JP2004250377A - チオール化合物、共重合体及び共重合体の製造方法 - Google Patents

チオール化合物、共重合体及び共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術の難点を解消し、半導体の製造における極微細なパターン形成において、基板との密着性が高くパターン倒れが少ないレジストパターンを得るための塗膜形成用ポリマーとして好適な、新規な共重合体及び該共重合体を製造する方法、並びに、これらの塗膜形成用ポリマーとして好適な共重合体の製造における連鎖移動剤として有用な新規チオール化合物を提供する。
【解決手段】本発明のチオール化合物は、式(1)
HS−R(COOR)n (1)
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1又は2の整数を表す。)
で表されることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連鎖移動剤として有用な新規チオール化合物、該チオール化合物を連鎖移動剤としてラジカル共重合して得られる共重合体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、半導体リソグラフィーにおいて使用されるレジスト用ポリマー及び反射防止膜用ポリマー等の塗膜形成用ポリマーとして好適な共重合体及びその製造方法、並びに、これらの塗膜形成用ポリマーとして好適な共重合体の製造における連鎖移動剤として有用な新規チオール化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造のために用いられるリソグラフィーにおいては、集積度の増大に伴い、より微細なパターンの形成が求められている。パターンの微細化には露光光源の短波長化が不可欠であるが、現在ではフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー光(波長248nm)によるリソグラフィーが主流になりつつあり、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザー光(波長193nm)による線幅100nm以下のリソグラフィーも実用化されようとしている。更には、フッ素ダイマー(F)エキシマレーザー光(波長157nm)、極紫外線(EUV)、X線、電子線等を用いたリソグラフィー技術が開発段階にある。
【0003】
これらのリソグラフィー技術に用いられるレジスト用ポリマーは、非極性置換基を有すると共に、この非極性置換基が酸によって分解してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する構造を有する繰り返し単位と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位を必須成分とし、必要に応じてレジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位を含んで構成される。これらの繰り返し単位としては、例えば、露光源としてKrFエキシマレーザーを用いる場合ではヒドロキシスチレン類及びその誘導体が主に用いられており、ArFエキシマレーザーを用いる場合では、ヒドロキシスチレン類が波長193nmの光を吸収するため、(メタ)アクリレート類及びその誘導体などが検討されている。
【0004】
このようなレジスト用ポリマーの具体例としては、KrFエキシマレーザーを用いる系では、例えば(メタ)アクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーを組み合わせたコポリマー(例えば、特許文献1〜4等参照)やヒドロキシスチレンの一部をアセタールで保護したポリマー(例えば、特許文献5〜8等参照)などが知られており、ArFエキシマレーザーを用いる系では、例えば、ラクトン構造を有する(メタ)アクリル酸系モノマーのコポリマー(例えば、特許文献9〜10等参照)などが知られている。
【0005】
ところが、上記のような半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位を含むポリマーであっても、重合反応時に用いられる重合開始剤や連鎖移動剤に由来する末端構造が密着性に十分な構造でないために、より微細なパターン形成に対応できないという問題がある。
【0006】
又、レジストパターンの形成においては、現像、リンス後の乾燥で洗浄水が揮発する際に、水の表面張力により、形成されたパターンが倒れるという問題があり、特に、パターンが微細化すると、パターンの接基板面積が減少するため、パターン倒れが起こりやすくなる。これを避けるためにはパターンのアスペクト比(高さ÷幅)を低く抑える必要があるが、一方で、パターンのドライエッチング耐性を満たすためには塗膜を厚く、即ちレジストパターンのアスペクト比を高くする必要がある。そこで、微細なパターン形成においてもアスペクト比を高くすることができ、かつ、パターン倒れが起こらないような、基板との密着性がより高いレジスト用ポリマーが要求されていた。
