JP2004251577A - 可燃物質含有液体の燃焼装置 - Google Patents

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Akinori Tanaka
章則 田中
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Abstract

【課題】燃焼し難い廃液でも安定して燃焼でき、燃焼効率に優れ、有害排出ガスの量を低減できる可燃物質含有液体の燃焼装置を提供する。
【解決手段】本燃焼装置は、圧縮空気源に接続された圧縮空気噴射装置により燃焼室に向って圧縮空気を噴射供給し、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流に向って方向決めされた複数の液体注入口から燃焼処理すべき液体を供給し、霧化装置により燃焼処理すべき液体を霧化させ、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流の作用により複数の液体注入口からの液体と燃焼空気取入れ口から取入れられた燃焼空気とを拡散装置内でせん断混合させるように構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、灯油などの液体燃料、及び廃棄すべき牛乳や不凍液などの廃液、その他の可燃物質含有液体を燃焼させる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、劣化したり塵埃や磨耗屑などが混入した廃油を焼却するためのこの種の廃液燃焼装置の従来例としては、油メイン廃液と水メイン廃液とを燃焼直前に混合してエマルジョン化して燃焼炉に供給し、燃焼するように構成したものが知られている(特許文献1)。
【0003】
別の従来例としては、燃焼室の底部に焼却すべき廃液を供給し、その上方位置にバーナー装置に接続した火炎管を配置し、そして更にその上部には送風機の送風ダクトを配置し、廃液の燃焼温度を検出し、廃液の燃焼温度が燃焼バーナー装置を点火するための下限温度の時に燃焼バーナー装置を点火し、燃焼バーナー装置を消火するための上限温度の時に燃焼バーナー装置を消火するように構成した廃液燃焼装置が知られている(特許文献2)。
【0004】
さらに別の従来例としては、円筒状の燃焼筒内の燃焼室内に軸線方向に加熱した廃液を噴霧状に供給し、この噴霧状の廃液に対して直交する方向から灯油を霧化状態で供給して点火バーナーにより点火し、噴霧状の廃液を燃焼するように構成した廃液燃焼装置も知られている(特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−281033号公報
【特許文献2】
特開平11−63457号公報
【特許文献3】
特開平10−332127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来公知の廃液燃焼装置は、排出される窒素酸化物NOxの量、燃焼の安定性、燃焼効率の点で必ずしも十分満足できるものではない。
【0007】
そこで、本発明は、燃焼し難い廃液でも安定して燃焼でき、燃焼効率に優れ、有害排出ガスの量を低減できる可燃物質含有液体の燃焼装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による可燃物質含有液体の燃焼装置は、
圧縮空気源に接続され、燃焼室に向って圧縮空気を供給する圧縮空気噴射装置と、
圧縮空気噴射装置と結合して設けられ、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流に向って方向決めされた、燃焼処理すべき液体を供給する複数の液体注入口及び複数の燃焼空気取入れ口を備え、燃焼処理すべき液体を霧化させる霧化装置と、
燃焼室に配置され、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流の作用により霧化装置の複数の液体注入口からの液体と燃焼空気取入れ口から取入れられた燃焼空気とをせん断混合させる拡散装置と
を有することを特徴としている。
【0009】
本発明の実施の形態によれば、霧化装置は圧縮空気噴射装置と連通したテーパー状に開いた噴射ノズルを備え得、液体注入口は、該噴射ノズルの先端付近に向けて傾斜して配列され、また燃焼空気取入れ口は該噴射ノズルの先端付近に向けて傾斜してかつ円周方向に対して予定の捩れ角度をなして配列され得る。
【0010】
拡散装置は、圧縮空気噴射装置と同心に配置された筒状体から成り得、該筒状体の上部に圧縮空気噴射装置、液体注入口及び燃焼空気取入れ口が連通し、筒状体の下部には径方向の複数の燃焼空気流れ開口が形成され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1、図2、図3、図4及び図5には、本発明による可燃物質含有液体の燃焼装置の一つの実施の形態を示し、図示燃焼装置において、1は円筒状の燃焼筒であり、この燃焼筒1の上端部におけるフランジ1aには支持円板2が取付けられている。支持円板2の中央部には霧化装置3が同軸状に支持されている。この霧化装置3には同軸状に圧縮空気噴射装置4が取外し可能に固着されている。霧化装置3には、圧縮空気噴射装置4のまわりにおいて、圧縮空気噴射装置4から噴射される圧縮空気の噴流に向ってそれぞれ燃焼処理すべき液体を供給する三つの液体注入口3aが同一円周上に等間隔に設けられ、隣接した液体注入口3a間において、液体注入口3aの位置する円周より大きな径の円周上に二つの燃焼空気取入れ口3bがそれぞれ設けられ、また圧縮空気噴射装置4の噴射口4aと連通するテーパー状に開いた噴射ノズル3cが設けられている。液体注入口3aは図3及び図4に示すように噴射ノズル3cの先端付近に向けて傾斜して配列され、また燃焼空気取入れ口3bは噴射ノズル3cの先端付近に向けて傾斜しかつ円周方向に対して予定の捩れ角度をなして配列されている。
【0012】
また、霧化装置3の外周下端部には、円筒体から成る拡散装置5が取付けられ、この拡散装置5は、圧縮空気噴射装置4と同心に配置され、その上部に圧縮空気噴射装置4に連通した霧化装置3における噴射ノズル3c、液体注入口3a及び燃焼空気取入れ口3bが連通し、また拡散装置5の下部には径方向の複数の燃焼空気流れ開口5aが形成されている。
