JP2004251405A - 釘 - Google Patents
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Abstract
【課題】枠組み壁工法或いは在来軸組工法に使用される木材に打ち込んでも木材が割れ難く、しかも、接合耐力が確保される釘を提供する。
【解決手段】枠組み壁工法或いは在来軸組工法に用いられる釘10の先端部12の頂点13近傍に、軸11の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面14を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】枠組み壁工法或いは在来軸組工法に用いられる釘10の先端部12の頂点13近傍に、軸11の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面14を形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材に打ち込んだときに木材の割れ等の対策を施した釘に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の住宅の枠組み壁工法では、木材を枠状に組み上げて壁パネル等が形成されることは良く知られている。この枠組み壁工法における住宅の壁パネルの枠体には、38mm×89mmの木材を用いることが多い。
【0003】
この壁パネルを形成するには、図6に示すように、木材1の端面2に木材3の他方の端部を当て、厚さ38mmの木材3に釘4を打ち込んで枠体5を形成し、この枠体5に構造用合板6を当てて、自動釘打ち機で釘4を打ち込む。
【0004】
釘4の先端形状としては、真直軸4Aの打ち込み方向の先端部4Bが4角錐形状に形成される一方、真直軸4Aの他方の端部に皿状の頭部4Cを形成したものが通常である(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭48−108063号公報(第2図)
【特許文献2】
実開昭50−101767号公報(第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような枠組み壁工法で壁パネルを形成する場合、木材3に釘4を打ち込む場合、木材3に対して釘4を打ち込む位置は、結合する下の木材1の肉厚中央部に打ち込むために、木材3の端部から38/2=19mmの部位P1に打ち込むことが望ましいが、中央部に打ち込んでも割れが発生したり、更には、建築現場や工場にて釘打ちを行う場合には、打ち込み目標位置から2乃至3mm程度のずれが生じ易い。
【0007】
このように釘4の打ち込み位置が目標位置から外れて木材3の端部近傍に打ち込まれると、木材3の端部に割れ7が生じ易くなり、釘4の接合耐力が著しく低下したり、割れを生じたりすることで、合板6等の面材をその後に組み合わせる際に隙間を発生させる問題がある。
【0008】
ここで、木材3の割れを生じ難くするには、釘4の打ち込み先端部を極力平らにして、木材繊維を切断するように釘を打ち込むことが考えられるが、このように釘4の先端部を平らにすると、釘4を打ち込むときの打ち込み抵抗が大きくなり、釘打ち機のパワーを増大させたり、釘4が曲がりやすくなる一方、釘4の先端部により木材繊維が切断される量が過多となり、木材3の接合耐力が低下して抜けやすくなるという問題がある。
【0009】
一般的に、木材に釘を打ち込んだときの釘の接合耐力は、先端部形状、釘の太さ、釘の打ち込んだときの釘の貫入量、木材の比重や材質等に左右される。また、木材に釘を打ち込むときのエネルギーも同様に釘の先端部形状、釘の太さ、釘の打ち込んだときの貫入量、木材の比重や材質等に左右される。
【0010】
しかし、上述の枠組み壁工法に用いる場合には、2×4工法では米松や米栂そしてSPF材が使用されることが多いので、釘を打ち込む木材の比重や材質或いは釘の打ち込み深さである貫入量はほぼ一定であり、釘の先端部形状や釘の太さが接合耐力や打ち込みエネルギーを異ならせる要因となる。
【0011】
ここで、釘を打ち込んだときの木材の割れについて考察すると、2×4工法の木材の割れ部分は、先端部が正四角錐の場合に大きく、先端部が鈍角になったり、先端部に平坦部が形成されている場合に、木割れは小さくなる。即ち、木割れを小さくとどめながら、接合耐力と打ち込みエネルギーを、四角錐の先端部とほぼ同等にするのが望ましい。
【0012】
本願は、このような木の割れと釘の先端形状との相関に着目してなされたものであり、枠組み壁工法或いは在来軸組工法に使用される木材に打ち込んでも、接合耐力が確保され、木材が割れ難い釘を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の第1の釘は、枠組み壁工法又は在来軸組工法に用いられる釘であって、釘の軸から尖鋭に延びる先端部の頂点近傍に、前記軸の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面若しくは湾曲面若しくは鈍角部の何れかを設けたことを特徴とする。
【0014】
