JP2004250605A - ポリテトラフルオロエチレン組成物、造粒物および成形物 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレン組成物、造粒物および成形物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有させ、該グラファイト粉末の含有量を前記両成分の合計量の5〜50質量%にし、グラファイト粉末の安息角を45°以下し、または嵩密度を0.2〜1.0にし、グラファイト粉末の平均粒径を5〜40μmにしたポリテトラフルオロエチレン組成物にする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受けやガスケット等に利用されるグラファイト粉末含有ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)成形物、その成形用原料として使用されるPTFE粉末とグラファイト粉末の混合物であるPTFE組成物、およびPTFE組成物を造粒した造粒粉末であるPTFE造粒物に関する。
【0002】
【従来の技術】
懸濁重合で得られるPTFE粒子は、数十〜数百μmの大きさに粉砕された後、圧縮成形用のモールディングパウダーとして市販されており、このパウダーは、そのまま、または用途に要求される物性に応じて種々の充填剤を配合したPTFE組成物を圧縮成形し、その後370℃程度で焼成し、PTFE成形物として種々の用途に供されている。
充填剤含有PTFE成形物の成形用原料として、PTFE粉末と充填剤とを混合しただけのPTFE組成物は調製が容易であり、比較的大きな成形物を作製する場合には使用可能であるが、粉末の流動性が悪いために取扱いにくい欠点がある。このため、小型の成形物を作製する場合や、粉末をホッパーから自動供給するような製造工程では、PTFE組成物を造粒して粉末流動性を改善させたPTFE造粒物が多用される(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
一方、PTFE成形物の耐磨耗性や圧縮特性の向上が必要な用途では、充填剤を混合した充填剤入りPTFE組成物が使用され、特に軸受けやガスケット等の用途には充填剤として炭素系充填剤が用いられる。
炭素系充填剤として、炭素繊維の粉砕物やフェノール樹脂等の樹脂粉末を高温で炭化した粉末は非常に高価であるため幅広くは用いられず、一般的にはグラファイト粉末が好ましく使用される。
例えば、グラファイト(黒鉛)入りPTFE組成物を用いたPTFE成形物は比較的高い伸びおよび強度を有することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このPTFE成形物は伸びおよび強度が充分とはいえず、またPTFE組成物は嵩密度や粉末流動性が小さく取り扱いにくいという問題もあった。
【0004】
また、炭素質粉末(コークス粉末)を配合したPTFE造粒物が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この場合、微細なPTFE粉末を使用する必要があるため、格別の工程によりPTFEの粉砕や分級を行なう必要があるという問題もあった。
さらに、従来、グラファイト粉末は多く配合する方が、PTFE成形物の耐磨耗性、圧縮特性および硬度を向上させることが知られているが、グラファイト粉末を多く配合した場合はPTFE成形物の強度や伸度が低下する問題があった。特に、PTFE造粒物を使用してPTFE成形物を得ようとする場合、グラファイト粉末を多く配合するとPTFE成形物の機械的強度や伸度が著しく低下する問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特公平8−30135号公報
【特許文献2】
特開2002−234945公報
【非特許文献1】
里川孝臣編「ふっ素樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社発行、発行日1990年11月30日初版、30頁及び94〜96頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い伸度と強度を有するグラファイト含有PTFE成形物、その成形用原料として使用できるPTFE組成物およびPTFE造粒物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、グラファイト粉末の安息角を45°以下にすることにより、またはグラファイト粉末の嵩密度を0.2〜1.0にすることにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン組成物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物を提供する。
また本発明は、ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン組成物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物を提供する。
【0009】
また本発明は、ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン造粒物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであり、ポリテトラフルオロエチレン造粒物の平均粒径が200〜1000μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン造粒物を提供する。
