JP2004241204A - 開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な開閉特性が得られ、駆動効率のよい開閉装置を得る。
【解決手段】接離可能な可動接点1a、1bと固定接点2a、2bとを有する2組のスイッチ部3a,3bを直列に接続し、各スイッチ部3a,3bの開閉を個別に操作する二つの操作機構6a、6bを備えた開閉装置において、二つの可動接点1a,1bのうち可動接点1aの駆動速度を可動接点1bの駆動速度より速くし、開極動作時は可動接点1aを先に駆動してスイッチ部3aを開極させ続いて他方の可動接点1bを駆動して他方のスイッチ部3bを開極させるようにし、閉極動作時は可動接点1bを先に駆動してスイッチ部3bを閉極させ続いて可動接点1aを駆動してスイッチ部3aを閉極させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】接離可能な可動接点1a、1bと固定接点2a、2bとを有する2組のスイッチ部3a,3bを直列に接続し、各スイッチ部3a,3bの開閉を個別に操作する二つの操作機構6a、6bを備えた開閉装置において、二つの可動接点1a,1bのうち可動接点1aの駆動速度を可動接点1bの駆動速度より速くし、開極動作時は可動接点1aを先に駆動してスイッチ部3aを開極させ続いて他方の可動接点1bを駆動して他方のスイッチ部3bを開極させるようにし、閉極動作時は可動接点1bを先に駆動してスイッチ部3bを閉極させ続いて可動接点1aを駆動してスイッチ部3aを閉極させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、送配電網等において、電流を高速で遮断するための開閉装置に係り、特に2点切形の開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の開閉装置は、大電流を高速で遮断するために、接離自在な固定電極及び可動電極から構成されるスイッチ部と、可動電極から延出した可動軸と、可動軸をその軸心方向に駆動してスイッチ部を開閉する操作機構とを有する開閉ユニットを2つ備え、上記スイッチ部を電気的に直列接続し、二つの開閉ユニットはそれぞれの可動軸を互いに一直線上に整列させ、両固定電極を背中合わせに互いに対向させて配置して構成し、各開閉ユニットの二つの操作機構をほぼ同時に操作して開極または閉極動作を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−124157号公報(第2頁、および第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、大電流を高速で遮断する場合の従来の開閉装置は、スイッチ部の責務を分担させ、また操作部の駆動力を分担させる目的で、2つの開閉ユニットで構成する2点切形を採用しているが、両スイッチ部をそれぞれの操作機構を同時に駆動させて同時に開閉するように構成されているため、両スイッチ部の開閉のタイミングや接点ストロークは同じであった。
【0005】
短絡電流のような大電流を遮断するには、接点の初開離速度の速さが重要である。初開離速度が十分速ければ、高い遮断性能を確保できる。しかし、単純に開極速度を増加させようとすれば、開極動作完了時に例えばストッパ等との衝突によって大きな衝撃力が発生するので、構造物全体への機械的強度に影響を及ぼす。従って、初開離速度のみ速くその後の速度は遅いような、速度が2段階に変速する2段ストロークが理想的である。しかしながら、従来の開閉装置では、上記のような構成のため、両開閉ユニットの開閉のタイミングを制御したり、両スイッチ部の接点ストロークを制御したりすることはできいという問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、開極または閉極動作時に適切な特性が得られ、駆動効率のよい開閉装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる開閉装置は、接離可能な可動接点と固定接点とを有する2組のスイッチ部を直列に接続し、両可動接点を個別に駆動させる操作機構を備えた開閉装置において、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和が駆動過程において2段階に変速するように構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による開閉装置の構成を示す断面図である。