JP2004254138A - コンデンサマイクロホン - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサマイクロホンの薄型化および軽量化を行う。
【解決手段】本発明のコンデンサマイクロホン10Aは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Aと、半導体素子12と電気的に接続され且つ封止樹脂13の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のコンデンサマイクロホン10Aは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Aと、半導体素子12と電気的に接続され且つ封止樹脂13の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号を感知するコンデンサの固定電極層を半導体装置の表面に設けることで、軽量化及び薄型化を実現するコンデンサマイクロホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16を参照して、従来型のコンデンサマイクロホン100の構成を説明する(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
従来型のコンデンサマイクロホン100は、振動板106、固定電極107および半導体装置110がケース材101に収納されていることで構成されていた。振動板106と固定電極107は、スペーサ103が両者の間に挟み込まれることにより、一定距離で離間されてコンデンサを形成している。そして、外部から進入する音響に応じて振動板106が振動することで、このコンデンサの容量値が変化する。半導体装置110にはFETが内蔵されており、上記したコンデンサの容量変化がFETのゲート電極に加印されることにより、オーディオ信号を電気信号に変換していた。
【0004】
また、コンデンサマイクロホン100は、振動板106とケース材101とを離間させるリング102、振動板106と固定電極107とを離間させるスペーサ103、半導体装置110を収納するホルダ104および実装基板105が、ケース材101に内蔵されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−50393号公報(第8頁、第9図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来型のコンデンサマイクロホン100では、振動板106、固定電極107および半導体装置110が別々の部品としてケース材101に内蔵されている。従って、コンデンサマイクロホン100の薄型化に限界があり、全体の厚みが2mm程度以上に成ってしまう問題があった。
【0007】
更に、固定電極107と半導体装置110とを接続部108を介して接続しなければならないので、このこともコンデンサマイクロホン100の薄型化を阻害していた。
【0008】
更にまた、リング102、スペーサ103、ホルダ104および実装基板105は、コンデンサマイクロホン100を構成するための必須の構成要素とは言えない。このことから、これらの部品を多用することも、コンデンサマイクロホン100の薄型化を阻害していた。
【0009】
本発明はこのような問題を鑑みて成されたものであり、本発明の主な目的は、固定電極を半導体装置の表面に設けることにより、薄型化および軽量化を実現するコンデンサマイクロホンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、前記半導体素子と電気的に接続され且つ前記封止樹脂の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は、導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、前記導電パターンの一部から成り且つコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(コンデンサマイクロホンの構成を説明する第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明のコンデンサマイクロホン10Aの構成等を説明する。図1(A)はコンデンサマイクロホン10Aの断面図であり、図1(B)は図1(A)X−X’での平面図であり、図1(C)は図1(A)のY―Y’での断面図である。
【0013】
図1(A)を参照して、本発明のコンデンサマイクロホン10Aは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Aと、半導体素子12と電気的に接続され且つ封止樹脂13の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。このような各構成要素を以下にて説明する。
【0014】
導電パターン11は、銅等の金属から成り、裏面を露出させて封止樹脂13に埋め込まれている。ここでは、導電パターン11は、半導体素子12が実装されるダイパッドを形成する導電パターン11Bと、ボンディングパッドとなる導電パターン11Aを形成している。
【0015】
図1(B)を参照して、導電パターン11Bは、中央部に配置されており、その上部には接着剤を介して回路素子12が固着されている。封止樹脂13から露出する導電パターン11Aの裏面は、ソルダーレジスト19により保護されている。導電パターン11Aは、導電パターン11Bを囲むように複数個が半導体装置20Aの周辺部に配置されており、金属細線16を介して半導体素子12の電極と電気的に接続されている。また、導電パターン11Aの裏面には、半田等のロウ材から成る外部電極18が形成されている。更に、1つの導電パターン11Aは、貫通孔26に設けた接続部15を介して固定電極層14と電気的に接続されている。また、導電パターン11A同士を接続する配線部が形成されても良い。なお、ここでは導電パターン11は単層の配線構造であるが、2層以上の多層の配線構造が導電パターン11により構成されても良い。このことにより、より複雑な回路を半導体装置20A内部に構成することができる。
【0016】
封止樹脂13は、導電パターン11の裏面を露出させて、全体を封止している。ここでは、半導体素子12、金属細線16および導電パターン11を封止している。封止樹脂13の材料としては、トランスファーモールドにより形成される熱硬化性樹脂や、インジェクションモールドにより形成される熱可塑性樹脂を全般的に採用することができる。
【0017】
半導体素子12はFETが採用され、金属細線16および接続部15を介してゲート電極が固定電極層14と電気的に接続されている。半導体素子12のソース電極およびドレイン電極は、金属細線16を介して、ボンディングパッドを形成する導電パターン11Aと接続されている。このことにより、固定電極層14および振動膜21から成るコンデンサの容量変化を、半導体素子12で電気信号に変換できる。具体的な回路構成に関しては、図2を参照して後述する。また、半導体素子12としては、単体のFET以外の半導体素子を採用することもできる。例えば、バイポーラ型及びMOS型の能動素子、抵抗等の受動素子が集積化されて増幅回路やノイズキャンセル回路が構成されたICを半導体素子12として採用することも可能である。
【0018】
貫通孔26は、封止樹脂13の一部を削除することにより形成され、底部には導電パターン11Aの表面が露出している。この貫通孔26の側面部には、金属膜から成る接続部15が形成され、封止樹脂13の表面に形成された固定電極層14と、導電パターン11Aとが電気的に接続されている。また、貫通孔26の形状は、平面方向の断面がほぼ円形に形成され、封止樹脂13の表面付近の断面が、下部の断面よりも大きく形成されている。
【0019】
図1(C)を参照して、固定電極層14は、銅等の金属から構成されており、電解メッキ法または無電界メッキ法等により封止樹脂13の表面に形成されている。そして、固定電極層14は、貫通孔26に形成された接続部15を介して、半導体素子12のゲート電極と接続されている。また、固定電極層14と接続部15は、メッキ膜により一体に形成されても良い。ここでは、固定電極層14は円形に形成されている。
