JP2004243973A - タイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気の放出効果に優れるだけでなく、耐久性、生産性及びユニフォミティ等のタイヤ性能に優れたタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1を備えるタイヤであって、トレッド部1が、10Ω・cm以上の固有体積抵抗率のゴム層2と、ゴム層2を貫通している導電層3とからなり、導電層3が微細炭素繊維を含むゴム組成物から形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止型であるとともに、低発熱性、良転がり抵抗性、耐久性等のタイヤ性能に優れるタイヤ、及びかかるタイヤの生産性に優れる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤトレッドには、補強性充填材としてカーボンブラックを用いるのが一般的であったが、近年の社会的な車への要求の1つとして、低燃費化要求があり、タイヤとしては、転がり抵抗低滅のため、ヒステリシスロスの大きなカーボンブラックに代えてシリカ等の無機充填材の適用が多くなっている。
【0003】
カーボンブラックに代えてシリカを配合することにより、転がり抵抗の低滅に加え、濡れた路面での制動性(ウェット性)も向上するが、一方では、カーボンブラックに代えてシリカを多量に場合した場合、トレッドゴムの電気抵抗が高くなる。このため、走行により車体で発生する電気(静電気)又はトレッドゴムの変形で発生した電気(静電気)の蓄積と放電により、車内でラジオに雑音が入ったりする。この静電気の蓄積及び放電問題の解決のため、種々の提案がある。
【0004】
導電性ゴム部材をタイヤの部材間又は周方向に配置した帯電防止型の空気入りタイヤの提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5,518,055号明細書
【特許文献2】
欧州特許第0658452号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者の研究によれば、これらの帯電防止型タイヤでは、導電性ゴム部材をトレッドの部材間に挟み込む形の構造は、横方向からの入力に対し弱く、境界面での剥離が発生することが分かった。
【0007】
加えて、導電性ゴムの硬度と、トレッドゴムの硬度が大きく異なる場合、又はこれらのゴムの摩耗速度が大きく異なる場合、特に導電ゴムの早期摩耗により、踏面内で接地せず導電性が低下する。
【0008】
一方、上記のような導電性ゴム部材をトレッドの表面部又は部材間に挿入する場合、通常のトレッドゴムの押出し装置への導電性ゴム部材用の押出し機の追加、各部材の分割や裁断、再張り合わせ等が必要となる。
【0009】
このため、上述の従来の帯電防止型タイヤは、設備面、生産性、又はユニフォミティ(Uniformity)に代表されるタイヤ性能面で、カーボンブラックを配合した通常の一般的なタイヤに比べ劣る。
【0010】
本発明の目的は、静電気の放出効果に優れるだけでなく、耐久性、生産性及びユニフォミティに代表されるタイヤ性能に優れたタイヤを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッド部を備えるタイヤにおいて、前記トレッド部が、10Ω・cm以上の固有体積抵抗率のゴム層と、地面に接する導電層とからなり、前記導電層が微細炭素繊維を含むゴム組成物から形成されていることを特徴とするタイヤに係るものである。
【0012】
本発明は、微細炭素繊維からなる導電層を帯電防止タイヤの通電経路とした場合、帯電防止のための導電層を備えていながら、低発熱性、良転がり抵抗性、耐久性及び生産性に優れるタイヤが得られるという知見に基づくものである。
【0013】
本発明にかかる微細炭素繊維とは、タイヤから静電気を除去する経路として十分な導電層を形成することができる炭素からなる微細な繊維を意味し、例えば、0.5〜500nmの平均径、0.5〜50μmの平均長及び10以上のアスペクト比を有する。
【0014】
微細炭素繊維からなる所定の導電層は、低発熱性等のタイヤの物性を損なうことなく、トレッド部表面に配設したり、トレッド部に埋設したりすることができ、タイヤで発生するか、又はタイヤに伝わってくる静電気を効率的に地面に逃がすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
