JP2004251192A - 油圧式ラッシュアジャスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性の高い気液分離を行うことができる油圧式ラッシュアジャスタの提供。
【解決手段】(1)内部にプランジャ室4を有し頂部に油孔20を有するプランジャ2を備えた油圧式ラッシュアジャスタ1において、プランジャ室4にらせん状プレート21を配置した油圧式ラッシュアジャスタ1。(2)らせん状プレート21の中央部に中空円筒23を配置してらせん状プレート21を中空円筒23の外周面に嵌合し、中空円筒23に中空円筒内外を連通する複数の孔24が形成した油圧式ラッシュアジャスタ1。
【選択図】 図1
【解決手段】(1)内部にプランジャ室4を有し頂部に油孔20を有するプランジャ2を備えた油圧式ラッシュアジャスタ1において、プランジャ室4にらせん状プレート21を配置した油圧式ラッシュアジャスタ1。(2)らせん状プレート21の中央部に中空円筒23を配置してらせん状プレート21を中空円筒23の外周面に嵌合し、中空円筒23に中空円筒内外を連通する複数の孔24が形成した油圧式ラッシュアジャスタ1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁系の油圧式ラッシュアジャスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−288020号公報は、内部にプランジャ室を有し頂部に油孔を有するプランジャを備えた、従来の内燃機関の動弁系の油圧式ラッシュアジャスタを開示している。そこでは、オイルに溶け込んでいる空気をオイルが高圧室に供給される前に除去するために、オイルがプランジャ室に流入する前のオイル経路にオイル導入口を設け、このオイル導入口の径をプランジャ室頂部の油孔の径より小にして、オイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを発生させ、空気をオイルから析出させようとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−288020号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、キャビテーション方式にはつぎの問題がある。
プランジャ室頂部の油孔はローラロッカーの球面部と接触していてローラロッカーによって塞がれているので、プランジャ室頂部の油孔の実際の開口面積は該油孔の径から演算される開口面積より小であり、オイル導入口の径をプランジャ室頂部の油孔の径より小にしてもオイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを生じるとは限らず、狙ったほどキャビテーションによる気液分離が得られるとは限らない。
たとえ、オイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを生じさせることができたとしても、キャビテーションによる気泡は非常に小さいため、微小気泡はオイルに含まれたまま高圧室へと流れるおそれがある。すなわち、多数の微小気泡が集合して大きな泡となって浮上してプランジャ室頂部の油孔より抜けるとは限らない。
その結果、従来技術では信頼性の高い気液分離を行うことは困難である。
本発明の目的は、信頼性の高い気液分離を行うことができる油圧式ラッシュアジャスタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 内部にプランジャ室を有し頂部に油孔を有するプランジャを備えた油圧式ラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャ室にらせん状プレートを配置したことを特徴とする油圧式ラッシュアジャスタ。
(2) 前記らせん状プレートの中央部に中空円筒を配置して前記らせん状プレートを前記中空円筒の外周面に嵌合し、前記中空円筒に中空円筒内外を連通する複数の孔が形成した(1)記載の油圧式ラッシュアジャスタ。
【0006】
上記(1)の油圧式ラッシュアジャスタでは、プランジャ室にらせん状プレートを配置したので、オイルはプランジャ室をらせん状に流れ、その時遠心力を発生し、質量が空気より大のオイルはプランジャ室の外周部に集められて流れ、質量がオイルより小の気泡は中心部に集められ、積極的な気液分離が行われる。中心部に集まった気泡は合体して大きな泡となって浮上し、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜ける。
上記(2)の油圧式ラッシュアジャスタでは、孔を有する中空円筒をらせん状プレートの中央に配置したので、遠心力でオイルと分離され中央に集められた気泡は中空円筒の孔を通って中空円筒内に入り、中空円筒内を上方に浮上する。そのため、中空円筒がガイドになり、気泡は円滑に浮上してプランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜ける。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の油圧式ラッシュアジャスタを図1〜図4を参照して説明する。