図に示すように、可動接点1aと固定接点2aを有するスイッチ部3aと、可動接点1aを接離させる駆動軸4aと、この駆動軸4aを絶縁ロッド5aを介して駆動する操作機構6aとで一組の開閉ユニットを構成し、同様に、可動接点1bと固定接点2bを有するスイッチ部3bと、可動接点1bを接離させる駆動軸4bと、この駆動軸4bを絶縁ロッド5bを介して駆動する操作機構6bとで一組の開閉ユニットを構成している。両開閉ユニットの両固定接点2a,2b同士は電気的に接続され、これにより両スイッチ部3a,3bは直列接続されている。また、両スイッチ部3a,3bは導電ブロック7に取り付けられ、更に絶縁支持物8によってタンク9に絶縁固定されている。なお、図ではスイッチ部3a,3bは消弧性能の優れた真空バルブで構成した場合を示している。
【0009】
可動接点1aは駆動軸4a及び導体棒10を介し外部端子11と電気的に接続され、同様に、可動接点1bは駆動軸4b及び導体棒12を介し外部端子13に電気的に接続されている。従って、主回路電流は、外部端子11からスイッチ部3a、3bを通り外部端子13へと流れる。なお、タンク9の内部には例えばSF6ガス等の絶縁ガスが封入されている。
【0010】
ここで、操作機構6aと操作機構6bは、例えば後述のような機構を採用して、操作機構6aの駆動部の方が操作機構6bの駆動部より高速で駆動するように構成されている。
【0011】
次に動作について説明する。まず開閉装置の閉極状態から電流を遮断する開極動作について説明する。開極動作時は、図示しない制御部からの開極指令により、まず操作機構6aが作動し、絶縁ロッド5a及び駆動軸4aに連接したスイッチ部3a側の可動接点1aが、速い速度で図の左方向に駆動されて開極する。引き続き、操作機構6bが作動し、絶縁ロッド5b及び駆動軸4bに連接したスイッチ部3b側の可動接点1bが可動接点1aより遅い速度で図の右方向に駆動されて開極する。
【0012】
開極動作時における可動接点と固定接点の接点間距離すなわち開極ストローク長と時間の関係を図2に示す。可動接点1aが移動するストローク長をd1、可動接点1bが移動するストローク長をd2とすると、図のように、最初に操作機構6aが作動し可動接点1a駆動され、続いて操作機構6bが作動し可動接点1bが可動接点1aより遅い速度で駆動される。全ストローク長はd1+d2であり、この開極過程で駆動速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク形の開極動作をする。
なお、可動接点の速度は、駆動部の慣性等の影響により厳密には等速ではないが、マクロ的にほほ等速と見なして直線で表示している。
【0013】
図3は、開閉装置の主回路電流と開極のタイミングを説明する図である。図の(a)は接点を閉極した状態における主回路電流(商用交流電流)の時間波形を示す。この電流を計測して開極のタイミングを決定する。すなわち、図の(b)に示すように、例えば時刻tAにて接点を開極すると、接点間に発生するアークは、アークが消弧される電流零点tZまで発生することになるので、アークの継続時間は、tZ−tAとなる。そこで、可動接点の駆動速度を速くすることにより、接点を開極する時刻をtBのように遅らせれば、アーク継続時間をtZ−tBと短くでき、従って、接点の消耗を少なく抑えることができる。
【0014】
また、図の(c)は図の(b)の太線のタイミングで開極したときの開極ストローク長と時間の関係を示したものである。上述のように、駆動速度を速くしてアークの継続時間を短くできると、可動接点1aの開極動作中すなわちストロークd1の途中にアークの消弧が完了するので、スイッチ部3aではアークが発生するが、電流零点では再点弧しない絶縁距離が確保できているので、以後のストロークd2の間、すなわちスイッチ部3b側の可動接点1bが開極動作中はアークが発生しない。従って、可動接点1bは可動接点1aより遅い速度で十分な接点間距離を確保できように駆動すればよい。速度が遅い分、操作機構6bの駆動部の開極動作時の衝撃力を小さくでき、駆動エネルギーも小さくできる。
また、スイッチ部に真空バルブを使用した場合は、スイッチ部3bではアークが発生しないので、内部および接点表面を常にクリーンな状態に保つことができる。
【0015】
