JP2004247274A - イオン伝導性電解質およびそれを用いた電池 - Google Patents

イオン伝導性電解質およびそれを用いた電池 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気圧が低く、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質を提供し、また、そのイオン伝導性電解質を用いて、安全性が高く、かつ放電特性が優れた電池を提供する。
【解決手段】下記の化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物と、電解質塩とを主材としてイオン伝導性電解質を構成し、また、そのイオン伝導性電解質を用いて電池を構成する。
上記化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物は、下記の化学式(2)で表される構造を分子内に有する化合物であることが好ましい。
【化1】
Figure 2004247274

【化2】
Figure 2004247274

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン伝導性電解質およびそれを用いた電池に関し、さらに詳しくは、蒸気圧が低く、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質、およびそれを用いた安全性が高く、かつ放電特性が優れ、特に二次電池化したときには充放電特性が優れた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いことから、携帯機器用の電源として広く使用されている。しかしながら、従来のリチウムイオン二次電池の電解質は低沸点のカーボネート系溶媒にアルカリ金属塩などの電解質塩を溶解させて調製されたものであり、その電解質溶媒として使用されているカーボネート系溶媒が低沸点のため、蒸気圧が高く、貯蔵時に電池膨れが生じやすく、また液漏れした場合に着火し易いなど、安全性、貯蔵性に問題があった。
【0003】
そのため、蒸気圧を低下させる目的で、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー構造単位を有する架橋ポリマーと、上記と同様の構造単位を有する未架橋のランダムコポリマーと、アルカリ電解質塩との混合物を電解質として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−34660号公報(第1頁)
【0005】
上記のようなエチレンオキシド−プロピレンオキシド系のポリマーを用いた電解質は、高沸点で蒸気圧が低く、電池の安全性の向上には効果が認められるものの、リチウムイオン輸率が低いという問題があった。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのエーテル酸素は1個のリチウムイオンに4〜6個配位してリチウム電解質塩を解離させるが、このようにエーテル酸素が配位したリチウムイオンは、それが配位していない対アニオンに比べて移動が妨げられるため、リチウムイオン輸率が低下する。つまり、見掛け上のイオン伝導度は高いものの、リチウムイオン輸率は高くても0.2に達せず、カーボネート系溶媒のリチウムイオン輸率(0.2〜0.3)に比べて劣っている。
【0006】
そして、上記のように電解質のリチウムイオン輸率が低い場合は、分極が起こりやすくなり、電池にしたときにIRドロップが大きくなるため、大きな電流が取り出せないという問題があった。
【0007】
そこで、安全性を向上させるための、より効果的な選択肢としてイオン伝導性を有するポリマー電解質の使用が考えられる。このポリマー電解質は、電池の作動温度域において蒸気圧を持たず、しかもシート状に形成することができるので、A4版、B5版などの大面積で、かつ薄形の電池の作製が可能になり、それを用いたポリマー電解質電池は、耐漏液性を含めた安全性、貯蔵性に優れ、しかも薄く、フレキシブルな電池にすることができるので、機器の形状に合わせた電池を設計できるという、他の電池にない特徴を持っていて、各種薄形電気製品への適用が可能になるなど、電池の使用範囲が大きく広がっている。
【0008】
上記ポリマー電解質は、通常、ベースとなるポリマーにアルカリ金属の電解質塩を均一に混合することによって構成されるが、これまでにも、そのベースとなるポリマーに関して種々のポリマーを用いた電解質が提案されている。例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリエーテルに、リチウム塩を溶解させた高分子電解質組成物やそれらの組成物を用いた電池が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献2】
特公平6−23305号公報(第1頁)
【0010】
また、ポリマー電解質として、カーボネート基を分子内に有するポリマーを用いた高分子電解質やゲル電解質も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
【特許文献3】
特公平5−56383号公報(第1頁)
【0012】
しかしながら、それらのポリマー電解質は、室温付近のイオン伝導性が極端に低く(σ=10−5S/cm以下)、実用に供するレベルに達していない。これは、それらに使用されているポリマーの結晶性が高く、室温付近ではその分子運動が制限されてしまうため、イオン伝導の支配因子となるイオンの移動度が低下するからである。そのため、それらのポリマー電解質を用いた電池は、高温(60℃以上)においてのみ充放電が可能であり、その用途は大幅に制限されているのが現状である。
【0013】
そこで、そのような問題を解決するため、ポリマー電解質の代表的なベースポリマーであるポリエーテルに関して、結晶性を低下させる試みが種々行われている。例えば、エチレンオキシド鎖の結晶性を低下させるために、ポリエーテルを架橋構造にしたり、高度に枝分かれ構造にするなどの改良により、10−4S/cm台のイオン伝導度を達成している(例えば、非特許文献1参照)。
【0014】
【非特許文献1】
Macromolecules,32,(1999),p.1541
【0015】
しかしながら、そのような試みによっても、ポリエーテルを用いたポリマー電解質の本質的欠点であるリチウムイオン輸率が低いという問題を解決するにいたっていない。すなわち、リチウムイオン輸率に関しては高くても0.2に達せず、液体系のイオン伝導性電解質のリチウムイオン輸率(0.2〜0.3)に比べて劣っている。
【0016】
このように、未だ、蒸気圧が低く、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質は開発されておらず、そのため、安全性が高く、かつ放電特性が優れた電池は得られない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のイオン伝導性電解質の問題点を解決し、蒸気圧が低く、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質を提供し、また、そのイオン伝導性電解質を用いて、安全性が高く、かつ放電特性が優れた電池を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記の化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物と、電解質塩とを主材としてイオン伝導性電解質を構成し、また、そのイオン伝導性電解質を用いて電池を構成することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【化6】