【0020】
振動膜21は、固定電極層14に対向して、一定距離に離間されて設けられてコンデンサのもう1つの電極を形成している。振動膜21としては、半永久的に電荷を持たせた樹脂膜を採用することができる。このような振動膜21が採用されたものを、エレクトレットコンデンサマイクと呼ぶ。
【0021】
接続部15は、貫通孔26の側面および底面に形成された金属層であり、固定電極層14と導電パターン11Aとを電気的に接続する働きを有する。また、貫通孔26に充填されるように接続部15を形成することも可能である。
【0022】
上記した固定電極層14と接続部15とは、メッキ法により一体して形成されている。メッキ法により、封止樹脂13の表面、貫通孔26の側面および導電パターン11Aの表面に均等な厚みの金属層を形成することができる。従って、固定電極層14と一体化して形成された接続部15により、固定電極層14と導電パターン11Bとは電気的に確実に接続される。
【0023】
図2を参照して、コンデンサマイクロホン10Aの回路構成を説明する。点線24で囲まれる領域が、半導体装置20Aに内蔵される回路である。FETである半導体素子12のゲート電極は、金属細線16等を介して、封止樹脂13の表面に設けた固定電極層14と電気的に接続されている。そして、半導体素子のドレイン電極は、抵抗22を介して電源Vccに接続され、更に、カップリングコンデンサ23を介して、交流側に出力される。また、半導体素子12のソース電極および振動膜21は、GNDに接地されている。従来型のコンデンサマイクロホンでは、固定電極層と半導体素子が別個の構成要素であったが、本発明では、半導体素子12を封止する封止樹脂13の表面に、固定電極層14が設けられているので、簡素化された構造を得ることができる。
【0024】
図3を参照して、ケース材25に半導体装置20Aが内蔵されたコンデンサマイクロホン10Aの構成を説明する。図3(A)は半導体装置20Aが実装基板24を介してケース材25に固定されたコンデンサマイクロホン10Aの断面図であり、図3(B)は半導体装置20Aが直接にケース材25に固定されたコンデンサマイクロホン10Aの断面図である。
【0025】
図3(A)を参照して、コンデンサマイクロホンを構成する振動膜21と固定電極層14が表面に形成された半導体装置20Aは、ケース材25内部に収納されている。ケース材25は、アルミ等の金属または樹脂から成り、上部に穿設された中心孔から内部に音響が進入する。また、ケース材25は円筒状の外形を有する。従って、ケース材25の内壁に収納されるリング27A、27B、振動膜21、実装基板24は、円盤状の形状を有する。
【0026】
リング27Aおよび27Bは、コンデンサマイクを構成する各要素の位置決めを行うために用いられ、その中心は抜けてリング(輪)状に成っている。リング27Aは、振動膜21をケース材25から離間させる働きを有する。リング27Bは、振動膜21と半導体装置20Aとを離間させる働きを有する。固定電極層14は、半導体素子12の上面に形成されているので、本発明では、振動膜21と固定電極層14とを離間させるスペーサーを排除した構成を得ることができる。
【0027】
実装基板24は上部に半導体装置20Aが実装され、更にケース材25を密閉させる働きを有する。実装基板24の両面には導通された導電路が形成されており、表面の導電路に外部電極を介して半導体装置20Aが実装されている。また、振動膜21と実装基板24とは、ケース材25本体若しくは導通ピン等を介して導電路に接続されている。実装基板24の裏面に形成された導電路は、表面の導電路と導通しており、リードまたは半田電極等を設けることによって外部との接続部が形成される。
【0028】
図3(B)を参照して、ここでは、半導体装置20Aが直接にケース材25の内壁に固定されている。即ち、図3(A)に於いて実装基板24を省いた構成と成っている。ここで用いる半導体装置20Aは、ケース材25の内壁に嵌合するように円形の外形を有する。このような形状の半導体装置20Aは、レーザー等を用いて、半導体装置20Aの外形を形成する封止樹脂13を、円形状に切断することで、製造することができる。実装基板24を省いた構成により、コンデンサマイクロホン10Aの構成をより薄型で且つ簡素化することができる。
【0029】
ここでは、半導体装置20Aは、ケース材25内部を密閉する働きを有し、更に、裏面に形成された外部電極18が、マイクロホン10Aの外部端子の働きを有する。
【0030】
図4を参照して他の形態のコンデンサマイクロホン10Bの構成を説明する。コンデンサマイクロホン10Bは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Bと、導電パターン11の一部から成り且つコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。図1に示すコンデンサマイクロホン10Aと共通する箇所は同一符号が付してあり、共通する箇所の具体的な説明は省略する。
【0031】
図4(A)を参照して、半導体装置20Bは、導電パターン11Aが露出する面を上側にして載置される。そして、半導体素子21が固着される導電パターン11が、固定電極層14として機能している。そして、固定電極層14と、振動膜21とでコンデンサが形成されている。また、固定電極層14と半導体素子12とは、金属細線16と導電パターン11Aを介して電気的に接続されている。
【0032】
図4(B)を参照して、導電パターン11の具体的な形状を説明する。ここでは、半導体素子12が載置されるランド状の導電パターン11が中央部に形成され、この導電パターン11が固定電極層14として機能している。更に、内蔵される半導体素子12と金属細線16を介して接続される導電パターン11Aが、その周囲に設けられている。また、1つの導電パターン11Aは、固定電極層14と連続している。
【0033】
図5を参照して、図4に示した半導体装置20Bがケース材25に内蔵されたコンデンサマイクロホン10Bの構成を説明する。ケース材25は円筒形の形状を有し、振動膜21および半導体装置20Bが内蔵されている。また、図3に示したコンデンサマイクロホン10Aと同様にリング27A、27Bにより各要素が位置決めされている。
【0034】
半導体装置20Bは、導電パターン11が露出する面を上面にして、絶縁性接着材を介して実装基板24に固着されている。また、導電パターン11Aは、金属細線28を介して、実装基板の表面に形成された導電路と電気的に接続されている。従って、導電パターン11は、半導体素子12の載置領域、配線部、半導体装置20B内部におけるボンディングパッド以外の機能を有している。即ち、固定電極層14および金属細線28のボンディングパッドとなる機能を兼ね備えている。半導体装置20B以外の構成要素は、図3にて説明したものと同一である。
【0035】
上記したコンデンサマイクロホン10Bでは、半導体装置20Bの形状が、図1にて示した半導体装置20Aよりも簡素化された構成を有するので、より低コストなコンデンサマイクロホンを構成することができる。
【0036】
本発明の特徴は、封止樹脂13の上面に固定電極層14を設けて、固定電極層14と半導体素子12とを電気的に接続したことにある。具体的には、封止樹脂13の上面には金属膜から成る固定電極層14が形成され、貫通孔26に設けた接続部15を介して、固定電極層14と半導体素子12とは電気的に接続されている。従って、FETである半導体素子12のゲート電極と固定電極層14とが接続されることにより、オーディオ信号を電気信号に変換することができる。このことから、コンデンサマイクロホン10Aの薄型化および軽量化を実現することができる。
【0037】