本発明の油圧式ラッシュアジャスタ1は、図4に示すように、カムシャフト15、ロッカーアーム(たとえば、ローラー付ロッカーアーム)16、吸気弁または排気弁17、弁ばね18で主に構成された内燃機関の動弁系装置に適用される。ロッカーアーム16は、一端で油圧式ラッシュアジャスタ1のプランジャ2の頂部とロッカーアーム16との接触部を揺動の中心として、カムシャフト15が回転した時にカムシャフト15のカムノーズでロッカーアーム16のローラー部が押されることにより揺動され、ロッカーアーム16の他端で吸気弁または排気弁17を弁ばね18に抗して押して上下動させ、弁17を開閉する。
油圧式ラッシュアジャスタ1は、各弁17毎に内燃機関のシリンダヘッドのラッシュアジャスタ保持穴19に納められている。油圧式ラッシュアジャスタ1には、オイルポンプで汲み上げられたエンジンオイルがシリンダヘッドのオイル通路から供給されている。
【0008】
油圧式ラッシュアジャスタ1は、図1〜図3に示すように、プランジャ2とハウジング3を有する。ハウジング3はラッシュアジャスタ保持穴19に納められており、プランジャ2はハウジング3内にプランジャ軸方向に可動に納められている。シリンダヘッド内オイル通路からのオイルは、ハウジング3に設けられたオイル通路13およびプランジャ2に設けられたオイル通路14を通してプランジャ2内に導入される。
プランジャ2は内部にプランジャ室4を有し、ハウジング3は内部に高圧室5を有する。プランジャ室4と高圧室5とはプランジャ2の底壁で隔てられている。プランジャ2の底壁には、開の時にプランジャ室4と高圧室5とを連通するオイル流入孔6が形成されている。
オイル流入孔6には、チェックボール7が設けられ、オイルをプランジャ室4から高圧室5へのみ流す。チェックボール7はボールリテーナ9を介してスプリング8でオイル流入孔6を塞ぐ方向に付勢されており、チェックボール7の開弁圧はスプリング8の付勢力で決定される。
【0009】
ハウジング3の底壁とプランジャ2の底壁との間にはプランジャスプリング10が設けられ、プランジャスプリング10はスプリングリテーナ11を介してプランジャ2をハウジング3から出る方向に付勢している。
プランジャ1の筒部の外周面とハウジング2の筒部の内周面との間には摺動を許す微小クリアランス12があり、そのクリアランス12を通して高圧室4のオイルは外部に洩れる。
プランジャ1とロッカーアーム16との間に隙間が生じると該隙間を埋める方向にプランジャ1がハウジング2に対して相対変位して隙間をなくす。プランジャ2の上下変位は、スプリング8、プランジャスプリング10の付勢力と、高圧室4の油圧と、クリアランス12を通してのオイルの洩れ量で決定される。
プランジャ1の頂部には油孔20が設けられおり、プランジャ室4内のオイルの一部は油孔20を通して外部に抜け、プランジャ1の頂部とロッカーアーム16との摺動接触面を潤滑する。
【0010】
プランジャ1内のプランジャ室4には、らせん状プレート21が配置されて固定されていいる。らせん状プレート21の外側縁はプランジャ1の筒部の内面に隙間なく接触している。らせん状プレート21はプランジャ1内をらせん状に仕切り、らせん状オイル通路22を形成している。らせん状オイル通路22は、一端でプランジャの筒部に形成されたオイル流入孔6に接続している。らせん状オイル通路22のオイル流入孔6に接続している一端と反対側はプランジャ内にオイルを導入するオイル通路14に接続している。
【0011】
らせん状プレート21の中央部にはプランジャ1の軸方向に延びる中空円筒23が配置されている。らせん状プレート21は内周縁を有し、らせん状プレート21の内周縁は中空円筒23の外周面に嵌合している。中空円筒23に中空円筒23の内外を連通する複数の孔24が形成されている。複数の孔24はらせん状通路22に沿って開けられている。
【0012】
つぎに、本発明の油圧式ラッシュアジャスタ1の作用を説明する。
ラッシュアジャスタ1に入る前に除去できなかった空気が混入しているオイルが、ハウジング3のオイル通路14、プランジャ2のオイル通路13を通って、プランジャ4に導入される。
導入されたオイルは、らせん状プレート21で形成されたらせん状通路22をらせん状に旋回しながらプランジャ室下部に向かう。図3に示すように、オイルがらせん状通路22をらせん状に旋回する時にオイルには遠心力が働き、質量が空気に比べて大きなオイルはらせん状通路22の外周部を通ろうとし、質量がオイルに比べて小さな気泡はらせん状通路22の内周部に集められ、その結果積極的な気液分離が行われる。内周部に集められた気泡は一部は中空円筒23の孔24を通って中空円筒23内に入り、残りは中空円筒23外のらせん状通路22に位置する。
【0013】