図4は接点の開閉タイミングを制御する場合の構成の一例を示す図である。外部端子11,13近傍に電流または電圧を計測する計測器14,15を設け、計測器14,15の出力を制御装置16に入力し、制御装置16がタイミングを制御しつつ、操作機構6aと操作機構6bに開閉動作指令を出力するように構成されている。
【0016】
次に、閉極動作について説明する。図1を参照して説明すると、閉極動作時は、図示しない制御部からの閉極指令により、まず操作機構6bが作動し、絶縁ロッド5b及び駆動軸4bに連接したスイッチ部3b側の可動接点1bが、比較的遅い速度で図の左方向に駆動されて閉極する。引き続き、操作機構6aが作動し、絶縁ロッド5a及び駆動軸4aに連接したスイッチ部3a側の可動接点1aが可動接点1bより速い速度で図の右方向に駆動されて閉極する。
【0017】
図5は、開閉装置の接点が開いている状態において接点間に印加される回路電圧を絶対値に直して示し、これに、接点の全ストロークに比例した接点間の絶縁破壊電圧(ストロークA及びB)を重ねて表示したものである。
例えば、電圧が零の瞬間に接点を投入することを考える。接点間の電圧が零の瞬間に接点を投入できれば、いわゆる投入サージの発生を抑制することができる。しかし、図のストロークAのように閉極速度が遅い場合は、接点が接触する前に接点間の絶縁耐力が持たなくなる(図のt_brk点)ため、絶縁破壊してサージが発生してしまう。そこで、図のストロークBのように速い速度で接点を投入すれば、接点間の絶縁破壊電圧の方が回路電圧より高いので絶縁破壊せずに接点を投入できる。通常、交流回路の回路電圧波形は図のような正弦波なので、必ずしもストロークBのように一定の速度で投入する必要はなく、以下に説明するように接点間距離が離れているあいだは速度を遅くすることができる。
【0018】
図6は、本実施の形態の発明を実施した場合の、接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点の全ストローク長(d1+d2)に比例した接点間の絶縁破壊電圧を重ねて示した図である。
操作機構6bにより可動接点1bを駆動して可動接点1aより低速で投入動作後、続いて操作機構6aにより可動接点1aを可動接点1bより高速で投入動作させることにより、全ストロークはd1とd2の和となり、閉極過程において速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク型の投入動作となる。接点間の破壊電圧も図の折れ線で示すように変化するので回路電圧以上となるよう制御すれば、絶縁破壊を起こすことなく、また無駄な駆動エネルギーを消費せずに駆動することが可能となる。投入タイミングの制御は、図4で説明したように、計測器14,15にて接点両端の電圧を計測して制御装置16に取り込み、制御装置16がタイミングを制御しつつ操作機構6b,6aに閉極信号を送る。
【0019】
図7は、真空及びSF6ガスの絶縁破壊電圧と接点間距離の関係を示す図である。SF6ガスの場合は破壊電圧は接点間距離にほぼ比例するが、真空の場合は図のような非直線形の挙動を示す。すなわち、接点間距離が短い場合でも高い絶縁破壊電圧を有するが更に距離が短くなると急激に低下する。また、図8は真空中での2段ストローク形に閉極する場合の絶縁破壊電圧と接点の移動時間の関係を示す図である。図7及び図8からわかるように、真空では接点間距離が短い部分でも絶縁特性がよいので、スイッチ部に真空バルブを用いて位相制御を併用すれば、SF6ガスを用いた開閉装置の位相制御と比較して、スイッチ部3a側の可動接点1aの駆動速度を低くすることができる。
【0020】
以上までの説明では、操作機構6aと6bを順次駆動しスイッチ部の開閉動作を順番に操作する場合について説明したが、次のように操作してもよい。すなわち、開極動作時は操作機構6a,6bを同時に駆動する。これにより、操作速度が速い可動接点1aが先に駆動を終えてスイッチ部3aが先に開極を完了し、操作速度が遅い可動接点1bが遅れて駆動を終えてスイッチ部3bが遅く開極を完了する。また、閉極動作時は、操作機構6bを先に駆動し6aを後に駆動して、両スイッチ部3a,3bが同時に閉極を完了するように制御する。このような操作としても、両駆動速度の和が2段階に変速する2段ストロークを実現できる。
そして、この場合は、2段ストロークの速度の速い部分は、両可動接点の速度が合成されるので、速い速度を得ることが容易になる。
【0021】
