JP2004248098A - 電圧電流変換回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力段オフセット量を精度良く検出し、出力電流のオフセットを解消した電圧電流変換回路を提供する。
【解決手段】コンパレータ13が、少しでも電流が流れた際に発生する、ダイオード16、17の順方向電圧(Vth)を入力電圧として動作し、差動増幅器5の入力段オフセット量(α)の検出時に、入力電圧印加手段1が、抵抗素子3を介して差動増幅器5の非反転入力端子(+)に基準電圧(Vref)と同じ値の電圧を印加し、制御部14が、差動増幅器5の反転入力端子(−)に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチ15を介したコンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧を設定値(Vfs)として固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】コンパレータ13が、少しでも電流が流れた際に発生する、ダイオード16、17の順方向電圧(Vth)を入力電圧として動作し、差動増幅器5の入力段オフセット量(α)の検出時に、入力電圧印加手段1が、抵抗素子3を介して差動増幅器5の非反転入力端子(+)に基準電圧(Vref)と同じ値の電圧を印加し、制御部14が、差動増幅器5の反転入力端子(−)に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチ15を介したコンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧を設定値(Vfs)として固定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力段オフセット量を検出してそれを解消する機能を有する電圧電流変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、入力段オフセット量を検出する機能を有する従来の電圧電流変換回路の一構成例を示す回路図である。
【0003】
図5において、1は入力電圧印加手段、2は基準電圧発生器、3、4は抵抗素子、5は差動増幅器、6は定電流源、7、8、9はトランジスタ、10は出力用の吐出し側カレントミラー、11は出力用の吸込み側カレントミラー、12は抵抗素子、13はコンパレータ、14は制御部、15はスイッチである。なお、A3はコンパレータ13の一方の入力ノード、B3は基準電圧発生器2からの基準電圧が印加される、コンパレータ13の他方の入力ノードである。
【0004】
次に、このように構成された従来の電圧電流変換回路の動作について説明する。
【0005】
入力電圧印加手段1からの入力電圧Vinと基準電圧発生器2からの基準電圧Vrefとの差電圧(Vin−Vref)が、差動増幅器5に入力されると、差動増幅器5は、コレクタに定電流源6が接続されたトランジスタ7のベース電圧を制御することで、トランジスタ8もしくはトランジスタ9をオンさせる。これにより、差動増幅器5の非反転端子(+)に電圧帰還がかかることになる。
【0006】
このため、抵抗素子3の抵抗値をR3とした場合、差電圧(Vin−Vref)は、電流I=(Vin−Vref)/R3に変換され、入力電圧Vinが基準電圧Vrefよりも高い場合は、トランジスタ9がオンし、出力用の吸い込み側カレントミラー11へと電流出力される。一方、入力電圧Vinが基準電圧Vrefよりも低い場合は、トランジスタ8がオンし、出力用の吐き出し側カレントミラー10から電流出力される。その時、スイッチ15はオフ状態にある。
【0007】
次に、差動増幅器5の入力段オフセット量を検出するために、スイッチ15をオンして、入力電圧印加手段1から入力電圧Vinとして基準電圧Vrefを印加する。制御部14により帰還点電圧Vfを変化させ、出力電流の方向が変化した際、つまりトランジスタ8、9のオン、オフが切り替った時に、カレントミラー10、11の電流の方向が変化するが、その両カレントミラーの出力電流をコンパレータ13の両入力ノード間に接続された抵抗素子12に流すことより、電流を電圧へと変換し、この電圧によりコンパレータ13の出力電圧を変化させる。コンパレータ13の出力電圧が変化した時の制御部14からの帰還点電圧Vfである設定値Vfsと基準電圧Vrefとの差電圧(Vfs−Vref)が差動増幅器5の入力段オフセット量αとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−207858号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、図5に示す電圧電流変換回路の入出力特性を示す図である。
【0010】
入力段にオフセット量αがある場合は、帰還点の電圧にオフセット量αが加算されることになり、帰還点電圧VfがVref+αとなり、Vin=Vref+αの場合に、出力電流がゼロとなる。
【0011】
入力電圧印加手段1から入力電圧Vinとして最小値が基準電圧Vrefである正弦波電圧を入力した際に、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合(特性C2)、出力電流Iout2は、最小値をゼロとして正常な波形となる。
【0012】
しかし、差動増幅器5の入力段オフセット量が+αである場合(特性C1)、出力電流Iout1のうち、入力電圧のVrefからVref+αに対応する下側部分がクリップされてしまう。また、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αである場合(特性C3)、出力電流Iout3は、入力電圧のαに対応するオフセットI(α)を有するため、出力ダイナミックレンジを狭めてしまうことになる。
【0013】
かかる問題は、制御部14を用いて帰還点電圧Vfを調整することで解決することができる。つまり、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい時に、出力電流Ioutがゼロとなるように、帰還点電圧Vfを設定することで上記の問題が解決される。この際に、差動増幅器5の入力段オフセット量αを精度良く検出する必要がある。
【0014】
図5に示す従来の構成では、コンパレータ13と制御部14を用いて、制御部14からの帰還点電圧Vfを変化させ、コンパレータ13の出力電圧が変化する際の帰還点電圧Vfである設定値Vfsを検出できるような構成となっている。つまり、コンパレータ13の出力電圧が変化する際の設定値Vfsを用いて、入力段オフセット量α=(Vfs−Vref)として検出される。
【0015】
その結果、帰還点電圧を制御部14によりVfsに設定することで、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合に、常に出力電流Ioutのオフセット量がゼロとなるように調整することが可能となる。
【0016】
しかしながら、コンパレータ13の入力電圧として、カレントミラー10、11の差電流ΔIと抵抗素子12(抵抗値をR12とする)による変換電圧(R12×ΔI)を用いていており、差電流ΔI自身はコンパレータ13の動作点付近で微小な値となってしまうため、変換電圧(R12×ΔI)が微小となり、コンパレータ13の入力段オフセット量(βとする)を無視することができなくなる。
【0017】
図7は、コンパレータ13の入力段オフセット量βがゼロの場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va(ノードA3の電圧;Va1、Va2、Va3)および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0018】
