JP2004249462A - 木質ボードの製造方法 - Google Patents

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JP2004249462A
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Takeshi Ito
藤 武 志 伊
Hideki Todoroki
秀 樹 轟
Naohiro Murata
田 尚 洋 村
Masanori Sugawara
原 正 紀 菅
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Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
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Mitsui Takeda Chemicals Inc
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Abstract

【解決手段】前記離型剤付着工程(I)が、
(I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、
(I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程とを含み、
前記マット形成工程(II)が、
(II−1)リグノセルロース材料と非ホルマリン系接着剤とを混合する工程と、
(II−2)非ホルマリン系接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を用いてマットを形成する工程とを含み、
前記熱圧成型工程(III)が、
(III−1)マット状の前記リグノセルロース材料を、熱盤表面に外部離型剤が付着した前記多段プレスを用いて熱圧成型する工程を含む
ことを特徴とする木質ボードの製造方法。
【効果】従来の製造方法において熱盤からの離型性に劣る木質ボードを製造する場合であっても、本発明に係る木質ボードの製造方法によれば、熱盤から容易に木質ボードを離型させることができ、多段プレスを用いた連続的な木質ボードの製造を安定して行うことができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、多段プレスを用いた、リグノセルロース材料と接着剤とから得られる木質ボードの製造方法に関する。より詳しくは、予め多段プレスの熱盤表面に外部離型剤を付着させ、熱盤表面に外部離型剤が付着した、この多段プレスにより、接着剤を用いてリグノセルロース材料を熱圧成型する木質ボードの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
リグノセルロース材料を主原料とした木質ボードは、リグノセルロースが木質チップの場合にはパーティクルボードと称され、パーティクルボードの木質削片よりも大型のチップを用いたものはウェハーボード、細長いチップ(ストランド)を一方向に配列させたものはオリエンティッド・ストランド・ボード(OSB)と称され、また、木質繊維の場合にはインシュレーションボード、ハードボード、中質繊維板(MDF)と称され、床材、壁材、ドア材、防音材、断熱材、畳心材、家具部材、自動車部材、床下地材などに使用されている。
【0003】
木質ボードは、従来、ホルマリン系接着剤を用いて多段プレスにより熱圧成型されてきた。しかし、近年、成型後の製品から放出されるホルムアルデヒドがシックハウス症候群等の原因とされ、放出ホルムアルデヒド量の低減が必要とされている。この問題に対応するため、有機イソシアネート系接着剤などのホルマリンを含有しない接着剤(以下、非ホルマリン系接着剤ともいう)を用いて、またはホルマリン系接着剤と非ホルマリン系接着剤とを併用して、放出ホルムアルデヒド量を低減した木質ボードの製造方法も検討されている。しかし、非ホルマリン系接着剤の併用量を多くするにつれて、放出ホルムアルデヒド量は低減されるが、熱圧成型後の熱盤からの離型性が悪くなるため、離型性の改善が必要とされ、種々の方法が検討されている。たとえば、ホルマリン系接着剤と非ホルマリン系接着剤とを併用する場合、あるいは非ホルマリン系接着剤を単独でまたは2種以上組み合わせて使用する場合、熱圧成型後、熱盤からの離型性を良くするためには、外部離型剤および内部離型剤等の併用が必要であった。
【0004】
しかし、多段プレスによる熱圧成型の場合、直接熱盤に外部離型剤を塗布する方法(特許文献1)は作業が煩雑であり、外部離型剤を使用することは困難であった。このため実際には、外部離型剤を必要としない離型性の良い接着剤や内部離型剤を多量に用いることによって、上記問題に対応している。また、表層/芯層/裏層の3層からなる木質ボードの場合には、熱盤に触れない芯層の部分だけに有機ポリイソシアネート系接着剤を使用し、熱盤に接触する表面層は従来のホルマリン系接着剤を使用するという方法も行われている。
【0005】
