JP2004246003A - 走査型顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】音響光学素子を用いることなく、高速でビーム偏向することができる走査型顕微鏡を提供する。
【解決手段】本発明による走査顕微鏡では、周波数走査方向にビーム偏向を行う装置としてマイクロミラーアレイ(2)を用いると共に受光装置としてリニァイメージセンサ(16)を用いる。マイクロミラーアレイ(2)の全てのマイクロミラーを同一の向きでほぼ同一の周波数で回動させる。ディジタルマイクロミラーは価格が音響光学素子よりも安価であり、しかも条件設定が容易であるため、走査顕微鏡の請求項装置コストを安価することができる。さらに、リニァイメージセンサは電荷蓄積能力を有しているので、一部のマイクロミラーが規定の回動速度から変移しても画像上不具合を生じない利点がある。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による走査顕微鏡では、周波数走査方向にビーム偏向を行う装置としてマイクロミラーアレイ(2)を用いると共に受光装置としてリニァイメージセンサ(16)を用いる。マイクロミラーアレイ(2)の全てのマイクロミラーを同一の向きでほぼ同一の周波数で回動させる。ディジタルマイクロミラーは価格が音響光学素子よりも安価であり、しかも条件設定が容易であるため、走査顕微鏡の請求項装置コストを安価することができる。さらに、リニァイメージセンサは電荷蓄積能力を有しているので、一部のマイクロミラーが規定の回動速度から変移しても画像上不具合を生じない利点がある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた走査型顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観察すべき試料表面をレーザビームにより2次元走査し、試料からの反射光又は透過光を受光して試料像を撮像するレーザ顕微鏡が実用化されている。このレーザ顕微鏡は、コンフォーカル光学系を利用しているため高い分解能を得ることができ、試料の高解像度画像を撮像するために広く利用されている。レーザ顕微鏡では、走査ビームを主走査方向及び副走査方向に偏向して試料表面を2次元走査するため、高速でビーム偏向を行うビーム偏向装置が必要である。
【0003】
テレビレートでビーム偏向を行う高速ビーム偏向装置として、音響光学素子が利用されている(例えば、特許文献1参照)。音響光学素子は、ニオブ酸リチウムのような音響光学材料の両端に電極を設け、音響光学材料に超音波を印加して屈折率分布を形成し、これによりビーム偏向が行われている。
【0004】
【特許文献1】
「特開2002−040329号公報」
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
音響光学素子はテレビレートで高速偏向できる利点があるが、所望の偏向角を得るためにはレーザビームの入射角の条件設定について厳格な要件が課せられており、レーザ顕微鏡の製造時の作業性に難点があった。また、音響光学素子は価格が高価であるため、レーザ顕微鏡の価格が高価になる不都合も指摘されている。さらに、音響光学素子によるビーム振れ各角は微小な角度であるため、試料表面上で所望のビーム走査長を得るためには音響光学素子から試料までの光路長を長く設定しなければならず、顕微鏡自体が大型化する不具合が指摘されていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、音響光学素子を用いることなく、高速でビーム偏向することができる走査型顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、作業性に優れ製造コストが安価な走査型顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、光学系の光路長を比較的短く設定でき、小型化が図れる走査型顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による走査型顕微鏡は、走査ビームを発生する光源と、光源から発生した走査ビームを主走査方向に偏向する第1のビーム偏向装置と、第1のビーム偏向装置により偏向された走査ビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向装置と、第2のビーム偏向装置を通過した走査ビームを微小スポット状に集束して試料に向けて投射する対物レンズと、前記主走査方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、試料で反射し又は透過した光ビームを受光するリニァイメージセンサとを具え、微小スポット状に集束した走査ビームにより試料を2次元走査し、前記試料からの反射光又は透過光を前記第2のビーム偏向装置を介してリニァイメージセンサに入射させて試料像を撮像する走査型顕微鏡において、
