「カレンダー設定」や、表示色を確認および調整するための「カラーバー」や、撮影処理における利用方法を設定するための「利用方法設定」などを行なうことができる。図14の設定メニュー画面に示されるこれらのメニューの中から実行するものを操作ボタン51での入力あるいはマイク24からの音声入力で選択することで、各々の設定を行なうモードが起動する。
【0079】
さらに、設定メニュー画面の「利用方法設定」を選択することで、利用方法設定モードが起動し、図15に示される利用方法設定メニュー画面がディスプレイ13に表示される。利用方法設定モードにおいては、図15の利用方法設定メニュー画面に示される各利用方法の設定を行なうことができる。具体的には、シートレイアウトや印刷内容を設定する「シート設定」や、ユーザ15が写真撮影装置の利用を開始するための方法を設定する「利用開始方法設定」や、写真撮影装置の起動時刻を設定する「起動時刻設定」などを行なうことができる。図15の利用方法設定メニュー画面に示されるこれらのメニューの中から実行するものを操作ボタン51での入力あるいはマイク24からの音声入力で選択することで、各々の利用方法設定を行なうモードが起動する。
【0080】
以下に、図15の利用方法設定メニュー画面に示される各利用方法設定を行なうモードについて、具体的に説明する。
【0081】
(シート設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「シート設定」を選択することで、設置者は、撮影した被写体の画像をどのように印刷するかを設定することができる。医療機関の事情に応じて必要な写真の枚数は異なることが多く、また、すでに発行された診察券やカルテに写真を利用する場合には、写真を貼る余白部によって必要とする写真のサイズが異なることが多い。
【0082】
図15の利用方法設定メニュー画面において「シート設定」を選択すると、シート設定モードが起動し、図16に示されるテキスト入力画面がディスプレイ13に表示される。テキスト入力画面において、設置者は、印刷媒体に撮影画像と共に印刷したいテキスト情報を入力することができる。図16に示されるテキスト入力画面では、表示される文字を操作ボタン51で選択することで入力ができる。また、このような入力方法に替えて、マイク24からの音声入力でテキスト情報を受付けてもよい。
【0083】
なお、テキスト入力画面において、撮影画像と共に印刷するテキスト情報として、撮影処理を行なう際に、ユーザ15から名前などの情報の音声入力をマイク24で受付けるよう設定できてもよい。
【0084】
テキスト情報の入力が終了すると、次に、図17に示されるレイアウト設定画面がディスプレイに表示される。レイアウト設定画面において、設置者は、印刷媒体に印刷させる撮影画像とテキスト情報とのレイアウトを自由に設定することができる。図17に示されるレイアウト設定画面では、先に入力したテキスト情報「○○○○○病院」の印刷位置を操作ボタン51で移動させて決定することができる。また、撮影画像の印刷位置、印刷サイズを、操作ボタン51で移動させて決定することができる。
【0085】
設定操作方法の具体例としては、操作ボタン51が上下左右移動させるスクロールボタンと決定ボタンとからなる場合には、スクロールボタンでレイアウトの設定を行なうアイテム(テキスト情報、撮影画像)を選択して決定ボタンで決定する。次に、当該アイテムの位置をスクロールボタンで所定の刻みごとに移動させ、決定ボタンで所望の位置を印刷位置として決定する。さらに、当該アイテムの1つの角をスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定し、その角をスクロールボタンで所定の刻みごとに移動させることでサイズを変化させて決定ボタンで所望のサイズに決定する。
【0086】
言うまでもなく、レイアウトの設定方法は、上述の方法に限定されず、その他の方法であってよい。また、シート設定の設定順は、テキスト情報の入力とレイアウト設定の順に限定されず、逆の順であってもよい。
【0087】
このようにシート設定が行なわれることで、ステップS150では、図18および図19に示されるように、任意の位置関係で撮影画像とテキスト情報とを印刷させることができる。
【0088】
また、図20に示されるように、ステップS150で、撮影画像やテキスト情報を任意のサイズで印刷させることができる。
【0089】
また、図21に示されるように、ステップS150で、撮影画像やテキスト情報を任意の向きで印刷させることもできる。これは、撮影画像やテキスト情報の四隅をスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定し、その四隅をスクロールボタンで所定の刻みごとに回転させて決定ボタンで所望の角度に決定する、などの操作方法で設定することができる。
【0090】
なお、シート設定で設定される内容は上述の内容に限定されず、たとえば、印刷させる情報を設定するなどを行なってもよい。具体的には、図示しない印刷情報選択画面などで、撮影画像に加えて、テキスト情報、撮影日時、ユーザ氏名、ユーザ生年月日、およびユーザ血液型などの情報を選択して設定してもよい。さらに、印刷方法として、テキストで印刷する方法と、バーコードなどの記号化/暗号化して印刷する方法とを選択して設定してもよい。これらのユーザ15の情報は、診察券挿入口29から挿入された診察券の情報を読取装置で読取って取得するものであってもよいし、読取装置がOCR機能などを備えている場合には、保険証などから読取って取得するものであってもよい。このように設定することで、ステップS150で、上述の図18〜図21に示されるように、撮影画像と共に撮影日時を印刷させることができる。
【0091】
また、図22に示されるように、ステップS150で、撮影画像と共にユーザ15の氏名をテキストで印刷させることもできる。
【0092】
また、図23に示されるように、ステップS150で、撮影画像と共に撮影日時やユーザ15の生年月日や血液型などの情報をバーコード(図23では2次元バーコード)で印刷させることもできる。このようなバーコードは印刷される写真の枚数より多く余分に印刷され、患者に処方する薬剤、薬剤容器、または患者を識別する必要のある他のもの(ラベルや手術時の腕輪など)に貼ることができ便利である。
【0093】
また、上述の図17に示されるレイアウト設定画面でレイアウトを自由に設定する方法に替えて、図18〜図23に示される画面を予め決められたレイアウトのサンプルとして選択可能にディスプレイ13に表示し、その中から所望のレイアウトの選択を受付けてもよい。
【0094】
上述のステップS160では、このように予め設定されたレイアウトで撮影画像などが印刷された印刷媒体がプリント取出口9から排出される。その際、排出される印刷媒体がシールである場合には、写真撮影装置には、たとえば図24に示されるような、シールを撮影画像の大きさに合わせてカットするための部品が備えられていることが好ましい。図24に具体例として示されるシールをカットするための部品は、印刷媒体に刃を当てた状態で上のボタンを押すことで、シール厚み分だけ刃が繰出され、台紙をカットせずにシールのみをカットする部品である。プリント取出口9からシールである印刷媒体が排出されると、ユーザ15は、印刷されている撮影画像などの大きさに合わせた部品を選択して、必要な撮影画像などをはがしやすいようにシール部分をカットする。そのため、このような部品は、プリント取出口9の近くに備えられることがより好ましい。また、上述のように、設定されている撮影画像などの様々なサイズに応じたサイズの部品が備えられることが好ましい。
【0095】
なお、写真撮影装置がこのような部品をその内部に備え、印刷した印刷媒体をプリント取出口9から排出する前に、自動的にシール部分をカットして排出してもよい。さらにその場合、カットするための部品は図24に示されるような部品に限定されず、設定されたシールのレイアウトに基づいてシール部分をカットするその他の装置であってもよい。
【0096】
(利用開始方法設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「利用開始方法設定」を選択すると、利用開始方法設定モードが起動し、図25に示される利用開始方法選択画面がディスプレイ13に表示される。利用開始方法選択画面において、設置者は、ユーザ15が写真撮影装置の利用を開始するための方法を選択できる。図25に示される利用開始方法選択画面では、所定のコインを投入することで利用を開始する「コイン投入方式」、所定金額の硬貨を投入することで利用を開始する「硬貨投入方式」、読取装置が診察券挿入口29から挿入された診察券である磁気カードを読取ることで利用を開始する「磁気カード方式」、読取装置が診察券挿入口29から挿入された診察券であるICカードを読取ることで利用を開始する「ICカード方式」、センサ25でユーザ15の着座あるいは入室を検出することで利用を開始する「センサ検出方式」などを操作ボタン51で選択して設定することができる。あるいは、これらの方式に付与されて表示される番号などの識別情報をマイク24からの音声入力することで選択して設定できてもよい。なお、さらに利用方法設定メニュー画面において、ステップS100で、案内画面をディスプレイ13あるいはスピーカ23から出力するか否かを設定できてもよい。
【0097】
図25に示される利用開始方法選択画面において「コイン投入方式」を選択すると、図26に示されるコインの種類および枚数を設定するための画面がディスプレイ13に表示され、所定のコインの種類A,B,Cについて使用するか否かや使用する枚数など、投入するコインのタイプを設定することができる。さらに、投入するコインのタイプを設定すると、図27に示される処理の属性を設定するための画面がディスプレイ13に表示され、各タイプについて、処理の属性を設定することができる。ここでは、具体的には、撮影画像の背景色を設定することができる。このように背景色が設定されることで、撮影処理に先だってカーテン5が自動的に降ろされる場合には、投入されたコインのタイプに応じて、設定された背景色であるカーテン5が降ろされる。また、ステップS140では、投入されたコインのタイプに応じて、設定された背景色となるよう撮影画像の画像処理が実行される。さらに、受診科が複数である場合には、最初に受診する診療科に対応した背景色となるように設定するなど、適宜設定が可能である。このようにすることで、予め受付などで、患者の性別や年齢や受診科など属性に応じた種類、枚数のコインを渡すことで、患者であるユーザ15は、受取ったコインをコイン投入口26から投入だけで、そのユーザ15の属性に応じた処理を本写真撮影装置に実行させることができる。たとえば、ユーザ15の性別、年齢などの属性に応じた背景色の写真を撮影することができる。
【0098】
