JP2004241576A - 位置決め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置決め対象の構造物を高精度に位置決めする。
【解決手段】位置決め装置であって、構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、前記電磁機構は、同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石130を有する電磁石ユニットと、前記第1、第2電磁石130の各々と対向して配置されたターゲット105T、107Tと、前記第1、第2電磁石130と前記ターゲット105T、107Tとの間で前記第1、第2電磁石130が発生する磁束による吸引力の各々の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石130の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】位置決め装置であって、構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、前記電磁機構は、同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石130を有する電磁石ユニットと、前記第1、第2電磁石130の各々と対向して配置されたターゲット105T、107Tと、前記第1、第2電磁石130と前記ターゲット105T、107Tとの間で前記第1、第2電磁石130が発生する磁束による吸引力の各々の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石130の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、を備える。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置決め装置、特に露光装置に搭載される位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
露光装置は、ウエハを移動させるステージ装置を有する。このような移動ステージ装置としては、例えば、特許第3145355号公報に開示されたものがある。このステージ装置においては、ステージ定盤上にはヨーガイドとステージ定盤でガイドされるYスライダが載せられている。Yスライダとステージ定盤およびヨーガイドとの間には、エアパッドが設けられている。
【0003】
また、Yスライダを囲むようにXスライダが設けられている。Yスライダの側面とXスライダの側面との間には、エアパッドが設けられている。Xスライダとステージ定盤との間にもエアパッドが設けられている。この構成により、YスライダはY方向に滑動自在であり、XスライダはYスライダに対してX方向に滑動自在なので、XスライダはX、Y方向に滑動自在である。
【0004】
Xスライダ、Yスライダの駆動にはリニアモータが用いられる。Xスライダ、Yスライダ駆動用のリニアモータは、コイル固定、磁石可動型のものであり、磁石位置に応じてコイルを選択し、電流の大きさと方向を適切に制御することで長ストロークの駆動を実現する。
【0005】
近年では、このようなステージ装置の高速化の要求が高まり、移動時の加減速も大きくなってきている。
【特許文献1】
特許第3145355号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステージ装置を高速化するためにエアパッドのパッド面を大きくすると、XYスライダの構造体が大きくなり、自重も大きくなる。自重が増えると加減速時に必要な駆動力も大きくなり、さらにエアパッドへの負荷が増えるという悪循環に陥る。また、X、Y梁もエアパッドの面を確保するためにステージ全体が大型化し、粗動リニアモータへの負荷も増えて、設計が成り立たなくなる。このように、従来のエアパッドを用いたガイド構成では十分なステージ性能が得られない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、位置決め対象を高精度に位置決めすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の側面は、位置決め装置に係り、構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、前記電磁機構は、同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石がそれぞれ発生する磁束による吸引力の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、を備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本発明の好適な第1の実施形態に係るステージ装置の概観を示す図である。図2は、図1のステージ装置の一部を示す概略図である。図2は、概略的には、図1のステージ装置の構成から微動ステージ111及び粗動リニアモータ固定子101、103を取り除いた構成を示す図である。このステージ装置は、半導体露光装置等の露光装置のウエハステージ装置として構成されているが、本発明のステージ装置は他の装置に組み込まれてもよい。
【0010】
ウエハステージ装置100は、ウエハをウエハチャック上に保持し、アライメントポジションや露光ポジションにウエハを搬送して位置決めする。ステージ定盤113上には、不図示の静圧案内によってXY平面上を移動自由に案内された粗動X梁105が配置されている。粗動X梁105は、Xヨーガイド115に不図示の静圧案内を用いてヨー方向の姿勢が固定され、結果として、粗動X梁105は、X方向のみに移動自由に案内されている。同様にして、粗動Y梁107は、ステージ定盤113とYヨーガイド117によりY方向のみに移動自由に案内されている。
【0011】
粗動X梁105、粗動Y梁107の各両端には、図2に示すように永久磁石を用いたX、Y粗動リニアモータ可動子119、121がそれぞれ設けられている。X粗動リニアモータ可動子119を上下から挟み込むようにして、図1のX粗動リニアモータ固定子対101が配置され、Y粗動リニアモータ可動子121を上下から挟み込むようにして、図1のY粗動リニアモータ固定子対103が配置されている。
【0012】
粗動リニアモータ固定子101、103は、櫛歯状の珪素鋼薄板を積層して構成された鉄心にコイルが巻かれた構成を有する。鉄心と粗動リニアモータ可動子との間には磁石の吸引力が働くが、上下とも同じ間隙で粗動リニアモータ固定子が粗動リニアモータ可動子を挟み込む構成とすることにより、この吸引力が相殺されている。
【0013】
粗動リニアモータ固定子101、103のコイルに電流を流すことにより、粗動リニアモータ固定子101、103と粗動リニアモータ可動子119、121との各間に推力を発生することができる。粗動リニアモータ固定子101、103とステージ定盤113は、同じ構造体によって支持されており、粗動リニアモータの推力は、粗動X、Y梁105、107の各々の移動方向に働く。
【0014】
粗動X梁、粗動Y梁105、107には、不図示のコーナーキューブが設けられており、不図示のレーザ干渉計からのレーザ光を反射する。粗動X梁、粗動Y梁105、107の各々の移動方向の位置は、これらのレーザ干渉計により計測される。不図示の制御系により、粗動X梁、粗動Y梁105、107は、各々のレーザ干渉計による計測値と粗動リニアモータによって位置決め制御される。
【0015】
粗動X梁、粗動Y梁105、107を囲むようにしてXYスライダ109が設けられている。XYスライダ109の自重は、XYスライダ底板109cに設けられた不図示の静圧案内によってステージ定盤113で受けられている。よって、XYスライダ109は、ステージ定盤113上のXY平面内を移動するように案内されている。XYスライダ109と粗動X梁、粗動Y梁105、107との間には電磁ガイド(電磁機構)が設けられている。
【0016】
XYスライダ109の適所、例えば、XYスライダ上板109aの側面には、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計によりXYスライダ109の位置及び姿勢が計測される。図3に示す例では、XYスライダ109に関して、レーザ光軸AXX(X方向の計測光軸)、レーザ光軸AXY1及びAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置されており、X、Y方向の位置及びωz方向の回転を計測することができる。以下では、XYスライダ109に関するレーザ干渉計をXYスライダレーザ干渉計という。ここで、ωz方向の回転は、レーザ光軸AXY1及びAXY2を光軸とするレーザ干渉計による計測結果、すなわち、Y方向の2つの位置計測値の差分とレーザ光軸の間隔とに基づいて算出することができる。
【0017】
同様に、粗動X梁、粗動Y梁105、107の適所、例えば両端部にも、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計により粗動X梁、粗動Y梁105、107の位置及び姿勢が計測される。図3に示す例では、粗動X梁105に関して、レーザ光軸RAXX1及びRAXX2(共にX方向の計測光軸)が配置され、粗動X梁105のX方向の位置及びωz方向の回転が計測される。また、Y梁107に関して、レーザ光軸RAXY1及びRAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置され、Y梁107のY方向の位置及びωz方向の回転が計測される。粗動X梁、粗動Y梁105、107に関するレーザ干渉計を以下では粗動ステージレーザ干渉計という。