【0007】
そこで、重合開始剤や連鎖移動剤に極性基を含有させ、レジスト用ポリマーの基板密着性を高める方法が検討されている。例えば、重合開始剤に極性基を含有させる例として、分子内に酸素原子含有基又は置換若しくは無置換アミノ基を有する重合開始剤を用いる方法が知られている(例えば、特許文献11参照)。しかしながら、酸素原子含有基として挙げられている水酸基、カルボキシル基、置換オキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、ヒドロキシイミノ基、置換若しくは無置換オキシイミノ基のうち、カルボキシル基を用いる方法では、アルカリ溶解性や基板密着性を向上することができても、カルボキシル基の導入によりポリマーの吸水性が強くなりすぎるため、露光後のアルカリ現像において膨潤が起こりやすく、より微細なリソグラフィーにおいては安定したパターンが得られないといった問題があった。又、水酸基、置換オキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基などは極性が小さく、基板密着性を高めるには不十分であった。更に、置換若しくは無置換カルバモイル基、ヒドロキシイミノ基、置換若しくは無置換オキシイミノ基等の窒素原子を含む酸素原子含有基及び置換若しくは無置換アミノ基は、レジストとして使用した際、光酸発生剤で発生した酸をトラップしてしまうので、感度が低下するなどの問題があり、実用的ではなかった。
【0008】
一方、極性基を有する連鎖移動剤を使用する例としては、メルカプト酢酸やメルカプトプロピオン酸などのカルボキシル基含有チオールを連鎖移動剤として用いる方法(例えば、特許文献12等参照)や、これらのエステル化合物又はメルカプトエタノール等の水酸基含有チオールを用いる方法(例えば、特許文献13〜14等参照)などが知られている。しかしながら、これらの方法においても、先の重合開始剤の場合と同様に、カルボキシル基含有チオールを用いる方法ではアルカリ現像時において膨潤が起こりやすいという問題があり、又、エステル化合物や水酸基含有チオールを用いる方法では基板密着性が不十分であり、いずれも実用的なレベルには至らなかった。
【0009】
更に、反射率の高い基板を用いるリソグラフィーにおいては、反射光の影響によりレジストパターンにハレーションが生じ、微細なレジストパターンを正確に再現できないという問題がある。この問題を解決するため、基板上に形成すべきレジスト膜の下に、基板から反射した放射線を吸収する性質のある反射防止膜を形成することが提案されている。そして、この反射防止膜ばかりでなく、多層レジストなどにおいてレジスト層の下層に形成される、ドライエッチングによる解像性を有する被エッチング膜などの塗膜を形成するためのポリマーについても、基板との密着性は重要であり、より密着性に優れたポリマーが求められていた。
【0010】
【特許文献1】
特開昭59−45439号公報
【特許文献2】
特開平5−113667号公報
【特許文献3】
特開平7−209868号公報
【特許文献4】
特開平11−65120号公報
【特許文献5】
特開昭62−115440号公報
【特許文献6】
特開平4―219757号公報
【特許文献7】
特開平3−223860号公報
【特許文献8】
特開昭4−104251号公報
【特許文献9】
特開平9−73173号公報
【特許文献10】
特開平10−239846号公報
【特許文献11】
特開2002―20424号公報
【特許文献12】
特開平10−55069号公報
【特許文献13】
特開2000−19737号公報
【特許文献14】
特開2001−117231号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体の製造における極微細なパターン形成において、基板との密着性が高くパターン倒れが少ないレジストパターンを得るための塗膜形成用ポリマーとして好適な、新規な共重合体及び該共重合体を製造する方法、並びに、これらの塗膜形成用ポリマーとして好適な共重合体の製造における連鎖移動剤として有用な新規チオール化合物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の構造を有する新規チオール化合物を連鎖移動剤として使用することにより、得られた共重合体の基板への密着性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
すなわち本発明は、下記式(1)
HS−R(COOR (1)
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1又は2の整数を表す。)
で表されることを特徴とするチオール化合物を提供するものであり、更に、該チオール化合物を連鎖移動剤として使用し、エチレン性二重結合を有する2種以上の重合性化合物をラジカル共重合させることにより得られる共重合体を提供するものである。
【0014】
又、本発明は、エチレン性二重結合を有する2種以上の重合性化合物をラジカル共重合させて共重合体を製造する方法において、前記式(1)で表されるチオール化合物を連鎖移動剤として使用することを特徴とする共重合体の製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0016】