なお、上述のように、同じ種類のコイン1枚もしくは2枚で写真撮影装置の利用を開始できるように設定されている場合に、1枚のコインが投入された時点で利用を開始してしまうと、2枚目のコインの投入ができなくなる場合がある。そこで、このような場合には、コインを投入する前に、投入するコインの種類と枚数とをユーザ15が指定し、その後にコインの投入を行なうことが好ましい。また、コイン投入口26を、複数枚のコインを同時に投入可能に構成することも好ましい。さらに、コインが投入されたことを検知すると、ユーザ15に対して投入終了を確認してから利用を開始するようにすることも好ましい。
【0099】
さらにこのような処理の属性の設定は、利用開始方法として「コイン投入方式」が選択された場合のみならず、「磁気カード方式」や「ICカード方式」が選択された場合にも同様に、磁気カードあるいはICカードから読取られた情報の内容に応じて、背景色などの処理の属性の設定が行なわれることが好ましい。
【0100】
なお、上述の設定操作方法もまた、操作ボタン51に含まれるスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定する方法が具体的に挙げられる。
【0101】
図25に示される利用開始方法選択画面において「センサ検出方式」を選択すると、センサを選択するための画面(図示せず)がディスプレイ13に表示され、複数あるセンサ25のうちのいずれのセンサからの検出信号に基づいて当該写真撮影装置の利用を開始するかを設定することができる。すなわち、写真撮影装置の利用の開始は、センサ25aでユーザ15の着座を検出したとき、センサ25bでユーザ15の入室を検出したとき、両センサ25でユーザ15の入室および着座を検出したとき、およびいずれかのセンサ25でユーザ15の入室および着座のいずれかを検出したとき、のいずれかのタイミングを選択可能であり、利用状況などに応じて選択することができる。たとえば、写真撮影装置が、車椅子の患者の通院が多い病院に設置されている場合には、ユーザ15は車椅子のまま撮影することが多く、センサ25aで着座を検出したときに利用を開始するよりも、センサ25bで入室を検出したときに利用を開始するように設定した方が便利である。
【0102】
(起動時刻設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「起動時刻設定」を選択すると、起動時刻設定モードが起動し、図28に示される起動時刻設定画面がディスプレイ13に表示される。起動時刻設定画面において、設置者は、本写真撮影装置を稼動させる時刻を設定でき、写真撮影装置が当該写真撮影装置を稼動させる時刻を制御するタイマを備える場合、設定時刻に当該写真撮影装置を稼動させることができる。図28に示される起動時刻設定画面では、曜日ごとに起動時刻および終了時刻を設定できる。なお、ユーザ15が当該写真撮影装置を利用中に設定された終了時刻に達した場合には、現在の利用の終了を待って写真撮影装置の稼動停止を行なうようにされていることが好ましい。このことで、ユーザ15が利用中に、突然写真撮影装置が停止されることを防ぐことができる。また、図29に示される起動期間設定画面がディスプレイ13に表示されてもよい。図29に示される起動期間設定画面では、当該写真撮影装置が設置されている病院などの医療機関の休診日に対応させて、一定期間起動しないように設定できる。
【0103】
さらに、利用方法設定モードでは、図15の利用方法設定メニュー画面にはその他の利用方法の設定が行なわれてもよい。具体的には、写真撮影装置で撮影された画像の出力方法の設定も行なわれてもよい。たとえば、写真撮影装置を設置している病院などの医療機関に電子カルテシステムなどのシステムが構築されている場合に、画像の出力方法として、LAN等の通信回線を介して電子カルテシステムに画像データを出力するように設定することもできる。さらにその場合、画像データと共に、読取装置で読取った患者であるユーザ15の保険証の情報なども出力されてもよい。
【0104】
上述の利用方法の設定を含む設定モードでの操作方法は、操作ボタン51での入力する方法あるいはマイク24からの音声入力する方法に替えて、所定の指示用紙を用いる方法であってもよい。具体的には、マークシートなど、読取装置で読取可能な所定の指示用紙に各設定項目について指示を記入し、写真撮影装置の所定の挿入口から挿入して読取装置に読取らせることで上述の設定がなされてもよい。また、カメラ21で上述の指示用紙を撮影して、PC101で撮影された指示用紙の画像が画像解析されることで、上述の設定がなされてもよい。
【0105】
本実施の形態における写真撮影装置においては、上述ように設置者が各種の設定を容易に行なうことができる。そのため、すでに発行されている診察券やカルテなどのサイズに応じた写真を印刷することができ、既存のシステムを変更することなくに容易に導入し運営することができる。
【0106】
また、設置者が各種の設定を行なっておくだけで、写真撮影にあたって患者であるユーザ15は操作を行なう必要がない。そのため、子供から老人まで幅広いユーザが利用可能であり、また、設置者は、利用方法を説明するための人員を確保する必要がない。
【0107】
[変形例]
変形例として、本写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合について説明する。
【0108】
本写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合には、患者であるユーザ15は、予め受付など初診あるいは再診に対応したコインを受取り、上述のステップS110でそのコインをコイン投入口26に投入することで初診受付処理が実行される。
【0109】
その場合も、上述と同様に、その内部あるいは接続された読取装置で保険証や必要事項を記入した指示用紙などの情報を読取る処理と、ステップS120で、カメラ21で患者であるユーザ15を撮影する処理とを行なう。
【0110】
なお、その際、保険証から読取った情報をディスプレイ13に表示し、ユーザ15より、操作ボタン51の入力、あるいはマイク24からの音声入力を受付けて、その内容を確認することが好ましい。たとえば、保険証に記載されている住所は手書きであることが多く、OCR機能を備える読取装置で読取った場合に、その字体によっては誤って読取る場合もあるからである。また、ユーザ15の氏名や生年月日などが保険証の扶養家族欄に記載されている場合もあるため、保険証に記載されている全家族の氏名などを選択可能にディスプレイ13に表示し、ユーザ15より、操作ボタン51の入力、あるいはマイク24からの音声入力を受付けて、当該ユーザ15を特定することが好ましい。
【0111】
次に、PC101は、自動的に当該ユーザ15に対してカルテナンバーを割振り、ステップS150において、撮影画像と共に、保険証や指示用紙などから読取った情報とカルテナンバーとを印刷媒体に印刷する。この際、読取った情報は、二次元バーコードや三次元バーコードなどにコード化されて印刷されることが好ましい。同時に、LAN等の通信回線を介して、それらの情報を電子カルテシステムに出力する。
【0112】
このようにして初診受付装置である写真撮影装置で印刷される印刷媒体の具体例を図30に示す。すなわち、変形例においては、図30に示されるように、撮影画像と共に、診察券も印刷することができる。このため、変形例においては、写真撮影装置のプリンタ12にセットされる印刷媒体は、厚手の素材であることが好ましい。また、撥水加工がされた素材であることがより好ましい。また、排出される印刷媒体は、図30の点線部に示される位置に、診察券のみ切離せるようにミシン目のカットがなされていることが好ましい。
【0113】
このように、本写真撮影装置を初診受付装置として用いることで、本写真撮影装置が設置されている病院などの医療機関を初めて訪れた患者の受付を、人手をかけずに行なうことができる。また、患者も容易な操作で写真付きの診察券を作成することができる。
【0114】
なお、本実施の形態においては、写真撮影装置を病院などの医療機関に設置する場合について説明を行なったが、設置される施設は病院に限定されるものではなく、顔写真をIDに用いて特定のメンバーの情報を管理するような施設であれば、他のどのような施設に備えられてもよい。たとえば、会社の受付けや、スポーツクラブや、美容院などの施設に備えられてもよい。
【0115】
さらに、上述の写真撮影装置の制御方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0116】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における医療機関用写真撮影装置の外観の具体例を示す図である。
【図2】椅子6の構成の具体例を示す図である。
【図3】椅子6の構成の他の具体例を示す図である。
【図4】筐体1を正面(撮影ブース4内方向)から見た具体例を示す図である。
【図5】カメラ21の位置の具体例を示す図である。
【図6】カメラ21の位置の具体例を示す図である。
【図7】カメラ21による撮影方法の具体例を示す図である。
【図8】撮影画像から顔画像を得る方法の具体例を示す図である。
【図9】筐体1内部の簡略な構造の具体例を示す図である。
【図10】複数のプリンタ12a,12bの筐体1内部での配置の具体例を示す図である。
【図11】本写真撮影装置の機能を示すブロック図である。
【図12】写真撮影装置の外観の他の具体例を示す図である。
【図13】本実施の形態における写真撮影装置での処理を示すフローチャートである。
【図14】設定メニュー画面の具体例を示す図である。
【図15】利用方法設定メニュー画面の具体例を示す図である。
【図16】テキスト入力画面の具体例を示す図である。
【図17】レイアウト設定画面の具体例を示す図である。
【図18】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図19】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図20】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図21】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図22】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図23】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図24】シールをカットするための部品の具体例を示す図である。
【図25】利用開始方法選択画面の具体例を示す図である。
【図26】コインの種類および枚数を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図27】処理の属性を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図28】起動時刻設定画面の具体例を示す図である。
