JP2004251782A - 光スペクトラムアナライザ - Google Patents
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Abstract
【課題】高速かつ高精度で波長スペクトラム分析を実施する。
【解決手段】複数の波長チャネル10を有した測定すべき光信号aを、複数段に亘って直列接続されサーキュレータ2とファイバブラッググレーティング(FBG)3と温度調整器4とが組込また可変波長光フィルタ1における最前段の可変波長光フィルタ1に入力し、この複数の可変波長光フィルタからそれぞれ出力される各波長チャネルの波長範囲R内の各波長λを有した光信号bを測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムjを得る光スペクトラムアナライザである。そして、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲Rの波長幅Wだけ各可変波長光フィルタから出力される光信号bの波長が波長範囲R内で掃引されるように、温度調整器4を介して各可変波長光フィルタのFBG3の温度を掃引する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の波長チャネル10を有した測定すべき光信号aを、複数段に亘って直列接続されサーキュレータ2とファイバブラッググレーティング(FBG)3と温度調整器4とが組込また可変波長光フィルタ1における最前段の可変波長光フィルタ1に入力し、この複数の可変波長光フィルタからそれぞれ出力される各波長チャネルの波長範囲R内の各波長λを有した光信号bを測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムjを得る光スペクトラムアナライザである。そして、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲Rの波長幅Wだけ各可変波長光フィルタから出力される光信号bの波長が波長範囲R内で掃引されるように、温度調整器4を介して各可変波長光フィルタのFBG3の温度を掃引する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーキュレータ、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating 以下FGBと略記する)及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタを用いて複数の波長チャネルを有した光信号の波長分析を行う光スペクトラムアナライザに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムで用いられる光信号にどのような波長成分が含まれるかを調べる波長分析を行う光スペクトラムアナライザとして、従来、図14に示す機械的駆動方式の光スペクトラムアナライザが用いられていた。
【0003】
図14において、入射ファイバからの入射光は第1の放物面鏡で平行光となり、回折格子に照射される。回折格子では波長により反射方向の差を生じるため、波長選択された光が第2の放物面鏡に入射する。ここで、回折格子の角度を機械的に駆動して変えることにより波長掃引ができる。なお、この基本的な構成を元にして、光を回折格子に複数回入射させるようにして波長分解能を高めることも行われている。第2の放物面鏡でこの分光された光をスリット上に集光させ、スリットで必要な帯域だけ切り出し、出射光を得る。
【0004】
この機械的駆動方式では、回折格子またはそれ以外の光学系を機械的に駆動することにより波長掃引を行う。そのため、掃引速度は駆動系の性能により決まり、分解能は回折格子とスリットの性能により決まる。
【0005】
例えばこの回折格子の溝数は1000本/mm程度である。高い分解能にするためには光路長を大きく取ればよいが装置が大型になり、高速掃引を行うことが難しくなる。また、スリット幅はビーム径により数μm程度の限界があり、ここでも制限を受ける。現状の性能としては、光通信システムで用いられる光信号の波長範囲1525〜1625nmの波長幅100nmを掃引する際に、分解能50pmで、掃引時間500ms程度を要する。また、掃引波長幅が20nmより狭くなると精密な機構制御が必要になるため掃引時間が1000msと長くなってしまう技術上の問題があった。
【0006】
また、この光スペクトラムアナライザを用いて、WDM(波長分割多重)光通信における光信号に含まれる複数の波長チャネルをモニタして波長分析する場合には、波長の分解能を50pmと高くして波長掃引を行う必要がある。モニタする所望の波長チャネルが広い帯域である場合には表示出力が全波長範囲で行われるため、波長分解能に対して処理ポイント数が不足して正確な観測結果が得られないという欠点を持つ。
【0007】
これとは別の方式で、アレイ導波路回折格子(Array Waveguide Grating 以下AWGと略記する)を採用した光スペクトラムアナライザが特許文献1に提唱されている。
【0008】
AWGは、周知のように、入力ポートから入力された光信号を、複数の出力ポートから、出力ポート毎に割付けられた波長範囲内の波長を有する複数の光信号に分割して出力する機能を有する。
【0009】
この光スペクトラムアナライザにおいては、図15に示すように、ペルチェ素子上にAWGを取付けて構成された一種の可変波長フィルタを用いる。AWGのアレイ導波路はポリマ導波路で形成されている。ペルチェ素子で温度制御することにより可変波長フィルタの中心波長を変化させ、分光する波長を掃引する。また、波長分光出力を光検出器で受けて処理することにより波長スペクトラムを得る。
【0010】
しかしながら、この特許文献1に記載された光スペクトラムアナライザにおいては、AWGが有する複数の出力ポートのうち、単一の出力ポートで光スペクトラムを観測する。単一の出力ポートによる分光では例えば波長帯域(波長幅)7nmを温度掃引する時に要する時間は60msであり、高速分光は期待できない。
【0011】
この光スペクトラムアナライザでは、光検出器から後の処理は示されておらず、温度が安定してから光検出器の出力を取出すことになり、高速な処理は期待できない。
【0012】
また、一般に、AWGにおいては、構造的に決まるフリースペクトルレンジの範囲内(例えば20nm波長幅)でしか分光が行えなえず、広い波長帯域に対する分光に適応させることができない欠点を持つ。
【0013】
【特許文献】
特開2002―214459号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように回折格子を用いた波長掃引では回折格子を機械的に駆動するために、光信号の解析に必要な波長範囲1525〜1625nmを掃引するための必要な掃引時間は0.5s程度が下限であった。また、AWGを波長可変フィルタとして用いた方式では単一の出力ポートの出力による波長掃引であるため、掃引時間は120msが下限であった。波長分解能を高くするとさらに必要な掃引時間が長くなる課題があった。さらに、AWGにおいては、構造的に、広い波長帯域を測定することができずに、分光波長範囲が制限を受ける問題があった。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、サーキュレータ、FBG及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタから出力されるそれぞれ所望の波長チャネルに対応する波長範囲の異なる光信号を波長チャネル毎に測定し、合成することによって、入力された複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号に対して、所望の波長チャネルに対する波長分析を高速でかつ高精度で実施できる光スペクトラムアナライザを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明の光スペクトラムアナライザにおいては、複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号を、複数段に亘って直列接続され、サーキュレータとFBGと温度調整器とが組込まれ、出力する光信号の波長を自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させる複数の可変波長光フィルタにおける最前段の可変波長光フィルタに入力し、この複数の可変波長光フィルタからそれぞれ出力される各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号を測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムを得る。
【0017】
この場合、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅だけ各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が波長範囲内で掃引されるように、温度調整器を介して各可変波長光フィルタのFBGの温度を掃引する。
【0018】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、複数段に亘って直列接続された複数の可変波長光フィルタにおける各可変波長光フィルタにおいて、出力する光信号の波長を測定すべき光信号が有する複数の波長チャネルのうち、自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させる。周知のようにFBGの温度を変化すると、この可変波長光フィルタの通過波長が変化する。
【0019】
そして、測定すべき光信号を最前段の可変波長光フィルタに入力すると、各可変波長光フィルタから各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号が出力される。FBGの温度を変化(波長掃引)させた状態で、各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号を測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムを得る。
【0020】
この場合、実際の必要な波長掃引幅は、複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号の全測定波長幅でなくて、波長チャネルの波長範囲のみでよい。したがって、必要な波長掃引時間も大幅に短縮される。また、測定すべき光信号の全ての波長チャネルの波長範囲を各可変波長光フィルタに割付ける必要なく、必要な波長チャネルの波長範囲のみを各可変波長光フィルタに割付けるのみでよい。したがって、選択した所望の波長チャネルに対する波長分析を高速で実施できる。