本発明の新規チオール化合物において、式(1)中Rで表される置換基は、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基であれば特に限定されず、これを含むチオール基HS−R−の具体的な例としては、次に示すような構造を挙げることができる。
【0017】
【化1】
Figure 2004250377
【0018】
又、本発明の新規チオール化合物において、式(1)中Rで表される、ラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基の具体的な例としては、以下に示すものが挙げられる。
【0019】
【化2】
Figure 2004250377
(R〜R12は、それぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基である。)
【0020】
従って、式(1)で表される本発明の新規チオール化合物の具体的な例としては、以下に示す構造の化合物が挙げられるが、本発明のチオール化合物はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【化3】
Figure 2004250377
【0022】
【化4】
Figure 2004250377
【0023】
本発明の新規チオール化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、メルカプト酢酸、α−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソ酪酸、メルカプトこはく酸等のカルボキシル基含有チオールと、水酸基を有するラクトン化合物とのエステル化反応により製造することができる。
【0024】
又、本発明の共重合体は、式(1)で表されるチオール化合物を連鎖移動剤として使用し、エチレン性二重結合を有する2種以上の重合性化合物をラジカル共重合することにより得られ、末端に下記式(4)
−S−R(COOR (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1〜2の整数を表す。)
で表される構造を含む。
【0025】
本発明の共重合体は、上記のように高分子鎖末端にラクトン構造を含むことから、半導体リソグラフィーに用いられる基板との密着性に優れ、レジスト用ポリマーや反射防止膜用ポリマー等の塗膜形成用ポリマーとして好適に用いることができる。本発明の共重合体をこれらの用途に用いる場合は、高分子鎖末端におけるラクトン構造の含有量が少なすぎると基板への密着性の向上効果が不十分となるため、式(4)で表される末端構造の含有量は、共重合体中に含まれるモノマー単位の総数に対して0.1モル%以上とすることが好ましく、0.5モル%以上とすることがより好ましい。
【0026】
上記式(4)で表される末端構造の含有量を上記範囲にするためには、本発明のチオール化合物を連鎖移動剤として使用する際の使用量を、原料モノマー100モルに対して0.1モル以上とすることが好ましく、0.5モル以上とすることがより好ましい。尚、連鎖移動剤の使用量が多いほど、共重合体中に含まれる前記の末端構造の含有量は大きくなるが、一方で、得られる共重合体の分子量は小さくなるので、所望の平均分子量が得られる範囲で選択する。
【0027】
本発明の共重合体の重量平均分子量は、高すぎると塗膜形成時に使用される溶媒やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎると塗膜性能が悪くなることから、2,000〜40,000の範囲が好ましく、3,000〜30,000の範囲がより好ましい。
【0028】
本発明の共重合体を製造する際のラジカル共重合に用いられる原料モノマーとしては、エチレン性二重結合を有する重合性化合物(モノマー)であれば特に制約なく使用されうるが、得られた共重合体を半導体リソグラフィーにおける塗膜形成用ポリマーとして使用する場合には、機能を発揮させるために必要とされる構造が、その具体的な用途によって異なってくる。
【0029】
まず、得られた共重合体をレジスト用ポリマーとして使用する場合は、本発明の共重合体は、少なくとも、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる構造を有する繰り返し単位、より具体的には、非極性置換基が酸によって分解してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する構造を有する繰り返し単位(A)と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)を必須成分とし、必要に応じ、レジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(C)を含んで構成される。
【0030】