図7において、差動増幅器5の入力段オフセット量として+αが発生した場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa1で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs1は、Vfs1=Vref−αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が+αであると分かる。また、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロの場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa2で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs2は、Vfs2=Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロであると分かる。さらに、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生した場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa3で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs3は、Vfs3=Vref+αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αであると分かる。
【0019】
図8は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、コンパレータ13の出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0020】
図8において、Va2、Va3は、図7のそれぞれに対応する。差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αであると分かる。
【0021】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ01で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ01)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγo1だけ小さい量を検出してしまう。
【0022】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ03で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ03)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ03だけ大きい量を検出してしまう。
【0023】
さらに、カレントミラー10、11のミラー比のバラツキにより、γo1とγo3の値が変動する。
【0024】
したがって、検出した制御部14の設定値Vfsにオフセット調整したとしても、実際には−γ01または+γ03分のオフセット量が残ってしまい、さらに、カレントミラー10、11のミラー比のバラツキにより、γ01とγ03の値が変動するという問題がある。
【0025】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパレータの入力段オフセット量を無視することができ、差動増幅器の入力段オフセット量を精度良く検出して、出力電流のオフセットを解消した電圧電流変換回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の電圧電流検出回路は、入力段オフセット量(α)の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、検出手段は、入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧(Vf)を変化させる制御部と、差動増幅器の出力電圧に基づいて吐き出し側カレントミラーまたは吸い込み側カレントミラーに出力電流が流れた際に、基準電圧(Vref)に対して接続されたダイオードに発生する順方向電圧(Vth)を入力電圧とするコンパレータとを備え、制御部は、帰還点電圧を変化させている間に、コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧(Vfs)に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする。
【0027】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の電圧電流検出回路は、入力電圧(Vin)が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧(Vref)が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、ベースに差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、1次側端子が第2のトランジスタのコレクタに接続され、2次側端子から第2のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吐出し側カレントミラーと、1次側端子が第3のトランジスタのコレクタに接続され、吐出し側カレントミラーの2次側端子に接続された2次側端子から第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吸込み側カレントミラーと、一方の入力端子(A1)が吐出し側カレントミラーおよび吸込み側カレントミラーの2次側端子に接続され、他方の入力端子(B1)に基準電圧が印加されるコンパレータと、通常時にはコンパレータからの出力電圧を遮断し、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時にはコンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、入力電圧は基準電圧と同じ値に設定され、差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチを介したコンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧(Vfs)を設定値として固定する制御部と、コンパレータの一方の入力端子と他方の入力端子との間に設けられ、互いに逆方向に並列接続された一対のダイオードとを備えたことを特徴とする。
【0028】
上記第1および第2の電圧電流変換回路の構成によれば、差動増幅器の入力段オフセット量αを検出するために、吐出し側カレントミラーの2次側端子から、または吸込み側カレントミラーの2次側端子へと出力電流が少しでも流れた際に発生するダイオードの順方向電圧Vthの変動を用いることで、コンパレータの一方の入力端子への基準電圧に対する入力電圧VaをVref+Vth、もしくはVref−Vthと大きくとることができ、コンパレータの入力段オフセット量βを無視することができるようになり、差動増幅器の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能になる。
【0029】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第3の電圧電流検出回路は、入力段オフセット量(α)の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、検出手段は、入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧(Vf)を変化させる制御部と、差動増幅器の出力電圧に基づいてカレントミラーへと出力電流を流す、それぞれのベースおよびエミッタが共通接続された一対のトランジスタのベース・エミッタ間電圧(Vbe)を入力電圧とするコンパレータとを備え、制御部は、帰還点電圧を変化させている間に、コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧(Vfs)に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする。
