JP2004247214A - 車両用前照灯 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一光源で、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能と、操舵方向へ配光方向を追従可能な可変配光機能と、を具備する車両用前照灯の提供を図る。
【解決手段】ハウジング11と前面レンズ13とにより形成された灯室内15に、単一の光源17および該光源17からの光を前方に向けて反射するリフレクタ21を配置する。リフレクタ21を、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部21Aと、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部21Bと、に分割する。これにより、単一の光源17で、垂直傾動リフレクタ部21Aによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタ21部Bによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】ハウジング11と前面レンズ13とにより形成された灯室内15に、単一の光源17および該光源17からの光を前方に向けて反射するリフレクタ21を配置する。リフレクタ21を、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部21Aと、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部21Bと、に分割する。これにより、単一の光源17で、垂直傾動リフレクタ部21Aによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタ21部Bによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両の操舵方向に向けて配光方向を変更可能とする可変配光機構(AFS:Adapive FrontLighting System)を備える車両用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、夜間走行時における運転視界および視認性を向上させるため道路形状・走行速度などに応じて最適な配光を得るべく、例えば車両の操舵方向に向けて配光方向を変更可能とする車両用前照灯が開発されている。
【0003】
この種の可変配光機能を備える車両用前照灯にあっては、例えば特許文献1に開示されるように、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能付きのメインの灯部と、車両の操舵方向に向けて配光方向を追従させるサブの灯部と、を備えて構成される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−140907号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の可変配光機構を備える車両用前照灯においては、メインの灯部とは別に、サブの灯部用に光源およびその点灯回路などが必要になり、原価高となってしまう。
【0006】
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、その目的は単一光源で、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能と、配光を操舵方向へ追従可能な可変配光機能と、を具備する車両用前照灯を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、ハウジングと前面レンズとにより形成された灯室内に、単一の光源および該光源からの光を前方に向けて反射するリフレクタを配置して、前面レンズを介して車両前方を照射する車両用前照灯において、前記リフレクタは、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部と、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、単一の光源のみで、垂直傾動リフレクタによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。
【0009】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の車両用前照灯において、ハウジングに光源を固定して、この光源の発光点をリフレクタの挿通口を通じてリフレクタの前方に位置させたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、光源をリフレクタに固定していないため、そのぶん反射面を広く確保でき、同一輪郭サイズのリフレクタで光量を多く確保できる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の車両用前照灯において、垂直傾動リフレクタ部は、上側および下側の一方が前後方向に進退自在な進退ロッドにより支持されるとともに、他方が前記ハウジングに固定され且つ垂直方向への回動支点を構成する板バネにより支持されることで、垂直方向に傾動自在であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、垂直傾動リフレクタ部の垂直方向への回動支点を板バネで形成したため、回動支点を軸および軸受で構成した場合に比べて、安価となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。
