JP2004244746A - 中入れ綿を用いた衣料品及びその縫製方法 - Google Patents

中入れ綿を用いた衣料品及びその縫製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冬季スポーツ用ウェア又はパンツ、一般防寒着、作業着など、保温性を必要とする衣料品に関し、外観から見えるシルエットが美しく、且つ保温性が向上していると共に着用感にも優れた衣料品を提供することを課題とする。
【解決手段】表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入された衣料品であって、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍である衣料品およびその縫製方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表地と裏地との間に保温性を付与する中入綿を挿入した衣料品に関する。詳細には、例えば、冬季スポーツ用ウェア又はパンツ、一般防寒着、作業着など、保温性を必要とする衣料品に係わり、特に外観から見えるシルエットの美しさに優れ、且つ着用感にも優れた高品質の衣料品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冬季スポーツ用ウェアや防寒着などの保温性を必要とする衣料品には、保温性を付与する中入綿を、表地と裏地との間に挿入した衣料品が用いられていた。このような中入れ綿としては、例えば、ポリエステル繊維などをアクリル系バインダーで接着した嵩高な不織布が使用されていた。このような不織布は嵩高で空気を大量に含んでいるため、保温性に優れるものであった。
【0003】
しかし、近年、このような衣料品にも高級感のある素材が求められており、特に外観から見えるシルエットの美しさと共に保温性にも優れ着用感も優れた高品質の衣料品が求められている。
【0004】
このような中入れ綿を改良したものとしては、例えば特公平4−9139号公報(特許文献1)に、含水時の厚さがもとの厚さの30%以下となるウエブ層と含水時の厚さがもとの厚さの50%以上となるウエブ層とを積層し、水系接着剤を付与させてなる表面に緻密層を有する中入れ綿が記載されている。この中入れ綿は、緻密な不織布層が中入れ綿の表面に形成されているため、磨耗性、ドライクリーニング性あるいは洗濯性に優れ、さらには着用時に綿抜けの発生がなく、しかも嵩高な層に保持される暖かな空気を緻密層が逃がさないので保温性に富んでいる。また、表面に緻密層を有するため、強度に優れ、保形性も高いので縫製作業性に優れている。また、薄くてソフトな表生地にラミネートしても表面荒れが起きないという効果を奏することが記載されている。
【0005】
また、この中入れ綿は、緻密な不織布層が中入れ綿の表面に形成されているため、薄くてソフトな表生地にラミネートしても表面荒れが起きないという、他面と相違する表面特性を付与することができる。しかし、この中入れ綿は、1枚ものとして作用するので、表地と裏地に同等の保形性や風合いを付与するものであり、表地と裏地に異なる保形性や風合い等の特性を付与することはできなかった。すなわち、表地に対しては保形性を高めシルエットを美しく見せ、一方裏地に対しては風合いを柔軟にして着用感を優れたものとすることはできなかった。
【0006】
また、中入れ綿を用いた衣料品としては、例えば特開2002−27884号公報(特許文献2)に、衣服本体(1)に中綿(2)が収容されてなる釣り用衣服であって、前記中綿(2)は、複数の不織布(2a、2b)が積層されてなることを特徴とする釣り用衣服が記載されている。この釣り用衣服は、従来の釣り用衣服においては、防寒性の高いものとするためには、中綿の厚さ(衣服本体の表裏方向の厚さ)を厚くする必要があるが、中綿の厚さが厚くなれば厚くなるほど動き難くなるものであったという問題があったのに対して、中綿の不織布を積層することにより(但し合計の厚さは同じにする)、積層された不織布の間に空隙を形成することによって、防寒性を向上させ且つ動き易くしたものである。
【0007】
しかし、この中入れ綿は、複数積層して使用するものの、防寒性や動き易さを追求したものであり、表地と裏地に異なる保形性や風合い等の特性を付与することはできなかった。すなわち、表地に対しては保形性を高めシルエットを美しく見せ、一方裏地に対しては風合いを柔軟にして着用感を優れたものとすることはできなかった。
【0008】
【特許文献1】
特公平4−9139号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2002−27884号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術に対して、外観から見えるシルエットが美しく、且つ保温性が向上していると共に着用感にも優れた衣料品を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、請求項1の発明では、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入された衣料品であって、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍であることを特徴とする衣料品である。
【0011】
請求項2の発明では、中入れ綿Aは表地の裏側に積層一体化されており、中入れ綿Bは裏地の裏側に積層一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の衣料である。
【0012】
