JP2004248956A - 内視鏡用プレテストカプセル - Google Patents

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Abstract

【課題】カプセル型内視鏡を実際に使用する前にテスト的に体内へ導入し、カプセル型内視鏡の体内通過状態を把握できるようにする。
【解決手段】カプセル型内視鏡と略同一の形状及び重量からなり、カプセル型内視鏡を適用する前に体内へ導入するようにした内視鏡用プレテストカプセル10で、キトサン等を主成分とした材料で形成された本体11の中に、X線不透過物質である硫酸バリウム12(又はX線不透過物質を包んだ微小カプセル)を内包させ、表面側には、所定時間経過で溶解する腸溶性コート14を設ける。このテストカプセル10を事前に被験者に飲んで貰うことにより、カプセル型内視鏡の体内通過状態を把握でき、体内へ所定時間以上残留した場合は溶解するので、良好な体外排出が確保される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤレスのカプセル型内視鏡を体内に導入する前に、この内視鏡が残留せず良好に体内を通過することができるかを予め把握するために飲む内視鏡用プレテストカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、先端挿入部を被観察体内へ挿入し、消化管(器官)等の所望の部位を撮像するフレキシブル内視鏡(スコープ)が用いられており、この内視鏡で得られた映像はモニタ等で観察することができる。このような内視鏡に対し、近年では、患者に対する苦痛を少なくするため等の目的で、例えば特開2001−91860号公報等に示されるカプセル型内視鏡が開発されている。
【0003】
図3には、カプセル型内視鏡の一例としての構成図が示されており、図示されるように、カプセル本体1の前面側には透明窓部2が取り付けられる。この内視鏡内部には、上記透明窓部2を介して光を出射する左右の照明用LED(発光ダイオード)3A,3B、この照明光で明るくなった部位を撮影するための対物レンズ4及び撮像素子(CCD)5、この撮像素子5から出力された撮像信号を処理すると共に、このカプセル型内視鏡と外部(体外)機器との間でワイヤレス(無線)通信を行うための回路部(基板)6が設けられ、またこの回路部6や撮像素子5を駆動するための駆動源として電池(バッテリー)7が配置される。
【0004】
このようなカプセル型内視鏡は、食事を制限する等の前処置が施された患者等に飲み込んで貰うことによって体内へ導入される。この体内へ入れられた内視鏡では、上記の電池7の電力に基づいて各部が作動し、照明用LED3A,3Bによって通過中の各部位が照明され、その部位が対物レンズ4及び撮像素子5で撮像されることになり、この撮像信号は回路部6のアンテナを介して体外の外部機器へ送信される。そして、外部機器では、受信した撮像信号が映像信号として処理され、この映像信号に基づいてモニタ等にカプセル内視鏡で撮影された被観察体内の映像が表示される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−91860号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在実現しているカプセル型内視鏡は、体内を自力で進むための推進手段を持っておらず、消化管の中を受動的に流れて行くことになり、消化管内に存在する狭窄、凹凸、病変等の場所を通過できない場合には、体内に残留するという問題がある。
この種のカプセル型内視鏡には、図3で説明したように、駆動源として電池7を搭載しているため、この内視鏡が長時間、体内に残留すると、電池7内の物質が流出する等の不都合が生じる可能性がある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カプセル型内視鏡を実際に使用する前にテスト的に体内へ導入し、カプセル型内視鏡の体内通過状態を把握することができる内視鏡用プレテストカプセルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る内視鏡用プレテストカプセル(ダミーカプセル)は、カプセル型内視鏡を適用する前に体内へ導入され、このカプセル型内視鏡の体内通過状態を把握(検査)するための形状(大きさ)からなり、体内へ所定時間以上残留した場合は溶解するように形成されたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、X線不透過物質を内包したことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、プレテストカプセルは、例えばカプセル型内視鏡とほぼ同じ形状、サイズ(大きさ)及び重量として、所定時間(例えば24時間)以上で溶解する腸溶性(腸溶解性)の材料で形成される。例えば、天然高分子のキトサンを主成分とした材料でカプセル本体を形成し、この表面に(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のアルカリ可溶性の腸溶性コートを付けることにより製作される。このプレテストカプセルによれば、体外への排出を確認することにより消化管の通過の可否が判断でき、体内に残留したときは、例えば24時間以上の時間経過によりカプセルは体内で溶け、体外へ容易に排出されることになる。
【0010】
また、プレテストカプセルの中にX線不透過物質を内包させることができ、この場合は、X線透視装置にてカプセルの存在を観察することにより、カプセルの通過状態を詳細に確認、把握することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1には、第1実施例に係る内視鏡用プレテストカプセルの断面図が示されており、この実施例のプレテストカプセル(カプセル体)10は、図3のカプセル型内視鏡と形状、サイズ及び重量において同一に形成されており、例えば縦長さ(直径)が10mm程度、横長さが20mm程度とされる。即ち、このプレテストカプセル10の形状、サイズ及び重量は、体内の通過状態を確認、把握する条件に設定されることになり、略同一であればよく、或いは相似形でサイズ(大きさ)を少し変えたり、重量を少し変えたりしてもよい。