更に、本発明の特徴は、封止樹脂13の一部を削除することにより設けた貫通孔26を介して、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続することにある。具体的には、貫通孔26の側面およびその底面から露出する導電パターンには、金属膜から成る接続部15が形成される。そして接続部15と固定電極層14とはメッキ法等により一体的に形成されるので、固定電極層14と導電パターン11Bとは電気的に接続されている。このことにより、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続するための他の構成要素を追加する必要が無い。
【0038】
また、上記の説明では、導電パターン11は単層の配線構造を有するが、導電パターンを多層の配線構造に形成することも可能である。具体的には、絶縁層を介して複数の層を形成する導電パターンを形成し、各層の導電パターンを接続部で電気的に接続することにより、多層の配線構造を実現することができる。
【0039】
(回路装置10の製造方法を説明する第2の実施の形態)
本実施例では、コンデンサマイクロホン10Aの製造方法を、半導体装置20Aの製造方法を中心に説明する。本実施の形態では、コンデンサマイクロホン10Aは次の様な工程で製造される。即ち、導電箔30を用意する工程と、導電箔30にその厚みよりも浅い分離溝32を形成して複数個の導電パターン11を形成する工程と、導電パターン11に半導体素子12を固着する工程と、半導体素子12を被覆し、分離溝32に充填されるように封止樹脂13でモールドする工程と、導電パターン11が露出するように封止樹脂13に貫通孔26を形成する工程と、封止樹脂13の表面に固定電極層14を形成し、同時に貫通孔26の側面および底面に接続部15を形成する工程と、封止樹脂13が露出するまで導電箔30の裏面を除去する工程と、封止樹脂13をダイシングすることにより各回路装置に分離する工程と、ケース材25にコンデンサマイクを構成する要素を組み込む工程とから構成されている。以下に、本発明の各工程を図6〜図15を参照して説明する。
【0040】
第1工程:図6から図8参照
本工程は、導電箔30を用意し、導電箔30にその厚みよりも浅い分離溝32を形成して複数個の導電パターン11を形成することにある。
【0041】
本工程では、まず図6の如く、シート状の導電箔30を用意する。この導電箔30は、ロウ材の付着性、ボンディング性、メッキ性が考慮されてその材料が選択され、材料としては、Cuを主材料とした導電箔、Alを主材料とした導電箔またはFe−Ni等の合金から成る導電箔等が採用される。導電箔の厚さは、後のエッチングを考慮すると10μm〜300μm程度が好ましいが、300μm以上でも10μm以下でも基本的には良い。後述するように、導電箔30の厚みよりも浅い分離溝32が形成できればよい。
【0042】
続いて、図7に示す如く、導電箔30の上に、ホトレジスト(耐エッチングマスク)31を形成し、導電パターン11となる領域を除いた導電箔30が露出するようにホトレジスト31をパターニングする。
【0043】
そして、図8を参照して、導電箔30を選択的にエッチングする。ここでは、導電パターン11は、ダイパッドを形成する導電パターン11Bと、ボンディングパッドを構成する導電パターン11A等を構成する。また、分離溝32の側面は湾曲に成り、この部分に充填される封止樹脂13との密着は強固になる。
【0044】
第2工程:図9参照
本工程は、導電パターン11Bに半導体素子12を固着し、半導体素子12と導電パターン11Bとを電気的に接続することにある。
【0045】
図9を参照して、導電パターン11Bに接着剤を介して半導体素子12を実装する。ここで、接着剤としては絶縁性のものを用いることができる。更に、半導体素子12の電極と所望の導電パターン11Aとのワイヤボンディングを行う。具体的には、導電パターン11Bに実装された半導体素子12の電極と所望の導電パターン11Aとを、熱圧着によるボールボンディング及び超音波によるウェッヂボンディングにより一括してワイヤボンディングを行う。
【0046】
ここでは、半導体素子12として、FETが導電パターン11Bに固着されているが、半導体素子12としては、バイポーラ型及びMOS型の能動素子、抵抗等の受動素子が集積化されて増幅回路やノイズキャンセル回路が構成されたICを半導体素子12として採用することも可能である。
【0047】
第3工程:図10参照
本工程は、半導体素子12を被覆し、分離溝32に充填されるように封止樹脂13でモールドすることにある。
【0048】
本工程では、図10に示すように、封止樹脂13は半導体素子12および複数の導電パターン11を被覆し、分離溝32には封止樹脂13が充填され、分離溝32と嵌合して強固に結合する。そして封止樹脂13により導電パターン11が支持されている。また本工程では、トランスファーモールド、インジェクションモールド、またはポッティングにより実現できる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂がトランスファーモールドで実現でき、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂はインジェクションモールドで実現できる。
【0049】
本工程の特徴は、封止樹脂13を被覆するまでは、導電パターン11となる導電箔30が支持基板となることである。従来では、本来必要としない支持基板を採用して導電パターンを形成しているが、本発明では、支持基板となる導電箔30は、電極材料として必要な材料である。そのため、構成材料を極力省いて作業できるメリットを有し、コストの低下も実現できる。また分離溝32は、導電箔の厚みよりも浅く形成されているため、導電箔30が導電パターン11として個々に分離されていない。従ってシート状の導電箔30として一体で取り扱え、封止樹脂13をモールドする際、金型への搬送、金型への実装の作業が非常に容易になる特徴を有する。
【0050】
第4工程:図11参照
本工程は、導電パターン11が露出するように封止樹脂13に貫通孔26を形成することにある。
【0051】
本工程では、封止樹脂13の一部を削除して貫通孔26を形成することにより、導電パターン11Aの表面を露出させる。具体的には、レーザーで封止樹脂13の一部を取り除くことにより貫通孔26を形成して、導電パターン11の表面を露出させる。ここで、レーザーとしては、炭酸ガスレーザーが好ましい。またレーザーで封止樹脂13を蒸発させた後、残査がある場合は、過マンガン酸ソーダまたは過硫酸アンモニウム等でウェットエッチングし、この残査を取り除く。
【0052】
レーザーにより形成された貫通孔26の平面的な形状は円形に形成される。また、貫通孔26の平面的な断面の大きさは、貫通孔26の底部に近い方が小さく形成される。
【0053】
第5工程:図12および図13参照
本工程は、封止樹脂13の表面に固定電極層14を形成し、同時に貫通孔26の側面および底面に接続部15を形成することにある。
【0054】
本工程では、電界メッキ法または無電界メッキ法により、封止樹脂13の上面、貫通孔26の側面部に銅等の金属から成るメッキ膜を形成して、固定電極層14および接続部15を構成する。電界メッキ法によりメッキ膜を構成する場合は、導電箔30の裏面を電極として用いる。図12では、貫通孔26の側面部にも、固定電極層14と同等の厚みを有するメッキ膜が形成されているが、貫通孔26をメッキ材で埋め込むことも可能である。貫通孔26を金属で埋め込む場合には、添加剤を加えられたメッキ液を使用し、このようなメッキは一般的にフィリングメッキと呼ばれている。
【0055】
次に図13を参照して、封止樹脂13の上面に形成された固定電極層14を各回路装置10毎に分離する。具体的には、先ず、各回路装置10の境界線に対応する箇所を除いて、固定電極層14が形成されるようにレジスト35で被覆する。そして、エッチングを行うことにより、各回路装置10の境界線に対応する箇所の固定電極層14を部分的に除去する。また、エッチングが終了した後に、レジスト35は剥離される。
【0056】
第6工程:図14から図15参照
本工程は、封止樹脂13が露出するまで導電箔30の裏面を除去することにある。なお、本工程は、上述した第5工程と同時に行っても良い。
【0057】