請求項3の発明では、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとを挿入するに際し、中入れ綿Aを表地の裏側に配し、中入れ綿Bを裏地の裏側に配し、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍とすることを特徴とする衣料品の縫製方法である。
【0013】
請求項4の発明では、中入れ綿Aを表地の裏側に積層一体化し、中入れ綿Bを裏地の裏側に積層一体化することを特徴とする請求項3に記載の衣料品の縫製方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる衣料品の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明の衣料品は、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入された衣料品であって、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍であることを特徴とする衣料品である。
【0016】
また、本発明の衣料品の縫製方法は、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとを挿入するに際し、中入れ綿Aを表地の裏側に配し、中入れ綿Bを裏地の裏側に配し、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍とすることを特徴とする衣料品の縫製方法である。
【0017】
前記表地としては、例えばタフタ、ツイル、サテン、シャンタン、高密度織物などがあり、この中でもシャンタンは表面変化があり、高密度織物であれば通気性が少なく保温性が良い、綿抜けがし難いなどの利点があり好ましい。
【0018】
前記裏地としては、例えばタフタ、ツイル、サテンなどがあり、この中でもタフタ、ツイルであれば、厚さが薄く、またすべりが良いなどの利点があり好ましい。
【0019】
中入れ綿Aおよび中入れ綿Bとしては、従来中入れ綿として使用される不織布であることができ、例えばポリエステル繊維などをアクリル系バインダーなどで接着した嵩高な不織布とすることができる。この不織布は嵩高で空気を大量に含んでいるため、保温性に優れるものである。
【0020】
前記不織布は、例えば、乾式法及び/又は湿式法により繊維ウエブを形成した後、バインダーによって接着したり、繊維の融着性を利用して融着したり、水流やニードルによって絡合したり、或はこれらを適宜組み合わせることによって形成できる。これらの中でも、バインダーによって接着する方法であると、嵩高な状態で繊維ウエブを接着できるため、保温性のより優れた中入れ綿を形成でき、好適な製造方法である。
【0021】
前記不織布の面密度は、10〜150g/mであるのが好ましく、20〜80g/mであることがより好ましい。また、前記中入れ綿Aの厚さは2〜30mmであるのが好ましく、4〜20mmであることがより好ましい。また、前記中入れ綿Bの厚さは2〜25mmであるのが好ましく、4〜15mmであることがより好ましい。
【0022】
前記不織布がバインダーによって接着する方法の場合、バインダーの質量は繊維の質量に対して、5〜50%が好ましく、7〜35%が更に好ましい。
【0023】
前記不織布を構成する繊維はポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリルなどの合成繊維などがあり、これらを単品としてまたは組合せてなることができる。また、スパイラル状の巻縮を有する繊維を用いて反撥弾性や嵩高保持性に優れる、ポリエステルと変性ポリエステルとを組み合わせた繊維であることが好ましい。
【0024】
このようなスパイラル状の巻縮を有する繊維は、不織布構成繊維全体の10質量%以上含まれていることが好ましく、保形性や風合いにより優れるように、30質量%以上含まれていることがより好ましく、50質量%以上含まれていることが更に好ましい。
【0025】
前記不織布を構成する繊維を接着するバインダーとしては、例えば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、ポリエステル系、或はこれらに架橋剤を添加したものなどが好適である。これらの中でも、アクリル系のバインダーは、不織布の構成繊維として好適であるポリエステル繊維との接着性及び耐水性に優れ、しかも柔軟な樹脂皮膜を形成でき、風合いを損なわないので、特に好適である。
【0026】
このバインダーの付与方法としては、例えば、スプレー法、含浸法、塗布法などがあるが、これらの中でもスプレー法であれば、嵩高で保温性に優れる中入綿を形成できるので、好適な付与方法である。
【0027】
中入れ綿Aを構成する繊維の平均繊度は2〜20デシテックスであることが好ましい。また、3〜15デシテックスであることがより好ましく、4〜10デシテックスであることが更に好ましい。また、中入れ綿Bを構成する繊維の平均繊度は1〜10デシテックスであることが好ましい。また、1.5〜5デシテックスであることがより好ましく、1.5〜4デシテックスであることが更に好ましい。
【0028】
本発明では、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍であることが必要である。また、1.5〜3倍であることが好ましい。また、1.2倍未満であると、表地の保形性が十分に得られないという問題がある。また、10倍を超えると表地側の風合いが硬くなりすぎるという問題がある。
【0029】
なお、平均繊度の計算方法としては、各繊維の繊度をaデシテックス、bデシテックス、cデシテックス・・・として、各繊維の含有割合をそれぞれa’質量%、b’質量%、c’質量%・・・とすると、(a’/a)+(b’/b)+(c’/c)・・・=(100/x)の関係式が成り立ち、この関係式から平均繊度xを求めることができる。