プランジャ室の半径方向中心部に集められた気泡は互いに合体して次第に大きな泡となり、該泡は浮力で浮上する。中空円筒23内に入って浮上した泡は中空円筒23にガイドされて中空円筒23内をそのまま浮上し、プランジャ室頂部の油孔20を通して外部に抜ける。
中空円筒23外のらせん状通路22に留まった泡は浮力でゆるやかにらせん状通路22をらせん状に浮上していき、途中で中空円筒23の孔24を通って中空円筒23内に入り、中空円筒23内を浮上する泡と一体化して浮上し、残りはそのままらせん状通路22をらせん状に浮上してらせん状通路22上端に至り、そこから浮上し、プランジャ室頂部の油孔20を通して外部に抜ける。
【0014】
遠心力による気液分離は、キャビテーションによる気液分離と異なり、油孔20の径とオイル通路13、14の径との大小関係に無関係であり、信頼性の高い気液分離が行われる。
微小気泡の抜けたオイルは、らせん状通路22の下端から、チェックボール7の開弁時に高圧室5に導かれる。したがって、本発明では、単純で安価ならせん状プレート21により、オイルから混入空気を除去し、オイル体積弾性率の安定した性状なオイル特性をもったオイルを高圧室5に導入することができ、高圧室の作用を性状に達成させることができる。その結果、高圧室5に空気が混入した場合に生じるおそれのある、下方へのプランジャ2の急激な落ち込みによる動弁系トラブル(吸・排気弁開閉異常、打音など)を回避することができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の油圧式ラッシュアジャスタによれば、プランジャ室にらせん状プレートを配置したので、オイルはプランジャ室をらせん状に流れ、その時遠心力が発生し、積極的な気液分離を行わさせることができる。そして、中心部に集まった気泡は合体して大きな泡となって浮上し、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜けるので、混入している空気が抜けたオイルを高圧室に導入することができ、動弁系を正常に作動させることができる。遠心力による気液分離は、キャビテーションによる気液分離と異なり、油孔20の径とオイル通路13、14の径との大小関係に無関係であり、信頼性の高い気液分離が行われる。
請求項2の油圧式ラッシュアジャスタによれば、孔を有する中空円筒をらせん状プレートの中央に配置したので、遠心力でオイルと分離され中央に集められた気泡を、中空円筒の孔を通して中空円筒内に導き円滑に浮上させて、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧式ラッシュアジャスタの断面図である。
【図2】図1の油圧式ラッシュアジャスタのうちらせん状プレートと中空円筒の斜視図である。
【図3】図2のA−A線で見たらせん状プレートと中空円筒の断面図である。
【図4】本発明の油圧式ラッシュアジャスタを装着した内燃機関の動弁系まわりの断面図である。
【符号の説明】
1 油圧式ラッシュアジャスタ
2 プランジャ
3 ハウジング
4 プランジャ室
5 高圧室
6 オイル流入孔
7 チェックボール
8 スプリング
9 ボールリテーナ
10 プランジャスプリング
11 スプリングリテーナ
12 クリアランス
13、14 オイル通路
15 カムシャフト
16 ロッカーアーム
17 吸・排気弁
18 弁ばね
19 ラッシュアジャスタ保持穴
20 油孔
21 らせん状プレート
22 らせん状通路
23 中空円筒
24 孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁系の油圧式ラッシュアジャスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−288020号公報は、内部にプランジャ室を有し頂部に油孔を有するプランジャを備えた、従来の内燃機関の動弁系の油圧式ラッシュアジャスタを開示している。そこでは、オイルに溶け込んでいる空気をオイルが高圧室に供給される前に除去するために、オイルがプランジャ室に流入する前のオイル経路にオイル導入口を設け、このオイル導入口の径をプランジャ室頂部の油孔の径より小にして、オイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを発生させ、空気をオイルから析出させようとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−288020号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、キャビテーション方式にはつぎの問題がある。
プランジャ室頂部の油孔はローラロッカーの球面部と接触していてローラロッカーによって塞がれているので、プランジャ室頂部の油孔の実際の開口面積は該油孔の径から演算される開口面積より小であり、オイル導入口の径をプランジャ室頂部の油孔の径より小にしてもオイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを生じるとは限らず、狙ったほどキャビテーションによる気液分離が得られるとは限らない。