【0018】
XYスライダ109上には図1の微動ステージ111が搭載されている。微動ステージ111は、不図示の空気ばねや磁石の反発を用いた自重補償系によりXYスライダ109からの振動が絶縁されている。XYスライダ109の上部にはコイルで構成される単相リニアモータ固定子が固定され、微動ステージ111の下部には永久磁石で構成される単相リニアモータ可動子が固定されている。これらによって構成される単相リニアモータは、微動ステージ111をX、Y、Zと各々の軸周りの回転方向であるωx、ωy、ωz方向に対して、推力を出せる構成となっている。例えば、XY座標が異なる3つの位置にそれぞれ単相リニアモータを配置することにより、Z、ωx、ωy方向に推力を発生させることができる。また、X方向に2個、Y方向に2個の単相リニアモータを配置することにより、X、Y、ωz方向に推力を発生させることができる。
【0019】
微動ステージ111には、不図示のレーザ反射鏡が設けられており、不図示のレーザ干渉計によって微動ステージ装置111の6自由度の位置変位を計測することができる。
【0020】
図3は、本発明の好適な実施の形態に係るステージ装置の一部を示す概略図である。図3は、概略的には、図2のステージ装置の構成からX、Y粗動リニアモータ可動子119、121を取り除いた構成を示す図である。また、図3は、分かりやすくするために、XYスライダ上板109a、粗動X梁105、粗動Y梁107をZ方向にずらして図示している。
【0021】
本実施形態では、XYスライダ109と、それを移動させるための移動体としてのX、Y梁105、107との間のガイド機構として電磁ガイドを採用している。電磁ガイド(電磁機構)は、電磁石130が発生する磁界を利用した一対の電磁アクチュエータが梁を挟むように対向配置して構成された非接触のガイド(案内機構)である。このような電磁アクチュエータは、ターゲット105T(107T)(例えば、磁性体)と電磁石130とによって構成されうる。ここで、従来のエアパッドに代えて電磁ガイドを採用することによって、非接触ガイドであるという利点を維持しつつ高い推力伝達能力を得ることができる。このような電磁ガイドは、エアを使用しないので、真空環境或いは減圧環境等を含むあらゆる使用環境に適している。ターゲット105T、107Tは、例えば、珪素鋼の薄板を積層して構成されうる。積層構造を採用するのは、渦電流の影響を抑えるためである。
【0022】
図4には、図3に示す電磁石130の具体的な配列例が示されている。なお、図3中の電磁石130は、図3では、XEM1〜XEM4、YEM1〜YEM4として記載されている。電磁石は吸引力しか働かすことができないため、二つの電磁石を対向させて組にして用いる。X電磁石XEM1とX電磁石XEM2、X電磁石XEM3とX電磁石XEM4、Y電磁石YEM1とY電磁石YEM2、Y電磁石YEM3とY電磁石YEM4がこの組である。X電磁石XEM1とX電磁石XEM2との中心を結ぶ線をX12軸、X電磁石XEM3とX電磁石4との中心を結ぶ線をX34軸、Y電磁石YEM1とY電磁石YEM2との中心を結ぶ線をY12軸、Y電磁石YEM3とY電磁石4との中心を結ぶ線をY34軸と定義する。これらのX12軸、X34軸、Y12軸、Y34軸は、それぞれX電磁石XEM1及びX電磁石XEM2の力線、X電磁石3及びX電磁石4の力線、Y電磁石1及びY電磁石2の力線、Y電磁石3及びY電磁石4の力線を示す。
【0023】
図4を用いて電磁石とターゲットとのギャップの計測について説明する。ギャップの情報は、図6に示すように、ギャップ算出器606によって電磁石駆動制御器609に与えられる。まず、XYスライダ位置算出器603によってXYスライダレーザ干渉計(計測軸は、AXX、AXY1、AXY2)から提供される位置情報に基づいてXYスライダ109の位置を算出する。また、粗動ステージ位置算出器608によって粗動ステージレーザ干渉計(計測軸は、RAXX1、RAXX2、RAXY1、RAXY2)に基づいて粗動ステージ(粗動X梁105、粗動Y梁107)の位置を算出する。そして、ギャップ算出器606によってXYスライダ位置及び粗動ステージ位置に基づいて各電磁石XEM1、XEM2、XEM3、XEM4、YEM1、YEM2、YEM3、YEM4のギャップX1gap、X2gap、X3gap、X4gap、Y1gap、Y2gap、Y3gap、Y4gapを算出する。この符号はギャップが大きくなる方向を正方向にとることにする。すなわち、ギャップ値が大きくなると、吸引力は減少する。
【0024】
図5に電磁アクチュエータの構成例が示されている。電磁石130は、E型コア131にコイル132を巻くことにより構成されうる。コイル132に電流を流すことにより、E型コア131とターゲット105T(107T)に磁束が通り、両者間に吸引力が発生する。電磁石130は、XYスライダ支柱109bに取り付けられている。
【0025】
電磁石130は、面積当たりの力を比較すると、静圧案内(エアパッド等)の数倍の能力があるので、小さな面積の電磁石130で大きな加減速力を発生させることができ、XYスライダ109やX、Y梁105、107を大きくする必要がないという利点がある。XYスライダ109がX、Y梁105、107に対して静圧案内で支持されている場合は、XYスライダ109の位置を計測する必要はないが、電磁ガイドを構成する場合は、XYスライダ109の位置を計測して、粗動X梁105とY梁107との間隔を制御する必要がある。XYスライダ109の適所、例えば、XYスライダ上板109aの側面には、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計によりXYスライダ109の位置及び姿勢が計測される。図5に示す例では、XYスライダ109に関して、レーザ光軸AXX(X方向の計測光軸)、レーザ光軸AXY1及びAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置されており、XYスライダ109のX、Y方向の位置及びωz方向の位置を計測することができる。ここで、ωz方向の回転は、Y方向の2つの位置計測値の差分とレーザ光軸の間隔とに基づいて算出することができる。
【0026】
図6は、本発明の好適な実施の形態に係るXYスライダ109の制御系のブロック線図である。XYスライダ109の位置決めは、X方向、Y方向、ωz方向の各モードに分けて制御される。これはXYスライダ109の重心位置における各モード位置指令を制御系に与え、XYスライダ109の位置を3本のレーザ干渉計の値から得たXYスライダ109の各モード計測値により制御するものである。各モード毎に制御することによって、直進方向と回転方向との幾何学的干渉を避けることができる。
【0027】
まず、不図示の主制御器からXYスライダ位置指令器601にステージ移動指令が送られ、XYスライダ位置指令器601において、XYスライダ109の位置指令(目標位置)が算出される。モード指令変換器602は、この位置指令に従ってXYスライダ109を含む構造体の重心位置におけるX,Y,ωzのモード位置指令を算出する。
【0028】
一方、XYスライダ位置算出器603は、XYスライダ109の位置を計測する3本のレーザ干渉計からによる計測値に基づいて、レーザが反射鏡にあたる場所でのXYスライダ109の位置を算出する。モード位置演算器604は、XYスライダ位置算出器603によって算出されたXYスライダ109の位置をXYスライダ109の各モードの計測値に変換する。モード指令変換器602およびモード位置演算器604には、XYスライダ109を含む構造体の重心位置の情報が組み込まれており、これらの幾何学的情報に基づいて演算が行われる。
【0029】
モード制御器605は、モード位置指令とモード計測値とに基づいて各モード軸の偏差を算出して、これらの偏差を解消するためのモード制御指令を生成する。制御指令分配器611は、モード制御器605から送られてくるモード制御指令をXYスライダ109を含む構造体の重心位置情報と各電磁石の位置情報とに基づいてX12軸、X34軸、Y12軸、Y34軸に配置された電磁石ユニットへの力指令Xf12,Xf34,Yf12,Yf34に分配する。ωz軸についての力指令は、X12軸とX34軸に割り振り、Y12軸とY34軸でのωz成分を零にしてもよいし、その逆でも良い。これらの各軸の力指令は電磁石指令演算器607に入力される。電磁石指令演算器607は、後述の機能に基づいて、各電磁石ごとに設けられた電磁石駆動制御器に磁束指令を送る。
【0030】
ステージ加減速時にXYスライダ109の位置偏差を小さく抑えたい場合には、加減速力のフィードフォワードを行う必要がある。XYスライダ109へのXYスライダフィードフォワード指令を用いる場合の本実施形態の制御系を図7に示す。図7は、概略的には、図6の構成に一部の機能を追加した構成を有する。即ち、図7は、フィードフォワード力変換器901を、図6に追加した構成を有する。不図示の主制御器から送られたXYスライダ109へのXYスライダフィードフォワード指令は、モードフィードフォワード力変換器901によって、X、Y、ωz方向の各モードごとのフィードフォワード力に変換される。このモードフィードフォワード力は、モード制御器605で演算されたモード制御指令と足し合わされて、制御指令分配器611に送られる。このようにフィードフォワードを行うにはモードの力指令の次元で演算を行えばよい。
