JP2004243264A - 廃棄光ファイバーリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】今後の光通信ケーブルの需要および周期的な交換・張り替えに伴い,超高純度品である光ファイバーが産業廃棄物となるため,廃棄光ファイバーの再資源化・リサイクル方法が課題となる。
【解決手段】光ファイバーの超高純度性を利用し,超高純度製品が要求される太陽光発電システムにおけるシリコンを得るための,廃棄光ファイバー還元によるリサイクル方法。
【解決手段】光ファイバーの超高純度性を利用し,超高純度製品が要求される太陽光発電システムにおけるシリコンを得るための,廃棄光ファイバー還元によるリサイクル方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,光通信ネットワークのため世界中に巡らされている光ファイバーケーブルの廃棄品リサイクル方法となる。光ファイバーが超高純度石英ガラス(二酸化珪素)および炭化水素樹脂被覆材から構成されることを利用して,二酸化珪素を被覆材により還元し超高純度なシリコンを回収し,太陽光発電の主要構成材料とする。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーケーブルの交換は約20年を周期として余儀なくされている。交換された光ファイバーは,現在再利用用途がなく,逆に先鋭性のために危険物として埋め立て処分・廃棄されているのが現状である。したがって,リサイクル技術は全くない。
【0003】一方で,環境保護の観点から自然エネルギーの利用が促進されていること,および売電制度が確立されたことなどから,太陽光発電システムは民生までに至る需要の増強が見込まれる。このため大量な超高純度シリコンが今後必要となってくる。
【0004】現在この太陽光発電システムに含まれるシリコンは,半導体シリコン製造工程で排出されるスクラップシリコンを用いている。しかし,本工程で排出されるスクラップは微少であり,今後の太陽光発電システム需要に見合った供給バランスが取れないことが予想される。また,半導体製造工程で得られる超高純度シリコン(イレブン・ナイン以上)の純度を得るのには,珪石還元,ガス化,および精製工程が繰り返されるため,結果として製品の高コスト化の原因となっている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】超高純度品である光ファイバーが産業廃棄物となるため,廃棄光ファイバーの再資源化・リサイクル方法が課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では,光ファイバーの超高純度性を利用し,超高純度製品が要求される太陽光発電システムにおけるシリコン(シックス・ナイン以上)を得ることで,廃棄光ファイバーのリサイクル方法とする。さらにはリサイクル方法の確立とともに,太陽光発電システムの需要増にも対応でき,かつ安価な作製方法を提案するものである。
【0007】本法では,光ファイバー構成要素である石英ガラス(二酸化珪素)および被覆材をアークプラズマを用いることで反応させ,高純度のシリコンを得る方式を採用する。すなわち,被覆材(炭化水素系樹脂)を還元剤に二酸化珪素を還元する化学反応を利用するものである。
【0008】本発明に用いる光ファイバーについて述べる。光ファイバーは,中心部が送信ロスを極力抑えるために超高純度石英(二酸化珪素)および光屈折率調整のために添加されるゲルマニウムからなる,直径125ミクロンの石英ガラスである。その中心部は,厳密に不純物混入を制限された気相非接触法を用い,四塩化珪素ガスを加水分解しながら欠陥無く細線化させることで得られている。また,中心部保護のために回りを樹脂などからなる被覆材で覆い,地中に埋設され通信ケーブルとして供されている。その被覆材の劣化に伴い,約20年で交換されている。光ファイバーが通信ケーブルとして使用されるようになって20年が経過し,今後益々廃棄ケーブルが増大することとなる。しかし,廃棄品の石英の純度低下による交換ではなく,その超高純度性を損なうものではない。
【0009】次に,本発明に用いるアークプラズマについて述べる。先項でも述べたとおり,アークプラズマを利用した本還元方式は,半導体用シリコン精製工程における珪石からの1次精製に用いられる回分式反応方式であり,そこではグラファイトなど炭素質物質が還元剤となる。二酸化珪素をアーク反応炉中で炭素により粗還元した後,四塩化珪素ガス化して更に精製したものを半導体用超高純度シリコン原料,あるいは光ファイバー原料としている。そのため,アーク反応炉使用には新規性を請求するものではない。むしろ,超高純度二酸化珪素からなる光ファイバーを太陽電池原料とすることで,現行の1次精製のプロセスのみで太陽電池級シリコンが得られ,大幅なコストダウンと製造エネルギー節約となることを特徴とする。
【0010】
【実施例1】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0011】
【実施例2】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。そこに活性炭あるいはグラファイトを0.1〜100g加えた。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0012】