【0030】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第4の電圧電流検出回路は、入力電圧(Vin)が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧(Vref)が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、ベースに差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタに電源電圧が供給され、エミッタが差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタに接続され、第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行うカレントミラーと、第2および第3のトランジスタのベース・エミッタ間電圧(Vbe)を入力電圧として動作するコンパレータと、通常時にはコンパレータからの出力電圧を遮断し、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時にはコンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、入力電圧は基準電圧と同じ値に設定され、差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチを介したコンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧(Vfs)を設定値として固定する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0031】
上記第3および第4の電圧電流変換回路の構成によれば、差動増幅器の入力段オフセット量αを検出するために、吸込み側カレントミラーへと出力電流が少しでも流れた際に発生する、第2および第3のトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbeの変動を用いることで、コンパレータの一方の入力端子への基準電圧に対する入力電圧をVref+α+Vbe、もしくはVref+α−Vbeと大きくとることが可能となる。これにより、コンパレータの入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器の入力段オフセット量αを精度良く検出することが可能になる。この結果、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合における出力電流のオフセットを解消することが可能になる。
【0032】
さらに、従来の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと、吐出し側カレントミラーと吸込み側カレントミラーの差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子を必要とせず、また第1および第2の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと一対のダイオードを必要としないため、少ない素子数で回路を構成できるという利点も有する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図である。なお、図1において、従来例の説明の際に参照した図5と同じ構成および機能を有する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本実施形態が従来例と異なるのは、吐出し側カレントミラー10と吸込み側カレントミラー11の差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子12に代えて、互いに逆方向に電流が流れるように並列に接続された一対のダイオード16、17を設けた点にある。ここで、ダイオード16、17の順方向電圧をVthとする。なお、制御部14は、帰還点電圧Vfとして基準電圧Vref付近の電圧を設定可能な構成を有する。
【0036】
次に、このように構成された電圧電流変換器の動作について説明する。
【0037】
制御部14は、帰還点電圧Vfを基準電圧Vrefよりも低い側から高い側へと変化させ、出力電流IoutがゼロとなるVfである設定値Vfsを検出する。原理としては、少しでも電流が流れた際に発生する、ダイオード16または17の順方向電圧Vthの変化を、コンパレータ13に入力することで、コンパレータ13の入力電圧Va(ノードB1に対するノードA1の電圧)をVref+Vth、もしくはVref−Vthと大きくすることが可能となる。これにより、コンパレータ13の入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。この理由について、図2を参照してさらに説明する。
【0038】
図2は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0039】
図2において、Va2は、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合におけるコンパレータ13の入力電圧である。
【0040】
差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、制御部14の設定値Vfs2から差動増幅器5の入力段オフセット量−αを求めることができる。
【0041】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ11で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ11)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ11だけ小さい量を検出してしまう。
【0042】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ13で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ13)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ13だけ大きい量を検出してしまう。
【0043】
しかし、γ11およびγ13の大きさはαに比べて非常に小さく、コンパレータ13の入力段オフセット量+β、−βはほとんど無視でき、検出されるオフセット量αは、α=Vfs−Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。
【0044】
一般的に、ダイオード16、17の順方向電圧Vthは約0.7Vであり、コンパレータ13の入力段オフセット量±βは通常±10mV程度である。本実施形態では、コンパレータ13の入力電圧が2×Vth(約1.4V)変化した際に、出力電圧が変化するように構成できるため、コンパレータ13の入力段オフセット量β(約10mV)と比べて充分大きな値となり、入力段オフセット量の検出精度を向上させることができる。
【0045】
これに対して、従来例の場合、抵抗素子12に流れる差電流ΔI自身は微小な値であり、例えば0.1μA程度であると想定して、抵抗素子12により、本実施形態によるコンパレータ13の入力電圧として2×Vth(約1.4V)を実現しようとすると、抵抗素子12の抵抗値が14MΩとなり、この抵抗値を集積回路内で構成するには大きな面積を必要とし、現実的ではない。
【0046】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図である。なお、図3において、第1の実施形態の説明の際に参照した図1と同じ構成および機能を有する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、出力用吐き出し側カレントミラー10およびダイオード16、17を削除し、トランジスタ8のコレクタを電源電圧VCCに接続し、コンパレータ13の一方の入力端子(ノードA2)をトランジスタ8のベースに接続し、その他方の入力端子(ノードB2)をトランジスタ8、9のエミッタに接続した構成をとっている(すなわち、コンパレータ13により、トランジスタ8またはトランジスタ9のベース・エミッタ間電圧Vbeの変化を検出する)点にある。なお、制御部14は、帰還点電圧Vfとして基準電圧Vref付近の電圧を設定可能な構成を有する。
【0048】
次に、このように構成された電圧電流変換器の動作について説明する。
【0049】
制御部14は、帰還点電圧Vfを基準電圧Vrefよりも低い側から高い側へと変化させ、出力電流IoutがゼロとなるVfである設定値Vfsを検出する。原理としては、少しでも電流が流れた際に発生する、トランジスタ8またはトランジスタ9のベース・エミッタ間電圧Vbeの変化を、コンパレータ13に入力することで、コンパレータ13の入力電圧(ノードB2に対するノードA2の電圧)をVref+α+Vbe、もしくはVref+α−Vbeと大きくすることが可能となる。これにより、コンパレータ13の入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。この理由について、図4を参照してさらに説明する。