しかし、放出ホルムアルデヒド量をさらに低減するためには、熱盤に直接接触しない芯層のみならず表層部分のホルマリン量の低減も必要であり、ホルムアルデヒドの含有量がより少ない、またはホルムアルデヒドを実質的に含有しない接着剤を用いて、多段プレスにより簡便に木質ボードを製造する方法の開発が望まれていた。
【0006】
また、ホルマリン系接着剤を用いて木質ボードを製造する場合でも、離型性に劣る場合があり、離型性に優れた木質ボードの製造方法の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−154875号公報
【0008】
【発明の目的】
本発明は上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、熱圧成型の際に熱盤から容易に木質ボードを離型させることができる木質ボードの製造方法を提供することを目的としている。さらに、吸水膨張率、線膨張率、曲げ弾性率に優れた木質ボードの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本願発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、多段プレスを用いて木質ボードを製造する際に、塗布、散布または含浸等によって予め離型剤を付着させた媒体を用いて、予め多段プレスの熱盤表面に離型剤を付着させることによって、熱盤表面に安定な離型剤層が形成されることを見出した。さらに、離型剤が付着した熱盤を有する多段プレスにより、従来、熱盤からの離型性に劣る有機イソシアネート系化合物を接着剤として用いてリグノセルロース材料を熱圧成型した場合でも良好な離型性を示すことを見出した。
【0010】
すなわち、本発明に係る離型剤付着方法は、
(I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、
(I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程と
を含有する。
【0011】
前記媒体は、マット、シート、プレートからなる群から選択される少なくとも1種の形状を有することが好ましい。
また、前記外部離型剤は、シリコーン系、フッ素系、カルナバ系、モンタン系、パラフィン系およびポリエチレン系離型剤からなる群から選択される少なくとも1種の離型剤であることが好ましい。多段プレスの熱盤表面への前記外部離型剤の付着量は、外部離型剤中の固形分で熱盤表面1m当り1〜100g/mであることが好ましい。
【0012】
本発明に係る木質ボードの製造方法は、
(I)離型剤付着工程と(II)マット形成工程と(III)熱圧成型工程とを含む木質ボードの製造方法であって、
前記離型剤付着工程(I)は、
(I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、
(I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程とを含み、
前記マット形成工程(II)は、
(II−1)リグノセルロース材料と接着剤とを混合する工程と、
(II−2)接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を用いてマットを形成する工程とを含み、
前記熱圧成型工程(III)は、
(III−1)マット状の前記リグノセルロース材料を、熱盤表面に外部離型剤が付着した前記多段プレスを用いて熱圧成型する工程を含む
ことを特徴としている。ただし、前記媒体は、接着剤が付着したリグノセルロース材料を用いて形成されるマットと同じであっても異なっていてもよい。
【0013】
前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)は、前記離型剤付着工程(I)を少なくとも1回実施した後に実施することが好ましく、また、前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)は、前記離型剤付着工程(I)を1回実施した後に、少なくとも2回以上実施することが好ましい。
前記媒体は、接着剤が付着したリグノセルロース材料を用いて形成されるマットであって、前記マット形成工程(II)の後に前記離型剤付着工程(I)を実施し、その後、前記熱圧成型工程(III)を実施することもできる。
【0014】
また、(II−1)リグノセルロース材料と接着剤とを混合する工程において、さらに内部離型剤を混合することが好ましい。
さらに、前記接着剤は、有機ポリイソシアネート系化合物、ホルマリン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤および酢酸ビニル系接着剤からなる群から選択される少なくとも1種の接着剤であることが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
本発明に係る木質ボードの製造方法は、(I)多段プレスの熱盤へ外部離型剤を付着させる工程(離型剤付着工程)と(II)接着剤とリグノセルロース材料とを用いてマットを形成する工程(マット形成工程)と(III)外部離型剤が付着した多段プレスを用いて接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を熱圧成型する工程(熱圧成型工程)とから構成される。