【図29】起動期間設定画面の具体例を示す図である。
【図30】写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合に、写真撮影装置において印刷される印刷媒体の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 パネル、3 フレーム材、4 撮影ブース、5 カーテン、6椅子、9 プリント取出口、10 印刷中LED、11 印刷エラーLED、12,12a,12b プリンタ、13 ディスプレイ、15 ユーザ、18 照明ボックス、21 カメラ、22,m1,m2 反射板、23,23a,23b スピーカ、24 マイク、25,25a,25b センサ、26 コイン投入口、28 フロントドア、29 診察券挿入口、30 メモリカード挿入口、31 電源スイッチ、51 操作ボタン、101 PC、102 制御部、103 電源制御部、104 UPS、107 コイン制御部、200 メンテナンスパネル。
【発明の属する技術分野】
この発明は写真撮影装置に関し、特に、医療機関などの既存のシステムに容易に導入することのできる写真撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬貨を投入して利用者を撮影し、撮影された写真を印刷して提供する写真撮影装置としては、駅やショッピング街などに設置されている証明写真撮影装置や、ゲームセンターなどの遊技場に設置されている写真自動販売機などが広く知られている。
【0003】
また、医療ミス防止のために、診察券やカルテに貼ることができる写真シールを作成する診察券・カルテ用写真撮影機がすでに数箇所の病院に導入され運用されている。このような診察券・カルテ用写真撮影機は、車椅子での利用可能な無段差設計、全自動オペレーション、音声ガイダンスなどの特徴がある。
【0004】
従来よりある写真撮影装置として、特許文献1は、撮像された画像情報から顔画像の位置を自動的に検出して、顔画像が中心に位置し、かつ顔画像の周辺を含むように領域を設定することで、撮影者の負担を軽減することのできる撮像装置について開示している。
【0005】
また、特許文献2は、移動可能な昇降手段に撮影手段を設け、被写体の頭部位置を測定し、測定されたデータから被写体の位置を検出し、撮影手段を移動させて撮影することで、顔写真を失敗なく撮影することのできる証明写真撮影装置を開示している。
【0006】
また、特許文献3は、複数台のプリンタを切換えて写真の作成を行なうことで、写真作成の不良を少なくし、装置の稼働率の低下を防止することのできる課金式写真作成装置を開示している。
【0007】
さらに、特許文献4は、車椅子を利用している人も容易に撮影することができる証明写真ボックスの構造を開示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−230489号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平10−55018号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平11−18035号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2002−311494号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来からある証明写真撮影装置や写真自動販売機や特許文献1〜4で開示されている装置は、いずれも、利用者の操作性を向上させるような構成であり、利用者の好みにあった装置として改善されているものではあるが、当該装置を導入する運営者側の事情はあまり考慮されておらず、これらの装置は、運営者側の事情に関わらず予め設定されている利用形式で利用を提供するしかできないという問題がある。そのため、既存のシステムにおいて開設している医療機関に導入する場合など、既に発行されている診察券やカルテシステムを変更することが困難な事情を有する場合に、このような装置を導入するのは困難であり、予め決められている利用形式では扱い難い場合があるという問題がある。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、利用者も利用しやすく、かつ運営者の事情にも考慮し、既存のシステムを変更せずとも容易に導入し運営することが可能な写真撮影装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、写真撮影装置は、被写体の撮影画像を取得する取得手段と、撮影画像を出力する出力手段と、取得手段と出力手段とを制御する制御手段とを備える写真撮影装置であって、当該写真撮影装置の利用の方法を設定する利用方法設定手段をさらに備え、制御手段は、利用方法設定手段で設定された利用の方法に基づいて、取得手段と出力手段とを制御することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
図1は、本実施の形態における医療機関用写真撮影装置(以下、写真撮影装置という)の外観の具体例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態における写真撮影装置は、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)101(図9、図11参照)、プリンタ12、および制御部102(基盤)(図11参照)などの各種機器類を収める筐体1と、筐体1と共に撮影ブース4を形成するパネル2と、フレーム材3とを含む。なお、以降の説明において、便宜上、筐体1の紙面に対して左側の面(ユーザ15から遠い側の面)を背面とする。また、筐体1の紙面に対して右側の面(ユーザ15が相対する面)を正面とする。
【0017】
このような写真撮影装置は病院などの医療機関に設置されるものであって、患者などの被写体であるユーザ15は、筐体1、パネル2およびフレーム材3にて構成される撮影スペースである撮影ブース4内に入り、筐体1に相対する向きで撮影を行なう。本写真撮影装置は病院などの医療機関に設置されるものであるから、ユーザ15として車椅子に乗ったユーザも想定される。そのため、撮影ブース4への出入りは筐体1の正面に相対する装置の後方から行なえるようになっていることが好ましい。そこで、撮影ブース4を形成するパネル2は装置後方には備えられておらず、装置の後方は開放されていることが好ましい。また、撮影ブース4床面と設置されている場所の床面とは段差なくフラットであることが好ましい。
【0018】
さらに、撮影ブース4内には椅子6が備えられる。ユーザ15として車椅子に乗ったユーザや松葉杖を用いているユーザなど、椅子に腰掛けて撮影を行なうことが難しい場合も想定されるため、椅子6は、必要に応じて設置される構成であることが好ましい。さらに、ユーザ15が車椅子などで筐体1の正面に相対する装置後方から撮影ブース4に入るときに、その動作の妨げとならないように、椅子6は、図1に示されるように、いずれかのフレーム材3に備えられることが好ましい。また、大人から子供までユーザ15の身長が様々であることが想定されるため、椅子6は、必要に応じてその高さが調節できることが好ましい。
【0019】
そこで、椅子6は、図2に示されるような構成であることが好ましい。すなわち、図2を参照して、本写真撮影装置に備えられる椅子6は、撮影ブース4内のいずれかのフレーム材3であって円柱のポールにアームでヒンジ接合され、水平方向に回転させて引出し可能である。さらに、複数の異なる高さに対応する複数の椅子を含み、必要に応じて、適切な高さの椅子6を引出して用いることができる。その際、椅子6は、背もたれをさらに備えることが好ましく、その背もたれは、椅子6を図2に示すように重なった状態に戻す際に邪魔にならないよう、折畳み式であることがより好ましい。また、各椅子には、目安となる座高や身長が示されていることがより好ましい。
【0020】
また、椅子6の他の具体例として、図3のような構成であることも好ましい。すなわち、図3を参照して、他の具体例における椅子6も、撮影ブース4内のいずれかのフレーム材3にアームでヒンジ接合され、水平方向に回転させて引出し可能である。さらに、最下段の椅子にはストッパを具備する垂直方向の足が備えられ、それ以外の(2段目以上の)椅子には、トラス構造の足が備えられることを特徴とする。なお、図3においては、便宜上最下段の椅子とそのすぐ上(2段目)の椅子とを示しているが、3段目以上の椅子も同様である。このような構成にすることで、2段目以上の椅子を引出した場合であっても、その椅子以下の椅子が全て引出され、最下段の椅子に備えられるストッパを具備する垂直方向の足が、椅子に腰掛けたユーザ15の重みを支える構造となる。このため、安全性をより向上させることができる。
【0021】
さらに、椅子6には、図示されないセンサ25aが備えられ、上に座ったユーザ15の重み、あるいはユーザ15が座ることによって生じる歪みなどを検出することで、ユーザ15の着座を検出してもよい。また、椅子6には、滑りを防止できる素材であって、足が当たった場合などでも冷たさを感じさせないラバーなどの素材が用いられることが好ましい。
【0022】
また図1を参照して、少なくともユーザ15の背後部分には、外部光を遮断するため、また被写体であるユーザ15の背景とするために、カーテン5が配備される。カーテン5は、撮影が妨げられないよう、ユーザ15の背後部分を含む撮影ブース4の周囲に備えられてもよい。また、カーテン5は、当該写真撮影装置が使用中であるか否かの確認を容易にするため、図1に示されるように、床まで達する長さではなく、撮影ブース4の下を覆わない長さであってもあってもよい。さらに、カーテン5は常時降ろされた状態であってもよいし、撮影時のみ降ろされるものであってもよい。
【0023】
カーテン5が常時降ろされた状態である場合には、図1に示されるように、ユーザ15の後方の中央部が左右に分かれたのれん状の構造であることが好ましい。さらに、撮影時の照明環境に影響を及ぼすユーザ15の背後からの照明を防ぐために、カーテン5のユーザ15の後方の中央部は、一部重なっていることがより好ましい。上述のように、ユーザ15として車椅子に乗ったユーザや松葉杖を用いているユーザなど手の自由が利かない利用者である場合が想定されるので、ユーザ15自身でカーテン5を押して撮影ブース4に入ったときに、カーテン5がユーザ15にまとわりつかないようにするためである。
【0024】
カーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、カーテン5は、ユーザ15の背後の部分が上げ下ろしされる巻上げ式のものであってもよい。なお、カーテン5が巻上げ式のものである場合には、カーテン5は、おもりを必要としない程度の厚みのある素材であることが好ましい。カーテン5の下端におもりがある場合には、ユーザ15がカーテン5の下をくぐって撮影ブース4に入る際に、ユーザ15の頭部などが当たる危険性があるからである。また、カーテン5は、片側あるいは両側から撮影ブース4の周囲に引出される方式のものであってもよい。
【0025】
このようにカーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、カーテン5は、撮影を行なうユーザ15の手動操作により降され、あるいは引出されてもよいし、以降に説明する撮影処理を開始するときに、自動的に降され、あるいは引出されてもよい。
【0026】
また、カーテン5は複数種類備えられてもよい。上述のようにカーテン5は撮影時の背景ともなり得るので、複数のユーザ15の性別や、年齢や、受診科や、保険証の有効期限などに応じて、カーテン5を使い分けることで、背景色や背景模様などを使い分けることが可能になる。なお、このような複数のカーテン5の使い分け方については、後に説明する利用方法設定モードで設定されるものとする。
【0027】
さらに、本写真撮影装置は、筐体1またはフレーム材3の適当な位置に、図1には図示されない手すりを備えることが好ましい。ユーザ15が椅子6に座ったり、椅子6から立ち上がったり、撮影ブース4内で移動したりする際に、その動作を助けることができる。また、手すりにつかまって安定した姿勢で撮影を行なうことができ、撮影時のぶれを防ぐことができる。このような手すりは、撮影ブース4内の左右の対称的な位置に備えられることがより好ましい。また、手すりの素材は、滑りを防止できる素材であって、素手で握った場合でも冷たさを感じさせないラバーなどの素材が好ましい。
【0028】
また、本写真撮影装置は、筐体1などの適当な位置に、図1には図示されない点字による案内を備えることが好ましい。このことによって、ユーザ15が視力に障害のある場合でも、当該写真撮影装置の利用が可能になる。
【0029】
次に、図4に、上述の筐体1を正面(撮影ブース4内方向)から見た具体例を示す。
【0030】
図4を参照して、筐体1の正面、すなわち被写体であるユーザ15と相対する面には反射板22が備えられ、相対したユーザ15は、自らの撮影状態を確認することができる。たとえば、反射板22には鏡などが好適に用いられる。反射板22のほぼ中央部には、被写体を撮影するカメラ21が備えられる。また、筐体1の正面には、BGMや操作方法などのアナウンスを出力するスピーカ23a,23bと、撮影中の操作手順や各種設定用の画面などを表示するディスプレイ13と、選択操作や各種設定操作を行なうための操作ボタン51と、音声入力を受付けるマイク24と、当該撮影ブース4へのユーザ15の入室を検出するセンサ25bと、ユーザ15が診察券を挿入する診察券挿入口29と、記録媒体であるメモリカードなどを挿入するメモリカード挿入口30と、コインを投入するコイン投入口26と、前面のメンテナンスなどを行なうためのフロントドア28とが備えられる。また、筐体1のカメラ21の周囲には、蛍光灯やフラッシュなどを内蔵し、被写体の照明を行なうための照明ボックス18a,18bが備えられている。
【0031】
カメラ21としては、一般にデジタルカメラが用いられる。一般的なデジタルカメラで設定できる項目(たとえばシャッタスピード、絞り値、露出補正、ホワイトバランスなど)の変更や、撮影タイミングは、PC101(図9,図11参照)から指示される。
【0032】
カメラ21の位置は、図5に示されるように、筐体1に固定されているものであってもよい。この場合、ユーザ15は、反射板22に備えられる位置合わせ用のラインなどを利用してカメラ21に対して適切な位置になるよう、座る場所を調整したり、椅子6の高さを調整したりする。
【0033】
また、カメラ21の位置が固定されている場合には、ユーザ15がやや前傾姿勢であっても顔の正面が撮影できるように、ユーザ15が背筋を伸ばした場合よりも20度程度下方に設置されることが好ましい。このことで、ユーザ15が老人であった場合でも楽な姿勢での撮影が可能となる。
【0034】
また、カメラ21の位置は、図6に示されるように、筐体1内部の高さ方向に備えられるレール上を移動することで、高さ方向に可動であってもよい。この場合、赤外線センサなどのセンサ25bでユーザ15の高さを測定し、その高さに応じてユーザ15の顔部分が撮影画像の範囲に収まる位置に自動的にカメラ21の高さを移動させる。
【0035】
さらに、カメラ21は、図7に示されるように、撮影用の反射板m1,m2を介してユーザ15を撮影することも好ましい。この場合、カメラ21の位置が固定されていても、限られた空間内で撮影距離を長く確保することができるために撮影範囲を大きくすることができる。そして、図8に示されるように、撮影された広い範囲の撮影画像から一般的な画像抽出技術を用いて顔領域を抽出し、顔部分を切出した顔画像を得ることができる。このようにすることで、写真撮影装置は、被写体であるユーザ15を位置を測定するためのセンサ25bや、高さを調整するための複数の椅子6などを備える必要がない。なお、この場合、撮影画像から切出した顔画像をディスプレイ13にリアルタイム、あるいは撮影の度に表示し、ユーザ15が確認できるようにすれば、失敗なく撮影を行なうことができて好ましい。また、撮影画像の一部を切出して顔画像を得ることから、カメラ21の解像度は高い方が印刷時の品質を保つことができて好ましい。
【0036】
本写真撮影装置は、さらにその内部に、あるいは接続されて読取装置(図示せず)を備え、メモリカード挿入口30から挿入されたメモリカードなどの記録媒体から、他の撮影装置(自宅のカメラなど)で撮影された画像を取込むことができる。また、メモリカード挿入口30に替えて、デジタルカメラや撮影機能を備える携帯電話などから直接画像情報を入力する手段を備えてもよい。このようにすることで、当該写真撮影装置まで撮影を行ないに来ることができない利用者であっても、他の撮影装置で撮影した画像をメモリカードなどの記録媒体に記録して、当該写真撮影装置に読取らせて以降に説明する印刷処理などを行なわせることができる。
【0037】
また、図示されない読取装置は、診察券挿入口29から挿入された診察券に磁気データが記録されている場合、またはICチップなどの記録媒体が付加されている場合、診察券挿入口29から挿入された診察券から情報を読取ることができる。あるいは、OCR(Optical Character Reader)などの光学的に文字を読取る機能を備える場合には、診察券挿入口29から挿入された診察券に印刷されている情報を読取ることができる。さらに、本写真撮影装置が、保険証や指示用紙などを挿入する部位を備える場合には、読取装置は、それらに付加されている、あるいは印刷されている情報を読取ってもよい。
【0038】
また、上述の操作ボタン51は、図4に示されるようにカーソル位置を上下左右に移動させるための矢印ボタンと決定ボタンと取消しボタンとからなるものであってもよいし、ディスプレイ13がタブレットペンからのタッチ入力を受付ける機能を備える場合には、タブレットペンであってもよい。また、ディスプレイ13が指でのタッチ入力を受付ける機能を備える場合、あるいは、全ての入力をマイク24による音声入力で行なう場合には、操作ボタン51は備えられていなくても構わない。さらに、ユーザ15からの操作入力は全てマイク24で受付け、設置者からの設定操作を操作ボタン51で受付ける場合には、操作ボタン51が備えられる部分は、引出し式やカバー付きなどの構造で、設置者が設定操作を行なうときのみにボタン入力可能にされる構造であることが好ましい。このようにすることによって、当該写真撮影装置が多くのユーザが利用する環境に置かれる場合であっても、故障を防止することができる。
【0039】
さらに、筐体1の上面には、筐体1内部の熱を逃がすためのファンや、外部装置への画像の配信、リモートメンテナンスなどの、外部装置との通信を行なうときにケーブルを差込むためのLAN(Local Area Network)ケーブル差込口などが備えられていることが好ましい。なお、このようなファンは、筐体1内部の熱を逃がす目的で備えられるものであるため、筐体1の上面に限定されず、熱を発生しやすい機器類の近傍などの他の場所に備えられても、また複数備えられてもかまわない。また、LANケーブル差込口が備えられる位置も、ケーブルの配線の取回しが容易な位置であれば筐体1の上面に限定されない。
【0040】
さらに、筐体1の側面には、プリント取出口9が備えられる。プリント取出口9は、箱型の形状を奏しており、プリンタ12でプリントされた写真は排出され、ここに落とされる。プリント取出口9は、そこに落とされた写真が、ユーザが手にするまで地面に落ちない等の作用を奏するものであれば、その形状は限定されない。たとえば、筐体1の内部方向に窪んだ箱状の空間と筐体1の側面に沿う方向に取りつけられた蓋とで形成されていてもよい。そして、ユーザ15は、プリント取出口9よりプリントされた写真を取出す。なお、プリント排出口9は、車椅子に乗ったユーザ15や松葉杖を利用しているユーザ15などが容易に印刷された印刷媒体を取出すことのできる位置に備えられることが好ましい。
【0041】
また、筐体1の、プリント取出口9が備えられる側面の同じ側面には、印刷中LED(Light Emitting Diode)10および印刷エラーLED11が備えられ、それらが点灯あるいは点滅することによって、ユーザ15もしくは設置者は、印刷中であるという状態、あるいは印刷中に用紙切れ、インク切れ、用紙詰り、メカニカルエラーなどのエラーが発生しているという状態を知ることができる。
【0042】
なお、筐体1に備えられるカメラ21などの位置、形態、数などの構成は、上述の構成に限定されない。たとえば、カメラ21は、天井から下向きに備えられてもよい。あるいは、複数のヒンジを含むアームに位置が可動に備えられてもよい。これによって、筐体1の正面に位置できないユーザ15であったとしても(たとえば、ベッドに横になったままの場合など)、正面から顔写真を撮影することができる。またたとえば、センサ25bは、センサ種類に応じて、重みを検出するセンサである場合には床部分に備えられてもよい。またたとえば、スピーカ23およびマイク24は、ユーザ15の頭部に取付け可能な一体型に構成されていてもよい。これによって、ユーザ15が筐体1正面のスピーカ23から出力される音声が聞き取り難い場合であっても、また、筐体1正面のマイク24まで音声を発し難い場合であっても利用可能になる。またたとえば、ユーザ15が操作入力を行なうための操作ボタン51は、ユーザ15が手元で操作可能なように筐体1と分離した構成のリモートコントローラであってもよいし、足で操作可能なように床部分に備えられてもよい。これによって、ユーザ15が操作の度に筐体1まで近づくことができない場合であっても、あるいはユーザ15が手による入力ができない場合であっても、操作入力が可能になる。