【0014】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は本発明にかかる車両用前照灯の要部を示す正面図、図2は同車両用前照灯の要部を示す縦断面図、図3は垂直傾動リフレクタ部を上向きに傾動させて走行ビームに切り換えた状態を示す縦断面図、図4は水平駆動リフレクタ部の拡大図、図5は水平駆動リフレクタ部の上面図である。
【0015】
以下、主に図2を参照しつつ説明する。この実施形態の車両用前照灯1は、ハウジング11と、ハウジング11の前面開口部に取着されてハウジング11とともに灯室15を形成する前面レンズ13と、該灯室15内に設けられた光源としての放電バルブ17と、放電バルブ17から直接前方に照射される直接光(グレア光)を遮るシェード19と、放電バルブ17から光を反射するリフレクタ21と、ハウジング11およびリフレクタ21の端末部およびその間の隙間を隠す図示せぬインナーパネルと、を備えて構成されている。
【0016】
この実施形態の特徴点は、リフレクタ21が垂直傾動リフレクタ部21Aおよび水平傾動リフレクタ部21Bに上下に分割されており、いずれもリフレクタ部21A、21Bも同一の光源17からの光を反射して車両前方を照射するようになっていることである。
【0017】
灯室15内には、ハウジング11に、例えばアジャストスクリュウやナット部などから構成される光軸調整機構を介して、断面略L字状のフレーム25が固定されている。なお、ハウジング11にフレーム11を直接固定してもよい。フレーム25の垂直板部25aには筒状のバルブ装着部27が形成されており、このバルブ装着部27にスプリング部材29の付勢力を利用して、放電バルブ17が装着されている。この放電バルブ17は、垂直傾動リフレクタ部21Aに形成された挿通口30を通じてリフレクタ21の前側まで延在しており、放電バルブ17の発光点17aがリフレクタ21の焦点位置またはその近傍に位置している。
【0018】
また、フレーム25の垂直板部25aには、ブラケット31を介してシェード19が取り付けられている。このシェード19のキャップ状先端部により、放電バルブ17から直接前方に照射される直接光(グレア光)を遮っている。
【0019】
リフレクタ21の垂直傾動リフレクタ部21Aは、その上端部(上側)が、フレーム25の垂直板部25aに固定されたブラケット51に取り付けられたL字状の板バネ53に支持されており、板バネ53の弾性力により垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が後方に付勢された状態で、板バネ53の湾曲部53aを回動支点として垂直方向に回動自在となっている。この板バネ53の付勢力により、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端部からフレーム25水平板部25bの近傍に突設されたブラケット部55が、フレーム25の水平板部25bに固定されたストッパ57の前面に押接しており、これにより、垂直傾動リフレクタ部21Aは車両の振動を受けても前後にブレずに、安定状態が保もたれるようになっている。なお、この状態(図2)で、図6aに示す如くすれ違いビームが得られる。
【0020】
また、フレーム25の水平板部25bには車両の前後方向に沿って進退する進退ロッド61の駆動手段としてのソレノイド59が固定されている。進退ロッド61の先端球状部61aは、ブラケット部55に形成されたマウント部63と、係合しており、進退ロッド61を進退させると垂直傾動リフレクタ部21Aの下端部が前後移動し、これにより垂直傾動リフレクタ部21Aは板バネ53の回動支点53aを中心に垂直方向に沿って回動するようになっている。
【0021】
具体的には、ソレノイド59を励磁して進退ロッド61を前方に引っ込めると、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が前方に移動し、これにより回動支点53aを中心として垂直傾動リフレクタ部21Aが上向きに偏向する。この状態(図3)で、図6bに示す走行ビームが得られる。一方、ソレノイド59を消磁して図示せぬ復帰バネにより進退ロッドを後方に向けて突出すると、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が後方に移動し、図2に示す原点位置に復帰する。この状態で、図6aに示すすれ違いビームが得られる。このとき、板バネ53の弾性復元力の作用により、ソレノイド59を消磁すると、素早く原点位置に復帰できる利点がある。また、垂直傾動リフレクタ部21Aの原点位置では、板バネ53の弾性力の作用により垂直傾動リフレクタ部21Aがストッパ57に押圧されているため、垂直傾動リフレクタ部21Aは車両の振動を受けてもその原点位置から前後にブレることなく、安定状態が保たれる。
【0022】