(1)トレッド部
本発明のタイヤのトレッド部はゴム組成物から形成するゴム層からなることができる。かかるゴム層は2以上の複数層からなることができ、この場合、本発明にかかるトレッド部のゴム層は、タイヤの最外層の層で、路面と接する表層ゴム層でよい。また、かかる場合、表層ゴム層の下側の層は比較的高い導電性を有することができる。かかるトレッド部を有するタイヤは、代表的には、キャップベースの空気入りラジアルタイヤである。
【0016】
本発明にかかるトレッド部は、通常相反するタイヤの低燃費性能と濡れた路面での制動性(ウェット性)とを高い水準で両立させるため、ヒステリシスロスの大きなカーボンブラックに代えて、シリカ等の無機充填材を高部数配合してなるゴム組成物から形成する。このため、本発明にかかるトレッド部の固有体積抵抗率は10Ω・cm以上となる。
【0017】
トレッド部のゴム組成物に用いられるゴム成分としては、合成ゴム又は天然ゴム(NR)を単独か、又はこれらをブレンドして使用することができる。合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ステレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられ、中でも乳化重合SBR、溶液重合SBR等のSBRが好ましい。
【0018】
トレッド部で用いることができる充填材は、カーボンブラック及び無機充填材、それらの中でも、特にシリカが好ましい。カーボンブラックとしては、HAF級以上のグレードが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0019】
シリカとしては、沈降法による合成シリカが好ましく使用される。具体的には、日本シリカ工業(株)製の「Nipsil AQ」、ドイツDegussa社製の「UltrasilVN3」、PPG社製の「Hisil 233」等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0020】
充填材の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30〜200質量部、更に好ましくは50〜150質量部である。充填材のうち、カーボンブラックは、ゴム成分100質量部に対し、0〜50質量部、好ましくは10〜40質量部配合することができる。ただし、総充填材に占めるカーボンブラックの割合が増加すると、タイヤの転がり抵抗となるヒステリシスロスが許容できないほど増加することがある。
【0021】
充填材のうち、シリカは、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは30〜200質量部、更に好ましくは50〜150質量部配合する。シリカは、30質量部未満では、濡れた路面での摩擦力が不十分となることがあり、一方、200質量部を超えると、混練りをはじめとする生産性、耐摩耗性及び転がり抵抗性が大幅に悪化することがある。
【0022】
本発明では、トレッド部のゴム組成物に、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤の適用は、ゴム練り時の作業性及びシリカの分散性を改善させるだけでなく、加硫ゴムにおけるシリカ−ゴム間の結合強化によって耐摩耗性及び耐カット性を向上させる。
【0023】
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリ工トキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリル工チル)テトラスルフィド等が好適である。
【0024】
シランカップリング剤の配合量は、充填するシリカ配合量に対して、好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは7〜15質量%である。シランカップリング剤は、5質量%未満では、十分なシリカの分散又はシリカ−ゴム間の補強が得られず、また、20質量%を超えても、その効果が飽和する。
【0025】
本発明にかかるトレッド部のゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ゴム工業に通常用いられるその他の配合剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス(WAX)、加硫剤等の成分を適宜配合できる。