次に、操作機構部の構成について説明する。図9は操作機構6aの一例を示す断面図である。図のように、同軸上に固定して配置された2つのコイル17および18と、コイルの17,18の中心軸上にあって一端が可動接点1aと機械的に連結された可動軸19と、可動軸19に固定されてコイル17,18間に配置された導電性材料からなる反発板20と、可動軸19の他端に連結した例えば皿ばねのような保持機構21とで構成されている。開極動作時は、コイル17にパルス電流を流すと、反発板20の表面に渦電流が誘起され、コイル17と反発板20間に反発力が発生し、保持機構21の作用力よりも大きな反発力が生じた時点で、反発板20と連結した可動接点1aが開極し、その状態が反転した皿ばねの保持機構21で保持される。逆に閉極動作時はコイル18にパルス電流を流すと、反発板20の表面に渦電流が誘起され、コイル18と反発板20間に反発力が発生し、保持機構21の作用力よりも大きな反発力が生じた時点で、反発板20と連結した可動接点1aが閉極動作し、閉極状態が反転した皿ばねの保持機構21で保持される。
【0022】
なお、反発板19の代わりに、反発板19とほぼ同じ形状で可動軸19に固定された可動コイルを用いてもよい。コイル17と同時に可動コイルにもパルス電流を流せば、固定コイルと可動コイル間に反発力が発生し、同様の動作を実現できる。
以上は、電磁反発力を利用した例を示したが、例えば、ばねとラッチによって、ばね定数の大きいばねを使用するか、ばねのたわみ量を大きくして、駆動速度の大きな操作機構を構成してもよい。
【0023】
また、保持機構21は、図9に示す以外に単純なラッチでもよく、また、磁石ばねでもよい。図10は磁石ばねの一例を示す斜視図である。可動軸19と結合した往復運動可能な可動子22を囲うようにヨーク23が配置され、可動子22とヨーク23との間のヨーク23側に永久磁石24を取り付けている。可動子22は、永久磁石24から発生する磁束によりに移動方向のヨーク窓内面のいずれかにに吸引される。このような磁気吸引力は、空隙が大きくなると急激に減衰するので、可動子は、図中でヨーク窓の左端と右端にあるときに、大きな吸引力を左方向または右方向に受け、双方向安定なばねが得られる。
【0024】
図11は低速側の操作機構6bの一例を示す斜視図である。内部構造がわかるように一部分解して表示している。スイッチ部3b側の可動接点1bに機械的に連結した可動軸25と、それに結合して往復運動可能な可動子26を囲うように第1のヨーク27があり、さらに、永久磁石28が固着された第2のヨーク29a,29bが結合される。また、第1のヨーク27窓内の可動子26の可動方向の両側には、可動子26の外形より大きい内径を有するコイル30,31が設けられている。このような構成により、可動子26は永久磁石28の発生する磁束によって第1のヨーク27窓内のどちらかの内面に吸引され、双方向安定な荷重特性を有する操作機構が得られる。そして、可動子26が吸着した側と反対側のコイルを励磁すれば、コイル励磁により発生する磁束により可動子26が吸引されて往復運動する。
【0025】
なお、操作機構6bとして、先に説明した図9のような駆動機構を使用し、例えば、コイルに流す電流値を小さくするなどにより駆動のための入力エネルギーを小さくして低速駆動するようにしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施の形態による発明によれば、2組のスイッチ部を個別に駆動する操作機構を設け、一方の可動接点の駆動速度を他方の可動接点の駆動速度より速く駆動するように構成したので、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和を2段階に変速でき、開閉性能を向上させ、また、駆動効率を向上させることができる。
【0027】
また、スイッチ部に真空スイッチを用いた場合は、低速側のスイッチ内部ではアークが発生しないので、高い絶縁性能を維持でき、スイッチ部の寿命を延ばすことができる。
【0028】
また、開閉位相制御をすることで、開閉性能を高めることができ、更にアーク時間を短縮できるので、信頼性の高い開閉装置を提供することができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態2による開閉装置は、実施の形態1で説明した図1とほぼ同様の構成なので、同様の部分の説明は省略し異なる部分のみを説明する。図1において、操作機構6aと操作機構6bの駆動速度を同じに構成したものである。また、開極状態におけるスイッチ部3a側の可動接点1aと固定接点2aとの接点間距離(ストローク長d1)を、スイッチ部3b側の可動接点1bと固定接点2bとの接点間距離(ストローク長d2)よりも短く構成している。