【0043】
次に、図9に、筐体1内部の簡略な構造の具体例を示す。図9を参照して、本写真撮影装置は、その内部に、プリンタ12、当該写真撮影装置を動作させるためのPC101、電源をバックアップするUPS(Uninterrupted Power Supply)104、各種メンテナンスを行なうためのボタンを備えるメンテナンスパネル200、コイン挿入口26から挿入されるコインを格納するコイン格納箱などを含んで構成される。
【0044】
上述のPC101は、PC101の制御を行なう演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、装置を動作させるためのプログラムおよびプログラムで必要なグラフィックデータ、音声データ、撮影された画像や撮影画像に対して入力した編集画像その他の各種画像などを記憶する記憶装置と、プログラムの一時的な作業領域ともなるメモリと、カメラ21、プリンタ12、ディスプレイ13などの周辺機器を制御するためのソフトウェアであるドライバと、LANケーブルを介して外部機器と接続された場合に通信を行なう通信部とを含む。なお、PC101は、電源スイッチ31(図11参照)が押され、当該写真撮影装置に電源プラグより電源が投入されると、上記プログラムが起動されて動作する。
【0045】
また、プリンタ12は、撮影された画像を紙やシールなどの印刷媒体に印刷するためのプリンタであって、昇華型プリンタやサーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)等のプリンタが一般的に用いられる。なお、本実施の形態においては、プリンタ12でシールが印刷されるものとして説明を行なうが、印刷媒体はシールに限定されず、上に示す他の印刷媒体であっても同様の処理が実行される。
【0046】
さらに、本写真撮影装置は、プリンタ12として2台のプリンタ12a,12bを備え、印刷するプリンタを切替える切替装置(図示せず)を備えることを特徴とする。このようにすることで、1台のプリンタでシールやインクリボンなどの消耗品が消耗した場合でも、他のプリンタで印刷を続行することができ、本写真撮影装置を止めることなく稼動を続けることができる。
【0047】
このような複数のプリンタ12a,12bとプリント取出口9とは、図10に示されるような位置関係であることが好ましい。すなわち、図10を参照して、プリンタ12a,12bは筐体1内部でプリント取出口9より上方に縦に並んで配置され、プリンタ12a,12bのプリント排出口から排出された印刷された印刷媒体が、プリント取出口9に滑り落ちる構造であることが好ましい。
【0048】
なお、上述の印刷するプリンタを切替える切替装置としては、具体的には以下のように動作する装置が挙げられる。すなわち、予め記憶部に各プリンタ12a,12bの状態を表わす情報を格納し、当該写真撮影装置が利用を待機している状態であるときに、1回あるいは所定間隔で、各プリンタ12a,12bに消耗品の残量などプリンタ12の状態を問合せて、記憶部に格納されている情報を更新する。このようなプリンタ12の状態を表わす情報としては、正常状態を「0」、消耗品が消耗している状態を「1」、用紙が詰まっている状態を「2」などとコード化された情報などが該当する。そして、印刷を開始する際に、記憶部に格納されているプリンタ12の状態を表わす情報を参照して、現在印刷可能なプリンタ12を選択し、選択されたプリンタ12に対して印刷するデータと制御信号とを出力する。
【0049】
あるいは、予め記憶部に現在印刷可能なプリンタ12を特定する特定情報を格納し、当該写真撮影装置が利用を待機している状態であるときに、1回あるいは所定間隔で、特定情報で特定されたプリンタ12の状態を問合せて、当該プリンタ12が印刷不可能な状態であれば、記憶部に格納されている特定情報を他のプリンタ12を特定する特定情報に変更する。そして、印刷を開始する際に、記憶部に格納されている特定情報を参照して特定されたプリンタ12を選択し、選択されたプリンタ12に対して印刷するデータと制御信号とを出力する。
【0050】
また、メンテナンスパネル200は、ヒューズボックスと、電源のON/OFFを行なう電源スイッチと、スピーカ23から出力する音声の音量を調整する音量ボリュームつまみと、設定を行なう設定モードに移行させるための設定スイッチと、コイン投入枚数の概算値をカウントするコインカウンタと、プリント枚数の概算値をカウントするプリンタカウンタとを含む。このようなメンテナンスパネル200は、各種設定を行なおうとする設置者が、筐体1正面のフロントドア28を開けると操作可能に現れる。なお、当該写真撮影装置の設置者が、メンテナンスパネル200に含まれる設定スイッチを押して各種設定を行なうための操作については、後に説明する。
【0051】
次に、図11に、本写真撮影装置の機能ブロック図を示し、写真撮影装置の機能について説明する。
【0052】
図11を参照して、写真撮影装置は、当該写真撮影装置を動作させるためのPC101と、基板から構成され、動作中のPC101からの指示を受付けて、接続されている各種装置を制御する制御部102とを備える。
【0053】
また、写真撮影装置は、電源を必要とするスピーカ23や、照明ボックス18の中にある照明装置32などの電源系統を制御する電源制御部103を備え、外部からそれらの装置に対する電源の電圧を安定させるよう制御する。さらに、そのような電源の投入および切断は、電源スイッチ31を押すことで行なわれる。しかし、電源切断によりPC101で動作しているプログラムを強制的に終了させることは、動作を不安定にさせる原因となる。そのため、電源が落とされても、しばらくはUPS104が電源をバックアップし、PC101に停電信号を送信する。その間に、PC101はプログラムの終了の手続を行ない、プログラムを正常に終了させる。
【0054】
上述の制御部102は、メンテナンスパネル200から制御信号を受付ける。また、制御部102は、操作ボタン51、メンテナンスパネル200、コイン制御部107からの信号を受付けPC101に通知したり、逆に、PC101からの制御信号(指示コマンドなど)によりメンテナンスパネル200、フラッシュ制御部(図示せず)、フラッシュ(図示せず)、コイン制御部107、印刷中LED10、印刷エラーLED11を制御したりする。
【0055】
コイン制御部107は、コイン格納箱に備えられ、コイン投入口26から投入されたコインの正当性を検出して制御部102にコインが投入された信号を送る。逆に、コイン投入を禁止するときは、コイン制御部107は制御部102からの信号により、コインが投入されないようにコイン投入口26をブロックすることができる。
【0056】
メンテナンスパネル200は、設定スイッチが押下された信号を制御部102に送る。逆に、制御部102からの信号により、コインカウンタ、プリントカウンタを動作させる(たとえばカウンタを1インクリメントする)。また、PC101から出力される音声は、メンテナンスパネル200上の音量調整つまみで調整された音量でスピーカ23から出力される。
【0057】
操作ボタン51は、操作ボタン51での入力信号を制御部102に送る。制御部102に送られた入力信号はPC101に送信され、PC101は、操作内容に応じた処理を行なう。
【0058】
また、マイク24も、入力された音声信号を制御部102に送る。制御部102に送られた音声信号はPC101に送信され、PC101は、CPUが記憶装置に記憶されるプログラムを実行することで入力された音声信号を制御信号に変換し、変換された制御信号に応じた処理を実行する。
【0059】
センサ25は、センサ情報をPC101に送る。PC101は、そのセンサ情報に応じて制御部102に制御信号を送る。
【0060】
さらに、プリンタ12の状態がPC101に通知され、PC101は、その状態に応じて制御部102に信号を送る。その信号によって、印刷中LED10または印刷エラーLED11が点灯または点滅する。
【0061】
なお、言うまでもなく、写真撮影装置の形態は図1〜図11に示される具体例に限定されるものではない。すなわち、図1〜図11に記載されない他の機能が備えられていてもよいし、図1〜図11に記載されている機能の必ずしも全てが備えられていなくても構わない。たとえば、プリンタ12は写真撮影装置に含まれていなくてもよく、その場合、写真撮影装置は、LAN等の専用回線や無線通信等を介して、印刷制御信号を他の装置であるプリンタ12に出力するものとする。またたとえば、図12に示されるような、撮影ブース4を含まない、机上に置けるサイズの小型の写真撮影装置であってもよい。図12に示されるような構成にすることで、個人病院などの広いスペースのない医療機関であっても容易に導入できる。
【0062】
次に、図13のフローチャートを用いて、本実施の形態における写真撮影装置での処理について説明する。図13のフローチャートに示される処理は、PC101のCPUが、記憶装置に記憶されるプログラムをメモリに読出して実行することによって実現される。
【0063】
まず、当該写真撮影装置に備わる電源スイッチ31が投入されると、各種装置の電源が投入される。すると、PC101の記憶装置に格納された動作プログラムが起動する。PC101は、各種装置が正常に接続されているかチェックし、初期化が必要な装置に対しては初期化を行なう。その後、当該写真撮影装置の利用方法などを案内する案内画面をディスプレイ13に表示し、同時に音声をスピーカ23a,23bから出力する(S100)。なお、ステップS100では、電力消費を抑えるために、初期化を行なった後、ディスプレイ13およびスピーカ23からの出力を行なわずに、以降の処理の開始を待機してもよい。あるいは、椅子6に備えられるセンサ25aまたは筐体1に備えられるセンサ25bが、ユーザ15の着座あるいは入室を検出すると、ディスプレイ13およびスピーカ23から、コインをコイン投入口26に投入するように促がすような案内を出力することも好ましい。
【0064】
案内画面が表示されている状態(あるいは、上述の待機状態)で、コイン投入口26から当該写真撮影装置を利用するためのコインの投入を受付ける(S110)。なお、上述のコインの受付けに替えて、案内画面表示中にメンテナンスパネル200の設定スイッチを押下することによって、当該写真撮影装置の各種設定を行なうための設定モードが起動する。
【0065】
ステップS110で受付けたコインは、コイン制御部107において正当性や枚数等が検知される。そして、正常にコインを受付けると撮影処理が開始される。なお、ここでは、コインが検出されることで以降の処理が開始されるものとしているが、その他のきっかけで処理が開始されてもよい。たとえば、診察券挿入口29より挿入された診察券から読取った情報が正規の情報(当該病院の患者である、など)であると認識されることで、自動的に開始されてもよい。あるいは、保険証や指示用紙などの情報を読取る機能を備える場合には、それらの情報が正規の情報であると認識されることで、自動的に開始されてもよい。あるいは、椅子6に備えられるセンサ25aまたは筐体1に備えられるセンサ25bが、ユーザ15着座あるいは入室を検出することで自動的に開始されてもよい。
