JP2004245435A - 吸収冷水機 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調装置の冷房負荷の変動に対する冷水温度の変更の応答性が良好であり、しかもコスト削減が可能な吸収冷水機を提供する。
【解決手段】吸収冷温水機Aは、吸収液が加熱源により加熱される再生器1と、凝縮器2と、蒸発器3と、吸収器4と、冷却能力を調整する冷却ファン84bを有する冷却システム8と、冷房負荷検出手段94と、制御装置90とを備える。制御装置90は、冷房負荷検出手段94により検出される冷房負荷の減少に応じて、第1,第2冷却用伝熱部81,82での冷却能力が低下するように冷却ファン84bの回転数を制御する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置に使用されて、吸収冷凍サイクルを行う吸収冷水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空調装置に使用される冷水を取り出すために吸収冷凍サイクルを行うものとして、特許文献1に開示された吸収冷温水機がある。この吸収冷温水機は、ガスエンジンのジャケット冷却水を加熱源とする再生器、凝縮器、蒸発器および吸収器を備える。再生器は、ジャケット冷却水が循環する循環配管に設けられ、該循環配管には、再生器と並列に、三方弁が介装されたバイパス配管が接続される。そして、取り出される冷水の温度が冷房負荷の変動に起因して変動するときは、三方弁の開度を制御することにより、再生器に供給されるジャケット冷却水の流量を増減させて、吸収液の加熱量を制御し、冷水の温度を設定範囲内に維持する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−304375号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術では、冷房負荷の変動に対応して冷水の温度を変更する際には、再生器の吸収液への加熱量を増減して、吸収液の温度を変更することにより、吸収液の濃度および冷媒蒸気の濃度を変更する必要があることから、冷水温度の変更に時間を要して、冷房負荷の変動に対する冷水温度の変更に遅れが生じやすく、その応答性の点で改善の余地がある。また、吸収液の加熱量を制御するために、ジャケット冷却水の流量を制御するバイパス配管および三方弁が必要になって、吸収冷温水機のコストが高くなる難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1から請求項3記載の発明は、空調装置の冷房負荷の変動に対する冷水温度の変更の応答性が良好であり、しかもコスト削減が可能な吸収冷水機を提供することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、吸収液の過熱による熱分解を回避して、吸収冷水機の安定した運転を可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、冷媒を吸収した吸収液が加熱源により加熱される再生器と、前記再生器で発生した冷媒蒸気が凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮した冷媒が蒸発する蒸発器と、前記蒸発器で発生した冷媒蒸気が吸収液に吸収される吸収器と、前記吸収器に設けられて吸収液を冷却する冷却流体が流通する冷却用伝熱部を有する冷却システムと、前記蒸発器に設けられて冷媒に蒸発熱を与えて冷却される冷水が流通する冷水用伝熱部とを備える吸収冷水機において、冷水の熱は空調装置の熱負荷部に伝達され、前記冷却システムは前記冷却用伝熱部での冷却能力を調整する調整手段を有し、前記空調装置の冷房負荷を検出する冷房負荷検出手段と、前記冷房負荷検出手段により検出される冷房負荷の減少に応じて前記冷却能力が低下するように前記調整手段を制御する制御装置とを備える吸収冷水機である。
【0007】
これにより、冷房負荷が減少すると、冷却用伝熱部による吸収液の冷却の程度が減少して、吸収液の温度が上昇するため、吸収液による冷媒の吸収能力が低下して吸収冷凍サイクルのサイクル効率が低下するので、吸収液の濃度および冷媒蒸気の濃度を変更して温水温度を低下させるものに比べて、冷房負荷の減少に対応して迅速に冷水の温度が上昇すると共に、冷房負荷の増加時には、冷却用伝熱部による吸収液の冷却の程度が増加して、吸収液の温度が下降するため、吸収液による冷媒の吸収能力が向上してサイクル効率が向上するので、迅速に冷水の温度が低下する。また、冷水温度を変更するために加熱源による吸収液の加熱量を制御する必要がないので、加熱量を制御するための弁や配管をなくすことが可能になる。
【0008】
この結果、請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、再生器の吸収液の温度を低下させることなく、空調装置の冷房部分負荷運転が可能になるので、冷房負荷の変動に対応して、迅速に冷水の温度を変更することができて、冷房負荷の変動に対する冷水温度の変更の応答性が向上して良好になる。る。また、吸収液への加熱量を制御するための配管や弁をなくすことが可能になるので、吸収冷水機のコストを削減することが可能になる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸収冷水機において、前記再生器の吸収液の温度を検出する温度検出手段と、前記再生器に供給する冷媒液の流量を制御する流量制御手段とを備え、前記制御装置は、前記温度検出手段により検出される温度に応じて、吸収液が熱分解する温度よりも低い設定温度以下の温度を維持するように前記流量制御手段を制御するものである。