【0030】
次に、動作について説明する。開極動作時は、操作機構6aと操作機構6bを同時に駆動させ、可動接点1aと可動接点1bを同じ速度で同時に駆動開始する。図12に開極動作時のストロークと時間の関係を示す。速度は同じであるがストローク長d1とd2が異なるので開極を完了する時間が異なる。両可動接点1a,1bの駆動速度の和をdとして表せば、図のように開極過程で駆動速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク形の開極動作が実現できる。
閉極動作時は、図13に示すように、可動接点1bを速く駆動開始し、遅れて可動接点1aを駆動開始して、両可動接点1b,1aが同時に固定接点2b,2aに接触し閉極を完了するように駆動する。両可動接点1b,1aの駆動速度の和dは図のように閉極過程で2段階に変速する2段ストローク形となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の発明によれば、実施の形態1の効果に加え、2段ストロークの速度の速い部分は、両可動接点の速度が合成されるので、速い速度を得ることが容易になる。また、操作機構6a、6bはストロークが違うのみで同じ構成にできるので、製作コストを低減できる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3による開閉装置は、実施の形態1で説明した図1とほぼ同様の構成なので、同様の部分の説明は省略し異なる部分のみを説明する。図1において、開極状態におけるスイッチ部3a側の可動接点1aと固定接点2aの接点間距離(ストローク長d1)を、スイッチ部3b側の可動接点1bと固定接点2bの接点間距離(ストローク長d2)よりも短く構成したものである。
すなわち、本実施の形態では、実施の形態1と同様に操作機構6aの操作速度を操作機構6bの操作速度より速く構成し、開極時の接点間距離は実施の形態2と同様にスイッチ部3aのほうを短くしている。
【0033】
次に動作について説明する。開極動作時は、まず操作機構6aを作動して可動接点1aを駆動させスイッチ部3aを開極したのち、続いて操作機構6bを作動させて可動接点1bを駆動しスイッチ部3bを開極する。閉極動作時は、まず操作機構6bを作動して可動接点1bを駆動させスイッチ部3bを閉極したのち、続いて操作機構6aを作動させて可動接点1aを駆動しスイッチ部3aを閉極する。このような操作により、開極過程では高速から低速、閉極過程では低速から高速に変速する2段ストロークが実現できる。
【0034】
一般的に、長ストロークで投入制御するよりも、短ストロークで高速で投入する方が、制御の精度が高くなることは明らであり、本実施の形態では、可動接点1aのほうがストローク長が短くかつ速い速度で駆動するように構成されているので、最終的に接点が接触し閉路となる可動接点1aの投入タイミングを精度良く制御することができる。
【0035】
また、開閉操作を次のように行ってもよい。すなわち、開極動作時は操作機構6a,6bを同時に駆動する。これにより、操作速度が速く、接点間距離の短いスイッチ部3aが先に開極を完了し、操作速度が遅く接点間距離の長いスイッチ部3bが遅く開極を完了する。また、閉極動作時は、操作機構6bを先に、6aを後に駆動し、両スイッチ部3a,3bが同時に閉極を完了するように制御する。このような操作により、両駆動速度の和が2段階に変速する2段ストロークを実現できる。
【0036】
本実施の形態の発明によれば、実施の形態1及び2の効果に加え、2段変速の速度と時間をより自由に選択でるので、効率よくまた精度の高い開閉性能を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の開閉装置によれば、接離可能な可動接点と固定接点とを有する2組のスイッチ部を直列に接続し、両可動接点を個別に駆動させる操作機構を備え、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和が駆動過程において2段階に変速するように構成したので、開極または閉極動作時に適切な開閉特性が得られ、また駆動効率のよい開閉装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による開閉装置の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による開閉装置の開極ストローク長と時間の関係を示すである。