前記第1のビーム偏向装置は、複数のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列されたマイクロミラーアレイを有し、各マイクロミラーが全体として同一の向きにほぼ同一の周波数で回動することを特徴とする。
【0008】
ディジタルマイクロミラーデバイスを構成するマイクロミラーは、数10kHz程度の高速で回動することができるため、主走査用のビーム偏向装置として極めて好適である。特に、DMDは、音響光学素子に比べて小型であり、しかもコストが安価であるため、走査型顕微鏡装置を小型化することができると共に製造コストも安価になる。さらに、マイクロミラーの振れ角は±10°の角度が容易に得ることができるので、光源から試料までの光路長を大幅に短縮することができ、小型化について大きな利点が達成される。
【0009】
さらに重要なことは、主走査方向のビーム偏向装置としてマイクロミラーアレイを用い受光装置としてリニァイメージセンサを用いることにより、特有の効果が達成される。すなわち、リニァイメージセンサは電荷蓄積能力を有しているため、マイクロミラーアレイの回動周波数をリニァイメージセンサに対する読出周波数から独立させることができることである。従って、一部のマイクロミラーの回動速度が規定の回動速度から変移しても撮像される画像に歪みやシェージング等が生じない許容性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による走査型顕微鏡の一例を示す線図である。光源1から走査ビームを発生する。光源として、各種の光源を用いることができ、例えば白色レーザ、単色レーザ、水銀ランプ等を用いることができ、本例では白色レーザを用いる。光源1から発生した走査ビームは、第1のビーム偏向走査であるマイクロミラーデバイス2に入射する。このマイクロミラーデバイス2は、例えば16μm×16μmの表面面積を有するマイクロミラーを2次元アレイ状に配置したミラーデバイスであり、各マイクロミラーは全体として同一の向きに同一の周波数で回動する。そして、マイクロミラー全体として回動により走査ビームは主走査方向に高速偏向される。
【0011】
マイクロミラーデバイス2により一定の周波数で偏向された走査ビームは、リレーレンズ3及び4並びに偏光ビームスプリッタ5を経て第2のビーム偏向走査である振動ミラー6に入射する。この振動ミラー6は、入射した走査ビームを主走査方向と直交する副走査方向に一定の偏向周波数で偏向する。尚、振動ミラー6の副走査方向の走査速度は、マイクロミラーデバイス2による周波数走査方向の偏向周波数よりも低く設定する。振動ミラー6で反射した走査ビームは、リレーレンズ7及び8並びにλ/4板9を介して対物レンズ10に入射する。対物レンズ10は入射した走査ビームを微小スポット状に集束してステージ11上に配置した試料12上に投射する。従って、試料12は、微小な光スポットにより主走査方向及び副走査方向に2次元走査されることになる。
【0012】
試料12で反射した反射ビームは、対物レンズ10により集光され、λ/4板9、リレーレンズ8及び7を経て振動ミラー6に入射し、デスキャンされる。振動ミラー6で反射した反射ビームは、偏光ビームスプリッタ5に入射する。この入射ビームは、λ/4板を2回通過しているので、その偏光面が90°回転している。よって、入射した反射ビームは、偏光ビームスプリッタ5の偏光面で反射し、光源1から発生した走査ビームから分離される。ビームスプリッタ5から出射した反射ビームは、リレーレンズ15を経てリニァイメージセンサ16に入射する。
【0013】
リニァイメージセンサ16は、主走査方向と対応する方向にライン状に配置した複数の受光素子を有する。リニァイメージセンサに入射した反射ビームは、振動ミラー6を2回通過しているので、副走査方向には静止した状態にある。よって、試料からの反射ビームは、マイクロミラーデバイス2の偏向周波数で受光素子の配列方向に沿って高速振動する。従って、リニァイメージセンサ16の各受光素子に蓄積された電荷を周期的に読み出すことにより、試料12の表面の輝度情報が出力される。尚、リニァイメージセンサの各受光素子は、光入射面が枠により規定されているため、前面にピンホールが配置された光学系と同様であり、従って本発明による光学系はコンフォーカル光学系を構成することになる。