酸によって分解してアルカリ可溶性となる繰り返し単位(A)は、従来よりレジストとして一般的に用いられている構造を意味し、酸によって分解してアルカリ可溶性になる構造を有するモノマーを重合させるか、或いは、アルカリ可溶性の構造を有するモノマーを重合させた後、アルカリ可溶性の構造におけるアルカリ可溶性を有する置換基(アルカリ可溶性基)を、アルカリに溶解せず酸によって分解する置換基(酸解離性基)で保護することにより得ることができる。
【0031】
酸によって分解してアルカリ可溶性になる構造を有するモノマーとしては、アルカリ可溶性基を含有する重合性化合物に、アルカリに溶解せず酸によって分解する保護基が結合した化合物を挙げることができ、例えば、非極性の酸解離性基で保護されたフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物などを挙げることができる。
【0032】
従って、このアルカリ可溶性基を含有する重合性化合物としては、具体的には例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等のヒドロキシスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメチルアクリル酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、2−トリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカルボン酸類;p−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)スチレン、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアクリレート、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルトリフルオロメチルアクリレート、5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)メチル−2−ノルボルネンなどのヒドロキシフルオロアルキル基を有する重合性化合物などを挙げることができる。
【0033】
酸によって分解する保護基としては、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、1−メトキシメチル基、2−エトキシメチル基、1−iso−プロポキシメチル基、1−n−ブトキシメチル基、1−tert−ブトキシメチル基、1−シクロペンチルオキシメチル基、1−シクロヘキシルオキシメチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基等の含酸素炭化水素基などを挙げることができる。
【0034】
アルカリ可溶性の構造を有するモノマーを重合させた後、アルカリ可溶性の構造におけるアルカリ可溶性基を、アルカリに溶解せず酸によって分解する置換基で保護する場合は、前記のアルカリ可溶性基を有する化合物をそのまま重合反応に用い、その後、酸触媒のもとでビニルエーテルやハロゲン化アルキルエーテルなどのアルカリに溶解しない置換基を与える化合物と反応させることにより、酸によって分解する保護基を導入することができる。反応に用いる酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、強酸性イオン交換樹脂等を挙げることができる。
【0035】
一方、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、例えば、極性基としてフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物などを挙げることができ、具体的には例えばアルカリ可溶性基を含有する重合性化合物として前記説明したヒドロキシスチレン類やエチレン性二重結合を有するカルボン酸類、ヒドロキシフルオロアルキル基を有する重合性化合物、及び、これらに更に極性基が置換したモノマーのほか、ノルボルネン環、テトラシクロドデセン環等の脂環構造に極性基が結合したモノマーなどを挙げることができる。
【0036】
置換基として繰り返し単位(B)に導入される上記極性基としては、ラクトン構造を含むものが特に好ましく、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン等のラクトン構造を含む置換基を挙げることができる。又、ラクトン構造以外の極性基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基などのヒドロキシアルキル基などを挙げることができる。
【0037】