Figure 2004247274
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のイオン伝導性電解質が上記のような特性を有する理由および本発明のイオン伝導性電解質ならびにそれを用いた電池の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明のイオン伝導性電解質では、そのベースとなる化合物が、分子内に化学式(1)で表される構造を有している。この化学式(1)で表される構造は、適度に分極していて、構造中の酸素がリチウムイオンと適度に配位結合して、混合された電解質塩の解離を促進する。このときエチレンオキシドやプロピレンオキシドのようにエーテル酸素がリチウムイオンに4個以上の多数個配位してリチウムイオンの動きを妨げることがないので、リチウムイオン輸率が大きく低下するようなことはない。
【0021】
また、化学式(1)で表される構造は、嵩高く、しかも5員環が平面でなくねじれた構造を有しているので、この化学式(1)で表される構造がポリマー内に存在することによって、ポリマー鎖の規則性が効果的に乱されてポリマーの結晶性が低下し、さらにポリマー鎖の占める自由体積を効果的に増加させるのでポリマーの運動性が上昇する。その結果、リチウムイオン伝導度が向上する。
【0022】
上記化学式(1)で表される構造を有する化合物は、下記の化学式(2)で表される構造を分子内に有する化合物であることが好ましい。
【化7】
Figure 2004247274
【0023】
この化学式(2)で表される構造を分子内に有する化合物は、その化学式(2)中のXで表されるように、カルボニル基を分子内に有していて、そのカルボニル基によって化合物に極性が付与されるので、電解質塩を高濃度で溶解させることができるようになる。しかも、化学式(2)で表される構造は、分子内にカルボニル基が存在し、リチウムイオン二次電池の電解質に一般に使用されているカーボネート系溶媒との親和性にも優れているので、イオン伝導を高めるためにそれらの溶媒を混合した場合においても相溶性が優れ、均一で相分離のないイオン伝導性電解質とすることができる。
【0024】
上記化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物は、下記の化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造を同一分子内に有する化合物であることが好ましい。
【化8】
Figure 2004247274
【化9】
Figure 2004247274
(式中、Xは炭素数が1以上20以下の炭化水素鎖またはユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖を示す)
【0025】
化学式(3)で表される構造は、化学式(2)で表される構造とカーボネート基とが結合しているので、カーボネート基のカルボニル基の電子吸引効果によりα位の酸素または5員環上の酸素の電子供与性が小さくなって、リチウムイオンとの相互作用が適度に弱められ、リチウムイオンの動きが妨げられることがないので、リチウムイオン輸率が大きく低下することはない。
【0026】
また、化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造が同一分子内に存在することにより、化学式(4)中の炭化水素鎖またはオリゴエーテル鎖が分子に柔軟性を与えるので、分子運動性が増加する。特に、化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造を同一分子内に有する化合物が高分子量である場合は、化学式(3)で表される構造によってポリマーの結晶性が阻害され、ポリマーに柔軟性を与え、イオン伝導度が上昇する。
【0027】
また、化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造を同一分子内に有する化合物は、分子量が200以上と大きく、高沸点であるため蒸気圧が極めて低い。そして、化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物は、下記の化学式(5)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
【化10】
Figure 2004247274
(式中、Xは炭素数が1以上20以下の炭化水素鎖またはユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖を示し、nは1以上1000以下の整数を示す)
【0028】
すなわち、化学式(5) で表される構造を有する化合物は、化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とが同一分子内に均一に配列しているので、高いイオン伝導度がより得られやすくなるとともに、均一で相分離のないイオン伝導性電解質を構成することができる。
【0029】
また、化学式(5)で表される構造を有する化合物も、分子量が200以上と大きく、高沸点であるため蒸気圧が極めて低い。
【0030】
上記化学式(4)中のXおよび化学式(5)中のXは、炭素数が1〜20の炭化水素鎖またはユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖を示すが、上記炭化水素鎖の炭素数を1〜20とするのは、上記炭化水素鎖の炭素数が1以上であることによってポリマーに柔軟性を付与してイオン伝導性を向上させ、また炭化水素鎖の炭素数を20以下にすることによって混合する電解質塩との親和性を確保するためであり、この炭化水素鎖の炭素数としては4〜10が特に好ましい。
【0031】
また、Xで示されるユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖において、そのオリゴエーテル鎖としてはオリゴエチレンオキシド鎖、オリゴプロピレンオキシド鎖、オリゴエチレン−プロピレンオキシド鎖、オリゴチオエーテル鎖などが挙げられ、このオリゴエーテル鎖のユニット数を1〜10とするのは、オリゴエーテル鎖のユニット数が1以上であることによってポリマーに柔軟性を付与してイオン伝導性を向上させ、またオリゴエーテル鎖のユニット数を10以下にすることによって高いリチウムイオン輸率を確保するためであり、このオリゴエーテル鎖のユニット数としては、1〜5が特に好ましい。
【0032】
化学式(1) で表される構造を分子内に有する化合物は、化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応しうる2個以上の炭酸エステルを含有する化合物と、水酸基を1個以上含有する化合物とのエステル交換縮合反応によって得ることができる。
【0033】
上記化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応し得る2個以上の炭酸エステルを含有する化合物は下記の化学式(6)で表される。そして、上記水酸基を1個以上含有する化合物について説明すると、水酸基を1個含有する化合物は下記の化学式(7)で表され、水酸基を2個以上含有する化合物としては下記の化学式(8)で表される。なお、化学式(7)中のXおよび化学式(8)中のXは前記化学式(4)における場合と同様である。
