JP2004241736A - 露光システム及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光処理に必要なマスクの自動搬送を行うと共に露光処理に必要なマスクの管理を行うことができる露光システムを提供する。
【解決手段】露光処理に用いるマスクを収容するマスクストッカ1と、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置と、マスクストッカに収容されているマスクを露光装置に搬送する搬送装置5と、マスクストッカ、露光装置及び搬送装置の制御を行うホストコンピュータ6とを備える露光システムにおいて、露光装置は、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部を備えると共に、ホストコンピュータと接続された第1通信部を介して該マスク管理情報を必要に応じホストコンピュータに通信し、ホストコンピュータは、第1通信部を介してマスク管理情報を受信し、露光装置に対して露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を通信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して接続された第2通信部を介してマスク情報を送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】露光処理に用いるマスクを収容するマスクストッカ1と、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置と、マスクストッカに収容されているマスクを露光装置に搬送する搬送装置5と、マスクストッカ、露光装置及び搬送装置の制御を行うホストコンピュータ6とを備える露光システムにおいて、露光装置は、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部を備えると共に、ホストコンピュータと接続された第1通信部を介して該マスク管理情報を必要に応じホストコンピュータに通信し、ホストコンピュータは、第1通信部を介してマスク管理情報を受信し、露光装置に対して露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を通信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して接続された第2通信部を介してマスク情報を送信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光システム及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
【0003】
従来は、マスクとプレートとの相対的な位置合わせを行った後で、マスクに形成されたパターンをプレート上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域の露光を行う、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(所謂、ステッパー)が多用されていた。
【0004】
近年、液晶表示素子の大面積化が要求されており、これに伴ってフォトリソグラフィ工程において用いられる投影露光装置は露光領域の拡大が望まれている。投影露光装置の露光領域を拡大するためには投影光学系を大型化する必要があるが、残存収差が極力低減された大型の投影光学系を設計及び製造するにはコスト高となってしまう。そこで、投影光学系の大型化を極力避けるために、投影光学系の物体面側(マスク側)における投影光学系の有効径と同程度に長手方向の長さが設定されたスリット状の照明光をマスクに照射し、マスクを介したスリット状の光が投影光学系を介してプレートに照射されている状態で、マスクとプレートとを投影光学系に対して相対的に移動させて走査し、マスクに形成されたパターンの一部を順次プレートに設定された1つのショットに転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域に対する露光を同様にして行う、所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が案出されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−57986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような露光装置においては、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造において、複数種類のマスクが用いられることから、複数枚のマスクを収容することができるマスクライブラリが設けられており、このマスクライブラリへのマスクの搬入出は、オペレータが台車等を用いて、露光装置に対して搬入又は搬出することにより行われていた。
【0007】
しかしながら、近年のマスクサイズの大型化及びマスクサイズの大型化に伴うマスクの高価格化により、オペレータによるマスクライブラリへのマスクの搬入出作業は、オペレータに大きな負荷を課することになっていた。
【0008】
この発明の課題は、露光処理に必要なマスクの自動搬送を行うと共に露光処理に必要なマスクの管理を行うことができる露光システム及び該露光システムに用いられる露光装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の露光システムは、露光処理に用いるマスクを収容するマスクストッカと、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置と、前記マスクストッカに収容されている前記マスクを前記露光装置に搬送する搬送装置と、前記マスクストッカ、前記露光装置及び前記搬送装置の制御を行うホストコンピュータとを備える露光システムにおいて、前記露光装置が前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部を備えると共に、前記ホストコンピュータと接続された第1通信部を介して該マスク管理情報を必要に応じ前記ホストコンピュータに通信し、前記ホストコンピュータは、前記第1通信部を介して前記マスク管理情報を受信し、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を通信すると共に、前記マスクストッカ及び前記搬送装置に対して接続された第2通信部を介して前記マスク情報を送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の露光システムは、前記マスク管理情報が前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする。
【0011】
この請求項1及び請求項2記載の露光システムによれば、ホストコンピュータが露光装置の記憶部に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報を送信するため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置における露光処理で必要となるマスクを、搬送装置によりマスクストッカから露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の露光システムは、前記ホストコンピュータが前記マスク管理情報に基づいて、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクの搬送、又は前記露光装置に不要なマスクの回収を判断する搬送判断部を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項3記載の露光システムによれば、ホストコンピュータにより露光装置における露光処理で必要なマスク及び不必要なマスクを判断することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置に対して露光処理に用いるマスクの搬送、又は露光装置に不要なマスクの回収を行うことができ、オペレータの負担を軽減することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の露光システムは、前記露光装置が前記マスク管理情報に基づき、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記露光処理に使用できるか否かを判断するマスク判断部を備え、前記マスク判断部により使用不可能と判断された場合、使用不可能なマスクの回収又は代替マスクの要求を前記ホストコンピュータに通信することを特徴とする。
【0015】
この請求項4記載の露光システムによれば、露光装置のマスク判断部により、マスクが露光処理に使用できるか否かを判断し、使用不可能と判断された場合には、使用不可能なマスクの回収又は代替マスクの要求をホストコンピュータに通信するため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置から使用不可能なマスクの回収を行うことができ、又は代替マスクを露光装置に対して搬送することができる。