【0010】
これにより、吸収器での冷却用伝熱部の冷却能力の低下に起因して、吸収液の温度は上昇するものの、より低温の冷媒液が流量制御されて再生器に供給されるので、再生器での吸収液が過熱状態になって熱分解することが回避される。
【0011】
この結果、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、冷房部分負荷運転時に、吸収器での吸収液の温度は上昇するものの、吸収液が過熱状態になって熱分解することが回避されるので、熱分解する吸収液が使用される場合にも、吸収冷水機の安定した運転ができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の吸収冷水機において、前記再生器と前記凝縮器との間の流路に設けられて前記再生器で発生する冷媒蒸気を精留する精留器と、精留のために前記蒸発器の冷媒液を前記精留器に供給する制御弁とを備え、前記流量制御手段は前記制御弁であるものである。
【0013】
これにより、冷媒液を精留器に供給するために設けられた制御弁を利用して、再生器に冷媒液が無効冷媒として供給されるので、再生器に冷媒液を供給するために、弁や配管やポンプなど追加する必要がない。
【0014】
この結果、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、再生器に冷媒液を供給するために、部品点数が増加することがなく、コストの増大を防止して、吸収冷水機のコスト削減に寄与できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5を参照して説明する。
図2を参照すると、空調装置Cは、該空調装置Cに冷水を供給する吸収冷水機としての吸収冷温水機Aと室内機Bとを備える。吸収冷凍サイクルを行う吸収冷温水機Aには、冷媒として炭化水素を含む有機系物質、例えば2,2,2−トリフルオロエタノール(化学式CFCHOH、略称TFE)が、また吸収液として炭化水素を含む有機系物質、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(化学式C10O、略称DMI)が使用される。
【0016】
吸収冷温水機Aは、吸収器4で冷媒蒸気を吸収して冷媒の含有量が多い希溶液となって流入した吸収液が加熱源により加熱される再生器1と、再生器1で加熱された吸収液から蒸発して流入した冷媒が凝縮する凝縮器2と、凝縮器2で凝縮した冷媒が流入して蒸発する蒸発器3と、再生器1で加熱されて冷媒の含有量が少ない濃溶液となって流入した吸収液が蒸発器3で発生した冷媒蒸気を吸収する吸収器4とを備える。ここで、蒸発器3および吸収器4は、いずれも低圧状態に維持されている。
【0017】
そして、吸収冷温水機Aは、再生器1と凝縮器2との間に配置される精留器5と、再生器1、凝縮器2、蒸発器3および吸収器4の間を冷媒または吸収液が流通する多数の流路10〜17をそれぞれ形成する配管などの流路形成部材と、冷媒または吸収液を圧送するために流路に設けられる電動式のポンプ20〜22と、流路11,13,14,15a,17に設けられて冷媒または吸収液の流通を許容または遮断する膨張弁23、逆止弁27、各種の開閉弁24,26、流量制御弁25、過冷却器30または熱交換器31とを備える。
【0018】
さらに、吸収冷温水機Aは、冷水が流通して、室内機Bに配置された空調装置Cの熱負荷部としての出力用伝熱部62に冷水の熱を伝達する冷水供給システム6と、温水が流通して、出力用伝熱部62に温水の熱を伝達する温水供給システム7と、冷却流体としての冷却水が流通して、凝縮器2に設けられる凝縮用伝熱部83および吸収器4に設けられる第1,第2冷却用伝熱部81,82および冷却流体である冷却水の保有する熱を放熱する放熱部84を有する冷却システム8とを備える。室内機Bにおいて、出力用伝熱部62での冷水または温水との熱交換で得られた冷空気または温空気は、吹出ファンB1により、冷風または温風となって室内に吹き出される。ここで、冷水および温水として水道水を利用することができる。
【0019】
再生器1は、貯留部1aに溜まった吸収液を加熱源により加熱する加熱部1bと、加熱部1bに後述する廃熱を保有する熱流体を供給する供給路1cを形成するダクトを備える。前記加熱源は、燃焼熱を発生する装置であって燃焼機関を含む燃焼装置などの熱発生装置の廃熱であり、この実施例では、比較的負荷変動が少なく、定常流に近い排気ガスを排出する燃焼機関である発電用小型ガスタービン9の熱流体としての排気ガスの熱である。排気ガスは、ガスタービン9と加熱部1bとを連通する供給路1cを通じて加熱部1bに供給される。そして、供給路1cには、加熱部1bに供給される排気ガスの流量を制御する流量制御手段、例えばダンパが設けられていない。そのため、ガスタービン9からの排気ガスは流量制御されることなく加熱部1bに供給される。
【0020】
冷媒を吸収した吸収液が再生器1で加熱されることにより発生した冷媒蒸気中の冷媒の濃度を高めるための精留器5は、再生器1と凝縮器2とを連通する流路10内で、再生器1よりも上方に配置されており、再生器1寄りに配置される回収段5aと回収段5aの上方に配置される濃縮段5bとを有する。
【0021】