【0034】
【化11】
Figure 2004247274
(式中、Rはフェニル基、エチル基またはプロピル基である)
【0035】
HO−X (7)
【0036】
HO−X−OH (8)
【0037】
そして、上記化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応し得る2個以上の炭酸エステルを含有する化合物〔すなわち、化学式(6)で表される化合物〕と、水酸基を2個以上含有する化合物〔すなわち、化学式(8)で表される化合物〕とのエステル交換縮合反応は、下記に示すように進行する。
【化12】
Figure 2004247274
【0038】
また、上記化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応しうる2個以上の炭酸エステルを含有する化合物〔すなわち、化学式(6)で表される化合物〕と、水酸基を1個含有する化合物〔すなわち、化学式(7)で表される化合物〕とのエステル交換縮合反応は、下記に示すように進行する。
【0039】
【化13】
Figure 2004247274
【0040】
上記化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応しうる2個以上の炭酸エステルを含有する化合物〔すなわち、化学式(6)で表される化合物〕は、化学式(5)で表される構造を有しかつ水酸基を2個以上含有する化合物と、例えば、上記水酸基と当量のクロロギ(蟻)酸化合物とを反応させることによって得ることができる。この化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基を2個以上含有する化合物としては、例えば、1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−D−グルシトール、1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−D−マンニトール、1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−L−イジトールなどが挙げられる。
【0041】
上記1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−D−グルシトールの構造式は次の通りであり、
【化14】
Figure 2004247274
1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−D−マンニトールの構造式は次の通りであり、
【化15】
Figure 2004247274
1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−L−イジトールの構造式は次の通りである。
【化16】
Figure 2004247274
【0042】
上記化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基を2個以上含有する化合物を化学式で表すと、下記の化学式(9)の通りであり、それと反応させるクロロギ酸化合物の構造は下記の化学式(10)の通りである。
【化17】
Figure 2004247274
【化18】
Figure 2004247274
【0043】
そして、上記化学式(9)で表される化合物〔すなわち、化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基を2個以上含有する化合物〕と化学式(10)で表されるクロロギ酸化合物とから、前記化学式(6)で表される化合物〔すなわち、化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応し得る2個以上の炭酸エステルを含有する化合物〕を得るための反応式は、次に示す通りである。
【化19】
Figure 2004247274
【0044】
前記化学式(8)で表される水酸基を2個以上含有する化合物としては、上記両末端に水酸基を有する炭化水素鎖を含む化合物の他、両末端に水酸基を有するオリゴエチレンオキシド鎖、オリゴプロピレンオキシド鎖、オリゴエチレン−プロピレンオキシド鎖、オリゴチオエチレン鎖などを含むオリゴエーテル類が挙げられる。
【0045】
両末端に水酸基を有する炭化水素鎖を含む化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1, 4−ブタンジオール、1, 5−ペンタンジオール、1, 6−ヘキサンジオール、1, 7−ヘプタンジオール、1, 8−オクタンジオール、1, 9−ノナンジオール、1, 10−デカンジオールなどが挙げられ、両末端に水酸基を有するオリゴエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0046】
前記化学式(7)で表される水酸基を1個含有する化合物としては、片末端に水酸基を有する炭化水素鎖を含む化合物の他、片末端に水酸基を有するオリゴエチレンオキシド鎖、オリゴプロピレンオキシド鎖、オリゴエチレン−プロピレンオキシド鎖、オリゴチオエチレン鎖などを含むオリゴエーテル類などが挙げられる。
【0047】
片末端に水酸基を有する炭化水素鎖を含む化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールなどが挙げられ、片末端に水酸基を有するオリゴエーテル類としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
【0048】
化学式(1) で表される構造を分子内に有する化合物は、化学式(1)で表される構造を有しかつ2個以上の水酸基を含有する化合物と、水酸基と反応し得る1個以上の炭酸エステルを含有する化合物とのエステル交換縮合反応によっても同様に得ることができる。
【0049】
本発明のイオン伝導性電解質は、化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物がポリマーの場合、該化合物と電解質塩とを、例えば、均一に溶解し得るアセトニトリル、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解し、その溶液をキャストまたはスピンコートなどにより基板に塗布した後、有機溶媒を除去し、基板から剥がすことによって得ることができる。
【0050】
本発明のイオン伝導性電解質は、化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物が液体の場合、該化合物に電解質塩を均一に溶解することによって得ることができる。
【0051】
本発明のイオン伝導性電解質を構成するにあたり、化学式(1) で表される構造を分子内に有する化合物と電解質塩との混合比は、上記化合物中の化学式(1)で表される構造のモル数をA、電解質塩のモル数をBとするとき、0.001≦B/A≦10の範囲にあることが好ましく、0.001≦B/A≦2の範囲にあることがより好ましい。上記B/Aが0.001より小さい場合は、電解質塩の濃度が低いため、イオン伝導度が低くなり、上記B/Aが10より大きい場合は、溶解しきれない電解質塩の析出によるフィルムの不均一化やイオン会合などによって、イオン伝導度がかえって低下する。