【0031】
電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能について、X12軸を一例として示す図8を参照して説明する。他のXf34,Yf12,Yf34軸も同様にして構成される。X12軸の電磁石ユニット612は、X電磁石XEM1とX電磁石XEM2で構成されている。これらの電磁石は、粗動X梁105との間に吸引力を発生する。すなわち、電磁石ユニット612の制御力の反力は電磁石のターゲット105Tが設けられている補助構造体である粗動X梁105に加わる。図8に示すように、電磁石ユニット612の制御力の方向をX座標軸と同じ方向に定義する。このときにX電磁石XEM1の発生する吸引力は、電磁石ユニット612の制御力の方向と一致し、X電磁石XEM2の発生する吸引力は、電磁石ユニット612の制御力の方向と反対である。
【0032】
電磁石指令演算器607は、X電磁石XEM1には、電磁石ユニット612への力指令Xf12にゲイン0.5を乗じて一定の基本力Xo12を加えた値(Xo12+0.5×Xf12)を電磁石指令値として、X電磁石XEM2には電磁石ユニット612への力指令Xf12にゲイン0.5を乗じて一定の基本力Xo12を減じた値(Xo12−0.5×Xf12)を電磁石指令値として、各々の電磁石駆動制御器609a、609bに送る。各電磁石XEM1、XEM2が各電磁石指令値通りの吸引力を発生したときに、電磁石ユニット612で発生する力Fは、
F=(X電磁石XEM1の吸引力)−(X電磁石XEM2の吸引力)=(Xo12+0.5×Xf12)−(Xo12−0.5×Xf12)=Xf12
によってXf12となる。一定の基本力Xo12は、特に限定しないが、例えば、電磁石ユニット612で発生する吸引力の最大値の1/2の大きさにするのが好ましい。
【0033】
このように、本実施形態によれば、単位面積あたりで静圧案内に比べて数倍の力伝達能力をもつ電磁石を用いた電磁ガイドを構成することができる。
【0034】
また、対向する電磁石に対して一定の基本力をオフセットとして与えて、電磁石ユニット力の半分の値を符号を変えて左右の電磁石指令値に割り振ることによって、制御指令通りの力を電磁石ユニットに発生させることができる。
【0035】
(第2実施形態)
図9は、電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能において図8とは異なる機能を用いた場合を示す図である。図8においては一定の基本力Xo12を用いており、常にどちらの電磁石にも力指令Xf12を与えていた。これは電流指令値を求めるための数値表の精度を考慮したものである。吸引力が小さいときは吸引力測定の精度が悪いため、数値表の精度も悪くなってしまう。一定の基本力Xo12を用いた制御構成にすることにより吸引力が小さいときの精度の悪い数値表の個所を使わずに済む。しかし、一定の基本力Xo12を用いる分、電磁石コイルにおける発熱量が大きくなってしまう。この発熱は構造部材の熱膨張を引き起こし、装置性能に悪影響を与える恐れがある。図9では、この問題を解決するため、電磁石ユニット612力に応じて電磁石への指令を切り替えている。すなわち、電磁石指令演算器607は、電磁石ユニット612への力指令Xf12が正の場合はX電磁石XEM1のみに電磁石指令を与え、X電磁石XEM2には零の電磁石指令を与える。電磁石ユニット612への力指令Xf12が負の場合はX電磁石XEM2のみに電磁石指令を与え、X電磁石XEM1には零の電磁石指令を与える。この切換は切換ゲイン1,2を用いて実現されている。電磁石ユニット612への力指令Xf12が負の場合は切換ゲイン2では符号を反転させるために−1を乗じている。
【0036】
電磁石に発生する吸引力は、電磁石ギャップの磁束φの2乗に比例するので、X2電磁石駆動制御器609bには、Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12の平方根の次元を有する磁束指令を与えるのが望ましい。そこで、本実施形態では、図10に示すように、制御電流演算器213に設けられた選択器701がX12軸指令であるXf12の正負を判断して、Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12が正の場合(図10では、判断結果が”1”の場合)は、電磁石駆動制御器X1 609aには零を示す磁束指令を送り、電磁石駆動制御器X2 609bには電磁石ユニット612への力指令Xf12を平方根の次元にして磁束指令として与える。Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12が負または零の場合(図10では、判断結果が”0”の場合)は、電磁石駆動制御器X2 609bには零を示す磁束指令を送り、電磁石駆動制御器X1 609aには電磁石ユニット612への力指令Xf12に−1を乗じて正の値に変換した後、これを平方根の次元にして磁束指令として与える。
【0037】
図8と図9のどちらの構成を用いるかは、必要とされる制御性能と得られた数値表の精度、および電磁石コイルにおける発熱を考慮して定めればよい。
【0038】
このように、本実施形態によれば、電磁石ユニット力に応じて電磁石への指令を切り替えることによって、電磁石コイルでの発熱量を最小限に抑えることができる。
【0039】
(第3実施形態)
電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能について、電磁石XEM1を一例として示す図11を参照して説明する。電磁石XEM1の制御系には、電磁石XEM1に設けられたサーチコイル421と積分器423とにより磁束検出器が構成されている。電磁石XEM1のサーチコイル421には、電磁石XEM1における磁束の時間変化成分が誘起電圧として発生する。この誘起電圧を積分器423により時間積分することで電磁石XEM1が発生する磁束が検出される。加算器424では、電磁石指令演算器607から与えられた磁束指令XJ1と検出磁束との差分である磁束誤差が算出される。この磁束誤差に増幅器425がゲインを乗じてX1電圧ドライバ610aに指令として送られる。電磁石XEM1のコイル422には、X1電圧ドライバ610aにより電圧が印加され、コイル422に電流が流れることにより電磁石XEM1に磁束が発生する。なお、図11において、サーチコイル421と積分器423の代わりに、図12に示すように、ホール素子426とホール素子アンプ427を用いて、磁束検出器を構成してもよい。ホール素子426は、ギャップの間に設けられるのが望ましいが、電磁石XEM1の吸引力を代表する磁束を計測する場所であれば他の場所でもかまわない。
【0040】
このように、本実施形態によれば、電磁石指令演算器によって電磁石ユニット毎に制御力を算出して、その制御力を磁束の次元にして電磁石駆動制御器に送り、電磁石駆動制御器で検出磁束をフィードバック制御することにより、電磁石で発生する磁束を所望の磁束指令にほぼ等しくすることができ、結果的に所望の制御力を発生することができる。検出磁束は、電磁石間隙変動の影響を含め大局的な吸引力の検出に相当するので、電磁石のギャップに変動があっても、所望の制御力を発生することができ、位置決め対象物を高精度に位置決めすることができる。
【0041】
(第4実施形態)
電磁石駆動制御器609は、電磁石指令演算器607より送られた電磁石指令値通りの電磁石の吸引力になるように各電流ドライバ610a〜hへ電流指令を送る役割を果たす。電磁石で発生する吸引力は、理論的にはおよそコイルに流れる電流の2乗に比例し、電磁石とターゲットとのギャップ(電磁石ギャップ)の2乗に逆比例する。従って、このような非線形性を考慮した電流が各電流ドライバへ指令として送られる必要がある。この非線形性を単純にコイル電流の2乗に比例し、ギャップの2乗に逆比例するものとして、力指令のルート演算をしたり、ギャップをルート演算後の値に乗じて補正したりする構成も考えられるが、そのような手法では精度が悪くなる。ギャップにより磁束の漏れが生じ、発生する磁束すべてが吸引力にはならないためである。また、ギャップが変化すると磁束の漏れ方も変化する。
【0042】
そこで、本実施形態では、予め実験により測定した電磁石の電流、ギャップ、吸引力の関係に基づいて数値表を作成し、電磁石のギャップ値と必要な吸引力の2つの値を引数として、数値表から指令電流を求める構成を用いる。図13は、ギャップを変化させたときのコイル電流と電磁石吸引力の測定結果の一例を示す図である。図13から電磁石吸引力はギャップの2乗に反比例したものではないことがわかる。図14は、コイル電流を変化させたときのギャップと吸引力の測定結果の一例を示す図である。これは図14と同じ測定条件においてプロットの仕方を変えたものである。同じ電流値に対してはギャップが大きいほど電磁石吸引力が小さくなることが分かる。また、吸引力はコイル電流の2乗に単純に比例したものではないことが分かる。より詳細な電磁石の電流、ギャップ、吸引力の関係を求めるためには、ギャップ又は電流をより細かく変化させたときの吸引力を計測すればよい。これらのデータに基づいて、吸引力、ギャップが与えられたときに、必要なコイル電流を求めるための数値表が求められる。この数値表は、本実施形態では、一例として図15のような構成を用いられるが、本実施形態はこれに限定されない。
