JP2004245632A - 電圧検出回路、及びその電圧検出回路を備えた非接地電源の絶縁検出装置 - Google Patents
電圧検出回路、及びその電圧検出回路を備えた非接地電源の絶縁検出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】電圧を検出するマイコン3と、被電圧検出部位6が接続されるマイコン6の第1の入力ポート5にカソードが接続され、アノードが接地電位部に接地された第1のショットキーバリアダイオードSBD1と、第1のショットキーバリアダイオードSBD1と同一の漏れ電流の規格で、接地電位部7に接地されたマイコン11の第2の入力ポートにアノードが接続され、カソードが電源11の正端子側に接続された第2のショットキーバリアダイオードSBD2とを備え、マイコン11は、被電圧検出部位6の電圧を検出するとき、第1の入力ポート5に印加された電圧に第2の入力ポート9に印可された電圧を加えた値を検出電圧とする構成とする。これにより、電圧検出回路1での検出電圧の補正において、誤差が生じるような演算や換算などを行う必要がないため、検出電圧の精度を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧検出回路、及びその電圧検出回路を備えた非接地電源の絶縁検出装置に係り、特に、マイコンにより電圧を検出する電圧検出回路、及びその電圧検出回路を備えた非接地電源の絶縁検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイコンにより電圧を検出する電圧検出回路では、被電圧検出部位が接続されたマイコンの入力ポートに、マイコンに損傷を与えるような過剰な正電位や負電位が印可されるのを防ぐため、クランピング用のダイオードが設けられている。
クランピング用のダイオードとして、マイコンの入力ポートへの比較的短時間の過剰な正電位及び負電位の印可を防ぐ場合には、整流ダイオードを用いることができる。しかし、マイコンの入力ポートへの比較的長時間の過剰な正電位及び負電位の印可を防ぐ場合には、マイコンへのストレスを軽減するためより順方向電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ショットキーバリアダイオードは、周囲温度が高くなるに連れて漏れ電流が増加してしまう特性を有しているため、周囲温度が高くなるに連れてショットキーバリアダイオードを介した電圧降下つまり損失が増大してしまう。このため、ショットキーバリアダイオードを備えた電圧検出回路では、マイコンの入力ポートで検出される検出電圧の精度に問題がある。
【0004】
これに対して、マイコンの被電圧検出部位に接続された入力ポートとは別の入力ポートにサーミスタを接続することにより、周囲温度を検出して検出電圧を補正することにより、検出電圧の精度を向上することが考えられる。この場合、マイコンの被電圧検出部位に接続された入力ポートとは別の入力ポートにサーミスタを接続すると共に、マイコンに予め周囲温度とショットキーバリアダイオードの漏れ電流との関係に関するデータを入力しておく。そして、マイコンは、このサーミスタを接続した入力ポートで検出した電圧から周囲温度を演算し、この演算した周囲温度とマイコンに予め入力されていた周囲温度と漏れ電流との関係に関するデータから漏れ電流を換算する。さらに、換算した漏れ電流に基づいて損失分の電圧値などを求め、この求めた損失分の電圧値などによりマイコンの被電圧検出部位に接続された入力ポートでの検出電圧を補正する。
【0005】
このような電圧検出回路では、サーミスタを用いて周囲温度を演算し、周囲温度と漏れ電流との理論上の関係に基づいてショットキーバリアダイオードの漏れ電流を換算して、この換算した漏れ電流に基づいて損失を求めている。しかし、ショットキーバリアダイオードの特性は、データブックなどに示された通りのものでなくばらつきがあることなどから、誤差を生じる可能性がある演算や換算などを重ねることとなり、求めた損失分の電圧値と実際の損失分の電圧値との間の誤差が演算や換算などを重ねる毎に増大してしまう。このため、このようなサーミスタを用いた電圧検出回路では、マイコンの入力ポートで検出される検出電圧の精度を向上し難い。
【0006】
本発明の第1の課題は、検出電圧の精度を向上することにある。
【0007】
ところで、本願の発明者らは、このような電圧検出回路を備えた装置として、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する電圧検出回路を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の検出手段での検出電圧に基づいて電源電圧を推定し、この推定した電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の電圧検出回路での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備えた構成の絶縁検出装置を考えている。
【0008】
このような絶縁検出装置では、コンデンサを完全に充電するのに要する時間よりも短い時間に第1の設定時間を設定し、この第1の設定時間の間、第1のスイッチング手段によって直流電源と接地電位部との間にコンデンサを直流に接続して充電し、このときのコンデンサの両端端子間の電圧を第4のスイッチング手段によって接続された電圧検出回路で検出する。そして、この検出した電圧からコンデンサの容量などを定数として含む電源電圧を算出するための式により演算手段が電源電圧を推定することができる。そして、この推定した電源電圧と、第2及び第3のスイッチング手段遮断後の検出手段での検出電圧とに基づいてコンデンサの容量などを定数として含む絶縁抵抗を算出するための式により絶縁抵抗を演算することで、絶縁抵抗の計測誤差を低減し、絶縁状態の検出精度を向上できる。
【0009】