【0052】
上記イオン伝導性電解質のイオン伝導度をより高めるために、種々の有機溶媒を混合してもよい。そのような有機溶媒としては、リチウムイオン二次電池の電解液に使用されているカーボネート系溶媒が好ましく、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネートや、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルプロピルカーボネートなどの環状カーボネートなどがそれぞれ単独で用いることができるし、また2種以上併用することもできる。
【0053】
本発明のイオン伝導性電解質の構成にあたって用いる電解質塩としては、例えば、MC1O(MはLi、Na、Kなどのアルカリ金属元素を表す。以下同様)、MPF、MBF、MAsF、MSbF、MCFSO、MCSO、MCFCO、M(SO、MN(CFSO、MN(CSO、MC(CFSO、MC2n+1SO(n≧2)、MN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基〕、MOHなどのアルカリ金属の電解質塩が挙げられ、少なくともLiを含む塩が特に好適に用いられる。そして、これらの電解質塩はそれぞれ単独で用いることができるし、また2種以上併用することもできる。
【0054】
以上では、本発明のイオン伝導性電解質の構成成分として主として化合物について説明したが、本発明のイオン伝導性電解質には、その目的を損なわない限りにおいて、他の成分を添加することもできる。
【0055】
例えば、化学式(1) で表される構造を分子内に有する化合物がポリマーで、イオン伝導性電解質が固体の場合、該イオン伝導性電解質に各種無機微粒子を添加してもよく、そうすることによって、強度、膜厚均一性が改善される上に、無機微粒子とポリマーとの間に微細な空孔が生じることになり、強度改善効果を損ねることなく、逆にイオン伝導度や移動度などを向上させることができる。また、無機微粒子を添加することにより、重合性組成物の粘度が上昇し、ポリマーと溶媒との相溶性が不充分な場合にもその分離を抑える効果が期待できる。
【0056】
上記のような目的で使用する無機微粒子としては、非電子伝導性で、電気化学的に安定なものを選択することが好ましく、イオン伝導性を有するものであればさらに好ましい。具体的には、α,β、γ−アルミナ、シリカなどのイオン伝導性または非伝導性セラミックス製微粒子が好適なものとして挙げられる。
【0057】
無機微粒子の具体例としては、例えば、アエロジル〔日本アエロジル(株)製〕のようなシリカ超微粒子、アルミナ超微粒子などが挙げられ、安定性、複合効率から、特にアルミナ超微粒子が好ましい。
【0058】
また、本発明のイオン伝導性電解質には、化学式(1) で表される構造を分子内に有する化合物がポリマーの場合、多孔質シートをその支持体として用いてもよい。そのような多孔質シートとしては、例えば、不織布や微孔性フィルムなどを用いることができる。上記不織布としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの不織布などが挙げられ、微孔性フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などの微孔性フィルムなどが挙げられる。
【0059】
以上の構成からなる本発明のイオン伝導性電解質は、例えば、リチウム/マンガン電池などのリチウム電池、リチウムイオン二次電池などのリチウムイオン電池、有機硫黄電池などの電解質として使用することができ、また、電気化学キャパシタの電解質やエレクトロクロミックディスプレーなどのイオニクス素子の電解質としても使用することができる。
【0060】
上記イオン伝導性電解質を用いての電池の作製は、イオン伝導性電解質が液体の場合、通常のリチウムイオン二次電池などと同様に、例えば、正極、負極、セパレータなどのイオン伝導性電解質以外の電池構成要素を電池ケース内に収容し、その電池ケース内に液体のイオン伝導性電解質を注入し、密閉することによって行われ、また、イオン伝導性電解質が固体の場合は、例えば、イオン伝導性電解質を含有した正極と、イオン伝導性電解質膜と、イオン伝導性電解質を含有した負極とを貼り合わせることによって行われる。
【0061】
イオン伝導性電解質を含有する電極を作製するにあたっては、例えば、後に詳述するように、集電体上に形成した正極合剤層または負極合剤層に、イオン伝導性電解質を溶解した溶液を含浸させた後、溶剤を除去する工程を経由する方法や、イオン伝導性電解質を溶解させた溶液中に活物質と必要に応じて導電助剤やバインダーなどを加えたぺーストを調製後、得られたぺーストを集電体上に塗布し、乾燥して溶剤を除去する工程を経由する方法などが採用される。
【0062】
例えば、本発明のイオン伝導性電解質を用いてリチウムイオン二次電池を構成する場合、その正極の活物質としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物、LiMnなどのリチウムマンガン酸化物、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物、LiNiOのNiの一部をCoで置換したLiNiCoO、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物の1種または2種以上などが用いられる。上記例示の正極活物質の中でも、LiNiO、LiNiCoO、LiMnなどの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を用いる場合には、高エネルギー密度が得られるので、特に好ましい。
【0063】
正極は、上記正極活物質に、必要に応じて、例えば、鱗片状黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電助剤や、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのバインダーなどを適宜添加し、混合して調製した正極合剤を加圧成形するか、またはその正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから正極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含有ぺーストをアルミニウム箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて圧延処理する工程を経由することによって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。そして、イオン伝導性電解質を含有した正極を作製するには、例えば、上記のように正極集電体上に形成した正極合剤層(圧延処理する前の正極合剤層が好ましい)にイオン伝導性電解質を溶解した溶液(その構成成分のポリマーと電解質塩とを溶解した溶液でもよい。以下同様)を含浸させ、乾燥して溶剤を除去する工程を経由する方法が採用される。また、イオン伝導性電解質を溶解させた溶液に正極活物質、導電助剤、バインダーなどを加えて混合したり、上記正極合剤含有ぺーストとイオン伝導性電解質を溶解させた溶液とを混合することによって、イオン伝導性電解質を含有した状態の正極合剤含有ぺーストを調製し、該ぺーストを正極集電体に塗布し、乾燥して溶剤を除去する工程を経由する方法によっても、イオン伝導性電解質を含有した正極を作製することができる。