【0043】
図15に示すように、数値表は2次元の行列となっている。行には吸引力を一定としたときのギャップに対する電流値が、列にはギャップを一定としたときの吸引力に対する電流値が並んでいる。電磁石指令値及びそのときのギャップが与えられたときは、図15の行列を用いて、電磁石指令値とギャップの交点の電流値を求めればよい。しかし、数値表の各値は離散的であるため、電磁石指令値や制御時におけるギャップが数値表で用いられている値とは必ずしも一致しない。この場合は、例えば、図16のようにして補間すればよい。具体的には、吸引力は指標f1とf2の間にあり、ギャップは指標g1とg2の間にあるとする。まず、指標[f1,g1]で得られる電流i1と指標[f1,g2]で得られる電流i2とに基づいて、指標g1、g2、ギャップの各値から線形補間を行って電流値i12を求める。同様にして、i3とi4から線形補間によりi34を求める。次に、i12とi34とから指標f1、f2、電磁石指令値の各値から線形補間を行って所望の指令電流iが求められる。
【0044】
本実施形態では、ギャップから先に補間を行ったが、電磁石指令値から先に補間を行っても良い。また、補間方法は、ここに示した方法以外の方法を用いてもよい。数値表の精度・分解能が高いほど、補間の方法には影響されずに、正確な指令電流iが求められる。このようにして、各電磁石への電磁石指令値から指令電流が算出されて各電流ドライバ610a〜hへ送られる。電流ドライバ610a〜hでは、指令通りの電流をコイルに流して、電磁石指令値通りの吸引力を電磁石に発生させることができる。その結果、位置制御系の指令通りにXYスライダ109を高精度に位置制御することができる。
【0045】
なお、モード指令変換器602、モード制御器605、電磁石指令演算器607、制御指令分配器611は、複雑な座標変換、正負判断、非線形演算等を用いるのでデジタル系で構成するのが望ましい。電磁石駆動制御器609や磁束検出器は、線形演算を用いるので、アナログ系で構成しても良いし、もちろんデジタル系で構成しても良い。
【0046】
このように、本実施形態によれば、電磁石指令演算器により得られた電磁石ユニット毎の電磁石指令値とギャップ算出器により得られた電磁石毎の電磁石のギャップ値とから、実験的に求めた電磁石指令値と電磁石のギャップ値との数値表に基づいて、必要な電流指令を求めることによって、制御指令通りの力を発生することができ、高精度にXYスライダを位置決めすることができる。
【0047】
また、単位面積あたりで静圧案内に比べて数倍の力伝達能力をもつ電磁石を用いた電磁ガイドを構成する第1実施形態〜第3実施形態に係る制御系と本実施形態に係る数値表とを組み合わせることによって、さらに高加減速かつ高精度のステージを実現することができる。
【0048】
(他の実施形態)
図17は、上記のステージ装置を組み込んだ露光装置の構成を概略的に示す図である。マスクステージ500にはマスクが保持され、ウエハステージ100には、チャックによってウエハが保持される。マスクは、照明光学系601によって照明され、マスクに形成されているパターンの像は、投影光学系602を介してウエハステージ100上のウエハに投影転写される。パターンが転写された基板としてのウエハ上の感光層は、半導体デバイスを製造するために現像される。この露光装置は、上述のように、半導体デバイスの周知の製造プロセスに適用される。
【0049】
次に、この露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図18は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ5によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
【0050】
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0051】
以下に本発明に係る実施態様を列挙する。
【0052】
[実施態様1] 位置決め装置であって、
構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、
前記電磁機構は、
同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、
前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、
前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石がそれぞれ発生する磁束による吸引力の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、
を備えることを特徴とする位置決め装置。
【0053】
[実施態様2] 前記電磁石指令演算器は、前記第1電磁石には、前記電磁石ユニットへの力指令に所定のゲインを乗じて一定の基本力を加えた値を電磁石指令値として与え、前記第2電磁石には、前記電磁石ユニットへの力指令に前記所定のゲインを乗じて前記一定の基本力を減じた値を電磁石指令値として与えることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0054】
[実施態様3] 前記電磁石指令演算器は、前記電磁石ユニットへの力指令の方向が所定方向である場合には、前記第1電磁石には零を示す前記電磁石指令を、前記第2電磁石には前記力指令を前記電磁石指令として送り、前記電磁石ユニットへの力指令の方向が前記所定方向と反対である場合には、前記第1電磁石には前記電磁石ユニットへの力指令に−1を乗じて前記電磁石指令として送り、前記第2電磁石には零を示す前記電磁石指令を送ることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0055】
[実施態様4] 前記電磁石が発生する磁束を検出する磁束検出器を更に有し、前記電磁機構は、前記磁束検出器の計測結果と前記電磁石指令演算器からの磁束指令との差分に基づいてフィードバック制御されることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0056】
[実施態様5] 前記第1、2電磁石は、コアと該コアに巻かれたコイルとによって構成され、前記電磁石指令演算器は、予め測定した前記電磁石指令値及び前記ギャップと前記コイルへ流れる電流値との関係に基づいて、前記コイルへ流す電流値を求めることを特徴とする実施態様1乃至実施態様4のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【0057】
[実施態様6]
パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、
前記基板または前記原版を保持し位置決めを行う位置決め装置と、
を備え、
前記位置決め装置は、
構造物と前記基板を置載した移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、
前記電磁機構は、
同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、
前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、
前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石が発生する磁束による吸引力の各々の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【0058】
[実施態様7] 半導体デバイスの製造方法であって、
基板に感光材を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程で前記感光材が塗布された前記基板に実施態様6に記載の露光装置を利用してパターンを転写する露光工程と、
前記露光工程で前記パターンが転写された前記基板の前記感光材を現像する現像工程と、
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、位置決め対象を高精度に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態のステージ装置の概観を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態のステージ装置の概観を示す図である。
【図3】図2に示す構成の一部をZ方向に分解して示した図である。
【図4】電磁ガイド(電磁機構)の電磁アクチュエータを構成する電磁石の配列例を示す図である。
【図5】電磁ガイド(電磁機構)の電磁アクチュエータの構成例を示す図である。
【図6】電磁ガイド(電磁機構)を制御する制御系を示す図である。
【図7】電磁ガイド(電磁機構)を制御する制御系を示す図である。
【図8】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図9】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図10】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図11】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図12】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図13】ギャップと吸引力との関係を説明する図である。