回収段5aには、吸収器4に溜まった吸収液(希溶液)を再生器1に供給する流路13において、該流路13に配置されて吸収液を再生器1に圧送するポンプ21およびその下流の逆止弁27よりも下流の位置から分岐する流路13aを経てオリフィス28により流量調整された所定量の吸収液が供給される。そのため、この吸収液は回収段5aで冷媒蒸気により加熱されて沸騰し、濃度のより高い冷媒蒸気が発生して、この冷媒蒸気が濃縮段5bに流入する。
【0022】
濃縮段5bには、蒸発器3の冷媒液を蒸発器3内で散布するための流路15に配置されたポンプ20よりも下流の位置で分岐する流路15aが連通し、該流路15aに設けられる流量制御手段としての流量制御弁25で流量が制御された冷媒液が供給される。そのため、この冷媒液は回収段5aからの冷媒蒸気により加熱されて沸騰し、濃縮段5bで発生する濃度がさらに高められた冷媒蒸気が凝縮器2に流入する。
【0023】
凝縮器2には、再生器1で発生した冷媒蒸気を凝縮するために冷却システム8の冷却水が流通する凝縮用伝熱部83と一緒に、温水供給システム7の温水が流通する温水用伝熱部71が設けられる。温水用伝熱部71では、再生器1から精留器5を経て凝縮器2に流入した冷媒蒸気の凝縮熱により温水が加熱される。
【0024】
図5(A),(B)を参照すると、凝縮器2は、冷媒蒸気の入口41が形成された側壁40cを有する単一の容器40と、容器40の下壁40bに下方に突出して設けられる貯留部2aの底に設けられて冷媒液の出口42aを形成する流出部42とを備える。そして、凝縮用伝熱部83および温水用伝熱部71は、容器40内に形成される1つの収納空間内に隣接して配置される。
【0025】
凝縮用伝熱部83および温水用伝熱部71は、いずれも金属製、この実施例ではアルミニウム合金製の平板に波状の凸部が形成された1対の伝熱プレートからなる伝熱素子を多数個積層することにより形成される伝熱ユニット51から構成されるプレート式熱交換器である。各伝熱ユニット51において、冷却水または温水は、前記各伝熱素子を構成する前記1対の伝熱プレートの積層方向で対面する内側面により形成される内側流路を流通し、冷媒は、前記1対の伝熱プレートの外側面により形成される外側流路を流通する。そして、凝縮用伝熱部83は、複数個、ここでは3つの伝熱ユニット51から構成され、温水用伝熱部71は、複数個、ここでは2つの伝熱ユニット51から構成される。なお、容器40の上壁40aには、高温の冷媒と伝熱ユニット51との接触により発生する水素を凝縮器2から取り出すための取出口40dが設けられ、取出口40dから取り出された水素は吸着剤(図示されず)に吸着される。
【0026】
各伝熱ユニット51は、この実施例では同一仕様のものであり、各伝熱ユニット51の積層方向での一側端の前記伝熱プレートには、その下端部に入口52a,54aを形成する流入部52,54、その上端部に出口53a,55aを形成する流出部53,55がそれぞれ形成される。入口52a,54aは、多数の前記伝熱素子が積層される際に、前記各伝熱素子の下端部に形成されて前記内側流路の下端に連通する貫通路を形成する部分が密封状態で結合されることにより形成される供給流路56,58に連通し、同様に、出口53a,55aは、前記各伝熱素子の上端部に形成されて前記内側流路の上端に連通する貫通路を形成する部分が密封状態で結合されることにより形成される回収流路57,59に連通する。
【0027】
冷却水の流入部43は、凝縮用伝熱部83の各入口52aに連通するように3個の伝熱ユニット51に跨って密封状態で固着される流入側ヘッダ47に接続され、冷却水の流出部44は、凝縮用伝熱部83の各出口53aに連通するように3個の伝熱ユニット51に跨って密封状態で固着される流出側ヘッダ48に接続される。同様に、温水の流入部45は、温水用伝熱部71の各入口54aに連通するように2個の伝熱ユニット51に跨って密封状態で固着される流入側ヘッダ49に接続され、温水の流出部46は、温水用伝熱部71の各出口55aに連通するように2個の伝熱ユニット51に跨って密封状態で固着される流出側ヘッダ50に接続される。
【0028】
そして、冷却水は、冷却流路80の供給側流路80aから流入部43を経て流入側ヘッダ47内に流入し、さらに各伝熱ユニット51の入口52a、供給流路56、前記内側流路、57回収流路、出口53aを経て、流出側ヘッダ48内を経て流出部44から流出して、冷却流路80の戻り側流路80bに流出する。同様に、温水は、温水流路70の戻り側流路70bから流入部45を経て流入側ヘッダ49内に流入し、さらに各伝熱ユニット51の入口54a、供給流路58、前記内側流路、回収流路59、出口55aを経て、流出側ヘッダ50内に流入し、流出部46を経て温水流路70の供給側流路70aに流出する。
【0029】
一方、再生器1から精留器5を経て流路10を流通する冷媒蒸気は、流入部41の入口41aから凝縮器2に流入し、凝縮用伝熱部83および温水用伝熱部71の各伝熱ユニット51の前記外側流路を流通し、凝縮用伝熱部83では前記内側流路を流通している冷却水により、また温水用伝熱部71では前記内側流路を流通している温水により、それぞれ冷却されて凝縮し、冷媒液になって貯留部2aに溜まった後、流出部42の出口42aから流出する。そして、温水用伝熱部71では前記外側流路を流通する冷媒蒸気の凝縮熱により温水が加熱される。
【0030】
再度、図2を参照すると、凝縮器2の流出部42(図5参照)は、過冷却器30および膨張弁23が設けられる流路11により、凝縮器2よりも低い位置に配置される蒸発器3に連通する一方、開閉弁26が設けられる流路17により精留器5の回収段5aを介して再生器1に連通する。そして、流路11を流通する比較的高温の冷媒液は、過冷却器30において蒸発器3での低温の冷媒蒸気により冷却された後、膨張弁23で断熱膨張してさらに低温になって蒸発器3に供給されるので、蒸発器3の冷却能力が向上する。