また本発明は、ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン造粒物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであり、ポリテトラフルオロエチレン造粒物の平均粒径が200〜1000μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン造粒物を提供する。
【0010】
また本発明は、ポリテトラフルオロエチレンおよびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン成形物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであるポリテトラフルオロエチレン成形物を提供する。
また本発明は、ポリテトラフルオロエチレンおよびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン成形物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであるポリテトラフルオロエチレン成形物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明におけるPTFEとしては、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)の単独重合体でもよく、溶融流動性を付与するに到らない範囲で、特に0.5モル%以下の割合でTFEと共重合できる共単量体に基づく重合単位を含有するPTFEであってもよい。
【0012】
該共単量体の具体例としては、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフロオロエチレン、トリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類(ただし、TFEを除く。)、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ペルフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)、(ペルフルオロアルキル)メチルトリフルオロビニルエーテル等のフルオロビニルエーテル類、(ペルフルオロアルキル)エチレン、エチレン、プロピレン等のオレフィン類等が挙げられる。共単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ(n−プロピルビニルエーテル)、(ペルフルオロ−n−ブチル)エチレンが好ましい。
【0013】
本発明に使用するPTFE粉末は、懸濁重合で得たPTFE粒子を粉砕して得られた平均粒径5〜65μmのPTFE粉末が好ましく、平均粒径10〜50μmのPTFE粉末がより好ましく、平均粒径15〜40μmのPTFE粉末がさらに好ましい。
本発明では、グラファイト粉末として、天然グラファイトまたは人造グラファイトを公知の手段で粉砕したもの、その粉砕後に分級したもの、またはその粉砕後に粒状化したものを1種単独または2種以上を混合して使用できる。なお、本発明におけるグラファイト粉末は、黒鉛粉末またはコークス粉末と称されるものも含む。
【0014】
本発明に使用するグラファイト粉末は、安息角が45°以下のものである。好ましくは44°以下のものであり、より好ましくは43°以下のものである。安息角が45°以下であると、流動性が高く、グラファイト粉末の粒子形状が比較的丸く滑らかであるため、PTFE成形物中でマトリックスであるPTFEの連続性を妨げず、成形物の強度や伸度が高くなる。一方、安息角が45°を超えると、流動性が低く、グラファイト粉末の粒子形状が角張っていたり、異方性が大きかったりするために、マトリックスの連続性を妨げ、PTFE成形物の強度や伸度が低下する。
安息角の下限は、25°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、33°以上がさらに好ましい。
なお、本発明でいう安息角とは、ホソカワミクロン社製パウダーテスターを用いて測定した数値を用い、直径80mmの円板上にグラファイト粉末を落下させ、平衡角に達した状態で、円板面からの角度を読み取り測定する。
【0015】
また、本発明で使用するグラファイト粉末は、嵩密度が0.2〜1.0のものである。さらに好ましい嵩密度は0.3〜0.9であり、特に好ましくは0.4〜0.9の範囲のものである。嵩密度が上記範囲であると、PTFE粉末との混合性が良く、PTFE成形物の硬度も高くなる。
本発明で使用するグラファイト粉末は、平均粒径が5〜40μmのものであり、好ましくは7〜35μmであり、特に好ましくは10〜25μmのものである。グラファイト粉末の平均粒径が上記範囲より大きいと、厚み1mm以下の薄型の成形物や直径1.5mm以下といった細物の成形物に成形または切削加工した場合に、著しく強度や伸度が低下するため好ましくない。また、グラファイト粉末の平均粒径が上記範囲よりも小さいと、強度や伸度が低下するため好ましくない。
【0016】
本発明で使用するグラファイト粉末は、45μm超の粒子の割合が5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。45μm超のグラファイト粒子の割合が多いと、成形物の組織が荒くなり外観を損ねる傾向がある。
また、本発明でさらに好ましく使用できるグラファイト粉末は、25μm超の粒子の割合が20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。25μm超の粒子の割合が多いと、薄型成形物や細物成形物に加工した場合に、強度や伸度の低下が大きい。
【0017】