【0016】
また、請求項5に記載の露光装置は、ホストコンピュータに接続されて運用を管理され、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置において、前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部と、該マスク管理情報を必要に応じて通信するための前記ホストコンピュータと接続された通信部を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に記載の露光装置は、前記マスク管理情報が前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする。
【0018】
この請求項5及び請求項6記載の露光装置によれば、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を通信部を介してホストコンピュータに通信することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光処理において必要になるマスクを受け入れることができる。
【0019】
また、請求項7に記載の露光装置は、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記マスク管理情報に基づき、前記露光処理に使用できるマスクかどうかを判断するマスク判断部を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の露光装置は、前記マスク管理情報に含まれた前記検査情報に基づき、前記ホストコンピュータに対して検査結果NGのマスクの回収を通信することを特徴とする。
【0021】
この請求項7及び請求項8記載の露光装置によれば、マスク管理情報に基づき露光処理に使用できるマスクかどうかを判断するため、マスクの検査等により露光処理に使用できないマスクの回収をホストコンピュータに対して要求することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる露光システムについて説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【0023】
この実施の形態にかかる露光システムは、この露光システムにおける露光処理に用いるマスクを複数枚収容するマスクストッカ1と、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置A,露光装置B,露光装置Cと、マスクストッカ1に収容されているマスクを露光装置A,露光装置B,露光装置Cに搬送するマスク搬送装置5と、マスクストッカ1、露光装置A,露光装置B,露光装置C及びマスク搬送装置5とネットワークを介して接続され、マスクストッカ1、露光装置A,露光装置B,露光装置C及びマスク搬送装置5の制御を行うホストコンピュータ6とを備えている。
【0024】
この露光システムおいては、マスクストッカ1からマスク搬送装置5により各露光装置に搬送されたマスクを各露光装置に設けられているエレベータ2,3,4により、各露光装置のマスクライブラリ29(図2参照)まで上昇させ、各露光装置2,3,4のマスクライブラリに収容する。
図2は、この発明の実施の形態にかかる露光装置Aの概略構成を示す図である。この露光装置Aは、マスクのパターン像を感光性基板(プレート)P上に走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。なお、露光装置B,露光装置Cの構成は、露光装置Aの構成と同一であるため、露光装置Aの構成に代表させて説明を行う。また、以下の説明においては、図2中に示すXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0025】
光源10は後述する主制御系42から露光光出射を指示する制御信号が出力された場合に、ほぼ均一の照度を有する露光光ELを出射する。ここで露光光ELの光軸はZ軸方向に対して平行に設定されている。露光光ELとしては、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(193nm)が用いられる。光源10から出射された露光光ELは、照明光学系12に入射する。この照明光学系12は、露光光ELの光軸をX軸方向に対して平行な方向に折り曲げる反射板14、露光光ELの照度を均一にすると共に、通過する光量を制御して整形する光学系16、及び露光光ELの光軸をZ軸方向に対して平行な方向に折り曲げる反射板18を備えて構成されている。なお、照明光学系12を通過する光量は主制御系42によって制御されている。
【0026】
照明光学系12から出射された露光光ELはマスクホルダ22上に保持されたマスク20を照射する。マスク20は、フォトレジストが塗布されたプレートP上に転写するための微細なパターンを有し、露光処理が行われていないときにはマスクケース24に格納されるか、又は再度使用することが予定されているときは、破線で示すマスク20aの如く待機位置で待機する。
【0027】
マスク20を搬送する搬送アーム25は、図中X,Y,Z方向に往復運動が可能な構成であり、その動作は、主制御系42が搬送制御装置26に制御信号を出力することにより制御される。搬送アーム25はマスク20をマスクホルダ22に載置するためのロードアームや、マスクホルダ22から取りはずすアンロードアーム等を備えている。また、複数のマスクケース24を保管するマスクライブラリ29に対して、マスク20を格納するマスクケース24を搬入出するアーム、マスク20に付着している異物の検査を行うマスク異物検査装置31にマスク20を搬入出するアームも有する。
【0028】
この露光装置には、マスク20に設けられたバーコードBCを読み取るバーコードリーダ27が設けられており、このバーコード情報は主制御系42に送られる。バーコードBCにはマスクの識別情報(名称)及びマスクのパターン情報や露光条件等が記録されている。
【0029】
マスクホルダ22上に保持されたマスク20に露光光ELが照射されると、マスク20のパターン像が投影光学系28を介してプレートP上に投影される。投影光学系28は複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択される。プレートPはプレートホルダ30を介してZステージ32に載置されている。Zステージ32は、プレートPのZ軸方向の位置を微調整させるステージである。また、Zステージ32はXYステージ34上に載置されている。XYステージ34は、XY平面内にプレートPを移動させるステージである。
【0030】
プレートホルダ30の上面の一端にはL字型の移動鏡36が取り付けられ、移動鏡36の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計38が配置されている。レーザ干渉計38により計測されたX座標、Y座標及び回転角の情報はステージ駆動系40に供給される。これらの情報は位置情報としてステージ駆動系40から主制御系42へ出力される、主制御系42は、供給された位置情報をモニターしつつステージ駆動系40を介して、プレートホルダ30の位置決め動作を制御する。なお、図2には示していないが、マスクホルダ22にもプレートホルダ30に設けられた移動鏡及びレーザ干渉計と同様のものが設けられており、マスクホルダ22のXYZ位置等の情報が主制御系42に入力される。
【0031】
投影光学系28の側方にはオフ・アクシスのアライメントセンサ44が設けられている。このアライメントセンサ44は、例えばFIA(Field Image Alignment)方式に適用した場合のアライメント装置であり、プレートPに形成されたアライメントマークの位置及びプレートP表面のZ軸方向の位置が計測される。計測されたアライメントマークの位置及びプレートP表面のZ軸方向の位置を示す信号は主制御系42へ出力される。プレート搬送装置48は、主制御系42の制御の下、不図示のプリアライメント装置で粗く位置調整されたプレートPをプレートホルダ30上に搬送するものである。
【0032】
主制御系42は、アライメント信号処理系46、プレート搬送装置48、ステージ駆動系40、及び搬送制御装置26の内部にそれぞれ設けられた制御ユニット60(図3参照)から出力される信号等に基づき露光装置の全体動作を制御する。また、主制御系42には、記憶装置50が接続されている。この記憶装置50は、露光装置の電源を遮断しても記憶内容を保持する不揮発性の記憶装置であり、例えば、ハードディスク等の外部記憶装置やCMOS等の不揮発性半導体メモリである。
【0033】