【図3】開閉装置の主回路電流と開極のタイミングを説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態1による開閉装置において接点の開閉タイミングを制御する場合の構成の一例を示す図である。
【図5】接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点間の絶縁破壊電圧の関係を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による開閉装置の接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点間の絶縁破壊電圧の関係を示す図である。
【図7】真空及びSF6ガスの絶縁破壊電圧と接点間距離の関係を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1による開閉装置の閉極時の絶縁破壊電圧と接点の移動時間の関係を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構に使用する磁石ばねを示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態1による開閉装置の別の操作機構の一部を示す斜視図である。
【図12】この発明の実施の形態2による開閉装置の開極ストロークと時間の関係を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態2による開閉装置の閉極ストロークと時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 可動接点 2a、2b 固定接点
3a,3b スイッチ部 6a,6b 操作機構
14,15 計測器 16 制御装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、送配電網等において、電流を高速で遮断するための開閉装置に係り、特に2点切形の開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の開閉装置は、大電流を高速で遮断するために、接離自在な固定電極及び可動電極から構成されるスイッチ部と、可動電極から延出した可動軸と、可動軸をその軸心方向に駆動してスイッチ部を開閉する操作機構とを有する開閉ユニットを2つ備え、上記スイッチ部を電気的に直列接続し、二つの開閉ユニットはそれぞれの可動軸を互いに一直線上に整列させ、両固定電極を背中合わせに互いに対向させて配置して構成し、各開閉ユニットの二つの操作機構をほぼ同時に操作して開極または閉極動作を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−124157号公報(第2頁、および第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、大電流を高速で遮断する場合の従来の開閉装置は、スイッチ部の責務を分担させ、また操作部の駆動力を分担させる目的で、2つの開閉ユニットで構成する2点切形を採用しているが、両スイッチ部をそれぞれの操作機構を同時に駆動させて同時に開閉するように構成されているため、両スイッチ部の開閉のタイミングや接点ストロークは同じであった。
【0005】