【0013】
図2の(A)に示すように、支持円板2に取り付けられた霧化装置3の周囲において、支持円板2には多数の燃焼空気通孔2aが同一円周上に実質的に等間隔に設けられている。これらの燃焼空気通孔2aの二つには着火装置6が装着され、着火装置6の先端は拡散装置5の下端より下方位置までのびている。
【0014】
支持円板2の上側には、霧化装置3及び圧縮空気噴射装置4を覆うケーシング7が密封的に取り付けられ、このケーシング7は燃焼空気導入口7aを備えている。
【0015】
図6には、図1〜図5に示す燃焼装置のフロー系統を示している。すなわち圧縮空気噴射装置4は互いに並列に接続された三つの電磁開閉弁8及び流量調節装置9、圧力調整装置10、フィルター11、ストップバルブ12を介してコンプレッサー13に接続されている。また14は圧力計である。従って、コンプレッサー13は圧縮空気を流量調節装置9及び圧力調整装置10により流量及び圧力調節されて圧縮空気噴射装置4に供給する。
【0016】
また、図6において15は送風機であり、この送風機15は風量調整器16を介してケーシング7の燃焼空気導入口7aに接続されている。風量調整器16はコンプレッサー13からの圧縮空気により電磁切換弁17を介して動作制御されるように構成されている。
【0017】
また、18a、18b、18cは燃焼処理すべき液体を収容するタンクであり、
各タンク18a、18b、18cにはそれぞれストップバルブ19a、19b、19cを介してポンプ20a、20b、20cが設けられている。従って、各タンク18a、18b、18c内の液体はそれぞれポンプ20a、20b、20cより流量調節装置21a、21b、21c及び電磁開閉弁22a、22b、22cを介して霧化装置3における三つの液体注入口3aに流量調節して供給される。
【0018】
このように構成した図示燃焼装置に動作について説明する。
コンプレッサー13から流量調節装置9及び圧力調整装置10により流量及び圧力調節された圧縮空気が圧縮空気噴射装置4に供給されると、圧縮空気噴射装置4はそれに連通した霧化装置3における噴射ノズル3cから圧縮空気を軸線方向に噴射する。噴射された空気は、タンク18a、18b、18cからポンプ20a、20b、20cによって流量調節装置21a、21b、21c及び電磁開閉弁22a、22b、22cを介して霧化装置3における三つの液体注入口3aに供給される異なる液体をせん断混合し、こうして霧化装置3における噴射ノズル3cの先端から気液一体となって噴射される。そしてこの噴射速度で生じるエゼクター効果により、霧化装置3における燃焼空気取入れ口3bからの燃焼空気を霧化装置3における噴射ノズル3cの先端部位で巻き込み、可燃微粒子群が形成される。この場合、霧化装置3における燃焼空気取入れ口3bは図5に示すように、噴射ノズル3cの先端付近に向けて傾斜しかつ円周方向に対して予定の捩れ角度をなして配列されているので、形成された可燃微粒子群の混合が促進され、また拡散装置5により燃焼空気の取り込みも促進される。一方、送風機15から風量調整器16を介してケーシング7の燃焼空気導入口7aに導入された燃焼空気の一部は、支持円板2に設けられた多数の燃焼空気通孔2aを介して燃焼筒1内に入り、着火装置6により着火され、燃焼が行なわれ、熱分解処理する。
【0019】
ところで、図示燃焼装置においては三つの異なる液体を混合して燃焼するように構成しているが、燃焼処理すべき液体の数は任意に設定することができ、三つの以上の異なる液体を処理する場合には霧化装置3に設ける液体注入口の数を三つ以上にすることができる。
【0020】
また、燃焼筒の断面形状及び霧化装置3及び圧縮空気噴射装置4の外形も任意の他の形状例えば多角形に構成することもできる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明による可燃物質含有液体の燃焼装置においては、圧縮空気源に接続された圧縮空気噴射装置により燃焼室に向って圧縮空気を噴射供給し、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流に向って方向決めされた複数の液体注入口から燃焼処理すべき液体を供給し、霧化装置により燃焼処理すべき液体を霧化させ、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流の作用により複数の液体注入口からの液体と燃焼空気取入れ口から取入れられた燃焼空気とを拡散装置内でせん断混合させるように構成しているので、液体燃料を含む燃焼処理すべき複数の液体をできるだけ少ない量の圧縮空気で可燃微粒子化できるようになり、それにより、有毒ガスの発生を低く抑えて廃棄すべき液体を安定して燃焼することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃焼装置の一実施の形態の主要部を示す概略部分断面斜視図。
【図2】図1の燃焼装置の要部を示し、(A)は短手方向概略部分断面図、(B)は長手方向概略部分断面図。
【図3】図1の燃焼装置の要部を拡大して示し、(A)は概略平面図、(B)は概略縦断面図。
【図4】図1の燃焼装置における液体燃料供給口の配置を示す概略斜視図。
【図5】図1の燃焼装置における燃焼空気取入れ口の配置を示す概略斜視図。
【図6】図1に示す燃焼装置のフロー系統の一例を示す線図。
【符号の説明】
1 :円筒状の燃焼筒
1a :フランジ
2 :支持円板
2a :燃焼空気通孔
3 :霧化装置
3a :液体注入口
3b :燃焼空気取入れ口
3c :噴射ノズル
4 :圧縮空気噴射装置
5 :拡散装置
5a :燃焼空気流れ開口
6 :着火装置
7 :ケーシング
7a :燃焼空気導入口
8 :電磁開閉弁
9 :流量調節装置
10 :圧力調整装置
11 :フィルター
12 :ストップバルブ
13 :コンプレッサー
14 :圧力計
15 :送風機
16 :風量調整器
17 :電磁切換弁
18a、18b、18c:燃焼処理すべき液体を収容するタンク
19a、19b、19c:ストップバルブ
20a、20b、20c:ポンプ
21a、21b、21c:流量調節装置
22a、22b、22c:電磁開閉弁