また、本発明で使用するグラファイト粉末は、5μm以下の粒子の割合が5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下である。5μm以下の粒子の割合が多い場合には成形物の強度および伸度が低下するが、特にPTFE造粒物に用いた場合に、造粒プロセス中でグラファイト粒子がPTFE造粒物表面に偏析しやすく、PTFE成形物中でPTFE造粒物の粒界が残り、強度や伸度が低下し好ましくない。
【0018】
本発明において、混合工程または造粒工程でのグラファイト粉末の粒径変動は非常に小さいため、PTFE組成物中、PTFE造粒物中またはPTFE成形物中のグラファイト粉末の粒径は、使用するグラファイト粉末の単独の粒度とみなすことができる。実際の測定方法としては、あらかじめ標準粒子を用いてトレーサビリティを確認したレーザー回折・散乱法による粒度分布計を用いて測定し、累積頻度図(ふるい下)を作成して、平均粒径や、各粒径範囲での頻度の割合(質量%)を求めることができる。
本発明においては、グラファイト粉末の含有量は、PTFEとグラファイト粉末の両成分の合計量に対して5〜50質量%であり、好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜35質量%であり、特に好ましくは20〜30質量%である。グラファイト粉末の含有量が多すぎると成形物の強度や伸度が低下し、少なすぎると成形物の圧縮強度や耐摩耗性や硬度が低下し好ましくない。
【0019】
本発明では、グラファイト粉末の他に、ガラス粉末、ガラス繊維粉砕粉、アルミナ粉末、シリカ粉末、タルク粉末、カーボン繊維粉砕粉、青銅粉末、銅粉末、ポリイミド粉末、2硫化モリブデン粉末、ポリフェニレンスルフィド粉末等の充填剤を含有してもよい。
本発明のPTFE組成物は、PTFE粉末とグラファイト粉末とをヘンシェルミキサー等の公知の混合機で混合することにより得ることができる。
また本発明のPTFE造粒物は、PTFE組成物を用いて、水を使用しない乾式造粒法、または水を使用する湿式造粒法により得ることができる。
【0020】
乾式造粒法としては、PTFE組成物にバインダーとして有機溶剤を添加し、転動型、撹拌型、流動層型等の造粒機で造粒した後、乾燥する方法が用いられる。
湿式造粒法としては、PTFE組成物にバインダーとして水に溶解しにくい有機溶剤を混合し、水中で撹拌して造粒した後、乾燥する方法である。グラファイト粉末は、シランカップリング剤、シリコーンオイル、ふっ素系オイル、ふっ素樹脂等の有機化合物を用いて撥水処理したのち使用してもよい。
【0021】
本発明のPTFE造粒物の平均粒径は200〜1000μmであり、300〜900μmが好ましく、400〜800μmがさらに好ましい。PTFE造粒物の平均粒径が大きすぎると成形物の表面平滑性が低下し物性のばらつきも大きくなるが、平均粒径が小さすぎる場合にはPTFE造粒物の流動性が低下する。
また、本発明のPTFE造粒物は、嵩密度が0.7〜1.0のものが好ましい。
本発明のPTFE組成物やPTFE造粒物は、ふっ素樹脂ハンドブック(里川孝臣編、日刊工業新聞社発行、発行日1990年11月30日初版)の第99〜116頁に記載されるように、圧縮成形法により10〜100MPaで加圧成形したのち、350〜400℃で焼成することにより、PTFE成形物とすることができる。また、PTFE成形物をさらに切削加工し、軸受け、ガスケット、O−リング、ポンプインペラ、ボールバルブシート、オイルシール等、ピストンリング、ショックアブソーバ等、バックアップリング等のPTFE成形物にすることもできる。
本発明のPTFE成形物は、硬度が高く、圧縮強度や引張強度、さらには伸びや耐摩耗性などの物性が優れる。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例(例1〜4)及び比較例(例5〜8)を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、各特性の測定方法は、以下に記載の方法に従った。
[グラファイト粉末の平均粒径(単位:μm)および粒度分布]
島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−3000により測定した。得られた累積頻度図(篩い下)より、50質量%累積の粒径を平均粒径とし、5μm以下のグラファイト粉末の累積頻度(質量%)を5μm以下のグラファイト粉末の割合とし、25μm超のグラファイト粉末の累積頻度(質量%)を25μm超のグラファイト粉末の割合とし、45μm超のグラファイト粉末の累積頻度(質量%)を45μm超のグラファイト粉末の割合とした。
【0023】
[グラファイト粉末の粉末流動性(単位:mm)]
ホソカワミクロン社製パウダーテスターを使用し、安息角を測定した。安息角が小さいほど粉末流動性に優れることを示す。
[嵩密度(単位:g/mL)]
JIS K6891に準じて測定した。内容積100mLのステンレス鋼製のはかり瓶に、上部に設置された漏斗より試料粉末または試料造粒物を落として、はかり瓶から盛り上がった試料を平板で擦り落とした後、はかり瓶内に残った試料の重さをはかり瓶の内容積で除した値を嵩密度とした。
[PTFE組成物およびPTFE造粒物の粉末流動性(単位:mm)]
ホッパー形状をした容器に試料100gを投入し、容器の底部を一定の速度で開いて試料が約50g落下した時の開口部(スリット)の距離を粉末流動性とした。距離が短いほど粉末流動性に優れることを示す。
【0024】
[PTFE造粒物の平均粒径(単位:μm)]
上から順に10、20、35、40、60メッシュの篩いを重ね、10メッシュ篩い上にPTFE造粒物100gを乗せて振動させ、各篩い上に残るPTFE造粒物の質量を求めた。この質量に基づき対数確率紙で50質量%粒径を求め、PTFE造粒物の平均粒径とした。
[PTFE成形物の強度(単位:MPa)及び伸度(単位:%)]
