JP2004241285A - 電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁波漏洩防止具付調理鍋 - Google Patents
電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁波漏洩防止具付調理鍋 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電磁調理器からの電磁波の漏れを防止し、調理者の不安を払拭することを目的とする。
【解決手段】電磁誘導コイル2と、電磁誘導コイル2の上部に配設されたトッププレート3とを備え、トッププレート3の上部に載置された調理鍋4を電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱する電磁調理器1に使用されるものであって、電磁調理器1に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイル2から調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁調理器用の電磁波漏洩防止具で、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器1と調理者6側との間の全面を覆うものである。
【選択図】 図1
【解決手段】電磁誘導コイル2と、電磁誘導コイル2の上部に配設されたトッププレート3とを備え、トッププレート3の上部に載置された調理鍋4を電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱する電磁調理器1に使用されるものであって、電磁調理器1に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイル2から調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁調理器用の電磁波漏洩防止具で、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器1と調理者6側との間の全面を覆うものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁調理器用の電磁誘導コイルから洩れる電磁波が調理者に到達することを防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の電磁調理器の構成を示す側面図である。図において、1は電磁調理器、2はこの電磁調理器1の電磁誘導コイル、3は電磁調理器1のトッププレート、4はトッププレート3上に載置し電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱される調理鍋、5は電磁調理器1を設置する設置台、6は調理者、7はこの調理者6側と相反する側の壁面である。
【0003】
次に上記のように構成された従来の電磁調理器の電磁調理について説明する。まず、調理者6はトッププレート3上に調理鍋4を載置する。次に、電磁調理器1をONし、電磁誘導コイル2の電磁誘導により調理鍋4を加熱する。次に、調理者6は調理鍋4を用いて調理を行う(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−174960号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁調理器は上記のように構成されている。一般的な家庭用の出力の弱い電磁調理器から洩れる電磁波量は、規定値以下に抑えられており、調理者に悪影響をおよぼすことはないものと考えられている。しかし、業務用の電磁調理器では調理者が毎日連続して長時間にわたって使用する場合があり、規定値以下の極微小な電磁波であっても、一部の調理者に一抹の不安を与える可能性がある。また、電磁波防止エプロンでは調理者の頭部はカバーできず、一部の調理者に一抹の不安を与える可能性がある。
【0006】
また、一般的な電磁調理器であっても、電磁波に何らかの不信感を抱く人などに対して、完全にその不安を払拭することができない問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためなされたもので、電磁調理器の電磁波漏洩を容易に防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備え、トッププレートの上部に載置された調理鍋を電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱する電磁調理器に使用されるものであって、電磁調理器に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止するものである。
【0009】
また、この発明に係る請求項2の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間の全面を覆うものである。
【0010】
また、この発明に係る請求項3の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2において、カーテン状部材には、調理者が調理鍋にて作業可能となるように調理者の手が挿入可能な挿入部を有するものである。
【0011】
また、この発明に係る請求項4の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2または請求項3において、カーテン状部材は、上下に開閉可能に構成されているものである。
【0012】
また、この発明に係る請求項5の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、板状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間を覆い、その上端がトッププレートの高さ位置より高い位置になるものである。
【0013】
また、この発明に係る請求項6の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2ないし請求項5のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂を基材にして構成されているものである。