【0050】
図4は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0051】
図4において、破線で示すVa2は、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合におけるコンパレータ13の入力電圧である。
【0052】
差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、制御部14の設定値Vfs2から差動増幅器5の入力段オフセット量−αを求めることができる。
【0053】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ21で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ21)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ21だけ小さい量を検出してしまう。
【0054】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ23で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ23)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ23だけ大きい量を検出してしまう。
【0055】
しかし、γ21およびγ23の大きさはαに比べて非常に小さく、コンパレータ13の入力段オフセット量+β、−βはほとんど無視でき、検出されるオフセット量αは、α=Vfs−Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。
【0056】
一般的に、トランジスタ8、9のベース・エミッタ間電圧Vbeは約0.7Vであり、コンパレータ13の入力段オフセット量±βは通常±10mV程度である。本実施形態では、コンパレータ13の入力電圧が2×Vbe(約1.4V)変化した際に、出力電圧が変化するように構成できるため、コンパレータ13の入力段オフセット量β(約10mV)と比べて充分大きな値となり、入力段オフセット量の検出精度を向上させることができる。
【0057】
これに対して、従来例の場合、抵抗素子12に流れる電流ΔI自身は微小な値であり、例えば0.1μA程度であると想定して、抵抗素子12により、本実施形態によるコンパレータ13の入力電圧として2×Vbe(約1.4V)を実現しようとすると、抵抗素子12の抵抗値が14MΩとなり、この抵抗値を集積回路内で構成するには大きな面積を必要とし、現実的ではない。
【0058】
さらに、本実施形態によれば、従来の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと、吐出し側カレントミラーと吸込み側カレントミラーの差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子を必要とせず、また第1の実施形態と比較して、吐出し側カレントミラーと一対のダイオードを必要としないため、少ない素子数で回路を構成できるという利点も有する。
【0059】
なお、本実施形態では、電流出力が吸込み側のカレントミラー10のみを用いたが、本発明はこれに限定されず、吐出し側のカレントミラーのみ、もしくは吸込みと吐出しの両側電流出力を有するカレントミラーを用いた構成に適用したとしても、入力段オフセット量を精度良く検出することができる点で有効である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コンパレータの入力段オフセット量の影響を受けることなく、電圧電流変換回路の入力段オフセット量を精度良く検出することができ、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合における出力電流のオフセットを解消することが可能になる、という格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図2】第1の実施形態において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図4】第2の実施形態において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図5】従来の電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図6】図5の電圧電流変換回路の入出力特性を示す図
【図7】図5の電圧電流変換回路において、コンパレータ13の入力段オフセット量をゼロとしたときの、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va(ノードA3の電圧;Va1、Va2、Va3)および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図8】図5の電圧電流変換回路において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【符号の説明】
1 入力電圧印加手段
2 基準電圧発生器
3、4 抵抗素子
5 差動増幅器
6 定電流源
7、8、9 トランジスタ
10 出力用の吐出し側カレントミラー
11 出力用の吸込み側カレントミラー
12 抵抗素子
13 コンパレータ
14 制御部
15 スイッチ
16、17 ダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力段オフセット量を検出してそれを解消する機能を有する電圧電流変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、入力段オフセット量を検出する機能を有する従来の電圧電流変換回路の一構成例を示す回路図である。
【0003】
図5において、1は入力電圧印加手段、2は基準電圧発生器、3、4は抵抗素子、5は差動増幅器、6は定電流源、7、8、9はトランジスタ、10は出力用の吐出し側カレントミラー、11は出力用の吸込み側カレントミラー、12は抵抗素子、13はコンパレータ、14は制御部、15はスイッチである。なお、A3はコンパレータ13の一方の入力ノード、B3は基準電圧発生器2からの基準電圧が印加される、コンパレータ13の他方の入力ノードである。
【0004】
次に、このように構成された従来の電圧電流変換回路の動作について説明する。
【0005】
入力電圧印加手段1からの入力電圧Vinと基準電圧発生器2からの基準電圧Vrefとの差電圧(Vin−Vref)が、差動増幅器5に入力されると、差動増幅器5は、コレクタに定電流源6が接続されたトランジスタ7のベース電圧を制御することで、トランジスタ8もしくはトランジスタ9をオンさせる。これにより、差動増幅器5の非反転端子(+)に電圧帰還がかかることになる。
【0006】
このため、抵抗素子3の抵抗値をR3とした場合、差電圧(Vin−Vref)は、電流I=(Vin−Vref)/R3に変換され、入力電圧Vinが基準電圧Vrefよりも高い場合は、トランジスタ9がオンし、出力用の吸い込み側カレントミラー11へと電流出力される。一方、入力電圧Vinが基準電圧Vrefよりも低い場合は、トランジスタ8がオンし、出力用の吐き出し側カレントミラー10から電流出力される。その時、スイッチ15はオフ状態にある。
【0007】
次に、差動増幅器5の入力段オフセット量を検出するために、スイッチ15をオンして、入力電圧印加手段1から入力電圧Vinとして基準電圧Vrefを印加する。制御部14により帰還点電圧Vfを変化させ、出力電流の方向が変化した際、つまりトランジスタ8、9のオン、オフが切り替った時に、カレントミラー10、11の電流の方向が変化するが、その両カレントミラーの出力電流をコンパレータ13の両入力ノード間に接続された抵抗素子12に流すことより、電流を電圧へと変換し、この電圧によりコンパレータ13の出力電圧を変化させる。コンパレータ13の出力電圧が変化した時の制御部14からの帰還点電圧Vfである設定値Vfsと基準電圧Vrefとの差電圧(Vfs−Vref)が差動増幅器5の入力段オフセット量αとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−207858号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、図5に示す電圧電流変換回路の入出力特性を示す図である。