【0064】
負極に用いる材料としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープできるものであればよく、本発明においては、そのような材料を負極活物質として呼ぶが、この負極活物質の具体例としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素化合物が挙げられる。また、リチウム単体の他、Si、Sn、Inなどの合金あるいはリチウム(Li)に近い低電位で充放電できる酸化物などの化合物も負極活物質として用いることができる。
【0065】
負極は、上記負極活物質に、必要に応じて、前記正極の場合と同様のバインダーなどを添加し、混合して調製した負極合剤を加圧成形するか、または上記負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーは溶解または分散させておいてから負極活物質として混合してもよい)、その負極合剤含有ぺーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて圧延処理する工程を経由することによって作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。そして、イオン伝導性電解質を含有した負極を作製するには、例えば、上記のように負極集電体上に形成した負極合剤層(圧延処理する前の負極合剤層が好ましい)にイオン伝導性電解質を溶解した溶液(その構成成分のポリマーと電解質塩とを溶解した溶液でもよい。以下同様)を含浸させ、乾燥して溶剤を除去する工程を経由する方法が採用される。また、イオン伝導性電解質を溶解させた溶液に負極活物質、バインダーなどを加えて混合したり、上記負極合剤含有ぺーストとイオン伝導性電解質を溶解させた溶液とを混合することによって、イオン伝導性電解質を含有した状態の負極合剤含有ぺーストを調製し、該ぺーストを負極集電体に塗布し、乾燥して溶剤を除去する工程を経由する方法によっても、イオン伝導性電解質を含有した負極を作製することができる。
【0066】
本発明において、正極の集電体としては、例えば、アルミニウム製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどが好適に用い得るが、特にアルミニウム箔が好ましい。また、負極の集電体としては、例えば、銅製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどが好適に用い得るが、特に銅箔が好ましい。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0068】
実施例1
1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ビス−O−(フェノキシカルボニル)−D−グルシトールの合成
窒素置換したフラスコに1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール58g、乾燥ピリジン10gおよびテトラヒドロフラン150cmを入れ、均一に溶解した後、氷冷および攪拌しながらクロロ蟻酸フェニル17.4gを滴下した。滴下終了後、室温(20℃)に戻し、60時間攪拌した。反応終了後の溶液を水に滴下し、析出した固体をろ過後、5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液と蒸留水で数回洗浄して白色固体を得た。この白色固体を酢酸エチルに溶解した後、酢酸エチルから再結晶させて精製し、1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−O−(フェノキシカルボニル)−D−グルシトールを得た。
【0069】
ポリマーの合成:
試験管中に上記の方法で合成した1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ビス−O−(フェノキシカルボニル)−D−グルシトール97.5モル%に対して酢酸亜鉛を2.5モル%の割合で加え、上記試験管中に冷却管を備えた脱離フェノール除去装置と三方コックを取り付け、真空乾燥した後、窒素置換した。これに当量の1,6−ヘキサンジオールを加え、常圧で攪拌しながら190℃まで加熱した。その後、減圧下で加熱し、さらに真空ポンプによる減圧下で加熱した。反応終了後、得られた生成物をクロロホルムに溶解し、メタノール中に滴下して沈殿物(ポリマー)を得た。同様の再沈殿操作を数回繰り返した後、真空乾燥した。このポリマーは化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に有する化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に有する化合物の範疇にも属するものであり、その化学式(4)中におけるXは炭素数が6のアルキレン鎖であった。
【0070】
このように合成したポリマーとLiN(SOCFをアセトニトリルに溶解し、その溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム(ただし、このポリテトラフルオロエチレンフィルムはガラス板上に貼り付けられている。以下同様)上にキャストし、室温にてアセトニトリルを除去した。さらに、24時間真空乾燥してアセトニトリルを完全に除去して、厚さ100μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記ポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.2であった。
【0071】
実施例2
実施例1において、電解質塩として加えたLiN(SOCFの量について、そのモル数をBとし、上記ポリマーの全体に含まれる化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.4とした以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導性電解質フィルムを得た。
【0072】
実施例3
ポリマーの合成にあたって、1,6−ヘキサンジオールを1,8−オクタンジオールに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマーを合成した。このポリマーは化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に属する化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に有する化合物の範疇にも属するものであり、その化学式(4)中におけるXは炭素数が8のアルキレン鎖であった。
【0073】
このように合成したポリマーとLiN(SOCFをテトラヒドロフランに溶解し、その溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム上にキャストし、室温にてテトラヒドロフランを除去した。さらに、24時間真空乾燥してテトラヒドロフランを完全に除去して、厚さ80μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記ポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.2であった。