Claims (3)

  1. 圧縮空気源に接続され、燃焼室に向って圧縮空気を供給する圧縮空気噴射装置と、
    圧縮空気噴射装置と結合して設けられ、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流に向って方向決めされた、燃焼処理すべき液体を供給する複数の液体注入口及び複数の燃焼空気取入れ口を備え、燃焼処理すべき液体を霧化させる霧化装置と、
    燃焼室に配置され、圧縮空気噴射装置から噴射される圧縮空気の噴流の作用により霧化装置の複数の液体注入口からの液体と燃焼空気取入れ口から取入れられた燃焼空気とをせん断混合させる拡散装置と
    を有することを特徴とする可燃物質含有液体の燃焼装置。
  2. 霧化装置が圧縮空気噴射装置と連通したテーパー状に開いた噴射ノズルを備え、液体注入口が該噴射ノズルの先端付近に向けて傾斜して配列され、また燃焼空気取入れ口が該噴射ノズルの先端付近に向けて傾斜してかつ円周方向に対して予定の捩れ角度をなして配列されていることを特徴とする請求項1に記載の可燃物質含有液体の燃焼装置。
  3. 拡散装置が、圧縮空気噴射装置と同心に配置された筒状体から成り、該筒状体の上部に圧縮空気噴射装置、液体注入口及び燃焼空気取入れ口が連通し、筒状体の下部に径方向の複数の燃焼空気取入れ開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可燃物質含有液体の燃焼装置。
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JP4697090B2 (ja) * 2006-08-11 2011-06-08 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 二流体噴霧バーナ

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