JP2004242907A - ゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴルフスウィングの評価を的確に行うことのできるゴルフスウィングのシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を用いてゴルフスウィングの特徴を評価する。
【解決手段】ゴルフクラブモデル40を作成するモデル作成ステップと、ゴルフスウィングのアドレスの状態以降のバックスウィングの状態を少なくとも含み、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きをグリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データを、ゴルフクラブモデル40におけるグリップモデル46に境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデル40の動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、ゴルフクラブモデル40の動的挙動の演算結果からゴルフクラブのヘッドスピードを算出する算出ステップとを、有する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブを把持して行うゴルフスウィングをゴルフクラブモデルを用いて行うゴルフクラブのシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を用いてゴルフスウィングの特徴を評価するゴルフスウィングの評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くのゴルファはゴルフボールを目標位置により正確に飛ばしたり、より遠くに飛ばすことができるように、技術の向上を常に目指している。特に技術の向上にとって重要な点は、自分のゴルフスウィングの特徴を知り、自分の特徴に合った理想のゴルフスウィングを知り、あるいは、自分のゴルフスウィングの欠点を知ることが重要である。
このような自分のゴルフスウィングは、一般にゴルフ指導員等に自分のゴルフスウィングを見てもらいアドバイスを受けることで特徴を知ることができる。しかし、ゴルフ指導員のアドバイスは、客観データに基づくものでない場合が多いため、ゴルファにとって素直に受け入れがたい場合も多く、このため、客観データに基づくアドバイスを受けることを望むゴルファも多い。
【0003】
現在、客観的データとしてゴルフスウィングを計測する方法は、例えば、下記特許文献1が挙げられる。
特許文献1では、磁気センサをグリップ部に固定したゴルフクラブを所定の磁場が形成された空間内でゴルフスウィングを行い、ゴルフスウィング中のグリップ部の挙動を磁気センサの検知信号に基づいて計測して、ゴルフスウィングにおけるグリップ部の動きを知ることができる。
さらに、特許文献1では、ゴルフスウィングのトップの状態にあるゴルフクラブを振り下ろしてダウンスウィングの状態からインパクトの状態までの範囲におけるゴルフスウィングを解析することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−112903号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなゴルフスウィング中のグリップ部の動きを特許文献1の方法により知ることができても、計測されたゴルフスウィングのグリップ部の挙動がゴルフクラブヘッドにどのような影響を与えるのか不明であるため、自分のゴルフスウィングの評価を的確に得ることができない場合も多いといった問題があった。
さらに、ゴルフスウィングの解析をダウンスウィングの限られた範囲で行うため、必ずしもゴルフクラブに影響を与えるゴルフスウィングの特徴を評価することができないといった問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、ゴルフクラブを把持して行うゴルフスウィングの評価を的確に行うことのできるゴルフスウィングのシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を用いてゴルフスウィングの特徴を評価するゴルフスウィングの評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを再現するゴルフスウィングのシミュレーション方法であって、ゴルフクラブを再現したゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、ゴルフスウィングのアドレスの状態以降のバックスウィングの状態を少なくとも含み、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きをグリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データを、前記ゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、ゴルフクラブモデルの動的挙動の演算結果からゴルフクラブの特性物理量を算出する算出ステップとを、有することを特徴とするゴルフスウィングのシミュレーション方法を提供する。
【0008】
その際、前記グリップ部の位置と向きを表した時系列情報は、アドレスの状態からトップの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを計測して得られた3次元時系列データであるのが好ましい。
また、前記算出ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分の移動速度を前記特性物理量として算出するのが好ましい。
【0009】