記憶装置50には露光装置の動作を制御するプログラムが格納されている。また、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能か否かを示すマスクライブラリの空き情報、マスクの使用情報及びマスクの検査情報等がマスク管理情報として記憶されている。即ち、マスクライブラリの空き情報として、マスクライブラリの空きスロット番号が記憶されている。また、マスクの使用情報として、マスクライブラリの各スロットにマスクケースが存在するか否か、マスクケース内にマスクが存在するか否か、露光装置内におけるマスクの存在位置、マスクが露光装置内に搬入された時間、搬入以降のマスク使用回数及びマスク使用時間等が記憶されている。また、マスクの検査情報として、マスクの検査時間、マスクの検査結果等が記憶されている。更に、マスクに表示されているバーコード情報も記憶されている。
【0034】
次に、主制御系42について詳細に説明する。図3は、主制御系42の構成の詳細を示した図である。図3に示したように、主制御系42は、ROM52、RAM54、タイマ56、CPU(中央処理装置)58、通信制御装置62を備えている。露光装置の動作を制御するプログラムはROM52に格納されていても良い。RAM54は、CPU58がプログラムを実行する上で必要となる作業領域を確保する。タイマ56は、計時信号を出力し、CPU58が計時を行う際に用いられる。
【0035】
制御ユニット60は、図2中のアライメント信号処理系46、プレート搬送装置48、ステージ駆動系40、及び搬送制御装置26内に設けられ、CPU58から送られる制御コマンドの下、搬送制御装置26、ステージ駆動系40、プレート搬送装置48等の各ユニットを制御する。通信制御装置62は、ネットワークを介して接続されたホストコンピュータ6との間で行われる通信を制御すると共に、ネットワークを介して接続されたマスクストッカ1及びマスク搬送装置5との間で行われる通信を制御する。なお、通信制御装置62は、ホストコンピュータ6との間で行われる通信を制御する場合には、第1通信部として機能する。
【0036】
また、CPU58にはキーボード64及びマウス66等の入力装置、及びCRT68等の表示装置が接続されている。更に、CPU58には不揮発性の記憶装置50やバーコードリーダ27が接続されている。
【0037】
この露光システムにおいては、露光装置Aがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合には、マスクライブラリ29のスロット毎にマスク20の状態を管理する。即ち、マスク管理情報を記憶装置50に記憶する。露光装置B又は露光装置Cがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合にも、露光装置Aがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合と同様に、マスクライブラリ29のスロット毎にマスク20の状態を管理する。即ち、マスク管理情報を記憶装置50に記憶する。
【0038】
なお、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報は、露光装置内でマスク管理情報が更新された時、又はホストコンピュータ6から要求があったときに、通信制御装置62(第1通信部)を介してホストコンピュータ6に送信される。
【0039】
また、ホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を参照することができる。即ち、ホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの通信制御装置62を介して、記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を取得することができる。従って、露光処理に必要なマスク20が存在する露光装置A、露光装置B又は露光装置Cに、その露光処理工程を割り当て、露光処理を実行させることができる。この場合には、ホストコンピュータ6は、ホストコンピュータ6内に存在する通信部(第2通信部)を介して、露光処理工程を割り当てた露光装置に対して露光処理に用いるマスク20のマスク情報及び露光条件情報(レシピ)を送信する。
【0040】
また、この露光システムにおいてホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cにマスク20が搬入が可能か否かを問い合わせることができる。図4に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入が可能である場合には、スロット1にマスク20の搬入が可能である旨をホストコンピュータ6に対して通知する。
【0041】
ホストコンピュータ6は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を行う旨を露光装置Aに対して通知すると共に、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬入が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬入が完了した旨を通知する。
【0042】
また、この露光システムにおいては、ホストコンピュータ6が露光装置A、露光装置B又は露光装置Cにマスク20の搬入が可能か否かを問い合わせた場合であってマスク20の受け入れができない場合には、ホストコンピュータ6に対してその理由を通知する。図5に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスク20の受け入れができない場合には、マスクライブラリ29に空きが無い等の理由をホストコンピュータ6に対して通知する。
【0043】
また、この露光システムにおいてホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cから通知されたマスク20の状態に基づいて、露光装置A、露光装置B及び露光装置Cで露光処理に必要なマスク20及び不用なマスク20を判別する搬送判別部を備える。そして、その判別結果に基づいて、露光処理に必要なマスク20の搬送を、搬送が必要な露光装置及びマスク搬送装置5に通知する。また、不用なマスク20が存在する露光装置及びマスク搬送装置5にマスク20の回収指示を通知する。図6に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスク20の搬送が不可能な場合には、その旨をホストコンピュータ6に通知する。ホストコンピュータ6は、マスク管理情報に基づいて、露光装置Aで不用なマスクを判別する。ここでマスクライブラリ29のスロット1のマスク20が不用と判断された場合には、スロット1のマスク20の回収を行う旨を露光装置Aに通知する。また、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収が行われた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。
【0044】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6に対して、マスク異物検査装置31によるマスク検査の結果がNGとなったマスク20の回収を要求することができる。図7に示すように、例えば、露光装置Aにおいて、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の検査を行う場合には、その旨をホストコンピュータ6に対して通知すると共に、検査が終了した場合には、その旨及び検査結果をホストコンピュータ6に対して通知する。更に、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の検査の結果がNGの場合には、ホストコンピュータ6に対してマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する。
【0045】
マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収の要求を受けたホストコンピュータ6は、露光装置Aに対してスロット1のマスク20の回収を行う旨を通知する。また、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1のマスクの回収がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。
【0046】
また、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6に対して、回収可能なマスクを通知することができる。露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、記憶装置50に記憶されているマスク管理情報に基づいて、マスク判断部において回収可能なマスク20の判別を行い、回収可能なマスク20をホストコンピュータ6に対して通知する。ここで回収可能と判断されるマスク20は、露光装置に搬入された後の使用頻度の低いマスク、マスク異物検査装置31による検査により検査結果がNGとされたマスク20などである。また、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6からマスク20の搬入要求があった場合であってマスクライブラリ29に空きスロットが無い場合には、その旨をホストコンピュータ6に通知する。