【0066】
さらに、ステップS110では、ユーザ15の属性に対応して種類の異なるコインや異なる枚数のコインを受付けることもできる。すなわち、予めユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの様々な属性に応じてコインの種類あるいは枚数を設定モードにおいて設定しておき、ステップS110で投入されたコインの種類あるいは枚数をコイン制御部107が検出することで、その設定に応じた処理を行なうこともできる。あるいは、本写真撮影装置が複数のコイン投入口26を備え、対応するコイン投入口26にコインを投入することで適した処理を行なうこともできる。なお、この場合、コイン投入口26をコインの直径や厚みに応じた形状とし、対応していないコインが間違って他のコイン投入口26に入らないようにされていることが好ましい。さらに、各コイン投入口26には、文字やイラストによる案内に加えて、点字による案内がなされていることがより好ましい。あるいは、読取装置が読み取った診察券の情報、保険証の内容などに応じた処理を行なうこともできる。
【0067】
なお、本写真撮影装置のカーテン5が撮影時のみ降ろされるものである場合には、撮影処理の開始に先だって、自動的にカーテン5が降ろされてもよい。その際、複数種類のカーテン5を備える場合には、上述のように、ユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの様々な属性に応じた種類のカーテン5を選択して降ろすことが好ましい。具体的には、ユーザ15が男性なら青色、女性なら赤色のカーテン5を降ろしたり、17歳以下なら「小児」の文字が入ったカーテン5を降ろしたりすることが考えられる。
【0068】
撮影処理を開始すると、カメラ21で被写体であるユーザ15を撮影する。このとき、時間経過とともに「3、2、1」などのカウントダウンをディスプレイ13あるいはスピーカ23a,23bに出力して撮影してもよい。また、操作ボタン51を押下して、あるいは、マイク24から音声を入力して撮影を指示してもよい。また、カメラ21が取得する画像をディスプレイ13にリアルタイムに表示し、所望のタイミングで撮影を指示してもよい。
【0069】
撮影は、PC101からカメラ21に撮影信号が送信されることでシャッタが切られ、実行される。ステップS120での撮影は、複数回行なうことが好ましいが、ユーザ15に負担の減少させる観点からは1回で行なうことが好ましい。あるいは、1回の撮影動作で連続的に複数の写真を撮影する(連写する)ことが好ましい。しかし、1回の撮影では目を閉じてしまう場合もある。そこで、撮影した画像に対してPC101において画像認識処理を行なってユーザ15が目を閉じているか否かを認識して、目を閉じていると認識された場合には、「目を閉じた可能性があります。もう一度撮影しますか?」とスピーカ23あるいはディスプレイ13から出力して再度撮影するように促がすことが好ましい。この場合、ユーザ15は、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24から音声入力で再度の撮影を行なうか否かの指示をし、それに応じて、ステップS120の処理を再度行なう、あるいは次のステップに処理を進める。
【0070】
次に、ステップS120で撮影した画像をディスプレイ13に表示し、この写真を印刷するか否かの指示を受付ける(S130)。ここでは、「この写真を印刷しますか?」などをスピーカ23あるいはディスプレイ13から出力して、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24からの音声入力によって、「はい」あるいは「いいえ」の入力を受付ける。また、ステップS120で複数の写真を撮影した場合には、撮影した各々の画像に番号などの識別情報を付与して表示し、識別情報で選択可能とする。そして、操作ボタン51からの入力あるいはマイク24からの音声入力で、印刷する画像の番号、あるいは、撮り直しの指示を受付ける。なお、ステップS130以降の処理において、ステップS120で撮影された画像に替えて、メモリカード挿入口30から挿入されたメモリカードなどの記録媒体から読取られた画像データを用いてもよい。すなわち、写真撮影装置まで撮影を行ないに来ることのできない患者などが予め撮影した画像データを読取らせることで、ステップS130以降では、その読取られた画像データを用いて同様の処理を行なうことができる。
【0071】
ステップS130で、撮影された画像の印刷を行なわない旨の入力があった場合には(S130でNO)、ステップS120に処理を戻して撮影を再度行ない、ステップS130で撮影画像を印刷するか否かの指示を受付ける。
【0072】
ステップS130で撮影画像の印刷を行なう場合には(S130でYES)、撮影画像に対して画像調整と画像加工とを行なう(S140)。ステップS140では、PC101の制御部が記憶装置に記憶されていてプログラムを読出して実行し、必要に応じて撮影画像の明るさ調整などを行なうことが好ましい。また、ステップS140では、設定モードでの設定に応じて撮影画像に対して加工処理を行なうことも好ましい。加工処理としては、撮影画像から被写体部分を抽出し、被写体以外の部分に指定された色彩を合成するような処理が挙げられる。合成される色彩は、予め設定モードで設定されており、ユーザ15の性別や年齢や受診科や保険証の種類や保険証の有効期限などの属性に応じて指定されているものである。このような加工処理を行なう場合には、背景となるカーテン5の色は、被写体を抽出しやすいように青色などであることが好ましい。
【0073】
ステップS140での画像調整処理および画像加工処理が終了すると、予め設定モードで設定されているレイアウトにしたがって印刷画像データを生成し、印刷可能であるプリンタ12に出力する。さらに、ユーザ15をプリンタ12の前に誘導するアナウンス(たとえば「写真は右側から出ます」)をスピーカ23またはディスプレイ13より出力して、プリンタ12に印刷を実行させる(S150)。なお、この際、予め設定モードで設定されている撮影画像以外のテキストや画像などの情報を、撮影画像と共に印刷媒体に印刷してもよい。撮影画像と共に印刷される情報は、設定モードにおいて入力されている情報であってもよいし、読取装置によって、診察券や保険証などから読取られた情報に含まれている情報であってもよいし、LANなどを介して他の装置から入力された情報であってもよいし、投入されたコインの種類や数に応じて予め設定モードで印刷するように設定されている情報であってもよい。
【0074】
そして、撮影画像が印刷された印刷媒体をプリント取出口9より排出してユーザ15に提供する(S160)。さらに、ステップS160では、LAN等の通信回線を介して他の装置に対して撮影画像データを送信してもよい。これにより、写真撮影装置を設置している病院などの医療機関に電子カルテシステムなどのシステムが構築されている場合に、そのようなシステムにおいて本写真撮影装置で撮影された撮影画像データを用いることができる。
【0075】
以上の処理が、ユーザ15が使用する際に本写真撮影装置で実行される処理である。そして、上述の処理を終了すると、次にコインが投入されるまで、再度案内画面をディスプレイ13から出力し、さえずり音などのBGMをスピーカ23から出力して待機する。あるいは、それらの出力なく、次のコインの投入まで待機してもよい。
【0076】
上述の処理は、ユーザ15が老人や子供など写真撮影装置の操作に不慣れな場合も想定されるため、制限時間なく実行されることが好ましい。しかし、撮影処理中に、何らか事情で当該処理を放棄する場合なども想定されるため、十分に余裕のある程度の制限時間を設けることも好ましい。またあるいは、所定時間内にユーザ15からの指示等の操作入力がない場合にタイムアウトとして処理を終了することも好ましい。
【0077】
次に、設置者が設定モードにおいて、写真撮影装置の利用方法についての種々の設定を行なう操作について具体的に説明する。
【0078】
上述のように、ステップS110のコインの投入に替えてメンテナンスパネル200の設定スイッチを押下することによって設定モードが起動する。設定モードが起動すると、始めに、図14に示すような設定メニュー画面がディスプレイ13に表示される。設定モードにおいては、図14の設定メニュー画面に示される各設定を行なうことができる。具体的には、プリント取出口9が筐体1の左右など複数箇所にある場合には、いずれのプリント取出口9から印刷された印刷媒体を排出するかを設定する「プリント出口設定」や、カメラ21やプリンタ12の機能をテストする「カメラ&プリントテスト」や、日付け情報をPC101に対して設定する「カレンダー設定」や、表示色を確認および調整するための「カラーバー」や、撮影処理における利用方法を設定するための「利用方法設定」などを行なうことができる。図14の設定メニュー画面に示されるこれらのメニューの中から実行するものを操作ボタン51での入力あるいはマイク24からの音声入力で選択することで、各々の設定を行なうモードが起動する。
【0079】
さらに、設定メニュー画面の「利用方法設定」を選択することで、利用方法設定モードが起動し、図15に示される利用方法設定メニュー画面がディスプレイ13に表示される。利用方法設定モードにおいては、図15の利用方法設定メニュー画面に示される各利用方法の設定を行なうことができる。具体的には、シートレイアウトや印刷内容を設定する「シート設定」や、ユーザ15が写真撮影装置の利用を開始するための方法を設定する「利用開始方法設定」や、写真撮影装置の起動時刻を設定する「起動時刻設定」などを行なうことができる。図15の利用方法設定メニュー画面に示されるこれらのメニューの中から実行するものを操作ボタン51での入力あるいはマイク24からの音声入力で選択することで、各々の利用方法設定を行なうモードが起動する。
【0080】
以下に、図15の利用方法設定メニュー画面に示される各利用方法設定を行なうモードについて、具体的に説明する。
【0081】
(シート設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「シート設定」を選択することで、設置者は、撮影した被写体の画像をどのように印刷するかを設定することができる。医療機関の事情に応じて必要な写真の枚数は異なることが多く、また、すでに発行された診察券やカルテに写真を利用する場合には、写真を貼る余白部によって必要とする写真のサイズが異なることが多い。
【0082】