【0021】
また別の発明の光スペクトラムアナライザにおいては、複数段に亘って直列接続され、サーキュレータとFBGと温度調整器とが組込まれ、FBGの温度を変化させることにより、前段を経由して入力された測定すべき光信号の通過波長を自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させてこの通過波長の波長成分を出力するとともに、通過波長を除く波長成分を後段へ送出する複数の可変波長光フィルタと、この複数の可変波長光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する複数の光検出器と、この複数の光検出器から出力された各電気信号をデジタルの光検出信号データに変換する複数のA/D変換器と、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅だけ各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が波長範囲内で掃引されるように、温度調整器を介して各可変波長光フィルタのFBGの温度を掃引する波長掃引制御部と、各光検出信号データを一時記憶するためのデータメモリと、波長掃引制御部からの掃引情報及び各A/D変換器から出力された各光検出信号データが入力され、各光検出信号データを出力された可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応させてデータメモリに書込む複数の第1のデータ処理部と、データメモリに記憶された各波長チャネルの波長範囲内の各波長の光検出信号データを読出して、測定すべき光信号の各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する第2のデータ処理部とを備えている。
【0022】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、測定すべき光信号は最前段の各可変波長光フィルタに入力される。各可変波長光フィルタは、波長掃引制御部の温度掃引制御に基づいて、入力された光信号の波長を、測定すべき光信号の複数の波長チャネルのうちの互いに異なる自己に割付られた波長チャネルの波長範囲内で変化させる。
【0023】
第1のデータ処理部にて、各可変波長光フィルタの出力端に設置した光検出器により検出したアナログ値をA/D変換した光検出信号データと波長掃引制御部からの掃引情報を元に算出した波長を対応させた光検出信号データをデータメモリに書込む。また、第2のデータ処理部にて、データメモリから光検出信号データを読出して、測定すべき光信号の各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する。
したがって、先の発明とほぼ同じ作用効果を奏することができる。
【0024】
さらに、別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第1のデータ処理部は、入力された掃引情報が示す掃引開始時刻からの経過時間から波長範囲の波長に対応するアドレスを生成し、各光検出信号データを、データメモリ内の生成されたアドレスに書込む。また、第2のデータ処理部は、データメモリにおける各波長に対応するアドレスに記憶された光検出信号データを読出す。
【0025】
このように、波長掃引制御部からの掃引情報を波長に対応するアドレスに変換することにより、データメモリの各アドレスには波長に対応した各光検出信号データが記憶されていることになり、第2のデータ処理部の処理負担を軽減できる。
【0026】
また別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第1のデータ処理部は、可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応した各光検出信号データを、測定すべき光信号の自己に割付けられた波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして自己に接続されたチャネル表示器に表示出力する。
【0027】
また別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第2のデータ処理部は、データメモリから読出した隣接する複数波長チャネルの各光検出信号データで一つの波形を形成するとき、この複数波長チャネルの各光検出信号データを新たな合成波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する。
【0028】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅が、可変波長光フィルタに予め設定された波長範囲の波長幅より広い場合であっても、この波長チャネルの光信号を一つのチャネル別波長スペクトラムとして分析できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロックである。この実施形態の光スペクトラムアナライザは、WDM光通信システムにおける、図2に示すような複数の波長チャネル10を有した光信号aにおける各波長チャネル10の波長分析を行う。
【0030】
なお、測定すべき光信号aの一例として1260nm〜1625nmの通信帯域における各波長チャネル10の波長範囲Rの周波数幅(波長幅W)50GHz(W=0.4nm)、100GHz(W=0.81nm)、200GHz(1.6nm)を想定する。チャネル数の一例としては周波数幅(波長幅W)が50GHz(W=0.4nm)の場合、64チャネルまでを考える。
【0031】
この光スペクトラムアナライザは各波長チャネル10の光スペクトラムの表示機能の他に、その波長チャネル10のレベルや波長、帯域幅が正常であるか監視する機能も持たせることもできる。この通信光をモニタするためには所望の波長チャネル10のみモニタすればよい。
【0032】
図2に示す光信号aにおいては、測定波長範囲が1525nm〜1565nmで、それぞれ異なる波長範囲Rを有する各波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅Wは0.4nmである。波長チャネル10は0.4nm毎に並んでいるが、全ての波長帯域を分析する必要がなければ必要な波長帯域に対してのみ波長チャネル10を設定すればよい。図2の例では、3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間に分析しない波長帯域が存在する。
【0033】
また、図3(a)に別の光信号aの例を示す。この光信号aでは、測定波長範囲が1260nm〜1565nmであり、1310nm(λ1の1波)と1550nm帯のWDM(λ2〜λ9の8波)を分析する。なお、WDM光通信システムにおける各光通信帯域での使用波長はITU(International Telecommunication Union 国際電気通信連合)により定められている。この波長をモニタする中心波長とし、同様に規定されているチャネル間隔を掃引範囲とすることで、この実施形態の光スペクトラムアナライザを、WDM光通信用のモニタとして汎用的に使用することが可能である。ここではλ2〜λ9が50GHz(約0.4nm)間隔で配置されているものとする。なお、WDM光通信チャネル間隔は周波数で規定されており、波長で表すと中心波長により違いが生じる。よって、ここでは、約0.4nmと表す。
【0034】
この場合、図3(c)に示すように、1310nm(λ1)近傍に波長幅W=約0.4nmの1個の波長チャネル10と、1550nm帯に波長幅W=約0.4nmの8個の波長チャネル10とが形成されている。したがって、1310nm(λ1)と1550nm帯との間に分析しない広範囲の波長帯域がある。
【0035】
図1において、図2又は図3(a)に示す測定すべき光信号aは、複数段に亘って直列接続されたn(n=64)個の可変波長光フィルタ1における最前段の可変波長光フィルタ1へ入力される。各可変波長光フィルタ1は、サーキュレータ2と、このサーキュレータ2に一端が接続されたFBG3と、このFBG3の温度を調整する例えばペルチェ素子からなる温度調整器4とで構成されている。そして、波長掃引制御部5から印加された温度制御信号cにて温度調整器4がFBG3の温度を変化させると、FBG3で反射されてサーキュレータ2から出力される光信号bの波長λが変化する。
【0036】
各可変波長光フィルタ1のFBG3の一端は自己内のサーキュレータ2に接続されており、FBG3の他端は、自己の後段の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2に接続されている。各FBG3は、自己の前段の可変波長光フィルタ1のFBG3から自己の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2を介して入力された光信号aの各波長チャネル10のうち自己に設定された波長チャネル10の波長範囲R内で変化する波長λを有した光成分を自己のサーキュレータ2側へ反射する。自己のサーキュレータ2側へ反射した光成分以外の光成分は後段の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2へ送出する。自己のサーキュレータ2は、自己のFBG3から反射され波長範囲R内の波長λを有す光成分を新たな光信号bとして出力する。
【0037】
各可変波長光フィルタ1のFBG3に割付られた波長チャネル10の波長範囲Rはそれぞれ異なる値に設定されている。したがって、入力された測定すべき光信号aは、各可変波長光フィルタ1にて、同一波長幅W(=約0.4nm)を有する各波長範囲R内で掃引される波長λを有する複数の光信号bに分離される。
【0038】
各可変波長光フィルタ1における光信号bの波長λの変化範囲は、図2、図3(c)に示すように、光信号bにおける各波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅W(=約0.4nm)である。逆に、各可変波長光フィルタ1から出力される光信号bの波長λが、各波長範囲R内で、波長幅W(=約0.4nm)だけ掃引するように、波長掃引制御部5から温度制御信号cで温度調整器4を制御する。
【0039】