【0016】
まず、本発明において用いられる離型剤および媒体、ならびにリグノセルロース材料および接着剤について説明する。
<離型剤>
本発明の離型剤付着方法(I)において用いられる離型剤(以下、外部離型剤ともいう。)は、特に限定されないが、たとえば、シリコーン系、フッ素系、カルナバ系、モンタン系、パラフィン系およびポリエチレン系の離型剤が挙げられる。これらの離型剤は、後述する木質ボードの製造において使用される接着剤の種類によって適宜選択される。
【0017】
また、本発明に係る木質ボードの製造方法において、必要に応じて後述する接着剤に離型剤(以下、内部離型剤ともいう。)を添加して外部離型剤と内部離型剤を併用してもよい。内部離型剤を併用することによって、木質ボードの製造工程において、連続的に良好な離型性を得ることができる。内部離型剤についても特に限定されないが、上記外部離型剤と同様のものが挙げられる。このうち、二次加工処理時の接着性や二次加工製品の物理的強度等の面から、カルナバ系、モンタン系、パラフィン系またはポリエチレン系の離型剤が好ましく用いられる。外部離型剤と内部離型剤の組み合わせについては、特に限定はなく、それぞれ独立に上記例示した離型剤から選択することができる。外部離型剤と内部離型剤とを併用する場合には、内部離型剤の添加量は、木質ボードの乾燥重量に対して離型剤中の固形分で、0.1〜1.0重量%程度で十分であり、経済性や二次加工処理時の接着性、二次加工製品の物理的強度等の面から0.2〜0.7重量%が好ましい。
【0018】
<媒体>
この離型剤付着方法(I)において用いられる媒体は、多段プレスの熱盤全面へ均一に外部離型剤を付着させることができるものであれば、特に限定されず、マット状、シート状またはプレート状のものが好ましい。この媒体は、パーティクルボード、ウェハーボード、OSB、インシュレーションボード、ハードボード、MDF、合板、集成材等の木質板(以下、木質板ともいう);これらの木質板の原料となるパーティクルボード用チップ、ウェハーボード用大型チップ、OSB用の細長いストランドチップ、木質繊維等をフォーミングしマット状にしたもの;合板原料の単板、大断面積層材(LVL)等の集成材用原料の挽板、発泡スチロール板、硅酸カルシウム板、スレート板、プラスターボード、フレキシブルボード、コンクリートを発泡させた軽量コンクリート板(ALC板等)(以下、建築材料ともいう);不織布、濾紙、濾布、化学繊維を編んで布状にしたもの、動物の毛を編んで布状にしたもの等(以下、繊維布ともいう);木質板や建築材料表面に繊維布、単板や挽板を貼り付けたもの(以下、繊維布化粧板ともいう);木質板や建築材料表面を塗装した材料(以下、塗装材料ともいう);有機イソシアネートを原料として発泡させたウレタンフォームなどが挙げられる。これらのうち、ウレタンフォーム等の材質の柔らかいものが好ましい。
【0019】
また、この離型剤付着方法(I)では、媒体として、後述するリグノセルロース材料と接着剤とから得られるフォーミングマットを用いることができる。
<リグノセルロース材料>
本発明にかかる木質ボードの製造方法において用いられるリグノセルロース材料は、通常の木質ボードの製造方法おいて用いられるリグノセルロース材料であればよく、たとえば木質チップや木質繊維が挙げられる。
【0020】
<接着剤>
本発明にかかる木質ボードの製造方法において用いられる接着剤は、たとえば、有機ポリイソシアネート系化合物、ホルマリン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤、酢酸ビニル系接着剤が挙げられる。これらの接着剤は単独でまたは2種以上を混合し使用してもよい。
【0021】
有機イソシアネート系化合物として、たとえば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類および芳香族ポリイソシアネート類;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンメチルエステルジイソシアネート類の脂肪族イソシアネート類および脂肪族ポリイソシアネート類;
水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート類および脂環式ポリイソシアネート類が挙げられる。
【0022】
ホルマリン系接着剤としては、例えば尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂、メラミン尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノールメラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂等が挙げられる。
エポキシ系接着剤は、たとえば、グリシジル基を有する化合物から得られる主剤と有機ポリアミン等の硬化剤とを混合して反応させるニ液型エポキシ樹脂接着剤、または前記主剤に予め潜在性硬化剤を混合し、接着剤使用時に加熱等により主剤と硬化剤をと反応させる一液型エポキシ樹脂接着剤が挙げられる。