【0031】
吸収器4に流路12を介して連通する蒸発器3では、冷媒蒸気が吸収器4内の吸収液に吸収されて冷媒が蒸発し、その蒸発熱により冷水用伝熱部61を流通する冷水が冷却される。さらに、蒸発器3に溜まった冷媒液は、ポンプ20が設けられる流路15を通って蒸発器3内で冷水用伝熱部61に散布されて、冷水用伝熱部61での冷媒液の蒸発が促進される。
【0032】
吸収器4では、冷却システム8の冷却水が流通する第1,第2冷却用伝熱部81,82により、冷媒蒸気の吸収による吸収液の温度上昇が防止されて、吸収液の吸収能力、すなわち吸収液が冷媒蒸気を吸収する能力が、高い状態に維持される。吸収器4に溜められた吸収液は、流路16に設けられるポンプ22により圧送されて、第2冷却用伝熱部82に散布されて、冷媒蒸気の吸収および吸収液の冷却が促進される一方、流路14に設けられるポンプ21により圧送されて、逆止弁27を経た後、熱交換器31で再生器1から吸収器4に戻る高温の吸収液(濃溶液)により加熱された後に再生器1に流入する。
【0033】
加熱部1bにより加熱されて濃溶液となった吸収液は、再生器1から熱交換器31および開閉弁24が設けられる流路14を介して吸収器4に流入する。具体的には、再生器1に溜まった吸収液は、吸収器4よりも高圧状態にある再生器1から、低圧状態にある吸収器4に向かって流路14を流れ、熱交換器31で吸収器4からの吸収液(希溶液)により冷却され、次いで開閉弁24を通った後、吸収器4に流入して、第1冷却用伝熱部81に散布される。
【0034】
冷却水が循環する冷却回路である冷却システム8は、凝縮用伝熱部83および第1,第2冷却用伝熱部81,82のほかに、冷却水に与えられた熱を放熱する放熱部84と、冷却水を圧送する電動式のポンプ85と、それらを連通させる冷却流路80を形成する配管とを備える。放熱部84は、外気との間での熱交換により冷却水の温度を低下させる放熱用伝熱部84aと、放熱用伝熱部84aに冷却風を当てるための複数の冷却ファン84bとを備える。各冷却ファン84bは、電動モータ84cにより回転駆動され、制御装置90により制御される電動モータ84cを通じて停止状態を含めてその回転数が制御されて、冷却水の放熱量を調整することが可能である。それゆえ、この一群の冷却ファン84bは、冷却システム8の冷却能力、具体的には凝縮用伝熱部83および第1,第2冷却用伝熱部81,82での冷却能力を調整する調整手段を構成する。
【0035】
そして、第1,第2冷却用伝熱部81,82および凝縮用伝熱部83からの冷却水が放熱用伝熱部84aに戻る冷却流路80の戻り側流路80bに設けられるポンプ85により圧送されて放熱用伝熱部84aで低温になった冷却水は、放熱用伝熱部84aから第1,第2冷却用伝熱部81,82および凝縮用伝熱部83に至る冷却流路80の供給側流路80aを通ってそれら伝熱部81,82,83に供給される。
【0036】
また、冷水用伝熱部61を有する冷水供給システム6は、温水供給システム7との間で共有されて冷水および温水の流通を切り換える三方弁からなる切換弁63と、温水供給システム7との間で共有される電動式のポンプ64と、室内機Bに配置されて温水供給システム7との間で共有される出力用伝熱部62と、それらを連通させる冷水流路60を形成する配管とを有し、冷水用伝熱部61と出力用伝熱部62との間で冷水が循環する冷水回路を構成する。
【0037】
冷水流路60は、切換弁63が設けられて冷水用伝熱部61からの冷水が出力用伝熱部62に供給される供給側流路60aと、ポンプ64が設けられて出力用伝熱部62からの冷水が冷水用伝熱部61に戻る戻り側流路60bとを有する。切換弁63は、制御装置90により制御されて、出力用伝熱部62に冷水または温水を択一的に供給する。
【0038】
温水用伝熱部71を有する温水供給システム7は、切換弁63と、ポンプ64と、出力用伝熱部62と、それらを連通させる温水流路70を形成する配管とを有し、温水用伝熱部71と出力用伝熱部62との間で温水が循環する温水回路を構成する。また、温水流路70は、切換弁63が設けられて温水用伝熱部71からの温水が出力用伝熱部62に供給される供給側流路70aと、ポンプ64が設けられて出力用伝熱部62からの温水が温水用伝熱部71に戻る戻り側流路70bとを有する。
【0039】
さらに、吸収冷温水機Aは、加熱部1bに設けられて排気ガスの温度を検出する温度検出手段91と、再生器1の貯留部1aに設けられて加熱部1bで加熱された吸収液の温度を検出する温度検出手段92と、流路10に設けられて凝縮器2に流入する冷媒蒸気の温度を検出する温度検出手段93と、供給側流路60aに設けられて冷水用伝熱部61から出力用伝熱部62に供給される冷水の温度を検出する温度検出手段94と、供給側流路70aに設けられて温水用伝熱部71から出力用伝熱部62に供給される温水の温度を検出する温度検出手段95と、冷却システム8において戻り側流路80bに設けられて放熱用伝熱部84aに流入する冷却水の温度を検出する温度検出手段96と、冷房および暖房スイッチなどによる冷房運転または暖房運転であることを検出する冷暖房運転検出手段97と、室内機Bが停止状態にあることを検出することにより空調装置Cの無負荷状態を検出する無負荷運転検出手段98と、凝縮器2での冷媒液の液面レベルを検出する液面検出手段101と、蒸発器3での冷媒液の液面レベルを検出する液面検出手段102と、吸収器4での吸収液の液面レベルを検出する液面検出手段103と、制御装置90とを備える。