【図14】コイル電流と吸引力との関係を説明する図である。
【図15】電磁石指令値及びそのときのギャップで構成される数値表を示す図である。
【図16】図15の数値表を補間する方法を示す図である。
【図17】露光装置の概略構成を示す図である。
【図18】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置決め装置、特に露光装置に搭載される位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
露光装置は、ウエハを移動させるステージ装置を有する。このような移動ステージ装置としては、例えば、特許第3145355号公報に開示されたものがある。このステージ装置においては、ステージ定盤上にはヨーガイドとステージ定盤でガイドされるYスライダが載せられている。Yスライダとステージ定盤およびヨーガイドとの間には、エアパッドが設けられている。
【0003】
また、Yスライダを囲むようにXスライダが設けられている。Yスライダの側面とXスライダの側面との間には、エアパッドが設けられている。Xスライダとステージ定盤との間にもエアパッドが設けられている。この構成により、YスライダはY方向に滑動自在であり、XスライダはYスライダに対してX方向に滑動自在なので、XスライダはX、Y方向に滑動自在である。
【0004】
Xスライダ、Yスライダの駆動にはリニアモータが用いられる。Xスライダ、Yスライダ駆動用のリニアモータは、コイル固定、磁石可動型のものであり、磁石位置に応じてコイルを選択し、電流の大きさと方向を適切に制御することで長ストロークの駆動を実現する。
【0005】
近年では、このようなステージ装置の高速化の要求が高まり、移動時の加減速も大きくなってきている。
【特許文献1】
特許第3145355号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステージ装置を高速化するためにエアパッドのパッド面を大きくすると、XYスライダの構造体が大きくなり、自重も大きくなる。自重が増えると加減速時に必要な駆動力も大きくなり、さらにエアパッドへの負荷が増えるという悪循環に陥る。また、X、Y梁もエアパッドの面を確保するためにステージ全体が大型化し、粗動リニアモータへの負荷も増えて、設計が成り立たなくなる。このように、従来のエアパッドを用いたガイド構成では十分なステージ性能が得られない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、位置決め対象を高精度に位置決めすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の側面は、位置決め装置に係り、構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、前記電磁機構は、同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石がそれぞれ発生する磁束による吸引力の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、を備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、本発明の好適な第1の実施形態に係るステージ装置の概観を示す図である。図2は、図1のステージ装置の一部を示す概略図である。図2は、概略的には、図1のステージ装置の構成から微動ステージ111及び粗動リニアモータ固定子101、103を取り除いた構成を示す図である。このステージ装置は、半導体露光装置等の露光装置のウエハステージ装置として構成されているが、本発明のステージ装置は他の装置に組み込まれてもよい。
【0010】
ウエハステージ装置100は、ウエハをウエハチャック上に保持し、アライメントポジションや露光ポジションにウエハを搬送して位置決めする。ステージ定盤113上には、不図示の静圧案内によってXY平面上を移動自由に案内された粗動X梁105が配置されている。粗動X梁105は、Xヨーガイド115に不図示の静圧案内を用いてヨー方向の姿勢が固定され、結果として、粗動X梁105は、X方向のみに移動自由に案内されている。同様にして、粗動Y梁107は、ステージ定盤113とYヨーガイド117によりY方向のみに移動自由に案内されている。
【0011】
粗動X梁105、粗動Y梁107の各両端には、図2に示すように永久磁石を用いたX、Y粗動リニアモータ可動子119、121がそれぞれ設けられている。X粗動リニアモータ可動子119を上下から挟み込むようにして、図1のX粗動リニアモータ固定子対101が配置され、Y粗動リニアモータ可動子121を上下から挟み込むようにして、図1のY粗動リニアモータ固定子対103が配置されている。
【0012】
粗動リニアモータ固定子101、103は、櫛歯状の珪素鋼薄板を積層して構成された鉄心にコイルが巻かれた構成を有する。鉄心と粗動リニアモータ可動子との間には磁石の吸引力が働くが、上下とも同じ間隙で粗動リニアモータ固定子が粗動リニアモータ可動子を挟み込む構成とすることにより、この吸引力が相殺されている。
【0013】
粗動リニアモータ固定子101、103のコイルに電流を流すことにより、粗動リニアモータ固定子101、103と粗動リニアモータ可動子119、121との各間に推力を発生することができる。粗動リニアモータ固定子101、103とステージ定盤113は、同じ構造体によって支持されており、粗動リニアモータの推力は、粗動X、Y梁105、107の各々の移動方向に働く。
【0014】
粗動X梁、粗動Y梁105、107には、不図示のコーナーキューブが設けられており、不図示のレーザ干渉計からのレーザ光を反射する。粗動X梁、粗動Y梁105、107の各々の移動方向の位置は、これらのレーザ干渉計により計測される。不図示の制御系により、粗動X梁、粗動Y梁105、107は、各々のレーザ干渉計による計測値と粗動リニアモータによって位置決め制御される。
【0015】
粗動X梁、粗動Y梁105、107を囲むようにしてXYスライダ109が設けられている。XYスライダ109の自重は、XYスライダ底板109cに設けられた不図示の静圧案内によってステージ定盤113で受けられている。よって、XYスライダ109は、ステージ定盤113上のXY平面内を移動するように案内されている。XYスライダ109と粗動X梁、粗動Y梁105、107との間には電磁ガイド(電磁機構)が設けられている。
【0016】
XYスライダ109の適所、例えば、XYスライダ上板109aの側面には、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計によりXYスライダ109の位置及び姿勢が計測される。図3に示す例では、XYスライダ109に関して、レーザ光軸AXX(X方向の計測光軸)、レーザ光軸AXY1及びAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置されており、X、Y方向の位置及びωz方向の回転を計測することができる。以下では、XYスライダ109に関するレーザ干渉計をXYスライダレーザ干渉計という。ここで、ωz方向の回転は、レーザ光軸AXY1及びAXY2を光軸とするレーザ干渉計による計測結果、すなわち、Y方向の2つの位置計測値の差分とレーザ光軸の間隔とに基づいて算出することができる。
【0017】
同様に、粗動X梁、粗動Y梁105、107の適所、例えば両端部にも、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計により粗動X梁、粗動Y梁105、107の位置及び姿勢が計測される。図3に示す例では、粗動X梁105に関して、レーザ光軸RAXX1及びRAXX2(共にX方向の計測光軸)が配置され、粗動X梁105のX方向の位置及びωz方向の回転が計測される。また、Y梁107に関して、レーザ光軸RAXY1及びRAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置され、Y梁107のY方向の位置及びωz方向の回転が計測される。粗動X梁、粗動Y梁105、107に関するレーザ干渉計を以下では粗動ステージレーザ干渉計という。
【0018】
XYスライダ109上には図1の微動ステージ111が搭載されている。微動ステージ111は、不図示の空気ばねや磁石の反発を用いた自重補償系によりXYスライダ109からの振動が絶縁されている。XYスライダ109の上部にはコイルで構成される単相リニアモータ固定子が固定され、微動ステージ111の下部には永久磁石で構成される単相リニアモータ可動子が固定されている。これらによって構成される単相リニアモータは、微動ステージ111をX、Y、Zと各々の軸周りの回転方向であるωx、ωy、ωz方向に対して、推力を出せる構成となっている。例えば、XY座標が異なる3つの位置にそれぞれ単相リニアモータを配置することにより、Z、ωx、ωy方向に推力を発生させることができる。また、X方向に2個、Y方向に2個の単相リニアモータを配置することにより、X、Y、ωz方向に推力を発生させることができる。