【0014】
また、この発明に係る請求項7の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、トッププレートの上部および/または下部に、電磁誘導コイルを取り囲むように配設されたブロック部材にて成るものである。
【0015】
また、この発明に係る請求項8の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項6または請求項7において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るものである。
【0016】
また、この発明に係る請求項9の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は電磁調理器から着脱可能に構成されているものである。
【0017】
また、この発明に係る請求項10の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備えた電磁調理器の、トッププレートの上部に載置されて電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱され、側面下端外周に電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る請求項11の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋は、請求項10において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1の電磁調理器および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図2〜4は図1に示した電磁調理器および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の正面図である。図において、1は電磁調理器、2はこの電磁調理器1の電磁誘導コイル、3は電磁調理器1のトッププレート、4はトッププレート3上に載置し電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱される調理鍋である。
【0020】
5は電磁調理器1を設置する設置台、6は調理者、7はこの調理者6側と相反する側の壁面、8は天井面、9は電磁調理器1用の電磁波漏洩防止具で、天井面8から設置台5に至る透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器1と調理者6との間の全面を覆うように構成されている。ここで言う天井面8とは、実際の室内の天井や、電磁調理器1上に換気のために設置されている換気扇装置、この電磁波漏洩防止具9を設置するために新たに設けられた天井部などが考えられる。
【0021】
また、天井面から離反し、天井面での直接の設置が困難な場合には、天井面から下方に支持体を延在させ、その支持体に電磁波漏洩防止具9を引っ掛け、電磁波漏洩防止具9を保持してもよい。但し、その場合には電磁波漏洩防止具9上端が調理者6の頭部より上部位置と成るように配設する。
【0022】
次に、電磁波漏洩防止具9の正面形状について図2ないし図4を用いて説明する。電磁波漏洩防止具9の正面形状は様々なものが考えられる。例えば図2に示すように、電磁波漏洩防止具90の両側部に凹部を設け調理者6の手を挿入する挿入部90aとして形成するものである。また、図3に示すように、電磁波漏洩防止具91の左右位置に上下方向の切り込み部を設け調理者6の手を挿入する挿入部91aとして形成するものである。
【0023】
また、図4に示すように電磁波漏洩防止具92を上下方向に複数の切り込み部を備えたすだれ状にて形成し、その切り込み部を調理者6の手を挿入する挿入部92aとして形成するものである。このような各挿入部は、調理者が調理鍋4にて作業可能となるように、調理者の手が挿入可能なように形成されたものである。特に図4のように構成すれば、調理者の好みに応じて手の挿入箇所を変更することができる。
【0024】
また、電磁波漏洩防止具9(90、91、92)は電磁調理器1に取り付けられている状態を示しているが、着脱可能な構成にすることも可能である。着脱可能に構成すれば、電磁調理器1を使用しない場合に電磁波漏洩防止具を取り外し、電磁調理器1を清掃したり、電磁波漏洩防止具9自体を清掃したりすることが容易にできる。尚、このように電磁波漏洩防止具を着脱可能な構成とすることは、以下の実施の形態においても同様のことがいえるため、その説明は適宜省略する。
【0025】
電磁波漏洩防止具9を開閉可能な構成とすることも可能である。その場合、例えば、ロールカーテンのように、巻き上げ/巻き下げ操作により開閉可能な構成とする方法、通常のカーテンのように左右いずれかに寄せて開閉可能な構成とする方法等が考えられる。しかしながら、電磁波漏洩防止具9の開閉後の収納部を考慮に入れると、上下に開閉可能とする方が容易に収納部を構成することができるものと思われる。
【0026】
次に、電磁波漏洩防止具9の形成方法について説明する。調理の際の油等の飛び散りが発生することを考慮に入れて、耐熱性を有するものを使用することが必要である。また、調理者は電磁波漏洩防止具9越しに調理鍋4を見て調理することとなるため、電磁波漏洩防止具9にはある程度の透明性が求められる。そこで、基材として適当と考えられ、実質的に使用可能であるものとしては、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂等がある。
【0027】
これらを基材として、このシート状の基材に金網を張り付ける、シート状の基材にて金網を挟み込む、シート状の基材に導電性塗料を塗布する、導電性材を混ぜ込んだ基材をシート状に仕上げる等して、電磁波漏洩防止機能をもたせる。そしてこれらを所定の形状に成形し、電磁波漏洩防止具9として構成する。
【0028】
次に上記のように構成された従来の電磁調理器の電磁調理について説明する。まず、調理者6はトッププレート3上に調理鍋4を載置する。この調理鍋4の載置時には、電磁波漏洩防止具9は取り外された状態、また、巻き上げた開状態(収納状態)にあると、調理鍋4をトッププレート3上に載置しやすい。しかしながら、調理毎に着脱開閉するのは煩雑となるため、電磁波漏洩防止具9を取り付けた状態として、電磁波漏洩防止具9の側面から調理鍋4を挿入して載置することも考えられる。
