JP2004244494A - ヒートシール性水性コート剤組成物、およびそれを塗工してなるヒートシール性多層構造体 - Google Patents

ヒートシール性水性コート剤組成物、およびそれを塗工してなるヒートシール性多層構造体 Download PDF

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正史 木之下
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浩之 加賀谷
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Abstract

【課題】低温でのヒートシール性が優れ、接着性且つ耐ブロッキング性に優れた皮膜を形成することが可能なヒートシール性コート剤組成物、及びフィルム等を基材として用い該ヒートシール性水性コート剤組成物から得られるヒートシール層を有するヒートシール性多層構造体を提供する。
【解決手段】第一の構成は、熱可塑性樹脂及び固形可塑剤を含有することを特徴とするヒートシール性水性コート剤組成物であり、第二の構成は、基材上の少なくとも一部に、前記したヒートシール性水性コート剤組成物から得られるヒートシール層を有することを特徴とするヒートシール性多層構造体である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温でのヒートシール性が優れ、接着性且つ耐ブロッキング性に優れた皮膜を形成することが可能なヒートシール性水性コート剤組成物、及びフィルムなどを基材として用い該ヒートシール性水性コート剤組成物をから得られるヒートシール層を含んでいるヒートシール性多層構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
包装材等にヒートシール性を付与させる試みは色々となされており、かつ包装が簡易化されるにしたがって、その必要性は高まっている。例えば、塩化ビニリデン−メチルメタクリレート共重合体を用いたヒートシール性付与剤が知られているが、このものは塩素を含有しており、廃棄物として処理する際にハロゲン化水素もしくはダイオキシン等の発生する可能性があるといった問題がある(例えば、特許文献1参照)。また、アクリロニトリル共重合体が積層されてなるフィルムが開示されているが、アクリロニトリルは耐熱黄変性が悪く、包装材として用いた場合は保存中に黄変してしまい、外観が悪化して商品価値を下げてしまう問題がある(例えば、特許文献2参照)。このような各種ヒートシール用途に用いられる熱可塑性樹脂は、固体状で用いられる場合と、溶剤や水に溶解または分散した状態で用いられる場合とがあるが、前者の場合は薄い皮膜を形成することが困難であるため、後者の状態で用いられることが多い。また、後者のうちでも、特に省資源、安全性および環境問題の観点から、溶剤を用いる必要のない水性のもの、特に水性分散型のものの利用が進められている。
【0003】
エチレン、α,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸金属塩共重合体の変性物を水性分散体組成物としたものは、高温ヒートシール性に優れるものの、低温ヒートシール性は不充分であることが知られている(例えば、特許文献3参照)。そのため、エチレン、α,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸金属塩共重合体とそれより低温のガラス転移温度を持つ共重合体を添加したり、グラフト重合により導入したりすることによって低温シール性の改良を提案している(例えば、特許文献4,5参照)。
【0004】
しかしながらおにぎりの個包装やチーズ、ソーセージ等の包装材のカットテープ等の用途では中身の食品にあまり高温を掛けられないこともあって、更なる低温シール化が求められている。ところが一方ではヒートシール加工する前のコート剤を塗工したフィルムなどは重ねて保管したり、巻物で保管する必要が有るが、塗工された皮膜のブロッキング(フィルム、シートなどを重ねて貯蔵したときに、相互にくっついて離れにくくなる現象)は低温シール性に優れるものほど激しくなるという矛盾があった。と言うのは熱可塑性樹脂は一般に粘弾性を持っているのでその塗工物を重ねて保存した場合、その重みにより時間経過と共にヒートシール可能温度より、低い温度でブロッキングを始める。一般的な熱可塑性樹脂の場合、数秒単位の短時間で行われるヒートシール温度よりは30℃以上低い温度でないと5時間以上の長時間で評価されるブロッキング現象を阻止するのは困難であることが経験的に言われている。又耐ブロッキング性を改良するためにワックスなどを添加することも検討されているが、この場合、形成される皮膜のヒートシール時の接着強度が低下してしまうと言う新たな問題が生じる。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−3883号公報
【特許文献2】
特開昭50−150783号公報
【特許文献3】
特開昭57−137339号公報
【特許文献4】