ここで、このような絶縁検出装置では、電圧検出回路がマイコンを用いたものである場合、スイッチング手段の開閉動作によって、マイコンのコンデンサの両端子間電圧を検出するための入力ポートに負電位が印可される可能性がある。このため、負電位に対するクランピング用のダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用いている。ところが、このような絶縁検出装置では、電圧検出回路による検出電圧が絶縁抵抗の演算にもちいられるため、電圧検出回路による検出電圧の精度に問題があると、絶縁状態の検出精度を向上できなくなってしまうとい問題が生じる。このため、電圧検出回路による検出電圧の精度を向上し、絶縁状態の検出精度を向上することが望まれている。
【0010】
本発明の第2の課題は、電圧検出回路による検出電圧の精度を向上し、絶縁状態の検出精度をさらに向上することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の電圧検出回路は、電圧を検出するマイコンと、被電圧検出部位が接続されるマイコンの第1の入力ポートにカソードが接続され、アノードが接地電位部に接地された第1のショットキーバリアダイオードと、この第1のショットキーバリアダイオードと同一の漏れ電流の規格で、接地電位部に接地されたマイコンの第2の入力ポートにアノードが接続され、カソードが電源の正端子側に接続された第2のショットキーバリアダイオードとを備え、マイコンは、被電圧検出部位の電圧を検出するとき、第1の入力ポートに印加された電圧に第2の入力ポートに印可された電圧を加えた値を検出電圧とする構成とすることにより第1の課題を解決する。
【0012】
このような構成では、クランピング用となる第1のショットキーバリアダイオードと補正用となる第2のショットキーバリアダイオードとが同一の漏れ電流の規格のショットキーバリアダイオードである。このため、補正用の第2のショットキーバリアダイオードが接続されたマイコンの第2の入力ポートには、クランピング用の第1のショットキーバリアダイオードの漏れ電流による電圧損失にほぼ等しい電圧が印可されることになる。したがって、このマイコンの第2の入力ポートに印可された電圧を第1の入力ポートに印加された電圧加えれば、クランピング用の第1のショットキーバリアダイオードによる電圧損失を補正した検出電圧が得られる。このように、検出電圧の補正において誤差が生じるような演算や換算などを行う必要がないため、検出電圧の精度を向上できる。
【0013】
さらに、マイコンの第1の入力ポートに一方の端子側が接続され、他方の端子側が被電圧検出部位に接続された第1の抵抗が設けられるとき、この第1の抵抗と同一の抵抗値で、マイコンの第2の入力ポートと接地電位部との間に接続された第2の抵抗を備えた構成とする。このような構成とすれば、第1の入力ポートに一方の端子側が接続され、他方の端子側が被電圧検出部位に接続された抵抗が設けられるときでも、検出電圧の精度を向上できる。
【0014】
また、本発明の絶縁検出装置は、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と前記接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する電圧検出回路を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の電圧検出回路での検出電圧に基づいて電源の電源電圧を推定し、この推定した電源の電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の電圧検出回路での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、電圧検出回路は、電圧を検出するマイコンと、被電圧検出部位が接続されるマイコンの第1の入力ポートにカソードが接続され、アノードが接地電位部に接地された第1のショットキーバリアダイオードと、この第1のショットキーバリアダイオードと同一の漏れ電流の規格で、接地電位部に接地されたマイコンの第2の入力ポートにアノードが接続され、カソードが電源の正端子側に接続された第2のショットキーバリアダイオードとを有し、マイコンは、被電圧検出部位の電圧を検出するとき、第1の入力ポートに印加された電圧に前記第2の入力ポートに印可された電圧を加えた値を検出電圧とする構成とすることにより第2の課題を解決する。
【0015】
このような構成とすれば、電圧検出回路での検出電圧の補正において、誤差が生じるような演算や換算などを行う必要がなく、検出電圧の精度を向上できるため、電圧検出回路による検出電圧の精度を向上し、絶縁状態の検出精度をさらに向上できる。
【0016】
さらに、マイコンの第1の入力ポートに一方の端子側が接続され、他方の端子側が被電圧検出部位に接続された第1の抵抗が設けられるとき、電圧検出回路は、前記第1の抵抗と同一の抵抗値で、マイコンの第2の入力ポートと接地電位部との間に接続された第2の抵抗を備えた構成とする。
【0017】
また、第1のスイッチング手段が、電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、第3のスイッチング手段が、第2のスイッチ部と、第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、第2のスイッチング手段が、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、第1のスイッチ部と第3のスイッチ部との間と、第2のスイッチ部と第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード、及びコンデンサが直列に接続され、第1のダイオードに並列に、この第1ダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードが直列に接続されており、電圧検出回路が、第3のスイッチ部と第4のスイッチ部との間に位置する被電圧検出部位に接続され、被電圧検出部位と第4のスイッチ部との間が接地電位部に接地されている回路構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる電圧検出回路、及びこの電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の一実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる電圧検出回路、及びこの電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の概略構成を示す図である。図2は、本発明を適用してなる電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。図3は、各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。図4は、絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【0019】