図14を参照して、本工程は、導電箔30の裏面を化学的および/または物理的に除き、導電パターン11として分離するものである。この工程は、研磨、研削、エッチング、レーザの金属蒸発等により施される。実験では導電箔30を全面ウェトエッチングし、分離溝32から封止樹脂13を露出させている。その結果、導電パターン11Aおよび導電パターン11Bとなって分離され、封止樹脂13に導電パターン11の裏面が露出する構造となる。すなわち、分離溝32に充填された封止樹脂13の表面と導電パターン11の表面は、実質的に一致している構造となっている。
【0058】
次に、図15を参照して、導電パターン11の露出面が覆われるようにソルダーレジスト19を形成する。封止樹脂13の上面には、銅等の金属から成る固定電極層14が形成されており、封止樹脂13裏面には導電パターン11が露出している。従って、外部電極18が形成される箇所に開口部33を形成して、封止樹脂13の裏面はソルダーレジスト19が塗布される。この開口部33は、露光および現像を行うことにより形成される。
【0059】
次に、開口部33から露出する導電パターン11の裏面に外部電極18を形成する。具体的には、スクリーン印刷等により開口部33に半田等のロウ材を塗布し、融解させることにより、外部電極18は形成される。
【0060】
次に、各半導体装置の境界線に対応する箇所の封止樹脂13をダイシングすることにより、個別の回路装置に分離する。ダイシングライン34に対応する箇所の導電箔30は、裏面からの導電箔をエッチングする工程で除去されている。また、ダイシングライン34に対応する箇所の固定電極層14も、エッチングにより除去されている。従って、本工程では、ダイシングを行うブレードは、封止樹脂13のみを切除するので、ブレードの摩耗を最小限に押さえることができる。
【0061】
以上の工程で製造された半導体装置20Aは、コンデンサマイクロホンを形成する他の構成要素と共に、ケース材25に収納される。そして、例えば図3に示すような最終形状を得る。
【0062】
本発明の特徴は、封止樹脂13の上面に設けた固定電極層14と、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続する接続部15とを一括して形成することにある。具体的には、固定電極層14および接続部15は、一体化したメッキ膜であり、電界メッキ法または無電界メッキ法により形成される。従って、固定電極層14を形成することによる工程数の増加を極力抑えることができる。
【0063】
更に、本発明の特徴は、レーザーを用いて封止樹脂13に貫通孔26を形成することにある。具体的には、レーザーの出力を調節することにより、封止樹脂13のみを除去することが可能なので、レーザーによる除去を封止樹脂13と導電パターン11との界面でストップさせることができる。
【0064】
なお、上記の説明では、レーザーを用いることにより貫通孔26を形成したが、レーザー以外の方法でも貫通孔26を形成することは可能である。具体的には、封止樹脂13をモールドする工程に於いて、封止樹脂13の上面に当接する金型に貫通孔26の形状に対応した凸部を設ける。そして、凸部の先端部を導電パターンの表面に当接させながら封止樹脂13による封止をおこなうことで、この凸部の形状に対応した形状の貫通孔26を形成することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、以下に示すような効果を奏することができる。
【0066】
第1に、半導体装置20Aの表面に固定電極層14を設けることにより、コンデンサマイクロホン10の小型化を実現することができる。また、固定電極層14は、封止樹脂13に設けた貫通孔26を介して半導体素子12と電気的に接続されている。従って、固定電極層14と半導体素子12とを接続する接続部を別途に設ける必要が無い。このことから、軽量且つ薄型で簡素化された構成を有するコンデンサマイクロホンを提供することができる。具体的には、コンデンサマイクロホンのトータルの厚みを1mm以下にすることができる。
【0067】
第2に、半導体素子12を封止する封止樹脂13の表面に固定電極層14が設けられることで、封止樹脂13により半導体素子12と固定電極層14が離間されている。従って、両者が干渉しないので、出力される信号のS/N比を向上させることができる。
【0068】
第3に、半導体装置20Aを直接にケース材25の内壁に固定することができるので、半導体装置20Aを実装するための実装基板を省いてコンデンサマイクロホンを構成することができる。従って、更なる軽量化および薄型化を実現することができる。
【0069】
第4に、半導体素子12の載置領域およびボンディングパッド等を形成する導電パターン11の一部を、固定電極層14として用いることにより、より簡素化された構成を有するコンデンサマイクロホンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、平面図(B)、平面図(C)である。
【図2】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する回路図である。
【図3】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、断面図(B)である。
【図4】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、平面図(B)である。
【図5】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図である。
【図6】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図7】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図9】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図10】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図11】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図12】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図13】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図14】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図15】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図16】従来のコンデンサマイクロホンを説明する断面図である。
【符号の説明】
10A、10B コンデンサマイクロホン
11A、11B 導電パターン
12 半導体素子
13 封止樹脂
15 接続部
14 固定電極層
16 金属細線
20A、20B 半導体装置
25 ケース材
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号を感知するコンデンサの固定電極層を半導体装置の表面に設けることで、軽量化及び薄型化を実現するコンデンサマイクロホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16を参照して、従来型のコンデンサマイクロホン100の構成を説明する(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
従来型のコンデンサマイクロホン100は、振動板106、固定電極107および半導体装置110がケース材101に収納されていることで構成されていた。振動板106と固定電極107は、スペーサ103が両者の間に挟み込まれることにより、一定距離で離間されてコンデンサを形成している。そして、外部から進入する音響に応じて振動板106が振動することで、このコンデンサの容量値が変化する。半導体装置110にはFETが内蔵されており、上記したコンデンサの容量変化がFETのゲート電極に加印されることにより、オーディオ信号を電気信号に変換していた。