【0047】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、マスク異物検査装置31によるマスク検査の結果がNGとなったマスク20の再検査をホストコンピュータ6に対して要求することができる。更に、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、マスク検査の結果がNGとなったマスク20の代替マスク(コピーマスク)の搬送をホストコンピュータ6に対して要求することができる。この場合には、マスク20に付されているバーコードを指定して代替マスク(コピーマスク)の搬送を要求する。
【0048】
また、あるマスクのパターンを所定の複数のプレートに対して露光するロット処理の際に、露光前にそのマスクの検査を行う。その検査結果がNGとなった場合、そのマスクがマスクブロー処理等を行うための回収のため、ホストコンピュータ6の要求により、露光装置外に搬出される。この際、露光装置は、回収されたマスクが再搬入されるまで待機する。ところが回収されたマスクが、何らかの原因、例えば、マスクの搬送を行う搬送装置の異常、あるいはマスクブロー処理にてマスク上のゴミを取り除くことができなかった場合に、一定の時間経過後もマスクが露光装置に戻らないことになる。このように一定の時間経過しても所望のマスクが露光装置に戻らない場合、ホストコンピュータ6は、露光装置に対してそのマスクを使用するロット処理をキャンセルすることになる。具体的には、露光装置などに対してロット処理のレシピをキャンセルしたり、既にロット処理を行うプレートが搬入されている場合には、それらのプレートを露光装置外に搬出するリジェクト処理を行う。
【0049】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、露光処理で必要なマスク20が露光装置内に存在しない場合に、そのマスク20の搬送をホストコンピュータ6に対して要求することができる。図8に示すように、例えば、露光装置Aにおいて、割り当てられた露光処理に「abc」というマスクが必要な場合に、露光装置Aに「abc」というマスクが存在しない場合には、「abc」というマスクが存在しない旨をホストコンピュータ6に対して通知すると共に、「abc」というマスクの搬送を要求する。ホストコンピュータ6は、搬送要求されたマスク20を露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1に搬送する場合には、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送が可能か否かを露光装置Aに対して問い合わせる。マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送が可能な場合には、露光装置Aは、ホストコンピュータ6に対してその旨を通知する。
【0050】
ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を行う旨を通知すると共に、マスク搬送装置5に対して、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を要求する旨を通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬送が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬送が完了した旨を通知する。
【0051】
この実施の形態にかかる露光システムによれば、ホストコンピュータ6が露光装置A、露光装置B又は露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cに対して、露光処理に用いるマスク20のマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ1及びマスク搬送装置5に対して、露光処理に用いるマスク20のマスク情報を送信するため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光処理で必要となるマスク20を、マスク搬送装置5によりマスクストッカ1から露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。また、ホストコンピュータ6の管理の下、生産計画に基づいて各露光装置に、露光処理に必要なマスクの搬送を行うことができる。
【0052】
また、ホストコンピュータ6により露光装置における露光処理で必要なマスク20及び不必要なマスク20を判断することができるため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光装置に対して露光処理に用いるマスクの搬送、又は露光装置に不用なマスクの回収を行うことができ、オペレータの負担を軽減することができる。
【0053】
また、露光装置のマスク判断部により、マスク20が露光処理に使用できるか否かを判断し、使用不可能と判断された場合には、使用不可能なマスク20の回収又は代替マスクの要求をホストコンピュータ6に通信するため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光装置から使用不可能なマスク20の回収を行うことができ、又は代替マスクを露光装置に対して搬送することができる。
【0054】
また、この露光システムの露光装置によれば、マスク管理情報に基づき露光処理に使用できるマスク20かどうかを判断するため、マスク20の検査等により露光処理に使用できないマスク20の回収をホストコンピュータ6に対して要求することができる。
【0055】
【発明の効果】
この発明の露光システムによれば、ホストコンピュータが露光装置の記憶部に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報を送信するため、ホストコンピュータの制御の下、露光装置における露光処理で必要となるマスクを、搬送装置によりマスクストッカから露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。
【0056】
また、この発明の露光装置によれば、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を通信部を介してホストコンピュータに通信することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光処理において必要になるマスクを受け入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる露光装置の概略構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる露光装置の主制御系を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ及び露光装置間の通信を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【符号の説明】
1 マスクストッカ、
5 マスク搬送装置
6 ホストコンピュータ
10 光源
12 照明光学系
20 マスク
24 マスクケース
28 投影光学系
29 マスクライブラリ
31 マスク異物検査装置
50 記憶装置
62 通信制御装置
P プレート
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光システム及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
【0003】
従来は、マスクとプレートとの相対的な位置合わせを行った後で、マスクに形成されたパターンをプレート上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域の露光を行う、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(所謂、ステッパー)が多用されていた。
【0004】