【0026】
トレッド部のゴム組成物は、バンバリーミキサー、インターミキサー、ロール等の混練り機を用いて混練りすることにより得られ、ゴム層等に成形加工後、加硫を行い、所望のタイヤトレッド部を形成する。
【0027】
(2)導電層
本発明にかかる導電層は、微細炭素繊維を含むゴム組成物から形成され、タイヤから静電気を除去する経路として働く。微細炭素繊維は、カーボンブラック等の粉末状の導電性物質と比較して単位容積に対する通電性に優れるとともに、ゴム等からなるタイヤの補強性に優れる。
【0028】
本発明のタイヤは、トレッド部の少なくともタイヤ半径方向外方区域に、加硫硬化後の固有体積抵抗率が10Ω・cm以上である表層ゴム層を配置してなり、該表層ゴム層に、微細炭素繊維から成る導電層を備えたものとすることができる。
【0029】
前記導電層は、前記表層ゴム層のタイヤ半径方向外方表面からタイヤ半径方向内方表面にわたって配設することができ、前記導電層は、タイヤ接地面内の少なくとも1個所に形成すればよい。
【0030】
ここで、「タイヤ接地面」とは、JATMA規格において、2000年度JATMA YEAR BOOKに従い、タイヤを適用リムに装着し、規定の空気圧とし、静止した状態で平板に対し垂直に置いて規定の質量を加えた時のタイヤ接触面を言う。使用地、又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は、各々の規格に従う。
【0031】
固有体積抵抗率が10Ω・cm以上のトレッド部を用いたタイヤでは、走行により車体で発生する電気(静電気)又はトレッドゴムの変形で発生した電気(静電気)の蓄積と放電による問題が発生する。
【0032】
本発明にかかる導電層を用いることで、走行により発生する静電気が導電層を通して路面に放電され、車体あるいは電気機器、人体等に影響を及ぼす静電気の蓄積及び放電が回避される。
【0033】
前記微細炭素繊維としては、導電層を形成した際に、タイヤからの静電気放出が十分になるような炭素からなる微細な繊維であれば特に制限はない。かかる微細炭素繊維は、平均径0.5nm〜500nm、好ましくは1nm〜400nm、平均長0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜40μm、アスペクト比10以上、好ましくは15以上のものを使用することができる。かかる微細炭素繊維としては、例えば、昭和電工(株)製の「VGCF・G」、MTR社製の多層カーボンナノチューブ等が挙げられる。
【0034】
微細炭素繊維において、平均径が500nmを超えるか、又は平均長が50μmを超える場合、所定の形状の導電層として、通電性が得られないか、又はタイヤトレッドでの十分な補強性が得られない可能性がある。
【0035】
前記微細炭素繊維を用いた導電層は、タイヤの静電気除去経路となる限り、種々の形状でよく、微細炭素繊維を含むゴム組成物中のゴム成分等に特に制限はない。ゴム組成物として用いるゴムは、トレッド部のゴム組成物の場合と同等か、又は近似するのが好ましい。
【0036】
上記導電層は、押出し等により作成したトレッド部用の未加硫ゴム層に、ニードル(針状突起)、ブレード(平面刃)等の穿孔具を貫通させて孔を形成するとともに、かかる孔内に、微細炭素繊維を固体状態で直接埋設するか、あるいは微細炭素繊維を含むセメント状ゴム組成物、例えばゴムセメントを塗布等の手段で注入するか、又は微細炭素繊維を含むゴム組成物から導電性未加硫ゴム部材を作成し、かかる導電性未加硫ゴム部材を未加硫ゴム層の孔に貫入させ、その後、未加硫ゴム層及びセメント状ゴム組成物又は導電性未加硫ゴム部材を加硫することにより設置することができる。
【0037】
好ましくは、微細炭素繊維は、固体の導電性ゴム部材の状態又はゴムセメントとして適用する。ゴムセメントには、水又は有機溶媒をベースに用いることができる。この場合、用いる有機溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル、ヘプタン、テトラハイドロフラン(THF)、シクロヘキサン等が挙げられるが、特に限定はしない。導電性未加硫ゴム部材には、微細炭素繊維を含むシート状部材、柱状部材を用いることができる。
【0038】