【0010】
入力段にオフセット量αがある場合は、帰還点の電圧にオフセット量αが加算されることになり、帰還点電圧VfがVref+αとなり、Vin=Vref+αの場合に、出力電流がゼロとなる。
【0011】
入力電圧印加手段1から入力電圧Vinとして最小値が基準電圧Vrefである正弦波電圧を入力した際に、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合(特性C2)、出力電流Iout2は、最小値をゼロとして正常な波形となる。
【0012】
しかし、差動増幅器5の入力段オフセット量が+αである場合(特性C1)、出力電流Iout1のうち、入力電圧のVrefからVref+αに対応する下側部分がクリップされてしまう。また、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αである場合(特性C3)、出力電流Iout3は、入力電圧のαに対応するオフセットI(α)を有するため、出力ダイナミックレンジを狭めてしまうことになる。
【0013】
かかる問題は、制御部14を用いて帰還点電圧Vfを調整することで解決することができる。つまり、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい時に、出力電流Ioutがゼロとなるように、帰還点電圧Vfを設定することで上記の問題が解決される。この際に、差動増幅器5の入力段オフセット量αを精度良く検出する必要がある。
【0014】
図5に示す従来の構成では、コンパレータ13と制御部14を用いて、制御部14からの帰還点電圧Vfを変化させ、コンパレータ13の出力電圧が変化する際の帰還点電圧Vfである設定値Vfsを検出できるような構成となっている。つまり、コンパレータ13の出力電圧が変化する際の設定値Vfsを用いて、入力段オフセット量α=(Vfs−Vref)として検出される。
【0015】
その結果、帰還点電圧を制御部14によりVfsに設定することで、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合に、常に出力電流Ioutのオフセット量がゼロとなるように調整することが可能となる。
【0016】
しかしながら、コンパレータ13の入力電圧として、カレントミラー10、11の差電流ΔIと抵抗素子12(抵抗値をR12とする)による変換電圧(R12×ΔI)を用いていており、差電流ΔI自身はコンパレータ13の動作点付近で微小な値となってしまうため、変換電圧(R12×ΔI)が微小となり、コンパレータ13の入力段オフセット量(βとする)を無視することができなくなる。
【0017】
図7は、コンパレータ13の入力段オフセット量βがゼロの場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va(ノードA3の電圧;Va1、Va2、Va3)および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0018】
図7において、差動増幅器5の入力段オフセット量として+αが発生した場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa1で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs1は、Vfs1=Vref−αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が+αであると分かる。また、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロの場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa2で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs2は、Vfs2=Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロであると分かる。さらに、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生した場合、コンパレータ13の入力電圧特性はVa3で表され、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧VfであるVfs3は、Vfs3=Vref+αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αであると分かる。
【0019】
図8は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、コンパレータ13の出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0020】
図8において、Va2、Va3は、図7のそれぞれに対応する。差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量が−αであると分かる。
【0021】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ01で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ01)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγo1だけ小さい量を検出してしまう。
【0022】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ03で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ03)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ03だけ大きい量を検出してしまう。
【0023】
さらに、カレントミラー10、11のミラー比のバラツキにより、γo1とγo3の値が変動する。
【0024】
したがって、検出した制御部14の設定値Vfsにオフセット調整したとしても、実際には−γ01または+γ03分のオフセット量が残ってしまい、さらに、カレントミラー10、11のミラー比のバラツキにより、γ01とγ03の値が変動するという問題がある。
【0025】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパレータの入力段オフセット量を無視することができ、差動増幅器の入力段オフセット量を精度良く検出して、出力電流のオフセットを解消した電圧電流変換回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の電圧電流検出回路は、入力段オフセット量(α)の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、検出手段は、入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧(Vf)を変化させる制御部と、差動増幅器の出力電圧に基づいて吐き出し側カレントミラーまたは吸い込み側カレントミラーに出力電流が流れた際に、基準電圧(Vref)に対して接続されたダイオードに発生する順方向電圧(Vth)を入力電圧とするコンパレータとを備え、制御部は、帰還点電圧を変化させている間に、コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧(Vfs)に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする。