【0014】
リニァイメージセンサ16の各受光素子に蓄積された電荷は、読出回路17の制御のもとで周期的に読み出され、増幅器18を経て信号手段回路19に供給する。従って、信号処理回路19から試料12の2次元画像情報が出力される。
【0015】
次に、マイクロミラーアレイの構成及びその動作について説明する。マイクロミラーアレイは、例えば14μm×14枚の矩形のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列されている。各マイクロミラーは、駆動回路が形成されている基板上にメタル層、ヨーク及びヒンジ層及びミラー層が順次形成されている。アルミニウムで構成されたミラー層はヒンジを介してヨークに支持され、ヒンジ及びヨーク層には2つの駆動電極と静電引力を蓄積させるスプリングチップを有し、静電力を利用してミラー層を回動させる。基板に形成した駆動回路にディジタル信号が入力すると、ヨーク及びヒンジ層と下側のメタル層との間に静電引力が作用し、トーションヒンジ部を中心にして傾斜角±10°の範囲でヨークが傾き、これによりミラー層も傾く。従って、ミラー層は、+10°の第1の位置と−10°の第2の位置との間で回動することになる。本発明では、このミラー層の第1の位置から第2の位置への回転移動を利用して入射した走査ビームを高速偏向する。各マイクロミラーは、1秒間に5000回以上のスイッチングが可能であるため、数10kHz又はこれ以上の周波数でビーム偏向することができる。
【0016】
図2はマイクロミラーデバイスの動作を説明する線図である。図2において、図面を明瞭にするため3個のマイクロミラー21a〜21cを示す。実線は各マイクロミラー21a〜21cが第1の位置にあり、破線は第2の位置にあるものとする。図2の左上方より、光源1から放出された走査ビームが入射し、入射ビームは各マイクロミラーで反射する。次に、駆動回動にディジタル駆動信号が入力すると、全てのマイクロミラーは同一の向きで同一の周波数で第1の位置から回転を開始し、第2の位置まで回転する。この回動の間に走査ビームの各マイクロミラーに対する入射角がマイクロミラーの回転速度に応じて小さくなり、マイクロミラーからの反射ビームは2倍の振れ角で出射する。このマイクロミラーアレイの回動動作により、光源から発生した走査ビームを所定の速度で偏向させることができる。尚、マイクロミラーの回動速度にリニアリティが確保できない場合であっても、受光側の装置として電荷蓄積能力を有するリニァイメージセンサを用いているため、画像の輝度が部分的に変化するだけであり、画像歪みやシェージングが発生する不具合は生じないない利点がある。
【0017】
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変更や変形が可能である。例えば、上述した実施例では、第1のビーム偏向装置としてマイクロミラーアレイを用い第2のビーム偏向装置として振動ミラーを用いたが、第1及び第2のビーム偏向装置を共にマイクロミラーアレイで構成することも可能である。
さらに、マイクロミラーアレイの回動周波数とリニァイメージセンサの読出周波数とは同一の周波数に設定することもでき、或いはリニァイメージセンサの読出周波数をマイクロミラーアレイの回動周波数から独立して設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型顕微鏡の一例の構成を示す線図である。
【図2】マイクロミラーアレイの動作を説明する線図である。
【符号の説明】
1 光源
2 マイクロミラーアレイ
3,4,7,8,15 リレーレンズ
5 ビームスプリッタ
6 振動ミラー
9 λ/4板
10 対物レンズ
11 ステージ
12 試料
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた走査型顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観察すべき試料表面をレーザビームにより2次元走査し、試料からの反射光又は透過光を受光して試料像を撮像するレーザ顕微鏡が実用化されている。このレーザ顕微鏡は、コンフォーカル光学系を利用しているため高い分解能を得ることができ、試料の高解像度画像を撮像するために広く利用されている。レーザ顕微鏡では、走査ビームを主走査方向及び副走査方向に偏向して試料表面を2次元走査するため、高速でビーム偏向を行うビーム偏向装置が必要である。
【0003】