たとえ、オイルがオイル導入口を通過する時にオイル内にキャビテーションを生じさせることができたとしても、キャビテーションによる気泡は非常に小さいため、微小気泡はオイルに含まれたまま高圧室へと流れるおそれがある。すなわち、多数の微小気泡が集合して大きな泡となって浮上してプランジャ室頂部の油孔より抜けるとは限らない。
その結果、従来技術では信頼性の高い気液分離を行うことは困難である。
本発明の目的は、信頼性の高い気液分離を行うことができる油圧式ラッシュアジャスタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 内部にプランジャ室を有し頂部に油孔を有するプランジャを備えた油圧式ラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャ室にらせん状プレートを配置したことを特徴とする油圧式ラッシュアジャスタ。
(2) 前記らせん状プレートの中央部に中空円筒を配置して前記らせん状プレートを前記中空円筒の外周面に嵌合し、前記中空円筒に中空円筒内外を連通する複数の孔が形成した(1)記載の油圧式ラッシュアジャスタ。
【0006】
上記(1)の油圧式ラッシュアジャスタでは、プランジャ室にらせん状プレートを配置したので、オイルはプランジャ室をらせん状に流れ、その時遠心力を発生し、質量が空気より大のオイルはプランジャ室の外周部に集められて流れ、質量がオイルより小の気泡は中心部に集められ、積極的な気液分離が行われる。中心部に集まった気泡は合体して大きな泡となって浮上し、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜ける。
上記(2)の油圧式ラッシュアジャスタでは、孔を有する中空円筒をらせん状プレートの中央に配置したので、遠心力でオイルと分離され中央に集められた気泡は中空円筒の孔を通って中空円筒内に入り、中空円筒内を上方に浮上する。そのため、中空円筒がガイドになり、気泡は円滑に浮上してプランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜ける。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の油圧式ラッシュアジャスタを図1〜図4を参照して説明する。
本発明の油圧式ラッシュアジャスタ1は、図4に示すように、カムシャフト15、ロッカーアーム(たとえば、ローラー付ロッカーアーム)16、吸気弁または排気弁17、弁ばね18で主に構成された内燃機関の動弁系装置に適用される。ロッカーアーム16は、一端で油圧式ラッシュアジャスタ1のプランジャ2の頂部とロッカーアーム16との接触部を揺動の中心として、カムシャフト15が回転した時にカムシャフト15のカムノーズでロッカーアーム16のローラー部が押されることにより揺動され、ロッカーアーム16の他端で吸気弁または排気弁17を弁ばね18に抗して押して上下動させ、弁17を開閉する。
油圧式ラッシュアジャスタ1は、各弁17毎に内燃機関のシリンダヘッドのラッシュアジャスタ保持穴19に納められている。油圧式ラッシュアジャスタ1には、オイルポンプで汲み上げられたエンジンオイルがシリンダヘッドのオイル通路から供給されている。
【0008】
油圧式ラッシュアジャスタ1は、図1〜図3に示すように、プランジャ2とハウジング3を有する。ハウジング3はラッシュアジャスタ保持穴19に納められており、プランジャ2はハウジング3内にプランジャ軸方向に可動に納められている。シリンダヘッド内オイル通路からのオイルは、ハウジング3に設けられたオイル通路13およびプランジャ2に設けられたオイル通路14を通してプランジャ2内に導入される。
プランジャ2は内部にプランジャ室4を有し、ハウジング3は内部に高圧室5を有する。プランジャ室4と高圧室5とはプランジャ2の底壁で隔てられている。プランジャ2の底壁には、開の時にプランジャ室4と高圧室5とを連通するオイル流入孔6が形成されている。
オイル流入孔6には、チェックボール7が設けられ、オイルをプランジャ室4から高圧室5へのみ流す。チェックボール7はボールリテーナ9を介してスプリング8でオイル流入孔6を塞ぐ方向に付勢されており、チェックボール7の開弁圧はスプリング8の付勢力で決定される。
【0009】
ハウジング3の底壁とプランジャ2の底壁との間にはプランジャスプリング10が設けられ、プランジャスプリング10はスプリングリテーナ11を介してプランジャ2をハウジング3から出る方向に付勢している。
プランジャ1の筒部の外周面とハウジング2の筒部の内周面との間には摺動を許す微小クリアランス12があり、そのクリアランス12を通して高圧室4のオイルは外部に洩れる。
プランジャ1とロッカーアーム16との間に隙間が生じると該隙間を埋める方向にプランジャ1がハウジング2に対して相対変位して隙間をなくす。プランジャ2の上下変位は、スプリング8、プランジャスプリング10の付勢力と、高圧室4の油圧と、クリアランス12を通してのオイルの洩れ量で決定される。