特開2000−7860号公報
【特許文献5】
特開2001−049054号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、食品包装など低温でのヒートシールが要求される用途に適した低温で充分なヒートシール性があり、且つ耐ブロッキング性に優れた皮膜を形成することが可能なヒートシール性水性コート剤組成物及びそれを利用したヒートシール性多層構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに到った。すなわち、熱可塑樹脂に、該熱可塑樹脂との相溶性に優れた固形可塑剤を配合することにより、耐ブロッキング性をあまり低下させずに低温シール性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は第一に、熱可塑性樹脂及び固形可塑剤を含有することを特徴とするヒートシール性水性コート剤組成物を提供する。
【0009】
本発明は第二に、基材上の少なくとも一部に、前記したヒートシール性水性コート剤組成物から得られるヒートシール層を有することを特徴とするヒートシール性多層構造体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のヒートシール性水性コート剤組成物は、(a)熱可塑性樹脂及び(b)固形可塑剤を含有してなる。熱可塑性樹脂及び固形可塑剤は好ましくは水分散体として用いられる。
【0011】
[(a)熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂水分散体に用いる熱可塑性樹脂としては、室温以下では粘着性のない、即ち、ポリマーの軟化温度が少なくとも50℃以上の樹脂が用いられる。例えば塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、ブタジエンコポリマー、ウレタ樹脂ン、スチレン−イソプレンブロックポリマ−等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0012】
塗工剤の扱いやすさなどを考慮すると水溶性高分子よりは水分散系樹脂が好ましい。具体的にはアクリルエマルション、アイオノマーエマルション、アクリル/アイオノマー複合化エマルションなど、更には食品包装材料として用いられる場合は臭気性、安全衛生性を得やすい等の点からオレフィン共重合水分散体がより好ましい。
【0013】
[熱可塑性樹脂水分散体の調製]
本発明において使用する熱可塑性樹脂水分散体の製造方法は、特に制限されない。また、本発明において使用する熱可塑性樹脂水分散体は、通常、公知の機械乳化法、乳化重合法などにより製造することができる。熱可塑樹脂エマルションの市販品の例としては、ケミパールSシリーズ(三井化学株式会社製商品名)、アクアテックス(中央理化工業株式会社製商品名)などが挙げられる。乳化重合法によるアクリルエマルションの重合例としては特開平12−52502号公報が挙げられる。
【0014】
[(b)固形可塑剤]
本発明のヒートシール性水性コート剤組成物に用いる固形可塑剤としては、熱可塑性樹脂と相溶して軟化して接着性を向上させる極性を持つエステル化合物が好ましく選ばれる。ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル化合物も用いられ得るが安全衛生面から安息香酸エステル化合物、ヒンダードフェノールエステル化合物、脂肪酸エステル化合物等が好ましく用いられる。
【0015】
固形可塑剤の融点は50〜150℃、更には50〜80℃の範囲にあることが好ましい。融点が50℃より低いと耐ブロッキング性に悪影響があり、150℃より高いとヒートシール温度が高く成り過ぎる傾向がある。加熱した際にスムーズに溶融して熱可塑樹脂を軟化させる、また揮発を防ぐ点で、該固形可塑剤は分子量が200〜1000の範囲が好ましい。
【0016】
好ましい固形可塑剤として用いられる安息香酸エステル化合物としては安息香酸スクロース、安息香酸ジエチレングリコールエステル、安息香酸グリセリド、安息香酸ペンタエリトリットエステル、安息香酸トリメチロールエタンエステル、安息香酸トリメチロールプロパンエステル等が挙げられる。
【0017】
好ましい固形可塑剤として用いられるヒンダードフェノールエステル化合物としては、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。特に好ましい固体可塑剤としては、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。
【0018】
好ましい固形可塑剤として用いられる脂肪酸エステル化合物としては、例えばミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸などのエチレングリコール、ブタンヂオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールとのエステル化物、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二塩基酸のラウリルアルコール、ステアリルアルコールのエステル化物がある。