図4に各可変波長光フィルタ1のFBG3に対する温度制御の詳細を示す。
波長掃引制御部5は、図4(a)に示すように、温度制御開始から0.43msだけ温度上昇制御(信号オン)し、続いて0.43msだけ温度下降制御(信号オフ)する温度制御信号cを、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4へ印加する。すると、各可変波長光フィルタ1のFBG3の温度は、図4(b)に示すように変化する。それにより、可変波長光フィルタ1から出力される各光信号bの波長λは、それぞれ自己の波長範囲R内で図4(c)に示すように変化する。
【0040】
温度変化によるFBG3の波長変化はガラスで0.0092nm/℃であり、ポリマーではガラスに比べて1桁大きい波長変化が見込まれている。よってFBG3にポリマーを使用すれば0.1nm/℃の波長変化が見込め、波長幅W=0.4nm変化では4℃の温度掃引制御をすればよい。ポリマーを用いたFBG3の熱容量から類推して0.4nmを波長掃引するに必要な掃引時間は図4(a)で示したように0.43ms程度となる。このように、掃引時間を0.43msに短縮でき、波長掃引を高速に実施できる。
【0041】
波長掃引制御部5は、タイマ9の時間を用いて、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に図4(a)で示した温度制御信号cを送出する。
n個の各可変波長光フィルタ1から出力される各光信号bは、それぞれ光検出器6で電気信号dに変換された後、A/D変換器7でデジタルの光検出信号データeへ変換されて、それぞれ第1のデータ処理部8へ入力される。図5は測定すべき光信号aの一つの波長チャネル10の波長λを横軸とした波形と、A/D変換器7から出力されたデジタルの光検出信号データeとの関係を示す模式図である。図示するように、光検出信号データeは、波長幅W=0.4nmを有した波長チャネル10の波形における波長λの光強度を切出したデータである。
【0042】
各第1のデータ処理部8は例えばディジタルシグナルプロセッサ(DSP)で構成されている。DSPは2.5GHzを超えるクロックサイクルを採用できるため十分高速な処理が可能である。
【0043】
各第1のデータ処理部8は、波長掃引制御部5からの指示fに含まれる掃引情報に基づいて、自己に入力される光検出信号データeに割付られた約0.4nmの波長幅Wを有す波長範囲R内の波長λに対応するアドレスを生成する。具体的には、指示fに含まれる掃引情報が示す掃引開始時刻からの経過時間と温度から換算された各波長λに対応する各アドレスとの関係を示すテーブルが設けられている。
【0044】
そして、自己に入力された各光検出信号データeを、各波長λの光検出信号データiとして、データメモリ11内の掃引開始時刻からの経過時間にて生成されたアドレスに書込む。
【0045】
したがって、データメモリ11内の各アドレスは、図6に示すように、測定すべき図2に示す光信号aの波長幅40nmを有する1525nm〜1565nmの測定波長範囲内の各波長λに対応する。そして、各波長λに対応する各アドレスには、該当波長λの光検出信号データiが記憶される。但し、図2に示す測定すべき光信号aにおいては、3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間に分析しない波長帯域が存在するので、この波長帯域の各波長に対してアドレスが割付けられていない。
【0046】
また、第1のデータ処理部8は、自己に入力された各光検出信号データeを波長λを横軸とするチャネル別波長スペクトラムjを編集して、自己に接続されたチャネル表示器12に表示出力する。表示出力の一例として、図7は、チャネル表示器12の表示画面12aを示す。この表示画面12aには、チャネル別波長スペクトラムjの他に、該当波長チャネル10のチャネル番号(CHn)、正常(OK)か異常(NG)、中心波長λC、スペクトル幅Δλ、ピークレベル(Power)が表示される。
【0047】
例えばDSPで構成された第2のデータ処理部13は、波長掃引制御部5からの指示fに基づいて、データメモリ11における各波長λに対応するアドレスに記憶された光検出信号データkを読出して、測定すべき光信号aの波長スペクトラムmとして、表示器14に表示出力する。
【0048】
なお、第1のデータ処理部8による書込と第2のデータ処理部13による読出しとを同時に実施可能とするために、データメモリ11は2ポートメモリで構成されている。又は、書込みと読出しの競合を調整する回路を持つメモリで構成される。
【0049】
図8に、測定すべき光信号aが有する波長特性と、データメモリ11上のデータ(光検出信号データi)と、表示器14に表示された波長スペクトラムmとの対比を示す。この図8に示すように、データメモリ11上のデータと波長スペクトラムmには、光信号aにおける3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間の分析しない波長帯域のデータは存在しない。
【0050】
さらに、第2のデータ処理部8は、波長掃引制御部5からの指示fに基づいて、データメモリ11における各波長λに対応するアドレスに記憶された各波長チャネル10の光検出信号データkを読出して、測定すべき光信号aの各波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムjを編集して表示器14に一覧表示する。
【0051】
図9は、一覧表示の一例として、表示器14の表示画面14aを示す。この表示画面14aには、測定すべき光信号aの各波長チャネル10に対応した複数のウインドウ15が形成さされ、各ウインドウ15内には、対応する波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムj、チャネル番号(CHn)、正常(OK)か異常(NG)、中心波長λC、スペクトル幅Δλ、ピークレベル(Power)の各情報が表示される。
【0052】
さらに、第2のデータ処理部13は、図10(a)に示すように、データメモリ11から読出した隣接する複数波長チャネル10の各光検出信号データkで一つの波形を形成するとき、図10(b)に示すように、この複数波長チャネル10の各光検出信号データを新たな合成波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムj2として表示器14に表示出力する。
【0053】
この複数波長チャネル10間の波形合成についてさらに詳細に説明する。
光信号aの波長チャネル10の幅が、各可変波長光フィルタ1の波長範囲Rの波長幅(掃引幅)Wよりも広い場合を考える。具体的には、各可変波長光フィルタ1の波長幅(掃引幅)Wが約0.4nm(50GHz)であるのに対して、波長チャネル10の幅が約0.8nm(100GHz)、や約1.6nm(200GHz)の光信号aを観測する場合を考える。
【0054】
図10(a)では、各可変波長光フィルタ1の波長幅(掃引幅)Wが約0.4nm(50GHz)であるのに対して、波長チャネル10の幅が約0.8nm(100GHz)の光信号aが入射した場合を示す。この場合2つの可変波長光フィルタ1を用いて分光する。図10の光信号aでピーク値、光スペクトル幅、中心波長などを算出する場合にはx番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10の両方のデータを必要とする。
【0055】
チャネル別光スペクトラムj2のピークレベルPower値だけであれば、第2のデータ処理部13において、x番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10のいずれか大きい方の値を採用するという単純な処理で求められる。しかし、その他の光スペクトラム幅Δλや中心波長λCなどの波長方向に光検出データを片方だけで算出しようとしても、各チャネルの最大値とそれから予測される光スペクトル幅は求められない。このため、x番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10の両方の光検出信号データkを合成して処理する必要がある。
【0056】
波長掃引制御部5は、図11に示す流れ図に従って各部に対する制御を実施する。
まず、タイマ9に対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する(S1)。各第1のデータ処理部8と第2のデータ処理部13に対して温度制御掃引(波長掃引)の開始を指示fする(S2)。そして、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に温度上昇の温度制御信号cを送出する(S3)。タイマ9がタイムアップしたか判定する(S4)。タイムアップしていなければFBG3に対する温度上昇の温度制御信号eに戻る(S3)。
【0057】
タイマ9がタイムアップしたならば(S4)、タイマ9に対して掃引を元に戻すのに必要な時間(0.4nm掃引した場合、0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する(S5)。そして、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に温度下降の温度制御信号cを送出する(S6)。タイマ9がタイムアップしたか判定する(S7)。タイムアップしていなければFBG3に対する温度下降の温度制御信号eに戻る(S6)。
【0058】
タイマ9がタイムアップしたならば(S7)、測定すべき光信号aに対する測定終了かどうか判断し(S8)、終了でなければ、S1へ戻り、タイマ9に対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する。そして、これ以降の処理を繰り返す。終了の場合は(S8)、今回の処理を終了する。
【0059】
また、各第1のデータ処理部8は、図12に示す流れ図に従って、入力された各光検出信号データeに対する処理を実施する。
【0060】
まず、波長掃引制御部5から指示fを受ける(P1)。指示fが温度制御掃引(波長掃引)の開始であるかを判定し(P2)、開始指示でなかった場合は、波長掃引制御部5から指示fを受ける状態に戻る(P1)。開始指示があった場合には(P2)、内部タイマに対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、この内部タイマを起動する(P3)。
【0061】
内部タイマがタイムアップしたかを判定する(P4)。タイムアップしていなければ、掃引開始時刻からの経過時間を内部タイマから読取って、この時点で入力されている光検出信号データeに対応させて記憶する(P5)。そして、内部タイマがタイムアップしたかを判定する(P4)。