又、本願の第2の釘は、前記軸を楕円断面形状に形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる釘を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態にかかる釘を示す。この釘10は表面に防錆処理を施した鉄釘やステンレス釘からなり、図6に示した枠組み壁工法の木材1,3,6の結合に用いるものである。釘10は図示しないエアー式の釘打ち機により木材に打ち込まれるCN釘やN釘であるが、在来軸組工法に用いる釘であっても良い。
【0017】
釘10の軸11から四角錐に狭められる先端部12の頂角θ(図2(a)参照)が25度+−1度の範囲内に設定され、好ましくは先端部12の頂角θは25度とされている。釘10の軸11の太さは3.4mmであり、釘10の先端部12の軸方向の長さは軸11の太さ3.4mm以上であって軸11の太さの2倍6.8mm以下に設定されている。
【0018】
この先端部12は、四角錐の頂点13(図2(a)参照)近傍には、軸11の断面方向の幅が1mmの平坦面14が形成されているが、この平坦面14の代わりに球面や非球面状の湾曲面若しくは鈍角部の何れかであっても良い。
【0019】
上記の釘10について、先端部12の平坦部長さ(軸方向の長さ)と接合耐力の関係、先端部の平坦部長さと打ち込みエネルギーとの関係、或いは、先端部の平坦部長さと木材端部の割れ長さの関係を計測した結果、図3〜図5に示すような結果を得られた。
【0020】
図3は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する接合耐力の割合をY軸にとった座標を示す。図3のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、接合耐力は、四角錐型先端部の100%から緩やかなカーブを描いて60%まで低下しており、四角錐型先端部の釘に較べて接合耐力が10パーセント低下する領域は、0mmから1.6〜1.7mmであることが判明する。
【0021】
図4は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する打ち込みエネルギーの割合をY軸にとった座標を示す。図4のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、打ち込みエネルギー(打ち込みパワー)は、四角錐型先端部の100%から緩やかなカーブを描いて150%まで上昇していることが判明する。図4によれば、打ち込みエネルギーが四角錐型先端部に較べて10%の増加する領域は、1.5mmまでであることが判る。
【0022】
図5は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する木材の割れ長さの割合をY軸にとった座標を示す。図5のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、割れ長さは、四角錐型先端部の20mmから緩やかなカーブを描いて0mmで低下していることが判明する。図5によれば、材料割れが18mmから16mmに低下する領域は1mm〜1.5mmであることが判る。
【0023】
このような結果によれば、太さ3.4mmの釘10の場合、先端部12の平坦面14長さを1mm〜1.5mmに設定すると、接合耐力の低下と打ち込みエネルギーの増加を、先端部が四角錐の釘に較べて10%以下にすることができ、木材の端部の割れ長さを18mm〜16mmに押さえられることが判明した。
【0024】
この先端部の平坦部の長さをd:1mm〜2mmに設定するには、先端部の頂角を25度にするのが望ましい。先端部12の頂角を25度とし、先端部12の頂角部分を平坦にするので、先端部12の長さLは、釘10の径D:3.4mm以上であり、釘10の径3.4mmの2倍以下とすることが出来、これは先端部軸方向の長さLを軸の太さD以上で、軸の太さDの2倍以下(D≦L≦2D)の範囲であり、JIS規格に適合する。
【0025】
又、先端部12の平坦部の長さを1mmに設定したときに、木材の端部の割れは20本中において0本であった。但し、釘10はN75とし、木材は18mm厚さの杉材であり、木材の端部から30mmのところに釘10を打ち込んだ場合である。
【0026】
以上の実験結果によれば、本実施の形態にかかる釘10は、枠組み壁工法或いは在来軸組工法に使用される木材に打ち込んでも木材が割れ難く、しかも、接合耐力が確保される。
【0027】
釘10を打ち込むときの打ち込み抵抗が従来よりも増大しない一方、平坦面/湾曲面/鈍角部の何れかの幅が1mm〜2mmの範囲内に設定されているので、打ち込み対象の木材に割れが生じ難い。他方、先端部の傾斜面が十分に存在するので、接合耐力も十分に確保される。このため、枠組み壁工法或いは在来軸組工法の木材の端部に釘を打ち込むときでも、木材に割れが生じ難く、また、接合耐力が十分であるので、強固な枠体を形成できる。
【0028】
また、釘10の軸の断面が楕円形であるので、長径側を木材の繊維方向に向けて打ち込むことにより、木材の割れる確率をより少なくすることができる。
【0029】
【発明の効果】