近年、液晶表示素子の大面積化が要求されており、これに伴ってフォトリソグラフィ工程において用いられる投影露光装置は露光領域の拡大が望まれている。投影露光装置の露光領域を拡大するためには投影光学系を大型化する必要があるが、残存収差が極力低減された大型の投影光学系を設計及び製造するにはコスト高となってしまう。そこで、投影光学系の大型化を極力避けるために、投影光学系の物体面側(マスク側)における投影光学系の有効径と同程度に長手方向の長さが設定されたスリット状の照明光をマスクに照射し、マスクを介したスリット状の光が投影光学系を介してプレートに照射されている状態で、マスクとプレートとを投影光学系に対して相対的に移動させて走査し、マスクに形成されたパターンの一部を順次プレートに設定された1つのショットに転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域に対する露光を同様にして行う、所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が案出されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−57986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような露光装置においては、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造において、複数種類のマスクが用いられることから、複数枚のマスクを収容することができるマスクライブラリが設けられており、このマスクライブラリへのマスクの搬入出は、オペレータが台車等を用いて、露光装置に対して搬入又は搬出することにより行われていた。
【0007】
しかしながら、近年のマスクサイズの大型化及びマスクサイズの大型化に伴うマスクの高価格化により、オペレータによるマスクライブラリへのマスクの搬入出作業は、オペレータに大きな負荷を課することになっていた。
【0008】
この発明の課題は、露光処理に必要なマスクの自動搬送を行うと共に露光処理に必要なマスクの管理を行うことができる露光システム及び該露光システムに用いられる露光装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の露光システムは、露光処理に用いるマスクを収容するマスクストッカと、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置と、前記マスクストッカに収容されている前記マスクを前記露光装置に搬送する搬送装置と、前記マスクストッカ、前記露光装置及び前記搬送装置の制御を行うホストコンピュータとを備える露光システムにおいて、前記露光装置が前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部を備えると共に、前記ホストコンピュータと接続された第1通信部を介して該マスク管理情報を必要に応じ前記ホストコンピュータに通信し、前記ホストコンピュータは、前記第1通信部を介して前記マスク管理情報を受信し、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を通信すると共に、前記マスクストッカ及び前記搬送装置に対して接続された第2通信部を介して前記マスク情報を送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の露光システムは、前記マスク管理情報が前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする。
【0011】
この請求項1及び請求項2記載の露光システムによれば、ホストコンピュータが露光装置の記憶部に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報を送信するため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置における露光処理で必要となるマスクを、搬送装置によりマスクストッカから露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の露光システムは、前記ホストコンピュータが前記マスク管理情報に基づいて、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクの搬送、又は前記露光装置に不要なマスクの回収を判断する搬送判断部を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項3記載の露光システムによれば、ホストコンピュータにより露光装置における露光処理で必要なマスク及び不必要なマスクを判断することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置に対して露光処理に用いるマスクの搬送、又は露光装置に不要なマスクの回収を行うことができ、オペレータの負担を軽減することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の露光システムは、前記露光装置が前記マスク管理情報に基づき、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記露光処理に使用できるか否かを判断するマスク判断部を備え、前記マスク判断部により使用不可能と判断された場合、使用不可能なマスクの回収又は代替マスクの要求を前記ホストコンピュータに通信することを特徴とする。
【0015】
この請求項4記載の露光システムによれば、露光装置のマスク判断部により、マスクが露光処理に使用できるか否かを判断し、使用不可能と判断された場合には、使用不可能なマスクの回収又は代替マスクの要求をホストコンピュータに通信するため、ホストコンピュータの管理の下、露光装置から使用不可能なマスクの回収を行うことができ、又は代替マスクを露光装置に対して搬送することができる。
【0016】
また、請求項5に記載の露光装置は、ホストコンピュータに接続されて運用を管理され、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置において、前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部と、該マスク管理情報を必要に応じて通信するための前記ホストコンピュータと接続された通信部を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に記載の露光装置は、前記マスク管理情報が前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする。
【0018】
この請求項5及び請求項6記載の露光装置によれば、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を通信部を介してホストコンピュータに通信することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光処理において必要になるマスクを受け入れることができる。
【0019】
また、請求項7に記載の露光装置は、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記マスク管理情報に基づき、前記露光処理に使用できるマスクかどうかを判断するマスク判断部を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の露光装置は、前記マスク管理情報に含まれた前記検査情報に基づき、前記ホストコンピュータに対して検査結果NGのマスクの回収を通信することを特徴とする。
【0021】
この請求項7及び請求項8記載の露光装置によれば、マスク管理情報に基づき露光処理に使用できるマスクかどうかを判断するため、マスクの検査等により露光処理に使用できないマスクの回収をホストコンピュータに対して要求することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる露光システムについて説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【0023】
この実施の形態にかかる露光システムは、この露光システムにおける露光処理に用いるマスクを複数枚収容するマスクストッカ1と、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置A,露光装置B,露光装置Cと、マスクストッカ1に収容されているマスクを露光装置A,露光装置B,露光装置Cに搬送するマスク搬送装置5と、マスクストッカ1、露光装置A,露光装置B,露光装置C及びマスク搬送装置5とネットワークを介して接続され、マスクストッカ1、露光装置A,露光装置B,露光装置C及びマスク搬送装置5の制御を行うホストコンピュータ6とを備えている。
【0024】
この露光システムおいては、マスクストッカ1からマスク搬送装置5により各露光装置に搬送されたマスクを各露光装置に設けられているエレベータ2,3,4により、各露光装置のマスクライブラリ29(図2参照)まで上昇させ、各露光装置2,3,4のマスクライブラリに収容する。
図2は、この発明の実施の形態にかかる露光装置Aの概略構成を示す図である。この露光装置Aは、マスクのパターン像を感光性基板(プレート)P上に走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。なお、露光装置B,露光装置Cの構成は、露光装置Aの構成と同一であるため、露光装置Aの構成に代表させて説明を行う。また、以下の説明においては、図2中に示すXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0025】