【0004】
また、コンデンサマイクロホン100は、振動板106とケース材101とを離間させるリング102、振動板106と固定電極107とを離間させるスペーサ103、半導体装置110を収納するホルダ104および実装基板105が、ケース材101に内蔵されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−50393号公報(第8頁、第9図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来型のコンデンサマイクロホン100では、振動板106、固定電極107および半導体装置110が別々の部品としてケース材101に内蔵されている。従って、コンデンサマイクロホン100の薄型化に限界があり、全体の厚みが2mm程度以上に成ってしまう問題があった。
【0007】
更に、固定電極107と半導体装置110とを接続部108を介して接続しなければならないので、このこともコンデンサマイクロホン100の薄型化を阻害していた。
【0008】
更にまた、リング102、スペーサ103、ホルダ104および実装基板105は、コンデンサマイクロホン100を構成するための必須の構成要素とは言えない。このことから、これらの部品を多用することも、コンデンサマイクロホン100の薄型化を阻害していた。
【0009】
本発明はこのような問題を鑑みて成されたものであり、本発明の主な目的は、固定電極を半導体装置の表面に設けることにより、薄型化および軽量化を実現するコンデンサマイクロホンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、前記半導体素子と電気的に接続され且つ前記封止樹脂の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は、導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、前記導電パターンの一部から成り且つコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(コンデンサマイクロホンの構成を説明する第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明のコンデンサマイクロホン10Aの構成等を説明する。図1(A)はコンデンサマイクロホン10Aの断面図であり、図1(B)は図1(A)X−X’での平面図であり、図1(C)は図1(A)のY―Y’での断面図である。
【0013】
図1(A)を参照して、本発明のコンデンサマイクロホン10Aは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Aと、半導体素子12と電気的に接続され且つ封止樹脂13の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。このような各構成要素を以下にて説明する。
【0014】
導電パターン11は、銅等の金属から成り、裏面を露出させて封止樹脂13に埋め込まれている。ここでは、導電パターン11は、半導体素子12が実装されるダイパッドを形成する導電パターン11Bと、ボンディングパッドとなる導電パターン11Aを形成している。
【0015】
図1(B)を参照して、導電パターン11Bは、中央部に配置されており、その上部には接着剤を介して回路素子12が固着されている。封止樹脂13から露出する導電パターン11Aの裏面は、ソルダーレジスト19により保護されている。導電パターン11Aは、導電パターン11Bを囲むように複数個が半導体装置20Aの周辺部に配置されており、金属細線16を介して半導体素子12の電極と電気的に接続されている。また、導電パターン11Aの裏面には、半田等のロウ材から成る外部電極18が形成されている。更に、1つの導電パターン11Aは、貫通孔26に設けた接続部15を介して固定電極層14と電気的に接続されている。また、導電パターン11A同士を接続する配線部が形成されても良い。なお、ここでは導電パターン11は単層の配線構造であるが、2層以上の多層の配線構造が導電パターン11により構成されても良い。このことにより、より複雑な回路を半導体装置20A内部に構成することができる。
【0016】
封止樹脂13は、導電パターン11の裏面を露出させて、全体を封止している。ここでは、半導体素子12、金属細線16および導電パターン11を封止している。封止樹脂13の材料としては、トランスファーモールドにより形成される熱硬化性樹脂や、インジェクションモールドにより形成される熱可塑性樹脂を全般的に採用することができる。
【0017】
半導体素子12はFETが採用され、金属細線16および接続部15を介してゲート電極が固定電極層14と電気的に接続されている。半導体素子12のソース電極およびドレイン電極は、金属細線16を介して、ボンディングパッドを形成する導電パターン11Aと接続されている。このことにより、固定電極層14および振動膜21から成るコンデンサの容量変化を、半導体素子12で電気信号に変換できる。具体的な回路構成に関しては、図2を参照して後述する。また、半導体素子12としては、単体のFET以外の半導体素子を採用することもできる。例えば、バイポーラ型及びMOS型の能動素子、抵抗等の受動素子が集積化されて増幅回路やノイズキャンセル回路が構成されたICを半導体素子12として採用することも可能である。
【0018】
貫通孔26は、封止樹脂13の一部を削除することにより形成され、底部には導電パターン11Aの表面が露出している。この貫通孔26の側面部には、金属膜から成る接続部15が形成され、封止樹脂13の表面に形成された固定電極層14と、導電パターン11Aとが電気的に接続されている。また、貫通孔26の形状は、平面方向の断面がほぼ円形に形成され、封止樹脂13の表面付近の断面が、下部の断面よりも大きく形成されている。
【0019】
図1(C)を参照して、固定電極層14は、銅等の金属から構成されており、電解メッキ法または無電界メッキ法等により封止樹脂13の表面に形成されている。そして、固定電極層14は、貫通孔26に形成された接続部15を介して、半導体素子12のゲート電極と接続されている。また、固定電極層14と接続部15は、メッキ膜により一体に形成されても良い。ここでは、固定電極層14は円形に形成されている。
【0020】
振動膜21は、固定電極層14に対向して、一定距離に離間されて設けられてコンデンサのもう1つの電極を形成している。振動膜21としては、半永久的に電荷を持たせた樹脂膜を採用することができる。このような振動膜21が採用されたものを、エレクトレットコンデンサマイクと呼ぶ。
【0021】
接続部15は、貫通孔26の側面および底面に形成された金属層であり、固定電極層14と導電パターン11Aとを電気的に接続する働きを有する。また、貫通孔26に充填されるように接続部15を形成することも可能である。
【0022】
上記した固定電極層14と接続部15とは、メッキ法により一体して形成されている。メッキ法により、封止樹脂13の表面、貫通孔26の側面および導電パターン11Aの表面に均等な厚みの金属層を形成することができる。従って、固定電極層14と一体化して形成された接続部15により、固定電極層14と導電パターン11Bとは電気的に確実に接続される。
【0023】
図2を参照して、コンデンサマイクロホン10Aの回路構成を説明する。点線24で囲まれる領域が、半導体装置20Aに内蔵される回路である。FETである半導体素子12のゲート電極は、金属細線16等を介して、封止樹脂13の表面に設けた固定電極層14と電気的に接続されている。そして、半導体素子のドレイン電極は、抵抗22を介して電源Vccに接続され、更に、カップリングコンデンサ23を介して、交流側に出力される。また、半導体素子12のソース電極および振動膜21は、GNDに接地されている。従来型のコンデンサマイクロホンでは、固定電極層と半導体素子が別個の構成要素であったが、本発明では、半導体素子12を封止する封止樹脂13の表面に、固定電極層14が設けられているので、簡素化された構造を得ることができる。
【0024】