【0027】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の電圧電流検出回路は、入力電圧(Vin)が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧(Vref)が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、ベースに差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、1次側端子が第2のトランジスタのコレクタに接続され、2次側端子から第2のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吐出し側カレントミラーと、1次側端子が第3のトランジスタのコレクタに接続され、吐出し側カレントミラーの2次側端子に接続された2次側端子から第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吸込み側カレントミラーと、一方の入力端子(A1)が吐出し側カレントミラーおよび吸込み側カレントミラーの2次側端子に接続され、他方の入力端子(B1)に基準電圧が印加されるコンパレータと、通常時にはコンパレータからの出力電圧を遮断し、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時にはコンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、入力電圧は基準電圧と同じ値に設定され、差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチを介したコンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧(Vfs)を設定値として固定する制御部と、コンパレータの一方の入力端子と他方の入力端子との間に設けられ、互いに逆方向に並列接続された一対のダイオードとを備えたことを特徴とする。
【0028】
上記第1および第2の電圧電流変換回路の構成によれば、差動増幅器の入力段オフセット量αを検出するために、吐出し側カレントミラーの2次側端子から、または吸込み側カレントミラーの2次側端子へと出力電流が少しでも流れた際に発生するダイオードの順方向電圧Vthの変動を用いることで、コンパレータの一方の入力端子への基準電圧に対する入力電圧VaをVref+Vth、もしくはVref−Vthと大きくとることができ、コンパレータの入力段オフセット量βを無視することができるようになり、差動増幅器の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能になる。
【0029】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第3の電圧電流検出回路は、入力段オフセット量(α)の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、検出手段は、入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧(Vf)を変化させる制御部と、差動増幅器の出力電圧に基づいてカレントミラーへと出力電流を流す、それぞれのベースおよびエミッタが共通接続された一対のトランジスタのベース・エミッタ間電圧(Vbe)を入力電圧とするコンパレータとを備え、制御部は、帰還点電圧を変化させている間に、コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧(Vfs)に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする。
【0030】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第4の電圧電流検出回路は、入力電圧(Vin)が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧(Vref)が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、ベースに差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタに電源電圧が供給され、エミッタが差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、ベースが第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタに接続され、第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行うカレントミラーと、第2および第3のトランジスタのベース・エミッタ間電圧(Vbe)を入力電圧として動作するコンパレータと、通常時にはコンパレータからの出力電圧を遮断し、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時にはコンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、入力電圧は基準電圧と同じ値に設定され、差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧(Vf)を変化させ、スイッチを介したコンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧(Vfs)を設定値として固定する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0031】
上記第3および第4の電圧電流変換回路の構成によれば、差動増幅器の入力段オフセット量αを検出するために、吸込み側カレントミラーへと出力電流が少しでも流れた際に発生する、第2および第3のトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbeの変動を用いることで、コンパレータの一方の入力端子への基準電圧に対する入力電圧をVref+α+Vbe、もしくはVref+α−Vbeと大きくとることが可能となる。これにより、コンパレータの入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器の入力段オフセット量αを精度良く検出することが可能になる。この結果、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合における出力電流のオフセットを解消することが可能になる。
【0032】
さらに、従来の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと、吐出し側カレントミラーと吸込み側カレントミラーの差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子を必要とせず、また第1および第2の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと一対のダイオードを必要としないため、少ない素子数で回路を構成できるという利点も有する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図である。なお、図1において、従来例の説明の際に参照した図5と同じ構成および機能を有する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本実施形態が従来例と異なるのは、吐出し側カレントミラー10と吸込み側カレントミラー11の差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子12に代えて、互いに逆方向に電流が流れるように並列に接続された一対のダイオード16、17を設けた点にある。ここで、ダイオード16、17の順方向電圧をVthとする。なお、制御部14は、帰還点電圧Vfとして基準電圧Vref付近の電圧を設定可能な構成を有する。
【0036】
次に、このように構成された電圧電流変換器の動作について説明する。
【0037】
制御部14は、帰還点電圧Vfを基準電圧Vrefよりも低い側から高い側へと変化させ、出力電流IoutがゼロとなるVfである設定値Vfsを検出する。原理としては、少しでも電流が流れた際に発生する、ダイオード16または17の順方向電圧Vthの変化を、コンパレータ13に入力することで、コンパレータ13の入力電圧Va(ノードB1に対するノードA1の電圧)をVref+Vth、もしくはVref−Vthと大きくすることが可能となる。これにより、コンパレータ13の入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。この理由について、図2を参照してさらに説明する。
【0038】
図2は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0039】
図2において、Va2は、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合におけるコンパレータ13の入力電圧である。
