JP2004250851A - 衣服の一部に適用できる編み地 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】横編機でもって、横方向に延びる中央部部2とこの中央部分2の両側から中央部分2に対して縦方向に屈折した起立部分3、4を連続して編成して衣服の少なくとも二つの部分に適用できる編み地1となした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣服の一部に適用できる編み地、詳しくは衣服の少なくとも二つの部分が連続的に編成された編み地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、衣服の袖口や裾にスリットやベンツを取り入れて動きやすさと装飾性を兼ねた衣服が出ている。その袖口や裾の外周縁およびスリットやベンツの端縁を直線状や編み地(テープ)によって縁取りされた衣服である。このような衣服は周知の通り、テープを袖口や裾の外周縁に縫製やリンキングを行い縫着し、さらにスリットやベンツの長さに合わせて裁断された2本のテープ片をスリットやベンツの両側端縁に縫製やリンキングして縫着され縁取りされている。
【0003】
また、上衿部やボタン掛けに利用される左右の前立部を備えた衿付きニットシャツ(以下ポロシャツと称する)の衿部用の編み地については、台衿部となる基部と上衿部となる開襟部が連続し、さらにこの基部を両側に延長して前立部に似た胸開部を形成した衿用編み地が知られているが、一般的なポロシャツにおいては、上衿部、台衿部および左右の前立部のそれぞれを個別に編成し、それぞれの部分を縫製やリンキングによってシャツ身頃の衿ぐり部に縫着されていた。即ち、台衿部は首筋の周りに沿って水平方向に使用されるのに対して左右の前立部分はポロシャツの衿口にほぼ垂直方向に縫着されるため、少なくとも左右の前立部分は台衿地とは別個に編成されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭35−3732号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の縫着方法で袖口や裾にスリットやベンツを取り入れた衣服は、袖口や裾の外周縁にテープや編み地を利用して縫製やリンキングにて縫着するため、またテープや編み地の両端部とスリットやベンツのテープとを縫合するために端角部(コーナー)において縫い代が重なり、厚みやゴロ付き感が出たり、テープの切断端部か露出したり、糸端が出たりすることからスマートに仕上げることができない。
【0006】
また上記のように従来のポロシャツの衿部には、それぞれ別に編成された3〜4枚の衿パーツが用いられいることから、衿地の編成に3〜4工程を要する上に煩雑なリンキングや縫製作業が多くなり、コスト高の要因の一つとなっている。また上記実公昭35−3732号公報記載の衿用編み地においては、胸襟部が基部から直線状に延長されているため、胸襟部はシャツに湾曲して縫着せざるを得ず、ボタン掛け可能な前立部を形成することができない。その上湾曲して縫着れた胸襟部の復元弾力が開襟部を持ち上げる方向に作用し、折り目の整った衿を形成することができない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的としてなされたものであり、衣服のスリットやベンツ等の切り込み開口部分の縫製やポロシャツ用の衿部に好適な編み地を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前上ベッド(前上針)と後上ベッド(後上針)が対向配置されそれぞれの下方に前下ベッド(前下針)と後下ベッド(後下針)が配置された目移し自在な横編機でもって、横長な編み地の両端部から屈折して縦方向に延びる編み地を連続的に編成することによって上記課題を解決したものである。
【0009】
即ち本発明の衣服の一部に適用できる編み地(以下本発明の編み地という)は、横方向に延びる中央部分と、この中央部分の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分とからなり、中央部分と起立部分が連続して編成されていることを特徴としているものである。
【0010】
横方向に延びる中央部分の両端部からそれぞれ屈折し連続して縦方向に延びている起立部分は、中央部分と起立部分のそれぞれの境界部分において相互に順次目減らしながら編成され、この目減らしによって生じた余剰の編み糸は、中央部分と起立部分との境界部分において二重に編み込まれていて、この目減らしによって通常の二重編み地の場合においては、横方向(コース方向)に延びる中央部分に対して左右の起立部分が約70〜80度上方に起立屈折した状態に編み上げることができる。
【0011】