【実施例3】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜5%でメタンを含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0013】
【実施例4】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜3%で水素を含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0014】
【実施例5】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。そこに活性炭あるいはグラファイトを0.1〜100g加えた。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜3%で水素を含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0015】実施例1〜5で得た還元生成物を粉末X線回折法により定性分析した。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】「実施例にて作製したシリコン化合物のX線回折による定性と生成物比較」
【0017】表1から明らかなように、光ファイバーの還元により,光ファイバーのみからでもシリコンの生成が確認された。また,活性炭や炭素質物質などの固体還元剤となる物質を光ファイバーに混ぜることによりシリコン生成量が増大したことが確認された。一方,気相から還元剤となるメタンや水素を流通させた場合には,シリコン生成への効果はそれほど大きくないながらも,還元剤として有効であることが示された。
【0018】
【比較例1】光ファイバーそのものを還元剤添加により還元した例はない。
【0019】
【比較例2】アークプラズマ反応炉を用いた二酸化珪素の炭素還元プロセスは,川崎製鉄の発表論文(例えば,非特許文献1)がある。ここでは,二酸化珪素からのシリコン収率が83%を達成し,不純物濃度は鉄が12ppm程度,ホウ素は0.1ppm以下の高純度性が得られている。
【非特許文献1】「Y.Sakaguchi,et al.,ISIJ International,vol.32(1992)pp.643〜649」
【0020】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、光ファイバーからシリコンが得られることが確認された。また,固相還元物質の共存効果は著しく,シリコン生成量が増大した。
【0021】本研究で得られたシリコンの純度は,光ファイバー中の二酸化珪素の不純物濃度がppt以下であることを考えると,比較例よりも高純度なシリコンが得られていると考えられる。不純物混入の原因として,還元剤として混合した活性炭やグラファイトからの不純物が考えられる。しかし,気相から純度の高いガス還元剤を供給することにより,その原因を極力制限できる。
【0022】一方ゲルマニウムは,光ファイバーに対して数百ppmのオーダーで含まれている。ゲルマニウム酸化物の揮発性を考慮しても,恐らく残存していることは考えにくい。たとえ残存していたとしても,ゲルマニウムはシリコンの太陽光発電特性の発電効率を改善することが知られており,少なくとも発電特性を阻害するものではない。
【0023】これらの結果から,廃棄光ファイバーをリサイクルし,太陽光発電用シリコンへと再利用する方式が実現可能であることが示された。
【発明の属する技術分野】本発明は,光通信ネットワークのため世界中に巡らされている光ファイバーケーブルの廃棄品リサイクル方法となる。光ファイバーが超高純度石英ガラス(二酸化珪素)および炭化水素樹脂被覆材から構成されることを利用して,二酸化珪素を被覆材により還元し超高純度なシリコンを回収し,太陽光発電の主要構成材料とする。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーケーブルの交換は約20年を周期として余儀なくされている。交換された光ファイバーは,現在再利用用途がなく,逆に先鋭性のために危険物として埋め立て処分・廃棄されているのが現状である。したがって,リサイクル技術は全くない。
【0003】一方で,環境保護の観点から自然エネルギーの利用が促進されていること,および売電制度が確立されたことなどから,太陽光発電システムは民生までに至る需要の増強が見込まれる。このため大量な超高純度シリコンが今後必要となってくる。
【0004】現在この太陽光発電システムに含まれるシリコンは,半導体シリコン製造工程で排出されるスクラップシリコンを用いている。しかし,本工程で排出されるスクラップは微少であり,今後の太陽光発電システム需要に見合った供給バランスが取れないことが予想される。また,半導体製造工程で得られる超高純度シリコン(イレブン・ナイン以上)の純度を得るのには,珪石還元,ガス化,および精製工程が繰り返されるため,結果として製品の高コスト化の原因となっている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】超高純度品である光ファイバーが産業廃棄物となるため,廃棄光ファイバーの再資源化・リサイクル方法が課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では,光ファイバーの超高純度性を利用し,超高純度製品が要求される太陽光発電システムにおけるシリコン(シックス・ナイン以上)を得ることで,廃棄光ファイバーのリサイクル方法とする。さらにはリサイクル方法の確立とともに,太陽光発電システムの需要増にも対応でき,かつ安価な作製方法を提案するものである。