【0023】
前記主剤としては、エピクロルヒドリン・ビスフェノールA型樹脂、エピクロルヒドリン・ビスフェノールF型樹脂、メチルエピクロルヒドリンをベースとするエポキシ樹脂、鎖状エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記硬化剤としては、脂肪族アミン、内在アミンアダクト、分離アミンアダクト、ポリアミド樹脂、芳香族アミン、アミン予備縮合物、アミン塩、有機酸無水物、アミノ・フェノール樹脂、脂肪酸、アルキッド樹脂、メルカプタン等があげる。また前記潜在性硬化剤としては、常温で固体であり、加熱により液化することによって前記主剤と反応して硬化する化合物、たとえばヒドラジンが挙げられる。
【0024】
アクリル系接着剤は、たとえば、芳香族ビニル系モノマーと不飽和カルボン酸エステルモノマーと不飽和カルボン酸との共重合体を含有するエマルジョンが挙げられる。また、前記共重合体は前記成分とアクリロニトリル、アミド基を有するアクリルモノマー等との共重合体であってもよい。
前記芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、
前記不飽和カルボン酸エステルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニル等が挙げられ、
前記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸やイタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
【0025】
また、前記アミド基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−カルボキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0026】
合成ゴム系接着剤は、たとえば、ブタジエンと、芳香族ビニル系モノマーと不飽和カルボン酸エステルモノマーとアクリロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、アミド基を有するアクリルモノマーと、不飽和カルボン酸との共重合体である合成ゴムラテックスが挙げられる。
前記芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、
前記不飽和カルボン酸エステルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニル等が挙げられる。
【0027】
また、前記アミド基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−カルボキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、
前記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸やイタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
【0028】
酢酸ビニル系接着剤は、たとえば、酢酸ビニルモノマーと、上記芳香族ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマー、不飽和カルボン酸、アミド基を有するアクリルモノマーおよびアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとを保護コロイド重合したものが挙げられる。
<木質ボードの製造方法>
(I)離型剤付着工程(多段プレスの熱盤への外部離型剤付着方法):
本発明に係る多段プレスの熱盤への外部離型剤付着方法は、(I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、(I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程とから構成される。
【0029】
工程(I−1)において用いられる媒体に、外部離型剤を付着させる方法は、該媒体に外部離型剤を均一に付着させることができ、媒体に付着する外部離型剤の量を制御できる方法であれば特に限定せれず、たとえば媒体表面に外部離型剤を塗布または散布する方法、あるいは媒体に外部離型剤を含浸させる方法が挙げられる。また、これらを複数組み合わせて使用してもよい。複数を併用するときにはそれぞれ独立して行っても、同時に行ってもよい。この際使用される装置についても特に限定はないが、スプレー、ロールコーターやスプレッダー等が挙げられる。これらのうち、外部離型剤とエアーとの圧力調整により噴霧量やミスト径等を容易に制御できるので、作業性等が良好な二流体型スプレーノズルが好ましい。また、媒体に付着した外部離型剤の量は、外部離型剤中の固形分で媒体表面1m当り通常5〜150g/m、より好ましくは10〜100g/mが望ましいが、用いられる媒体および外部離型剤によって、付着量を適宜調整することができる。
【0030】