更に、必要に応じ含有される、レジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(C)を与えるモノマーとしては、例えば、極性基を含まない置換又は非置換のアルキル基或いはアリール基、非極性の非酸解離性基で保護された極性基を有する化合物などを挙げることができ、具体的には例えば、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメチルアクリル酸、ノルボルネンカルボン酸、2−トリフルオロメチルノルボルネンカルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカルボン酸に酸安定な非極性基が置換したエステル化合物;ノルボルネン、テトラシクロドデセン等のエチレン性二重結合を有する脂環式炭化水素化合物などを挙げることができる。又、前記カルボン酸にエステル置換する酸安定な非極性置換基の例としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、2−アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基等を挙げることができる。
【0038】
これらのモノマーは、繰り返し単位(A)、(B)及び(C)のそれぞれについて1種類若しくは2種類以上を混合して用いることができ、得られるレジスト用ポリマー中の各繰り返し単位の組成比は、レジストとしての基本性能を損なわない範囲で選択することができる。即ち、一般に、繰り返し単位(A)は10〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。又、繰り返し単位(B)の組成比は30〜90モル%であることが好ましく、40〜90モル%であることがより好ましいが、同一の極性基を有するモノマー単位については、70モル%以下とすることが好ましい。更に、繰り返し単位(C)の組成比は0〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは0〜40モル%の範囲で選択することが望ましい。
【0039】
又、上記のようにして得られた共重合体を、多層レジストの下層塗膜や反射防止膜用のポリマーとして使用する場合は、レジスト用ポリマーの構造から、上記酸で分解してアルカリ可溶性になる繰り返し単位(A)を除いた構造のポリマーが使用される。共重合体中の各繰り返し単位の組成比は、塗膜の使用目的により異なるため一概には規定できないが、一般に、繰り返し単位(B)の組成比は10〜100モル%の範囲から選択され、繰り返し単位(C)の組成比は0〜90モル%の範囲から選択される。
【0040】
尚、本発明の共重合体を反射防止膜として使用する場合は、架橋点と、フォトリソグラフィーにおいて照射された放射線を吸収する構造とを含む必要があり、架橋点としては、水酸基、アミノ基、エポキシ基などの、エステル結合やウレタン結合等により架橋可能な反応性の置換基が挙げられる。架橋点となる反応性置換基を含有するモノマーとしては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類の他、これまで例示してきた重合性化合物に上記水酸基、アミノ基、エポキシ基などの反応性置換基が置換したモノマーを適宜用いることができる。
【0041】
上記放射線を吸収する構造は、使用する放射線の波長により異なるが、例えばArFエキシマレーザー光に対しては、ベンゼン環及びその類縁体を含む構造が好適に用いられる。この様な構造を含むモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどのスチレン類及びその誘導体;置換又は非置換のフェニル(メタ)アクリレート、置換又は非置換のナフタレン(メタ)アクリレート、置換又は非置換のアントラセンメチル(メタ)アクリレート等のエチレン性二重結合を有する芳香族含有エステル類などを挙げることができる。この放射線を吸収する構造を有するモノマーは、極性基の有無により前記繰り返し単位(B)又は(C)のどちらとして導入されても良いが、放射線を吸収する構造を有するモノマーとしての組成比は10〜100モル%の範囲から選択されることが好ましい。
【0042】
本発明の共重合体を製造する際の重合反応に用いる重合開始剤としては、一般にラジカル発生剤として用いられているものであれば特に制限されないが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート等の有機過酸化物を単独若しくは混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、重合反応に用いる原料モノマーや、連鎖移動剤の種類、量及び重合温度や重合溶媒等の重合条件により異なるので一概に規定することはできないが、一般に、連鎖移動剤1モルに対して0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モルの範囲から選択される。
【0043】
本発明の共重合体を製造する際の重合方法としては溶液重合が好ましく、原料モノマー、重合開始剤及び連鎖移動剤を重合溶媒に溶解した状態でラジカル共重合させることが好ましい。溶液重合は、例えば、全てのモノマー、開始剤、連鎖移動剤を重合溶媒に溶解して重合温度に加熱するいわゆる一括重合法や、モノマー、開始剤、連鎖移動剤の一部若しくは全てを重合温度に加熱した重合系内に滴下するいわゆる滴下重合法などにより実施することができる。
【0044】