【0029】
次に、電磁調理器1をONし、電磁誘導コイル2の電磁誘導により調理鍋4を加熱する。次に、調理者6が調理鍋4を用いて調理を行う。この時、調理者6は挿入部90a、91a、92a等から手を挿入すると容易に調理を行うことができる。
【0030】
上記のように構成された電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、調理者6と電磁調理器1との間の全面を電磁波漏洩防止具9にて覆うようにしたので、調理者6に電磁調理器1から洩れる電磁波が到達することはほとんど防止できる。よって、調理者6の不安を払拭することができ、安心して電磁調理器1を使用することができる。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0031】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図および正面図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。10は電磁波漏洩防止具で、電磁調理器1に取り付けられ、電磁調理器1と調理者側との間を覆い、その高さがトッププレート3の高さより高く形成され、電磁誘導コイル2から調理者側に電磁波が漏洩するのを防止する。そして材質としては、上記実施の形態1のカーテン状部材の電磁波漏洩防止具と同一の基材にて同様に形成することができる。但し、自立可能な厚みおよび強度が必要となる。
【0032】
上記のように構成された実施の形態2の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、電磁波漏洩防止具10の高さがトッププレート3の高さより高い位置に設定するので、電磁誘導コイル2からトッププレート3を介して電磁波が漏洩するのを防止することができる。また、調理者と電磁調理器との全面を覆っていないため、調理者の調理に対する支障が全く生じないものである。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0033】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図7は図6に示した電磁波漏洩防止具の配置例を示した上面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。11は電磁波漏洩防止具で、トッププレート3の上部に、電磁誘導コイル2を取り囲むように、例えば図7に示すようなブロック部材11a、11bが配置されて成るものである。そして材質としては、空気より透磁率が高く、高周波磁界が貫通しても発熱しにくい材質を選択する必要がある。具体的にはフェライトコアにて形成する例が考えられる。
【0034】
上記のように構成された実施の形態3の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、トッププレートから漏れた電磁波を電磁波漏洩防止具11を通してもとの電磁誘導コイルに戻るようにしているため、電磁波がトッププレートの外周から漏洩することを防止することができる。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0035】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図9は図8に示した電磁波漏洩防止具の配置例を示した上面図である。上記実施の形態3では電磁波漏洩防止具11をトッププレート3の上部に配設する例を示したが、ここではトッププレート3の下部に、例えば図9に示すようにブロック部材12a、12bを配設する。尚、電磁波漏洩防止具の材質などは上記実施の形態3と同様に形成し、同様の効果を奏することができる。
【0036】
上記のように構成された実施の形態4の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、トッププレートの下部にて電磁波の漏洩を防止しているため、上記実施の形態3の場合に比較してより確実に電磁波の漏洩を防止することができる。また、電磁波漏洩防止具がトッププレート上にないため、調理の際に妨げに成らない。また、調理による汚れなどが発生することもなく取扱いが簡便となる。
【0037】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋の構成を示す断面図および上面図、図11は図10に示した電磁波漏洩防止具付調理鍋の使用例を示す側面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。13は電磁波漏洩防止具付調理鍋で、鍋本体14の側面下端外周に電磁波漏洩防止具15が配設されているものである。そして、電磁波漏洩防止具15の材質としては、耐熱性を有し、空気より透磁率が高いものを利用する必要があり、例えばフェライトコアを接着剤にて接着する。または、鍋本体14の表面に小さなボルトを溶接して形成しておき、フェライトコアのあらかじめ開けておいた穴に、このボルトを通してねじ止めして構成するものである。
【0038】
次に実施の形態5の電磁波漏洩防止具付調理鍋の使用方法を図11に示す。径の大きな鍋(図11(a))の電磁波漏洩防止具15の外周は電磁誘導コイル2の外周と同一または若干大きく成る。よって、トッププレート3から洩れた電磁波は、電磁波漏洩防止具付調理鍋13の電磁波漏洩防止具15に吸収され、更に鍋本体14を経て電磁誘導コイル2に戻るため、電磁波の漏洩を防止することができる。
【0039】
また、径の小さな鍋(図11(b))の電磁波漏洩防止具15の外周は電磁誘導コイル2の外周より小さくなる。しかし、電磁調理器1は鍋の径に応じて、電磁誘導コイル2も段階的に動作させているため、実質的にはトッププレート3から洩れた電磁波は、電磁波漏洩防止具付調理鍋13の電磁波漏洩防止具15に吸収され、更に鍋本体14を経て電磁誘導コイル2に戻るため、電磁波の漏洩を防止することができる。但し、電磁調理器の電磁誘導コイルが鍋の径に応じて段階的に動作しないようなものの場合は、電磁波漏洩防止具の外径を電磁誘導コイルの外径と同一または若干大きく成る程度まで形成する必要がある。