上記方法での導電層の形成は、トレッドゴム押出し時に、比較的簡便な設備及び方法での適用が可能である。加えて、極少量の微細炭素繊維の適用に好適である。例えば、かかる導電層は、直径2mm程度のニードルを用いて押出しトレッドに貫通孔を形成すると共に、そのようにして形成された空隙内に、固体か又はセメント等の液状の微細炭素繊維を充填することにより作製される。
【0039】
本発明による導電層を具備したタイヤでは、少量の微細炭素繊維を簡便な方法で適用するため、未加硫トレッドゴムの寸法及び精度に与える影響が小さい。このため、一般的に用いられる分割/再接合による導電層設置と比較して、ユニフォミティ等に代表される最終タイヤ性能への悪影響を最小限に抑えることが可能となる。
【0040】
本発明にかかる導電層は、未加硫時の導電性ゴム部材の最小断面積が0.2mm以上の略円柱状(直径0.5mm以上の円形)、角柱状等の柱状でよく、好ましくは最小断面積が1.0〜25.0mmの円柱状である。
【0041】
前記導電層の未加硫時の最小断面積が0.2mm未満の場合、加硫後のタイヤにおいてもこの大きさが確保されていれば、十分な通電経路となるが、加硫時のゴム流れの影響などによる導電層の遮断により、十分な効果が得られないことがある。
【0042】
例えば、断面積0.2mm(直径約0.5mmの円柱)のニードルを貫通後、穿孔内に微細炭素繊維を含む同じ断面積を有する導電性未加硫ゴム部材を充填し、加硫して導電層を形成する場合(導電層はタイヤの中央部に配置、各導電層の周方向の間隔は約100mm)、新品時では絶縁性であり非常に高い電気抵抗値を示すが、走行後は良好な電気抵抗値を示す。これは、新品時においてはゴム流れの影響により通電経路が遮断されたためである。かかる問題は、タイヤの製造方法において、加硫時のゴム流れの影響を排除する適切な手段を施すことで解消する。
【0043】
一方、未加硫時の導電層の断面積が25.0mmを超える場合、特に固体状態で微細炭素繊維を埋設することが困難であることに加え、加硫後のタイヤにおいて導電層の十分な補強が得られない可能性がある。また、走行により導電層内に偏摩耗が発生し、その結果、路面との十分な接触が妨げられることによって通電経路の遮断や、トレッドゴムとの剥離が発生する場合がある。
【0044】
例えば、断面積30mm(直径約6.2mmの円柱)のニードルを貫通後、穿孔内に微細炭素繊維を含む同じ断面積を有する導電性未加硫ゴム部材を充填し、加硫して導電層を形成する場合(導電層はタイヤ中央部に配置、各導電層の周方向の間隔は約100mm)、新品時では良好な電気抵抗値を示す。しかし、走行後は、導電層内の偏摩耗により充分な路面との接触が妨げられることによる通電経路の遮断のため、絶縁性となり、非常に高い電気抵抗値を示す。また、耐久性においても、導電層がトレッドゴムから分離することにより、導電層を設けない従来例より劣る。かかる問題は、導電層とトレッドゴムとの硬度の同等性及びこれらの間の接着性を添加剤等によって調整することで解消することができる。
【0045】
(3)タイヤの構造
本発明のタイヤの構造を、図面を参照して、より一層詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤの好適実施形態の一例を示す部分断面斜視図である。図2は本発明のタイヤの好適実施形態の他の例を示す部分断面斜視図である。図3は本発明のタイヤの好適実施形態の更に他の例を示す部分断面斜視図である。
【0046】
図1〜3に示すように、本発明のタイヤでは、トレッド部1,11、21は、10Ω・cm以上の固有体積抵抗率のゴム層2,12,22と、微細炭素繊維からなる導電層3,13,23とからなる。導電層3,13,23は、タイヤの接地面上少なくとも1個所に点在又は離間した状態で、ゴム層2,12,22に配設される。本発明では、トレッド部1,11,21を適用することで、種々のサイズの空気入りラジアルタイヤを作製できる。
【0047】
導電層3,13,23は、トレッド部1,11,21を貫通し、トレッド部1,11,21の表面にそれらの上面3a,13a,23aを露出する。導電層3,13,23は、タイヤからの静電気除去経路となって、走行により車体で発生する静電気又はトレッドゴムの変形で発生する静電気を路面に放電し、車体あるいは電気機器、人体等に影響を及ぼす静電気の蓄積及び蓄積電気の放電が回避される。
【0048】
【実施例】
以下に、図面を参照して、本発明を、実施例及び比較例に基づき、より一層詳細に説明する。