プランジャ1の頂部には油孔20が設けられおり、プランジャ室4内のオイルの一部は油孔20を通して外部に抜け、プランジャ1の頂部とロッカーアーム16との摺動接触面を潤滑する。
【0010】
プランジャ1内のプランジャ室4には、らせん状プレート21が配置されて固定されていいる。らせん状プレート21の外側縁はプランジャ1の筒部の内面に隙間なく接触している。らせん状プレート21はプランジャ1内をらせん状に仕切り、らせん状オイル通路22を形成している。らせん状オイル通路22は、一端でプランジャの筒部に形成されたオイル流入孔6に接続している。らせん状オイル通路22のオイル流入孔6に接続している一端と反対側はプランジャ内にオイルを導入するオイル通路14に接続している。
【0011】
らせん状プレート21の中央部にはプランジャ1の軸方向に延びる中空円筒23が配置されている。らせん状プレート21は内周縁を有し、らせん状プレート21の内周縁は中空円筒23の外周面に嵌合している。中空円筒23に中空円筒23の内外を連通する複数の孔24が形成されている。複数の孔24はらせん状通路22に沿って開けられている。
【0012】
つぎに、本発明の油圧式ラッシュアジャスタ1の作用を説明する。
ラッシュアジャスタ1に入る前に除去できなかった空気が混入しているオイルが、ハウジング3のオイル通路14、プランジャ2のオイル通路13を通って、プランジャ4に導入される。
導入されたオイルは、らせん状プレート21で形成されたらせん状通路22をらせん状に旋回しながらプランジャ室下部に向かう。図3に示すように、オイルがらせん状通路22をらせん状に旋回する時にオイルには遠心力が働き、質量が空気に比べて大きなオイルはらせん状通路22の外周部を通ろうとし、質量がオイルに比べて小さな気泡はらせん状通路22の内周部に集められ、その結果積極的な気液分離が行われる。内周部に集められた気泡は一部は中空円筒23の孔24を通って中空円筒23内に入り、残りは中空円筒23外のらせん状通路22に位置する。
【0013】
プランジャ室の半径方向中心部に集められた気泡は互いに合体して次第に大きな泡となり、該泡は浮力で浮上する。中空円筒23内に入って浮上した泡は中空円筒23にガイドされて中空円筒23内をそのまま浮上し、プランジャ室頂部の油孔20を通して外部に抜ける。
中空円筒23外のらせん状通路22に留まった泡は浮力でゆるやかにらせん状通路22をらせん状に浮上していき、途中で中空円筒23の孔24を通って中空円筒23内に入り、中空円筒23内を浮上する泡と一体化して浮上し、残りはそのままらせん状通路22をらせん状に浮上してらせん状通路22上端に至り、そこから浮上し、プランジャ室頂部の油孔20を通して外部に抜ける。
【0014】
遠心力による気液分離は、キャビテーションによる気液分離と異なり、油孔20の径とオイル通路13、14の径との大小関係に無関係であり、信頼性の高い気液分離が行われる。
微小気泡の抜けたオイルは、らせん状通路22の下端から、チェックボール7の開弁時に高圧室5に導かれる。したがって、本発明では、単純で安価ならせん状プレート21により、オイルから混入空気を除去し、オイル体積弾性率の安定した性状なオイル特性をもったオイルを高圧室5に導入することができ、高圧室の作用を性状に達成させることができる。その結果、高圧室5に空気が混入した場合に生じるおそれのある、下方へのプランジャ2の急激な落ち込みによる動弁系トラブル(吸・排気弁開閉異常、打音など)を回避することができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の油圧式ラッシュアジャスタによれば、プランジャ室にらせん状プレートを配置したので、オイルはプランジャ室をらせん状に流れ、その時遠心力が発生し、積極的な気液分離を行わさせることができる。そして、中心部に集まった気泡は合体して大きな泡となって浮上し、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜けるので、混入している空気が抜けたオイルを高圧室に導入することができ、動弁系を正常に作動させることができる。遠心力による気液分離は、キャビテーションによる気液分離と異なり、油孔20の径とオイル通路13、14の径との大小関係に無関係であり、信頼性の高い気液分離が行われる。
請求項2の油圧式ラッシュアジャスタによれば、孔を有する中空円筒をらせん状プレートの中央に配置したので、遠心力でオイルと分離され中央に集められた気泡を、中空円筒の孔を通して中空円筒内に導き円滑に浮上させて、プランジャ室頂部の油孔を通して外部に抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧式ラッシュアジャスタの断面図である。
【図2】図1の油圧式ラッシュアジャスタのうちらせん状プレートと中空円筒の斜視図である。
【図3】図2のA−A線で見たらせん状プレートと中空円筒の断面図である。