本実施形態の電圧検出回路1は、図1に示すように、マイコン11を備えており、マイコン11の第1アナログ/デジタル変換入力ポートつまり第1A/D入力ポート5に被電圧検出部位6が接続されている。被電圧検出部位6とマイコン11の第1A/D入力ポート5との間には、被電圧検出部位6側から直列に第1抵抗R1、コイルL1が順次接続されている。
【0020】
コイルL1と第1抵抗R1との間の部位の第1抵抗R1側には、マイコン11の第1A/D入力ポート5に過剰な負電位が印加されるのを抑制するため、クランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1のカソードが、コイルL1と第1抵抗R1との間の部位のコイルL1側には、マイコン11の第1A/D入力ポート5に過剰な正電位が印加されるのを抑制するため、クランピング用の整流ダイオードCD1のアノードが接続されている。第1ショットキーバリアダイオードSBD1のアノードは、接地電位部7に接地され、クランピング用の整流ダイオードCD1のカソードは、電源11の正端子側に接続されている。マイコン11の第1A/D入力ポート5とコイルL1との間には、コイルL1などと共にノイズの除去などを行う第1コンデンサC1の一方の端子が接続されており、第1コンデンサC1の他方の端子は、接地電位部7に接地されている。
【0021】
一方、マイコン11の第2アナログ/デジタル変換入力ポートつまり第2A/D入力ポート9には、補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD2のアノードと、補正用となる第2抵抗R2の一方の端子が接続されている。補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD1のカソードは、電源11の正端子側に接続されている。補正用となる第2抵抗R2の他方の端子は、接地電位部7に接地されている。
【0022】
なお、クランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1と補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD2とは、同一仕様で、同一の漏れ電流の規格のものを用いる。望ましくは、同一プロセス上で製造された2個以上のショットキーバリアダイオードを同一パッケージとして市販しているものを用いる。同様に、第1抵抗R1と補正用の第2抵抗R2とは、同一仕様で、同一の抵抗値のものを用いる。
【0023】
このような電圧検出回路1を備えた本実施形態の絶縁検出装置13は、例えば電力を利用して推進力を得る電気推進車両などの電力源となる直流電源11に対して適用したものである。電源11は、複数の蓄電池などを直列接続したものや燃料電池などであり、電源11の正端子側の正側主回路配線15aと負端子側の負側主回路配線15bとが、各々、接地電位部7、例えば車体などから絶縁されており、電源11は非接地電源となっている。絶縁検出装置13は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、第2コンデンサC2、上記の電圧検出回路1、そして各スイッチを設定された時間に応じて開閉制御する図示していないスイッチング制御回路などで構成されている。
【0024】
なお、本実施形態の電圧検出回路1のマイコン11は、絶縁検出装置13における演算手段や絶縁状態などの判定の機能などを兼ねている。しかし、電圧検出回路を構成するマイコン、絶縁検出装置における演算手段となるマイコン、スイッチング制御回路を構成するマイコンなどは、本実施形態のように1つのマイコンが兼ねることもできるし、各々異なるマイコンとするなど適宜構成できる。また、図1で示した第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4は、例えばリレーや半導体スイッチといった様々なスイッチ機能を有する部品からなるスイッチ部を接点として模式的に示したものである。
【0025】
電源11の正端子には、この正端子から第1スイッチS1及び第3スイッチS3が順次直列に接続され、電源11の負側端子には、この負端子側から第2スイッチS2、第4スイッチS4及び第3抵抗R3が順次直列に接続されている。第1スイッチS1と第3スイッチS3との間から第2スイッチS2と第4スイッチS4との間には、第1ダイオードD1、第4抵抗R4及び第2コンデンサC2が順次直列に接続されている。第4抵抗R4と第2コンデンサC2との間から第1スイッチS1と第3スイッチS3との間には、第2ダイオードD2及び第5抵抗R5が順次直列に接続されている。すなわち、第1ダイオードD1及び第4抵抗R4と、第2ダイオードD2及び第5抵抗R5とは並列に接続されている。また、第2ダイオードD2と第5抵抗R5との間の部位から接地電位部7に、バイパス手段として、第5スイッチS5、そして第5抵抗R5よりも抵抗が低い第6抵抗R6が順次直列に接続されている。なお、第1ダイオードD1は、正側から負側に向かう方向に整流するものであり、第2ダイオードD2は、第1ダイオードD1と逆方向に整流するものである。
【0026】