また、本発明は、ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを評価するゴルフスウィングの評価方法であって、ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングの際に、アドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを、グリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データとして計測する計測ステップと、ゴルフクラブを再現したゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、前記計測により得られた3次元時系列データを、前記ゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に第1の境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現するとともに、計測により得られた前記3次元時系列データのうち、ゴルフスウィングのトップの状態からダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る前記3次元時系列データの一部分を、前記ゴルフクラブモデルのグリップ部に対応する部分に第2の境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、前記再現ステップで得られた前記第1の境界条件における演算結果および前記第2の境界条件における演算結果からそれぞれの演算結果に対応してゴルフクラブの特性物理量を算出し、さらに、算出した2つの特性物理量間の差分に基づいて前記ゴルフスウィングを評価する評価ステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィングの評価方法を提供する。
【0010】
その際、前記評価ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分のインパクト状態における移動速度を前記特性物理量として算出し、前記第1の境界条件における前記移動速度と前記第2の境界条件における前記移動速度との差分を前記特性物理量間の差分として用いて前記ゴルフスウィングを評価するのが好ましく、例えば、前記移動速度の差分の絶対値が所定値より大きい場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングと評価する。
【0011】
さらに、本発明は、ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを評価するゴルフスウィングの評価方法であって、ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングの際に、アドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを、グリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データとして計測する計測ステップと、ゴルフクラブを再現した第1のゴルフクラブモデルと、ゴルフクラブシャフトを剛体とした第2のゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、前記計測により得られた3次元時系列データを、前記第1のゴルフクラブモデルおよび前記第2のゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に境界条件として与えることで、第1のゴルフクラブモデルの動的挙動および第2のゴルフクラブの動的挙動をそれぞれ演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、前記再現ステップで得られた第1のゴルフクラブモデルの演算結果および第2のゴルフクラブモデルの演算結果からそれぞれの演算結果に対応してゴルフクラブの特性物理量を算出し、さらに、算出した2つの特性物理量間の差分に基づいて前記ゴルフスウィングを評価する評価ステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィングの評価方法を提供する。
【0012】
その際、前記評価ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分の移動速度を前記特性物理量として算出し、前記第1のゴルフクラブモデルにおける前記移動速度と前記第2のゴルフクラブモデルにおける前記移動速度との差分の時系列データに基づいて前記ゴルフスウィングを評価するのが好ましい。例えば、記差分の時系列データの最大値と最小値との差分が所定値より大きい場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングと評価する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法を実施する、評価装置10および計測システム20の概略構成図である。
評価装置10は、計測システム20から供給される、ゴルフクラブのグリップ部36の動きをグリップ部36の位置と向きによって表した3次元時系列データを用いて、ゴルフクラブモデルによるゴルフスウィングを再現する演算を行い、この演算結果を用いて計測したゴルフスウィングの特徴を評価する装置である。
具体的には、評価装置10は、モデル作成部12と、シミュレーション演算部14と、ゴルフスウィング評価部16とを有し、このほか上記各部分の動作を制御、管理するCPU18と、計測システム20から供給された3次元時系列データを記憶したり、上記各部分で得られた処理結果を記憶するメモリ19とを有する。
【0015】
なお、評価装置10は、モヂュール化されたサブルーチンプログラムを実行することでモデル作成部12、シミュレーション演算部14、およびゴルフスウィング評価部16における各機能が発揮されるように構成されたコンピュータであってもよいし、また、各部分が専用装置や専用回路で組まれた専用装置であってもよい。
【0016】