【0019】
微動ステージ111には、不図示のレーザ反射鏡が設けられており、不図示のレーザ干渉計によって微動ステージ装置111の6自由度の位置変位を計測することができる。
【0020】
図3は、本発明の好適な実施の形態に係るステージ装置の一部を示す概略図である。図3は、概略的には、図2のステージ装置の構成からX、Y粗動リニアモータ可動子119、121を取り除いた構成を示す図である。また、図3は、分かりやすくするために、XYスライダ上板109a、粗動X梁105、粗動Y梁107をZ方向にずらして図示している。
【0021】
本実施形態では、XYスライダ109と、それを移動させるための移動体としてのX、Y梁105、107との間のガイド機構として電磁ガイドを採用している。電磁ガイド(電磁機構)は、電磁石130が発生する磁界を利用した一対の電磁アクチュエータが梁を挟むように対向配置して構成された非接触のガイド(案内機構)である。このような電磁アクチュエータは、ターゲット105T(107T)(例えば、磁性体)と電磁石130とによって構成されうる。ここで、従来のエアパッドに代えて電磁ガイドを採用することによって、非接触ガイドであるという利点を維持しつつ高い推力伝達能力を得ることができる。このような電磁ガイドは、エアを使用しないので、真空環境或いは減圧環境等を含むあらゆる使用環境に適している。ターゲット105T、107Tは、例えば、珪素鋼の薄板を積層して構成されうる。積層構造を採用するのは、渦電流の影響を抑えるためである。
【0022】
図4には、図3に示す電磁石130の具体的な配列例が示されている。なお、図3中の電磁石130は、図3では、XEM1〜XEM4、YEM1〜YEM4として記載されている。電磁石は吸引力しか働かすことができないため、二つの電磁石を対向させて組にして用いる。X電磁石XEM1とX電磁石XEM2、X電磁石XEM3とX電磁石XEM4、Y電磁石YEM1とY電磁石YEM2、Y電磁石YEM3とY電磁石YEM4がこの組である。X電磁石XEM1とX電磁石XEM2との中心を結ぶ線をX12軸、X電磁石XEM3とX電磁石4との中心を結ぶ線をX34軸、Y電磁石YEM1とY電磁石YEM2との中心を結ぶ線をY12軸、Y電磁石YEM3とY電磁石4との中心を結ぶ線をY34軸と定義する。これらのX12軸、X34軸、Y12軸、Y34軸は、それぞれX電磁石XEM1及びX電磁石XEM2の力線、X電磁石3及びX電磁石4の力線、Y電磁石1及びY電磁石2の力線、Y電磁石3及びY電磁石4の力線を示す。
【0023】
図4を用いて電磁石とターゲットとのギャップの計測について説明する。ギャップの情報は、図6に示すように、ギャップ算出器606によって電磁石駆動制御器609に与えられる。まず、XYスライダ位置算出器603によってXYスライダレーザ干渉計(計測軸は、AXX、AXY1、AXY2)から提供される位置情報に基づいてXYスライダ109の位置を算出する。また、粗動ステージ位置算出器608によって粗動ステージレーザ干渉計(計測軸は、RAXX1、RAXX2、RAXY1、RAXY2)に基づいて粗動ステージ(粗動X梁105、粗動Y梁107)の位置を算出する。そして、ギャップ算出器606によってXYスライダ位置及び粗動ステージ位置に基づいて各電磁石XEM1、XEM2、XEM3、XEM4、YEM1、YEM2、YEM3、YEM4のギャップX1gap、X2gap、X3gap、X4gap、Y1gap、Y2gap、Y3gap、Y4gapを算出する。この符号はギャップが大きくなる方向を正方向にとることにする。すなわち、ギャップ値が大きくなると、吸引力は減少する。
【0024】
図5に電磁アクチュエータの構成例が示されている。電磁石130は、E型コア131にコイル132を巻くことにより構成されうる。コイル132に電流を流すことにより、E型コア131とターゲット105T(107T)に磁束が通り、両者間に吸引力が発生する。電磁石130は、XYスライダ支柱109bに取り付けられている。
【0025】
電磁石130は、面積当たりの力を比較すると、静圧案内(エアパッド等)の数倍の能力があるので、小さな面積の電磁石130で大きな加減速力を発生させることができ、XYスライダ109やX、Y梁105、107を大きくする必要がないという利点がある。XYスライダ109がX、Y梁105、107に対して静圧案内で支持されている場合は、XYスライダ109の位置を計測する必要はないが、電磁ガイドを構成する場合は、XYスライダ109の位置を計測して、粗動X梁105とY梁107との間隔を制御する必要がある。XYスライダ109の適所、例えば、XYスライダ上板109aの側面には、反射鏡が形成又は固定されており、不図示のレーザ干渉計によりXYスライダ109の位置及び姿勢が計測される。図5に示す例では、XYスライダ109に関して、レーザ光軸AXX(X方向の計測光軸)、レーザ光軸AXY1及びAXY2(共にY方向の計測光軸)を計測光軸とするレーザ干渉計が配置されており、XYスライダ109のX、Y方向の位置及びωz方向の位置を計測することができる。ここで、ωz方向の回転は、Y方向の2つの位置計測値の差分とレーザ光軸の間隔とに基づいて算出することができる。
【0026】
図6は、本発明の好適な実施の形態に係るXYスライダ109の制御系のブロック線図である。XYスライダ109の位置決めは、X方向、Y方向、ωz方向の各モードに分けて制御される。これはXYスライダ109の重心位置における各モード位置指令を制御系に与え、XYスライダ109の位置を3本のレーザ干渉計の値から得たXYスライダ109の各モード計測値により制御するものである。各モード毎に制御することによって、直進方向と回転方向との幾何学的干渉を避けることができる。
【0027】
まず、不図示の主制御器からXYスライダ位置指令器601にステージ移動指令が送られ、XYスライダ位置指令器601において、XYスライダ109の位置指令(目標位置)が算出される。モード指令変換器602は、この位置指令に従ってXYスライダ109を含む構造体の重心位置におけるX,Y,ωzのモード位置指令を算出する。
【0028】
一方、XYスライダ位置算出器603は、XYスライダ109の位置を計測する3本のレーザ干渉計からによる計測値に基づいて、レーザが反射鏡にあたる場所でのXYスライダ109の位置を算出する。モード位置演算器604は、XYスライダ位置算出器603によって算出されたXYスライダ109の位置をXYスライダ109の各モードの計測値に変換する。モード指令変換器602およびモード位置演算器604には、XYスライダ109を含む構造体の重心位置の情報が組み込まれており、これらの幾何学的情報に基づいて演算が行われる。
【0029】
モード制御器605は、モード位置指令とモード計測値とに基づいて各モード軸の偏差を算出して、これらの偏差を解消するためのモード制御指令を生成する。制御指令分配器611は、モード制御器605から送られてくるモード制御指令をXYスライダ109を含む構造体の重心位置情報と各電磁石の位置情報とに基づいてX12軸、X34軸、Y12軸、Y34軸に配置された電磁石ユニットへの力指令Xf12,Xf34,Yf12,Yf34に分配する。ωz軸についての力指令は、X12軸とX34軸に割り振り、Y12軸とY34軸でのωz成分を零にしてもよいし、その逆でも良い。これらの各軸の力指令は電磁石指令演算器607に入力される。電磁石指令演算器607は、後述の機能に基づいて、各電磁石ごとに設けられた電磁石駆動制御器に磁束指令を送る。
【0030】
ステージ加減速時にXYスライダ109の位置偏差を小さく抑えたい場合には、加減速力のフィードフォワードを行う必要がある。XYスライダ109へのXYスライダフィードフォワード指令を用いる場合の本実施形態の制御系を図7に示す。図7は、概略的には、図6の構成に一部の機能を追加した構成を有する。即ち、図7は、フィードフォワード力変換器901を、図6に追加した構成を有する。不図示の主制御器から送られたXYスライダ109へのXYスライダフィードフォワード指令は、モードフィードフォワード力変換器901によって、X、Y、ωz方向の各モードごとのフィードフォワード力に変換される。このモードフィードフォワード力は、モード制御器605で演算されたモード制御指令と足し合わされて、制御指令分配器611に送られる。このようにフィードフォワードを行うにはモードの力指令の次元で演算を行えばよい。
【0031】
電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能について、X12軸を一例として示す図8を参照して説明する。他のXf34,Yf12,Yf34軸も同様にして構成される。X12軸の電磁石ユニット612は、X電磁石XEM1とX電磁石XEM2で構成されている。これらの電磁石は、粗動X梁105との間に吸引力を発生する。すなわち、電磁石ユニット612の制御力の反力は電磁石のターゲット105Tが設けられている補助構造体である粗動X梁105に加わる。図8に示すように、電磁石ユニット612の制御力の方向をX座標軸と同じ方向に定義する。このときにX電磁石XEM1の発生する吸引力は、電磁石ユニット612の制御力の方向と一致し、X電磁石XEM2の発生する吸引力は、電磁石ユニット612の制御力の方向と反対である。
【0032】