JIS K6891に準じて測定した。PTFE組成物の場合は圧力40MPaで、PTFE造粒物の場合は圧力60MPaで、直径50mm高さ約50mmの円柱状に圧縮成形し、370℃で4時間焼成した後、降温速度70℃/時で冷却し、厚み1mmにスライスし、JIS3号ダンベル型で打ち抜き試験片とし、引張試験を行ない、破断時の強度及び伸度を測定した。
[PTFE成形物の硬度(単位:デュロメーターD)]
JIS−K7215に準拠し測定した。
【0025】
(例1)
グラファイト粉末(品番「WF−015」、中越黒鉛工業社製)と、PTFE粉末(旭硝子フロロポリマーズ社製フルオンG163(平均粒径25μm))を、表2[例1]に示す配合でブレンドし、ヘンシェルミキサー(三井金属鉱山社製)を用いて撹拌翼周速度40m/秒で60秒間混合し、PTFE組成物を得た。
このグラファイト粉末Aの粉体物性および粒度分布を表1および図1に示す。また、PTFE成形物の強度、伸度及び硬度などの性能を表2に示した。
【0026】
(例2)
例1で作製したPTFE組成物に、バインダーとしてn−デカンを470ml添加し、さらにヘンシェルミキサーで撹拌翼周速度10m/秒、混合時間10秒の条件で混合した。ついで、この混合物を10メッシュのふるいを通過させ、粗造粒物Aを得た。パン整粒機で10分間造粒した後、300℃で3時間乾燥し、PTFE造粒物を得た。PTFE造粒物の粉末流動性や、PTFE成形物の強度、伸度、及び硬度などの性能を表2に示した。
(例3)
グラファイト粉末Aを35質量%配合して、例2と同様の方法でPTFE造粒物を得た。PTFE造粒物の粉末流動性や、PTFE成形物の強度、伸度、及び硬度などの性能を表2に示した。
【0027】
(例4)
例2で得た粗造粒物A(500g)を、2リッターの水中で600rpmで1分間攪拌後、300rpmで10分間攪拌後水を除去し、300℃で3時間乾燥し、PTFE造粒物を得た。PTFE造粒物の粉末流動性や、PTFE成形物の強度、伸度、及び硬度などの性能を表2に示した。
(例5〜6(比較例))
表1に粉体物性を示すグラファイト粉末B、Cを使用する以外は例2と同様にして、PTFE造粒物を得た。その特性を表2に示す。これらはグラファイト粉末が本発明の範囲外であるため、PTFE成形物の強度及び伸度が劣っていた。
【0028】
(例7(比較例))
目開き45ミクロンおよび目開き25ミクロンの篩いを重ねた上にグラファイト粉末Cを乗せて20分間振動させ、目開き25ミクロンの篩い上に残ったグラファイト粉末Dを得た。グラファイト粉末Dを用い、例2と同様にしてPTFE造粒物を得た。表1に示すように、グラファイト粉末Dの安息角は本発明の範囲外であり、PTFE成形物の強度および伸度は劣っていた。
(例8(比較例))
グラファイト粉末Dを使用し、例1と同様にPTFE粉末と混合し、PTFE組成物を得た。しかし、グラファイト粉末Dの安息角は本発明の範囲外であるため、強度及び伸度が例1よりも劣っていた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、高強度および高伸度のグラファイト粉末入りPTFE成形物を得ることができる。また、本発明のPTFE造粒物は、流動性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例に使用したグラファイト粉末の粒径分布の累積頻度を示したものである。
【符号の説明】
Claims (6)
- ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン組成物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物。
- ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン組成物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン組成物。
- ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン造粒物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであり、ポリテトラフルオロエチレン造粒物の平均粒径が200〜1000μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン造粒物。
- ポリテトラフルオロエチレン粉末およびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン造粒物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであり、ポリテトラフルオロエチレン造粒物の平均粒径が200〜1000μmであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン造粒物。
- ポリテトラフルオロエチレンおよびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン成形物において、グラファイト粉末の安息角が45°以下であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであるポリテトラフルオロエチレン成形物。
- ポリテトラフルオロエチレンおよびグラファイト粉末を含有し、該グラファイト粉末の含有量が前記両成分の合計量の5〜50質量%であるポリテトラフルオロエチレン成形物において、グラファイト粉末の嵩密度が0.2〜1.0であり、グラファイト粉末の平均粒径が5〜40μmであるポリテトラフルオロエチレン成形物。
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