【0074】
実施例4
実施例3において、電解質塩として加えたLiN(SOCFの量について、そのモル数をBとし、上記ポリマーの全体に含まれる化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.4とした以外は、実施例3と同様にしてイオン伝導性電解質フィルムを得た。
【0075】
実施例5
ポリマーの合成にあたって、1,6−ヘキサンジオールを1,10−デカンジオールに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマーを合成した。このポリマーも化学式(1)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に属する化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に含む化合物の範疇にも属するものであり、その化学式(4)中におけるXは炭素数が10のアルキレン鎖であった。
【0076】
このように合成したポリマーとLiN(SOCFをテトラヒドロフランに溶解し、その溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム上にキャストし、室温にてテトラヒドロフランを除去した。さらに24時間真空乾燥してテトラヒドロフランを完全に除去して、厚さ80μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記ポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.2であった。
【0077】
実施例6
実施例5において、電解質塩として加えたLiN(SOCFの量について、そのモル数をBとし、上記ポリマーの全体に含まれる化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.4とした以外は、実施例5と同様にしてイオン伝導性電解質フィルムを得た。
【0078】
実施例7
1,6−ヘキサンジオールをオクタノール2倍当量に変更した以外は、実施例1と同様にして化合物を合成した。この化合物は粘度100cpの無色透明の液体となった。この化合物も化学式(1)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に含む化合物の範疇にも属するものであり、さらに化学式(5)で表される化合物の範疇にも属し、その化学式(5)中におけるXは炭素数が8のアルキレン鎖であり、nは1であった。
【0079】
このように合成した化合物にLiN(SOCFを溶解し、イオン伝導性電解質を作製した。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記化合物中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.2であった。
【0080】
実施例8
ポリマーの合成にあたって、1,6−ヘキサンジオールをトリエチレングリコールに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマーを合成した。このポリマーも化学式(1)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に含む化合物の範疇にも属するものであり、その化学式(4)中におけるXはユニット数が3のオリゴエーテル鎖であった。
【0081】
このように合成したポリマーとLiN(SOCFとをアセトニトリルに溶解し、その溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム上にキャストし、室温にてアセトニトリルを除去した。さらに、24時間真空乾燥してアセトニトリルを完全に除去して、厚さ80μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記ポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.4であった。
【0082】
実施例9
ポリマーの合成にあたって、1,6−ヘキサンジオールをテトラエチレングリコールに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマーを合成した。このポリマーも化学式(1)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇に属し、かつ化学式(2)で表される構造を分子内に含む化合物の範疇にも属し、しかも化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造とを同一分子内に含む化合物の範疇にも属するものであり、その化学式(4)中におけるXはユニット数が4のオリゴエーテル鎖であった。
【0083】
このように合成したポリマーとLiN(SOCFとをアセトニトリルに溶解し、その溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム上にキャストし、室温にてアセトニトリルを除去した。さらに、24時間真空乾燥してアセトニトリルを完全に除去して、厚さ80μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、そのモル数をBとし、上記ポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとしたとき、B/A=0.4であった。
【0084】
比較例1
ポリエチレンオキシド(数平均分子量:100,000)とLiN(SOCFとをアセトニトリル中に溶解し、この溶液をステンレス鋼板上およびポリテトラフルオロエチレンフィルム上にキャストし、室温(20℃)にてアセトニトリルを除去した。さらに、24時間真空乾燥してアセトニトリルを完全に除去して、厚さ70μmのイオン伝導性電解質フィルムを得た。上記イオン伝導性電解質の構成にあたって電解質塩として加えたLiN(SOCFの量は、この比較例1におけるポリマーがカーボネート基を含まないので、実施例1〜9の場合と同様の形態での表示はできないが、ポリマー中のリチウムイオンの総量としては、そのモル比が、リチウムイオン/ポリマーユニット=0.2であった。
【0085】
比較例2
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:1で混合したカーボネート系溶媒にLiN(SOCFを溶解し、イオン伝導性電解質とした。このイオン伝導性電解質は液体であり、そのリチウムイオン濃度は1モル/dmであった。
【0086】
上記実施例1〜6、実施例8〜9および比較例1で形成したイオン伝導性電解質フィルムならびに実施例7および比較例2のイオン伝導性電解質について、そのイオン伝導度、リチウムイオン輸率および熱分析による質量減少率を調べた。その結果を表1および表2に示す。なお、イオン伝導度、リチウムイオン輸率および質量減少率の測定方法は次に示すとおりである。
【0087】
イオン伝導度の測定
上記ステンレス鋼板上に形成した実施例1〜6、実施例8〜9および比較例1のイオン伝導性電解質フィルムをもう一枚のステンレス鋼板とで挟み、それらを宝泉社製のHSセルに組み込んでモデルセルを作製した。実施例7および比較例2のイオン伝導性電解質については、東燃社製のセパレータ〔東燃セティーラE25MMS(商品名)〕を2枚のステンレス鋼板で挟み、それらを上記HSセルに組み込んだ後、実施例7および比較例2のイオン伝導性電解質をそれぞれセル中に注入してモデルセルを作製した。そして、これら実施例1〜9および比較例1〜2のイオン伝導性電解質について交流インピーダンス法によって室温(20℃)でのイオン伝導度を測定した。