【0030】
本発明では、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されている。このような形態としては、例えば表地と裏地との間に、中入れ綿Aと中入れ綿Bとを重ねて挿入された形態がある。この場合、表地と中入れ綿Aの間、中入れ綿Aと中入れ綿Bの間、中入れ綿Bと裏地の間は縫製や接着によって接合されていない。そのため、中入れ綿A、Bがそれぞれ独立して表地と裏地との間で自由に伸縮することができ、衣料品は表地や裏地の動きに対する追従性に優れる。
【0031】
また、中入れ綿Aが表地の裏側に積層一体化されている形態も可能である。例えば表地と中入れ綿Aとを予め縫製や接着によって接合してから、中入れ綿Bと裏地とを重ねた形態がある。この場合、表地に対して保形性の効果を高め、可縫性を向上させることができるので好ましい。
【0032】
また、中入れ綿Bが表地の裏側に積層一体化されている形態も可能である。例えば裏地と中入れ綿Bとを予め縫製や接着によって接合してから、中入れ綿Aと表地とを重ねた形態がある。この場合、中入れ綿Bの耐久性を高め、可縫性を向上させることができるので好ましい。
【0033】
前記、積層一体化の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、キルティング加工で実施される縫製方法を適用することが可能である。具体的には、例えば、表地と中入れ綿Aとを合わせ、ポリエステルなどの糸を用いて、一定間隔の縫いピッチで格子柄やダイヤ柄にキルト加工を行なう方法がある。また、例えば、接着芯地に適用される接着樹脂の塗布方法を利用することも可能である。具体的には、例えば、中入れ綿Bの片面にアクリル系樹脂のエマルション液をロールにて塗布しておき、塗布面を内側として裏地と貼り合わせてから熱乾燥させて接着する方法がある。
【0034】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
(実験例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=6デシテックス、繊維長=51mm)40質量%と、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=3デシテックス、繊維長=64mm)40質量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂成分とポリブチレンテレフタレート樹脂成分とから形成されたサイドバイサイド型複合繊維(繊度=7デシテックス、繊維長=70mm)20質量%とからなる面密度48g/mの繊維ウエブをカード機によって作製した。
次に、アクリル系樹脂のエマルション液(濃度=7%)を調製し、このエマルション液を、この繊維ウエブの両面に、片面あたり面密度が6g/m(乾燥固形分)となるようスプレーして、その後乾燥及びキュアリングを施して、面密度が60g/m、厚さ8.5mmの中入れ綿Aを作製した。
この中入れ綿Aの平均繊度は、4.4デシテックスであった。
【0036】
(実験例2)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=1.9デシテックス、繊維長=51mm)60質量%と、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=2.2デシテックス、繊維長=51mm)40質量%とからなる面密度30g/mの繊維ウエブをカード機によって作製した。
次に、アクリル系樹脂のエマルション液(濃度=5%)を調製し、このエマルション液を、この繊維ウエブの両面に、片面あたり面密度が2.5g/m(乾燥固形分)となるようスプレーして、その後乾燥及びキュアリングを施して、面密度が35g/m、厚さ5.0mmの中入れ綿Bを作製した。
この中入れ綿Bの平均繊度は、2.0デシテックスであった。
【0037】
(実験例3)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=6デシテックス、繊維長=51mm)20質量%と、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=3デシテックス、繊維長=51mm)40質量%と、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度=2.2デシテックス、繊維長=51mm)20質量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂成分とポリブチレンテレフタレート樹脂成分とから形成されたサイドバイサイド型複合繊維(繊度=7デシテックス、繊維長=70mm)20質量%とからなる面密度80g/mの繊維ウエブをカード機によって作製した。
次に、アクリル系樹脂のエマルション液(濃度=5%)を調製し、このエマルション液を、この繊維ウエブの両面に、片面あたり面密度が5g/m(乾燥固形分)となるようスプレーして、その後乾燥及びキュアリングを施して、面密度が90g/m、厚さ12.5mmの中入れ綿Cを作製した。
この中入れ綿Cの平均繊度は、3.5デシテックスであった。
【0038】
(実施例1)
ポリエステルサテンの表地とポリエステルタフタの裏地とを準備して、それぞれスキーウェアーの前身頃、後身頃、袖、衿などのパーツ形状に裁断した。また、実験例1で得た中入れ綿Aと実験例2で得た中入れ綿Bとを重ねて、表地または裏地のパーツ形状と同じ寸法に裁断した。次に、表地のパーツと同じ形状の中入れ綿Aのパーツを合わせて周囲を仮止めした。次にこれらのパーツを縫い合わせて表地側縫製品を得た。次に、裏地のパーツと同じ形状の中入れ綿Bのパーツを合わせて周囲を仮止めした。次にこれらのパーツを縫い合わせて裏地側縫製品を得た。次に表地側縫製品と裏地側縫製品とを縫い合わせて防寒用スキーウェアーを得た。