リフレクタ21の水平傾動リフレクタ部21Bは、ブラケット33を介してフレーム25に固定された駆動ユニット35により、垂直軸45を中心に水平方向(左右方向)に回動可能となっている。ここで、図4、5を基に駆動ユニット35の構成を具体的に説明すると、駆動ユニット35は、駆動モータ37、該駆動モータ37の出力軸37aに設けられたピニオンギア39、該ピニオンギア39と噛合する平ギア40を備えるウォームギア41、該ウォームギア41と噛合するハスバギア43、該ハスバギア43と一体に回転する垂直軸45、よりなる。この駆動ユニット35の垂直軸45が水平傾動リフレクタ部21Bのボス部46に嵌合固定してあり、これにより駆動ユニット35の駆動モータ37を動かすと、水平傾動リフレクタ部21Bは垂直軸45を中心に首振り回動するようになっている。つまり、図示せぬ制御回路により車両の操舵方向に追従させて水平駆動リフレクタ部21Bを水平回動することで、左カーブ(図7a)およびおよび右カーブ(図7b)などの道路形状に適合した配光パターを得ることができる。なお、図中符号47はブラケットに固定されたブラケット、符号49はブラケット47に固定され減速機構(39,40,41,43,45)を収容するケーシングである。
【0023】
このような車両用前照灯1によれば、以下のような効果がある。
【0024】
まず第1に、単一光源17のみで、垂直傾動リフレクタ部21Aによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタ部21Bによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。つまり、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能と、操舵方向への可変配光制御機能と、を備えた車両用前照灯1を低原価で提供できる。
【0025】
第2に、リフレクタ21の後方にハウジング11の一部を構成するフレーム25を配置し、このフレーム25に光源17を固定して、光源17の発光点17aをリフレクタ21に設けられた挿通口30を通じてリフレクタ21の前方に位置させたため、つまり、光源を17をリフレクタ21に固定していないため、そのぶん反射面を広く確保できる。
【0026】
第3に、垂直傾動リフレクタ部21Aは、垂直傾動リフレクタ部21Aの垂直方向への回動支点53aを板バネ53で形成したため、回動支点を軸および軸受で構成した場合に比べて、安価となる。
【0027】
第4に、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端側(他端側)を、回動支点53aを構成する板バネ53の弾性力によりストッパ57に対して押圧してあるため、別途、垂直傾動リフレクタ部21Aを安定させるためのスプリングなどの付勢手段をコンパクト化または廃止できるため、さらに車両用前照灯1を安価に構成できる。
【0028】
なお、上述の実施形態では、リフレクタ21を、垂直傾動リフレクタ部21Aおよび水平傾動リフレクタ部21Bに二分割しているが、本発明にあっては二分割に限られず、例えば図8〜9に示すように、リフレクタ21を、固定リフレクタ部21C、垂直傾動リフレクタ部21A、水平傾動リフレクタ部21Bに3分割などにしても良い。また、上述の実施形態では光源はリフレクタ以外の部位(フレーム)に固定されているが、例えば図8〜9に示すように、固定リフレクタ部21Cにバルブ装着部65を設けて光源17を固定するような構造をとっても良い。なお、図9中のブラケット部55は、水平傾動リフレクタ部21Aとは別部材で形成されてスクリュウ67によって水平傾動リフレクタ部21Aに固定されている。
【0029】
また、上述の実施形態では、前照灯1の車体取付時において光軸を微調整できるようにするために、ハウジング11に光軸調整機構を介してフレーム25を固定してあるが、本発明にあっては例えばこれら光軸調整機構を介さずにハウジング11に直接フレーム25を固定したものであってもよく、その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能とする。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、ハウジングと前面レンズとにより形成された灯室内に、単一の光源および該光源からの光を前方に向けて反射するリフレクタを配置して、このリフレクタを、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部と、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部と、に区画したため、単一の光源のみで、垂直傾動リフレクタによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。つまり、違いビームおよび走行ビームの切換と、操舵方向への配光制御と、を備える車両用前照灯を単一光源のみにより構成でき、原価を安くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両用前照灯の要部を示す正面図。
【図2】同車両用前照灯の要部を示す縦断面図。
【図3】垂直傾動リフレクタ部を傾動させて走行ビームに切り換えた状態を示す縦断面図。
【図4】水平駆動リフレクタ部の拡大図。
【図5】水平駆動リフレクタ部の上面図。
【図6】垂直傾動リフレクタ部を傾動させた際の配光パターンの違いを説明する図であって、分図aはすれ違いビームの配光パターンであり分図bは走行ビームの配光パターン。
【図7】水平傾動リフレクタ部を傾動させた際の配光パターの違いを説明する図であって、分図aは左カーブ時の配光パターンであり分図bは右カーブ時の配光パターン。
【図8】本発明にかかる車両用前照灯のその他の形態を示す図。
【図9】同車両用前照灯の縦断面図。
【符号の説明】
11…ハウジング
13…前面レンズ
15…灯室
17…放電バルブ(光源)
17a…発光点
21…リフレクタ
21A…垂直傾動リフレクタ部
21B…水平傾動リフレクタ部
25…フレーム
30…挿通口
53…板バネ