【0088】
リチウムイオン輸率の測定
ポリテトラフルオロエチレンフィルム上に形成した実施例1〜6、実施例8〜9および比較例1のイオン伝導性電解質フィルムをポリテトラフルオロエチレンフィルム上から注意深く剥離した後、2枚のリチウム箔で挟み、上記HSセルに組み込んでモデルセルを作製した。また、実施例7および比較例2のイオン伝導性電解質については、イオン伝導性電解質を染み込ませた東燃社製のセパレータ〔東燃セティーラE25MMS(商品名)〕を2枚のリチウム箔で挟み、それらを上記HSセルに組み込んでモデルセルを作製した。そして、イオン直流分極法と複素インピーダンス法とを組み合わせた輸率測定法によってリチウムイオン輸率を測定した。なお、このリチウムイオン輸率測定法は、Polymer,28,2324(1987)〕に紹介されているものである。
【0089】
すなわち、上記リチウム箔を電極とし、その電極間に一定の印加電圧(10mV)を加え、初期電流値(I)および定常電流値(Is)を測定し、さらに電圧印加前の界面抵抗測定値Rと電圧印加後の界面抵抗測定値Rsとを複素インピーダンス法により求めた。そして、得られた値を次式に導入してリチウムイオン輸率(T)を求めた。式中の△Vは印加電圧である。
Figure 2004247274
【0090】
熱分析による高温安定性評価
各電解質をAl(アルミニウム)サンプルパンに入れ、理学電機社製の示差熱天秤(TG/DTA)〔ThermoPlus TG8120(商品名)〕を用いて0℃〜300℃の範囲で5℃/minにて昇温し、100℃での質量減少率を調べた。なお、質量減少率の測定は、熱分析により電解質の高温安定性を評価するものである。
以上の結果を表1および表2に示す。なお、表1および表2中のXは化学式(5)中におけるXを示し、Aはポリマー中の化学式(1)で表される構造のモル数を示し、Bは電解質塩のモル数を示す。
【0091】
【表1】
Figure 2004247274
【0092】
【表2】
Figure 2004247274
【0093】
表1および表2に示す結果から、固体系(ポリマー系)のイオン伝導性電解質である実施例1〜6および実施例8〜9のイオン伝導性電解質と比較例1のイオン伝導性電解質とを比較すると、実施例1〜6および実施例8〜9のイオン伝導性電解質は、比較例1のイオン伝導性電解質に比べて、イオン伝導度、リチウムイオン輸率ともに高い値を示していた。すなわち、実施例1〜6および実施例8〜9のイオン伝導性電解質は、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質であった。そして、実施例1〜6および実施例8〜9のイオン伝導性電解質は、比較例1のイオン伝導性電解質と同様に、熱分析による高温安定性評価においても、質量減少がなく、熱安定性が優れていた。
【0094】
これに対して、液体系のイオン伝導性電解質である比較例2のイオン伝導性電解質は、イオン伝導度こそ高かったものの、高温での質量減少率が大きく、蒸気圧が高く、安全性に欠けることを示していた。この比較例2のイオン伝導性電解質と同様に液体系のイオン伝導性電解質である実施例7のイオン伝導性電解質は、固体系(ポリマー系)のイオン伝導性電解質とは異なり、高温での質量減少が少し認められるものの、その値は比較例2のイオン伝導性電解質の1/10であり、比較例2のイオン伝導性電解質に比べて、蒸気圧が低く、熱に対する安定性に優れていて、安全性が高いことを示していた。
【0095】
つぎに、上記実施例1および比較例1のイオン伝導性電解質を用いて実施例10〜11および比較例3のリチウムイオン二次電池を作製し、その放電特性および充放電特性を調べた。
【0096】
実施例10
正極活物質としてのLiCoO85質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック10質量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン5質量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として均一になるように混合し、正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の一方の面に塗布し、加熱乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去することにより、正極合剤層を形成して、正極シートを作製した。
【0097】
また、ドライ雰囲気中において、実施例1で合成したポリマーである〔1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ビス−O−(フェノキシカルボニル−D−グルシトールと1,6−ヘキサンジオールとの縮重合物、以下、これを「PGm6」という〕0.3gとLiN(SOCF(以下、これを「LiTFSI」で示す)0.25gを、プロピレンカーボネート1gを溶剤として加熱溶解させてイオン伝導性電解質溶液を調製した。このイオン伝導性電解質におけるPGm6中の化学式(1)で表される構造のモル数をAとし、LiTFSIのモル数をBとするとき、B/A=0.2であった。
【0098】
上記と同様にドライ雰囲気中において、前記正極シートの正極合剤層に上記のイオン伝導性電解質溶液を80℃のホットプレート上にて塗布し、直ちに80℃で1時間真空含浸を行った。その後、120℃にて12時間真空乾燥することによってプロピレンカーボネートを除去した。乾燥後の電極体にカレンダー処理を施して全厚が50μmになるように厚みを調整した。次いで、正極合剤層形成部分の面積部分が1cmになるように円形に打ち抜いてイオン伝導性電解質含有正極を得た。
【0099】
上記のようにして作製したイオン伝導性電解質含有正極と、面積が1.2cmになるように円形に打ち抜いたリチウム箔からなる負極との間に、実施例1で作製した厚さ100μmのイオン伝導性電解質フィルムを挟んで、上記正極と負極を貼り合わせ、宝泉社製のHSセルに組み込んで、容量が2.5mAhのリチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0100】
実施例11
正極活物質としてのLiCoO1.8gと、導電助剤としてのアセチレンブラック0.1gと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン0.1gと、実施例1で合成したPGm6の0.3gと、LiTFSIの0.25gとを、N−メチル−2−ピロリドン3gを溶剤としてドライ雰囲気中で均一になるように混合して、イオン伝導性電解質を含有した状態の正極合剤含有ぺーストを調製した。
得られたイオン伝導性電解質含有正極合剤含有ぺーストをドライ雰囲気中で厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の一方の面に塗布し、加熱乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去することにより、イオン伝導性電解質含有正極合剤層を形成して、イオン伝導性電解質含有正極シートを得た。このイオン伝導性電解質含有正極シートに対してカレンダー処理を施して全厚が50μmになるように調整した。次いで、上記正極合剤層形成部分の面積が1cmになるように円形に打ち抜いてイオン伝導性電解質含有正極を得た。