【0062】
内部タイマがタイムアップすると(P4)、自己内部に記憶した各掃引開始時刻からの経過時間から温度に対応する波長λを求め、さらに自己内部に記憶した各光検出信号データeをデータメモリ11に書込む際のアドレスに変換する。そして、データメモリ11内のこのアドレスに自己内部に記憶した光検出信号データe(i)を書込む(P6)。
【0063】
この場合、図6を用いて説明したように、光検出信号データe(i)を書込むアドレスは複数ある第1のデータ処理部8毎に異なるアドレス範囲が割当てられており、第2のデータ処理部13で、光検出信号データe(i)を読出す際には全ての第1のデータ処理部8からの波長λが連続して読出せる配列とする。
【0064】
さらに、A/D変換器7から入力した各光検出信号データeを、波長λを横軸とするチャネル別波長スペクトラムjを編集して、自己に接続されたチャネル表示器12に表示出力する(P7)。
【0065】
さらに、第2のデータ処理部13は、図13に示す流れ図に従って、データメモリ11から各光検出信号データkを読取って波長スペクトラムm又はチャネル別波長スペクトラムjとして表示器14に表示出力する処理を実施する。
【0066】
はじめに、波長掃引制御部5から指示fを受ける(Q1)。指示fが温度制御掃引(波長掃引)の開始であるかを判定し(Q2)、開始指示でなかった場合は、波長掃引制御部7から指示fを受ける状態に戻る(Q1)。開始指示があった場合には(Q2)、データメモリ11から各光検出信号データkを読出す(Q3)。
【0067】
操作者が設定(指示)した表示形式がチャネル別表示でなければ(Q4)、予め設定されている測定分解能で、読出した全部の各光検出信号データkを波長λを横軸として合成して一つの波長スペクトラムmとして表示器14に出力する(Q5)。
【0068】
また、操作者が設定(指示)した表示形式がチャネル別表示の場合(Q4)、図10(a)に示すように、隣接する複数の波長チャネル10に跨る各光検出信号データkがあるか否かを判断し(Q6)、存在する場合、該当する各光検出信号データkを図10(b)に示すように、新たな一つのチャネル別波長スペクトラムj2に合成する(Q7)。
【0069】
次に、各波長チャネル10の光検出信号データkを用いて、測定すべき光信号aの各波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムjを編集して、図9に示すように、表示器14に一覧表示(ウインドウ表示)する(Q8)。
【0070】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、複数の波長チャネル10を有した測定すべき光信号aを最前段の可変波長光フィルタ1へ入力すると、n(=64)個の可変波長光フィルタ1から、n(=64)個の互いに異なる波長範囲Rを有するn個の光信号bが出力される。各可変波長光フィルタ1のFBG3を一つの波長掃引制御部5で共通に温度掃引(波長掃引)してn個の可変波長光フィルタ1から出力されたn個の光信号bの各波長λを掃引して、第1、第2のデータ処理部8、13で信号処理(データ処理)することにより表示器14に波長チャネル10毎のチャネル別波長スペクトラムjが表示される。
【0071】
この場合、実際の必要な波長掃引幅Wは、測定すべき光信号aの全部の測定波長幅でなくて、波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅Wのみでよい。具体的には、図2に示す測定すべき光信号aの測定波長範囲1525〜1565nmの波長幅B=40nmのうちのの波長チャネル10の波長幅W=約0.4nm分だけ各可変波長光フィルタ1から出力される光信号bの波長λが、各可変波長光フィルタ1に割当られた波長幅W=約0.4nmの波長範囲R内で掃引されるように、各FBG3の温度を掃引するのみでよい。
【0072】
前述したように、波長幅W=0.4nmの所要波長掃引時間は0.43msとなり、掃引を元に戻す時間も0.43msとなる。結果的に、測定すべき光信号aの測定波長範囲1525nm〜1565nmを1回掃引するのに要する掃引所要時間は10ms以下となり、高速掃引が可能である。
【0073】
さらに、図2、図3(a)に示すように、測定すべき光信号aにおける全ての波長帯域を分析する必要がなければ、必要な波長帯域に対してのみ波長チャネル10を設定すればよい。したがって、必要な波長帯域のみを高速に分析することが可能である。さらに、たとえ、測定すべき光信号aの波長が不連続であったとしても、必要な波長帯域に対して良好な波長掃引を実施できる。
【0074】
図3(b)は、図14に示す機械的駆動方式の光スペクトラムアナライザを用いて、図3(a)に示す光信号aの波長分析を実施する場合の分析範囲を示す図である。図示するように、1260nm〜1565nmの波長帯域全体305nmを掃引する必要があった。この波長掃引に要する時間は500ms程度必要であった。なお、FBGを使って全帯域を波長掃引する可変波長フィルタ方式(波長帯域を1/100に波長分割して3.3nmを波長掃引する場合)で3.5msを要する。
【0075】
なお、分割数を増加すればよいが、可変波長光フィルタの設置数が増加して、光スペクトラムアナライザが複雑化する。いずれにしても、1260nm〜1565nmの波長帯域全体を掃引する必要があるので、高速な波長分析が困難であった。
【0076】
このような従来技術に対して、本発明の実施形態の手法を採用することにより、1260nm〜1625nmの光通信波長帯域の必要な波長チャネル10で掃引時間0.43ms、分解能25psという高速でかつ高分解能な分光方式が実現できる。このように機械的駆動部を用いた従来方式以上の掃引速度、分解能を得られる。
【0077】
また、図10(a)に示すように、測定すべき光信号aの波長チャネル10の波長範囲の波長幅が、可変波長光フィルタ1に予め設定された波長範囲Rの波長幅Wより広い場合であっても、この波長チャネル10の光信号aを一つのチャネル別波長スペクトラムj2として分析できる。したがって、この光スペクトラムアナライザで測定できる光信号aの種類を拡大できる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光スペクトラムアナライザにおいては、サーキュレータ、FBG及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタから出力されるそれぞれ所望の波長チャネルに対応する波長範囲の異なる光信号を波長チャネル毎に合成している。したがって、入力された複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号に対して、選択した所望の波長チャネルに対する波長分析を高速でかつ高精度で実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【図2】測定すべき光信号の波長分布を示す図
【図3】測定すべき他の光信号の波長分布を示す図
【図4】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各可変波長光フィルタのFBGに加える温度の変化と各可変波長光フィルタから出力される各光信号の波長の変化との関係を示す図
【図5】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける測定すべき光信号の波長分布と光検出信号データとの関係を示す図
【図6】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各可変波長光フィルタから出力される各光信号の波長と、データメモリ内のアドレスとの関係を示す図
【図7】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各チャネル表示器に表示されたチャネル別波長スペクトラムを示す図
【図8】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける測定すべき光信号とデータメモリ上のデータと波長スペクトラムとの関係を示す図
【図9】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける表示器に表示された各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムを示す図
【図10】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける複数の波長チャネルのデータを合成して一つの新たなチャネル別波長スペクトラムの作成を説明するための図
【図11】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた波長掃引制御部の動作を示す流れ図
【図12】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた第1のデータ処理部の動作を示す流れ図
【図13】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた第2のデータ処理部の動作を示す流れ図
【図14】機械的駆動方式を採用した従来の光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【図15】AWGを採用した従来の光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1…可変波長光フィルタ、2…サーキュレータ、3…ファイバブラッググレーティング(FBG)、4…温度調整器、5…波長掃引制御部、6…光検出器、7…A/D変換器、8…第1のデータ処理部、9…タイマ、10…波長チャネル、11…データメモリ、12…チャネル表示器、13…第2のデータ処理部、14…表示器
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーキュレータ、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating 以下FGBと略記する)及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタを用いて複数の波長チャネルを有した光信号の波長分析を行う光スペクトラムアナライザに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムで用いられる光信号にどのような波長成分が含まれるかを調べる波長分析を行う光スペクトラムアナライザとして、従来、図14に示す機械的駆動方式の光スペクトラムアナライザが用いられていた。