電磁石指令演算器607は、X電磁石XEM1には、電磁石ユニット612への力指令Xf12にゲイン0.5を乗じて一定の基本力Xo12を加えた値(Xo12+0.5×Xf12)を電磁石指令値として、X電磁石XEM2には電磁石ユニット612への力指令Xf12にゲイン0.5を乗じて一定の基本力Xo12を減じた値(Xo12−0.5×Xf12)を電磁石指令値として、各々の電磁石駆動制御器609a、609bに送る。各電磁石XEM1、XEM2が各電磁石指令値通りの吸引力を発生したときに、電磁石ユニット612で発生する力Fは、
F=(X電磁石XEM1の吸引力)−(X電磁石XEM2の吸引力)=(Xo12+0.5×Xf12)−(Xo12−0.5×Xf12)=Xf12
によってXf12となる。一定の基本力Xo12は、特に限定しないが、例えば、電磁石ユニット612で発生する吸引力の最大値の1/2の大きさにするのが好ましい。
【0033】
このように、本実施形態によれば、単位面積あたりで静圧案内に比べて数倍の力伝達能力をもつ電磁石を用いた電磁ガイドを構成することができる。
【0034】
また、対向する電磁石に対して一定の基本力をオフセットとして与えて、電磁石ユニット力の半分の値を符号を変えて左右の電磁石指令値に割り振ることによって、制御指令通りの力を電磁石ユニットに発生させることができる。
【0035】
(第2実施形態)
図9は、電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能において図8とは異なる機能を用いた場合を示す図である。図8においては一定の基本力Xo12を用いており、常にどちらの電磁石にも力指令Xf12を与えていた。これは電流指令値を求めるための数値表の精度を考慮したものである。吸引力が小さいときは吸引力測定の精度が悪いため、数値表の精度も悪くなってしまう。一定の基本力Xo12を用いた制御構成にすることにより吸引力が小さいときの精度の悪い数値表の個所を使わずに済む。しかし、一定の基本力Xo12を用いる分、電磁石コイルにおける発熱量が大きくなってしまう。この発熱は構造部材の熱膨張を引き起こし、装置性能に悪影響を与える恐れがある。図9では、この問題を解決するため、電磁石ユニット612力に応じて電磁石への指令を切り替えている。すなわち、電磁石指令演算器607は、電磁石ユニット612への力指令Xf12が正の場合はX電磁石XEM1のみに電磁石指令を与え、X電磁石XEM2には零の電磁石指令を与える。電磁石ユニット612への力指令Xf12が負の場合はX電磁石XEM2のみに電磁石指令を与え、X電磁石XEM1には零の電磁石指令を与える。この切換は切換ゲイン1,2を用いて実現されている。電磁石ユニット612への力指令Xf12が負の場合は切換ゲイン2では符号を反転させるために−1を乗じている。
【0036】
電磁石に発生する吸引力は、電磁石ギャップの磁束φの2乗に比例するので、X2電磁石駆動制御器609bには、Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12の平方根の次元を有する磁束指令を与えるのが望ましい。そこで、本実施形態では、図10に示すように、制御電流演算器213に設けられた選択器701がX12軸指令であるXf12の正負を判断して、Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12が正の場合(図10では、判断結果が”1”の場合)は、電磁石駆動制御器X1 609aには零を示す磁束指令を送り、電磁石駆動制御器X2 609bには電磁石ユニット612への力指令Xf12を平方根の次元にして磁束指令として与える。Xf12軸の電磁石ユニット612への力指令Xf12が負または零の場合(図10では、判断結果が”0”の場合)は、電磁石駆動制御器X2 609bには零を示す磁束指令を送り、電磁石駆動制御器X1 609aには電磁石ユニット612への力指令Xf12に−1を乗じて正の値に変換した後、これを平方根の次元にして磁束指令として与える。
【0037】
図8と図9のどちらの構成を用いるかは、必要とされる制御性能と得られた数値表の精度、および電磁石コイルにおける発熱を考慮して定めればよい。
【0038】
このように、本実施形態によれば、電磁石ユニット力に応じて電磁石への指令を切り替えることによって、電磁石コイルでの発熱量を最小限に抑えることができる。
【0039】
(第3実施形態)
電磁石指令演算器607、電磁石駆動制御器609、電流ドライバ610等の機能について、電磁石XEM1を一例として示す図11を参照して説明する。電磁石XEM1の制御系には、電磁石XEM1に設けられたサーチコイル421と積分器423とにより磁束検出器が構成されている。電磁石XEM1のサーチコイル421には、電磁石XEM1における磁束の時間変化成分が誘起電圧として発生する。この誘起電圧を積分器423により時間積分することで電磁石XEM1が発生する磁束が検出される。加算器424では、電磁石指令演算器607から与えられた磁束指令XJ1と検出磁束との差分である磁束誤差が算出される。この磁束誤差に増幅器425がゲインを乗じてX1電圧ドライバ610aに指令として送られる。電磁石XEM1のコイル422には、X1電圧ドライバ610aにより電圧が印加され、コイル422に電流が流れることにより電磁石XEM1に磁束が発生する。なお、図11において、サーチコイル421と積分器423の代わりに、図12に示すように、ホール素子426とホール素子アンプ427を用いて、磁束検出器を構成してもよい。ホール素子426は、ギャップの間に設けられるのが望ましいが、電磁石XEM1の吸引力を代表する磁束を計測する場所であれば他の場所でもかまわない。
【0040】
このように、本実施形態によれば、電磁石指令演算器によって電磁石ユニット毎に制御力を算出して、その制御力を磁束の次元にして電磁石駆動制御器に送り、電磁石駆動制御器で検出磁束をフィードバック制御することにより、電磁石で発生する磁束を所望の磁束指令にほぼ等しくすることができ、結果的に所望の制御力を発生することができる。検出磁束は、電磁石間隙変動の影響を含め大局的な吸引力の検出に相当するので、電磁石のギャップに変動があっても、所望の制御力を発生することができ、位置決め対象物を高精度に位置決めすることができる。
【0041】
(第4実施形態)
電磁石駆動制御器609は、電磁石指令演算器607より送られた電磁石指令値通りの電磁石の吸引力になるように各電流ドライバ610a〜hへ電流指令を送る役割を果たす。電磁石で発生する吸引力は、理論的にはおよそコイルに流れる電流の2乗に比例し、電磁石とターゲットとのギャップ(電磁石ギャップ)の2乗に逆比例する。従って、このような非線形性を考慮した電流が各電流ドライバへ指令として送られる必要がある。この非線形性を単純にコイル電流の2乗に比例し、ギャップの2乗に逆比例するものとして、力指令のルート演算をしたり、ギャップをルート演算後の値に乗じて補正したりする構成も考えられるが、そのような手法では精度が悪くなる。ギャップにより磁束の漏れが生じ、発生する磁束すべてが吸引力にはならないためである。また、ギャップが変化すると磁束の漏れ方も変化する。
【0042】
そこで、本実施形態では、予め実験により測定した電磁石の電流、ギャップ、吸引力の関係に基づいて数値表を作成し、電磁石のギャップ値と必要な吸引力の2つの値を引数として、数値表から指令電流を求める構成を用いる。図13は、ギャップを変化させたときのコイル電流と電磁石吸引力の測定結果の一例を示す図である。図13から電磁石吸引力はギャップの2乗に反比例したものではないことがわかる。図14は、コイル電流を変化させたときのギャップと吸引力の測定結果の一例を示す図である。これは図14と同じ測定条件においてプロットの仕方を変えたものである。同じ電流値に対してはギャップが大きいほど電磁石吸引力が小さくなることが分かる。また、吸引力はコイル電流の2乗に単純に比例したものではないことが分かる。より詳細な電磁石の電流、ギャップ、吸引力の関係を求めるためには、ギャップ又は電流をより細かく変化させたときの吸引力を計測すればよい。これらのデータに基づいて、吸引力、ギャップが与えられたときに、必要なコイル電流を求めるための数値表が求められる。この数値表は、本実施形態では、一例として図15のような構成を用いられるが、本実施形態はこれに限定されない。
【0043】
図15に示すように、数値表は2次元の行列となっている。行には吸引力を一定としたときのギャップに対する電流値が、列にはギャップを一定としたときの吸引力に対する電流値が並んでいる。電磁石指令値及びそのときのギャップが与えられたときは、図15の行列を用いて、電磁石指令値とギャップの交点の電流値を求めればよい。しかし、数値表の各値は離散的であるため、電磁石指令値や制御時におけるギャップが数値表で用いられている値とは必ずしも一致しない。この場合は、例えば、図16のようにして補間すればよい。具体的には、吸引力は指標f1とf2の間にあり、ギャップは指標g1とg2の間にあるとする。まず、指標[f1,g1]で得られる電流i1と指標[f1,g2]で得られる電流i2とに基づいて、指標g1、g2、ギャップの各値から線形補間を行って電流値i12を求める。同様にして、i3とi4から線形補間によりi34を求める。次に、i12とi34とから指標f1、f2、電磁石指令値の各値から線形補間を行って所望の指令電流iが求められる。
【0044】