具体的には以下のようにして、媒体に外部離型剤を付着させる。媒体として木質板、建築材料、繊維布化粧板、塗装材料やウレタンフォーム等を用いる場合には、スプレッダーやロールコーターを用いて外部離型剤を木質板等の表面に付着させることができる。また、木質板等の表面へスプレーにより外部離型剤を付着させてもよい。媒体として繊維布等を用いる場合には、スプレーを用いて繊維布等の表面へ付着させることが好ましい。フォーミングマット等の形状が崩れ易いものを用いる場合には、マット等の表面へはマットの上から、裏面へはマットを移送するためのベルトとベルトの隙間よりスプレーを用いて外部離型剤を付着させてもよいし、マットを移送するためのベルトの上面へ予め外部離型剤を付着させ、このべルトの上面とマットの裏面を接触させることにより、マットの裏面へ外部離型剤を付着させてもよい。
【0031】
このようにして表面に外部離型剤が付着した媒体をローダーを用いて多段プレスに挿入(工程(I−1))した後、多段プレスの熱盤に外部離型剤が付着した媒体を押し当てる。多段プレスの熱盤に外部離型剤が付着した媒体を押し当てる方法としては、たとえば、媒体の表面に付着した外部離型剤が多段プレスの熱盤と接触するまで熱盤の間隔を閉じ、熱盤の全表面または少なくとも木質ボード等を製造する際に使用する領域全面に一時に外部離型剤を付着させる(工程(I−2))。この「付着させる」には、媒体に付着した外部離型剤を熱盤表面に転写することを含むものとする。また、本発明における外部離型剤の「転写」とは、外部離型剤を付着させる熱盤上の領域と同じ範囲で、予め媒体に外部離型剤を付着させ、外部離型剤が付着した媒体を熱盤に押しつけ、または圧着することにより、外部離型剤を熱盤表面に付着させることをいう。このとき必要に応じて、媒体を複数に分割してもよく、その分割の形状は均等でも相異なる形状でもよく、その転写に適切な形状、個数を適宜選択することができる。
【0032】
多段プレスの熱盤に外部離型剤が付着した媒体を押し当てる際の多段プレスの熱盤の温度は特に限定されないが、通常0〜250℃、好ましくは50〜200℃が望ましい。また、多段プレスの間隔は、木質板、建築材料、繊維布化粧板、塗装材料、ウレタンフォーム等の厚さより若干薄めになるように(プレスゲージ圧力で0.01〜0.1mPa程度)、ディスタンスバー、自動厚み調整機等で設定する。なお、ディスタンスバー、自動厚み調整機等で熱盤間隔の設定が難しい場合は、多段プレスの間隔を手動にて調整してもよい。また、媒体が繊維布の場合にはローダーを用いて多段プレスへ挿入することが好ましいが、ローダーを用いて多段プレスへ挿入することが困難な場合には、繊維布を手動で多段プレスへ挿入し、上記方法と同様にして多段プレスの間隔を調整し、熱盤表面へ外部離型剤を付着させる。
【0033】
多段プレスの熱盤表面に付着した外部離型剤の量は、外部離型剤中の固形分で熱盤表面1m当り通常1〜80g/m、より好ましくは2〜50g/mが望ましい。
また、コール盤を用いて木質ボード等を製造する場合には、コール盤へは容易に外部離型剤を付着させることができることから、外部離型剤が付着したコール盤上に木質チップ等のフォーミングマットを形成し、さらに該フォーミングマット上に外部離型剤を付着させ、それを媒体として用いることによって、多段プレスの熱盤への外部離型剤の付着と後述する熱圧成型とを1段で実施することができる。この場合、コール盤表面に付着した外部離型剤の量は、外部離型剤中の固形分で熱盤表面1m当り通常2〜150g/m、より好ましくは3〜100g/mが望ましい。
(II)マット形成工程(フォーミングマット形成方法)
本発明に係る木質ボードの製造方法におけるマット形成方法は、通常の木質ボードの製造におけるマットの形成方法と同様の方法を用いることができる。たとえば、リグノセルロース材料をブレンダーに投入し、接着剤をリグノセルロース材料に吹き付け、混合する(工程(II−1))。この際、連続的に良好な離型性を得るために、内部離型剤を混合してもよい。また、必要に応じて、粘着付与剤、硬化剤、撥水剤、乳化剤、乳化安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、金属触媒等の添加剤を添加してもよい。この接着剤が付着したリグノセルロース材料を用いてマットを形成し(工程(II−2))、必要に応じてプリプレスする。
(III)熱圧成型工程(外部離型剤が付着した多段プレスを用いた熱圧成型方法)
本発明に係る木質ボードの製造方法における熱圧成型方法は、上記離型剤付着方法(I)により熱盤表面に外部離型剤を付着させた多段プレスを用いること以外は、特に限定されず、通常の多段プレスを用いたリグノセルロース材料の熱圧成型方法と同様の方法を用いることができる。たとえば、上記離型剤付着方法(I)により熱盤表面に外部離型剤を付着させた多段プレスを用いて、上記マット形成方法(II)により形成した、接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を熱圧成型する(工程(III−1))。
【0034】
この熱圧成型する際の好ましいプレス温度は、140〜250℃、より好ましくは150〜220℃であり、好ましいプレス圧力は、1.0〜10MPa、より好ましくは1.5〜4.0MPaであり、好ましいボードの厚み当りのプレス時間は、2〜60秒/mm、より好ましくは5〜20秒/mmである。