上記本発明の編み地を袖口や裾にスリットやベンツを備えたシャツの縁取り用の用いる場合には、中央部分と起立部分を同幅のテープ状に編成するとよく、また本発明の編み地をポロシャツ等の上衿部を備えた衿地として利用する場合は、中央部分の編み始め側に上衿地となる裾部分を編成しておき、この裾部分を上衿にそして中央部分を首筋と対接する台衿部に、起立部を台衿部の両端部の前身頃側に位置する前立部にそれぞれ適用するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を実施例として示した図面に基づいて説明るすと、図1は本発明の編み地の基本形態を示した平面図であり、1は編み地、2は編み地1の中央部分、そして3、4は起立部分である。
【0013】
本発明の編み地1は図1に示しているように、横方向に延びる中央部分2と、この中央部分2の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分3、4とからなり、中央部分2と起立部分3、4は連続して編成されている。編み地1の中央部2の長さAや起立部分3、4の長さB、Cおよび編み地1の幅寸法Wは、編み地1の用途に基づいて決定される。例えば図2に示したようにV地型のスリットを有した袖口の縁と取り用の場合は、幅寸法Wを10〜15mm程度とし、中央部2の長さAを袖口周りの長さ、そして起立部分3、4の長さB、Cをスリットの切り込み長さに相当するように編成する。
【0014】
図3は本発明の編み地1を、側面にベンツを形成しているパンツの縁取りに適用した実施例を示しているものであり、幅寸法Wを10〜15mm程度とし、中央部2の長さAはパンツの下周端縁の長さ、そして起立部分3、4の長さB、Cをスリットの切り込み長さに編成されたものを適用している。同様にして本発明の編み地1は下部周縁の側面にV字型のスリットを形成しているシャツやスカートの下部周縁の縁取りに好ましく適用することができる。図4は本発明の編み地1でもってシャツの下部周縁の縁取りした実施例を示している。
【0015】
また図5に示した実施例は、編み地1の幅寸法Wを2〜3cm程度、中央部分2の長さAを首回りの開口寸法、そして起立部分3、4の長さB、Cを前立部の長さに編成し、V字型に開襟した丸首シャツの衿部分に縫着した態様を示している。
【0016】
上記の実施例においては、中央部2および起立部3、4を同じ幅寸法に編成した編み地1についての実施例を示しているが、本発明の他の実施の形態として図6に示しているように、中央部分2の編み始め側に裾部分5を編成しておけば、図7に示しているように起立部3 4はスリットの縁取りに、そしてこの裾部分5はシャツの袖口として利用することができる。
【0017】
上記したように本発明の編み地1は、図1に示しているように、横方向に延びる中央部分2と、この中央部分2の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分3、4とからなり、中央部分2と起立部分3、4が連続して編成されていること形が基本型であり、図1に示した編み地1の下縁から編み立てられている。そして中央部分2と左右の起立部分3、4との接続境界線6A、6Bにおいては、図8にV字形の仮想空間7として示しているように、中央部分2の左右の端部2A、2Bと左右の起立部分3、4のそれぞれ内側端部3A、4Aにおいて中央部分2および左右の起立部分3、4が相互に順次目減らしながら編上げられ、目減らしによって生じた余剰の編糸はその接続境界線6A、6Bの両側において二重に編み込まれて中央部分2の両側に中央部分2と同じ幅に左右の起立部分3、4が連続編成される。したがつて編み上がりの自由状態においては、図1に示しているように、この起立部分3、4は中央部分2の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びた形態となっている。図8における8は編み立てのコースラインそして9はウェールラインを示している。
【0018】
次に上記した本発明の編み地1の編成方法、即ち中央部分2と左右の起立部分3、4との接続境界線6A、6Bにおける目減らし方法の一例を図10〜図26に基づいて詳細に説明すると、本発明の編み地1は図9に示しているように、前上針FUと後上針BUが対向配置され、それぞれの下方に前下針FDと後下針BDが配置された目移し自在な横編機によって編成することができる。
【0019】
まず編み始め1コースを二重ゴム編でもって編成する、その後、一旦、後天竺編と前天竺編の編成状態とする(図10イ、ロ参照)。
【0020】
次いで前記した中央部分2と左右の起立部分3、4との接続境界線6A、6Bのそれぞれ左側に位置している後下針BD側の境界編み糸を後下針BDから前上針FUに移したのち、左に1回振って前上針FUから後下針BDに移し、さらに接続境界線6A、6Bのそれぞれ左側に位置している前下針FD側の編み糸を前下針FDから後上針BUに移したのち、左に1回振って後上針BUから前下針FDに移す(図11イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0021】