【0003】
図14において、入射ファイバからの入射光は第1の放物面鏡で平行光となり、回折格子に照射される。回折格子では波長により反射方向の差を生じるため、波長選択された光が第2の放物面鏡に入射する。ここで、回折格子の角度を機械的に駆動して変えることにより波長掃引ができる。なお、この基本的な構成を元にして、光を回折格子に複数回入射させるようにして波長分解能を高めることも行われている。第2の放物面鏡でこの分光された光をスリット上に集光させ、スリットで必要な帯域だけ切り出し、出射光を得る。
【0004】
この機械的駆動方式では、回折格子またはそれ以外の光学系を機械的に駆動することにより波長掃引を行う。そのため、掃引速度は駆動系の性能により決まり、分解能は回折格子とスリットの性能により決まる。
【0005】
例えばこの回折格子の溝数は1000本/mm程度である。高い分解能にするためには光路長を大きく取ればよいが装置が大型になり、高速掃引を行うことが難しくなる。また、スリット幅はビーム径により数μm程度の限界があり、ここでも制限を受ける。現状の性能としては、光通信システムで用いられる光信号の波長範囲1525〜1625nmの波長幅100nmを掃引する際に、分解能50pmで、掃引時間500ms程度を要する。また、掃引波長幅が20nmより狭くなると精密な機構制御が必要になるため掃引時間が1000msと長くなってしまう技術上の問題があった。
【0006】
また、この光スペクトラムアナライザを用いて、WDM(波長分割多重)光通信における光信号に含まれる複数の波長チャネルをモニタして波長分析する場合には、波長の分解能を50pmと高くして波長掃引を行う必要がある。モニタする所望の波長チャネルが広い帯域である場合には表示出力が全波長範囲で行われるため、波長分解能に対して処理ポイント数が不足して正確な観測結果が得られないという欠点を持つ。
【0007】
これとは別の方式で、アレイ導波路回折格子(Array Waveguide Grating 以下AWGと略記する)を採用した光スペクトラムアナライザが特許文献1に提唱されている。
【0008】
AWGは、周知のように、入力ポートから入力された光信号を、複数の出力ポートから、出力ポート毎に割付けられた波長範囲内の波長を有する複数の光信号に分割して出力する機能を有する。
【0009】
この光スペクトラムアナライザにおいては、図15に示すように、ペルチェ素子上にAWGを取付けて構成された一種の可変波長フィルタを用いる。AWGのアレイ導波路はポリマ導波路で形成されている。ペルチェ素子で温度制御することにより可変波長フィルタの中心波長を変化させ、分光する波長を掃引する。また、波長分光出力を光検出器で受けて処理することにより波長スペクトラムを得る。
【0010】
しかしながら、この特許文献1に記載された光スペクトラムアナライザにおいては、AWGが有する複数の出力ポートのうち、単一の出力ポートで光スペクトラムを観測する。単一の出力ポートによる分光では例えば波長帯域(波長幅)7nmを温度掃引する時に要する時間は60msであり、高速分光は期待できない。
【0011】
この光スペクトラムアナライザでは、光検出器から後の処理は示されておらず、温度が安定してから光検出器の出力を取出すことになり、高速な処理は期待できない。
【0012】
また、一般に、AWGにおいては、構造的に決まるフリースペクトルレンジの範囲内(例えば20nm波長幅)でしか分光が行えなえず、広い波長帯域に対する分光に適応させることができない欠点を持つ。
【0013】
【特許文献】
特開2002―214459号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように回折格子を用いた波長掃引では回折格子を機械的に駆動するために、光信号の解析に必要な波長範囲1525〜1625nmを掃引するための必要な掃引時間は0.5s程度が下限であった。また、AWGを波長可変フィルタとして用いた方式では単一の出力ポートの出力による波長掃引であるため、掃引時間は120msが下限であった。波長分解能を高くするとさらに必要な掃引時間が長くなる課題があった。さらに、AWGにおいては、構造的に、広い波長帯域を測定することができずに、分光波長範囲が制限を受ける問題があった。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、サーキュレータ、FBG及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタから出力されるそれぞれ所望の波長チャネルに対応する波長範囲の異なる光信号を波長チャネル毎に測定し、合成することによって、入力された複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号に対して、所望の波長チャネルに対する波長分析を高速でかつ高精度で実施できる光スペクトラムアナライザを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明の光スペクトラムアナライザにおいては、複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号を、複数段に亘って直列接続され、サーキュレータとFBGと温度調整器とが組込まれ、出力する光信号の波長を自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させる複数の可変波長光フィルタにおける最前段の可変波長光フィルタに入力し、この複数の可変波長光フィルタからそれぞれ出力される各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号を測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムを得る。
【0017】
この場合、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅だけ各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が波長範囲内で掃引されるように、温度調整器を介して各可変波長光フィルタのFBGの温度を掃引する。
【0018】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、複数段に亘って直列接続された複数の可変波長光フィルタにおける各可変波長光フィルタにおいて、出力する光信号の波長を測定すべき光信号が有する複数の波長チャネルのうち、自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させる。周知のようにFBGの温度を変化すると、この可変波長光フィルタの通過波長が変化する。
【0019】
そして、測定すべき光信号を最前段の可変波長光フィルタに入力すると、各可変波長光フィルタから各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号が出力される。FBGの温度を変化(波長掃引)させた状態で、各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号を測定し、合成して、測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラムを得る。
【0020】
この場合、実際の必要な波長掃引幅は、複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号の全測定波長幅でなくて、波長チャネルの波長範囲のみでよい。したがって、必要な波長掃引時間も大幅に短縮される。また、測定すべき光信号の全ての波長チャネルの波長範囲を各可変波長光フィルタに割付ける必要なく、必要な波長チャネルの波長範囲のみを各可変波長光フィルタに割付けるのみでよい。したがって、選択した所望の波長チャネルに対する波長分析を高速で実施できる。
【0021】
また別の発明の光スペクトラムアナライザにおいては、複数段に亘って直列接続され、サーキュレータとFBGと温度調整器とが組込まれ、FBGの温度を変化させることにより、前段を経由して入力された測定すべき光信号の通過波長を自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲内で変化させてこの通過波長の波長成分を出力するとともに、通過波長を除く波長成分を後段へ送出する複数の可変波長光フィルタと、この複数の可変波長光フィルタから出力される光信号を電気信号に変換する複数の光検出器と、この複数の光検出器から出力された各電気信号をデジタルの光検出信号データに変換する複数のA/D変換器と、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅だけ各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が波長範囲内で掃引されるように、温度調整器を介して各可変波長光フィルタのFBGの温度を掃引する波長掃引制御部と、各光検出信号データを一時記憶するためのデータメモリと、波長掃引制御部からの掃引情報及び各A/D変換器から出力された各光検出信号データが入力され、各光検出信号データを出力された可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応させてデータメモリに書込む複数の第1のデータ処理部と、データメモリに記憶された各波長チャネルの波長範囲内の各波長の光検出信号データを読出して、測定すべき光信号の各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する第2のデータ処理部とを備えている。
【0022】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、測定すべき光信号は最前段の各可変波長光フィルタに入力される。各可変波長光フィルタは、波長掃引制御部の温度掃引制御に基づいて、入力された光信号の波長を、測定すべき光信号の複数の波長チャネルのうちの互いに異なる自己に割付られた波長チャネルの波長範囲内で変化させる。
【0023】
第1のデータ処理部にて、各可変波長光フィルタの出力端に設置した光検出器により検出したアナログ値をA/D変換した光検出信号データと波長掃引制御部からの掃引情報を元に算出した波長を対応させた光検出信号データをデータメモリに書込む。また、第2のデータ処理部にて、データメモリから光検出信号データを読出して、測定すべき光信号の各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する。