第3スイッチS3と第3抵抗R3間には、第3スイッチS3と第3抵抗R3に対して直列に第7抵抗R7が接続されており、第3スイッチS3と第7抵抗R7との間に被電圧検出部位6が位置し、被電圧検出部位6に電圧検出回路1が接続されている。また、第7抵抗R7と第3抵抗R3との間の部位は、接地電位部7に接地されている。
【0027】
なお、本実施形態では、電源11に第2コンデンサC2を直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。電源11の正端子と接地電位部7との間に第2コンデンサC2を直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。接地電位部7と電源11の負端子との間に第2コンデンサC2を直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段は、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。電圧検出回路1により第2コンデンサC2の両端子間電圧を検出するための第4のスイッチング手段は、第3スイッチS3、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。また、第2コンデンサC2には、例えば数μFといった比較的高容量のものが用いられ、第1抵抗R1と第2抵抗R2には、例えば数百kΩといった比較的高い抵抗値のものが用いられている。
【0028】
このような構成の電圧検出回路、及びこの電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の動作と本発明の特徴部について説明する。絶縁検出装置13による接地電位部7に対する絶縁状態の検出動作において、絶縁検出装置13は、図2及び図3に示すように、絶縁状態の検出を開始すると、図示していないスイッチング制御回路が第1スイッチS1及び第2スイッチS2を第1の設定時間である第1閉路時間T1の間、閉路する(ステップ101)。すなわち、第1のスイッチング手段により、接地電位部7を介さずに電源11に第2コンデンサC2を直列に接続する回路が形成され、第1閉路時間T1の間、第2コンデンサC2への充電が行われ、第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第1閉路時間T1は、第2コンデンサC2を完全に充電するのに必要な時間よりも短い時間、例えば第2コンデンサC2を完全に充電するのに必要な時間の1/5〜1/10といったような短い時間となっており、第1閉路時間T1は、必要とされる絶縁抵抗の計測誤差範囲によって選択されたものである。
【0029】
ステップ101において第1閉路時間T1が経過すると、第1スイッチS1及び第2スイッチS2が開路つまり遮断され、第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw1経過後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路される(ステップ103)。すなわち、第4のスイッチング手段により、第5抵抗R5、第7抵抗R7、そして第3抵抗R3を含む第2コンデンサC2からの放電回路が形成され、この放電回路に第2コンデンサC2の両端子間の電圧を検出するマイコン11を含む電圧検出回路1が接続された状態となる。第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路されてから第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw2経過後、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ105)。
【0030】
このとき、マイコン11の第1A/D入力ポート5に印可される電圧は、第2コンデンサC2の両端子間電圧VCの値に対応する電圧から、絶縁検出装置13の周囲温度、つまり電圧検出回路1の周囲温度に応じたクランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流に対応する損失分だけ電圧が降下した電圧となる。そこで、マイコン11は、ステップ105において、第1A/D入力ポート5で検出した電圧V1に、補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD2と補正用の第2抵抗R2が接続された第2A/D入力ポート9に印可される電圧を検出し、この第2A/D入力ポート9で検出された電圧V2を加え、このときの電圧検出回路1での検出電圧V0としている。
【0031】
第2A/D入力ポート9に印可される電圧は、絶縁検出装置13の周囲温度に応じた補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD2での漏れ電流に対応する電圧であり、また、第1ショットキーバリアダイオードSBD1と第2ショットキーバリアダイオードSBD2は同一の漏れ電流の規格のもである。このため、第2A/D入力ポート9に印可される電圧は、絶縁検出装置13の周囲温度に応じた第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流による電圧損失にほぼ等しいものである。したがって、V0=V1+V2とすることによって、検出電圧V0は、第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流による電圧損失を補正した値となる。
【0032】
この補正した検出電圧V0を用い、次式(1)から推定の電源電圧V0sを算出する(ステップ107)。
V0s=V0/{1−EXP(−T1/C・R4)} …(1)
ただし、式(1)において、T1は第1スイッチS1及び第2スイッチS2の閉路時間、Cは第2コンデンサC2の容量、R4は第4抵抗R4の抵抗値である。