続いて前天竺編の接続境界線6A、6Bのそれぞれ右側に位置している前下針FD側の編み糸を前下針FDから後上針BUに移したのち、右に1回振って後上針BUから前下針FDに移し、さらに接続境界線6A、6Bのそれぞれ右側に位置している後下針BD側の境界編み糸を後下針BDから前上針FUに移したのち、右に1回振って前上針FUから後下針BDに移す(図12イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0022】
しかるのち中央部分2と左右の起立部分3、4の全長に亘ってり二重ゴム編を行えば、接続境界線6A、6Bの両側においてはループが重なり、接続境界線6A、6Bの部分において中央部分2と左右の起立部分3、4が相互に1目だけ目減らしされた状態となる(図13参照)。
【0023】
しかしこの状態においては、中央部分2と左右の起立部3、4との接続境界線6A、6Bの両側においてそれぞれ空の1針が生じているため、その補正を行ったのち、上記の二重ゴム編組織を図10イ、ロと同様の後天竺編と前天竺編の編成状態ととなす。即ち、まず左側の起立部分3と中央部分2接続境界位置の後下針BD側の編み糸を後下針BDから前上針FUに移し、左の1回振って前上針FUから後下針BDに移したのち、さらに左側の起立部分3と中央部分2接続境界位置の前下針FD側の編み糸を前下針FDから後上針BUに移し、1回左に振って後上針BUから前下針FDに移す(図14イ、ロ、ハ、ニ、参照)。
【0024】
続いて、右側の起立部分4と中央部分2接続境界位置の前下針FD側の編み糸を前下針FDから後上針BUに移し、1回右に振って後上針BUから前下針FDに移し、さらに右側の起立部分4と中央部分2接続境界位置の後下針BD側の編み糸を後下針BDから前上針FUに移し、1回右に振って前上針FUから後下針BDに移す(図15イ、ロ、ハ、ニ、参照)。
【0025】
しかるのち左側の起立部分3の後下針BD側の編み糸を前上針FUに移し、1回左に振って前上針FUから後下針BDに移し、左側の起立部分3の前下針FD側の編み糸を後上針BUに移し、1回左に振って後上針BUから前下針FDに移す(図16イ、ロ、ハ、ニ参照)。そして同様にして右側の起立部分4の前下針FD側の編み糸を後上針BUに移し、1回右に振って後上針BUから前下針FDに移し、右側の起立部分4の後下針BD側の編み糸を前上針FUに移し、1回右に振って前上針FUから後下針BDに移す(図17イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0026】
かくして1コースの中央部分2と左右の起立部3、4との接続境界線6A、6Bの両側における目減らしが完了し、左右の起立部分3、4は1針ずつ中央部分2側に寄せられるとともに中央部分2と左右の起立部3、4との接続境界線6A、6B部分の前記空針が解消され、図10イ、ロと同様の後天竺編と前天竺編の編成状態となる(図18イ、ロ参照)。
【0027】
続いて次のコースにおいて上記と同様な編成を行う。図19イ、ロ、ハ、ニ以降図25イ、ロ、ハ、ニはその編成要領を示しているものであり、上記の目減らしにより両端部の編み糸の位置が1針分内側にずれた状態でもって編成されることをを示している。このようにして予め設定した編み地の幅Wに相当するコース数に亘り上記編成手順を繰り返して行うことによって図1に示したような本発明の編み地1を得ることができる。
【0028】
上記のように中央部分2と左右の起立部分3、4がその境界部分6A、6Bにおいて相互に順次目減らしながら編上げられ、中央部分2と左右の前立部3、4は上記V字形の仮想空間7の部分において接続されていることから、編成中は図27に示しているようにその境界部分に襞10が生じている状態であるが、編機から取り外すと、編み地1は図1に示したように、横方向に延びる中央部分2に対し左右の起立部分3、4は中央部分2の両端部からそれぞれ上方に屈折し起立している形態となっている。
【0029】
図28は本発明の編み地1、即ち、横方向に延びる中央部分2と、この中央部分2の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分3、4とからなる編み地1の中央部分2の下方に上衿部となる裾部分5が連続して編成され、この裾部分5をポロシャツの上衿部に、中央部分2を台衿部に、そして左右の起立部分3、4をそれぞれ左右の前立部に利用できる衿用の編み地の実施例を示したものでる。即ちこの編み地1は、上衿部となる裾部分5、台衿部となる中央部分2および左右の前立部となる起立部分3、4を備えてなり、裾部分5から編み始められている。本実施例においては、上衿部となる裾部分5は横長の長方形状をなしていて、裾部分5の編み終わり位置から連続して台衿部と左右の前立部の合計長さに相当する横幅でもって中央部分2と左右の起立部分3、4が編み立てられている。そして台衿部となる中央部分2と左右の前立部となる起立部分3、4との接続境界線6A、6Bにおいては、上記実施例同様に台衿部となる中央部分2および左右の前立部となる起立部分3、4が相互に順次目減らしながら編上げられている。図29は上記編み地1でもって形成されるポロシャツ用の衿部を示している。