重合反応に用いる溶媒としては、原料モノマー、得られた共重合体、重合開始剤及び連鎖移動剤を安定して溶解しうる溶媒であれば特に制限されない。重合溶媒の具体な例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができ、これらを単独又は混合して用いることができる。重合溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、モノマー1重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。溶媒の使用量があまりに少なすぎるとモノマー又は共重合体が析出する場合があり、多すぎると重合反応の速度が不十分となる場合がある。
【0045】
又、重合の反応条件は特に制限されないが、一般に反応温度は60℃〜100℃程度、反応時間は1時間〜20時間程度が好ましい。
【0046】
上記重合反応により得られた重合体は、重合反応液を貧溶媒単独、若しくは貧溶媒と良溶媒の混合溶媒に滴下して析出させ、更に必要に応じて洗浄することにより、未反応モノマー、オリゴマー、重合開始剤、連鎖移動剤及びこれらの反応残渣物等の不要物を除去し、精製することができる。貧溶媒としては、得られた共重合体が溶解しない溶媒であれば特に制限されないが、例えば、水やメタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素類等を用いることができる。又、良溶媒としては、モノマー、オリゴマー、重合開始剤、連鎖移動剤及びこれらの反応残渣物が溶解する溶媒であれば特に制限されないが、製造工程の管理上、重合溶媒と同じものが好ましい。
【0047】
上記のようにして得られた本発明の共重合体の使用形態は特に限定されないが、半導体リソグラフィーにおける塗膜形成用ポリマーとして使用する場合は、通常、塗膜形成用の溶媒に溶解して使用される。精製後の共重合体には精製時に用いた溶媒が含まれているため、減圧乾燥したのち塗膜形成用の溶媒に溶解するか、若しくはそのまま塗膜形成用の溶媒ないし重合溶媒等の良溶媒に一旦溶解した後、必要に応じて塗膜形成用の溶媒を供給しながら、その他の溶媒を減圧下で留去するなどして塗膜形成用溶液に仕上げることができる。
【0048】
上記塗膜形成用の溶媒としては、共重合体を溶解するものであれば特に制限されないが、通常、沸点、半導体基板やその他の塗布膜への影響、リソグラフィーに用いられる放射線の吸収を勘案して選択される。塗膜形成用に一般的に用いられる溶媒の例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルアミルケトン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等の溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は特に制限されないが、通常、共重合体1重量部に対して1重量部〜20重量部の範囲である。
【0049】
本発明の共重合体をレジスト用ポリマーとして用いる場合は、この塗膜形成用溶液に、感放射線性酸発生剤、及び、放射線に暴露されない部分への酸の拡散を防止するための含窒素化合物等の酸拡散制御剤を添加して、レジスト組成物に仕上げることができる。感放射線性酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物等、一般的にレジスト用原料として使用されているものを用いることができる。又、レジスト組成物には、更に必要に応じて、溶解抑止剤、増感剤、染料等レジスト用添加剤として慣用されている化合物を添加することができる。
【0050】
レジスト組成物中の各成分(レジスト溶媒を除く)の配合比は特に制限されないが、一般に、ポリマー濃度10〜50質量%、感放射線性酸発生剤0.1〜10質量%、酸拡散制御剤0.001〜10質量%の範囲から選択される。
【0051】
又、得られた本発明の共重合体を反射防止膜として使用する場合は、単独若しくはポリマー間の架橋が可能な二官能以上のイソシアネート、アミン、エポキシド等と混合して使用される。
【0052】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、得られた共重合体の平均共重合組成及びチオール化合物の含有量は13C−NMRの測定により求めた。又、重量平均分子量Mw及び分散度Mw/Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果より求めた。
【0053】
実施例1
5−(3−メルカプトプロパニロイルオキシ)−2,6−ノルボルナンカルボラクトンの製造:
3−メルカプトプロピオン酸10.6g及び5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン15.4gをトルエン308gに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物0.95gを加え、加熱して生成する水を共沸により除きながら10時間還流させた。冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液により洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去して淡黄色結晶19.6gを得た。