モデル作成部12は、ゴルフクラブを再現したゴルフクラブモデルを作成する部分である。ゴルフクラブモデルは、例えば、ゴルフクラブシャフトモデルとゴルフクラブヘッドモデルとが組み合わされており、ゴルフクラブシャフトモデルは断面積が一定の梁要素のモデルで離散化された真直梁モデルであり、ゴルフクラブヘッドモデルはゴルフクラブヘッドの重心位置に対応する位置に集中質量を与えた質点モデルが例示される。モデル作成部12で作成されるゴルフクラブモデルは、ゴルフクラブシャフトが撓る弾性体の弾性体モデル、あるいはゴルフクラブシャフトが全く変形しない剛体モデルが必要に応じて作成される。剛体モデルは、弾性体モデルに用いられる剛性に関する材料定数の値を極めて大きいものとすることで容易に作成することができる。
【0017】
シミュレーション演算部14は、作成されたゴルフクラブモデルおよび計測システム20から供給されたゴルフクラブのグリップ部36の動きをグリップ部36の位置と向きによって表した3次元時系列データを用いて、ゴルフスウィングを再現したシミュレーション演算の演算処理を行う部分である。具体的には、ゴルフクラブモデルのグリップ部36に対応する部分に3次元時系列データを境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算する。具体的には、運動方程式の時間差分スキームを用いた陽解法により時間経過に沿って逐次解く公知の方法で演算を行う。
この場合、計測システム20から供給される3次元時系列データは、ゴルフスウィングのアドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部36の動きのデータであり、この3次元時系列データをバックスウィング有りの境界条件(第1の境界条件)としてシミュレーション演算を行う。さらに、必要に応じて、この3次元時系列データのうち、ゴルフスウィングのトップの状態からダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る3次元時系列データの一部分のデータをバックスウィング無しの境界条件(第2の境界条件)として、シミュレーション演算を行う。
なお、モデル作成部12においてゴルフクラブシャフトモデルとして、弾性体ゴルフクラブシャフトおよび剛体ゴルフクラブシャフトを再現した弾性体モデルおよび剛体モデルの2種類のモデルを作成した場合、これらの2種類のモデルを用いたゴルフクラブモデルを用いてシミュレーション演算を2回行う。
【0018】
ゴルフスウィング評価部16は、シミュレーション演算によって得られた演算結果からゴルフクラブの特性物理量を算出し、さらに、算出した特性物理量に基づいてゴルフスウィングを評価する部分である。
特性物理量は、例えば、ゴルフクラブモデルにおけるゴルフクラブヘッドに対応する部分の移動速度、例えば、ゴルフクラブヘッドモデルが質点モデルの場合、この質点モデルの移動速度が算出される。
シミュレーション演算部14において、バックスウィング有りの境界条件およびバックスウィング無しの境界条件でシミュレーション演算が行われた場合、各条件におけるインパクト状態における、ゴルフクラブヘッドに対応する部分の移動速度をそれぞれ算出して、算出された移動速度の差分を求め、この差分の絶対値の大小によりゴルフスウィングの評価を行う。あるいは、モデル作成部12においてゴルフクラブシャフトモデルとして、弾性体ゴルフクラブシャフトおよび剛体ゴルフクラブシャフトを再現した弾性体モデルおよび剛体モデルが作成された場合、これらの2種類のゴルフクラブモデルを用いて得られたそれぞれの演算結果からゴルフクラブヘッドに対応する部分の移動速度をそれぞれ算出して、算出された移動速度の差分を求め、この差分の絶対値の大小によりゴルフスウィングの評価を行う。
ゴルフスウィングの評価結果は、図示されないプリンタやモニタに出力される。
評価装置10は以上のように構成される。
【0019】
一方、計測システム20は、ゴルフクラブ30のグリップ部36を把持して行うゴルフスウィング中のグリップ部36の移動範囲内に、強さと方向が既知の分布を持つ磁場を形成するトランスミッタ20aと、グリップ部36の端部に固定され、磁場を感知することにより、基準位置に対する3次元位置とオイラー角の情報を含んだ信号を出力するレシーバ(磁気センサ)20bと、この信号に基づいてグリップ部36の3次元位置(x、y、z)の時系列データとグリップ部36のオイラー角(θ、θ、θ)の時系列データとを生成するコントローラ20cとを有する。
【0020】
すなわち、計測システム20は、図1に示すように、ゴルフスウィングするゴルファの背後に配置固定したトランスミッタ20aから3種類の所定の磁場を次々に発生させ、一方、移動および回転するグリップ部36に固定されたレシーバ20bが、トランスミッタ20aによって作られる3種類の磁場内の位置および向きに対応して磁気を感知して合計9つの出力電圧を出力し、この出力電圧からコントローラ20cにおいてデータ処理がなされてレシーバ20bの3次元位置と向き(オイラー角)のデータを得ることができるシステムである。
【0021】
このような計測システム20をより詳しく説明すると、図2に示されるように、所定の磁場を形成するトランスミッタ20aと、この磁場の強さや方向に応じて3軸方向の出力電圧を発生するレシーバ20bと、コントローラ20cとを有して構成される。
コントローラ20cは、トランスミッタ20aに所定の3種類の磁場を順次発生する駆動信号を生成するとともに、レシーバ20bから出力された信号を検出し、検出された信号よりデータ処理を行って、所定の位置、例えばトランスミッタ20aの位置を基準位置とし、お互いに直交する3方向を基準方向とする3次元位置座標(x,y,z)と、所定の基準方向、例えばX,Y,Z座標軸方向に対するレシーバ20bの向きを表す姿勢角度、すなわちヨー角、ピッチ角およびロール角(以降では、オイラー角(θ,θ,θ)と表す)の時系列データを演算して出力する。
【0022】
トランスミッタ20aおよびレシーバ20bは、図2に示されるように、お互いに直交する3軸方向に各々ループ状に巻かれた3つのコイルによって構成され、トランスミッタ20aは、ゴルフスウィングするゴルファの後方に固定配置され、レシーバ20bは、ゴルフクラブ30のグリップ部36の端部に固定される。