【0040】
各種検出手段91〜98,101〜103からの検出信号が入力される制御装置90は、それら検出手段91〜98から得られる吸収冷温水機Aの運転状態に応じて、切換弁63の切換作動、流量制御弁25の開度、開閉弁24,26および膨張弁23の開閉、各ポンプ20〜22,85の停止および運転、各冷却ファン84bの回転数などを制御する。なお、吹出ファンB1の作動を含めて室内機Bの作動状態は、別の制御装置により制御される。また、膨張弁23は、液面検出手段101により検出された冷媒液の液面が所定値未満のときに閉弁され、液面が所定値以上のときに開弁される。そして、ポンプ20,22は、液面検出手段102により検出された冷媒液の液面が所定値未満のときに停止され、液面が所定値以上のときに起動される。さらに、ポンプ21は、液面検出手段103により検出された吸収液の液面が所定値未満のときに停止され、液面が所定値以上のときに起動されると共に、液面のレベルが高くなるにつれてその回転数が増加するように制御される。
【0041】
次に、図1〜図4を参照して、ガスタービン9が作動状態にあって、その排気ガスが再生器1の加熱部1bに連続的に供給されているときの吸収冷温水機Aの作動および運転方法を、空調装置Cの運転と関連して説明する。
【0042】
先ず、図1を参照すると、空調装置Cが無負荷運転のとき、すなわち室内機Bが作動しておらず、出力用伝熱部62での熱交換が行われていないときは、無負荷運転検出手段98からの検出結果に応じて、制御装置90は、膨張弁23、開閉弁24、流量制御弁25を閉弁し、ポンプ20〜22,64の作動を停止するため、蒸発器3、吸収器4、冷水供給システム6および温水供給システム7が非作動状態になる。そして、加熱部1bにより加熱されて再生器1で発生し、流路10を通って凝縮器2に流入した冷媒蒸気は、凝縮用伝熱部83において冷却システム8を循環する冷却水により冷却されて凝縮し、冷媒液となって貯留部2aに溜まる。凝縮器2から流出する冷媒液の全量は、流路17および開弁している開閉弁26を通って精留器5の回収段5aを経て再生器1に還流して、冷媒が再生器1と凝縮器2との間で循環する。
【0043】
一方、冷却システム8では、凝縮用伝熱部83で与えられた凝縮熱により温度が上昇した冷却水が、ポンプ85により圧送されて放熱部84に圧送され、冷却ファン84bによる冷却風が当たる放熱用伝熱部84aで保有する熱を外気中に放出した後、低温となって第1,第2冷却用伝熱部81,82を通った後、凝縮用伝熱部83において凝縮器2内の冷媒蒸気を凝縮させて、冷却システム8を循環する。このとき、制御装置90は、加熱部1bで冷媒蒸気に与えられた熱量と、凝縮用伝熱部83で冷媒蒸気が冷却水に与える凝縮熱の熱量とが均衡するように、温度検出手段96により検出された冷却水の温度に基づいて、冷却ファン84bの回転数または運転台数を制御して、冷却水の放熱量を調整し、凝縮用伝熱部83での冷却能力を調整する。
【0044】
次に、図2を参照して、空調装置Cの冷房運転時の吸収冷温水機Aの作動および運転方法を説明する。冷房運転のときは、冷暖房運転検出手段97の検出結果に基づいて、制御装置90は、開閉弁26を閉弁し、切換弁63を冷水が冷水供給システム6を循環するように冷水側に切り換えるため、温水供給システム7が非作動状態になる。
【0045】
加熱部1bにより加熱されて再生器1で発生した冷媒蒸気は、精留器5を通って濃縮された後、凝縮器2に流入する。凝縮器2で、冷媒蒸気は、凝縮用伝熱部83を流通する冷却水により冷却されて凝縮し、冷媒液になって貯留部2aに溜まる。この冷媒液は、流路11の過冷却器30および膨張弁23を経て低圧状態にある蒸発器3に流入して、その蒸発熱により冷水用伝熱部61を流通する冷水を冷却する。蒸発した冷媒は流路12を通った後、吸収器4において第1,第2冷却用伝熱部81,82により冷却されている吸収液に吸収される。そして、希溶液となった吸収液は、ポンプ21により圧送されて、逆止弁14を通って熱交換器31で加熱された後、再生器1に流入する。そして、再生器1で濃溶液となった吸収液は開閉弁24を通って吸収器4に流入する。
【0046】
冷水用伝熱部61で冷却された冷水は、冷水流路60の供給側流路60aおよび切換弁63を通って出力用伝熱部62に供給され、そこで室内の空気と熱交換した後、ポンプ64により圧送されて戻り側流路60bを通って冷水用伝熱部61に流入して、冷水供給システム6を循環する。
【0047】
冷却システム8において、放熱用伝熱部84aで冷却された冷却水は、吸収器4内に設けられる第1,第2冷却用伝熱部81,82での熱交換により温度上昇し、次いで凝縮器2において凝縮用伝熱部83で凝縮熱を得てさらに温度上昇した後、放熱部84で冷却ファン84bの冷却風で冷却される。
【0048】
このとき、冷却ファン84bの回転数および運転台数の制御による冷却システム8の冷却能力は、温度検出手段94の検出結果に基づいて制御される。すなわち、制御装置90の記憶装置には、空調装置Cが冷房最大負荷である冷房定格負荷で運転されているときに出力用伝熱部62に供給される冷水の温度として、予め設定された所定冷水温度(例えば7°C)が記憶されている。そして、放熱用伝熱部84aでの放熱量を決定する冷却ファン84bの送風量は、空調装置Cの冷房定格負荷運転時に、出力用伝熱部62に供給される冷水の温度が前記所定冷水温度を維持するように、制御装置90により制御される。
【0049】