図3を参照して、ケース材25に半導体装置20Aが内蔵されたコンデンサマイクロホン10Aの構成を説明する。図3(A)は半導体装置20Aが実装基板24を介してケース材25に固定されたコンデンサマイクロホン10Aの断面図であり、図3(B)は半導体装置20Aが直接にケース材25に固定されたコンデンサマイクロホン10Aの断面図である。
【0025】
図3(A)を参照して、コンデンサマイクロホンを構成する振動膜21と固定電極層14が表面に形成された半導体装置20Aは、ケース材25内部に収納されている。ケース材25は、アルミ等の金属または樹脂から成り、上部に穿設された中心孔から内部に音響が進入する。また、ケース材25は円筒状の外形を有する。従って、ケース材25の内壁に収納されるリング27A、27B、振動膜21、実装基板24は、円盤状の形状を有する。
【0026】
リング27Aおよび27Bは、コンデンサマイクを構成する各要素の位置決めを行うために用いられ、その中心は抜けてリング(輪)状に成っている。リング27Aは、振動膜21をケース材25から離間させる働きを有する。リング27Bは、振動膜21と半導体装置20Aとを離間させる働きを有する。固定電極層14は、半導体素子12の上面に形成されているので、本発明では、振動膜21と固定電極層14とを離間させるスペーサーを排除した構成を得ることができる。
【0027】
実装基板24は上部に半導体装置20Aが実装され、更にケース材25を密閉させる働きを有する。実装基板24の両面には導通された導電路が形成されており、表面の導電路に外部電極を介して半導体装置20Aが実装されている。また、振動膜21と実装基板24とは、ケース材25本体若しくは導通ピン等を介して導電路に接続されている。実装基板24の裏面に形成された導電路は、表面の導電路と導通しており、リードまたは半田電極等を設けることによって外部との接続部が形成される。
【0028】
図3(B)を参照して、ここでは、半導体装置20Aが直接にケース材25の内壁に固定されている。即ち、図3(A)に於いて実装基板24を省いた構成と成っている。ここで用いる半導体装置20Aは、ケース材25の内壁に嵌合するように円形の外形を有する。このような形状の半導体装置20Aは、レーザー等を用いて、半導体装置20Aの外形を形成する封止樹脂13を、円形状に切断することで、製造することができる。実装基板24を省いた構成により、コンデンサマイクロホン10Aの構成をより薄型で且つ簡素化することができる。
【0029】
ここでは、半導体装置20Aは、ケース材25内部を密閉する働きを有し、更に、裏面に形成された外部電極18が、マイクロホン10Aの外部端子の働きを有する。
【0030】
図4を参照して他の形態のコンデンサマイクロホン10Bの構成を説明する。コンデンサマイクロホン10Bは、導電パターン11と、導電パターン11上に載置された半導体素子12と、導電パターン11および半導体素子12を一体に封止する封止樹脂13とから成る半導体装置20Bと、導電パターン11の一部から成り且つコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層14と、固定電極層14に対向して設けられコンデンサの他の電極を形成する振動膜21とを有する構成となっている。図1に示すコンデンサマイクロホン10Aと共通する箇所は同一符号が付してあり、共通する箇所の具体的な説明は省略する。
【0031】
図4(A)を参照して、半導体装置20Bは、導電パターン11Aが露出する面を上側にして載置される。そして、半導体素子21が固着される導電パターン11が、固定電極層14として機能している。そして、固定電極層14と、振動膜21とでコンデンサが形成されている。また、固定電極層14と半導体素子12とは、金属細線16と導電パターン11Aを介して電気的に接続されている。
【0032】
図4(B)を参照して、導電パターン11の具体的な形状を説明する。ここでは、半導体素子12が載置されるランド状の導電パターン11が中央部に形成され、この導電パターン11が固定電極層14として機能している。更に、内蔵される半導体素子12と金属細線16を介して接続される導電パターン11Aが、その周囲に設けられている。また、1つの導電パターン11Aは、固定電極層14と連続している。
【0033】
図5を参照して、図4に示した半導体装置20Bがケース材25に内蔵されたコンデンサマイクロホン10Bの構成を説明する。ケース材25は円筒形の形状を有し、振動膜21および半導体装置20Bが内蔵されている。また、図3に示したコンデンサマイクロホン10Aと同様にリング27A、27Bにより各要素が位置決めされている。
【0034】
半導体装置20Bは、導電パターン11が露出する面を上面にして、絶縁性接着材を介して実装基板24に固着されている。また、導電パターン11Aは、金属細線28を介して、実装基板の表面に形成された導電路と電気的に接続されている。従って、導電パターン11は、半導体素子12の載置領域、配線部、半導体装置20B内部におけるボンディングパッド以外の機能を有している。即ち、固定電極層14および金属細線28のボンディングパッドとなる機能を兼ね備えている。半導体装置20B以外の構成要素は、図3にて説明したものと同一である。
【0035】
上記したコンデンサマイクロホン10Bでは、半導体装置20Bの形状が、図1にて示した半導体装置20Aよりも簡素化された構成を有するので、より低コストなコンデンサマイクロホンを構成することができる。
【0036】
本発明の特徴は、封止樹脂13の上面に固定電極層14を設けて、固定電極層14と半導体素子12とを電気的に接続したことにある。具体的には、封止樹脂13の上面には金属膜から成る固定電極層14が形成され、貫通孔26に設けた接続部15を介して、固定電極層14と半導体素子12とは電気的に接続されている。従って、FETである半導体素子12のゲート電極と固定電極層14とが接続されることにより、オーディオ信号を電気信号に変換することができる。このことから、コンデンサマイクロホン10Aの薄型化および軽量化を実現することができる。
【0037】
更に、本発明の特徴は、封止樹脂13の一部を削除することにより設けた貫通孔26を介して、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続することにある。具体的には、貫通孔26の側面およびその底面から露出する導電パターンには、金属膜から成る接続部15が形成される。そして接続部15と固定電極層14とはメッキ法等により一体的に形成されるので、固定電極層14と導電パターン11Bとは電気的に接続されている。このことにより、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続するための他の構成要素を追加する必要が無い。
【0038】
また、上記の説明では、導電パターン11は単層の配線構造を有するが、導電パターンを多層の配線構造に形成することも可能である。具体的には、絶縁層を介して複数の層を形成する導電パターンを形成し、各層の導電パターンを接続部で電気的に接続することにより、多層の配線構造を実現することができる。
【0039】
(回路装置10の製造方法を説明する第2の実施の形態)
本実施例では、コンデンサマイクロホン10Aの製造方法を、半導体装置20Aの製造方法を中心に説明する。本実施の形態では、コンデンサマイクロホン10Aは次の様な工程で製造される。即ち、導電箔30を用意する工程と、導電箔30にその厚みよりも浅い分離溝32を形成して複数個の導電パターン11を形成する工程と、導電パターン11に半導体素子12を固着する工程と、半導体素子12を被覆し、分離溝32に充填されるように封止樹脂13でモールドする工程と、導電パターン11が露出するように封止樹脂13に貫通孔26を形成する工程と、封止樹脂13の表面に固定電極層14を形成し、同時に貫通孔26の側面および底面に接続部15を形成する工程と、封止樹脂13が露出するまで導電箔30の裏面を除去する工程と、封止樹脂13をダイシングすることにより各回路装置に分離する工程と、ケース材25にコンデンサマイクを構成する要素を組み込む工程とから構成されている。以下に、本発明の各工程を図6〜図15を参照して説明する。