コントローラ20cは、3種類の磁場を順次発生する駆動信号を生成する駆動回路20dと、レシーバ20bからの出力された信号を検出する検出回路20eと、駆動回路20dおよび検出回路20eの制御を行い、検出回路20eから送られる信号よりレシーバ20bの3次元位置とオイラー角を求める制御ユニット20fによって構成される。トランスミッタ20aは駆動回路20dに、レシーバ20bは検出回路20eに、各々接続される。
【0023】
計測システム20は、以上のように構成される。なお、グリップ部36に固定されたレシーバ20bの基準位置に対する3次元位置座標(x,y,z)と基準方向に対するオイラー角(θ,θ,θ)の時系列データは以下のようにして得られる。
図2に示すように、駆動回路20dは、制御ユニット20fの指令信号にしたがって、周波数と位相が常時一定の同一信号を出力し、トランスミッタ20aの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルを順次励磁する。各ループ状コイルは、励磁のたびに各々異なる磁場を発生し、この磁場に基づいてレシーバ20bの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルに各々独立な電圧を発生させる。この電圧は、トランスミッタ20aの3つのループ状コイルによって励磁される3つの磁場それぞれに応じて、レシーバ20bの3つのループ状コイルに発生する3つの独立した電圧であるため、合計9個(3×3個)の電圧が得られる。
【0024】
一方、磁場を形成させるトランスミッタ20aが所定の位置に固定設置されているので、発生する磁場の強さと方向に関する分布はトランスミッタ20aの設置された基準位置および、基準方向に対して既知となる。そこで、この形成された磁場によって生じる9つの電圧を用いることによって、上記基準位置に対するレシーバ20bの3次元位置座標(x,y,z)と上記基準方向に対するオイラー角(θ,θ,θ)の6つの未知数を求めることができる。
コントローラ20cの制御ユニット20fは、検出回路20eから送られてきた9つの電圧を用いて、3次元位置座標(x,y,z)とオイラー角(θ,θ,θ)のデータを演算して求める。
求められた3次元位置座標(x,y,z)とオイラー角(θ,θ,θ)は、データ処理部であるコンピュータ22に供給される。
このような計測システム20として、例えば、3SPACE FASTRAK ( Polhemus社製)を挙げることができる。
【0025】
コンピュータ22は、供給された3次元位置座標(x,y,z)とオイラー角(θ,θ,θ)の時系列データから、グリップ部36の所定の位置を基準とした3次元位置と直交座標系(XYZ座標系)におけるグリップ部36の3次元方向における向きについての3次元時系列データを演算して求める部位である。例えば、3次元位置座標(x,y,z)と、直交座標系における方位角と仰角とゴルフクラブシャフト32の軸周りの回転の3次元時系列データを求める。グリップ部36の3次元位置とこの直交座標系におけるグリップ部36の3次元方向の向きの時系列データは、上述した評価装置10に供給されメモリ19に記憶される。
さらに、算出されたグリップ部36の3次元位置と3次元方向の向きからなる3次元時系列データは、設定された所定の方向から見たグリップ部36の軌道、例えば、ゴルファと正対する正面からみたゴルフスウィング中のグリップ部36の軌道のデータに変換されて、モニタ24に供給される。また、3次元時系列データがモニタ24にグラフとして表示される。
計測システム20は以上のように構成される。
【0026】
このような評価装置10および計測システム20では、以下に示すゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法が実施される。
図3は、ゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法の一例の流れを示すフローチャートである。
【0027】
まず、ゴルファがゴルフクラブを把持して行うゴルフスウィングが計測システム20を用いて計測される(ステップS10)。
ゴルフスウィングの計測は、レシーバ20bがグリップ部36に固定されたゴルフクラブをゴルファが把持してゴルフスウィングを行い、この時トランスミッタ20aによって形成される磁場をレシーバ20bが感知しながらコントローラ20cに出力電圧を送る。コントローラ20cでは演算により3次元位置座標(x,y,z)とオイラー角(θ,θ,θ)の時系列データが算出され、この時系列データから、コンピュータ22で、グリップ部36の所定の位置を基準とした3次元位置と直交座標系におけるグリップ部36の3次元方向における向きについての3次元時系列データが求められる。求められた3次元時系列データは評価装置10に供給され、メモリ19に記憶される。
【0028】
図4(a)〜(c)は、ゴルファAのゴルフスウィングの際に、アドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部36の3次元位置座標を、時系列で表したものである。図4(a)に示すX座標の値は、ゴルフボールを打撃する向きをX軸とした座標値であり、図4(b)に示すY座標の値は、地面からゴルファの頭に向かう向き(高さ方向)をY軸とした座標値であり、図4(c)に示すZ座標の値は、アドレスしたゴルファの後方から前方に向かう向きをZ軸とした座標値である。
図4(a)〜(c)では、アドレスの状態を0秒とし、この時点から略0.9秒までがバックスウィングの状態となり、略0.9秒でトップの状態となる。この時点から略1.2秒までダウンスウィングの状態となり、略1.2秒でインパクトの状態を迎える。
図5(a)〜(c)には、ゴルファBのゴルフスウィングの計測結果であり、それぞれ、X座標、Y座標およびZ座標の時系列データである。図5(a)〜(c)においても、アドレスの状態を0秒としている。トップの状態は略1.15秒、インパクトの状態は略1.45秒である。