53a…湾曲部(回動支点)
61…進退ロッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両の操舵方向に向けて配光方向を変更可能とする可変配光機構(AFS:Adapive FrontLighting System)を備える車両用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、夜間走行時における運転視界および視認性を向上させるため道路形状・走行速度などに応じて最適な配光を得るべく、例えば車両の操舵方向に向けて配光方向を変更可能とする車両用前照灯が開発されている。
【0003】
この種の可変配光機能を備える車両用前照灯にあっては、例えば特許文献1に開示されるように、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能付きのメインの灯部と、車両の操舵方向に向けて配光方向を追従させるサブの灯部と、を備えて構成される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−140907号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の可変配光機構を備える車両用前照灯においては、メインの灯部とは別に、サブの灯部用に光源およびその点灯回路などが必要になり、原価高となってしまう。
【0006】
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、その目的は単一光源で、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能と、配光を操舵方向へ追従可能な可変配光機能と、を具備する車両用前照灯を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、ハウジングと前面レンズとにより形成された灯室内に、単一の光源および該光源からの光を前方に向けて反射するリフレクタを配置して、前面レンズを介して車両前方を照射する車両用前照灯において、前記リフレクタは、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部と、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、単一の光源のみで、垂直傾動リフレクタによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。
【0009】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の車両用前照灯において、ハウジングに光源を固定して、この光源の発光点をリフレクタの挿通口を通じてリフレクタの前方に位置させたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、光源をリフレクタに固定していないため、そのぶん反射面を広く確保でき、同一輪郭サイズのリフレクタで光量を多く確保できる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の車両用前照灯において、垂直傾動リフレクタ部は、上側および下側の一方が前後方向に進退自在な進退ロッドにより支持されるとともに、他方が前記ハウジングに固定され且つ垂直方向への回動支点を構成する板バネにより支持されることで、垂直方向に傾動自在であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、垂直傾動リフレクタ部の垂直方向への回動支点を板バネで形成したため、回動支点を軸および軸受で構成した場合に比べて、安価となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。
【0014】
図1〜図5は本発明の一実施形態を示すものであり、図1は本発明にかかる車両用前照灯の要部を示す正面図、図2は同車両用前照灯の要部を示す縦断面図、図3は垂直傾動リフレクタ部を上向きに傾動させて走行ビームに切り換えた状態を示す縦断面図、図4は水平駆動リフレクタ部の拡大図、図5は水平駆動リフレクタ部の上面図である。
【0015】
以下、主に図2を参照しつつ説明する。この実施形態の車両用前照灯1は、ハウジング11と、ハウジング11の前面開口部に取着されてハウジング11とともに灯室15を形成する前面レンズ13と、該灯室15内に設けられた光源としての放電バルブ17と、放電バルブ17から直接前方に照射される直接光(グレア光)を遮るシェード19と、放電バルブ17から光を反射するリフレクタ21と、ハウジング11およびリフレクタ21の端末部およびその間の隙間を隠す図示せぬインナーパネルと、を備えて構成されている。
【0016】
この実施形態の特徴点は、リフレクタ21が垂直傾動リフレクタ部21Aおよび水平傾動リフレクタ部21Bに上下に分割されており、いずれもリフレクタ部21A、21Bも同一の光源17からの光を反射して車両前方を照射するようになっていることである。
【0017】
灯室15内には、ハウジング11に、例えばアジャストスクリュウやナット部などから構成される光軸調整機構を介して、断面略L字状のフレーム25が固定されている。なお、ハウジング11にフレーム11を直接固定してもよい。フレーム25の垂直板部25aには筒状のバルブ装着部27が形成されており、このバルブ装着部27にスプリング部材29の付勢力を利用して、放電バルブ17が装着されている。この放電バルブ17は、垂直傾動リフレクタ部21Aに形成された挿通口30を通じてリフレクタ21の前側まで延在しており、放電バルブ17の発光点17aがリフレクタ21の焦点位置またはその近傍に位置している。