【0033】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ105で第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第5抵抗R5をバイパスさせる。これにより、第5抵抗R5よりも抵抗値が低い第6抵抗R6を介して放電されるため、第2コンデンサC2からの放電量が増大して第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCの降下割合が増大し、第2コンデンサC2からの放電に要する時間を短縮できる。第5スイッチS5を閉路して、第1閉路時間T1よりも短い所定時間td1経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ109)。
【0034】
ステップ109で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第3スイッチS3を開路し、所定時間tw1経過後に第1スイッチS1を閉路する。そして、第1スイッチS1及び第4スイッチS4を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ111)。
すなわち、第2のスイッチング手段により、電源11の正端子と接地電位部7との間に第2コンデンサC2を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線15a、第1スイッチS1、第1ダイオードD1、第4抵抗R4、第2コンデンサC2、第4スイッチS4、第3抵抗R3、接地電位部7、そして図1において点線で示すような位置に仮定される負端子側の地絡抵抗Rn、負側主回路配線15bを順次直列に電源11に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、第2コンデンサC2への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rnの値に応じて第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第2の設定時間である第2閉路時間T2も、第1閉路時間T1と同様に、第2コンデンサC2を完全に充電するのに必要な時間よりも短く、所定時間tw1、tw2、td1よりも長い時間に設定されている。
【0035】
ステップ111において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第1スイッチS1が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第3スイッチS3が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含む第2コンデンサC2からの放電回路が形成され、この放電回路に第2コンデンサC2の両端子間の電圧を検出するマイコン11を含む電圧検出回路1が接続された状態となる。この状態で、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ113)。
【0036】
このとき、ステップ105の場合と同様に、マイコン11の第1A/D入力ポート5に印可される電圧は、第2コンデンサC2の両端子間電圧VCの値に対応する電圧から、絶縁検出装置13の周囲温度、つまり電圧検出回路1の周囲温度に応じたクランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流に対応する損失分だけ電圧が降下した電圧となる。そこで、マイコン11は、ステップ113においても、第1A/D入力ポート5で検出した電圧V1に、第2A/D入力ポート9で検出された電圧V2を加え、このときの電圧検出回路1での検出電圧VCNとしている。このように、VCN=V1+V2とすることによって、検出電圧VCNは、第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流による電圧損失を補正した値となる。
【0037】
この検出電圧VCNにより、次式(2)から電源11の負端子側の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち負端子側の地絡抵抗Rnを算出する(ステップ115)。
Rn=−R4−T2/C・ln(1−VCN/V0s) …(2)
ただし、式(2)において、T2は第1スイッチS1及び第4スイッチS4の閉路時間、Cは第2コンデンサC2の容量、R4は第4抵抗R4の抵抗値、V0sはステップ107で推定した電源電圧である。
【0038】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ115で第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第5抵抗R5をバイパスさせることで、第5抵抗R5の抵抗値を下げた状態とし、第2コンデンサC2からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第2閉路時間T2よりも短い所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ117)。
【0039】
ステップ117で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第4スイッチS4を開路し、所定時間tw1経過後、第2スイッチS2を閉路する。そして、第2スイッチS2及び第3スイッチS3を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ119)。
すなわち、第3のスイッチング手段により、接地電位部7と電源11の負端子との間に第2コンデンサC2を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線15a、図1において点線で示すような位置に仮定される正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位部7、第7抵抗R7、第3スイッチS3、第1ダイオードD1、第4抵抗R4、第2コンデンサC2、第2スイッチS2、そして負側主回路配線15bを順次直列に電源11に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、第2コンデンサC2への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rpの値に応じて第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCが上昇する。