【0040】
上記のように構成された実施の形態5の電磁波漏洩防止具付調理鍋は電磁調理器に変更を加える必要がないため、様々な電磁調理器に使用することができ、その電磁波漏洩を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備え、トッププレートの上部に載置された調理鍋を電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱する電磁調理器に使用されるものであって、電磁調理器に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたので、電磁調理器からの電磁波の漏れを防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0042】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間の全面を覆うので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0043】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、カーテン状部材には、調理者が調理鍋にて作業可能となるように調理者の手が挿入可能な挿入部を有するので、調理を容易に行うことができる。
【0044】
また、この発明の請求項4によれば、請求項2または請求項3において、カーテン状部材は、上下に開閉可能に構成されているので、電磁調理時前後において調理鍋を出し入れする作業が簡便となる。
【0045】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、板状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間を覆い、その上端がトッププレートの高さ位置より高い位置になるので、電磁調理器からの電磁波の漏れを防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0046】
また、この発明の請求項6によれば、請求項2ないし請求項5のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂を基材にして構成されているので、容易にかつ確実に形成することができる。
【0047】
また、この発明の請求項7によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、トッププレートの上部および/または下部に、電磁誘導コイルを取り囲むように配設されたブロック部材にて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0048】
また、この発明の請求項8によれば、請求項6または請求項7において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを効率よく防止することができる。
【0049】
また、この発明の請求項9によれば、請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は電磁調理器から着脱可能に構成されているので、電磁調理を使用していない場合の作業性および電磁波漏洩防止具の清掃を容易に行うことができる。
【0050】
また、この発明の請求項10による調理鍋は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備えた電磁調理器の、トッププレートの上部に載置されて電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱され、その側面下端外周に電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0051】
また、この発明の請求項11によれば、請求項10において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを効率よく防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図3】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図4】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図および正面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図7】図6に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す上面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図9】図8に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す上面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋の構成を示す断面図および上面図である。
【図11】図10に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を電磁調理器に用いた場合の状態を示す側面図である。
【図12】従来の電磁調理器の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 電磁調理器、2 電磁誘導コイル、3 トッププレート、4 調理鍋、6 調理者、
9,10,11,12,15,90,91,92 電磁波漏洩防止具、
11a,11b,12a,12b ブロック部材、
13 電磁波漏洩防止具付調理鍋、90a,91a,92a 挿入部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁調理器用の電磁誘導コイルから洩れる電磁波が調理者に到達することを防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の電磁調理器の構成を示す側面図である。図において、1は電磁調理器、2はこの電磁調理器1の電磁誘導コイル、3は電磁調理器1のトッププレート、4はトッププレート3上に載置し電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱される調理鍋、5は電磁調理器1を設置する設置台、6は調理者、7はこの調理者6側と相反する側の壁面である。