【0101】
上記のようにして作製したイオン伝導性電解質含有正極と、面積が1.2cmになるように円形に打ち抜いたリチウム箔からなる負極との間に、実施例1で作製した厚さ100μmのイオン伝導性電解質フィルムを挟んで、上記正極と負極を貼り合わせ、宝泉社製のHSセルに組み込んで、容量が2.5mAhのリチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0102】
比較例3
正極活物質としてのLiCoO85質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック10質量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン5質量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として均一になるように混合し、正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の一方の面に塗布し、加熱乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去することにより、正極合剤層を形成して、正極シートを作製した。
【0103】
また、ドライ雰囲気中において、比較例1で用いたものと同様のポリエチレンオキサイド(数平均分子量:100,000、以下「PEO」で示す)0.3gと、LiTFSIの0.25gとを、プロピレンカーボネート1gを溶剤として加熱溶解させたイオン伝導性電解質溶液を調製した。
【0104】
つぎに、上記と同様にドライ雰囲気中において、前記正極シートの正極合剤層に上記イオン伝導性電解質溶液を80℃のホットプレート上にて塗布し、直ちに80℃で1時間真空含浸を行った。その後、120℃にて12時間真空乾燥することによってプロピレンカーボネートを除去した。乾燥後の電極体にカレンダー処理を施して全厚が50μmになるように厚さを調整した。次いで、正極合剤層形成部分の面積が1cmになるように円形に打ち抜いてイオン伝導性電解質含有正極を得た。
【0105】
上記のようにして作製したイオン伝導性電解質含有正極と、面積が1.2cmになるように円形に打ち抜いたリチウム箔からなる負極との間に、比較例1で作製した厚さ70μmのイオン伝導性電解質フィルムを挟んで、上記正極と負極を貼り合わせ、宝泉社製のHSセルに組み込んで、容量が2.5mAhのリチウムイオン二次電池を組み立てた。
【0106】
得られた実施例10〜11の電池および比較例3の電池を、室温(20℃)で放電電流0.05Cで3.0Vまで放電させて放電容量を測定した。その結果を表3に示す。また、上記実施例10〜11および比較例3の電池を室温(20℃)で放電電流0.1Cで3.0Vまで放電させて放電容量を測定し、この0.1C放電時の放電容量の上記0.05C放電時の放電容量に対する比率を下記の式により求めた。その結果を負荷特性として表3に示す。
Figure 2004247274
【0107】
さらに、上記実施例10〜11および比較例3の電池を、充電電流0.05Cで4.3Vまで充電し、放電電流0.05Cで3.0Vまで放電する充放電を繰り返し、10サイクル後の容量保持率(すなわち、初回の放電容量に対する10サイクル後の放電容量の割合)を調べた。その結果を表3に示す。
【0108】
【表3】
Figure 2004247274
【0109】
表3に示すように、実施例10〜11の電池は、比較例3の電池に比べて、負荷特性を示す数値が高く、放電特性が優れており、また、10サイクル後の容量保持率が高く、充放電特性が優れていた。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蒸気圧が低く、室温においても、イオン伝導度が高く、かつリチウムイオン輸率が高いイオン伝導性電解質を提供することができ、また、そのイオン伝導性電解質を用いて、安全性が高く、かつ放電特性が優れ、特に二次電池化した場合には充放電特性が優れた電池を提供することができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも、下記の化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物と、電解質塩とを有してなることを特徴とするイオン伝導性電解質。
    Figure 2004247274
  2. 化学式(1)で表される構造を有する化合物が、下記の化学式(2)で表される構造を分子内に有する化合物であることを特徴とする請求項1記載のイオン伝導性電解質。
    Figure 2004247274
  3. 化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物が、下記の化学式(3)で表される構造と化学式(4)で表される構造を同一分子内に有することを特徴とする請求項1記載のイオン伝導性電解質。
    Figure 2004247274
    Figure 2004247274
    (式中、Xは炭素数が1以上20以下の炭化水素鎖またはユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖を示す)
  4. 化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物が、下記の化学式(5)で表される構造を有することを特徴とする請求項1記載のイオン伝導性電解質。
    Figure 2004247274
    (式中、Xは炭素数が1以上20以下の炭化水素鎖またはユニット数が1〜10のオリゴエーテル鎖を示し、nは1以上の整数を示す)
  5. 化合物中の化学式(1)で表される構造のモル数をA、電解質塩のモル数をBとしたとき、0.001≦B/A≦10の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイオン伝導性電解質。
  6. 電解質塩が、MClO(MはLi、Na、Kなどのアルカリ金属元素を示す。以下同様)、MPF、MBF、MAsF、MSbF、MCFSO、MCFCO、M(SO、MN(CFSO、MN(CSO、MC(CFSO、MC2n+1SO(n≧2)、MN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基〕およびMOHよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイオン伝導性電解質。
  7. 化学式(1)で表される構造を分子内に有する化合物が、化学式(1)で表される構造を有しかつ水酸基と反応し得る2個以上の炭酸エステルを含有する化合物と、水酸基を1個以上含有する化合物との縮合反応で得られたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のイオン伝導性電解質。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のイオン伝導性電解質を用いたことを特徴とする電池。
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