【図4】本発明の油圧式ラッシュアジャスタを装着した内燃機関の動弁系まわりの断面図である。
【符号の説明】
1 油圧式ラッシュアジャスタ
2 プランジャ
3 ハウジング
4 プランジャ室
5 高圧室
6 オイル流入孔
7 チェックボール
8 スプリング
9 ボールリテーナ
10 プランジャスプリング
11 スプリングリテーナ
12 クリアランス
13、14 オイル通路
15 カムシャフト
16 ロッカーアーム
17 吸・排気弁
18 弁ばね
19 ラッシュアジャスタ保持穴
20 油孔
21 らせん状プレート
22 らせん状通路
23 中空円筒
24 孔
Claims (2)
- 内部にプランジャ室を有し頂部に油孔を有するプランジャを備えた油圧式ラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャ室にらせん状プレートを配置したことを特徴とする油圧式ラッシュアジャスタ。
- 前記らせん状プレートの中央部に中空円筒を配置して前記らせん状プレートを前記中空円筒の外周面に嵌合し、前記中空円筒に中空円筒内外を連通する複数の孔が形成した請求項1記載の油圧式ラッシュアジャスタ。
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JP2003042237A JP2004251192A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 油圧式ラッシュアジャスタ |
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JP2003042237A JP2004251192A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 油圧式ラッシュアジャスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004251192A true JP2004251192A (ja) | 2004-09-09 |
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ID=33025573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003042237A Pending JP2004251192A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 油圧式ラッシュアジャスタ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004251192A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015218691A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 株式会社オティックス | ラッシュアジャスタ |
FR3063104A1 (fr) * | 2017-02-21 | 2018-08-24 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Butee hydraulique de rattrapage de jeu et mecanisme d’actionnement de soupape l’incorporant |
CN111606379A (zh) * | 2020-07-02 | 2020-09-01 | 青海民族大学 | 一种流体机械测试系统用除气装置 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042237A patent/JP2004251192A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015218691A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 株式会社オティックス | ラッシュアジャスタ |
FR3063104A1 (fr) * | 2017-02-21 | 2018-08-24 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Butee hydraulique de rattrapage de jeu et mecanisme d’actionnement de soupape l’incorporant |
CN111606379A (zh) * | 2020-07-02 | 2020-09-01 | 青海民族大学 | 一种流体机械测试系统用除气装置 |
CN111606379B (zh) * | 2020-07-02 | 2022-06-07 | 青海民族大学 | 一种流体机械测试系统用除气装置 |
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