【0040】
なお、第2スイッチS2及び第3スイッチS3を閉路すると、被電圧検出部位6の電位が負電位となる。しかし、被電圧検出部位6と接地電位部7との間にクランピング用のショットキーバリアダイオードSBD1が接続されているため、被電圧検出部位6が接続されたマイコン11の第1A/D入力ポート5には過剰な負電位が印可されることはない。
【0041】
ステップ119において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第2スイッチS2が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第4スイッチS4が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含む第2コンデンサC2からの放電回路が形成され、この放電回路に第2コンデンサC2の両端子間の電圧を検出するマイコン11を含む電圧検出回路1が接続された状態となる。この状態で、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ113)。
【0042】
このとき、ステップ105、113の場合と同様に、マイコン11の第1A/D入力ポート5に印可される電圧は、第2コンデンサC2の両端子間電圧VCの値に対応する電圧から、絶縁検出装置13の周囲温度、つまり電圧検出回路1の周囲温度に応じたクランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流に対応する損失分だけ電圧が降下した値となる。そこで、マイコン11は、ステップ121においても、第1A/D入力ポート5で検出した電圧V1に、第2A/D入力ポート9で検出された電圧V2を加え、このときの電圧検出回路1での検出電圧VCPとしている。このように、VCP=V1+V2とすることによって、検出電圧VCPは、第1ショットキーバリアダイオードSBD1での漏れ電流による電圧損失を補正した値となる。
【0043】
この検出電圧VCPにより、次式(3)から電源11の正端子側の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち正端子側の地絡抵抗Rpを算出する(ステップ123)。
Rp=−R4−T2/C・ln(1−VCP/V0s) …(3)
ただし、式(3)において、T2は第2スイッチS2及び第3スイッチS3の閉路時間、Cは第2コンデンサC2の容量、R4は第4抵抗R4の抵抗値、V0sはステップ107で推定した電源電圧である。
【0044】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ123で第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第5抵抗R5をバイパスさせることで、第5抵抗R5の抵抗値を下げた状態とし、第2コンデンサC2からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、第1A/D入力ポート5を介してA/D変換データ、つまり第2コンデンサC2の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ125)。そして、ステップ125で電圧VCが0Vであることが確認された時点で、1回の絶縁状態の検出サイクルを終了する。また、絶縁状態の検出を行う間、ステップ101からステップ125までの絶縁状態の検出サイクルを繰り返す。
【0045】
マイコン11は、1回の絶縁状態の検出サイクルで求めた電源11の正端子側の地絡抵抗Rpと、負端子側の地絡抵抗Rnの値から、または、複数回の検出サイクルで得た正端子側の地絡抵抗Rpと、負端子側の地絡抵抗Rnの値の平均値などから絶縁状態を判定する。例えば、電源11の正端子側の地絡抵抗Rp、または、その平均値と、予め定められた基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗Rpが基準抵抗値以下になっている場合には、絶縁不良が生じていると判定する。
【0046】
このような本実施形態の絶縁検出装置13によって計測した正端子側の地絡抵抗Rp、及び負端子側の地絡抵抗Rnの値と、実際の正端子側の地絡抵抗Rp、及び負端子側の地絡抵抗Rnの値との誤差をある所定の規格容量を有する第2コンデンサC2、そしてある所定の規格抵抗値を有する第4抵抗R4を用いた場合を想定して計算した結果を図4に示す。なお、第2コンデンサC2は、製品間差と温度変化を考慮して±10%程度の容量のばらつきが、第4抵抗R4は、製品間差と温度変化を考慮して±2%程度の容量のばらつきがあるものとする。図4において、V0計測時間は、第1閉路時間を意味し、したがって、図4では、第1閉路時間T1をt秒、2t秒、そして3t秒、ただしt<2t<3tとした場合の計測誤差を示している。なお、図4は、縦軸を検出精度つまり検出誤差、横軸を地絡抵抗の値として計算結果をグラフ化したものである。
【0047】
図4からわかるように、V0計測時間つまり第1閉路時間T1の設定によって計測誤差の低減度合いが異なっており、第1閉路時間T1がt秒のときには、地絡抵抗が小さくなるにしたがって誤差が大きくなるが、地絡抵抗が大きくなるにしたがって誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が2t秒のときには、地絡抵抗が大きい場合には、第1閉路時間T1がt秒のときよりも誤差が大きくなるが、各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が3t秒のときにも各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっているが、誤差は、第1閉路時間T1が2t秒のときよりも大きい。