【0003】
次に上記のように構成された従来の電磁調理器の電磁調理について説明する。まず、調理者6はトッププレート3上に調理鍋4を載置する。次に、電磁調理器1をONし、電磁誘導コイル2の電磁誘導により調理鍋4を加熱する。次に、調理者6は調理鍋4を用いて調理を行う(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−174960号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁調理器は上記のように構成されている。一般的な家庭用の出力の弱い電磁調理器から洩れる電磁波量は、規定値以下に抑えられており、調理者に悪影響をおよぼすことはないものと考えられている。しかし、業務用の電磁調理器では調理者が毎日連続して長時間にわたって使用する場合があり、規定値以下の極微小な電磁波であっても、一部の調理者に一抹の不安を与える可能性がある。また、電磁波防止エプロンでは調理者の頭部はカバーできず、一部の調理者に一抹の不安を与える可能性がある。
【0006】
また、一般的な電磁調理器であっても、電磁波に何らかの不信感を抱く人などに対して、完全にその不安を払拭することができない問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためなされたもので、電磁調理器の電磁波漏洩を容易に防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備え、トッププレートの上部に載置された調理鍋を電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱する電磁調理器に使用されるものであって、電磁調理器に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止するものである。
【0009】
また、この発明に係る請求項2の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間の全面を覆うものである。
【0010】
また、この発明に係る請求項3の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2において、カーテン状部材には、調理者が調理鍋にて作業可能となるように調理者の手が挿入可能な挿入部を有するものである。
【0011】
また、この発明に係る請求項4の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2または請求項3において、カーテン状部材は、上下に開閉可能に構成されているものである。
【0012】
また、この発明に係る請求項5の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、板状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間を覆い、その上端がトッププレートの高さ位置より高い位置になるものである。
【0013】
また、この発明に係る請求項6の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項2ないし請求項5のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂を基材にして構成されているものである。
【0014】
また、この発明に係る請求項7の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、トッププレートの上部および/または下部に、電磁誘導コイルを取り囲むように配設されたブロック部材にて成るものである。
【0015】
また、この発明に係る請求項8の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項6または請求項7において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るものである。
【0016】
また、この発明に係る請求項9の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は電磁調理器から着脱可能に構成されているものである。
【0017】
また、この発明に係る請求項10の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備えた電磁調理器の、トッププレートの上部に載置されて電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱され、側面下端外周に電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る請求項11の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋は、請求項10において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1の電磁調理器および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図2〜4は図1に示した電磁調理器および電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の正面図である。図において、1は電磁調理器、2はこの電磁調理器1の電磁誘導コイル、3は電磁調理器1のトッププレート、4はトッププレート3上に載置し電磁誘導コイル2の電磁誘導により加熱される調理鍋である。
【0020】
5は電磁調理器1を設置する設置台、6は調理者、7はこの調理者6側と相反する側の壁面、8は天井面、9は電磁調理器1用の電磁波漏洩防止具で、天井面8から設置台5に至る透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器1と調理者6との間の全面を覆うように構成されている。ここで言う天井面8とは、実際の室内の天井や、電磁調理器1上に換気のために設置されている換気扇装置、この電磁波漏洩防止具9を設置するために新たに設けられた天井部などが考えられる。