ところで、冷房定格負荷運転時での冷却システム8の冷却能力が保持される場合、空調装置Cが冷房定格負荷運転時の冷房負荷よりも小さな冷房負荷で運転されると、温度検出手段94で検出される温度は前記所定冷水温度よりも低下する。それゆえ、温度検出手段94は、空調装置Cの冷房負荷を検出する冷房負荷検出手段を構成する。
【0050】
そして、冷水の温度が前記所定冷水温度よりも低下したことが温度検出手段94により検出されたとき、すなわち冷房負荷が冷房定格負荷よりも小さい冷房部分負荷運転時に、制御装置90は、温度検出手段94により検出される温度、すなわち冷房部分負荷の大きさに応じて、冷水の温度が前記所定冷水温度となるように、冷却ファン84bの回転数および運転台数を制御して、冷却システム8の冷却能力を低下させる。この冷却能力の低下により、吸収器4では第1,第2冷却用伝熱部81,82の冷却能力が低下して、吸収液の冷却度合いが減少するので、吸収液の温度が冷房定格負荷運転時に比べて上昇する。このため、吸収液の吸収能力が低下して、吸収冷凍サイクルのサイクル効率が低下するので、冷水用伝熱部61での冷水の冷却度合いが減少して、冷房部分負荷運転時にも冷水の温度が前記所定冷水温度に維持される。
【0051】
さらに、冷房部分負荷運転時には、冷却システム8の冷却能力が低下することから、吸収液の温度が上昇して、再生器1で加熱される吸収液の温度も、冷房定格負荷運転時に比べて上昇するので、冷房負荷がかなり小さい場合には、再生器1での吸収液の温度が、吸収液が過熱状態になって熱分解する温度以上になることがあり、その場合には吸収液の吸収能力が失われる。そこで、吸収液の過熱による熱分解を回避するため、制御装置90は、温度検出手段91の検出結果に基づいて、流路15aを通じて精留器5の濃縮段5b、ひいては再生器1に供給される冷媒液の流量を精留時の流量よりも多くして、再生器1に貯留される吸収液の温度を、吸収液が熱分解する温度よりも低い設定温度以下、例えばDMIが熱分解する温度よりも低温である150°C以下の温度に維持するように、流量制御弁25の開度を制御する。
【0052】
次に、図3,図4を参照して、空調装置Cの暖房運転時の吸収冷温水機Aの作動および運転方法を説明する。
先ず、図3を参照して、暖房定格負荷運転のときの吸収冷温水機Aの作動および運転方法を説明する。暖房運転のときは、冷暖房運転検出手段97の検出結果に基づいて、制御装置90は、膨張弁23、開閉弁24および流量制御弁25を閉弁し、ポンプ20〜22を非作動状態にし、切換弁63を温水が温水供給システム7を循環するように温水側に切り換えるため、蒸発器3、吸収器4および冷水供給システム6が非作動状態になる。加熱部1bにより加熱されて再生器1で発生した冷媒蒸気は、流路10を通って凝縮器2に流入する。さらに、後述する温度検出手段95の検出結果に基づいて、暖房最大負荷である暖房定格負荷での暖房定格負荷運転時に、制御装置90はポンプ85および冷却ファン84bの作動を停止するため、冷却システム8が非作動状態になる。
【0053】
そのため、暖房定格負荷運転時に、冷媒蒸気は、凝縮器2に配置された凝縮用伝熱部83および温水用伝熱部71のうち、温水用伝熱部71のみで、該温水用伝熱部71を流通する温水により冷却されて凝縮し、冷媒液になって貯留部2aに溜まる。この冷媒液は、流路17および開弁している開閉弁26を通って精留器5の回収段5aを経て再生器1に流入する。それゆえ、温水は温水用伝熱部71で冷媒蒸気の凝縮熱により加熱される。
【0054】
温水用伝熱部71で加熱された温水は、温水流路70の供給側流路70aおよび切換弁63を通って出力用伝熱部62に供給され、そこで室内の空気と熱交換した後、ポンプ64により圧送されて戻り側流路70bを通って温水用伝熱部71に流入して、温水供給システム7を循環する。
【0055】
ところで、制御装置90の記憶装置には、空調装置Cが暖房定格負荷で運転されているときに出力用伝熱部62に供給される温水の温度として、予め設定された所定温水温度(例えば55°C)が記憶されている。そして、空調装置Cが暖房定格負荷運転時の暖房負荷よりも小さな暖房負荷で運転されると、温度検出手段95で検出される温度は、前記所定温水温度よりも上昇する。それゆえ、温度検出手段95は、空調装置Cの暖房負荷を検出する暖房負荷検出手段を構成する。
【0056】
図4を参照すると、暖房部分負荷運転のときは、制御装置90はポンプ85および冷却ファン84bを作動させるため、暖房定格負荷運転のときに非作動状態になる冷却システム8が作動する。冷却システム8の作動により、凝縮用伝熱部83を流通する冷却水が凝縮機2内の冷媒蒸気を凝縮させるため、その分、温水用伝熱部71での温水による冷媒蒸気の凝縮量が低下する。
【0057】
そして、温水の温度が前記所定温水温度よりも低下したことが温度検出手段95により検出されたとき、すなわち暖房負荷が暖房定格負荷よりも小さくなる暖房分負荷運転時に、制御装置90は、温度検出手段95により検出される温度、すなわち暖房負荷の大きさに応じて、温水の温度が前記温水テーブルにより設定される前記所定温水温度となるように、冷却ファン84bの回転数および運転台数、すなわち放熱用伝熱部84aでの放熱量を制御して、冷却システム8の冷却能力を向上させる。この冷却能力の向上により、凝縮器2では凝縮用伝熱部83の冷却能力が向上して、温水用伝熱部71での冷媒蒸気の凝縮量が減少するので、温水の温度が暖房定格負荷運転時に比べて低下して、暖房部分負荷運転時にも温水の温度が前記所定温水温度に維持される。