図4(a)〜(c)と図5(a)〜(c)をそれぞれ対応させて比べると、グリップ部36の動きが種々異なっている。
このような3次元時系列データ、すなわち、グリップ部36の所定の位置を基準とした3次元位置座標と、グリップ部36の3次元方向における向きのデータとが評価装置10に供給され、メモリ19に記憶される。
【0029】
また、ゴルフスウィングの計測とともに、ゴルフクラブモデルの作成が行われる(ステップS12)。
図6(a)には、ゴルフクラブ30が、図6(b)には、作成されるゴルフクラブモデルの一例が示されている。
図6(b)に示すゴルフクラブモデル40は、ゴルフクラブシャフト32に対応するゴルフクラブシャフトモデル42とゴルフクラブヘッド34に対応するゴルフクラブヘッドモデル44とグリップ部36に対応するグリップモデル46とを有する。
ゴルフクラブシャフトモデル42は各要素が梁要素のモデルで離散化された有限要素モデルであって、各要素の梁要素のモデルは断面積が一定の真直梁モデルである。ゴルフクラブシャフトモデル42は、要素1〜12からなる真直梁モデルでモデル化され、チップ側の先端には、ゴルフクラブヘッドモデル44が付加されている。ゴルフクラブヘッドモデル44は、ゴルフクラブヘッド34の質量をゴルフクラブヘッド34の重心位置に対応する位置に集中質量を与えた質点モデルである。さらに、ゴルフクラブシャフトモデル42のバッド側には、剛体要素である要素13からなるグリップモデル46が設けられている。
【0030】
なお、ゴルフクラブシャフトモデル42における要素分割数は12分割に限られず、6〜100分割であればよいが、後述するシミュレーション演算において計算の効率化と計算精度の向上を同時に満足させる点から、10〜15分割が好ましく、より好ましくは12分割であるのがよい。分割数が多いと計算を効率的に行うことはできない一方、分割数が少ないと後述するヘッドスピードを精度良く再現することができない。
【0031】
ここで、各要素1〜12の材料定数は、各要素における真直梁モデルにおける曲げ剛性である。ゴルフクラブシャフト32の曲げ剛性はゴルフクラブシャフトの長手方向に沿って変化するが、この変化に対応するように各真直梁モデルにおける曲げ剛性の値も長手方向に沿って変化させる。
なお、ゴルフクラブモデル40におけるグリップモデル46は、図6(b)に示すような単一の要素13からなるものに制限されず、複数の要素に分割した弾性体要素で構成してもよい。例えば、図6(c)に示すように、各要素が梁要素で構成された要素13、14、15からなるものであってもよい。
【0032】
次に、シミュレーション演算を行うための境界条件の設定が行われる(ステップS14)。
すなわち、ゴルフスウィングのアドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る3次元時系列データをバックスウィング有りの境界条件として設定し、さらに、この3次元時系列データのうち、ゴルフスウィングのトップの状態からダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る3次元時系列データの一部分のデータをバックスウィング無しの境界条件として設定する。
具体的には、図4(a)〜(c)の例で説明すると、時間0秒〜略1.2秒間の3次元時系列データをバックスウィング有りの境界条件とし、時間略0.9秒〜略1.2秒間の3次元時系列データをバックスウィング無しの境界条件とする。
設定された境界条件はメモリ19に記憶される。
【0033】
次に、バックスウィング有り/無しのゴルフスウィングを再現したシミュレーション演算が行われる(ステップS16)。
具体的には、ステップS14で設定されたバックスウィング有りの境界条件とバックスウィング無しの境界条件を、ゴルフクラブモデル40のグリップモデル46に付与して、ゴルフクラブモデル40の動的挙動が演算される。具体的には、運動方程式の時間差分スキームを用いた陽解法により時間経過に沿って動的挙動が算出される。
【0034】
図7(a)は、図4(a)〜(c)に示すバックスウィング有りの境界条件をゴルフクラブモデル40のグリップモデル46に付与した際のゴルフクラブモデル40の動的挙動の時間変化を重書きした図である。図7(a)に示されるように、ゴルフクラブシャフトモデル42は、トップの状態およびインパクトの状態で大きく変形している。
図7(b)は、図5(a)〜(c)に示すバックスウィング有りの境界条件をゴルフクラブモデル40のグリップモデル46に付与した際のゴルフクラブモデル40の動的挙動の時間変化を重書きした図である。図7(b)に示されるゴルフクラブシャフトモデル42は、図7(a)に示すゴルフクラブシャフトモデル42に比べてトップの状態およびインパクトの状態における変形が極めて小さい。
このように、ゴルフクラブモデル40によるゴルフスウィングのシミュレーション演算は、ゴルフスウィングのトップの状態およびインパクトの状態におけるゴルフクラブシャフトのしなり(変形)を再現することができる。
すなわち、ゴルファがアドレスの状態からからバックスウィングの状態を経てトップの状態に至り、この状態からゴルフクラブを振り下ろしてインパクトの状態を迎える際に、ゴルフクラブシャフトのしなりを利用してゴルフスウィングを行っているかを、後述するステップにより判断することができる。
【0035】
次に、ヘッドスピードおよび、バックスウィング有り/無しの境界条件の差異によるヘッドスピードの差分が算出される(ステップS18)。
例えば、図6(b)に示すゴルフクラブモデル40の場合、バックスウィング有り/無しのそれぞれの境界条件において、ゴルフクラブヘッドモデル44におけるゴルフクラブヘッドの対応部分である質点モデルの位置が各時間毎に求められて質点モデルの移動速度が求められる。そして、インパクト時の質点の移動速度、すなわち、ヘッドスピードが算出される。この後、この算出されたバックスウィング有り/無しのそれぞれの境界条件におけるヘッドスピードの差分が求められる。