図15の利用方法設定メニュー画面において「シート設定」を選択すると、シート設定モードが起動し、図16に示されるテキスト入力画面がディスプレイ13に表示される。テキスト入力画面において、設置者は、印刷媒体に撮影画像と共に印刷したいテキスト情報を入力することができる。図16に示されるテキスト入力画面では、表示される文字を操作ボタン51で選択することで入力ができる。また、このような入力方法に替えて、マイク24からの音声入力でテキスト情報を受付けてもよい。
【0083】
なお、テキスト入力画面において、撮影画像と共に印刷するテキスト情報として、撮影処理を行なう際に、ユーザ15から名前などの情報の音声入力をマイク24で受付けるよう設定できてもよい。
【0084】
テキスト情報の入力が終了すると、次に、図17に示されるレイアウト設定画面がディスプレイに表示される。レイアウト設定画面において、設置者は、印刷媒体に印刷させる撮影画像とテキスト情報とのレイアウトを自由に設定することができる。図17に示されるレイアウト設定画面では、先に入力したテキスト情報「○○○○○病院」の印刷位置を操作ボタン51で移動させて決定することができる。また、撮影画像の印刷位置、印刷サイズを、操作ボタン51で移動させて決定することができる。
【0085】
設定操作方法の具体例としては、操作ボタン51が上下左右移動させるスクロールボタンと決定ボタンとからなる場合には、スクロールボタンでレイアウトの設定を行なうアイテム(テキスト情報、撮影画像)を選択して決定ボタンで決定する。次に、当該アイテムの位置をスクロールボタンで所定の刻みごとに移動させ、決定ボタンで所望の位置を印刷位置として決定する。さらに、当該アイテムの1つの角をスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定し、その角をスクロールボタンで所定の刻みごとに移動させることでサイズを変化させて決定ボタンで所望のサイズに決定する。
【0086】
言うまでもなく、レイアウトの設定方法は、上述の方法に限定されず、その他の方法であってよい。また、シート設定の設定順は、テキスト情報の入力とレイアウト設定の順に限定されず、逆の順であってもよい。
【0087】
このようにシート設定が行なわれることで、ステップS150では、図18および図19に示されるように、任意の位置関係で撮影画像とテキスト情報とを印刷させることができる。
【0088】
また、図20に示されるように、ステップS150で、撮影画像やテキスト情報を任意のサイズで印刷させることができる。
【0089】
また、図21に示されるように、ステップS150で、撮影画像やテキスト情報を任意の向きで印刷させることもできる。これは、撮影画像やテキスト情報の四隅をスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定し、その四隅をスクロールボタンで所定の刻みごとに回転させて決定ボタンで所望の角度に決定する、などの操作方法で設定することができる。
【0090】
なお、シート設定で設定される内容は上述の内容に限定されず、たとえば、印刷させる情報を設定するなどを行なってもよい。具体的には、図示しない印刷情報選択画面などで、撮影画像に加えて、テキスト情報、撮影日時、ユーザ氏名、ユーザ生年月日、およびユーザ血液型などの情報を選択して設定してもよい。さらに、印刷方法として、テキストで印刷する方法と、バーコードなどの記号化/暗号化して印刷する方法とを選択して設定してもよい。これらのユーザ15の情報は、診察券挿入口29から挿入された診察券の情報を読取装置で読取って取得するものであってもよいし、読取装置がOCR機能などを備えている場合には、保険証などから読取って取得するものであってもよい。このように設定することで、ステップS150で、上述の図18〜図21に示されるように、撮影画像と共に撮影日時を印刷させることができる。
【0091】
また、図22に示されるように、ステップS150で、撮影画像と共にユーザ15の氏名をテキストで印刷させることもできる。
【0092】
また、図23に示されるように、ステップS150で、撮影画像と共に撮影日時やユーザ15の生年月日や血液型などの情報をバーコード(図23では2次元バーコード)で印刷させることもできる。このようなバーコードは印刷される写真の枚数より多く余分に印刷され、患者に処方する薬剤、薬剤容器、または患者を識別する必要のある他のもの(ラベルや手術時の腕輪など)に貼ることができ便利である。
【0093】
また、上述の図17に示されるレイアウト設定画面でレイアウトを自由に設定する方法に替えて、図18〜図23に示される画面を予め決められたレイアウトのサンプルとして選択可能にディスプレイ13に表示し、その中から所望のレイアウトの選択を受付けてもよい。
【0094】
上述のステップS160では、このように予め設定されたレイアウトで撮影画像などが印刷された印刷媒体がプリント取出口9から排出される。その際、排出される印刷媒体がシールである場合には、写真撮影装置には、たとえば図24に示されるような、シールを撮影画像の大きさに合わせてカットするための部品が備えられていることが好ましい。図24に具体例として示されるシールをカットするための部品は、印刷媒体に刃を当てた状態で上のボタンを押すことで、シール厚み分だけ刃が繰出され、台紙をカットせずにシールのみをカットする部品である。プリント取出口9からシールである印刷媒体が排出されると、ユーザ15は、印刷されている撮影画像などの大きさに合わせた部品を選択して、必要な撮影画像などをはがしやすいようにシール部分をカットする。そのため、このような部品は、プリント取出口9の近くに備えられることがより好ましい。また、上述のように、設定されている撮影画像などの様々なサイズに応じたサイズの部品が備えられることが好ましい。
【0095】
なお、写真撮影装置がこのような部品をその内部に備え、印刷した印刷媒体をプリント取出口9から排出する前に、自動的にシール部分をカットして排出してもよい。さらにその場合、カットするための部品は図24に示されるような部品に限定されず、設定されたシールのレイアウトに基づいてシール部分をカットするその他の装置であってもよい。
【0096】
(利用開始方法設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「利用開始方法設定」を選択すると、利用開始方法設定モードが起動し、図25に示される利用開始方法選択画面がディスプレイ13に表示される。利用開始方法選択画面において、設置者は、ユーザ15が写真撮影装置の利用を開始するための方法を選択できる。図25に示される利用開始方法選択画面では、所定のコインを投入することで利用を開始する「コイン投入方式」、所定金額の硬貨を投入することで利用を開始する「硬貨投入方式」、読取装置が診察券挿入口29から挿入された診察券である磁気カードを読取ることで利用を開始する「磁気カード方式」、読取装置が診察券挿入口29から挿入された診察券であるICカードを読取ることで利用を開始する「ICカード方式」、センサ25でユーザ15の着座あるいは入室を検出することで利用を開始する「センサ検出方式」などを操作ボタン51で選択して設定することができる。あるいは、これらの方式に付与されて表示される番号などの識別情報をマイク24からの音声入力することで選択して設定できてもよい。なお、さらに利用方法設定メニュー画面において、ステップS100で、案内画面をディスプレイ13あるいはスピーカ23から出力するか否かを設定できてもよい。
【0097】
図25に示される利用開始方法選択画面において「コイン投入方式」を選択すると、図26に示されるコインの種類および枚数を設定するための画面がディスプレイ13に表示され、所定のコインの種類A,B,Cについて使用するか否かや使用する枚数など、投入するコインのタイプを設定することができる。さらに、投入するコインのタイプを設定すると、図27に示される処理の属性を設定するための画面がディスプレイ13に表示され、各タイプについて、処理の属性を設定することができる。ここでは、具体的には、撮影画像の背景色を設定することができる。このように背景色が設定されることで、撮影処理に先だってカーテン5が自動的に降ろされる場合には、投入されたコインのタイプに応じて、設定された背景色であるカーテン5が降ろされる。また、ステップS140では、投入されたコインのタイプに応じて、設定された背景色となるよう撮影画像の画像処理が実行される。さらに、受診科が複数である場合には、最初に受診する診療科に対応した背景色となるように設定するなど、適宜設定が可能である。このようにすることで、予め受付などで、患者の性別や年齢や受診科など属性に応じた種類、枚数のコインを渡すことで、患者であるユーザ15は、受取ったコインをコイン投入口26から投入だけで、そのユーザ15の属性に応じた処理を本写真撮影装置に実行させることができる。たとえば、ユーザ15の性別、年齢などの属性に応じた背景色の写真を撮影することができる。
【0098】
なお、上述のように、同じ種類のコイン1枚もしくは2枚で写真撮影装置の利用を開始できるように設定されている場合に、1枚のコインが投入された時点で利用を開始してしまうと、2枚目のコインの投入ができなくなる場合がある。そこで、このような場合には、コインを投入する前に、投入するコインの種類と枚数とをユーザ15が指定し、その後にコインの投入を行なうことが好ましい。また、コイン投入口26を、複数枚のコインを同時に投入可能に構成することも好ましい。さらに、コインが投入されたことを検知すると、ユーザ15に対して投入終了を確認してから利用を開始するようにすることも好ましい。
【0099】
さらにこのような処理の属性の設定は、利用開始方法として「コイン投入方式」が選択された場合のみならず、「磁気カード方式」や「ICカード方式」が選択された場合にも同様に、磁気カードあるいはICカードから読取られた情報の内容に応じて、背景色などの処理の属性の設定が行なわれることが好ましい。
【0100】
なお、上述の設定操作方法もまた、操作ボタン51に含まれるスクロールボタンで選択して決定ボタンで決定する方法が具体的に挙げられる。
【0101】
図25に示される利用開始方法選択画面において「センサ検出方式」を選択すると、センサを選択するための画面(図示せず)がディスプレイ13に表示され、複数あるセンサ25のうちのいずれのセンサからの検出信号に基づいて当該写真撮影装置の利用を開始するかを設定することができる。すなわち、写真撮影装置の利用の開始は、センサ25aでユーザ15の着座を検出したとき、センサ25bでユーザ15の入室を検出したとき、両センサ25でユーザ15の入室および着座を検出したとき、およびいずれかのセンサ25でユーザ15の入室および着座のいずれかを検出したとき、のいずれかのタイミングを選択可能であり、利用状況などに応じて選択することができる。たとえば、写真撮影装置が、車椅子の患者の通院が多い病院に設置されている場合には、ユーザ15は車椅子のまま撮影することが多く、センサ25aで着座を検出したときに利用を開始するよりも、センサ25bで入室を検出したときに利用を開始するように設定した方が便利である。