図4は比較例1のタイヤのトレッド部を示す断面斜視図である。図5は比較例2のタイヤのトレッド部を示す断面斜視図である。図6はタイヤの抵抗値を測定する装置の概略図である。
【0049】
<実施例1>
表1に示す配合にて、空気入りラジアルタイヤのトレッドゴムを調製する。
【表1】
Figure 2004243973
【0050】
図1に示すようなトレッド部を有するタイヤを製造する。図1に示すように、断面積1.0mm(直径約1.1mmの円柱)のニードルを貫通後、穿孔内に微細炭素繊維を固体状態で充填し、加硫して導電層を形成する。導電層はタイヤ中央部に配置する。各導電層の周方向の間隔は約100mmである。導電層を形成する微細炭素繊維としては、昭和電工(株)製の「VGCF・G」を固体状態で用いる。上記で得られたトレッド部を適用し、サイズ195/65R15の空気入りラジアルタイヤを作製した。
【0051】
<実施例2>
図2に示すようなトレッド部を有するタイヤを製造する。図2に示すように、断面積1.0mm(0.3×3.0mm)のブレードを貫通後、穿孔内に微細炭素繊維を固体状態で充填し、加硫して導電層を形成する。導電層はタイヤ中央部に配置する。各導電層の周方向の間隔は約100mmである。実施例1と同じ微細炭素繊維を用いる。実施例1との違いは、矩形の断面を有するシート状の導電層とする点である。
【0052】
<実施例3>
図3に示すようなトレッド部を有するタイヤを製造する。実施例1(図1)と比較して、導電層の分散を高めた例である。断面積1.0mm(直径約1.1mmの円柱)のニードルを貫通後、穿孔内に微細炭素繊維を固体状態で充填し、加硫して導電層を形成する。導電層はタイヤ接地面内に3個所以上存在するよう千鳥状配置とする。各導電層の周方向の間隔は約70mmである。微細炭素繊維としては、実施例1と同じものを用いる。
【0053】
<実施例4>
実施例1と同様に、図1に示す配置で断面積1.0mm(直径約1.1mmの円柱)のニードルを貫通後、穿孔内にセメント状の微細炭素繊維を充填し加硫して導電層を形成する。導電層はタイヤ中央部に配置する。各導電層の周方向の間隔は、約100mmである。微細炭素繊維としては、実施例1と同じものを用いる。セメント状の微細炭素繊維としては、表2に示すセメント配合を使用する。
【0054】
【表2】
Figure 2004243973
【0055】
<実施例5>
実施例1と同様に図1に示す配置及び作製方法で、異なるタイプの微細炭素繊維(MTR社製の多層カーボンナノチューブ)を提供した例である。断面積1.0mm(直径約1.1mmの円柱)の導電層をタイヤ中央部に配置する。各導電層の周方向の間隔は約100mmである。
【0056】
<比較例1>
実施例1で示したようにニードルで一旦孔は貫通させるが、導電層を挿入しない従来のタイヤの例(図4参照)である。
【0057】
<比較例2>
図5に示すようなトレッド部51を有するタイヤを製造する。ゴム層52において、幅2mmの導電性ゴム部材53をタイヤ中央にて周方向に連続して形成した以外は、実施例1と同様のタイヤの例である。導電性ゴム部材として、カーボンブラックを導電性物質としたものを用いる。配合内容を以下に示す。
【0058】
【表3】
Figure 2004243973
【0059】
<比較例3>
実施例1で示したように断面積1.0mm(直径約1.1mmの円柱)のニードルを貫通後、微細炭素繊維の代わりにSAF級グレードのカーボンブラックを固体状態で充填し、導電層を形成する。導電層はタイヤ中央部に配置する。各導電層の周方向の間隔は約100mmである。
【0060】
<タイヤの評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3のタイヤについて、抵抗値、耐久性及びユニフォミティを評価する。結果を表3及び4にまとめる。
(1)タイヤの抵抗値(電気抵抗値)
GERMAN ASSOCIATION OF RUBBER INDUSTRYのWdK 110シート3に準拠し、HEWLETT PACKERD社製モデルHP4339Aのハイレジスタンスメータを使用し、図6に示す状態で測定する。
【0061】
図6中、タイヤ4は鋼板5上に置かれ、鋼板5の下には絶縁板6を配置する。絶縁板6上の鋼板5とタイヤ4のリムとの間に1000Vの電圧を掛け、レジスタンスメータ7で抵抗値を測定する。
【0062】