したがって、先の発明とほぼ同じ作用効果を奏することができる。
【0024】
さらに、別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第1のデータ処理部は、入力された掃引情報が示す掃引開始時刻からの経過時間から波長範囲の波長に対応するアドレスを生成し、各光検出信号データを、データメモリ内の生成されたアドレスに書込む。また、第2のデータ処理部は、データメモリにおける各波長に対応するアドレスに記憶された光検出信号データを読出す。
【0025】
このように、波長掃引制御部からの掃引情報を波長に対応するアドレスに変換することにより、データメモリの各アドレスには波長に対応した各光検出信号データが記憶されていることになり、第2のデータ処理部の処理負担を軽減できる。
【0026】
また別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第1のデータ処理部は、可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応した各光検出信号データを、測定すべき光信号の自己に割付けられた波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして自己に接続されたチャネル表示器に表示出力する。
【0027】
また別の発明においては、上述した発明の光スペクトラムアナライザにおける第2のデータ処理部は、データメモリから読出した隣接する複数波長チャネルの各光検出信号データで一つの波形を形成するとき、この複数波長チャネルの各光検出信号データを新たな合成波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する。
【0028】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅が、可変波長光フィルタに予め設定された波長範囲の波長幅より広い場合であっても、この波長チャネルの光信号を一つのチャネル別波長スペクトラムとして分析できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロックである。この実施形態の光スペクトラムアナライザは、WDM光通信システムにおける、図2に示すような複数の波長チャネル10を有した光信号aにおける各波長チャネル10の波長分析を行う。
【0030】
なお、測定すべき光信号aの一例として1260nm〜1625nmの通信帯域における各波長チャネル10の波長範囲Rの周波数幅(波長幅W)50GHz(W=0.4nm)、100GHz(W=0.81nm)、200GHz(1.6nm)を想定する。チャネル数の一例としては周波数幅(波長幅W)が50GHz(W=0.4nm)の場合、64チャネルまでを考える。
【0031】
この光スペクトラムアナライザは各波長チャネル10の光スペクトラムの表示機能の他に、その波長チャネル10のレベルや波長、帯域幅が正常であるか監視する機能も持たせることもできる。この通信光をモニタするためには所望の波長チャネル10のみモニタすればよい。
【0032】
図2に示す光信号aにおいては、測定波長範囲が1525nm〜1565nmで、それぞれ異なる波長範囲Rを有する各波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅Wは0.4nmである。波長チャネル10は0.4nm毎に並んでいるが、全ての波長帯域を分析する必要がなければ必要な波長帯域に対してのみ波長チャネル10を設定すればよい。図2の例では、3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間に分析しない波長帯域が存在する。
【0033】
また、図3(a)に別の光信号aの例を示す。この光信号aでは、測定波長範囲が1260nm〜1565nmであり、1310nm(λ1の1波)と1550nm帯のWDM(λ2〜λ9の8波)を分析する。なお、WDM光通信システムにおける各光通信帯域での使用波長はITU(International Telecommunication Union 国際電気通信連合)により定められている。この波長をモニタする中心波長とし、同様に規定されているチャネル間隔を掃引範囲とすることで、この実施形態の光スペクトラムアナライザを、WDM光通信用のモニタとして汎用的に使用することが可能である。ここではλ2〜λ9が50GHz(約0.4nm)間隔で配置されているものとする。なお、WDM光通信チャネル間隔は周波数で規定されており、波長で表すと中心波長により違いが生じる。よって、ここでは、約0.4nmと表す。
【0034】
この場合、図3(c)に示すように、1310nm(λ1)近傍に波長幅W=約0.4nmの1個の波長チャネル10と、1550nm帯に波長幅W=約0.4nmの8個の波長チャネル10とが形成されている。したがって、1310nm(λ1)と1550nm帯との間に分析しない広範囲の波長帯域がある。
【0035】
図1において、図2又は図3(a)に示す測定すべき光信号aは、複数段に亘って直列接続されたn(n=64)個の可変波長光フィルタ1における最前段の可変波長光フィルタ1へ入力される。各可変波長光フィルタ1は、サーキュレータ2と、このサーキュレータ2に一端が接続されたFBG3と、このFBG3の温度を調整する例えばペルチェ素子からなる温度調整器4とで構成されている。そして、波長掃引制御部5から印加された温度制御信号cにて温度調整器4がFBG3の温度を変化させると、FBG3で反射されてサーキュレータ2から出力される光信号bの波長λが変化する。
【0036】
各可変波長光フィルタ1のFBG3の一端は自己内のサーキュレータ2に接続されており、FBG3の他端は、自己の後段の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2に接続されている。各FBG3は、自己の前段の可変波長光フィルタ1のFBG3から自己の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2を介して入力された光信号aの各波長チャネル10のうち自己に設定された波長チャネル10の波長範囲R内で変化する波長λを有した光成分を自己のサーキュレータ2側へ反射する。自己のサーキュレータ2側へ反射した光成分以外の光成分は後段の可変波長光フィルタ1のサーキュレータ2へ送出する。自己のサーキュレータ2は、自己のFBG3から反射され波長範囲R内の波長λを有す光成分を新たな光信号bとして出力する。
【0037】
各可変波長光フィルタ1のFBG3に割付られた波長チャネル10の波長範囲Rはそれぞれ異なる値に設定されている。したがって、入力された測定すべき光信号aは、各可変波長光フィルタ1にて、同一波長幅W(=約0.4nm)を有する各波長範囲R内で掃引される波長λを有する複数の光信号bに分離される。
【0038】
各可変波長光フィルタ1における光信号bの波長λの変化範囲は、図2、図3(c)に示すように、光信号bにおける各波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅W(=約0.4nm)である。逆に、各可変波長光フィルタ1から出力される光信号bの波長λが、各波長範囲R内で、波長幅W(=約0.4nm)だけ掃引するように、波長掃引制御部5から温度制御信号cで温度調整器4を制御する。
【0039】
図4に各可変波長光フィルタ1のFBG3に対する温度制御の詳細を示す。
波長掃引制御部5は、図4(a)に示すように、温度制御開始から0.43msだけ温度上昇制御(信号オン)し、続いて0.43msだけ温度下降制御(信号オフ)する温度制御信号cを、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4へ印加する。すると、各可変波長光フィルタ1のFBG3の温度は、図4(b)に示すように変化する。それにより、可変波長光フィルタ1から出力される各光信号bの波長λは、それぞれ自己の波長範囲R内で図4(c)に示すように変化する。
【0040】
温度変化によるFBG3の波長変化はガラスで0.0092nm/℃であり、ポリマーではガラスに比べて1桁大きい波長変化が見込まれている。よってFBG3にポリマーを使用すれば0.1nm/℃の波長変化が見込め、波長幅W=0.4nm変化では4℃の温度掃引制御をすればよい。ポリマーを用いたFBG3の熱容量から類推して0.4nmを波長掃引するに必要な掃引時間は図4(a)で示したように0.43ms程度となる。このように、掃引時間を0.43msに短縮でき、波長掃引を高速に実施できる。
【0041】
波長掃引制御部5は、タイマ9の時間を用いて、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に図4(a)で示した温度制御信号cを送出する。
n個の各可変波長光フィルタ1から出力される各光信号bは、それぞれ光検出器6で電気信号dに変換された後、A/D変換器7でデジタルの光検出信号データeへ変換されて、それぞれ第1のデータ処理部8へ入力される。図5は測定すべき光信号aの一つの波長チャネル10の波長λを横軸とした波形と、A/D変換器7から出力されたデジタルの光検出信号データeとの関係を示す模式図である。図示するように、光検出信号データeは、波長幅W=0.4nmを有した波長チャネル10の波形における波長λの光強度を切出したデータである。
【0042】
各第1のデータ処理部8は例えばディジタルシグナルプロセッサ(DSP)で構成されている。DSPは2.5GHzを超えるクロックサイクルを採用できるため十分高速な処理が可能である。
【0043】
各第1のデータ処理部8は、波長掃引制御部5からの指示fに含まれる掃引情報に基づいて、自己に入力される光検出信号データeに割付られた約0.4nmの波長幅Wを有す波長範囲R内の波長λに対応するアドレスを生成する。具体的には、指示fに含まれる掃引情報が示す掃引開始時刻からの経過時間と温度から換算された各波長λに対応する各アドレスとの関係を示すテーブルが設けられている。
【0044】
そして、自己に入力された各光検出信号データeを、各波長λの光検出信号データiとして、データメモリ11内の掃引開始時刻からの経過時間にて生成されたアドレスに書込む。
【0045】
