JP2004243399A - 板圧延用超硬合金製複合スリーブロール - Google Patents

板圧延用超硬合金製複合スリーブロール Download PDF

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Toshiyuki Hattori
敏幸 服部
Kazunori Sugino
員規 杉野
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Abstract

【課題】圧延時の絞り込み等の圧延事故が発生してもクラックによるダメージが少ない板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを提供する。
【解決手段】鋼系または鉄系材料からなる中空円筒状の内層の外周に超硬合金からなる外層が接合してなる複合スリーブロールであって、ロール軸に垂直な断面において、スリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率が0.5以上であることを特徴とする。また、ロール軸方向中央部の外層表面において、ロール表面と平行な方向の圧縮残留応力が200MPa以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、靭性に優れる鋼系または鉄系材料からなる中空円筒状の内層の外周に、高硬度の超硬合金からなる外層を形成した圧延用複合スリーブロールに関する。本発明は、特に広幅薄板圧延用ロールに用いられるのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
板圧延の熱間圧延の分野においては、肌品質の向上、耐摩耗性の向上の要求から、従来はダクタイル系鋳鉄、グレン系鋳鉄、チルド系鋳鉄ロールが広く用いられてきたが、近年は高品質な圧延用ロールの使用が進んでいる。特に耐摩耗性の要求が強い分野では、ハイス系ロールが用いられている。一方、冷間圧延の分野では、Cr系の鍛鋼ロールが一般に用いられているが、耐摩耗性が特に要求される分野では、セミハイスやハイス系ロールが用いられている。
【0003】
さらに最近では、ハイス系ロールなどに比べて耐摩耗性が格段に優れる超硬合金を用いたロールが提案されている。超硬合金は公知のごとく、WCをCo、Ni、Feなどの金属元素で結合した焼結合金であり、WCの他にTi、Ta、Nbなどの炭化物を含有することもしばしばある。
【0004】
超硬ロールで板圧延用ロールに適用できるような構造のロールとして、例えば特許文献1には超硬合金と鋼材を金属的に接合した複合ロールが提案されている。これは鋼材からなる内層を形成するスリーブの外周に、周期律表のIVa〜VIa族元素の炭化物、窒化物および炭窒化物の硬質粒子の少なくとも1種または2種以上を60〜90重量%と、残部実質的にFe、Ni、Co、Cr、Mo及びWの少なくとも1種または2種以上の金属粉末とからなる混合粉末を焼結すると同時に拡散接合させた超硬合金製の外層を有し、外層表面に100MPa以上の円周方向の圧縮残留応力を付与した複合スリーブを、ロール軸材に嵌合固定したものである。また、特許文献2には超硬合金と鋼製の中実軸材を金属的に接合した中実構造の複合ロールも提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−8212号公報
【特許文献2】
特開平10−8213号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この種の超硬合金製複合ロールは、従来の組立て式超硬ロールにおける固定リング、皿バネ、ナットなどが不要であり、ロール胴部長さの全表面を外層で構成するため圧延に使用できる部分を拡大でき、板圧延用ロールのような広幅の圧延材の圧延にも適用できるという利点を有する。
【0007】
しかしながら、このような超硬合金製複合ロールを板圧延用ロールに適用すると、圧延中にミルが圧延材を噛みこんだまま停止する、いわゆる噛み止め事故や圧延材が折れ曲がり2重以上に重なった状態でロール間に噛みこまれるいわゆる絞り込み事故に不可避的に遭遇するおそれがある。このような圧延事故が発生すると、ロール表面に大きな機械的・熱的負荷がかかり、ロール表面に焼き付きが発生したり、深いクラックが発生する。超硬合金は、材質的にはクラックが発生しやすく、このような事故により、多大のロール損失を発生する可能性がある。
【0008】
このような圧延事故によりクラックが発生すると、ロールが大きく消耗しロールコストが大幅にかかるのみでなく、このようなクラックを起点にして、ロール外層の剥離事故が発生する場合もあり、圧延生産に大きなダメージを与える。
【0009】
本発明は、このような超硬合金製複合ロールの問題点に鑑み、圧延時の絞り込み等の圧延事故が発生してもクラックによるダメージが少ない板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の板圧延用超硬合金製複合スリーブロールは、鋼系または鉄系材料からなる中空円筒状の内層の外周に超硬合金からなる外層が接合してなる複合スリーブロールであって、ロール軸に垂直な断面において、スリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率が0.5以上であることを特徴とする。
【0011】
前記本発明において、ロール軸方向中央部の外層表面において、ロール表面と平行な方向の圧縮残留応力が200MPa以上であることを特徴とする。また、前記外層と内層との間に中間層を少なくとも1層以上介在させることを特徴とする。
【0012】
【作用】
超硬合金製複合スリーブロールの表面に大きな圧縮残留応力を作用させておけば、ロール表面に熱衝撃や機械的な負荷が作用した場合でも、ロール表面に発生する引張応力は、圧縮残留応力の分だけ小さな値となる。このため、十分大きな圧縮残留応力をロール表面に作用させておけば、圧延事故でもロール表面にクラックが発生することを防止できる。
【0013】
超硬複合スリーブロールの表面に発生する残留応力は、外層と内層の歪差により発生し、そのロール表面での円周方向の値は、内層比、つまりロール軸に垂直な断面におけるスリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率に比例する。従って、ロール表面に大きな残留応力を付与するためには、この内層比を一定以上にすることが有効である。発明者は、種々検討した結果、この内層比を0.5以上にすれば、十分大きな圧縮残留応力をロール表面に付与できることを見出した。内層比は0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましい。