【0030】
この衿用の編み地1は、上記実施例の編成方法でも編成することができるが、次に述べる方法でも編成することができる。
【0031】
まず上衿部となる裾部分5を表裏共に予め設定した大きさの天竺編に編み上げる。そしてこの裾部分5の編成終了位置からゴム編に変更し、連続して図1に示しているような形状の編み地、即ち、台衿部に相当する中央部分2と左右の前立部に相当する左右の起立部分3、4の合計長さに相当するコース幅でもって編み立てを開始する(図30イ、ロ、ハ、参照)。
【0032】
まず台衿部に相当する中央部分2と左右の前立部に相当する左右の起立部分3、4の合計長さに相当するコース幅でもって1〜数コース二重ゴム編を編成した後、左起立部分3から中央部分2の右起立部分4との右側接続境界線6B(図8および図28参照)までの後下針BDの編み糸を前上針FUに移して左に1回振って前上針FUから後下針BDに移し、さらに左起立部分3から中央部分2の右起立部分との右側接続境界線6Bまの前下針FDの編み糸を後上針BUに移して左に1回振り、後上針BUから前下針FDに移す。これにより右側接続境界線6Bにおける右起立部分4が目減らしされる(図31イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0033】
続いて右起立部分4から中央部分2の左起立部分3との左側接続境界線6A(図8および図28参照)までの前下針FDの編み糸を後上針BUに移し右に1回振って後上針BUから前下針FDに移し、右起立部分4から中央部分2の左起立部分3との左側接続境界線6Aまでの後上針BUの編み糸を前上針FUに移して右に1回振り、前上針FUから後下針BDに移す。これにより左側接続境界線6Aにおける左起立部分3が目減らしされる(図32イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0034】
次いで上記の図31および図32の操作によって目減らしれた左起立部分3の中央部分2との左側接続境界線6Aとの間の後下針BDの編み糸を前上針FUに移して左に1回振って前上針FUから後下針BDに移し、左起立部分3の中央部分2との左側接続境界線6Aとの間の前下針FDの編み糸を後上針BUに移して左に1回振り、後上針BUら前下針FDに移す(図33イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0035】
続いて右起立部分4の中央部分2との右側接続境界線6Bとの間の編み糸について上記と同様の操作を行う。即ち、右起立部分4の中央部分2との右側接続境界線6Bとの間の前下針FDの編み糸を後上針BUに移して右に1回振って後上針BUから前下針FDに移し、さらに右起立部分4の中央部分2との右側接続境界線6Bとの間の後下針BDの編み糸を前上針FUに移して右に1回振り、前上針FUら後下針BDに移す(図34イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0036】
ここでひとまず図30イ、ロの操作に戻り、後天竺編、前天竺編、ゴム編を組織する。このとき、目減らしのよって生じた余剰の編み糸を中央部分2と左右の起立部分3、4との接続境界線分6A、6Bに編み込みなから前、後ともに天竺編みを編組したのち、図30ハのゴム編みとする−35イ、ロ、ハ、参照)。
【0037】
上記図31〜図34の操作の結果、左右の起立部分3、4の目数が中央部分2との接続部において一つ減少しているため、続いてまず右起立部分4の目数の補正を行う。即ち、左起立部分3から中央部分2右起立部分4との右側接続境界線6Bまでの後下針BDの編み糸を前上針FUに移して左に1回振り、次いで前上針FUから後下針BDに移し、左起立部分3から中央部分2の右起立部分4との左側接続境界線6Aまでの前下針FDの編み糸を後上針BUに移して左に1回振り、後上針BUから前下針FDに移す(図36イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0038】
次いで左起立部分3の目数の補正を行う。即ち、右起立部分4から中央部分2の左起立部分3との左側接続境界線6Aまでの前下針FDの編み糸を後上針BUに移し右に1回振り、次いで後上針BUから前下針FDに移し、右起立部分4から中央部分2の左起立部分3との左側接続境界線6Aまでの後下針BDの編み糸を前上針FUに移して右に1回振り、前上針FUから後下針BDに移す(図37イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0039】