次に、求められたヘッドスピードの差分の絶対値が所定の値以上、例えば、1.0(m/秒)以上である場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングであると評価され、それ以外はゴルフクラブシャフトの撓りを利用しないゴルフスウィングであると評価される(ステップS20)。
【0036】
図8(a)および(b)には、図4(a)〜(c)および図5(a)〜(c)に示したゴルファAおよびゴルファBのゴルフスウィング時のグリップ部の動きを表した3次元時系列データを用いて得られた質点モデルの質点の移動速度であるヘッドスピードの変動が示されている。図8(a)および(b)に示す曲線Lは、バックスウィング有りの境界条件を用いて得られたヘッドスピードを示し、図8(a)および(b)に示す曲線Lは、バックスウィング無しの境界条件を用いて得られたヘッドスピードを示している。
【0037】
図8(a)および図8(b)からわかるように、ゴルファAはゴルファBに対してバックスウィング有りとバックスウィング無しの境界条件の違いによりヘッドスピードが大きく異なり、バックスウィング有りで求めたインパクトの状態におけるヘッドスピードがバックスウィング無しの境界条件で求めたインパクトの状態におけるヘッドスピードに比べて高い結果を示している。この結果は、図7(a)に示すトップの状態におけるゴルフクラブシャフトモデルの変形からわかるように、バックスウィングの状態からトップの状態にいたり、ここからダウンスウィングの状態を開始するとき、ゴルフクラブシャフトが大きく撓るようなゴルフスウィングを行うことによるものであるといえる。これに対して、ゴルファBは、図7(b)に示すトップの状態におけるゴルフクラブシャフトモデルの変形は小さいことからわかるように、トップの状態でゴルフクラブシャフトの撓りを抑えたゴルフスウィングを行って、バックスウィング有りとバックスウィング無しの境界条件の違いによりインパクトの状態のヘッドスピードに差が生じないものといえる。
【0038】
実際、インパクトの状態におけるヘッドスピードは、バックスウィング有り/無しの境界条件の違いで、図9に示すように異なっている。図9には、ゴルファA、Bの他にさらにゴルファCのヘッドスピードの違いも示している。
すなわち、ゴルフスウィングを表した3次元時系列データを、バックスウィング有り/無しの条件でゴルフクラブモデル40に付与してゴルフスウィングのシミュレーション演算を行うことで、このゴルフスウィングがゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングか否かを評価することができる。
本実施例では、アドレスの状態から始まるバックスウィングをすべて含めてバックスウィング有りの境界条件を設定するものであるが、本発明では、少なくともトップの状態におけるゴルフクラブシャフトモデルの撓りの有無が再現できるようにバックスウィング有りの境界条件を設定すればよく、少なくともトップの状態に至るバックスウィングの一部分を含むように境界条件を設定すればよい。
また、本実施例では、ヘッドスピードをシミュレーション演算結果の特性物理量として算出したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、ゴルフクラブシャフトモデルに作用する応力や歪みや各要素の変位等を特性物理量としてもよい。
【0039】
また、本発明は、ゴルフスウィングを表した3次元時系列データを、バックスウィング有り/無しの条件でゴルフクラブモデル40に付与してゴルフスウィングのシミュレーション演算を行うことで、ゴルフスウィングの評価を行うが、図10に示す方法でゴルフスウィングの評価を行ってもよい。
【0040】
図10は、本発明のゴルフスウィングの評価方法の他の一例のフローを示すフローチャートである。
図10に示す実施例では、ステップS30、S32、S34、S36、S38およびS40の各ステップを経てゴルフスウィングの評価を行う。
まず、ゴルファがゴルフクラブを把持して行うゴルフスウィングが計測システム20を用いて計測される(ステップ30)。
ゴルフスウィングの計測は、図3に示すステップS10と同様の方法で行う計測であり、ゴルフスウィングのアドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る3次元時系列データがグリップ部36の動きとして計測されるため、その説明は省略する。
【0041】
また、ゴルフスウィングの計測とともに、ゴルフクラブモデルの作成が行われる(ステップS32)。
ゴルフクラブモデルは、図6(b)に示す弾性体ゴルフクラブシャフトを再現したゴルフクラブシャフトモデル42を備えるゴルフクラブモデル40と、弾性体のゴルフクラブシャフトモデル42に用いられる剛性に関する材料定数の値を極めて大きいものとして、ゴルフクラブシャフトが全く変形しない剛体ゴルフクラブシャフトを再現したゴルフクラブシャフトモデルを備えたゴルフクラブモデルとが作成される。
【0042】
次に、シミュレーション演算を行うための境界条件の設定が行われる(ステップS34)。
すなわち、ステップ30のゴルフスウィングの計測により得られたゴルフスウィングのアドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る3次元時系列データが境界条件として設定される。
【0043】
次に、ゴルフスウィングのシミュレーション演算が行われる(ステップS36)。
すなわち、ステップ32のゴルフクラブモデルの作成において作成された2つのゴルフクラブモデルにステップ34において設定された3次元時系列データが境界条件として付与されて、ステップS16と同様の方法によるシミュレーション演算が行われる。
次に、シミュレーション演算された2つのゴルフクラブモデルにおけるヘッドスピードが算出され、2つのゴルフクラブモデルにおけるヘッドスピードの差分の時系列データが算出される(ステップS38)。
最後に、ゴルフスウィングの評価が行われる(ステップS40)。
ヘッドスピードの差分の時系列データのうち、最大値と最小値との差分が所定値より大きい場合、例えば、1.5(m/秒)以上である場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングであると評価され、それ以外はゴルフクラブシャフトの撓りを利用しないゴルフスウィングであると評価される。