上記方法により多段プレスの熱盤表面へ外部離型剤を1回付着させた後、木質ボードを製造することにより、熱盤からの離型性に優れた木質ボードを得ることができる。特に、非ホルマリン系接着剤を用いて木質ボードを製造する場合、たとえば有機イソシアネート系接着剤が付着した木質チップ等から形成したマットを熱圧成型する場合、熱盤からの離型性に優れた木質ボードを得ることができる。
【0035】
本発明に係る木質ボードの製造方法では、前記離型剤付着工程(I)を少なくとも1回実施した後に前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)を実施することが好ましく、また、前記離型剤付着工程(I)を1回実施した後に前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)を2回以上実施することが好ましい。特に、前記離型剤付着工程(I)を1回実施した後、前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)を7〜20回実施することが好ましい。
【0036】
また、外部離型剤と内部離型剤を併用する場合には、離型剤付着工程(I)1回当りに実施できる熱圧成型工程(III)の回数をより多くすることができ、ボードの生産性を向上させることができる。
また、本発明に係る木質ボードの製造方法において、媒体としてマット形成工程(II)で形成するマットを使用することもできる。この場合、まず、リグノセルロース材料と接着剤とを混合し(工程(II−1))、接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を用いてマットを形成する(工程(II−2))。次いで、このマットに外部離型剤を付着させる。このとき、マット表面に付着した外部離型剤の量は、外部離型剤中の固形分で熱盤表面1m当り通常2〜150g/m、より好ましくは3〜100g/mが望ましい。
【0037】
外部離型剤が付着した前記マットを多段プレスに挿入(工程(I−1))し、外部離型剤が付着した前記マットを多段プレスの熱盤に押し当て、該マットと熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に外部離型剤を付着させる(工程(I−2))。その後、熱圧成型工程(III)を実施し、木質ボードが得られる。
<木質ボード>
本発明に係る木質ボードの製造方法により得られる木質ボードは、同一の接着剤を用いた従来の製造方法により得られる木質ボードと比較して、熱盤からの離型性に優れている。特に、非ホルマリン系接着剤を用いた場合、およびホルマリン系接着剤と非ホルマリン系接着剤とを併用した場合には、その効果は顕著である。
【0038】
また、非ホルマリン系接着剤を用いた木質ボードは、熱圧成型時における熱盤からの優れた離型性に加えて、吸水膨張率、線膨張率、曲げ弾性率等の特性も向上する。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。また、以下に記載の「部」および「%」は、特に指定のない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
まず、実施例および比較例で共通する原料および製造条件、ならびに物性評価方法を示す。
<原料>
リグノセルロース材料:木質ファイバー(含水率3%)
ボード構成:単層
樹脂付着量(木質ファイバーまたは木質チップの乾燥質量に対する接着剤の固形分質量):8〜10%
設定厚み:15mm
設定密度:720kg/m
設定マット含水率:14%
熱圧成型温度:180℃
熱圧成型圧力:2.9MPa(30kgf/cm
熱圧成型時間:4分(ボード厚み当り:16秒/mm)
<物性評価方法>
(曲げ強さ)
JIS−A−5908「パーティクルボード」またはJIS−A−5905「繊維板」に記載の試験方法に準じて、得られたボードから幅50mm、長さ275mm(スパン225mm)の試験片を作製し、曲げ強さ試験を行った。
【0040】
(湿潤曲げ強さB)
上記曲げ試験と同様に、得られたボードから幅50mm、長さ275mm(スパン225mm)の試験片を作製した。試験片を沸騰水中に2時間浸せきし、さらに常温水中に1時間浸せきした後、濡れたままの状態で上記曲げ強さ試験を行った。
(中核剥離強さ)
JIS−A−5908「パーティクルボード」またはJIS−A−5905「繊維板」に記載の試験方法に準じて、得られたボードから50mm角の試験片を作製し、剥離強さ試験を行い、得られた強さを中核剥離強さとした。
【0041】
(平均厚み)上記曲げ強さ試験、湿潤曲げ強さB試験および中核剥離強さ試験で使用した試験片の厚みを測定し、これらの平均値を平均厚みとした。
(平均密度)
上記曲げ強さ試験、湿潤曲げ強さB試験および中核剥離強さ試験で使用した試験片の密度を測定し、これらの平均値を平均厚みとした。
【0042】
(総合評価)