【0040】
第1工程:図6から図8参照
本工程は、導電箔30を用意し、導電箔30にその厚みよりも浅い分離溝32を形成して複数個の導電パターン11を形成することにある。
【0041】
本工程では、まず図6の如く、シート状の導電箔30を用意する。この導電箔30は、ロウ材の付着性、ボンディング性、メッキ性が考慮されてその材料が選択され、材料としては、Cuを主材料とした導電箔、Alを主材料とした導電箔またはFe−Ni等の合金から成る導電箔等が採用される。導電箔の厚さは、後のエッチングを考慮すると10μm〜300μm程度が好ましいが、300μm以上でも10μm以下でも基本的には良い。後述するように、導電箔30の厚みよりも浅い分離溝32が形成できればよい。
【0042】
続いて、図7に示す如く、導電箔30の上に、ホトレジスト(耐エッチングマスク)31を形成し、導電パターン11となる領域を除いた導電箔30が露出するようにホトレジスト31をパターニングする。
【0043】
そして、図8を参照して、導電箔30を選択的にエッチングする。ここでは、導電パターン11は、ダイパッドを形成する導電パターン11Bと、ボンディングパッドを構成する導電パターン11A等を構成する。また、分離溝32の側面は湾曲に成り、この部分に充填される封止樹脂13との密着は強固になる。
【0044】
第2工程:図9参照
本工程は、導電パターン11Bに半導体素子12を固着し、半導体素子12と導電パターン11Bとを電気的に接続することにある。
【0045】
図9を参照して、導電パターン11Bに接着剤を介して半導体素子12を実装する。ここで、接着剤としては絶縁性のものを用いることができる。更に、半導体素子12の電極と所望の導電パターン11Aとのワイヤボンディングを行う。具体的には、導電パターン11Bに実装された半導体素子12の電極と所望の導電パターン11Aとを、熱圧着によるボールボンディング及び超音波によるウェッヂボンディングにより一括してワイヤボンディングを行う。
【0046】
ここでは、半導体素子12として、FETが導電パターン11Bに固着されているが、半導体素子12としては、バイポーラ型及びMOS型の能動素子、抵抗等の受動素子が集積化されて増幅回路やノイズキャンセル回路が構成されたICを半導体素子12として採用することも可能である。
【0047】
第3工程:図10参照
本工程は、半導体素子12を被覆し、分離溝32に充填されるように封止樹脂13でモールドすることにある。
【0048】
本工程では、図10に示すように、封止樹脂13は半導体素子12および複数の導電パターン11を被覆し、分離溝32には封止樹脂13が充填され、分離溝32と嵌合して強固に結合する。そして封止樹脂13により導電パターン11が支持されている。また本工程では、トランスファーモールド、インジェクションモールド、またはポッティングにより実現できる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂がトランスファーモールドで実現でき、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂はインジェクションモールドで実現できる。
【0049】
本工程の特徴は、封止樹脂13を被覆するまでは、導電パターン11となる導電箔30が支持基板となることである。従来では、本来必要としない支持基板を採用して導電パターンを形成しているが、本発明では、支持基板となる導電箔30は、電極材料として必要な材料である。そのため、構成材料を極力省いて作業できるメリットを有し、コストの低下も実現できる。また分離溝32は、導電箔の厚みよりも浅く形成されているため、導電箔30が導電パターン11として個々に分離されていない。従ってシート状の導電箔30として一体で取り扱え、封止樹脂13をモールドする際、金型への搬送、金型への実装の作業が非常に容易になる特徴を有する。
【0050】
第4工程:図11参照
本工程は、導電パターン11が露出するように封止樹脂13に貫通孔26を形成することにある。
【0051】
本工程では、封止樹脂13の一部を削除して貫通孔26を形成することにより、導電パターン11Aの表面を露出させる。具体的には、レーザーで封止樹脂13の一部を取り除くことにより貫通孔26を形成して、導電パターン11の表面を露出させる。ここで、レーザーとしては、炭酸ガスレーザーが好ましい。またレーザーで封止樹脂13を蒸発させた後、残査がある場合は、過マンガン酸ソーダまたは過硫酸アンモニウム等でウェットエッチングし、この残査を取り除く。
【0052】
レーザーにより形成された貫通孔26の平面的な形状は円形に形成される。また、貫通孔26の平面的な断面の大きさは、貫通孔26の底部に近い方が小さく形成される。
【0053】
第5工程:図12および図13参照
本工程は、封止樹脂13の表面に固定電極層14を形成し、同時に貫通孔26の側面および底面に接続部15を形成することにある。
【0054】
本工程では、電界メッキ法または無電界メッキ法により、封止樹脂13の上面、貫通孔26の側面部に銅等の金属から成るメッキ膜を形成して、固定電極層14および接続部15を構成する。電界メッキ法によりメッキ膜を構成する場合は、導電箔30の裏面を電極として用いる。図12では、貫通孔26の側面部にも、固定電極層14と同等の厚みを有するメッキ膜が形成されているが、貫通孔26をメッキ材で埋め込むことも可能である。貫通孔26を金属で埋め込む場合には、添加剤を加えられたメッキ液を使用し、このようなメッキは一般的にフィリングメッキと呼ばれている。
【0055】
次に図13を参照して、封止樹脂13の上面に形成された固定電極層14を各回路装置10毎に分離する。具体的には、先ず、各回路装置10の境界線に対応する箇所を除いて、固定電極層14が形成されるようにレジスト35で被覆する。そして、エッチングを行うことにより、各回路装置10の境界線に対応する箇所の固定電極層14を部分的に除去する。また、エッチングが終了した後に、レジスト35は剥離される。
【0056】
第6工程:図14から図15参照
本工程は、封止樹脂13が露出するまで導電箔30の裏面を除去することにある。なお、本工程は、上述した第5工程と同時に行っても良い。
【0057】
図14を参照して、本工程は、導電箔30の裏面を化学的および/または物理的に除き、導電パターン11として分離するものである。この工程は、研磨、研削、エッチング、レーザの金属蒸発等により施される。実験では導電箔30を全面ウェトエッチングし、分離溝32から封止樹脂13を露出させている。その結果、導電パターン11Aおよび導電パターン11Bとなって分離され、封止樹脂13に導電パターン11の裏面が露出する構造となる。すなわち、分離溝32に充填された封止樹脂13の表面と導電パターン11の表面は、実質的に一致している構造となっている。
【0058】
次に、図15を参照して、導電パターン11の露出面が覆われるようにソルダーレジスト19を形成する。封止樹脂13の上面には、銅等の金属から成る固定電極層14が形成されており、封止樹脂13裏面には導電パターン11が露出している。従って、外部電極18が形成される箇所に開口部33を形成して、封止樹脂13の裏面はソルダーレジスト19が塗布される。この開口部33は、露光および現像を行うことにより形成される。
【0059】
次に、開口部33から露出する導電パターン11の裏面に外部電極18を形成する。具体的には、スクリーン印刷等により開口部33に半田等のロウ材を塗布し、融解させることにより、外部電極18は形成される。
【0060】
次に、各半導体装置の境界線に対応する箇所の封止樹脂13をダイシングすることにより、個別の回路装置に分離する。ダイシングライン34に対応する箇所の導電箔30は、裏面からの導電箔をエッチングする工程で除去されている。また、ダイシングライン34に対応する箇所の固定電極層14も、エッチングにより除去されている。従って、本工程では、ダイシングを行うブレードは、封止樹脂13のみを切除するので、ブレードの摩耗を最小限に押さえることができる。
【0061】