【0058】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
空調装置Cの無負荷運転時に、冷水供給システム6および温水供給システム7が非作動状態にある吸収冷温水機Aでは、凝縮用伝熱部83で冷却水に与えられた冷媒蒸気の凝縮熱が冷却システム8の放熱部84から外部に放熱されることにより、冷水供給システム6および温水供給システム7が非作動状態にあるにも拘わらず、再生器1での排気ガスによる吸収液の加熱を停止または加熱量を大幅に減少させて吸収液の温度を大幅に低下させる必要がないので、空調装置Cの冷房運転または暖房運転の開始時に、迅速に冷水温度が低下または温水温度が上昇して、負荷運転に移行するときの冷水温度および温水温度の変更の応答性が向上し、冷房運転または暖房運転の立上がりが良好になる。さらに、吸収液の加熱量を制御する必要がないため、再生器1に備えられる排気ガスの供給路1cには、加熱量を制御するために排気ガスの流量を制御するためのダンパなどの流量制御手段が設けられていないので、吸収冷温水機Aのコストを削減することができる。
【0059】
冷却システム8は、第1,第2冷却用伝熱部81,82での冷却能力を調整する一群の冷却ファン84bを有する放熱部84を有し、さらに吸収冷温水機Aが、空調装置Cの冷房負荷を検出する温度検出手段94と、該温度検出手段94により検出される冷房負荷の減少に応じて冷却能力が低下するように冷却ファン84bを制御する制御装置90とを備えることにより、冷房負荷が減少すると、第1,第2冷却用伝熱部81,82による吸収液の冷却の程度が減少して、吸収液の温度が上昇するため、吸収液による冷媒の吸収能力が低下して吸収冷凍サイクルのサイクル効率が低下するので、吸収液の濃度および冷媒蒸気の濃度を変更して温水温度を低下させるものに比べて、冷房負荷の減少に対応して迅速に冷水の温度が上昇すると共に、冷房負荷の増加時には、第1,第2冷却用伝熱部81,82による吸収液の冷却の程度が増加して、吸収液の温度が低下するため、吸収液による冷媒の吸収能力が向上してサイクル効率が向上するので、迅速に冷水の温度が低下する。この結果、再生器1の吸収液の温度を低下させることなく、空調装置Cの冷房部分負荷運転が可能になるので、冷房負荷の変動に対応して、迅速に冷水の温度を変更することができて、冷房負荷の変動に対する冷水温度の変更の応答性が向上して良好になる。
【0060】
制御装置90は、温度検出手段92により検出される温度に応じて、吸収液が熱分解する温度よりも低い前記設定温度以下の温度を維持するように流量制御弁25を制御することにより、吸収器4での第1,第2冷却用伝熱部81,82の冷却能力の低下に起因して、吸収液の温度は上昇するものの、より低温の冷媒液が無効冷媒として流量制御されて再生器1に供給されるため、熱分解される吸収液が使用される場合にも、再生器1において吸収液が過熱状態になって熱分解することが回避されるので、吸収冷温水機Aの安定した運転ができる。
【0061】
冷房部分負荷運転時に、吸収液が熱分解する温度以上になることを回避するための冷媒液は、精留のために蒸発器3の冷媒液を精留器5に供給する流量制御弁25を利用して、該流量制御弁25により流量制御されて再生器1に供給されることにより、再生器1に冷媒液を供給するために弁や配管やポンプなど追加する必要がないので、部品点数が増加することがなく、コストの増大を防止して、吸収冷温水機Aのコスト削減に寄与できる。
【0062】
温水用伝熱部71は、凝縮用伝熱部83と共に凝縮器2に設けられることにより、凝縮用伝熱部83と温水用伝熱部71とが単一の凝縮器2に設けられるので、それら伝熱部が冷媒蒸気が流入する別個の容器40にそれぞれ設けられる場合に比べて、吸収冷温水機Aがコンパクトになり、冷媒蒸気の流路を形成するための配管などが減少して部品点数および組立工数が減少するので、吸収冷温水機Aのコストが削減される。
【0063】
冷却システム8が凝縮用伝熱部83での冷却能力を調整する一群の冷却ファン84bを有し、吸収冷温水機Aが、空調装置Cの暖房負荷を検出する温度検出手段95と、該温度検出手段95により検出される暖房負荷の減少に応じて冷却能力が向上するように冷却ファン84bを制御する制御装置90とを備えることにより、暖房負荷が減少すると、凝縮器2に流入する冷媒蒸気が発生し得る凝縮熱のうち、空調装置Cの出力用伝部62で必要とする熱に対応して温水用伝熱部71で温水に与えられる部分以外の余剰部分は、冷却性能が向上した凝縮用伝熱部83で冷却流体に与えられるので、暖房負荷が減少する際に、再生器1の吸収液への加熱量を減少して吸収液の温度を低下させることにより、吸収液の濃度および冷媒蒸気の濃度を変更して温水温度を低下させるものに比べて、暖房負荷の減少に対応して迅速に温水温度が低下すると共に、暖房負荷の増加時にも、迅速に温水温度が上昇するので、温水負荷の変動に対する温水温度の変更の応答性が向上して良好になる。
【0064】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
吸収冷温水機Aは、前記実施例では空調装置Cに使用されたが、冷水および温水の少なくとも一方を供給する給水機に使用されてもよく、さらに冷水を供給する暖房機または温水を供給する冷房機に使用されてもよい。
【0065】
前記実施例では、冷水供給システム6と温水供給システム7とは、切換弁63により冷水または温水が流れる共有される流路および出力用伝熱部を備えているが、冷水供給システム6と温水供給システム7とが互いに独立した供給システムとして構成されてもよく、その場合には、冷水および温水を同時に取り出すことができるようにされてもよい。