測定に用いるタイヤは、新品タイヤ及び走行品である。すなわち、6JJ×15のリムに装着、0.2MPaの内圧で国産2500ccのFR車に装着し、20000km走行したタイヤを用いる。
【0063】
(2)耐久性
供試タイヤを6JJ×15のリムに装着、0.2MPaの内圧で国産2500ccのFR車に装着し、横方向加速度0.4〜0.5Gの条件下で半径80mの円旋回試験を実施する。20周後の導電層とトレッド部の境界面での剥離の有無を確認する。明らかに剥離が発生している場合を耐久性×、剥離無しの場合を耐久性○とする。
【0064】
(3)タイヤユニフォミティ
新品タイヤ10本を用いてLateral Force Variation (LFV)を測定し、その10本のLFV合計を従来例=100として指数評価する。数値が大きいほど結果が良好である。
【0065】
【表4】
Figure 2004243973
【0066】
【表5】
Figure 2004243973
【0067】
表4及び5に示されるように、実施例1〜5のタイヤは、何れにおいても、新品時及び走行後に良好な電気抵抗値を示し、また、耐久性及びユニフォミティにおいては、導電層を用いない比較例1のタイヤと同等の良好な値を示す。
【0068】
比較例1のタイヤは、新品時及び走行後の何れにおいても絶縁性であり、非常に高い電気抵抗値を示す。比較例2のタイヤは、新品時及び走行後の何れにおいても良好な電気抵抗値を示すものの、耐久性及びユニフオミティにおいては、導電層を用いない比較例1のタイヤに劣る。比較例3のタイヤは、新品時及び走行後の何れにおいても絶縁性で、非常に高い電気抵抗値を示し、また、耐久性においても、カーボン部分がトレッドゴムと分離してしまうため、導電層を用いない比較例1のタイヤより劣る。
【0069】
【発明の効果】
上記のように、本発明のタイヤは、微細炭素繊維を含む導電層がタイヤの静電気除去経路となるので、未加硫トレッドゴムの寸法及び精度に与える影響が小さく、ユニフォミティ等のタイヤ性能へ影響することなく、新品時から使用末期まで良好なタイヤ電気抵抗値を示す。これにより、本発明では、タイヤの耐久性等に問題を生じさせることなく、車体、電気機器、人体等に悪影響を及ぼす静電気の蓄積及びその放電が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤの好適実施形態の一例を示す部分断面斜視図である。
【図2】本発明のタイヤの好適実施形態の他の例を示す部分断面斜視図である。
【図3】本発明のタイヤの好適実施形態の更に他の例を示す部分断面斜視図である。
【図4】比較例1のタイヤを示す部分断面斜視図である。
【図5】比較例2のタイヤを示す部分断面斜視図である。
【図6】タイヤの抵抗値を測定する装置の概略図である。
【符号の説明】
1,11,21 トレッド部
2,12,22
3,13,23 導電層
4 タイヤ
5 鋼板
6 絶縁板
7 ハイレジスタンスメータ

Claims (6)

  1. トレッド部を備えるタイヤにおいて、前記トレッド部が、10Ω・cm以上の固有体積抵抗率のゴム層と、地面に接する導電層とからなり、前記導電層が微細炭素繊維を含むゴム組成物から形成されていることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記導電層が前記ゴム層を貫通している請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記導電層が柱状である請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 10Ω・cm以上の固有体積抵抗率のゴム層と、前記ゴム層を貫通している導電層とからなるトレッド部を備えるタイヤを製造するにあたり、
    前記導電層を、微細炭素繊維を含むゴム組成物から形成することを特徴とするタイヤの製造方法。
  5. 前記トレッド部用の未加硫ゴム層に孔を形成し、前記ゴム組成物からなるセメント状ゴム組成物を前記孔内に注入し、前記未加硫ゴム層及び前記セメント状ゴム組成物を加硫し、前記導電層を形成する請求項4記載のタイヤの製造方法。
  6. 前記トレッド部用の未加硫ゴム層に孔を形成し、前記孔内に前記ゴム組成物からなる導電性未加硫ゴム部材を挿入し、前記未加硫ゴム層及び前記導電性未加硫ゴム部材を加硫し、前記導電層を形成する請求項4記載のタイヤの製造方法。
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