【0048】
したがって、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的大きな値とする場合には、第1閉路時間T1をt秒とするのが好ましく、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的小さな値とする場合には、第1閉路時間T1を2t秒とするのが好ましい。このように、第1閉路時間T1つまり第1の設定時間は、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値周辺で計測誤差が小さくなるように選択するのが好ましい。例えば、図4において絶縁不良を判定する地絡抵抗の値をRΩに設定したとすれば、第1閉路時間T1として2t秒を選択するのが好ましい。
【0049】
このように本実施形態の電圧検出回路1では、マイコン11の第1A/D入力ポート5側に接続された第1クランピング用となる第1ショットキーバリアダイオードSBD1と、マイコン11の第2A/D入力ポート9に接続された補正用となる第2ショットキーバリアダイオードSBD2とが同一の漏れ電流の規格のショットキーバリアダイオードである。このため、補正用の第2ショットキーバリアダイオードSBD2が接続されたマイコン11の第2A/D入力ポート9には、クランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1の漏れ電流による電圧の損失にほぼ等しい電圧が印可されることになる。そして、マイコン11の第2A/D入力ポート9に印可された電圧を第1A/D入力ポート5に印加された電圧に加えたものを検出電圧としているため、クランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1による電圧損失を補正した検出電圧が得られる。このように、検出電圧の補正において誤差が生じるような演算や換算などを行う必要がないため、検出電圧の精度を向上できる。
【0050】
さらに、本実施形態の電圧検出回路1では、マイコン11の第2A/D入力ポート9に一方の端子側が接続され、他方の端子側が接地電位部7に接地された補正用の第2抵抗R2が設けられている。そして、この補正用の第2抵抗R2は、マイコン11の第1A/D入力ポート5に接続された第1抵抗R1と同一の抵抗値である。したがって、マイコン11の第1A/D入力ポート5に第1抵抗R1が設けられていても、マイコン11の第2A/D入力ポート9に、クランピング用の第1ショットキーバリアダイオードSBD1の漏れ電流による電圧の損失にほぼ等しい電圧が印可され、検出電圧の精度を向上できる。
【0051】
加えて、本実施形態の絶縁検出装置13は、検出電圧の補正において、誤差が生じるような演算や換算などを行う必要がなく、検出電圧の精度を向上できる電圧検出回路1を備えている。このため、電源11の電圧の推定、さらに、電源11の正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnの算出に使用する検出電圧V0、VCN、VCPといった電圧検出回路による検出電圧の精度を向上し、絶縁状態の検出精度をさらに向上できる。加えて、演算時間の短縮や、メモリなどの記憶手段の使用容量の縮小といった効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態の電圧検出回路1では、第1抵抗R1、コイルL1、第1コンデンサC1、第2抵抗R2などを設けた構成を示したが、これらの電気部品は、電圧を検出する対象の回路の構成などにより要否が決まるものであり、適宜省略することができる。さらに、整流ダイオードD1も、マイコン11の第1A/D入力ポート5に過剰な正電位が印可される恐れがない場合には、適宜省略することができる。
【0053】
また、本実施形態の絶縁検出装置13では、第5スイッチS5を含むバイパス手段として、第2ダイオードD2と第5抵抗R5との間から接地電位部7に第5スイッチS5そして第5抵抗R5よりも抵抗が低い第6抵抗R6を直列に接続した構成を示した。しかし、本実施形態の構成に限らず、バイパス手段は、第5抵抗R5の両端子間に、第5抵抗R5と並列に第5スイッチS5が接続されている構成にすることもできる。また、絶縁検出のための1サイクルに要する時間の短縮などの必要性がない場合などには、第5スイッチS5を含むバイパス手段を設けない構成にすることもできる。
【0054】
また、本実施形態の絶縁検出装置13では、正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを個別に算出し、これにより絶縁不良の部位も検出できるようにしている。しかし、絶縁不良の部位を検出せず絶縁不良の発生のみを判定する場合などには、推定した電源電圧V0sと検出電圧VCP、VCNなどとに基づいて正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnとを代表する地絡抵抗値などを算出する別の式を用いることもできる。
【0055】
また、本実施形態の絶縁検出装置13では、演算手段となるマイコン11によって式(1)や式(2)によって推定した電源電圧V0sや、正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを演算している。しかし、これらの式(1)や式(2)といった複雑な関数式の演算にかかる時間を短縮するため、マイコン11の記憶手段となるメモリなどにアドレスに対応させて推定した電源電圧V0sや、正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnなどを記憶した電源電圧用データテーブルや地絡抵抗値用データテーブルなどを準備し、演算手段であるマイコン11で各々のデータテーブルに対応したアドレスを演算する構成にすることもできる。このとき、演算手段であるマイコン11は、電源電圧を推定するために検出した第2コンデンサC2の両端子間電圧VCの値つまり検出電圧V0、推定した電源電圧V0s、正端子側の地絡抵抗Rp、及び負端子側の地絡抵抗Rnを求めるために検出した第2コンデンサC2の両端子間電圧VCの値つまり検出電圧VCN、VCPなどから、式(1)や式(2)よりも簡単なアドレスの演算式により、各々電源電圧用データテーブルのアドレス、地絡抵抗値用データテーブルのアドレスを算出し、この算出した各々のアドレスから推定した電源電圧V0sや、正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを決定する。