したがって、データメモリ11内の各アドレスは、図6に示すように、測定すべき図2に示す光信号aの波長幅40nmを有する1525nm〜1565nmの測定波長範囲内の各波長λに対応する。そして、各波長λに対応する各アドレスには、該当波長λの光検出信号データiが記憶される。但し、図2に示す測定すべき光信号aにおいては、3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間に分析しない波長帯域が存在するので、この波長帯域の各波長に対してアドレスが割付けられていない。
【0046】
また、第1のデータ処理部8は、自己に入力された各光検出信号データeを波長λを横軸とするチャネル別波長スペクトラムjを編集して、自己に接続されたチャネル表示器12に表示出力する。表示出力の一例として、図7は、チャネル表示器12の表示画面12aを示す。この表示画面12aには、チャネル別波長スペクトラムjの他に、該当波長チャネル10のチャネル番号(CHn)、正常(OK)か異常(NG)、中心波長λC、スペクトル幅Δλ、ピークレベル(Power)が表示される。
【0047】
例えばDSPで構成された第2のデータ処理部13は、波長掃引制御部5からの指示fに基づいて、データメモリ11における各波長λに対応するアドレスに記憶された光検出信号データkを読出して、測定すべき光信号aの波長スペクトラムmとして、表示器14に表示出力する。
【0048】
なお、第1のデータ処理部8による書込と第2のデータ処理部13による読出しとを同時に実施可能とするために、データメモリ11は2ポートメモリで構成されている。又は、書込みと読出しの競合を調整する回路を持つメモリで構成される。
【0049】
図8に、測定すべき光信号aが有する波長特性と、データメモリ11上のデータ(光検出信号データi)と、表示器14に表示された波長スペクトラムmとの対比を示す。この図8に示すように、データメモリ11上のデータと波長スペクトラムmには、光信号aにおける3番目の波長チャネル10と4番目の波長チャネル10との間の分析しない波長帯域のデータは存在しない。
【0050】
さらに、第2のデータ処理部8は、波長掃引制御部5からの指示fに基づいて、データメモリ11における各波長λに対応するアドレスに記憶された各波長チャネル10の光検出信号データkを読出して、測定すべき光信号aの各波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムjを編集して表示器14に一覧表示する。
【0051】
図9は、一覧表示の一例として、表示器14の表示画面14aを示す。この表示画面14aには、測定すべき光信号aの各波長チャネル10に対応した複数のウインドウ15が形成さされ、各ウインドウ15内には、対応する波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムj、チャネル番号(CHn)、正常(OK)か異常(NG)、中心波長λC、スペクトル幅Δλ、ピークレベル(Power)の各情報が表示される。
【0052】
さらに、第2のデータ処理部13は、図10(a)に示すように、データメモリ11から読出した隣接する複数波長チャネル10の各光検出信号データkで一つの波形を形成するとき、図10(b)に示すように、この複数波長チャネル10の各光検出信号データを新たな合成波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムj2として表示器14に表示出力する。
【0053】
この複数波長チャネル10間の波形合成についてさらに詳細に説明する。
光信号aの波長チャネル10の幅が、各可変波長光フィルタ1の波長範囲Rの波長幅(掃引幅)Wよりも広い場合を考える。具体的には、各可変波長光フィルタ1の波長幅(掃引幅)Wが約0.4nm(50GHz)であるのに対して、波長チャネル10の幅が約0.8nm(100GHz)、や約1.6nm(200GHz)の光信号aを観測する場合を考える。
【0054】
図10(a)では、各可変波長光フィルタ1の波長幅(掃引幅)Wが約0.4nm(50GHz)であるのに対して、波長チャネル10の幅が約0.8nm(100GHz)の光信号aが入射した場合を示す。この場合2つの可変波長光フィルタ1を用いて分光する。図10の光信号aでピーク値、光スペクトル幅、中心波長などを算出する場合にはx番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10の両方のデータを必要とする。
【0055】
チャネル別光スペクトラムj2のピークレベルPower値だけであれば、第2のデータ処理部13において、x番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10のいずれか大きい方の値を採用するという単純な処理で求められる。しかし、その他の光スペクトラム幅Δλや中心波長λCなどの波長方向に光検出データを片方だけで算出しようとしても、各チャネルの最大値とそれから予測される光スペクトル幅は求められない。このため、x番目の波長チャネル10と(x+1)番目の波長チャネル10の両方の光検出信号データkを合成して処理する必要がある。
【0056】
波長掃引制御部5は、図11に示す流れ図に従って各部に対する制御を実施する。
まず、タイマ9に対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する(S1)。各第1のデータ処理部8と第2のデータ処理部13に対して温度制御掃引(波長掃引)の開始を指示fする(S2)。そして、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に温度上昇の温度制御信号cを送出する(S3)。タイマ9がタイムアップしたか判定する(S4)。タイムアップしていなければFBG3に対する温度上昇の温度制御信号eに戻る(S3)。
【0057】
タイマ9がタイムアップしたならば(S4)、タイマ9に対して掃引を元に戻すのに必要な時間(0.4nm掃引した場合、0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する(S5)。そして、各可変波長光フィルタ1の温度調整器4に温度下降の温度制御信号cを送出する(S6)。タイマ9がタイムアップしたか判定する(S7)。タイムアップしていなければFBG3に対する温度下降の温度制御信号eに戻る(S6)。
【0058】
タイマ9がタイムアップしたならば(S7)、測定すべき光信号aに対する測定終了かどうか判断し(S8)、終了でなければ、S1へ戻り、タイマ9に対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、タイマ9を起動する。そして、これ以降の処理を繰り返す。終了の場合は(S8)、今回の処理を終了する。
【0059】
また、各第1のデータ処理部8は、図12に示す流れ図に従って、入力された各光検出信号データeに対する処理を実施する。
【0060】
まず、波長掃引制御部5から指示fを受ける(P1)。指示fが温度制御掃引(波長掃引)の開始であるかを判定し(P2)、開始指示でなかった場合は、波長掃引制御部5から指示fを受ける状態に戻る(P1)。開始指示があった場合には(P2)、内部タイマに対して掃引時間(0.4nm掃引するのに必要な時間0.43ms)を設定して、この内部タイマを起動する(P3)。
【0061】
内部タイマがタイムアップしたかを判定する(P4)。タイムアップしていなければ、掃引開始時刻からの経過時間を内部タイマから読取って、この時点で入力されている光検出信号データeに対応させて記憶する(P5)。そして、内部タイマがタイムアップしたかを判定する(P4)。
【0062】
内部タイマがタイムアップすると(P4)、自己内部に記憶した各掃引開始時刻からの経過時間から温度に対応する波長λを求め、さらに自己内部に記憶した各光検出信号データeをデータメモリ11に書込む際のアドレスに変換する。そして、データメモリ11内のこのアドレスに自己内部に記憶した光検出信号データe(i)を書込む(P6)。
【0063】
この場合、図6を用いて説明したように、光検出信号データe(i)を書込むアドレスは複数ある第1のデータ処理部8毎に異なるアドレス範囲が割当てられており、第2のデータ処理部13で、光検出信号データe(i)を読出す際には全ての第1のデータ処理部8からの波長λが連続して読出せる配列とする。
【0064】
さらに、A/D変換器7から入力した各光検出信号データeを、波長λを横軸とするチャネル別波長スペクトラムjを編集して、自己に接続されたチャネル表示器12に表示出力する(P7)。
【0065】
さらに、第2のデータ処理部13は、図13に示す流れ図に従って、データメモリ11から各光検出信号データkを読取って波長スペクトラムm又はチャネル別波長スペクトラムjとして表示器14に表示出力する処理を実施する。
【0066】
はじめに、波長掃引制御部5から指示fを受ける(Q1)。指示fが温度制御掃引(波長掃引)の開始であるかを判定し(Q2)、開始指示でなかった場合は、波長掃引制御部7から指示fを受ける状態に戻る(Q1)。開始指示があった場合には(Q2)、データメモリ11から各光検出信号データkを読出す(Q3)。
【0067】
操作者が設定(指示)した表示形式がチャネル別表示でなければ(Q4)、予め設定されている測定分解能で、読出した全部の各光検出信号データkを波長λを横軸として合成して一つの波長スペクトラムmとして表示器14に出力する(Q5)。
【0068】
また、操作者が設定(指示)した表示形式がチャネル別表示の場合(Q4)、図10(a)に示すように、隣接する複数の波長チャネル10に跨る各光検出信号データkがあるか否かを判断し(Q6)、存在する場合、該当する各光検出信号データkを図10(b)に示すように、新たな一つのチャネル別波長スペクトラムj2に合成する(Q7)。
【0069】
次に、各波長チャネル10の光検出信号データkを用いて、測定すべき光信号aの各波長チャネル10のチャネル別波長スペクトラムjを編集して、図9に示すように、表示器14に一覧表示(ウインドウ表示)する(Q8)。
【0070】
このように構成された光スペクトラムアナライザにおいては、複数の波長チャネル10を有した測定すべき光信号aを最前段の可変波長光フィルタ1へ入力すると、n(=64)個の可変波長光フィルタ1から、n(=64)個の互いに異なる波長範囲Rを有するn個の光信号bが出力される。各可変波長光フィルタ1のFBG3を一つの波長掃引制御部5で共通に温度掃引(波長掃引)してn個の可変波長光フィルタ1から出力されたn個の光信号bの各波長λを掃引して、第1、第2のデータ処理部8、13で信号処理(データ処理)することにより表示器14に波長チャネル10毎のチャネル別波長スペクトラムjが表示される。
【0071】