光源10は後述する主制御系42から露光光出射を指示する制御信号が出力された場合に、ほぼ均一の照度を有する露光光ELを出射する。ここで露光光ELの光軸はZ軸方向に対して平行に設定されている。露光光ELとしては、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(193nm)が用いられる。光源10から出射された露光光ELは、照明光学系12に入射する。この照明光学系12は、露光光ELの光軸をX軸方向に対して平行な方向に折り曲げる反射板14、露光光ELの照度を均一にすると共に、通過する光量を制御して整形する光学系16、及び露光光ELの光軸をZ軸方向に対して平行な方向に折り曲げる反射板18を備えて構成されている。なお、照明光学系12を通過する光量は主制御系42によって制御されている。
【0026】
照明光学系12から出射された露光光ELはマスクホルダ22上に保持されたマスク20を照射する。マスク20は、フォトレジストが塗布されたプレートP上に転写するための微細なパターンを有し、露光処理が行われていないときにはマスクケース24に格納されるか、又は再度使用することが予定されているときは、破線で示すマスク20aの如く待機位置で待機する。
【0027】
マスク20を搬送する搬送アーム25は、図中X,Y,Z方向に往復運動が可能な構成であり、その動作は、主制御系42が搬送制御装置26に制御信号を出力することにより制御される。搬送アーム25はマスク20をマスクホルダ22に載置するためのロードアームや、マスクホルダ22から取りはずすアンロードアーム等を備えている。また、複数のマスクケース24を保管するマスクライブラリ29に対して、マスク20を格納するマスクケース24を搬入出するアーム、マスク20に付着している異物の検査を行うマスク異物検査装置31にマスク20を搬入出するアームも有する。
【0028】
この露光装置には、マスク20に設けられたバーコードBCを読み取るバーコードリーダ27が設けられており、このバーコード情報は主制御系42に送られる。バーコードBCにはマスクの識別情報(名称)及びマスクのパターン情報や露光条件等が記録されている。
【0029】
マスクホルダ22上に保持されたマスク20に露光光ELが照射されると、マスク20のパターン像が投影光学系28を介してプレートP上に投影される。投影光学系28は複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択される。プレートPはプレートホルダ30を介してZステージ32に載置されている。Zステージ32は、プレートPのZ軸方向の位置を微調整させるステージである。また、Zステージ32はXYステージ34上に載置されている。XYステージ34は、XY平面内にプレートPを移動させるステージである。
【0030】
プレートホルダ30の上面の一端にはL字型の移動鏡36が取り付けられ、移動鏡36の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計38が配置されている。レーザ干渉計38により計測されたX座標、Y座標及び回転角の情報はステージ駆動系40に供給される。これらの情報は位置情報としてステージ駆動系40から主制御系42へ出力される、主制御系42は、供給された位置情報をモニターしつつステージ駆動系40を介して、プレートホルダ30の位置決め動作を制御する。なお、図2には示していないが、マスクホルダ22にもプレートホルダ30に設けられた移動鏡及びレーザ干渉計と同様のものが設けられており、マスクホルダ22のXYZ位置等の情報が主制御系42に入力される。
【0031】
投影光学系28の側方にはオフ・アクシスのアライメントセンサ44が設けられている。このアライメントセンサ44は、例えばFIA(Field Image Alignment)方式に適用した場合のアライメント装置であり、プレートPに形成されたアライメントマークの位置及びプレートP表面のZ軸方向の位置が計測される。計測されたアライメントマークの位置及びプレートP表面のZ軸方向の位置を示す信号は主制御系42へ出力される。プレート搬送装置48は、主制御系42の制御の下、不図示のプリアライメント装置で粗く位置調整されたプレートPをプレートホルダ30上に搬送するものである。
【0032】
主制御系42は、アライメント信号処理系46、プレート搬送装置48、ステージ駆動系40、及び搬送制御装置26の内部にそれぞれ設けられた制御ユニット60(図3参照)から出力される信号等に基づき露光装置の全体動作を制御する。また、主制御系42には、記憶装置50が接続されている。この記憶装置50は、露光装置の電源を遮断しても記憶内容を保持する不揮発性の記憶装置であり、例えば、ハードディスク等の外部記憶装置やCMOS等の不揮発性半導体メモリである。
【0033】
記憶装置50には露光装置の動作を制御するプログラムが格納されている。また、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能か否かを示すマスクライブラリの空き情報、マスクの使用情報及びマスクの検査情報等がマスク管理情報として記憶されている。即ち、マスクライブラリの空き情報として、マスクライブラリの空きスロット番号が記憶されている。また、マスクの使用情報として、マスクライブラリの各スロットにマスクケースが存在するか否か、マスクケース内にマスクが存在するか否か、露光装置内におけるマスクの存在位置、マスクが露光装置内に搬入された時間、搬入以降のマスク使用回数及びマスク使用時間等が記憶されている。また、マスクの検査情報として、マスクの検査時間、マスクの検査結果等が記憶されている。更に、マスクに表示されているバーコード情報も記憶されている。
【0034】
次に、主制御系42について詳細に説明する。図3は、主制御系42の構成の詳細を示した図である。図3に示したように、主制御系42は、ROM52、RAM54、タイマ56、CPU(中央処理装置)58、通信制御装置62を備えている。露光装置の動作を制御するプログラムはROM52に格納されていても良い。RAM54は、CPU58がプログラムを実行する上で必要となる作業領域を確保する。タイマ56は、計時信号を出力し、CPU58が計時を行う際に用いられる。
【0035】
制御ユニット60は、図2中のアライメント信号処理系46、プレート搬送装置48、ステージ駆動系40、及び搬送制御装置26内に設けられ、CPU58から送られる制御コマンドの下、搬送制御装置26、ステージ駆動系40、プレート搬送装置48等の各ユニットを制御する。通信制御装置62は、ネットワークを介して接続されたホストコンピュータ6との間で行われる通信を制御すると共に、ネットワークを介して接続されたマスクストッカ1及びマスク搬送装置5との間で行われる通信を制御する。なお、通信制御装置62は、ホストコンピュータ6との間で行われる通信を制御する場合には、第1通信部として機能する。
【0036】
また、CPU58にはキーボード64及びマウス66等の入力装置、及びCRT68等の表示装置が接続されている。更に、CPU58には不揮発性の記憶装置50やバーコードリーダ27が接続されている。
【0037】
この露光システムにおいては、露光装置Aがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合には、マスクライブラリ29のスロット毎にマスク20の状態を管理する。即ち、マスク管理情報を記憶装置50に記憶する。露光装置B又は露光装置Cがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合にも、露光装置Aがマスク搬送装置5からマスク20を受け取った場合と同様に、マスクライブラリ29のスロット毎にマスク20の状態を管理する。即ち、マスク管理情報を記憶装置50に記憶する。
【0038】
なお、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報は、露光装置内でマスク管理情報が更新された時、又はホストコンピュータ6から要求があったときに、通信制御装置62(第1通信部)を介してホストコンピュータ6に送信される。
【0039】
また、ホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を参照することができる。即ち、ホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B、露光装置Cの通信制御装置62を介して、記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を取得することができる。従って、露光処理に必要なマスク20が存在する露光装置A、露光装置B又は露光装置Cに、その露光処理工程を割り当て、露光処理を実行させることができる。この場合には、ホストコンピュータ6は、ホストコンピュータ6内に存在する通信部(第2通信部)を介して、露光処理工程を割り当てた露光装置に対して露光処理に用いるマスク20のマスク情報及び露光条件情報(レシピ)を送信する。
【0040】