このスキーウェアーは、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入されており、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の2.2倍であった。また、このスキーウェアーを着用したところ、外観から見えるシルエットが美しく、保温性にも優れ着用感にも優れていた。
【0039】
(実施例2)
ポリエステルサテンの表地に実験例1で得た中入れ綿Aを合わせ、ポリエステル#50の糸を用いて、8針/インチの縫いピッチで格子柄にキルト加工を行って、表地と中入れ綿Aを一体化させた表地側縫製品を得た。また、ポリエステルタフタの裏地に実験例2で得た中入れ綿Bを合わせて表地側と同様にポリエステル#50の糸で8針/インチの縫いピッチでダイヤ柄にキルト加工を行って裏地と中入れ綿Bを接合させた裏地側縫製品を得た。得られた表地側縫製品と裏地側縫製品をそれぞれスキーウェアーの前身頃、後身頃、袖、衿などのパーツ形状に裁断した。次にこれらのパーツを縫い合わせたて、防寒用スキーウェアーを得た。
このスキーウェアーは、表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入されており、中入れ綿Aは表地の裏側に積層一体化されており、中入れ綿Bは裏地の裏側に積層一体化されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の2.2倍であった。また、このスキーウェアーは表地側に太デニールの中入れ綿、裏地側に細デニールの中入れ綿を組み合わせることによって、外観面では表地側に配した太デニールの中入れ綿の反発性によって美しいシルエットが形成されており、また裏地側の細デニールの中入れ綿のソフトさによって肌当たりが良く、保温性も良く、着用感の良いスキーウェアーであった。
【0040】
(比較例1)
ポリエステルサテンの表地とポリエステルタフタの裏地とを準備して、それぞれスキーウェアーの前身頃、後身頃、袖、衿などのパーツ形状に裁断した。また、実験例1で得た中入れ綿Aを、表地または裏地のパーツ形状と同じ寸法に裁断した。次に、表地のパーツと同じ形状の中入れ綿Aのパーツを合わせて周囲を仮止めした。次にこれらのパーツを縫い合わせて表地側縫製品を得た。次に裏地のパーツを縫い合わせて裏地側縫製品を得た。次に表地側縫製品と裏地側縫製品とを縫い合わせて防寒用スキーウェアーを得た。
このスキーウェアーは、表地と裏地との間に中入れ綿Aが挿入されていた。このスキーウェアーは実施例1で得られたスキーウェアーと比較すると外観から見えるシルエットは同等であったが、肌あたりが硬く着用感に劣るものであった。
【0041】
(比較例2)
ポリエステルサテンの表地とポリエステルタフタの裏地とを準備して、それぞれスキーウェアーの前身頃、後身頃、袖、衿などのパーツ形状に裁断した。また、実験例2で得た中入れ綿Bを、表地または裏地のパーツ形状と同じ寸法に裁断した。次に、裏地のパーツと同じ形状の中入れ綿Bのパーツを合わせて周囲を仮止めした。次にこれらのパーツを縫い合わせて裏地側縫製品を得た。次に表地のパーツを縫い合わせて表地側縫製品を得た。次に表地側縫製品と裏地側縫製品とを縫い合わせて防寒用スキーウェアーを得た。
このスキーウェアーは、表地と裏地との間に中入れ綿Bが挿入されていた。このスキーウェアーは実施例1で得られたスキーウェアーと比較すると、保温性や着用感は同等であったが、外観から見えるシルエットは見劣りがするものであった。
【0042】
(比較例3)
比較例1において、実験例1で得た中入れ綿Aの代わりに、実験例3で得た中入れ綿Cを用いたこと以外は比較例1と同様にして、防寒用スキーウェアーとした。
このスキーウェアーは、表地と裏地との間に中入れ綿Cが挿入されていた。このスキーウェアーは実施例1で得られたスキーウェアーと比較すると外観が劣るものであり、また肌あたりも硬く着用感に劣るものであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の中入れ綿を用いた衣料品及びその縫製方法によって、外観から見えるシルエットが美しく、且つ保温性が向上していると共に着用感にも優れた衣料品を提供することができる。

Claims (4)

  1. 表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとが挿入された衣料品であって、中入れ綿Aは表地の裏側に配され、中入れ綿Bは裏地の裏側に配されており、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍であることを特徴とする衣料品。
  2. 中入れ綿Aは表地の裏側に積層一体化されており、中入れ綿Bは裏地の裏側に積層一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の衣料品。
  3. 表地と裏地との間に中入れ綿Aと中入れ綿Bとを挿入するに際し、中入れ綿Aを表地の裏側に配し、中入れ綿Bを裏地の裏側に配し、中入れ綿Aの平均繊度が中入れ綿Bの平均繊度の1.2〜10倍とすることを特徴とする衣料品の縫製方法。
  4. 中入れ綿Aを表地の裏側に積層一体化し、中入れ綿Bを裏地の裏側に積層一体化することを特徴とする請求項3に記載の衣料品の縫製方法。
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