【0040】
差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、制御部14の設定値Vfs2から差動増幅器5の入力段オフセット量−αを求めることができる。
【0041】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ11で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ11)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ11だけ小さい量を検出してしまう。
【0042】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ13で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ13)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ13だけ大きい量を検出してしまう。
【0043】
しかし、γ11およびγ13の大きさはαに比べて非常に小さく、コンパレータ13の入力段オフセット量+β、−βはほとんど無視でき、検出されるオフセット量αは、α=Vfs−Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。
【0044】
一般的に、ダイオード16、17の順方向電圧Vthは約0.7Vであり、コンパレータ13の入力段オフセット量±βは通常±10mV程度である。本実施形態では、コンパレータ13の入力電圧が2×Vth(約1.4V)変化した際に、出力電圧が変化するように構成できるため、コンパレータ13の入力段オフセット量β(約10mV)と比べて充分大きな値となり、入力段オフセット量の検出精度を向上させることができる。
【0045】
これに対して、従来例の場合、抵抗素子12に流れる差電流ΔI自身は微小な値であり、例えば0.1μA程度であると想定して、抵抗素子12により、本実施形態によるコンパレータ13の入力電圧として2×Vth(約1.4V)を実現しようとすると、抵抗素子12の抵抗値が14MΩとなり、この抵抗値を集積回路内で構成するには大きな面積を必要とし、現実的ではない。
【0046】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図である。なお、図3において、第1の実施形態の説明の際に参照した図1と同じ構成および機能を有する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、出力用吐き出し側カレントミラー10およびダイオード16、17を削除し、トランジスタ8のコレクタを電源電圧VCCに接続し、コンパレータ13の一方の入力端子(ノードA2)をトランジスタ8のベースに接続し、その他方の入力端子(ノードB2)をトランジスタ8、9のエミッタに接続した構成をとっている(すなわち、コンパレータ13により、トランジスタ8またはトランジスタ9のベース・エミッタ間電圧Vbeの変化を検出する)点にある。なお、制御部14は、帰還点電圧Vfとして基準電圧Vref付近の電圧を設定可能な構成を有する。
【0048】
次に、このように構成された電圧電流変換器の動作について説明する。
【0049】
制御部14は、帰還点電圧Vfを基準電圧Vrefよりも低い側から高い側へと変化させ、出力電流IoutがゼロとなるVfである設定値Vfsを検出する。原理としては、少しでも電流が流れた際に発生する、トランジスタ8またはトランジスタ9のベース・エミッタ間電圧Vbeの変化を、コンパレータ13に入力することで、コンパレータ13の入力電圧(ノードB2に対するノードA2の電圧)をVref+α+Vbe、もしくはVref+α−Vbeと大きくすることが可能となる。これにより、コンパレータ13の入力段オフセット量βを無視することができ、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。この理由について、図4を参照してさらに説明する。
【0050】
図4は、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図である。
【0051】
図4において、破線で示すVa2は、差動増幅器5の入力段オフセット量がゼロである場合におけるコンパレータ13の入力電圧である。
【0052】
差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量がゼロである場合、コンパレータ13の出力電圧Vco2がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs2は、Vfs2=Vref+αとなり、制御部14の設定値Vfs2から差動増幅器5の入力段オフセット量−αを求めることができる。
【0053】
一方、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として+βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco1がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs1は、Vfs1=Vref+α+γ21で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α+γ21)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ21だけ小さい量を検出してしまう。
【0054】
逆に、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13のオフセット量として−βが発生した場合、コンパレータ13の出力電圧Vco3がLowレベルからHighレベルに変化する時の帰還点電圧Vfである、制御部14の設定値Vfs3は、Vfs3=Vref+α−γ23で表され、差動増幅器5の入力段オフセット量は−(α−γ23)となって、実際の入力段オフセット量である−αよりもγ23だけ大きい量を検出してしまう。
【0055】
しかし、γ21およびγ23の大きさはαに比べて非常に小さく、コンパレータ13の入力段オフセット量+β、−βはほとんど無視でき、検出されるオフセット量αは、α=Vfs−Vrefとなり、差動増幅器5の入力段オフセット量を精度良く検出することが可能となる。
【0056】
一般的に、トランジスタ8、9のベース・エミッタ間電圧Vbeは約0.7Vであり、コンパレータ13の入力段オフセット量±βは通常±10mV程度である。本実施形態では、コンパレータ13の入力電圧が2×Vbe(約1.4V)変化した際に、出力電圧が変化するように構成できるため、コンパレータ13の入力段オフセット量β(約10mV)と比べて充分大きな値となり、入力段オフセット量の検出精度を向上させることができる。
【0057】
これに対して、従来例の場合、抵抗素子12に流れる電流ΔI自身は微小な値であり、例えば0.1μA程度であると想定して、抵抗素子12により、本実施形態によるコンパレータ13の入力電圧として2×Vbe(約1.4V)を実現しようとすると、抵抗素子12の抵抗値が14MΩとなり、この抵抗値を集積回路内で構成するには大きな面積を必要とし、現実的ではない。
【0058】
さらに、本実施形態によれば、従来の電圧電流変換回路と比較して、吐出し側カレントミラーと、吐出し側カレントミラーと吸込み側カレントミラーの差電流ΔIを電圧に変換する抵抗素子を必要とせず、また第1の実施形態と比較して、吐出し側カレントミラーと一対のダイオードを必要としないため、少ない素子数で回路を構成できるという利点も有する。
【0059】
なお、本実施形態では、電流出力が吸込み側のカレントミラー10のみを用いたが、本発明はこれに限定されず、吐出し側のカレントミラーのみ、もしくは吸込みと吐出しの両側電流出力を有するカレントミラーを用いた構成に適用したとしても、入力段オフセット量を精度良く検出することができる点で有効である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コンパレータの入力段オフセット量の影響を受けることなく、電圧電流変換回路の入力段オフセット量を精度良く検出することができ、入力電圧Vinが基準電圧Vrefに等しい場合における出力電流のオフセットを解消することが可能になる、という格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図2】第1の実施形態において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図4】第2の実施形態において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図5】従来の電圧電流変換回路の構成例を示す回路図