本実施形態では、ギャップから先に補間を行ったが、電磁石指令値から先に補間を行っても良い。また、補間方法は、ここに示した方法以外の方法を用いてもよい。数値表の精度・分解能が高いほど、補間の方法には影響されずに、正確な指令電流iが求められる。このようにして、各電磁石への電磁石指令値から指令電流が算出されて各電流ドライバ610a〜hへ送られる。電流ドライバ610a〜hでは、指令通りの電流をコイルに流して、電磁石指令値通りの吸引力を電磁石に発生させることができる。その結果、位置制御系の指令通りにXYスライダ109を高精度に位置制御することができる。
【0045】
なお、モード指令変換器602、モード制御器605、電磁石指令演算器607、制御指令分配器611は、複雑な座標変換、正負判断、非線形演算等を用いるのでデジタル系で構成するのが望ましい。電磁石駆動制御器609や磁束検出器は、線形演算を用いるので、アナログ系で構成しても良いし、もちろんデジタル系で構成しても良い。
【0046】
このように、本実施形態によれば、電磁石指令演算器により得られた電磁石ユニット毎の電磁石指令値とギャップ算出器により得られた電磁石毎の電磁石のギャップ値とから、実験的に求めた電磁石指令値と電磁石のギャップ値との数値表に基づいて、必要な電流指令を求めることによって、制御指令通りの力を発生することができ、高精度にXYスライダを位置決めすることができる。
【0047】
また、単位面積あたりで静圧案内に比べて数倍の力伝達能力をもつ電磁石を用いた電磁ガイドを構成する第1実施形態〜第3実施形態に係る制御系と本実施形態に係る数値表とを組み合わせることによって、さらに高加減速かつ高精度のステージを実現することができる。
【0048】
(他の実施形態)
図17は、上記のステージ装置を組み込んだ露光装置の構成を概略的に示す図である。マスクステージ500にはマスクが保持され、ウエハステージ100には、チャックによってウエハが保持される。マスクは、照明光学系601によって照明され、マスクに形成されているパターンの像は、投影光学系602を介してウエハステージ100上のウエハに投影転写される。パターンが転写された基板としてのウエハ上の感光層は、半導体デバイスを製造するために現像される。この露光装置は、上述のように、半導体デバイスの周知の製造プロセスに適用される。
【0049】
次に、この露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図18は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ5によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
【0050】
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0051】
以下に本発明に係る実施態様を列挙する。
【0052】
[実施態様1] 位置決め装置であって、
構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、
前記電磁機構は、
同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、
前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、
前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石がそれぞれ発生する磁束による吸引力の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、
を備えることを特徴とする位置決め装置。
【0053】
[実施態様2] 前記電磁石指令演算器は、前記第1電磁石には、前記電磁石ユニットへの力指令に所定のゲインを乗じて一定の基本力を加えた値を電磁石指令値として与え、前記第2電磁石には、前記電磁石ユニットへの力指令に前記所定のゲインを乗じて前記一定の基本力を減じた値を電磁石指令値として与えることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0054】
[実施態様3] 前記電磁石指令演算器は、前記電磁石ユニットへの力指令の方向が所定方向である場合には、前記第1電磁石には零を示す前記電磁石指令を、前記第2電磁石には前記力指令を前記電磁石指令として送り、前記電磁石ユニットへの力指令の方向が前記所定方向と反対である場合には、前記第1電磁石には前記電磁石ユニットへの力指令に−1を乗じて前記電磁石指令として送り、前記第2電磁石には零を示す前記電磁石指令を送ることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0055】
[実施態様4] 前記電磁石が発生する磁束を検出する磁束検出器を更に有し、前記電磁機構は、前記磁束検出器の計測結果と前記電磁石指令演算器からの磁束指令との差分に基づいてフィードバック制御されることを特徴とする実施態様1に記載の位置決め装置。
【0056】
[実施態様5] 前記第1、2電磁石は、コアと該コアに巻かれたコイルとによって構成され、前記電磁石指令演算器は、予め測定した前記電磁石指令値及び前記ギャップと前記コイルへ流れる電流値との関係に基づいて、前記コイルへ流す電流値を求めることを特徴とする実施態様1乃至実施態様4のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【0057】
[実施態様6]
パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、
前記基板または前記原版を保持し位置決めを行う位置決め装置と、
を備え、
前記位置決め装置は、
構造物と前記基板を置載した移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、
前記電磁機構は、
同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、
前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、
前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石が発生する磁束による吸引力の各々の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【0058】
[実施態様7] 半導体デバイスの製造方法であって、
基板に感光材を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程で前記感光材が塗布された前記基板に実施態様6に記載の露光装置を利用してパターンを転写する露光工程と、
前記露光工程で前記パターンが転写された前記基板の前記感光材を現像する現像工程と、
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、位置決め対象を高精度に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態のステージ装置の概観を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態のステージ装置の概観を示す図である。
【図3】図2に示す構成の一部をZ方向に分解して示した図である。
【図4】電磁ガイド(電磁機構)の電磁アクチュエータを構成する電磁石の配列例を示す図である。
【図5】電磁ガイド(電磁機構)の電磁アクチュエータの構成例を示す図である。
【図6】電磁ガイド(電磁機構)を制御する制御系を示す図である。
【図7】電磁ガイド(電磁機構)を制御する制御系を示す図である。
【図8】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図9】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図10】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図11】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図12】電磁石の駆動方法を説明する図である。
【図13】ギャップと吸引力との関係を説明する図である。
【図14】コイル電流と吸引力との関係を説明する図である。
【図15】電磁石指令値及びそのときのギャップで構成される数値表を示す図である。
【図16】図15の数値表を補間する方法を示す図である。
【図17】露光装置の概略構成を示す図である。
【図18】半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
Claims (1)
- 位置決め装置であって、
構造物と移動体との間に電磁的に力を作用させることにより、前記構造物と前記移動体との間にギャップを形成しつつ前記移動体の移動に伴って前記構造物が移動することを可能にする電磁機構を備え、
前記電磁機構は、
同一線上において互いに反対の方向に力を発生するように配置された第1、第2電磁石を有する電磁石ユニットと、
前記第1、第2電磁石の各々と対向して配置されたターゲットと、
前記第1、第2電磁石と前記ターゲットとの間で前記第1、第2電磁石がそれぞれ発生する磁束による吸引力の差が所定値となるように、前記第1、第2電磁石の各々に電磁石指令を与える電磁石指令演算器と、
を備えることを特徴とする位置決め装置。
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