本願の第1の釘によれば、枠組み壁工法又は在来軸組工法に用いられる釘において、釘の先端部が軸から尖鋭に延びるので、先端部が四角錐形状の釘と較べても、打ち込みやすさ及び曲がりのない真直打ち込みが確保されると共に、接合耐力が確保される。また、先端部の頂点近傍に、前記軸の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面若しくは湾曲面若しくは鈍角部の何れかを設けたので、枠組み壁工法或いは在来軸組工法の木材端部に打ち込んでも、割れを防止できる。
【0030】
また、本願の第2の釘によれば、上述の作用効果に加えて、軸の断面が楕円形であるので、長径側を木材の繊維方向に向けて打ち込むことにより、木材の割れる確率をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる釘の断面図。
【図2】(a)は先端部をカットする前の四角錐型の先端部の説明図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は先端部を球面の一部とした図、(e)は先端部を鈍角な面とした図。
【図3】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する接合耐力の割合をY軸にとった座標。
【図4】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する打ち込みエネルギーの割合をY軸にとった座標。
【図5】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する木材の割れ長さの割合をY軸にとった座標。
【図6】枠組み壁工法において使用される釘と木材の結合関係を示す図。
【符号の説明】
1 木材
2 端面
3 木材
4 釘
5 枠体
6 構造用合板
7 割れ(木割れ)
10 釘
11 軸
12 先端部
13 頂点
14 平坦面(平坦部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材に打ち込んだときに木材の割れ等の対策を施した釘に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の住宅の枠組み壁工法では、木材を枠状に組み上げて壁パネル等が形成されることは良く知られている。この枠組み壁工法における住宅の壁パネルの枠体には、38mm×89mmの木材を用いることが多い。
【0003】
この壁パネルを形成するには、図6に示すように、木材1の端面2に木材3の他方の端部を当て、厚さ38mmの木材3に釘4を打ち込んで枠体5を形成し、この枠体5に構造用合板6を当てて、自動釘打ち機で釘4を打ち込む。
【0004】
釘4の先端形状としては、真直軸4Aの打ち込み方向の先端部4Bが4角錐形状に形成される一方、真直軸4Aの他方の端部に皿状の頭部4Cを形成したものが通常である(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭48−108063号公報(第2図)
【特許文献2】
実開昭50−101767号公報(第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような枠組み壁工法で壁パネルを形成する場合、木材3に釘4を打ち込む場合、木材3に対して釘4を打ち込む位置は、結合する下の木材1の肉厚中央部に打ち込むために、木材3の端部から38/2=19mmの部位P1に打ち込むことが望ましいが、中央部に打ち込んでも割れが発生したり、更には、建築現場や工場にて釘打ちを行う場合には、打ち込み目標位置から2乃至3mm程度のずれが生じ易い。
【0007】
このように釘4の打ち込み位置が目標位置から外れて木材3の端部近傍に打ち込まれると、木材3の端部に割れ7が生じ易くなり、釘4の接合耐力が著しく低下したり、割れを生じたりすることで、合板6等の面材をその後に組み合わせる際に隙間を発生させる問題がある。
【0008】
ここで、木材3の割れを生じ難くするには、釘4の打ち込み先端部を極力平らにして、木材繊維を切断するように釘を打ち込むことが考えられるが、このように釘4の先端部を平らにすると、釘4を打ち込むときの打ち込み抵抗が大きくなり、釘打ち機のパワーを増大させたり、釘4が曲がりやすくなる一方、釘4の先端部により木材繊維が切断される量が過多となり、木材3の接合耐力が低下して抜けやすくなるという問題がある。
【0009】
一般的に、木材に釘を打ち込んだときの釘の接合耐力は、先端部形状、釘の太さ、釘の打ち込んだときの釘の貫入量、木材の比重や材質等に左右される。また、木材に釘を打ち込むときのエネルギーも同様に釘の先端部形状、釘の太さ、釘の打ち込んだときの貫入量、木材の比重や材質等に左右される。
【0010】
しかし、上述の枠組み壁工法に用いる場合には、2×4工法では米松や米栂そしてSPF材が使用されることが多いので、釘を打ち込む木材の比重や材質或いは釘の打ち込み深さである貫入量はほぼ一定であり、釘の先端部形状や釘の太さが接合耐力や打ち込みエネルギーを異ならせる要因となる。
【0011】
ここで、釘を打ち込んだときの木材の割れについて考察すると、2×4工法の木材の割れ部分は、先端部が正四角錐の場合に大きく、先端部が鈍角になったり、先端部に平坦部が形成されている場合に、木割れは小さくなる。即ち、木割れを小さくとどめながら、接合耐力と打ち込みエネルギーを、四角錐の先端部とほぼ同等にするのが望ましい。