テレビレートでビーム偏向を行う高速ビーム偏向装置として、音響光学素子が利用されている(例えば、特許文献1参照)。音響光学素子は、ニオブ酸リチウムのような音響光学材料の両端に電極を設け、音響光学材料に超音波を印加して屈折率分布を形成し、これによりビーム偏向が行われている。
【0004】
【特許文献1】
「特開2002−040329号公報」
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
音響光学素子はテレビレートで高速偏向できる利点があるが、所望の偏向角を得るためにはレーザビームの入射角の条件設定について厳格な要件が課せられており、レーザ顕微鏡の製造時の作業性に難点があった。また、音響光学素子は価格が高価であるため、レーザ顕微鏡の価格が高価になる不都合も指摘されている。さらに、音響光学素子によるビーム振れ各角は微小な角度であるため、試料表面上で所望のビーム走査長を得るためには音響光学素子から試料までの光路長を長く設定しなければならず、顕微鏡自体が大型化する不具合が指摘されていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、音響光学素子を用いることなく、高速でビーム偏向することができる走査型顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、作業性に優れ製造コストが安価な走査型顕微鏡を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、光学系の光路長を比較的短く設定でき、小型化が図れる走査型顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による走査型顕微鏡は、走査ビームを発生する光源と、光源から発生した走査ビームを主走査方向に偏向する第1のビーム偏向装置と、第1のビーム偏向装置により偏向された走査ビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向装置と、第2のビーム偏向装置を通過した走査ビームを微小スポット状に集束して試料に向けて投射する対物レンズと、前記主走査方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、試料で反射し又は透過した光ビームを受光するリニァイメージセンサとを具え、微小スポット状に集束した走査ビームにより試料を2次元走査し、前記試料からの反射光又は透過光を前記第2のビーム偏向装置を介してリニァイメージセンサに入射させて試料像を撮像する走査型顕微鏡において、
前記第1のビーム偏向装置は、複数のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列されたマイクロミラーアレイを有し、各マイクロミラーが全体として同一の向きにほぼ同一の周波数で回動することを特徴とする。
【0008】
ディジタルマイクロミラーデバイスを構成するマイクロミラーは、数10kHz程度の高速で回動することができるため、主走査用のビーム偏向装置として極めて好適である。特に、DMDは、音響光学素子に比べて小型であり、しかもコストが安価であるため、走査型顕微鏡装置を小型化することができると共に製造コストも安価になる。さらに、マイクロミラーの振れ角は±10°の角度が容易に得ることができるので、光源から試料までの光路長を大幅に短縮することができ、小型化について大きな利点が達成される。
【0009】
さらに重要なことは、主走査方向のビーム偏向装置としてマイクロミラーアレイを用い受光装置としてリニァイメージセンサを用いることにより、特有の効果が達成される。すなわち、リニァイメージセンサは電荷蓄積能力を有しているため、マイクロミラーアレイの回動周波数をリニァイメージセンサに対する読出周波数から独立させることができることである。従って、一部のマイクロミラーの回動速度が規定の回動速度から変移しても撮像される画像に歪みやシェージング等が生じない許容性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による走査型顕微鏡の一例を示す線図である。光源1から走査ビームを発生する。光源として、各種の光源を用いることができ、例えば白色レーザ、単色レーザ、水銀ランプ等を用いることができ、本例では白色レーザを用いる。光源1から発生した走査ビームは、第1のビーム偏向走査であるマイクロミラーデバイス2に入射する。このマイクロミラーデバイス2は、例えば16μm×16μmの表面面積を有するマイクロミラーを2次元アレイ状に配置したミラーデバイスであり、各マイクロミラーは全体として同一の向きに同一の周波数で回動する。そして、マイクロミラー全体として回動により走査ビームは主走査方向に高速偏向される。