【0021】
また、天井面から離反し、天井面での直接の設置が困難な場合には、天井面から下方に支持体を延在させ、その支持体に電磁波漏洩防止具9を引っ掛け、電磁波漏洩防止具9を保持してもよい。但し、その場合には電磁波漏洩防止具9上端が調理者6の頭部より上部位置と成るように配設する。
【0022】
次に、電磁波漏洩防止具9の正面形状について図2ないし図4を用いて説明する。電磁波漏洩防止具9の正面形状は様々なものが考えられる。例えば図2に示すように、電磁波漏洩防止具90の両側部に凹部を設け調理者6の手を挿入する挿入部90aとして形成するものである。また、図3に示すように、電磁波漏洩防止具91の左右位置に上下方向の切り込み部を設け調理者6の手を挿入する挿入部91aとして形成するものである。
【0023】
また、図4に示すように電磁波漏洩防止具92を上下方向に複数の切り込み部を備えたすだれ状にて形成し、その切り込み部を調理者6の手を挿入する挿入部92aとして形成するものである。このような各挿入部は、調理者が調理鍋4にて作業可能となるように、調理者の手が挿入可能なように形成されたものである。特に図4のように構成すれば、調理者の好みに応じて手の挿入箇所を変更することができる。
【0024】
また、電磁波漏洩防止具9(90、91、92)は電磁調理器1に取り付けられている状態を示しているが、着脱可能な構成にすることも可能である。着脱可能に構成すれば、電磁調理器1を使用しない場合に電磁波漏洩防止具を取り外し、電磁調理器1を清掃したり、電磁波漏洩防止具9自体を清掃したりすることが容易にできる。尚、このように電磁波漏洩防止具を着脱可能な構成とすることは、以下の実施の形態においても同様のことがいえるため、その説明は適宜省略する。
【0025】
電磁波漏洩防止具9を開閉可能な構成とすることも可能である。その場合、例えば、ロールカーテンのように、巻き上げ/巻き下げ操作により開閉可能な構成とする方法、通常のカーテンのように左右いずれかに寄せて開閉可能な構成とする方法等が考えられる。しかしながら、電磁波漏洩防止具9の開閉後の収納部を考慮に入れると、上下に開閉可能とする方が容易に収納部を構成することができるものと思われる。
【0026】
次に、電磁波漏洩防止具9の形成方法について説明する。調理の際の油等の飛び散りが発生することを考慮に入れて、耐熱性を有するものを使用することが必要である。また、調理者は電磁波漏洩防止具9越しに調理鍋4を見て調理することとなるため、電磁波漏洩防止具9にはある程度の透明性が求められる。そこで、基材として適当と考えられ、実質的に使用可能であるものとしては、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂等がある。
【0027】
これらを基材として、このシート状の基材に金網を張り付ける、シート状の基材にて金網を挟み込む、シート状の基材に導電性塗料を塗布する、導電性材を混ぜ込んだ基材をシート状に仕上げる等して、電磁波漏洩防止機能をもたせる。そしてこれらを所定の形状に成形し、電磁波漏洩防止具9として構成する。
【0028】
次に上記のように構成された従来の電磁調理器の電磁調理について説明する。まず、調理者6はトッププレート3上に調理鍋4を載置する。この調理鍋4の載置時には、電磁波漏洩防止具9は取り外された状態、また、巻き上げた開状態(収納状態)にあると、調理鍋4をトッププレート3上に載置しやすい。しかしながら、調理毎に着脱開閉するのは煩雑となるため、電磁波漏洩防止具9を取り付けた状態として、電磁波漏洩防止具9の側面から調理鍋4を挿入して載置することも考えられる。
【0029】
次に、電磁調理器1をONし、電磁誘導コイル2の電磁誘導により調理鍋4を加熱する。次に、調理者6が調理鍋4を用いて調理を行う。この時、調理者6は挿入部90a、91a、92a等から手を挿入すると容易に調理を行うことができる。
【0030】
上記のように構成された電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、調理者6と電磁調理器1との間の全面を電磁波漏洩防止具9にて覆うようにしたので、調理者6に電磁調理器1から洩れる電磁波が到達することはほとんど防止できる。よって、調理者6の不安を払拭することができ、安心して電磁調理器1を使用することができる。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0031】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図および正面図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。10は電磁波漏洩防止具で、電磁調理器1に取り付けられ、電磁調理器1と調理者側との間を覆い、その高さがトッププレート3の高さより高く形成され、電磁誘導コイル2から調理者側に電磁波が漏洩するのを防止する。そして材質としては、上記実施の形態1のカーテン状部材の電磁波漏洩防止具と同一の基材にて同様に形成することができる。但し、自立可能な厚みおよび強度が必要となる。
【0032】
上記のように構成された実施の形態2の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、電磁波漏洩防止具10の高さがトッププレート3の高さより高い位置に設定するので、電磁誘導コイル2からトッププレート3を介して電磁波が漏洩するのを防止することができる。また、調理者と電磁調理器との全面を覆っていないため、調理者の調理に対する支障が全く生じないものである。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0033】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図7は図6に示した電磁波漏洩防止具の配置例を示した上面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。11は電磁波漏洩防止具で、トッププレート3の上部に、電磁誘導コイル2を取り囲むように、例えば図7に示すようなブロック部材11a、11bが配置されて成るものである。そして材質としては、空気より透磁率が高く、高周波磁界が貫通しても発熱しにくい材質を選択する必要がある。具体的にはフェライトコアにて形成する例が考えられる。