さらに左起立部分3から中央部分2の左起立部分3との左側接続境界線6Aまでの後下針BDの編み糸を前上針FUに移して左に1回振り、前上針FUから後下針BDに移す。続いて左起立部分3の中央部分3との左側接続境界線6Aとの間の前下針FDの編み糸を後上針BUに移して左に1回振り、後上針BUら前下針FDに移す(図38イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0040】
しかるのち右起立部分4から中央部分2の右起立部分4との右側境界部分6Bまでの前下針FDの編み糸を後上針BUに移して右に1回振り、後上針BUから前下針FDに移し、さらに後下針BDから前上針FUに移して右に1回振り、前上針FUら後下針BDに移す(図39イ、ロ、ハ、ニ参照)。
【0041】
図40イ、ロ、ハは目減らし終了後の接続部分の組織、即ち後天竺編、前天竺編、ゴム編を示している。以降は図40ニ、ホ、即ち図30イ、ロから図40の編成を中央部分2と左右の起立部分3、4の幅寸法に亘り繰り返して行うことによって図28に示しているような衿用の本発明の編み地1を得ることができ、この編み地1は図29に示しているように、裾部分5は上衿部に、中央部分2は台衿部に、そして左右の起立部分3、4は前立部として利用することができる。図28中の11は編み終わりの捨糸部分であり、編成中は図41にに示しているように中央部分2と左右の起立部分3、4との境界部分には襞10が現れた形態となっている。
【0042】
なお上記の衿用の本発明の編み地1の実施例においては、上衿部となる裾部分は横長の矩形をなしているが、裾部分の両側において目減らしを行えば図42のように台形となすこともできる。またこの衿用の編み地1の周囲の部分12を別の組織、例えば鎧編となすことも好ましい実施の形態である。
【0043】
また上記二つの編成方法においては、中央部分2と起立部分3、4との境界部分においてそれぞれ1目ずつ目減らしを行い、それによって中央部分2に対して起立部分3、4を屈折させているが、2目ずつ目減らしを行えばその屈折角度をさらに大きくすることもでき、中央部分2に対して起立部分3、4をほぼ90度に屈折させた編み地1は、例えば図43に示しているような直線状のスリットを備えたスカートやドレスの裾およびスリット部分の縁取り用として好適となる。
【0044】
【発明の効果】
このように本発明の編み地1は、横方向に延びる中央部分2と、この中央部分2の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分3、4とからなり、中央部分2と起立部分3、4が連続して編成されてなるものであり、殊に左右の起立部分3、4は中央部分2に対して屈折して縦方向に延びているから、各種の衣服の一部に都合よく適用することができる。
【0045】
例えば中央部分2と起立部分3、4を共に幅Wが10〜15mm程度の所定の長さのテープ状に編成された編み地1は、前記しているように袖口や裾にスリットやベンツが形成されたシャツ、パンツ、スカート等の衣服における縁取りテープとして好適となり、幅Wが2〜3cm程度に編成された編み地1は、図5に示しているようにV地型に開襟した丸首シャツの衿用として適用することができる。
【0046】
さらに図6に示しているように、中央部分2の編み始め側に、衣服の一部に適用可能な裾部分が編成されなる本発明の編み地においては、この裾部分5は長袖シャツの袖口として利用することができ、袖口や縁取りテープをそれぞれ別個に準備する必要がなくなり、シャツの縫製コストを低減することができる。
【0047】
さらにまた図28に示しているように、中央部分2を首筋と対接する台衿部用に、起立部分3、4を台衿部の両端部に位置する前立部用に、そして裾部分5を上衿部用として編成された編み地1は、ポロシャツの衿用として都合よく利用することができ、ポロシャツの縫製に際しては、少なくとも左右の前立部3、4の別個編成の工程および台衿部2と左右の前立部4、5とのリンキング工程が不要となり、ポロシャツ縫製コストの低減に役立ち、すっきりした襟元となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の編み地の実施例を示した平面図である。
【図2】図1の編み地をシャツの袖口の縁取りに使用した態様を示した斜視図である。
【図3】図1の編み地をパンツの裾口の縁取りに使用した態様を示した斜視図である。
【図4】図1の編み地をスカートの裾の縁取りに使用した態様を示した斜視図である。
【図5】図1の編み地をシャツの襟首に使用した態様を示した斜視図である。
【図6】本発明編み地の他の実施例を示した平面図である。
【図7】図6の編み地をシャツの袖口に使用した態様を示した斜視図である。
【図8】本発明の編み地の編成方法の説明図である。
【図9】本発明の編み地の編成に用いた編み機の編成針を示した説明図である。
【図10】本発明編み地の編成方法における編み出し段階を示した説明図である。
【図11】中央部分と起立部分との境界部分の目減らし手順を示した説明図である。
【図12】中央部分と左右の起立部分の境界部分に目減らし手順を示した説明図である。
【図13】目減らし後の境界部分の組織を示した説明図である。