【0056】
また、本発明を適用してなる電圧検出回路は、本実施形態において示した絶縁検出装置13に限らず、電圧の検出を行う様々な目的の回路や装置などに用いることができる。また、本発明を適用してなる絶縁検出装置は、本実施形態において示した回路構成に限らず、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段、電源の正端子と接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段、電源の負端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段などをそなえていれば様々な回路構成にできる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、電圧検出回路において、検出電圧の精度を向上できる。また、本発明によれば、絶縁検出装置において、電圧検出回路による検出電圧の精度を向上し、絶縁状態の検出精度をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる電圧検出回路、及びこの電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の一実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の一実施形態における絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。
【図3】本発明を適用してなる電圧検出回路を備えた絶縁検出装置の各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。
【図4】絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【符号の説明】
1 電圧検出回路
3 マイコン
5 第1A/D入力ポート
7 接地電位部
9 第2A/D入力ポート
11 電源
13 絶縁検出装置
SBD1 第1ショットキーバリアダイオード
SBD2 第2ショットキーバリアダイオード
Claims (4)
- 電圧を検出するマイコンと、被電圧検出部位が接続される前記マイコンの第1の入力ポートにカソードが接続され、アノードが接地電位部に接地された第1のショットキーバリアダイオードと、該第1のショットキーバリアダイオードと同一の漏れ電流の規格で、接地電位部に接地された前記マイコンの第2の入力ポートにアノードが接続され、カソードが電源の正端子側に接続された第2のショットキーバリアダイオードとを備え、
前記マイコンは、被電圧検出部位の電圧を検出するとき、前記第1の入力ポートに印加された電圧に前記第2の入力ポートに印可された電圧を加えた値を検出電圧としてなる電圧検出回路。 - 前記マイコン第1の入力ポートに一方の端子側が接続され、他方の端子側が被電圧検出部位に接続された第1の抵抗が設けられるとき、該第1の抵抗と同一の抵抗値で、前記マイコンの第2の入力ポートと接地電位部との間に接続された第2の抵抗を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電圧検出回路。
- 正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、前記電源の正端子と前記接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、前記接地電位部と前記電源の負端子との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、前記第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後に前記コンデンサの両端子間の電圧を検出する電圧検出回路を接続する第4のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段を遮断後の前記電圧検出回路での検出電圧に基づいて前記電源の電源電圧を推定し、該推定した電源の電源電圧と前記第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の前記電圧検出回路での各検出電圧とに基づいて前記電源の前記接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、
前記電圧検出回路は、電圧を検出するマイコンと、被電圧検出部位が接続される前記マイコンの第1の入力ポートにカソードが接続され、アノードが接地電位部に接地された第1のショットキーバリアダイオードと、該第1のショットキーバリアダイオードと同一の漏れ電流の規格で、接地電位部に接地された前記マイコンの第2の入力ポートにアノードが接続され、カソードが電源の正端子側に接続された第2のショットキーバリアダイオードとを有し、前記マイコンは、被電圧検出部位の電圧を検出するとき、前記第1の入力ポートに印加された電圧に前記第2の入力ポートに印可された電圧を加えた値を検出電圧としてなる非接地電源の絶縁検出装置。 - 前記マイコンの第1の入力ポートに一方の端子側が接続され、他方の端子側が被電圧検出部位に接続された第1の抵抗が設けられるとき、前記電圧検出回路は、前記第1の抵抗と同一の抵抗値で、前記マイコンの第2の入力ポートと接地電位部との間に接続された第2の抵抗を備えたことを特徴とする請求項3に記載の非接地電源の絶縁検出装置。
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