【0018】
また、フレーム25の垂直板部25aには、ブラケット31を介してシェード19が取り付けられている。このシェード19のキャップ状先端部により、放電バルブ17から直接前方に照射される直接光(グレア光)を遮っている。
【0019】
リフレクタ21の垂直傾動リフレクタ部21Aは、その上端部(上側)が、フレーム25の垂直板部25aに固定されたブラケット51に取り付けられたL字状の板バネ53に支持されており、板バネ53の弾性力により垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が後方に付勢された状態で、板バネ53の湾曲部53aを回動支点として垂直方向に回動自在となっている。この板バネ53の付勢力により、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端部からフレーム25水平板部25bの近傍に突設されたブラケット部55が、フレーム25の水平板部25bに固定されたストッパ57の前面に押接しており、これにより、垂直傾動リフレクタ部21Aは車両の振動を受けても前後にブレずに、安定状態が保もたれるようになっている。なお、この状態(図2)で、図6aに示す如くすれ違いビームが得られる。
【0020】
また、フレーム25の水平板部25bには車両の前後方向に沿って進退する進退ロッド61の駆動手段としてのソレノイド59が固定されている。進退ロッド61の先端球状部61aは、ブラケット部55に形成されたマウント部63と、係合しており、進退ロッド61を進退させると垂直傾動リフレクタ部21Aの下端部が前後移動し、これにより垂直傾動リフレクタ部21Aは板バネ53の回動支点53aを中心に垂直方向に沿って回動するようになっている。
【0021】
具体的には、ソレノイド59を励磁して進退ロッド61を前方に引っ込めると、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が前方に移動し、これにより回動支点53aを中心として垂直傾動リフレクタ部21Aが上向きに偏向する。この状態(図3)で、図6bに示す走行ビームが得られる。一方、ソレノイド59を消磁して図示せぬ復帰バネにより進退ロッドを後方に向けて突出すると、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端が後方に移動し、図2に示す原点位置に復帰する。この状態で、図6aに示すすれ違いビームが得られる。このとき、板バネ53の弾性復元力の作用により、ソレノイド59を消磁すると、素早く原点位置に復帰できる利点がある。また、垂直傾動リフレクタ部21Aの原点位置では、板バネ53の弾性力の作用により垂直傾動リフレクタ部21Aがストッパ57に押圧されているため、垂直傾動リフレクタ部21Aは車両の振動を受けてもその原点位置から前後にブレることなく、安定状態が保たれる。
【0022】
リフレクタ21の水平傾動リフレクタ部21Bは、ブラケット33を介してフレーム25に固定された駆動ユニット35により、垂直軸45を中心に水平方向(左右方向)に回動可能となっている。ここで、図4、5を基に駆動ユニット35の構成を具体的に説明すると、駆動ユニット35は、駆動モータ37、該駆動モータ37の出力軸37aに設けられたピニオンギア39、該ピニオンギア39と噛合する平ギア40を備えるウォームギア41、該ウォームギア41と噛合するハスバギア43、該ハスバギア43と一体に回転する垂直軸45、よりなる。この駆動ユニット35の垂直軸45が水平傾動リフレクタ部21Bのボス部46に嵌合固定してあり、これにより駆動ユニット35の駆動モータ37を動かすと、水平傾動リフレクタ部21Bは垂直軸45を中心に首振り回動するようになっている。つまり、図示せぬ制御回路により車両の操舵方向に追従させて水平駆動リフレクタ部21Bを水平回動することで、左カーブ(図7a)およびおよび右カーブ(図7b)などの道路形状に適合した配光パターを得ることができる。なお、図中符号47はブラケットに固定されたブラケット、符号49はブラケット47に固定され減速機構(39,40,41,43,45)を収容するケーシングである。
【0023】
このような車両用前照灯1によれば、以下のような効果がある。
【0024】
まず第1に、単一光源17のみで、垂直傾動リフレクタ部21Aによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタ部21Bによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。つまり、すれ違いビームおよび走行ビームの切換機能と、操舵方向への可変配光制御機能と、を備えた車両用前照灯1を低原価で提供できる。
【0025】
第2に、リフレクタ21の後方にハウジング11の一部を構成するフレーム25を配置し、このフレーム25に光源17を固定して、光源17の発光点17aをリフレクタ21に設けられた挿通口30を通じてリフレクタ21の前方に位置させたため、つまり、光源を17をリフレクタ21に固定していないため、そのぶん反射面を広く確保できる。
【0026】
第3に、垂直傾動リフレクタ部21Aは、垂直傾動リフレクタ部21Aの垂直方向への回動支点53aを板バネ53で形成したため、回動支点を軸および軸受で構成した場合に比べて、安価となる。
【0027】