【0034】
上記のように構成された実施の形態3の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、トッププレートから漏れた電磁波を電磁波漏洩防止具11を通してもとの電磁誘導コイルに戻るようにしているため、電磁波がトッププレートの外周から漏洩することを防止することができる。また、既存の電磁調理器にも容易に設置することが可能となる。
【0035】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4の電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図、図9は図8に示した電磁波漏洩防止具の配置例を示した上面図である。上記実施の形態3では電磁波漏洩防止具11をトッププレート3の上部に配設する例を示したが、ここではトッププレート3の下部に、例えば図9に示すようにブロック部材12a、12bを配設する。尚、電磁波漏洩防止具の材質などは上記実施の形態3と同様に形成し、同様の効果を奏することができる。
【0036】
上記のように構成された実施の形態4の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具は、トッププレートの下部にて電磁波の漏洩を防止しているため、上記実施の形態3の場合に比較してより確実に電磁波の漏洩を防止することができる。また、電磁波漏洩防止具がトッププレート上にないため、調理の際に妨げに成らない。また、調理による汚れなどが発生することもなく取扱いが簡便となる。
【0037】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋の構成を示す断面図および上面図、図11は図10に示した電磁波漏洩防止具付調理鍋の使用例を示す側面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。13は電磁波漏洩防止具付調理鍋で、鍋本体14の側面下端外周に電磁波漏洩防止具15が配設されているものである。そして、電磁波漏洩防止具15の材質としては、耐熱性を有し、空気より透磁率が高いものを利用する必要があり、例えばフェライトコアを接着剤にて接着する。または、鍋本体14の表面に小さなボルトを溶接して形成しておき、フェライトコアのあらかじめ開けておいた穴に、このボルトを通してねじ止めして構成するものである。
【0038】
次に実施の形態5の電磁波漏洩防止具付調理鍋の使用方法を図11に示す。径の大きな鍋(図11(a))の電磁波漏洩防止具15の外周は電磁誘導コイル2の外周と同一または若干大きく成る。よって、トッププレート3から洩れた電磁波は、電磁波漏洩防止具付調理鍋13の電磁波漏洩防止具15に吸収され、更に鍋本体14を経て電磁誘導コイル2に戻るため、電磁波の漏洩を防止することができる。
【0039】
また、径の小さな鍋(図11(b))の電磁波漏洩防止具15の外周は電磁誘導コイル2の外周より小さくなる。しかし、電磁調理器1は鍋の径に応じて、電磁誘導コイル2も段階的に動作させているため、実質的にはトッププレート3から洩れた電磁波は、電磁波漏洩防止具付調理鍋13の電磁波漏洩防止具15に吸収され、更に鍋本体14を経て電磁誘導コイル2に戻るため、電磁波の漏洩を防止することができる。但し、電磁調理器の電磁誘導コイルが鍋の径に応じて段階的に動作しないようなものの場合は、電磁波漏洩防止具の外径を電磁誘導コイルの外径と同一または若干大きく成る程度まで形成する必要がある。
【0040】
上記のように構成された実施の形態5の電磁波漏洩防止具付調理鍋は電磁調理器に変更を加える必要がないため、様々な電磁調理器に使用することができ、その電磁波漏洩を防止することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備え、トッププレートの上部に載置された調理鍋を電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱する電磁調理器に使用されるものであって、電磁調理器に取り付けられ、かつ、電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたので、電磁調理器からの電磁波の漏れを防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0042】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間の全面を覆うので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0043】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、カーテン状部材には、調理者が調理鍋にて作業可能となるように調理者の手が挿入可能な挿入部を有するので、調理を容易に行うことができる。
【0044】
また、この発明の請求項4によれば、請求項2または請求項3において、カーテン状部材は、上下に開閉可能に構成されているので、電磁調理時前後において調理鍋を出し入れする作業が簡便となる。
【0045】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、板状部材にて成り、電磁調理器と調理者側との間を覆い、その上端がトッププレートの高さ位置より高い位置になるので、電磁調理器からの電磁波の漏れを防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0046】
また、この発明の請求項6によれば、請求項2ないし請求項5のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂を基材にして構成されているので、容易にかつ確実に形成することができる。
【0047】
また、この発明の請求項7によれば、請求項1において、電磁波漏洩防止具は、トッププレートの上部および/または下部に、電磁誘導コイルを取り囲むように配設されたブロック部材にて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0048】