【0019】
[固形可塑剤水分散体]
上記固形可塑剤は、水性分散剤または水溶性溶液として用いることが好ましく、単独あるいは2種類以上の混合物で使用することができる。
【0020】
熱可塑性樹脂に対する固形可塑剤の含有比率は、水分散された熱可塑性樹脂の固形分100質量部に対して、水分散された固形可塑剤の固形分1〜100質量部が好ましく、更に好ましくは1〜50質量部である。
【0021】
固形可塑剤の水分散体は、固形可塑剤の平均粒径が10μm以下、更に言えば0.5〜5μmの平均粒径に分散されていることが塗工膜の透明性保持の点から好ましい。
【0022】
該固形可塑剤の水性化のための分散剤として、アニオン乳化剤、ノニオン乳化剤、水溶性樹脂等を用いられる。例えばアニオン乳化剤しては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩アルキルスルフォコハク酸塩、アルキルリン酸塩、等が挙げられ、ノニオン乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸、ポリオキシ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、更に水溶性樹脂としてはメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸ソーダ、マレイン酸樹脂、ゼラチン等挙げられる。特開平8−333565公報ではノニオン系界面活性剤としてノニルフェニルアルキレンエーテルの例が挙げられている。食品包装フィルム材料のヒートシール剤としてはカチオン系熱可塑性樹脂水分散剤も用いられることが多いので汎用性を考慮するとノニオン系界面活性剤が好ましい。特に安全衛生性を考慮するとソルビタン酸系ノニオン系分散剤は好ましいものである。
【0023】
[その他の添加剤]
その他、必要に応じて下記の添加剤をヒートシール性及び、その他の必要物性が損なわれない範囲で添加しても構わない。添加剤の例としては、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワックス類、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機ポリマー微粒子、無機微粒子などのアンチブロッキング剤などが挙げられる。
【0024】
このようにして得られるヒートシール性水性コート剤組成物を、基材からなる層上に塗工してヒートシール層とすることで本発明のヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0025】
[基材]
本発明のヒートシール性多層構造体に用いる基材についても特に制限はなく、一般的に包装材に用いうるポリオレフィンフィルムなどが使用可能で、高圧法低密度ポリエチレン、中低圧法高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等、α−オレフィンを50%以上含む重合体を主成分とする無延伸フィルム、一軸延伸フィルム及び二軸延伸フィルムが挙げられる。中でも、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルムが好ましい。基材の厚みについても特に制限はないが、フィルムの強度、加工性、経済性を考慮すると12〜100μmが好ましい。また、ヒートシール層と基材との密着性向上のためにコロナ放電処理などの表面処理を行っても良い。
【0026】
上記のヒートシール性水性コート剤組成物は、そのまま基材上に塗工しても良いし、基材との間に一層以上のプライマー層を設けても良い。使用されるプライマー種については特に制限はない。
【0027】
また、塗工の方法は公知の技術、例えば、グラビアコーター、リバースコーター、キスコーター、エアナイフコーター、メイヤーバーコーター、ディップコーター等により行うことができる。また、塗工は目的に応じてフィルムの片面のみもしくは両面に施すことができる。更には、オフライン(フィルム成形後に塗工)、インライン(フィルム成形時に塗工)の何れの方法もとりうる。
【0028】
乾燥条件についても特に制限はない。透明なフィルムが形成される温度であればよく、通常は熱風乾燥機などが用いられ、乾燥温度は50〜180℃(塗工方法による)、乾燥時間は2秒〜5分程度である。また必要に応じて、後処理として、乾燥後にコロナ放電処理などを施しても良い。
【0029】
塗工量についても特に制限はないが、0.5〜5.0g/mが好ましい。薄すぎると塗膜欠陥等を生じて、充分なヒートシール性が得られず、逆に厚すぎるとヒートシールさせるのに時間、熱量がかかりすぎるなどコストの割には効果がない。
【0030】
【実施例】
次に具体的な樹脂の配合例、塗工例などの実施例、比較例を挙げる。但し本発明はこの実施例によって制限されない。尚、含有量を示す%は固形分の質量%を、添加量を表す部は質量部を示す。
【0031】
〔水分散された固形可塑剤の製造例1〕