【0054】
この新規チオール化合物の構造を決定するため分析を行った。結果を下記に示す。
13C−NMRスペクトル(CDCl溶媒)δ(ppm):19.19、31.04、33.65、37.51、37.83、40.79、44.48、78.57、84.09、169.72、179.02
元素分析:C54.5% H5.9% S12.9%
(理論値:C54.5% H5.9% S13.2% O26.4%)
赤外吸収スペクトル(cm−1):3000〜2900(脂肪族C−H伸縮)、2590(S−H伸縮)、1777(ラクトンC=O伸縮)、1726(エステルC=O伸縮)
【0055】
上記の分析結果から、得られた淡黄色結晶は、下記構造式(3−b)で示される5−(3−メルカプトプロパニロイルオキシ)−2,6−ノルボルナンカルボラクトン (以下、「化合物(3−b)」と記す。) と同定された。
【0056】
【化5】
Figure 2004250377
【0057】
実施例2
2−(3−メルカプトプロパニロイルオキシ)−γ−ブチロラクトンの製造:
5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンに代えて2−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン10.2gを用いた以外は実施例1と同様にして、淡黄色液体14.2gを得た。
【0058】
この新規チオール化合物の構造を決定するため分析を行った。結果を下記に示す。
13C−NMRスペクトル(CDCl溶媒)δ(ppm):18.90、27.99、37.42、64.84、67.45、169.93、172.43
元素分析:C43.9% H5.5% S15.1%
(理論値:C44.2% H5.3% S16.9% O33.6%)
赤外吸収スペクトル(cm−1):3000〜2900(脂肪族C−H伸縮)、2569(S−H伸縮)、1785(ラクトンC=O伸縮)、1743(エステルC=O伸縮)
【0059】
上記の分析結果から淡黄色液体は、下記構造式(3−h)で示される2−(3−メルカプトプロパニロイルオキシ)−γ−ブチロラクトン(以下、「化合物(3−h)」と記す。) と同定された。
【0060】
【化6】
Figure 2004250377
【0061】
実施例3
共重合体1の製造:
窒素雰囲気に保った容器にメチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す)380g、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B){以下、実施例において化合物の先頭に付されている(B)は同意である。}としての5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(以下、「NLM」と記す)82.1g、酸によって分解してアルカリ可溶性となる繰り返し単位(A){以下、実施例において化合物の先頭に付されている(A)は同意である。}としての2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(以下、「MAM」と記す)147.4g、及び、連鎖移動剤として実施例1で得られた化合物(3−b)4.9gを仕込んで溶解し、モノマーフィード液を調製した。又、窒素雰囲気に保った別の容器にMEK40gと重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と記す)1.0gを仕込んで溶解し、開始剤フィード液を調製した。窒素雰囲気に保った重合槽に、MEK160gを仕込んで攪拌しながら80℃に昇温した後、モノマーフィード液と開始剤フィード液を共に80℃に保った重合槽に4時間かけてフィードして重合させた。原料モノマー及び連鎖移動剤の仕込み比を表1に示した。フィード終了後、80℃に保持したまま2時間熟成した。反応終了後、室温まで冷却し、重合液をメタノール中に滴下して再沈殿させた。沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄、濾過した後、得られたウエットケーキを真空乾燥機で乾燥させて白色のポリマー粉体(共重合体1)を得た。
【0062】
得られた共重合体1をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す)に溶解して20%溶液とし、あらかじめ1,1,3,3−ヘキサメチルジシランで処理したシリコンウエハーにスピンコートしたのち、110℃で90秒間ベークして膜厚1.5μmの塗膜を形成した。得られた塗膜について、ダイプラ・ウインテス製SAICAS CN−20型を用い、定荷重モードにて塗膜の剥離強度及び剥離モードを測定した。得られた共重合体1の物性及び塗膜の剥離強度・剥離モードの測定結果を表2に示した。
【0063】
実施例4
共重合体2の製造:
化合物(3−b)の代わりに実施例2で得られた化合物(3−h)3.8gを用い、実施例3と同様の操作によりに共重合体2を得た。原料モノマー及び連鎖移動剤の仕込み比を表1に示した。又、得られた共重合体2の性状及び実施例3と同様にして得られた塗膜の剥離強度、剥離モードを表2に示した。
【0064】
実施例5
共重合体3の製造:
窒素雰囲気に保った容器にMEK380g、(A)MAM117g、(B)3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート(以下、「HAM」と記す)118g、及び、連鎖移動剤として実施例1で得られた化合物(3−b)4.9gを仕込んで溶解し、モノマーフィード液を調製した。又、窒素雰囲気に保った別の容器にMEK40gと重合開始剤としてAIBN1.0gを仕込んで溶解し、開始剤フィード液を調製した。窒素雰囲気に保った重合槽にMEK160gを仕込んで攪拌しながら80℃に昇温した後、モノマーフィード液と開始剤フィード液を共に80℃に保った重合槽に4時間かけてフィードして重合させた。原料モノマー及び連鎖移動剤の仕込み比を表1に示した。フィード終了後、80℃に保持したまま2時間熟成した。反応終了後、実施例3と同様の手順により共重合体3を得た。得られた共重合体3の性状及び実施例3と同様にして得られた塗膜の剥離強度、剥離モードを表2に示した。
【0065】
比較例1
実施例3において、連鎖移動剤としてメルカプトエタノール1.5gを用いた以外はそれぞれ同様の手順により重合を行い、比較例1とした。原料モノマー及び連鎖移動剤の仕込み比を表1に示した。又、得られた共重合体4の性状及び塗膜の剥離強度、剥離モードを表2に示した。
【0066】
比較例2
実施例5において、連鎖移動剤としてメルカプトエタノール1.5gを用いた以外はそれぞれ同様の手順により重合を行い、比較例2とした。原料モノマー及び連鎖移動剤の仕込み比を表1に示した。又、得られた共重合体5の性状及び塗膜の剥離強度、剥離モードを表2に示した。
【0067】
【表1】
Figure 2004250377
【0068】
【表2】
Figure 2004250377
【0069】
上記実施例及び比較例の結果が示すように、本発明のチオール化合物を連鎖移動剤として用いて得られる本発明の共重合体は、剥離強度が従来技術と比較して飛躍的に向上しており、基板密着性に非常に優れることがわかる。
【0070】
【発明の効果】
本発明のチオール化合物は、半導体の製造のリソグラフィーにおいて基板密着性に優れる塗膜形成用ポリマーを製造するための連鎖移動剤として有用であり、又、これを連鎖移動剤として使用して得られる本発明の共重合体は基板との密着性に優れ、特に極微細なパターン形成において、パターン倒れが少ないレジストパターンを形成するための塗膜形成用ポリマーとして好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 式(1)
    HS−R(COOR (1)
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1又は2の整数を表す。)
    で表されることを特徴とするチオール化合物。
  2. 式(1)
    HS−R(COOR (1)
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1又は2の整数を表す。)
    で表されるチオール化合物を連鎖移動剤として使用し、エチレン性二重結合を有する2種以上の重合性化合物をラジカル共重合させることにより得られることを特徴とする共重合体。
  3. 式(4)
    −S−R(COOR (4)
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1〜2の整数を表す。)
    で表される構造を末端に含む請求項2に記載の共重合体。
  4. 半導体リソグラフィーにおける塗膜形成用ポリマーとして用いられる請求項2に記載の共重合体。
  5. 少なくとも酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる構造を有する繰り返し単位と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位を有し、レジスト用ポリマーとして用いられる請求項4に記載の共重合体。
  6. レジスト層の下層を形成する反射防止膜用として用いられる請求項4に記載の共重合体。
  7. エチレン性二重結合を有する2種以上の重合性化合物をラジカル共重合させて共重合体を製造する方法において、式(1)
    HS−R(COOR (1)
    (式中、Rは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素からなる2価又は3価の置換基、Rはラクトン構造を含む炭素数4〜10の炭化水素からなる1価の置換基、nは1又は2の整数を表す。)
    で表されるチオール化合物を連鎖移動剤として使用することを特徴とする共重合体の製造方法。
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