【0007】本法では,光ファイバー構成要素である石英ガラス(二酸化珪素)および被覆材をアークプラズマを用いることで反応させ,高純度のシリコンを得る方式を採用する。すなわち,被覆材(炭化水素系樹脂)を還元剤に二酸化珪素を還元する化学反応を利用するものである。
【0008】本発明に用いる光ファイバーについて述べる。光ファイバーは,中心部が送信ロスを極力抑えるために超高純度石英(二酸化珪素)および光屈折率調整のために添加されるゲルマニウムからなる,直径125ミクロンの石英ガラスである。その中心部は,厳密に不純物混入を制限された気相非接触法を用い,四塩化珪素ガスを加水分解しながら欠陥無く細線化させることで得られている。また,中心部保護のために回りを樹脂などからなる被覆材で覆い,地中に埋設され通信ケーブルとして供されている。その被覆材の劣化に伴い,約20年で交換されている。光ファイバーが通信ケーブルとして使用されるようになって20年が経過し,今後益々廃棄ケーブルが増大することとなる。しかし,廃棄品の石英の純度低下による交換ではなく,その超高純度性を損なうものではない。
【0009】次に,本発明に用いるアークプラズマについて述べる。先項でも述べたとおり,アークプラズマを利用した本還元方式は,半導体用シリコン精製工程における珪石からの1次精製に用いられる回分式反応方式であり,そこではグラファイトなど炭素質物質が還元剤となる。二酸化珪素をアーク反応炉中で炭素により粗還元した後,四塩化珪素ガス化して更に精製したものを半導体用超高純度シリコン原料,あるいは光ファイバー原料としている。そのため,アーク反応炉使用には新規性を請求するものではない。むしろ,超高純度二酸化珪素からなる光ファイバーを太陽電池原料とすることで,現行の1次精製のプロセスのみで太陽電池級シリコンが得られ,大幅なコストダウンと製造エネルギー節約となることを特徴とする。
【0010】
【実施例1】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0011】
【実施例2】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。そこに活性炭あるいはグラファイトを0.1〜100g加えた。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0012】
【実施例3】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜5%でメタンを含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0013】
【実施例4】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜3%で水素を含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0014】
【実施例5】無着色光ファイバーを切断後,0.1〜100gを内容積5〜500mLのグラファイトるつぼに投入した。そこに活性炭あるいはグラファイトを0.1〜100g加えた。るつぼを内容積3Lのチャンバー内に静置し,アルゴン気流で雰囲気置換した。その後,チャンバー内に設置したアークトーチ先端部分に電圧を加え,体積比0.1〜3%で水素を含むアルゴン気流下,20〜70Aで1〜5分間アーク放電を行った。必要に応じて,アークトーチを首振りすることで,るつぼ内を均等に加熱した。アルゴン気流で放冷後、還元生成物を回収した。必要に応じて,放冷後再放電を数回行った。
【0015】実施例1〜5で得た還元生成物を粉末X線回折法により定性分析した。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】「実施例にて作製したシリコン化合物のX線回折による定性と生成物比較」
【0017】表1から明らかなように、光ファイバーの還元により,光ファイバーのみからでもシリコンの生成が確認された。また,活性炭や炭素質物質などの固体還元剤となる物質を光ファイバーに混ぜることによりシリコン生成量が増大したことが確認された。一方,気相から還元剤となるメタンや水素を流通させた場合には,シリコン生成への効果はそれほど大きくないながらも,還元剤として有効であることが示された。
【0018】
【比較例1】光ファイバーそのものを還元剤添加により還元した例はない。
【0019】
【比較例2】アークプラズマ反応炉を用いた二酸化珪素の炭素還元プロセスは,川崎製鉄の発表論文(例えば,非特許文献1)がある。ここでは,二酸化珪素からのシリコン収率が83%を達成し,不純物濃度は鉄が12ppm程度,ホウ素は0.1ppm以下の高純度性が得られている。
【非特許文献1】「Y.Sakaguchi,et al.,ISIJ International,vol.32(1992)pp.643〜649」
【0020】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、光ファイバーからシリコンが得られることが確認された。また,固相還元物質の共存効果は著しく,シリコン生成量が増大した。