上記曲げ強さ、湿潤曲げ強さB、中核剥離強さおよび平均厚みについて、JIS−A−5908「パーティクルボード」またはJIS−A−5905「繊維板」に記載の品質基準に従って評価した。ただし、パーティクルボードまたは繊維板のタイプは問わない。
【0043】
○:JIS規格適合基準に合格
×:JIS規格適合基準に不合格
【0044】
【実施例1】
(I)離型剤付着工程:
媒体として軟質ウレタンフォームを用い、この軟質ウレタンフォームにスプレッダーを用いてポリエチレン系離型剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名:MK−004)を付着させた。この離型剤が付着した軟質ウレタンフォームを多段プレスに挿入した後、軟質ウレタンフォームと多段プレスの熱盤とを接触させ、熱盤1m当り外部離型剤中の固形分で20〜30g/mとなるように熱盤上下表面に外部離型剤を転写し、付着させた。
【0045】
(II)マット形成工程:
1リットルのポリ容器に所定のマット含水率となるように水を秤量((ボード中の全固型分×マット含水率−木質ファイバー中の水分)の量)し、高速攪拌下、樹脂付着量が8%となるように自己乳化型ポリメリックMDI(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コスモネートM−201W)を投入して均一になるように攪拌し、乳化物を調製した。この乳化物を接着剤として使用した。
【0046】
ブレンダーを用いて木質ファイバーと接着剤とを混合した後、接着剤が付着した木質ファイバーを用いて単層のマットを形成した。
(III)熱圧成型工程:
マット形成工程(II)で形成したマットを、上記離型剤付着工程(I)において、熱盤表面に外部離型剤を付着させた多段プレスに挿入し、熱圧成型した。その後、多段プレスから木質ボードを取り出した。この際、木質ボードの熱盤からの離型性を目視により観察したところ、熱盤表面への木質ボードの付着は全く認められなかったので、離型剤付着工程(I)を実施せずに、続けてボードを20枚製造した。得られたボードの物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【実施例2】
(II)マット形成工程:
1リットルのポリ容器に所定のマット含水率となるように水を秤量((ボード中の全固型分×マット含水率−木質チップ中の水分)の量)し、高速攪拌下、樹脂付着量が10%となるように自己乳化型ポリメリックMDI(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コスモネートM−250W)を投入して均一になるように攪拌し、乳化物を調製した。この乳化物を接着剤として使用した。
【0048】
ブレンダーを用いて木質チップと接着剤とを混合した後、予めスプレーにてカルナバワックス系外部離型剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名:MK−56)を固形分として15g/m付着させた鉄製のコール盤上に、接着剤が付着した木質チップを用いて単層のマットを形成した。
(I)離型剤付着工程および(III)熱圧成型工程:
マット形成工程(II)で得られたフォーミングマット表面にスプレーにて前記カルナバワックス系外部離型剤を固形分として20g/m付着させた。
【0049】
この外部離型剤が付着したフォーミングマットを前記コール盤とともに多段プレスに挿入し、熱盤に外部離型剤を付着させた後、熱圧成型した。その後、多段プレスから木質ボードを取り出した。この際、木質ボードの熱盤およびコール盤からの離型性を目視により観察したところ、熱盤およびコール盤表面への木質ボードの付着は全く認められなかったので、コール盤表面およびフォーミングマットへの離型剤付着処理は実施せず、続けてボードを7枚製造した。得られたボードの物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【実施例3】
(II)マット形成工程:
1リットルのポリ容器に所定のマット含水率となるように水を秤量((ボード中の全固型分×マット含水率−木質チップ中の水分−内部離型剤中の水)の量)し、高速攪拌下、樹脂付着量が9%となるように自己乳化型ポリメリックMDI(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コスモネートM−270W)を投入して均一になるように攪拌し、乳化物を調製した。この乳化物に、木質チップの乾燥質量に対する離型剤中の固形分質量が0.6%となるように、ポリエチレン系内部離型剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名:MK−004)を混合して均一になるように攪拌し、接着剤を調製した。
【0051】
ブレンダーを用いて木質チップと接着剤とを混合した後、予めスプレーにてモンタン系ワックス外部離型剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名:MK−77)を固形分として2g/m付着させた鉄製のコール盤上に、接着剤が付着した木質チップを用いて単層のマットを形成した。
(I)離型剤付着工程および(III)熱圧成型工程:
マット形成工程(II)で得られたフォーミングマット表面にスプレーにて前記モンタン系ワックス外部離型剤を固形分として2g/m付着させた。
【0052】
この外部離型剤が付着したフォーミングマットを前記コール盤とともに多段プレスに挿入し、熱盤に外部離型剤を付着させた後、熱圧成型した。その後、多段プレスから木質ボードを取り出した。この際、木質ボードの熱盤およびコール盤からの離型性を目視により観察したところ、熱盤およびコール盤表面への木質ボードの付着は全く認められなかったので、コール盤表面およびフォーミングマットへの離型剤付着処理は実施せず、続けてボードを150枚製造した。得られたボードの物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0053】
【比較例1】
離型剤付着工程(I)を実施せず、外部離型剤が付着していない多段プレス用いたこと以外は、実施例1と同様にして木質ボードを熱圧成型した。このときの木質ボードの離型性を目視により観察したところ、熱盤表面への木質ボードの付着が激しく、十分な木質ボードを得ることはできなかった。したがって、物性評価試験も実施しなかった。
【0054】
【表1】
Figure 2004249462
【0055】
【発明の効果】
従来の製造方法において熱盤からの離型性に劣る木質ボードを製造する場合であっても、本発明に係る木質ボードの製造方法によれば、熱盤から容易に木質ボードを離型させることができ、多段プレスを用いた連続的な木質ボードの製造を安定して行うことができる。さらに、吸水膨張率、線膨張率、曲げ弾性率に優れた木質ボードを製造することができる。

Claims (10)

  1. (I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、
    (I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程と
    を含有する離型剤付着方法。
  2. 前記媒体が、マット、シート、プレートからなる群から選択される少なくとも1種の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の離型剤付着方法。
  3. 前記外部離型剤が、シリコーン系、フッ素系、カルナバ系、モンタン系、パラフィン系およびポリエチレン系離型剤からなる群から選択される少なくとも1種の離型剤であることを特徴とする請求項1に記載の離型剤付着方法。
  4. 多段プレスの熱盤表面に付着した外部離型剤の量が、外部離型剤中の固形分で熱盤表面1m当り1〜100g/mであることを特徴とする請求項1に記載の離型剤付着方法。
  5. (I)離型剤付着工程と(II)マット形成工程と(III)熱圧成型工程とを含む木質ボードの製造方法であって、
    前記離型剤付着工程(I)が、
    (I−1)外部離型剤が付着した媒体を多段プレスに挿入する工程と、
    (I−2)外部離型剤が付着した前記媒体を多段プレスの熱盤に押し当て、該媒体と熱盤とを接触させて多段プレスの熱盤表面に前記外部離型剤を付着させる工程とを含み、
    前記マット形成工程(II)が、
    (II−1)リグノセルロース材料と接着剤とを混合する工程と、
    (II−2)接着剤が付着した前記リグノセルロース材料を用いてマットを形成する工程とを含み、
    前記熱圧成型工程(III)が、
    (III−1)マット状の前記リグノセルロース材料を、熱盤表面に外部離型剤が付着した前記多段プレスを用いて熱圧成型する工程を含む
    ことを特徴とする木質ボードの製造方法。
    ただし、前記媒体は、接着剤が付着したリグノセルロース材料を用いて形成されるマットと同じであっても異なっていてもよい。
  6. 離型剤付着工程(I)を少なくとも1回実施した後に、前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)を実施することを特徴とする請求項5に記載の木質ボードの製造方法。
  7. 前記離型剤工程(I)を1回実施した後に、前記マット形成工程(II)および前記熱圧成型工程(III)を2回以上実施することを特徴とする請求項5に記載の木質ボードの製造方法。
  8. 前記媒体が、接着剤が付着したリグノセルロース材料を用いて形成されるマットであって、
    前記マット形成工程(II)の後に前記離型剤付着工程(I)を実施し、その後、前記熱圧成型工程(III)を実施することを特徴とする請求項5に記載の木質ボードの製造方法。
  9. (II−1)リグノセルロース材料と接着剤とを混合する工程において、さらに内部離型剤を混合することを特徴とする請求項5に記載の木質ボードの製造方法。
  10. 前記接着剤が、有機ポリイソシアネート系化合物、ホルマリン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤および酢酸ビニル系接着剤からなる群から選択される少なくとも1種の接着剤であることを特徴とする請求項5に記載の木質ボードの製造方法。
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