【0012】
本願は、このような木の割れと釘の先端形状との相関に着目してなされたものであり、枠組み壁工法或いは在来軸組工法に使用される木材に打ち込んでも、接合耐力が確保され、木材が割れ難い釘を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の第1の釘は、枠組み壁工法又は在来軸組工法に用いられる釘であって、釘の軸から尖鋭に延びる先端部の頂点近傍に、前記軸の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面若しくは湾曲面若しくは鈍角部の何れかを設けたことを特徴とする。
【0014】
又、本願の第2の釘は、前記軸を楕円断面形状に形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる釘を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態にかかる釘を示す。この釘10は表面に防錆処理を施した鉄釘やステンレス釘からなり、図6に示した枠組み壁工法の木材1,3,6の結合に用いるものである。釘10は図示しないエアー式の釘打ち機により木材に打ち込まれるCN釘やN釘であるが、在来軸組工法に用いる釘であっても良い。
【0017】
釘10の軸11から四角錐に狭められる先端部12の頂角θ(図2(a)参照)が25度+−1度の範囲内に設定され、好ましくは先端部12の頂角θは25度とされている。釘10の軸11の太さは3.4mmであり、釘10の先端部12の軸方向の長さは軸11の太さ3.4mm以上であって軸11の太さの2倍6.8mm以下に設定されている。
【0018】
この先端部12は、四角錐の頂点13(図2(a)参照)近傍には、軸11の断面方向の幅が1mmの平坦面14が形成されているが、この平坦面14の代わりに球面や非球面状の湾曲面若しくは鈍角部の何れかであっても良い。
【0019】
上記の釘10について、先端部12の平坦部長さ(軸方向の長さ)と接合耐力の関係、先端部の平坦部長さと打ち込みエネルギーとの関係、或いは、先端部の平坦部長さと木材端部の割れ長さの関係を計測した結果、図3〜図5に示すような結果を得られた。
【0020】
図3は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する接合耐力の割合をY軸にとった座標を示す。図3のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、接合耐力は、四角錐型先端部の100%から緩やかなカーブを描いて60%まで低下しており、四角錐型先端部の釘に較べて接合耐力が10パーセント低下する領域は、0mmから1.6〜1.7mmであることが判明する。
【0021】
図4は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する打ち込みエネルギーの割合をY軸にとった座標を示す。図4のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、打ち込みエネルギー(打ち込みパワー)は、四角錐型先端部の100%から緩やかなカーブを描いて150%まで上昇していることが判明する。図4によれば、打ち込みエネルギーが四角錐型先端部に較べて10%の増加する領域は、1.5mmまでであることが判る。
【0022】
図5は先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する木材の割れ長さの割合をY軸にとった座標を示す。図5のグラフによれば、平坦面14の長さが0から3.4mmに変化する間に、割れ長さは、四角錐型先端部の20mmから緩やかなカーブを描いて0mmで低下していることが判明する。図5によれば、材料割れが18mmから16mmに低下する領域は1mm〜1.5mmであることが判る。
【0023】
このような結果によれば、太さ3.4mmの釘10の場合、先端部12の平坦面14長さを1mm〜1.5mmに設定すると、接合耐力の低下と打ち込みエネルギーの増加を、先端部が四角錐の釘に較べて10%以下にすることができ、木材の端部の割れ長さを18mm〜16mmに押さえられることが判明した。
【0024】
この先端部の平坦部の長さをd:1mm〜2mmに設定するには、先端部の頂角を25度にするのが望ましい。先端部12の頂角を25度とし、先端部12の頂角部分を平坦にするので、先端部12の長さLは、釘10の径D:3.4mm以上であり、釘10の径3.4mmの2倍以下とすることが出来、これは先端部軸方向の長さLを軸の太さD以上で、軸の太さDの2倍以下(D≦L≦2D)の範囲であり、JIS規格に適合する。
【0025】
又、先端部12の平坦部の長さを1mmに設定したときに、木材の端部の割れは20本中において0本であった。但し、釘10はN75とし、木材は18mm厚さの杉材であり、木材の端部から30mmのところに釘10を打ち込んだ場合である。
【0026】
以上の実験結果によれば、本実施の形態にかかる釘10は、枠組み壁工法或いは在来軸組工法に使用される木材に打ち込んでも木材が割れ難く、しかも、接合耐力が確保される。
【0027】