この場合、実際の必要な波長掃引幅Wは、測定すべき光信号aの全部の測定波長幅でなくて、波長チャネル10の波長範囲Rの波長幅Wのみでよい。具体的には、図2に示す測定すべき光信号aの測定波長範囲1525〜1565nmの波長幅B=40nmのうちのの波長チャネル10の波長幅W=約0.4nm分だけ各可変波長光フィルタ1から出力される光信号bの波長λが、各可変波長光フィルタ1に割当られた波長幅W=約0.4nmの波長範囲R内で掃引されるように、各FBG3の温度を掃引するのみでよい。
【0072】
前述したように、波長幅W=0.4nmの所要波長掃引時間は0.43msとなり、掃引を元に戻す時間も0.43msとなる。結果的に、測定すべき光信号aの測定波長範囲1525nm〜1565nmを1回掃引するのに要する掃引所要時間は10ms以下となり、高速掃引が可能である。
【0073】
さらに、図2、図3(a)に示すように、測定すべき光信号aにおける全ての波長帯域を分析する必要がなければ、必要な波長帯域に対してのみ波長チャネル10を設定すればよい。したがって、必要な波長帯域のみを高速に分析することが可能である。さらに、たとえ、測定すべき光信号aの波長が不連続であったとしても、必要な波長帯域に対して良好な波長掃引を実施できる。
【0074】
図3(b)は、図14に示す機械的駆動方式の光スペクトラムアナライザを用いて、図3(a)に示す光信号aの波長分析を実施する場合の分析範囲を示す図である。図示するように、1260nm〜1565nmの波長帯域全体305nmを掃引する必要があった。この波長掃引に要する時間は500ms程度必要であった。なお、FBGを使って全帯域を波長掃引する可変波長フィルタ方式(波長帯域を1/100に波長分割して3.3nmを波長掃引する場合)で3.5msを要する。
【0075】
なお、分割数を増加すればよいが、可変波長光フィルタの設置数が増加して、光スペクトラムアナライザが複雑化する。いずれにしても、1260nm〜1565nmの波長帯域全体を掃引する必要があるので、高速な波長分析が困難であった。
【0076】
このような従来技術に対して、本発明の実施形態の手法を採用することにより、1260nm〜1625nmの光通信波長帯域の必要な波長チャネル10で掃引時間0.43ms、分解能25psという高速でかつ高分解能な分光方式が実現できる。このように機械的駆動部を用いた従来方式以上の掃引速度、分解能を得られる。
【0077】
また、図10(a)に示すように、測定すべき光信号aの波長チャネル10の波長範囲の波長幅が、可変波長光フィルタ1に予め設定された波長範囲Rの波長幅Wより広い場合であっても、この波長チャネル10の光信号aを一つのチャネル別波長スペクトラムj2として分析できる。したがって、この光スペクトラムアナライザで測定できる光信号aの種類を拡大できる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光スペクトラムアナライザにおいては、サーキュレータ、FBG及び温度調整器が組込まれ、直列接続された複数の可変波長光フィルタから出力されるそれぞれ所望の波長チャネルに対応する波長範囲の異なる光信号を波長チャネル毎に合成している。したがって、入力された複数の波長チャネルを有した測定すべき光信号に対して、選択した所望の波長チャネルに対する波長分析を高速でかつ高精度で実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【図2】測定すべき光信号の波長分布を示す図
【図3】測定すべき他の光信号の波長分布を示す図
【図4】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各可変波長光フィルタのFBGに加える温度の変化と各可変波長光フィルタから出力される各光信号の波長の変化との関係を示す図
【図5】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける測定すべき光信号の波長分布と光検出信号データとの関係を示す図
【図6】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各可変波長光フィルタから出力される各光信号の波長と、データメモリ内のアドレスとの関係を示す図
【図7】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける各チャネル表示器に表示されたチャネル別波長スペクトラムを示す図
【図8】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける測定すべき光信号とデータメモリ上のデータと波長スペクトラムとの関係を示す図
【図9】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける表示器に表示された各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムを示す図
【図10】同実施形態の光スペクトラムアナライザにおける複数の波長チャネルのデータを合成して一つの新たなチャネル別波長スペクトラムの作成を説明するための図
【図11】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた波長掃引制御部の動作を示す流れ図
【図12】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた第1のデータ処理部の動作を示す流れ図
【図13】同実施形態の光スペクトラムアナライザに組込まれた第2のデータ処理部の動作を示す流れ図
【図14】機械的駆動方式を採用した従来の光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【図15】AWGを採用した従来の光スペクトラムアナライザの概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1…可変波長光フィルタ、2…サーキュレータ、3…ファイバブラッググレーティング(FBG)、4…温度調整器、5…波長掃引制御部、6…光検出器、7…A/D変換器、8…第1のデータ処理部、9…タイマ、10…波長チャネル、11…データメモリ、12…チャネル表示器、13…第2のデータ処理部、14…表示器
Claims (5)
- 複数の波長チャネル(10)を有した測定すべき光信号(a)を、複数段に亘って直列接続され、サーキュレータ(2)とファイバブラッググレーティング(3)と温度調整器(4)とが組込まれ、出力する光信号(b)の波長を自己に割付けられた波長チャネルの波長範囲(R)内で変化させる複数の可変波長光フィルタ(1)における最前段の可変波長光フィルタに入力し、この複数の可変波長光フィルタからそれぞれ出力される各波長チャネルの波長範囲内の各波長を有した光信号(b)を測定し、合成して、前記測定すべき光信号の波長チャネル毎のチャネル別波長スペクトラム(j)を得る光スペクトラムアナライザであって、
前記測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲(R)の波長幅(W)だけ前記各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が前記波長範囲内で掃引されるように、前記温度調整器を介して前記各可変波長光フィルタのファイバブラッググレーティングの温度を掃引することを特徴とする光スペクトラムアナライザ。 - 複数段に亘って直列接続され、サーキュレータ(2)とファイバブラッググレーティング(3)と温度調整器(4)とが組込まれ、前記ファイバブラッググレーティングの温度を変化させることにより、前段を経由して入力された測定すべき光信号(a)の通過波長を自己に割付けられた波長チャネル(10)の波長範囲(R)内で変化させてこの通過波長の波長成分を出力するとともに、通過波長を除く波長成分を後段へ送出する複数の可変波長光フィルタ(1)と、
この複数の可変波長光フィルタから出力される光信号(b)を電気信号(d)に変換する複数の光検出器(6)と、
この複数の光検出器から出力された各電気信号をデジタルの光検出信号データ(e)に変換する複数のA/D変換器(7)と、
前記測定すべき光信号の波長チャネルの波長範囲の波長幅だけ前記各可変波長光フィルタから出力される光信号の波長が前記波長範囲内で掃引されるように、前記温度調整器を介して前記各可変波長光フィルタのファイバブラッググレーティングの温度を掃引する波長掃引制御部(5)と、
前記各光検出信号データを一時記憶するためのデータメモリ(11)と、
前記波長掃引制御部からの掃引情報及び前記各A/D変換器から出力された各光検出信号データが入力され、各光検出信号データを出力された可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応させて前記データメモリに書込む複数の第1のデータ処理部(8)と、
前記データメモリに記憶された各波長チャネルの波長範囲内の各波長の光検出信号データを読出して、前記測定すべき光信号の各波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力する第2のデータ処理部(13)と
を備えたことを特徴とする光スペクトラムアナライザ。 - 前記第1のデータ処理部は、入力された掃引情報が示す掃引開始時刻からの経過時間から前記波長範囲の波長に対応するアドレスを生成し、前記各光検出信号データを、前記データメモリ内の生成されたアドレスに書込み、
前記第2のデータ処理部は、前記データメモリにおける各波長に対応するアドレスに記憶された光検出信号データを読出す
ことを特徴とする請求項2記載の光スペクトラムアナライザ。 - 前記第1のデータ処理部は、可変波長光フィルタの波長範囲の各波長に対応した各光検出信号データを、測定すべき光信号の自己に割付けられた波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして自己に接続されたチャネル表示器に表示出力することを特徴とする請求項2又は3記載の光スペクトラムアナライザ。
- 前記第2のデータ処理部は、前記データメモリから読出した隣接する複数波長チャネルの各光検出信号データで一つの波形を形成するとき、この複数波長チャネルの各光検出信号データを新たな合成波長チャネルのチャネル別波長スペクトラムとして出力することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の光スペクトラムアナライザ。
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