以上の工程で製造された半導体装置20Aは、コンデンサマイクロホンを形成する他の構成要素と共に、ケース材25に収納される。そして、例えば図3に示すような最終形状を得る。
【0062】
本発明の特徴は、封止樹脂13の上面に設けた固定電極層14と、固定電極層14と導電パターン11Bとを電気的に接続する接続部15とを一括して形成することにある。具体的には、固定電極層14および接続部15は、一体化したメッキ膜であり、電界メッキ法または無電界メッキ法により形成される。従って、固定電極層14を形成することによる工程数の増加を極力抑えることができる。
【0063】
更に、本発明の特徴は、レーザーを用いて封止樹脂13に貫通孔26を形成することにある。具体的には、レーザーの出力を調節することにより、封止樹脂13のみを除去することが可能なので、レーザーによる除去を封止樹脂13と導電パターン11との界面でストップさせることができる。
【0064】
なお、上記の説明では、レーザーを用いることにより貫通孔26を形成したが、レーザー以外の方法でも貫通孔26を形成することは可能である。具体的には、封止樹脂13をモールドする工程に於いて、封止樹脂13の上面に当接する金型に貫通孔26の形状に対応した凸部を設ける。そして、凸部の先端部を導電パターンの表面に当接させながら封止樹脂13による封止をおこなうことで、この凸部の形状に対応した形状の貫通孔26を形成することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、以下に示すような効果を奏することができる。
【0066】
第1に、半導体装置20Aの表面に固定電極層14を設けることにより、コンデンサマイクロホン10の小型化を実現することができる。また、固定電極層14は、封止樹脂13に設けた貫通孔26を介して半導体素子12と電気的に接続されている。従って、固定電極層14と半導体素子12とを接続する接続部を別途に設ける必要が無い。このことから、軽量且つ薄型で簡素化された構成を有するコンデンサマイクロホンを提供することができる。具体的には、コンデンサマイクロホンのトータルの厚みを1mm以下にすることができる。
【0067】
第2に、半導体素子12を封止する封止樹脂13の表面に固定電極層14が設けられることで、封止樹脂13により半導体素子12と固定電極層14が離間されている。従って、両者が干渉しないので、出力される信号のS/N比を向上させることができる。
【0068】
第3に、半導体装置20Aを直接にケース材25の内壁に固定することができるので、半導体装置20Aを実装するための実装基板を省いてコンデンサマイクロホンを構成することができる。従って、更なる軽量化および薄型化を実現することができる。
【0069】
第4に、半導体素子12の載置領域およびボンディングパッド等を形成する導電パターン11の一部を、固定電極層14として用いることにより、より簡素化された構成を有するコンデンサマイクロホンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、平面図(B)、平面図(C)である。
【図2】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する回路図である。
【図3】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、断面図(B)である。
【図4】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図(A)、平面図(B)である。
【図5】本発明のコンデンサマイクロホンを説明する断面図である。
【図6】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図7】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図9】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図10】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図11】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図12】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図13】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図14】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図15】本発明のコンデンサマイクロホンの製造方法を説明する断面図である。
【図16】従来のコンデンサマイクロホンを説明する断面図である。
【符号の説明】
10A、10B コンデンサマイクロホン
11A、11B 導電パターン
12 半導体素子
13 封止樹脂
15 接続部
14 固定電極層
16 金属細線
20A、20B 半導体装置
25 ケース材
Claims (11)
- 導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、
前記半導体素子と電気的に接続され且つ前記封止樹脂の表面に形成されてコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、
前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とするコンデンサマイクロホン。 - 前記固定電極層は、前記導電パターンが露出する面に対向する前記封止樹脂の表面に形成されることを特徴とする請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記封止樹脂に設けた貫通孔を介して前記固定電極層と前記導電パターンとを電気的に接続することを特徴とする請求項2記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記固定電極層は、メッキ膜から成ることを特徴とする請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記封止樹脂は、前記導電パターンの裏面を露出させて前記半導体素子および前記導電パターンを被覆することを特徴とする請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記半導体装置、前記固定電極層および前記振動膜はケース材に収納され、前記半導体装置は実装基板を介して前記ケース材の内壁に固定されることを特徴とする請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記半導体装置、前記固定電極層および前記振動膜はケース材に収納され、前記半導体装置は直接に前記ケース材の内壁に固定されることを特徴とする請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
- 導電パターンと、前記導電パターン上に載置された半導体素子と、前記導電パターンおよび前記半導体素子を一体に封止する封止樹脂とから成る半導体装置と、
前記導電パターンの一部から成り且つコンデンサの1つの電極を形成する固定電極層と、
前記固定電極層に対向して設けられ前記コンデンサの他の電極を形成する振動膜とを有することを特徴とするコンデンサマイクロホン。 - 前記半導体素子が固着される前記導電パターンを、前記固定電極層として用いることを特徴とする請求項8記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記封止樹脂は、前記導電パターンの裏面を露出させて前記半導体素子および前記導電パターンを被覆することを特徴とする請求項8記載のコンデンサマイクロホン。
- 前記半導体装置、前記固定電極層および前記振動膜はケース材に収納され、前記半導体装置は実装基板を介して前記ケース材の内壁に固定されることを特徴とする請求項8記載のコンデンサマイクロホン。
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