【0011】
マイクロミラーデバイス2により一定の周波数で偏向された走査ビームは、リレーレンズ3及び4並びに偏光ビームスプリッタ5を経て第2のビーム偏向走査である振動ミラー6に入射する。この振動ミラー6は、入射した走査ビームを主走査方向と直交する副走査方向に一定の偏向周波数で偏向する。尚、振動ミラー6の副走査方向の走査速度は、マイクロミラーデバイス2による周波数走査方向の偏向周波数よりも低く設定する。振動ミラー6で反射した走査ビームは、リレーレンズ7及び8並びにλ/4板9を介して対物レンズ10に入射する。対物レンズ10は入射した走査ビームを微小スポット状に集束してステージ11上に配置した試料12上に投射する。従って、試料12は、微小な光スポットにより主走査方向及び副走査方向に2次元走査されることになる。
【0012】
試料12で反射した反射ビームは、対物レンズ10により集光され、λ/4板9、リレーレンズ8及び7を経て振動ミラー6に入射し、デスキャンされる。振動ミラー6で反射した反射ビームは、偏光ビームスプリッタ5に入射する。この入射ビームは、λ/4板を2回通過しているので、その偏光面が90°回転している。よって、入射した反射ビームは、偏光ビームスプリッタ5の偏光面で反射し、光源1から発生した走査ビームから分離される。ビームスプリッタ5から出射した反射ビームは、リレーレンズ15を経てリニァイメージセンサ16に入射する。
【0013】
リニァイメージセンサ16は、主走査方向と対応する方向にライン状に配置した複数の受光素子を有する。リニァイメージセンサに入射した反射ビームは、振動ミラー6を2回通過しているので、副走査方向には静止した状態にある。よって、試料からの反射ビームは、マイクロミラーデバイス2の偏向周波数で受光素子の配列方向に沿って高速振動する。従って、リニァイメージセンサ16の各受光素子に蓄積された電荷を周期的に読み出すことにより、試料12の表面の輝度情報が出力される。尚、リニァイメージセンサの各受光素子は、光入射面が枠により規定されているため、前面にピンホールが配置された光学系と同様であり、従って本発明による光学系はコンフォーカル光学系を構成することになる。
【0014】
リニァイメージセンサ16の各受光素子に蓄積された電荷は、読出回路17の制御のもとで周期的に読み出され、増幅器18を経て信号手段回路19に供給する。従って、信号処理回路19から試料12の2次元画像情報が出力される。
【0015】
次に、マイクロミラーアレイの構成及びその動作について説明する。マイクロミラーアレイは、例えば14μm×14枚の矩形のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列されている。各マイクロミラーは、駆動回路が形成されている基板上にメタル層、ヨーク及びヒンジ層及びミラー層が順次形成されている。アルミニウムで構成されたミラー層はヒンジを介してヨークに支持され、ヒンジ及びヨーク層には2つの駆動電極と静電引力を蓄積させるスプリングチップを有し、静電力を利用してミラー層を回動させる。基板に形成した駆動回路にディジタル信号が入力すると、ヨーク及びヒンジ層と下側のメタル層との間に静電引力が作用し、トーションヒンジ部を中心にして傾斜角±10°の範囲でヨークが傾き、これによりミラー層も傾く。従って、ミラー層は、+10°の第1の位置と−10°の第2の位置との間で回動することになる。本発明では、このミラー層の第1の位置から第2の位置への回転移動を利用して入射した走査ビームを高速偏向する。各マイクロミラーは、1秒間に5000回以上のスイッチングが可能であるため、数10kHz又はこれ以上の周波数でビーム偏向することができる。
【0016】
図2はマイクロミラーデバイスの動作を説明する線図である。図2において、図面を明瞭にするため3個のマイクロミラー21a〜21cを示す。実線は各マイクロミラー21a〜21cが第1の位置にあり、破線は第2の位置にあるものとする。図2の左上方より、光源1から放出された走査ビームが入射し、入射ビームは各マイクロミラーで反射する。次に、駆動回動にディジタル駆動信号が入力すると、全てのマイクロミラーは同一の向きで同一の周波数で第1の位置から回転を開始し、第2の位置まで回転する。この回動の間に走査ビームの各マイクロミラーに対する入射角がマイクロミラーの回転速度に応じて小さくなり、マイクロミラーからの反射ビームは2倍の振れ角で出射する。このマイクロミラーアレイの回動動作により、光源から発生した走査ビームを所定の速度で偏向させることができる。尚、マイクロミラーの回動速度にリニアリティが確保できない場合であっても、受光側の装置として電荷蓄積能力を有するリニァイメージセンサを用いているため、画像の輝度が部分的に変化するだけであり、画像歪みやシェージングが発生する不具合は生じないない利点がある。