また、この発明の請求項8によれば、請求項6または請求項7において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを効率よく防止することができる。
【0049】
また、この発明の請求項9によれば、請求項1ないし請求項8のいずれかにおいて、電磁波漏洩防止具は電磁調理器から着脱可能に構成されているので、電磁調理を使用していない場合の作業性および電磁波漏洩防止具の清掃を容易に行うことができる。
【0050】
また、この発明の請求項10による調理鍋は、電磁誘導コイルと、電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備えた電磁調理器の、トッププレートの上部に載置されて電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱され、その側面下端外周に電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えたので、電磁調理器からの電磁波の漏れを確実に防止し、調理者の不安を払拭することができる。
【0051】
また、この発明の請求項11によれば、請求項10において、電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成るので、電磁調理器からの電磁波の漏れを効率よく防止することができる電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図3】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図4】図1に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図および正面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図7】図6に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す上面図である。
【図8】この発明の実施の形態4による電磁調理器および電磁波漏洩防止具の構成を示す側面図である。
【図9】図8に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具の構成を示す上面図である。
【図10】この発明の実施の形態5による電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋の構成を示す断面図および上面図である。
【図11】図10に示した電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋を電磁調理器に用いた場合の状態を示す側面図である。
【図12】従来の電磁調理器の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 電磁調理器、2 電磁誘導コイル、3 トッププレート、4 調理鍋、6 調理者、
9,10,11,12,15,90,91,92 電磁波漏洩防止具、
11a,11b,12a,12b ブロック部材、
13 電磁波漏洩防止具付調理鍋、90a,91a,92a 挿入部。
Claims (11)
- 電磁誘導コイルと、上記電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備え、上記トッププレートの上部に載置された調理鍋を上記電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱する電磁調理器に使用されるものであって、上記電磁調理器に取り付けられ、かつ、上記電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は、透明または半透明のカーテン状部材にて成り、上記電磁調理器と上記調理者側との間の全面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記カーテン状部材には、上記調理者が上記調理鍋にて作業可能となるように上記調理者の手が挿入可能な挿入部を有することを特徴とする請求項2に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記カーテン状部材は、上下に開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は、板状部材にて成り、上記電磁調理器と上記調理者側との間を覆い、その上端が上記トッププレートの高さ位置より高い位置になることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は、ポリメチルペンテン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、またはフッ素樹脂を基材にして構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は、上記トッププレートの上部および/または下部に、上記電磁誘導コイルを取り囲むように配設されたブロック部材にて成ることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 上記電磁波漏洩防止具は上記電磁調理器から着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具。
- 電磁誘導コイルと、上記電磁誘導コイルの上部に配設されたトッププレートとを備えた電磁調理器の、上記トッププレートの上部に載置されて上記電磁誘導コイルの電磁誘導により加熱され、側面下端外周に上記電磁誘導コイルから調理者側への電磁波の漏洩を防止する電磁波漏洩防止具を備えた電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋。
- 上記電磁波漏洩防止具は、フェライトコアにて成ることを特徴とする請求項10に記載の電磁調理器用の電磁波漏洩防止具付調理鍋。
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