【図6】図5の電圧電流変換回路の入出力特性を示す図
【図7】図5の電圧電流変換回路において、コンパレータ13の入力段オフセット量をゼロとしたときの、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va(ノードA3の電圧;Va1、Va2、Va3)および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【図8】図5の電圧電流変換回路において、差動増幅器5の入力段オフセット量として−αが発生し、コンパレータ13の入力段オフセット量が+β、ゼロ、−βである場合における、制御部14からの帰還点電圧Vfに対するコンパレータ13の入力電圧Va3および出力電圧Vco(Vco1、Vco2、Vco3)の特性を示す図
【符号の説明】
1 入力電圧印加手段
2 基準電圧発生器
3、4 抵抗素子
5 差動増幅器
6 定電流源
7、8、9 トランジスタ
10 出力用の吐出し側カレントミラー
11 出力用の吸込み側カレントミラー
12 抵抗素子
13 コンパレータ
14 制御部
15 スイッチ
16、17 ダイオード
Claims (4)
- 入力段オフセット量の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、前記検出手段は、
入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧を変化させる制御部と、
前記差動増幅器の出力電圧に基づいて吐き出し側カレントミラーまたは吸い込み側カレントミラーに出力電流が流れた際に、基準電圧に対して接続されたダイオードに発生する順方向電圧を入力電圧とするコンパレータとを備え、
前記制御部は、前記帰還点電圧を変化させている間に、前記コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする電圧電流変換回路。 - 入力電圧が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、
ベースに前記差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、
ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが前記差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、
ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、
1次側端子が前記第2のトランジスタのコレクタに接続され、2次側端子から前記第2のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吐出し側カレントミラーと、
1次側端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、前記吐出し側カレントミラーの2次側端子に接続された2次側端子から前記第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行う吸込み側カレントミラーと、
一方の入力端子が前記吐出し側カレントミラーおよび前記吸込み側カレントミラーの2次側端子に接続され、他方の入力端子に前記基準電圧が印加されるコンパレータと、
通常時には前記コンパレータからの出力電圧を遮断し、前記差動増幅器の入力段オフセット量の検出時には前記コンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、
前記差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、前記入力電圧は前記基準電圧と同じ値に設定され、前記差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧を変化させ、前記スイッチを介した前記コンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧を設定値として固定する制御部と、
前記コンパレータの一方の入力端子と他方の入力端子との間に設けられ、互いに逆方向に並列接続された一対のダイオードとを備えたことを特徴とする電圧電流変換回路。 - 入力段オフセット量の検出手段を有する電圧電流変換回路であって、前記検出手段は、
入力段に設けられた差動増幅器への帰還点電圧を変化させる制御部と、
前記差動増幅器の出力電圧に基づいてカレントミラーへと出力電流を流す、それぞれのベースおよびエミッタが共通接続された一対のトランジスタのベース・エミッタ間電圧を入力電圧とするコンパレータとを備え、
前記制御部は、前記帰還点電圧を変化させている間に、前記コンパレータの出力電圧が変化した際の帰還点電圧に基づいて、入力段オフセット量を検出することを特徴とする電圧電流変換回路。 - 入力電圧が第1の抵抗素子を介して一方の入力端子に印加され、基準電圧が第2の抵抗素子を介して他方の入力端子に印加され、基準電圧に対する入力電圧の差電圧を増幅する差動増幅器と、
ベースに前記差動増幅器からの出力電圧が供給され、コレクタに定電流源が接続され、エミッタが接地電位に接続された第1のトランジスタと、
ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタに電源電圧が供給され、エミッタが前記差動増幅器の一方の端子に接続された第2のトランジスタと、
ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、エミッタが前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、前記第3のトランジスタに流れる電流の値に応じた電流出力を行うカレントミラーと、
前記第2および第3のトランジスタのベース・エミッタ間電圧を入力電圧として動作するコンパレータと、
通常時には前記コンパレータからの出力電圧を遮断し、前記差動増幅器の入力段オフセット量の検出時には前記コンパレータからの出力電圧を導通させるスイッチと、
前記差動増幅器の入力段オフセット量の検出時に、前記入力電圧は前記基準電圧と同じ値に設定され、前記差動増幅器の他方の入力端子に印加する帰還点電圧を変化させ、前記スイッチを介した前記コンパレータの出力電圧が変化したときの帰還点電圧を設定値として固定する制御部とを備えたことを特徴とする電圧電流変換回路。
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JP2003037296A JP2004248098A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 電圧電流変換回路 |
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Cited By (2)
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KR100795006B1 (ko) * | 2006-06-12 | 2008-01-16 | 주식회사 하이닉스반도체 | 오프셋 전압 측정 장치 |
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2003
- 2003-02-14 JP JP2003037296A patent/JP2004248098A/ja active Pending
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US7576664B2 (en) | 2005-11-29 | 2009-08-18 | Hynix Semiconductor Inc. | Apparatus and method of generating DBI signal in semiconductor memory apparatus |
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