また、この露光システムにおいてホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cにマスク20が搬入が可能か否かを問い合わせることができる。図4に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入が可能である場合には、スロット1にマスク20の搬入が可能である旨をホストコンピュータ6に対して通知する。
【0041】
ホストコンピュータ6は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を行う旨を露光装置Aに対して通知すると共に、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬入が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬入がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬入が完了した旨を通知する。
【0042】
また、この露光システムにおいては、ホストコンピュータ6が露光装置A、露光装置B又は露光装置Cにマスク20の搬入が可能か否かを問い合わせた場合であってマスク20の受け入れができない場合には、ホストコンピュータ6に対してその理由を通知する。図5に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスク20の受け入れができない場合には、マスクライブラリ29に空きが無い等の理由をホストコンピュータ6に対して通知する。
【0043】
また、この露光システムにおいてホストコンピュータ6は、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cから通知されたマスク20の状態に基づいて、露光装置A、露光装置B及び露光装置Cで露光処理に必要なマスク20及び不用なマスク20を判別する搬送判別部を備える。そして、その判別結果に基づいて、露光処理に必要なマスク20の搬送を、搬送が必要な露光装置及びマスク搬送装置5に通知する。また、不用なマスク20が存在する露光装置及びマスク搬送装置5にマスク20の回収指示を通知する。図6に示すように、例えば、ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスク20の搬入が可能か否かを問い合わせる。露光装置Aは、記憶装置50のマスク管理情報を参照し、マスク20の搬送が不可能な場合には、その旨をホストコンピュータ6に通知する。ホストコンピュータ6は、マスク管理情報に基づいて、露光装置Aで不用なマスクを判別する。ここでマスクライブラリ29のスロット1のマスク20が不用と判断された場合には、スロット1のマスク20の回収を行う旨を露光装置Aに通知する。また、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収が行われた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。
【0044】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6に対して、マスク異物検査装置31によるマスク検査の結果がNGとなったマスク20の回収を要求することができる。図7に示すように、例えば、露光装置Aにおいて、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の検査を行う場合には、その旨をホストコンピュータ6に対して通知すると共に、検査が終了した場合には、その旨及び検査結果をホストコンピュータ6に対して通知する。更に、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の検査の結果がNGの場合には、ホストコンピュータ6に対してマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する。
【0045】
マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収の要求を受けたホストコンピュータ6は、露光装置Aに対してスロット1のマスク20の回収を行う旨を通知する。また、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を要求する旨をマスク搬送装置5に対して通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1のマスク20の回収を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1のマスクの回収がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の回収が完了した旨を通知する。
【0046】
また、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6に対して、回収可能なマスクを通知することができる。露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、記憶装置50に記憶されているマスク管理情報に基づいて、マスク判断部において回収可能なマスク20の判別を行い、回収可能なマスク20をホストコンピュータ6に対して通知する。ここで回収可能と判断されるマスク20は、露光装置に搬入された後の使用頻度の低いマスク、マスク異物検査装置31による検査により検査結果がNGとされたマスク20などである。また、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、ホストコンピュータ6からマスク20の搬入要求があった場合であってマスクライブラリ29に空きスロットが無い場合には、その旨をホストコンピュータ6に通知する。
【0047】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、マスク異物検査装置31によるマスク検査の結果がNGとなったマスク20の再検査をホストコンピュータ6に対して要求することができる。更に、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、マスク検査の結果がNGとなったマスク20の代替マスク(コピーマスク)の搬送をホストコンピュータ6に対して要求することができる。この場合には、マスク20に付されているバーコードを指定して代替マスク(コピーマスク)の搬送を要求する。
【0048】
また、あるマスクのパターンを所定の複数のプレートに対して露光するロット処理の際に、露光前にそのマスクの検査を行う。その検査結果がNGとなった場合、そのマスクがマスクブロー処理等を行うための回収のため、ホストコンピュータ6の要求により、露光装置外に搬出される。この際、露光装置は、回収されたマスクが再搬入されるまで待機する。ところが回収されたマスクが、何らかの原因、例えば、マスクの搬送を行う搬送装置の異常、あるいはマスクブロー処理にてマスク上のゴミを取り除くことができなかった場合に、一定の時間経過後もマスクが露光装置に戻らないことになる。このように一定の時間経過しても所望のマスクが露光装置に戻らない場合、ホストコンピュータ6は、露光装置に対してそのマスクを使用するロット処理をキャンセルすることになる。具体的には、露光装置などに対してロット処理のレシピをキャンセルしたり、既にロット処理を行うプレートが搬入されている場合には、それらのプレートを露光装置外に搬出するリジェクト処理を行う。
【0049】
また、この露光システムにおいて、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cは、露光処理で必要なマスク20が露光装置内に存在しない場合に、そのマスク20の搬送をホストコンピュータ6に対して要求することができる。図8に示すように、例えば、露光装置Aにおいて、割り当てられた露光処理に「abc」というマスクが必要な場合に、露光装置Aに「abc」というマスクが存在しない場合には、「abc」というマスクが存在しない旨をホストコンピュータ6に対して通知すると共に、「abc」というマスクの搬送を要求する。ホストコンピュータ6は、搬送要求されたマスク20を露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1に搬送する場合には、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送が可能か否かを露光装置Aに対して問い合わせる。マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送が可能な場合には、露光装置Aは、ホストコンピュータ6に対してその旨を通知する。
【0050】