【0021】本研究で得られたシリコンの純度は,光ファイバー中の二酸化珪素の不純物濃度がppt以下であることを考えると,比較例よりも高純度なシリコンが得られていると考えられる。不純物混入の原因として,還元剤として混合した活性炭やグラファイトからの不純物が考えられる。しかし,気相から純度の高いガス還元剤を供給することにより,その原因を極力制限できる。
【0022】一方ゲルマニウムは,光ファイバーに対して数百ppmのオーダーで含まれている。ゲルマニウム酸化物の揮発性を考慮しても,恐らく残存していることは考えにくい。たとえ残存していたとしても,ゲルマニウムはシリコンの太陽光発電特性の発電効率を改善することが知られており,少なくとも発電特性を阻害するものではない。
【0023】これらの結果から,廃棄光ファイバーをリサイクルし,太陽光発電用シリコンへと再利用する方式が実現可能であることが示された。
Claims (3)
- 現行では確立されていない廃棄光ファイバーのリサイクル方法。
- ゲルマニウムを含む超高純度二酸化珪素の還元および超高純度シリコンを必須成分とする太陽光発電システムへの廃棄光ファイバー還元物の適用。
- 還元ガス流通下での二酸化珪素還元方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037904A JP2004243264A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 廃棄光ファイバーリサイクル方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037904A JP2004243264A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 廃棄光ファイバーリサイクル方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004243264A true JP2004243264A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33022569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003037904A Pending JP2004243264A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 廃棄光ファイバーリサイクル方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004243264A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009084094A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 光ファイバー心線のリサイクル方法及び該方法で製造されたシリコン |
JP2011505329A (ja) * | 2007-12-05 | 2011-02-24 | インスティチュート ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック | 光ファイバーまたはガラス質残分からのGeCl4および/またはSiCl4回収プロセスおよびSiO2に富む材料からSiCl4を製造するプロセス |
KR101589049B1 (ko) * | 2015-01-19 | 2016-01-27 | 주식회사 제이메탈 | 폐광섬유의 재활용 방법 |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003037904A patent/JP2004243264A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009084094A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 光ファイバー心線のリサイクル方法及び該方法で製造されたシリコン |
JP2011505329A (ja) * | 2007-12-05 | 2011-02-24 | インスティチュート ナショナル デ ラ ルシェルシュ サイエンティフィック | 光ファイバーまたはガラス質残分からのGeCl4および/またはSiCl4回収プロセスおよびSiO2に富む材料からSiCl4を製造するプロセス |
US8486360B2 (en) | 2007-12-05 | 2013-07-16 | Institut National De La Recherche Scientifique | GeCl4 and/or SiCl4 recovery process from optical fibers or glassy residues and process for producing SiCl4 from SiO2 rich materials |
KR101589049B1 (ko) * | 2015-01-19 | 2016-01-27 | 주식회사 제이메탈 | 폐광섬유의 재활용 방법 |
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