【0017】
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変更や変形が可能である。例えば、上述した実施例では、第1のビーム偏向装置としてマイクロミラーアレイを用い第2のビーム偏向装置として振動ミラーを用いたが、第1及び第2のビーム偏向装置を共にマイクロミラーアレイで構成することも可能である。
さらに、マイクロミラーアレイの回動周波数とリニァイメージセンサの読出周波数とは同一の周波数に設定することもでき、或いはリニァイメージセンサの読出周波数をマイクロミラーアレイの回動周波数から独立して設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型顕微鏡の一例の構成を示す線図である。
【図2】マイクロミラーアレイの動作を説明する線図である。
【符号の説明】
1 光源
2 マイクロミラーアレイ
3,4,7,8,15 リレーレンズ
5 ビームスプリッタ
6 振動ミラー
9 λ/4板
10 対物レンズ
11 ステージ
12 試料
Claims (2)
- 走査ビームを発生する光源と、光源から発生した走査ビームを主走査方向に偏向する第1のビーム偏向装置と、第1のビーム偏向装置により偏向された走査ビームを主走査方向と直交する副走査方向に偏向する第2のビーム偏向装置と、第2のビーム偏向装置を通過した走査ビームを微小スポット状に集束して試料に向けて投射する対物レンズと、前記主走査方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、試料で反射し又は透過した光ビームを受光するリニァイメージセンサとを具え、微小スポット状に集束した走査ビームにより試料を2次元走査し、前記試料からの反射光又は透過光を前記第2のビーム偏向装置を介してリニァイメージセンサに入射させて試料像を撮像する走査型顕微鏡において、
前記第1のビーム偏向装置は、複数のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列されたマイクロミラーアレイを有し、各マイクロミラーが全体として同一の向きにほぼ同一の周波数で回動することを特徴とする走査型顕微鏡。 - 前記マイクロミラーの回動周波数を前記リニァイメージセンサの読出周波数よりも高い周波数とし、マイクロミラーの駆動制御をリニァイメージセンサの読出制御から独立して行うことを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
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JP2003034781A JP2004246003A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 走査型顕微鏡 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2004246003A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006163023A (ja) * | 2004-12-08 | 2006-06-22 | Ohkura Industry Co | レーザ顕微鏡及びカラーレーザ顕微鏡 |
JP2007171817A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Ohkura Industry Co | レーザ顕微鏡 |
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2003
- 2003-02-13 JP JP2003034781A patent/JP2004246003A/ja active Pending
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JP4746311B2 (ja) * | 2004-12-08 | 2011-08-10 | 大倉インダストリー株式会社 | カラーレーザ顕微鏡 |
JP2007171817A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Ohkura Industry Co | レーザ顕微鏡 |
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