ホストコンピュータ6は、露光装置Aに対して、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を行う旨を通知すると共に、マスク搬送装置5に対して、露光装置Aのマスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を要求する旨を通知する。マスク搬送装置5は、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送を行った後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬送が完了した旨を通知する。また、露光装置Aは、マスクライブラリ29のスロット1にマスク20の搬送がされた後に、ホストコンピュータ6に対して、マスク20の搬送が完了した旨を通知する。
【0051】
この実施の形態にかかる露光システムによれば、ホストコンピュータ6が露光装置A、露光装置B又は露光装置Cの記憶装置50に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置A、露光装置B又は露光装置Cに対して、露光処理に用いるマスク20のマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ1及びマスク搬送装置5に対して、露光処理に用いるマスク20のマスク情報を送信するため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光処理で必要となるマスク20を、マスク搬送装置5によりマスクストッカ1から露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。また、ホストコンピュータ6の管理の下、生産計画に基づいて各露光装置に、露光処理に必要なマスクの搬送を行うことができる。
【0052】
また、ホストコンピュータ6により露光装置における露光処理で必要なマスク20及び不必要なマスク20を判断することができるため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光装置に対して露光処理に用いるマスクの搬送、又は露光装置に不用なマスクの回収を行うことができ、オペレータの負担を軽減することができる。
【0053】
また、露光装置のマスク判断部により、マスク20が露光処理に使用できるか否かを判断し、使用不可能と判断された場合には、使用不可能なマスク20の回収又は代替マスクの要求をホストコンピュータ6に通信するため、ホストコンピュータ6の管理の下、露光装置から使用不可能なマスク20の回収を行うことができ、又は代替マスクを露光装置に対して搬送することができる。
【0054】
また、この露光システムの露光装置によれば、マスク管理情報に基づき露光処理に使用できるマスク20かどうかを判断するため、マスク20の検査等により露光処理に使用できないマスク20の回収をホストコンピュータ6に対して要求することができる。
【0055】
【発明の効果】
この発明の露光システムによれば、ホストコンピュータが露光装置の記憶部に記憶されているマスク管理情報を受信し、露光装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を送信すると共に、マスクストッカ及び搬送装置に対して、露光処理に用いるマスクのマスク情報を送信するため、ホストコンピュータの制御の下、露光装置における露光処理で必要となるマスクを、搬送装置によりマスクストッカから露光装置に予め自動搬送することができる。従って、露光装置におけるマスク準備処理のための時間的ロスを減少させ露光装置における生産性を向上させることができる。また、マスク搬送処理におけるオペレータの負担を軽減することができる。
【0056】
また、この発明の露光装置によれば、露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を通信部を介してホストコンピュータに通信することができるため、ホストコンピュータの管理の下、露光処理において必要になるマスクを受け入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる露光システムの概略構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる露光装置の概略構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる露光装置の主制御系を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ及び露光装置間の通信を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ、露光装置及びマスク搬送装置間の通信を説明するための図である。
【符号の説明】
1 マスクストッカ、
5 マスク搬送装置
6 ホストコンピュータ
10 光源
12 照明光学系
20 マスク
24 マスクケース
28 投影光学系
29 マスクライブラリ
31 マスク異物検査装置
50 記憶装置
62 通信制御装置
P プレート
Claims (8)
- 露光処理に用いるマスクを収容するマスクストッカと、
前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置と、
前記マスクストッカに収容されている前記マスクを前記露光装置に搬送する搬送装置と、
前記マスクストッカ、前記露光装置及び前記搬送装置の制御を行うホストコンピュータと
を備える露光システムにおいて、
前記露光装置は、前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部を備えると共に、前記ホストコンピュータと接続された第1通信部を介して該マスク管理情報を必要に応じ前記ホストコンピュータに通信し、
前記ホストコンピュータは、前記第1通信部を介して前記マスク管理情報を受信し、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクのマスク情報及び露光条件情報を通信すると共に、前記マスクストッカ及び前記搬送装置に対して接続された第2通信部を介して前記マスク情報を送信することを特徴とする露光システム。 - 前記マスク管理情報は、前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の露光システム。
- 前記ホストコンピュータは、前記マスク管理情報に基づいて、前記露光装置に対して前記露光処理に用いるマスクの搬送、又は前記露光装置に不要なマスクの回収を判断する搬送判断部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の露光システム。
- 前記露光装置は、前記マスク管理情報に基づき、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記露光処理に使用できるか否かを判断するマスク判断部を備え、前記マスク判断部により使用不可能と判断された場合、使用不可能なマスクの回収又は代替マスクの要求を前記ホストコンピュータに通信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の露光システム。
- ホストコンピュータに接続されて運用を管理され、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置において、
前記露光処理に用いるマスクを受け入れ可能かどうかの空き情報を含むマスク管理情報を記憶する記憶部と、
該マスク管理情報を必要に応じて通信するための前記ホストコンピュータと接続された通信部を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記マスク管理情報は、前記露光装置内に存在するマスクの使用情報、検査情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
- 前記マスク管理情報に基づき、該マスク管理情報に含まれるマスクが前記露光処理に使用できるマスクかどうかを判断するマスク判断部を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の露光装置。
- 前記マスク管理情報に含まれた前記検査情報に基づき、前記ホストコンピュータに対して検査結果NGのマスクの回収を通信することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
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JP2003031958A JP2004241736A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 露光システム及び露光装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003031958A patent/JP2004241736A/ja active Pending
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