【0014】
また、超硬合金からなる外層と、鋼系または鉄系材料からなる内層との間に超硬合金または金属で形成された中間層を少なくとも1層以上介在させることにより、外層と内層との接合強度を高められるので好ましい。この中間層は、その組成において、金属系のバインダー相の重量比率が30%以上のサーメット系材質であることがより望ましい。
【0015】
本発明の複合スリーブロールの製造方法として、鋼系または鉄系材料からなる中空円筒状の内層を用いて、真空焼結、加圧焼結ないしは熱間静水圧プレス(HIP)法により超硬合金からなる外層を接合させる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
まず、外層形成用の超硬合金原料粉末として、平均粒径が10μmのWC原料粉末、平均粒径が1μmのCo原料粉末を用意し、それぞれを重量%でWC原料粉末80%、Co原料粉末20%の割合で配合し、ボールミルで20時間湿式混合した後、乾燥し、外層形成用の超硬合金原料粉末とした。
【0017】
この外層形成用の超硬合金原料粉末を用いて、外径φ700mm、内径φ655mm、長さ2000mmの超硬合金製の仮焼結体からなる中空スリーブを作製した。
【0018】
また、外層と内層の間に配置する中間層形成用の超硬合金原料粉末として、平均粒径が3μmのWC原料粉末、平均粒径が1μmのCo粉末を用意し、それぞれ重量%でWC原料粉末50%、Co原料粉末50%の割合で配合し、ボールミルで20時間湿式混合した後、乾燥し、中間層形成用の超硬合金原料粉末とした。
【0019】
また、内径φ710mm、長さ2000mmの鋼で構成されるHIP缶の中央に、内層として、外径φ650mm、内径φ500mm、長さ2000mmの中空円筒状のSCM440を配置した。そして、前記超硬合金製の中空スリーブを内層の周りに挿入した。
【0020】
次いで、内層の外面と中空スリーブの外層の内面との間に形成された空隙に、前記の中間層形成用の超硬合金原料粉末を充填した。その後、HIP缶を鋼の蓋で溶接密封した後、700℃にて真空ポンプで脱気処理を行なった。HIP缶にリークが生じていないことを確認した後、1300℃、1400気圧にてHIP処理を行なった。冷却後、HIP缶を加工除去した。
【0021】
このようにして、ロール軸に垂直な断面において、スリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率が0.5以上である板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを製造した。この複合スリーブロールをクロムモリブデン鋼の軸材に焼嵌め、板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを作製した。
【0022】
また超音波探傷検査したところ、外層、中間層および内層の接合が健全であることを確認した。また、ロール直径方向に、内層、中間層および外層を含む境界接合部の抗折試験片を切り出し、JIS R1601に準拠した抗折試験を行ない坑折強度(MPa)を測定した。また、外層のロール軸方向中央部に歪ゲージを貼り、破壊法により外層におけるロール円周方向の残留応力(MPa)を測定した。結果、坑折強度は1630(MPa)、残留応力は−320(MPa)であり十分な特性値を得ることができた。
【0023】
(実施例2)
内径φ710mm、長さ2000mmの鋼で構成されるHIP缶に、外径φ650mm、内径φ500mm、長さ2000mmの中空円筒状の内層となる鍛鋼を設置し、この内層の周囲に内径φ510mm、厚み2mmの仕切りとなる鋼管を配置した。
【0024】
平均粒径が10μmのWC原料粉末、平均粒径が1μmのCo原料粉末を用意し、WC原料粉末85%、Co原料粉末15%の割合で配合し、ボールミルで20時間湿式混合した後、乾燥し、外層形成用の超硬合金原料粉末を作製し、これをHIP缶の内面と鋼管の外面との間の空隙に充填した。
【0025】
また、鋼管の内面と内層の外面との間の空隙に中間層となる平均粒径3μmのWC粉末30%、平均粒径1μmのCo粉末70%の混合粉末を充填した。充填後、仕切りの鋼管を引き抜きいた後、次いでHIP缶を鋼の蓋で溶接密封し、700℃にて真空ポンプで脱気処理を行なった。HIP缶にリークが生じていないことを確認した後、1300℃、1400気圧にてHIP処理を行なった。冷却後HIP缶を加工除去した。
【0026】
このようにして、ロール軸に垂直な断面において、スリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率が0.5以上である板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを製造した。この複合スリーブロールをクロムモリブデン鋼の軸材に焼嵌め、板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを作製した。
【0027】
実施例1同様に、ロール直径方向に、内層、中間層および外層を含む境界接合部の抗折試験片を切り出し、JIS R1601に準拠した抗折試験を行ない坑折強度(MPa)を測定した。また、ロール円周方向の残留応力(MPa)を測定した。結果、坑折強度は1780(MPa)、残留応力は−320(MPa)であり十分な特性値を得ることができた。
【0028】
【発明の効果】
本発明の超硬合金製圧延用複合スリーブロールによれば、ロールの外層は耐摩耗性に優れるとともに、圧延時の絞り込み等の圧延事故が発生してもクラックによるダメージが少ない板圧延用超硬合金製複合スリーブロールを提供できる。

Claims (3)

  1. 鋼系または鉄系材料からなる中空円筒状の内層の外周に超硬合金からなる外層が接合してなる複合スリーブロールであって、ロール軸に垂直な断面において、スリーブロール全断面積に対する内層の断面積の比率が0.5以上であることを特徴とする板圧延用超硬合金製複合スリーブロール。
  2. ロール軸方向中央部の外層表面において、ロール表面と平行な方向の圧縮残留応力が200MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の板圧延用超硬合金製複合スリーブロール。
  3. 前記外層と内層との間に中間層を少なくとも1層以上介在させることを特徴とする請求項1または2に記載の板圧延用超硬合金製複合スリーブロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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