【0102】
(起動時刻設定)
図15の利用方法設定メニュー画面において「起動時刻設定」を選択すると、起動時刻設定モードが起動し、図28に示される起動時刻設定画面がディスプレイ13に表示される。起動時刻設定画面において、設置者は、本写真撮影装置を稼動させる時刻を設定でき、写真撮影装置が当該写真撮影装置を稼動させる時刻を制御するタイマを備える場合、設定時刻に当該写真撮影装置を稼動させることができる。図28に示される起動時刻設定画面では、曜日ごとに起動時刻および終了時刻を設定できる。なお、ユーザ15が当該写真撮影装置を利用中に設定された終了時刻に達した場合には、現在の利用の終了を待って写真撮影装置の稼動停止を行なうようにされていることが好ましい。このことで、ユーザ15が利用中に、突然写真撮影装置が停止されることを防ぐことができる。また、図29に示される起動期間設定画面がディスプレイ13に表示されてもよい。図29に示される起動期間設定画面では、当該写真撮影装置が設置されている病院などの医療機関の休診日に対応させて、一定期間起動しないように設定できる。
【0103】
さらに、利用方法設定モードでは、図15の利用方法設定メニュー画面にはその他の利用方法の設定が行なわれてもよい。具体的には、写真撮影装置で撮影された画像の出力方法の設定も行なわれてもよい。たとえば、写真撮影装置を設置している病院などの医療機関に電子カルテシステムなどのシステムが構築されている場合に、画像の出力方法として、LAN等の通信回線を介して電子カルテシステムに画像データを出力するように設定することもできる。さらにその場合、画像データと共に、読取装置で読取った患者であるユーザ15の保険証の情報なども出力されてもよい。
【0104】
上述の利用方法の設定を含む設定モードでの操作方法は、操作ボタン51での入力する方法あるいはマイク24からの音声入力する方法に替えて、所定の指示用紙を用いる方法であってもよい。具体的には、マークシートなど、読取装置で読取可能な所定の指示用紙に各設定項目について指示を記入し、写真撮影装置の所定の挿入口から挿入して読取装置に読取らせることで上述の設定がなされてもよい。また、カメラ21で上述の指示用紙を撮影して、PC101で撮影された指示用紙の画像が画像解析されることで、上述の設定がなされてもよい。
【0105】
本実施の形態における写真撮影装置においては、上述ように設置者が各種の設定を容易に行なうことができる。そのため、すでに発行されている診察券やカルテなどのサイズに応じた写真を印刷することができ、既存のシステムを変更することなくに容易に導入し運営することができる。
【0106】
また、設置者が各種の設定を行なっておくだけで、写真撮影にあたって患者であるユーザ15は操作を行なう必要がない。そのため、子供から老人まで幅広いユーザが利用可能であり、また、設置者は、利用方法を説明するための人員を確保する必要がない。
【0107】
[変形例]
変形例として、本写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合について説明する。
【0108】
本写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合には、患者であるユーザ15は、予め受付など初診あるいは再診に対応したコインを受取り、上述のステップS110でそのコインをコイン投入口26に投入することで初診受付処理が実行される。
【0109】
その場合も、上述と同様に、その内部あるいは接続された読取装置で保険証や必要事項を記入した指示用紙などの情報を読取る処理と、ステップS120で、カメラ21で患者であるユーザ15を撮影する処理とを行なう。
【0110】
なお、その際、保険証から読取った情報をディスプレイ13に表示し、ユーザ15より、操作ボタン51の入力、あるいはマイク24からの音声入力を受付けて、その内容を確認することが好ましい。たとえば、保険証に記載されている住所は手書きであることが多く、OCR機能を備える読取装置で読取った場合に、その字体によっては誤って読取る場合もあるからである。また、ユーザ15の氏名や生年月日などが保険証の扶養家族欄に記載されている場合もあるため、保険証に記載されている全家族の氏名などを選択可能にディスプレイ13に表示し、ユーザ15より、操作ボタン51の入力、あるいはマイク24からの音声入力を受付けて、当該ユーザ15を特定することが好ましい。
【0111】
次に、PC101は、自動的に当該ユーザ15に対してカルテナンバーを割振り、ステップS150において、撮影画像と共に、保険証や指示用紙などから読取った情報とカルテナンバーとを印刷媒体に印刷する。この際、読取った情報は、二次元バーコードや三次元バーコードなどにコード化されて印刷されることが好ましい。同時に、LAN等の通信回線を介して、それらの情報を電子カルテシステムに出力する。
【0112】
このようにして初診受付装置である写真撮影装置で印刷される印刷媒体の具体例を図30に示す。すなわち、変形例においては、図30に示されるように、撮影画像と共に、診察券も印刷することができる。このため、変形例においては、写真撮影装置のプリンタ12にセットされる印刷媒体は、厚手の素材であることが好ましい。また、撥水加工がされた素材であることがより好ましい。また、排出される印刷媒体は、図30の点線部に示される位置に、診察券のみ切離せるようにミシン目のカットがなされていることが好ましい。
【0113】
このように、本写真撮影装置を初診受付装置として用いることで、本写真撮影装置が設置されている病院などの医療機関を初めて訪れた患者の受付を、人手をかけずに行なうことができる。また、患者も容易な操作で写真付きの診察券を作成することができる。
【0114】
なお、本実施の形態においては、写真撮影装置を病院などの医療機関に設置する場合について説明を行なったが、設置される施設は病院に限定されるものではなく、顔写真をIDに用いて特定のメンバーの情報を管理するような施設であれば、他のどのような施設に備えられてもよい。たとえば、会社の受付けや、スポーツクラブや、美容院などの施設に備えられてもよい。
【0115】
さらに、上述の写真撮影装置の制御方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0116】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における医療機関用写真撮影装置の外観の具体例を示す図である。
【図2】椅子6の構成の具体例を示す図である。
【図3】椅子6の構成の他の具体例を示す図である。
【図4】筐体1を正面(撮影ブース4内方向)から見た具体例を示す図である。
【図5】カメラ21の位置の具体例を示す図である。
【図6】カメラ21の位置の具体例を示す図である。
【図7】カメラ21による撮影方法の具体例を示す図である。
【図8】撮影画像から顔画像を得る方法の具体例を示す図である。
【図9】筐体1内部の簡略な構造の具体例を示す図である。
【図10】複数のプリンタ12a,12bの筐体1内部での配置の具体例を示す図である。
【図11】本写真撮影装置の機能を示すブロック図である。
【図12】写真撮影装置の外観の他の具体例を示す図である。
【図13】本実施の形態における写真撮影装置での処理を示すフローチャートである。
【図14】設定メニュー画面の具体例を示す図である。
【図15】利用方法設定メニュー画面の具体例を示す図である。
【図16】テキスト入力画面の具体例を示す図である。
【図17】レイアウト設定画面の具体例を示す図である。
【図18】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図19】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図20】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図21】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図22】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図23】印刷媒体のレイアウトの具体例を示す図である。
【図24】シールをカットするための部品の具体例を示す図である。
【図25】利用開始方法選択画面の具体例を示す図である。
【図26】コインの種類および枚数を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図27】処理の属性を設定するための画面の具体例を示す図である。
【図28】起動時刻設定画面の具体例を示す図である。
【図29】起動期間設定画面の具体例を示す図である。
【図30】写真撮影装置を初診受付装置として用いる場合に、写真撮影装置において印刷される印刷媒体の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体、2 パネル、3 フレーム材、4 撮影ブース、5 カーテン、6椅子、9 プリント取出口、10 印刷中LED、11 印刷エラーLED、12,12a,12b プリンタ、13 ディスプレイ、15 ユーザ、18 照明ボックス、21 カメラ、22,m1,m2 反射板、23,23a,23b スピーカ、24 マイク、25,25a,25b センサ、26 コイン投入口、28 フロントドア、29 診察券挿入口、30 メモリカード挿入口、31 電源スイッチ、51 操作ボタン、101 PC、102 制御部、103 電源制御部、104 UPS、107 コイン制御部、200 メンテナンスパネル。
Claims (1)
- 被写体の撮影画像を取得する取得手段と、
前記撮影画像を出力する出力手段と、
前記取得手段と前記出力手段とを制御する制御手段とを備える写真撮影装置であって、
当該写真撮影装置の利用の方法を設定する利用方法設定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記利用方法設定手段で設定された前記利用の方法に基づいて、前記取得手段と前記出力手段とを制御することを特徴とする、写真撮影装置。
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---|---|---|---|
JP2003044037A JP2004254171A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 写真撮影装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003044037A patent/JP2004254171A/ja active Pending
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