第4に、垂直傾動リフレクタ部21Aの下端側(他端側)を、回動支点53aを構成する板バネ53の弾性力によりストッパ57に対して押圧してあるため、別途、垂直傾動リフレクタ部21Aを安定させるためのスプリングなどの付勢手段をコンパクト化または廃止できるため、さらに車両用前照灯1を安価に構成できる。
【0028】
なお、上述の実施形態では、リフレクタ21を、垂直傾動リフレクタ部21Aおよび水平傾動リフレクタ部21Bに二分割しているが、本発明にあっては二分割に限られず、例えば図8〜9に示すように、リフレクタ21を、固定リフレクタ部21C、垂直傾動リフレクタ部21A、水平傾動リフレクタ部21Bに3分割などにしても良い。また、上述の実施形態では光源はリフレクタ以外の部位(フレーム)に固定されているが、例えば図8〜9に示すように、固定リフレクタ部21Cにバルブ装着部65を設けて光源17を固定するような構造をとっても良い。なお、図9中のブラケット部55は、水平傾動リフレクタ部21Aとは別部材で形成されてスクリュウ67によって水平傾動リフレクタ部21Aに固定されている。
【0029】
また、上述の実施形態では、前照灯1の車体取付時において光軸を微調整できるようにするために、ハウジング11に光軸調整機構を介してフレーム25を固定してあるが、本発明にあっては例えばこれら光軸調整機構を介さずにハウジング11に直接フレーム25を固定したものであってもよく、その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能とする。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、ハウジングと前面レンズとにより形成された灯室内に、単一の光源および該光源からの光を前方に向けて反射するリフレクタを配置して、このリフレクタを、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部と、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部と、に区画したため、単一の光源のみで、垂直傾動リフレクタによるすれ違いビームおよび走行ビームの切換と、水平傾動リフレクタによる操舵方向への配光制御と、が可能となる。つまり、違いビームおよび走行ビームの切換と、操舵方向への配光制御と、を備える車両用前照灯を単一光源のみにより構成でき、原価を安くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両用前照灯の要部を示す正面図。
【図2】同車両用前照灯の要部を示す縦断面図。
【図3】垂直傾動リフレクタ部を傾動させて走行ビームに切り換えた状態を示す縦断面図。
【図4】水平駆動リフレクタ部の拡大図。
【図5】水平駆動リフレクタ部の上面図。
【図6】垂直傾動リフレクタ部を傾動させた際の配光パターンの違いを説明する図であって、分図aはすれ違いビームの配光パターンであり分図bは走行ビームの配光パターン。
【図7】水平傾動リフレクタ部を傾動させた際の配光パターの違いを説明する図であって、分図aは左カーブ時の配光パターンであり分図bは右カーブ時の配光パターン。
【図8】本発明にかかる車両用前照灯のその他の形態を示す図。
【図9】同車両用前照灯の縦断面図。
【符号の説明】
11…ハウジング
13…前面レンズ
15…灯室
17…放電バルブ(光源)
17a…発光点
21…リフレクタ
21A…垂直傾動リフレクタ部
21B…水平傾動リフレクタ部
25…フレーム
30…挿通口
53…板バネ
53a…湾曲部(回動支点)
61…進退ロッド
Claims (3)
- ハウジングと前面レンズとにより形成された灯室内に、単一の光源および該光源からの光を前方に向けて反射するリフレクタを配置して、前面レンズを介して車両前方を照射する車両用前照灯において、
前記リフレクタは、垂直方向に傾動することで照射光の照射軸を垂直方向に可変とする垂直傾動リフレクタ部と、水平方向に傾動することで照射光の照射軸を水平方向に可変とする水平傾動リフレクタ部と、を備えることを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項1記載の車両用前照灯において、
前記ハウジングに固定されたフレームに前記光源を固定して、この光源の発光点を前記リフレクタに設けられた挿通口を通じて該リフレクタの前方に位置させたことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項2記載の車両用前照灯において、
前記垂直傾動リフレクタ部は、上側および下側の一方が、前後方向に進退自在な進退ロッドにより支持されるとともに、他方が、前記フレームに固定され且つ垂直方向への回動支点を構成する板バネにより支持されることで、垂直方向に傾動自在であることを特徴とする車両用前照灯。
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-
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- 2003-02-14 JP JP2003037032A patent/JP2004247214A/ja active Pending
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JP4605118B2 (ja) * | 2006-07-27 | 2011-01-05 | 市光工業株式会社 | 車両用前照灯 |
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