【0044】
図11は、一例として、図9に示したゴルファA,BおよびCのヘッドスピードの差分の時系列データを示している。
ゴルファAはゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングであるため、剛体ゴルフクラブシャフトを再現したゴルフクラブシャフトモデルを用いてシミュレーション演算して得られたヘッドスピードと、弾性体ゴルフクラブシャフトを再現したゴルフクラブシャフトモデルを用いてシミュレーション演算して得られたヘッドスピードとの差分における最大値と最小値との差分がゴルファBやC、特にゴルフクラブシャフトの撓りを利用しないゴルファBに比べて大きいことがわかる。ゴルファAおよびCのゴルフスウィングは、図11に示す最大値および最小値の差分が1.5(m/秒)以上であるためゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングであると評価され、ゴルファBのゴルフスウィングは、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用しないゴルフスウィングであると評価される。
【0045】
このように、本発明のシミュレーション演算方法では、ゴルフスウィングのうち、アドレスの状態から開始するバックスウィングの状態を少なくとも含み、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きをグリップ部の位置と向きによって表した時系列情報を、ゴルフクラブモデルのグリップ部に対応する部分に境界条件として与えるので、トップの状態からダウンスウィングを開始する切り返しのタイミングが、ゴルフクラブシャフトの撓りに合わせて行うかものであるか、否かを評価することができる。したがって、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用してゴルフボールを打撃するゴルフスウィングか否かを評価することができる。さらに、客観的に算出された評価結果をゴルファに提供することで、自分のゴルフスウィングに適した硬さのゴルフクラブシャフトを選択することができる一方、トップの状態からダウンスウィングを開始する切り返しのタイミングを修正し、ゴルフスウィングの向上に役立てることもできる。
【0046】
以上、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、ゴルフスウィング時のゴルフクラブシャフトの変形を再現することができ、特に、計測したゴルフスウィングを用いて、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングであるか否かを客観的かつ的確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法を実施する、評価装置および計測システムの概略構成図である。
【図2】図1に示す計測システムの主要部の構成を示す構成図である。
【図3】本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法の一例の流れを示すフローチャートである。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の計測システムで得られる3次元時系列データの一部分の一例を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の計測システムで得られる3次元時系列データの一部分の他の例を示す図である。
【図6】(a)は、ゴルフクラブの一例を示す図であり、(b)および(c)は、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法で用いられるゴルフクラブモデルの一例を説明する図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法で算出されるゴルフクラブモデルの動的挙動の結果の一例を示す図である。
【図8】(a)および(b)は、本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法で算出されるヘッドスピードの変動の一例を示す図である。
【図9】本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法で算出される境界条件の違いによるヘッドスピードの違いを示す図である。
【図10】本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法の他の例の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明のゴルフスウィングのシミュレーション方法およびゴルフスウィングの評価方法で算出されるヘッドスピードの差分の時系列データの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 評価装置
12 モデル作成部
14 シミュレーション演算部
16 ゴルフスウィング評価部
18 CPU
19 メモリ
20 計測システム
20a トランスミッタ
20b レシーバ
20c コントローラ
20d 駆動回路
20e 検出回路
20f 制御ユニット
22 コンピュータ
24 モニタ
30 ゴルフクラブ
32 ゴルフクラブシャフト
34 ゴルフクラブヘッド
36 グリップ部
40 ゴルフクラブモデル
42 ゴルフクラブシャフトモデル
44 ゴルフクラブヘッドモデル
46 グリップモデル

Claims (9)

  1. ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを再現するゴルフスウィングのシミュレーション方法であって、
    ゴルフクラブを再現したゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、