釘10を打ち込むときの打ち込み抵抗が従来よりも増大しない一方、平坦面/湾曲面/鈍角部の何れかの幅が1mm〜2mmの範囲内に設定されているので、打ち込み対象の木材に割れが生じ難い。他方、先端部の傾斜面が十分に存在するので、接合耐力も十分に確保される。このため、枠組み壁工法或いは在来軸組工法の木材の端部に釘を打ち込むときでも、木材に割れが生じ難く、また、接合耐力が十分であるので、強固な枠体を形成できる。
【0028】
また、釘10の軸の断面が楕円形であるので、長径側を木材の繊維方向に向けて打ち込むことにより、木材の割れる確率をより少なくすることができる。
【0029】
【発明の効果】
本願の第1の釘によれば、枠組み壁工法又は在来軸組工法に用いられる釘において、釘の先端部が軸から尖鋭に延びるので、先端部が四角錐形状の釘と較べても、打ち込みやすさ及び曲がりのない真直打ち込みが確保されると共に、接合耐力が確保される。また、先端部の頂点近傍に、前記軸の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面若しくは湾曲面若しくは鈍角部の何れかを設けたので、枠組み壁工法或いは在来軸組工法の木材端部に打ち込んでも、割れを防止できる。
【0030】
また、本願の第2の釘によれば、上述の作用効果に加えて、軸の断面が楕円形であるので、長径側を木材の繊維方向に向けて打ち込むことにより、木材の割れる確率をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる釘の断面図。
【図2】(a)は先端部をカットする前の四角錐型の先端部の説明図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は先端部を球面の一部とした図、(e)は先端部を鈍角な面とした図。
【図3】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する接合耐力の割合をY軸にとった座標。
【図4】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する打ち込みエネルギーの割合をY軸にとった座標。
【図5】先端部の平坦部の長さをX軸にとり、先端部を四角錐とした釘に対する木材の割れ長さの割合をY軸にとった座標。
【図6】枠組み壁工法において使用される釘と木材の結合関係を示す図。
【符号の説明】
1 木材
2 端面
3 木材
4 釘
5 枠体
6 構造用合板
7 割れ(木割れ)
10 釘
11 軸
12 先端部
13 頂点
14 平坦面(平坦部)
Claims (2)
- 枠組み壁工法又は在来軸組工法に用いられる釘であって、釘の軸から尖鋭に延びる先端部の頂点近傍に、前記軸の直径に対して20%〜35%であって直径1mm〜1.5mm範囲内の幅を有する平坦面若しくは湾曲面若しくは鈍角部の何れかを設けたことを特徴とする釘。
- 請求項1の釘において、前記軸を楕円断面形状に形成したことを特徴とする釘。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003043725A JP2004251405A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 釘 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003043725A JP2004251405A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 釘 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004251405A true JP2004251405A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33026648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003043725A Pending JP2004251405A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 釘 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004251405A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011043234A (ja) * | 2009-08-23 | 2011-03-03 | Takeo Hasegawa | 打ち込み式ねじ釘 |
JP2018515732A (ja) * | 2015-05-11 | 2018-06-14 | ライムント ベック カーゲー | 木本植物材料からなる釘のストリップ |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003043725A patent/JP2004251405A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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