【図14】図13の組織の左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図15】図13の組織の右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図16】図13の組織の左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図17】図13の組織の右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図18】次のコースの編成開始状態の組織を示した説明図である。
【図19】次のコースの境界部分の目減らし手順を示した説明図である。
【図20】次のコースの境界部分の目減らし手順を示した説明図である。
【図21】目減らし後の境界部分の組織を示した説明図である。
【図22】図21の組織の左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図23】図21の組織の右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図24】図21の組織の左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図25】図21の組織の右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図26】編成終わりの組織を示した説明図である。
【図27】編み立てられた編み地の編機上での形態を示した正面図である。
【図28】本発明編み地の他の実施例を示した展開図である。
【図29】図28の編み地でもってポロシャツの衿地となした正面図である。
【図30】本発明による衿用編み地の他の編成方法を示した説明図である。
【図31】右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図32】左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図33】左側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図34】右側境界部分の補正手順を示した説明図である。
【図35】目減らし後の組織の説明図である。
【図36】右側境界部分の目減らし後の目数の補正手順を示した説明図である。
【図37】左側境界部分の目減らし後の目数の補正手順を示した説明図である。
【図38】左側境界部分の目減らし後の目数の補正手順を示した説明図である。
【図39】右側境界部分の目減らし後の目数の補正手順を示した説明図である。
【図40】目数補正過程が終了した後の組織の説明図である。
【図41】編み立てられた衿用編み地の編機上での形態を示した正面図である。
【図42】衿用編み地の他の実施例を示した正面図である。
【図43】本発明編み地の他の実施例を示した正面図である。
【符号の説明】
1.編み地
2.中央部分
3.左側の起立部分
4.右側の起立部分
5.裾部分
6A.左側接続境界線
6B.左側接続境界線
7.V字状空間
FU.前上針
FD.前下針
BU.後上針
BD.後下針
Claims (3)
- 横方向に延びる中央部分と、この中央部分の両端部からそれぞれ屈折して縦方向に延びる起立部分とからなり、中央部分と起立部分が連続して編成されていることを特徴とする衣服の一部に適用できる編み地。
- 上記中央部分の編み始め側に、衣服の一部に適用可能な裾部分が編成されていることを特徴とする請求項1記載の衣服の一部に適用できる編み地。
- 上記中央部分が首筋と対接する台衿部、上記起立部が台衿部の両端部に位置する左右の前立部、そして上記裾部分でもって上衿部となしていることを特徴とする請求項3記載の衣服の一部に適用できる編み地。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014080701A (ja) * | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Masako Hosono | ニットピース |
JP2014095158A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Shima Seiki Mfg Ltd | 筒状編地の編成方法、および筒状編地 |
CN111394869A (zh) * | 2020-05-04 | 2020-07-10 | 佛山市航宇针织有限公司 | 一种扇弧形横机Polo领及其织造工艺 |
-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003145532A patent/JP2004250851A/ja active Pending
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