【0012】
また、このプレテストカプセル10は、天然高分子のキトサン、ゼラチン、セルロース等を主成分とした材料で形成された本体11の中に、X線不透過物質である硫酸バリウム(液体又は固体)12を内包させ、表面側には、(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のアルカリ可溶性の腸溶性コート14を設ける構成とされる。この腸溶性コート14は、その材料と厚さ等を適宜選択することによって、24時間以上の溶解時間に設定されており、この溶解時間は、1日以上で7日(1週間)以内の体内残留時間に合わせる形で決定される。なお、この体内での溶解時間の異なるプレテストカプセル10を複数製作し、これらの中から状況に応じて適宜、選択使用できるようにしてもよい。
【0013】
このような第1実施例の構成によれば、図3で説明したカプセル型内視鏡を使用する前に、プレテストカプセル10を被験者に飲んで貰うことになるが、通常であれば、このカプセル10は24時間前後で体外へ排出(排泄)されるので、この体外への排出を確認することによりカプセル型内視鏡の通過状態を確認することができる。また、この際に、X線透視装置にて被験者の体内を透視すれば、硫酸バリウム12を視認することによりプレテストカプセル10の体内での通過位置が確認でき、消化管の狭窄部、凹凸部、病変等に残留している状況、その残留位置等のカプセル10の通過状態を詳細に検査、把握することが可能となる。
【0014】
一方、プレテストカプセル10が体内に残留し、取り込みから24時間以上の時間が経過したときには、このカプセル10自体が腸等で溶けて体外へ排出される。即ち、このプレテストカプセル10は溶けて分解することにより、残留状態が解消され、体外へ排出される。このようなプレテストカプセル10の検査によれば、カプセル型内視鏡による本検査を確実にすると共に、カプセル型内視鏡の長期間の体内残留による悪影響を防止することができる。
【0015】
図2には、第2実施例の構成が示されており、この第2実施例はX線不透過物質を体液不溶性微小カプセルに詰めて配置したものである。図2(A)に示されるように、第2実施例のプレテストカプセル20は、例えばキトサンを主成分とした材料の本体21が微小カプセル22を内包するようにしてカプセル状に形成され、この本体21の表面側にヒドロキシプロピルメチルセルロース等の厚さdの腸溶性コート23が形成される。
【0016】
そして、図2(B)に示されるように、上記の微小カプセル22は直径100μm程度の大きさからなり、一般に用いられる体液不溶性材料の本体22Cの内部に、金属や硫酸バリウム等からなるX線不透過物質22Dを入れて形成される。
【0017】
このような第2実施例の構成によれば、第1実施例の場合と同様に、プレテストカプセル20を飲むことにより同形、同重量のカプセル型内視鏡の通過状態を把握、確認することができ、一方このプレテストカプセル20は1日以上7日以内の時間経過にて溶解し、体内に長時間残留する場合には、溶解物と個々の微小カプセル22に分解されて体外へ排泄される。また、X線透視装置を被験者に適用すれば、微小カプセル22内のX線不透過物質22Dの存在によりプレテストカプセル20の体内での通過状態、狭窄部や凹凸部等への残留状況、残留位置等を詳細に確認することができる。
【0018】
上記第1及び第2の実施例では、内部にX線不透過物質12,22Dを収納したが、これを入れず、本体11,21と腸溶性コート14,23のみで構成することもできる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カプセル型内視鏡と略同一の形状からなり、カプセル型内視鏡を適用する前に体内へ導入する内視鏡用プレテストカプセルを提供すると共に、体内へ所定時間以上残留した場合はこのカプセル自体が溶解するように構成したので、カプセル型内視鏡を使用する前のテストとして体内へ取り込むことにより、実際のカプセル型内視鏡の体内通過状態を把握することができるという利点があり、カプセル型内視鏡が残留する場合の電池等による悪影響をなくすことが可能となる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、プレテストカプセルにX線不透過物質を内包したので、X線透視装置により体内におけるプレテストカプセルの通過状態、狭窄部や凹凸部、病変等への残留状況、残留位置等を詳細に確認、把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内視鏡用プレテストカプセルの構成を示す断面図である。
【図2】第2実施例に係る内視鏡用プレテストカプセルの構成を示し、図(A)はその断面図、図(B)は内部の微小カプセルの断面図である。
【図3】提案されているカプセル型内視鏡の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,20…プレテストカプセル、
11,21…本体、
12…硫酸バリウム(X線不透過物質)、
14,23…腸溶性コート、
22…微小カプセル、
22D…X線不透過物質。

Claims (2)

  1. カプセル型内視鏡を適用する前に体内へ導入され、このカプセル型内視鏡の体内通過状態を把握するための形状からなり、体内へ所定時間以上残留した場合は溶解するように形成された内視鏡用プレテストカプセル。
  2. X線不透過物質を内包したことを特徴とする上記請求項1記載の内視鏡用プレテストカプセル。
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