粉粒状チオビス〔エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(融点63℃)50部、イオン交換水48部、ポリエチレングリコールソルビタン酸エステル(花王株式会社製)2部を配合したものをボールミルに入れて分散粒子が2μm以下になるまで所定時間混練した。
【0032】
〔水分散された固形可塑剤の製造例2〕
粉粒状安息香酸グリセリド(融点68℃)50部、イオン交換水48部、ポリエチレングリコールソルビタン酸エステル(花王株式会社製)2部を配合したものをボールミルに入れて分散粒子が2μm以下になるまで所定時間混練した。
【0033】
(実施例1)
固形分50%含有のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂の水分散体であるアクアテックス EC1700[中央理化工業(株)製]および製造例1で作成された固形可塑剤水分散物を表1に示す配合量で混合し塗工剤とした。コロナ放電処理した12μ厚ポリエステルフィルム(E5100:東洋紡株式会社製)に前記塗工剤をワイヤーバーにて塗工し、80℃で10秒乾燥させることによって塗工量約3g/mのヒートシール性多層構造体を得た。
【0034】
得られたヒートシール性構造体を長さ30cm、幅3cmにカッティングし、同じ大きさの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(FOR 30μ厚:二村化学株式会社製)と塗膜面を内側にして重ねてテストピースとした。
【0035】
評価方法
(ヒートシール性)
熱傾斜式ヒートシーラー(テスター産業(株)製)を用い、シール温度70〜100℃(10℃間隔)で圧力1kg/cm、時間1秒でヒートシールさせた。サンプル幅を30mmとし、引張り速度300mm/minで90°ピール強度を測定し、これをヒートシール強度とした。1.0N/30mm以上あれば実用レベルとみなせる。
【0036】
(耐ブロッキング性)
5cm角にカッティングしたテストピースの塗工面同士を重ね合せ、40℃において、荷重2kgをかけ、5時間静置した。室温に戻した後、フィルムを剥がす時の剥がした後の塗膜の状態、基材フィルムの破れ方などを目視で評価。
○;剥がれなし、△;剥がれあり、×;基材破れ
【0037】
(実施例2〜3、比較例1)
配合量を表1に示すように配合を行い塗工剤とし、実施例1と同様にヒートシール性多層構造体を得た。
【0038】
(比較例2)
実施例1において固形可塑剤水分散物の代わりに同固形分部数のエチレン酢酸ビニル共重合エマルジョン(リカボンド S900:中央理化工業(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い表1の結果を得た。
【0039】
【表1】
Figure 2004244494
【0040】
【発明の効果】
本発明により、低温度下でのヒートシール性が求められる包装材料に好適で、外観、耐ブロッキングに優れる低温ヒートシール性水性コート剤組成物、及びフィルムなどを基材として用い、該ヒートシール性水性コート剤組成物から得られるヒートシール層を含んでいるヒートシール性多層構造体を提供することができる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂及び固形可塑剤を含有することを特徴とするヒートシール性水性コート剤組成物。
  2. 前記した熱可塑樹脂がエチレン共重合体樹脂を含有する水性分散樹脂である請求項1に記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  3. 前記した固形可塑剤が融点が50〜150℃であるエステル構造を有する固形可塑剤である請求項1又は2に記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  4. 前記した固形可塑剤が融点が50〜80℃であるエステル構造を有する固形可塑剤である請求項1〜3の何れかに記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  5. 前記した固形可塑剤が安息香酸エステル化合物、ヒンダードフェノールエステル化合物、脂肪酸エステル化合物から選ばれる1種以上の化合物である請求項1〜4の何れかに記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  6. 前記した固形可塑剤が10μm以下の平均粒子径に水分散されている請求項1〜5の何れかに記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  7. 前記した固形可塑剤の分散に用いる分散剤が食品接触可能なノニオン系分散剤である請求項6に記載のヒートシール性水性コート剤組成物。
  8. 基材上の少なくとも一部に、請求項1〜7の何れかに記載のヒートシール性水性コート剤組成物から得られるヒートシール層を有することを特徴とするヒートシール性多層構造体。
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