【0066】
前記実施例では、冷水供給システム6の供給側流路60aおよび温水供給システム7の供給側流路70aに共用される1つの切換弁63が設けられたが、冷水供給システム6の戻り側流路60bおよび温水供給システム7の戻り側流路70bにも共用される三方弁からなる別の切換弁が設けられて、出力用伝熱部62への冷水および温水の切換が、2つの切換弁により行われてもよい。
【0067】
冷却システム8の放熱部84は、冷却ファン84bを使用するラジエータで構成されたが、クーリングタワーにより構成されてもよい。また、冷却システム8の冷却能力は、冷却ファン84bの調整ではなく、冷却システム8に設けられる可変流量ポンプまたは流量制御弁により、冷却水の流量を制御して調整されてもよい。
【0068】
冷水供給システム6および温水供給システム7の戻り側流路60b,70bの冷水および温水の温度を検出する温度検出手段99(図2に二点鎖線で示される。)を設けて、空調装置Cの冷房負荷または暖房負荷が、冷水供給システム6および温水供給システム7の供給側流路60a,70aと戻り側流路60b,70bでのそれぞれの温度差から検出されてもよく、さらに別の負荷検出手段により検出されてもよい。
【0069】
冷媒としてTFE以外の有機系物質、吸収液としてDMI以外の有機系物質が使用されてもよく、さらに冷媒として水、吸収液としてリチウムブロマイドの組み合わせ、または冷媒としてアンモニア、吸収液として水の組み合わせなどの無機系物質の組み合わせが採用されてもよい。
【0070】
前記実施例では、吸収冷水機は、空調装置Cに温水を供給することもできる吸収冷温水機Aであったが、空調装置Cに冷水のみを供給するものであってもよい。また、廃熱は、燃焼装置の冷却水の熱や燃焼装置で発生する蒸気の熱など、熱流体を発生するいかなる燃焼装置の廃熱であってもよく、さらには、加熱源は熱発生装置のいかなる熱であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である吸収冷温水機の概略の構成図であり、空調装置が無負荷運転のときの説明図である。
【図2】図1と同様の構成図であり、空調装置が冷房運転のときの説明図である。
【図3】図1と同様の構成図であり、空調装置が暖房定格負荷運転のときの説明図である。
【図4】図1と同様の構成図であり、空調装置が暖房部分負荷運転のときの説明図である。
【図5】図1の吸収冷温水機の凝縮器を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)でのB矢視図である。
【符号の説明】
1…再生器、2…凝縮器、3…蒸発器、4…吸収器、5…精留器、6…冷水供給システム、7…温水供給システム、8…冷却システム、9…ガスタービン、10〜17…流路、20〜22…ポンプ、23〜27…弁、28…オリフィス、30…過冷却器、31…熱交換器、
40…容器、41…入口、43,45…流入部、42,44,46…流出部、47〜50…ヘッダ、51…伝熱ユニット、52,54…流入部、53,55…流出部、56,58…供給流路、57,59…回収流路、60…冷水流路、61…冷水用伝熱部、62…出力用伝熱部、63…切換弁、64…ポンプ、71…温水用伝熱部、
80…冷却流路、81,82…冷却用伝熱部、83…凝縮用伝熱部、84…放熱部、85…ポンプ、
90…制御装置、91〜99,101〜103…検出手段、
C…空調装置、A…吸収冷温水機、B…室内機

Claims (3)

  1. 冷媒を吸収した吸収液が加熱源により加熱される再生器と、前記再生器で発生した冷媒蒸気が凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮した冷媒が蒸発する蒸発器と、前記蒸発器で発生した冷媒蒸気が吸収液に吸収される吸収器と、前記吸収器に設けられて吸収液を冷却する冷却流体が流通する冷却用伝熱部を有する冷却システムと、前記蒸発器に設けられて冷媒に蒸発熱を与えて冷却される冷水が流通する冷水用伝熱部とを備える吸収冷水機において、
    冷水の熱は空調装置の熱負荷部に伝達され、前記冷却システムは前記冷却用伝熱部での冷却能力を調整する調整手段を有し、前記空調装置の冷房負荷を検出する冷房負荷検出手段と、前記冷房負荷検出手段により検出される冷房負荷の減少に応じて前記冷却能力が低下するように前記調整手段を制御する制御装置とを備えることを特徴とする吸収冷水機。
  2. 前記再生器の吸収液の温度を検出する温度検出手段と、前記再生器に供給する冷媒液の流量を制御する流量制御手段とを備え、前記制御装置は、前記温度検出手段により検出される温度に応じて、吸収液が熱分解する温度よりも低い設定温度以下の温度を維持するように前記流量制御手段を制御することを特徴とする請求項1記載の吸収冷水機。
  3. 前記再生器と前記凝縮器との間の流路に設けられて前記再生器で発生する冷媒蒸気を精留する精留器と、精留のために前記蒸発器の冷媒液を前記精留器に供給する制御弁とを備え、前記流量制御手段は前記制御弁であることを特徴とする請求項2記載の吸収冷水機。
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JP2019027601A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 東プレ株式会社 冷媒回路装置

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