    ゴルフスウィングのアドレスの状態以降のバックスウィングの状態を少なくとも含み、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きをグリップ部の位置と向きによって表した時系列情報を、前記ゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、
    ゴルフクラブモデルの動的挙動の演算結果からゴルフクラブの特性物理量を算出する算出ステップとを、有することを特徴とするゴルフスウィングのシミュレーション方法。
  2. 前記グリップ部の位置と向きを表した時系列情報は、アドレスの状態からトップの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを計測して得られた3次元時系列データである請求項1に記載のゴルフスウィングのシミュレーション方法。
  3. 前記算出ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分の移動速度を前記特性物理量として算出する請求項1または2に記載のゴルフスウィングのシミュレーション方法。
  4. ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを評価するゴルフスウィングの評価方法であって、
    ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングの際に、アドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを、グリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データとして計測する計測ステップと、
    ゴルフクラブを再現したゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、
    前記計測により得られた3次元時系列データを、前記ゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に第1の境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現するとともに、計測により得られた前記3次元時系列データのうち、ゴルフスウィングのトップの状態からダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至る前記3次元時系列データの一部分を、前記ゴルフクラブモデルのグリップ部に対応する部分に第2の境界条件として与えることで、ゴルフクラブモデルの動的挙動を演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、
    前記再現ステップで得られた前記第1の境界条件における演算結果および前記第2の境界条件における演算結果からそれぞれの演算結果に対応してゴルフクラブの特性物理量を算出し、さらに、算出した2つの特性物理量間の差分に基づいて前記ゴルフスウィングを評価する評価ステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィングの評価方法。
  5. 前記評価ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分のインパクト状態における移動速度を前記特性物理量として算出し、前記第1の境界条件における前記移動速度と前記第2の境界条件における前記移動速度との差分を前記特性物理量間の差分として用いて前記ゴルフスウィングを評価する請求項4に記載のゴルフスウィングの評価方法。
  6. 前記移動速度の差分の絶対値が所定値より大きい場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングと評価する請求項5に記載のゴルフスウィングの評価方法。
  7. ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングを評価するゴルフスウィングの評価方法であって、
    ゴルフクラブを把持して行われるゴルフスウィングの際に、アドレスの状態からバックスウィングの状態、トップの状態およびダウンスウィングの状態を経てインパクトの状態に至るゴルフクラブのグリップ部の動きを、グリップ部の位置と向きによって表した3次元時系列データとして計測する計測ステップと、
    ゴルフクラブを再現した第1のゴルフクラブモデルと、ゴルフクラブシャフトを剛体とした第2のゴルフクラブモデルを作成するモデル作成ステップと、
    前記計測により得られた3次元時系列データを、前記第1のゴルフクラブモデルおよび前記第2のゴルフクラブモデルにおける前記グリップ部に対応する部分に境界条件として与えることで、第1のゴルフクラブモデルの動的挙動および第2のゴルフクラブの動的挙動をそれぞれ演算してゴルフスウィングを再現する再現ステップと、
    前記再現ステップで得られた第1のゴルフクラブモデルの演算結果および第2のゴルフクラブモデルの演算結果からそれぞれの演算結果に対応してゴルフクラブの特性物理量を算出し、さらに、算出した2つの特性物理量間の差分に基づいて前記ゴルフスウィングを評価する評価ステップと、を有することを特徴とするゴルフスウィングの評価方法。
  8. 前記評価ステップにおいて、ゴルフクラブヘッドに対応するゴルフクラブモデルの対応部分の移動速度を前記特性物理量として算出し、前記第1のゴルフクラブモデルにおける前記移動速度と前記第2のゴルフクラブモデルにおける前記移動速度との差分の時系列データに基づいて前記ゴルフスウィングを評価する請求項7に記載のゴルフスウィングの評価方法。
  9. 前記差分の時系列データの最大値と最小値との差分が所定値より大きい場合、ゴルフクラブシャフトの撓りを利用したゴルフスウィングと評価する請求項8に記載のゴルフスウィングの評価方法。
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