短絡電流のような大電流を遮断するには、接点の初開離速度の速さが重要である。初開離速度が十分速ければ、高い遮断性能を確保できる。しかし、単純に開極速度を増加させようとすれば、開極動作完了時に例えばストッパ等との衝突によって大きな衝撃力が発生するので、構造物全体への機械的強度に影響を及ぼす。従って、初開離速度のみ速くその後の速度は遅いような、速度が2段階に変速する2段ストロークが理想的である。しかしながら、従来の開閉装置では、上記のような構成のため、両開閉ユニットの開閉のタイミングを制御したり、両スイッチ部の接点ストロークを制御したりすることはできいという問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、開極または閉極動作時に適切な特性が得られ、駆動効率のよい開閉装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる開閉装置は、接離可能な可動接点と固定接点とを有する2組のスイッチ部を直列に接続し、両可動接点を個別に駆動させる操作機構を備えた開閉装置において、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和が駆動過程において2段階に変速するように構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による開閉装置の構成を示す断面図である。図に示すように、可動接点1aと固定接点2aを有するスイッチ部3aと、可動接点1aを接離させる駆動軸4aと、この駆動軸4aを絶縁ロッド5aを介して駆動する操作機構6aとで一組の開閉ユニットを構成し、同様に、可動接点1bと固定接点2bを有するスイッチ部3bと、可動接点1bを接離させる駆動軸4bと、この駆動軸4bを絶縁ロッド5bを介して駆動する操作機構6bとで一組の開閉ユニットを構成している。両開閉ユニットの両固定接点2a,2b同士は電気的に接続され、これにより両スイッチ部3a,3bは直列接続されている。また、両スイッチ部3a,3bは導電ブロック7に取り付けられ、更に絶縁支持物8によってタンク9に絶縁固定されている。なお、図ではスイッチ部3a,3bは消弧性能の優れた真空バルブで構成した場合を示している。
【0009】
可動接点1aは駆動軸4a及び導体棒10を介し外部端子11と電気的に接続され、同様に、可動接点1bは駆動軸4b及び導体棒12を介し外部端子13に電気的に接続されている。従って、主回路電流は、外部端子11からスイッチ部3a、3bを通り外部端子13へと流れる。なお、タンク9の内部には例えばSF6ガス等の絶縁ガスが封入されている。
【0010】
ここで、操作機構6aと操作機構6bは、例えば後述のような機構を採用して、操作機構6aの駆動部の方が操作機構6bの駆動部より高速で駆動するように構成されている。
【0011】
次に動作について説明する。まず開閉装置の閉極状態から電流を遮断する開極動作について説明する。開極動作時は、図示しない制御部からの開極指令により、まず操作機構6aが作動し、絶縁ロッド5a及び駆動軸4aに連接したスイッチ部3a側の可動接点1aが、速い速度で図の左方向に駆動されて開極する。引き続き、操作機構6bが作動し、絶縁ロッド5b及び駆動軸4bに連接したスイッチ部3b側の可動接点1bが可動接点1aより遅い速度で図の右方向に駆動されて開極する。
【0012】
開極動作時における可動接点と固定接点の接点間距離すなわち開極ストローク長と時間の関係を図2に示す。可動接点1aが移動するストローク長をd1、可動接点1bが移動するストローク長をd2とすると、図のように、最初に操作機構6aが作動し可動接点1a駆動され、続いて操作機構6bが作動し可動接点1bが可動接点1aより遅い速度で駆動される。全ストローク長はd1+d2であり、この開極過程で駆動速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク形の開極動作をする。
なお、可動接点の速度は、駆動部の慣性等の影響により厳密には等速ではないが、マクロ的にほほ等速と見なして直線で表示している。
【0013】
図3は、開閉装置の主回路電流と開極のタイミングを説明する図である。図の(a)は接点を閉極した状態における主回路電流(商用交流電流)の時間波形を示す。この電流を計測して開極のタイミングを決定する。すなわち、図の(b)に示すように、例えば時刻tAにて接点を開極すると、接点間に発生するアークは、アークが消弧される電流零点tZまで発生することになるので、アークの継続時間は、tZ−tAとなる。そこで、可動接点の駆動速度を速くすることにより、接点を開極する時刻をtBのように遅らせれば、アーク継続時間をtZ−tBと短くでき、従って、接点の消耗を少なく抑えることができる。
【0014】
また、図の(c)は図の(b)の太線のタイミングで開極したときの開極ストローク長と時間の関係を示したものである。上述のように、駆動速度を速くしてアークの継続時間を短くできると、可動接点1aの開極動作中すなわちストロークd1の途中にアークの消弧が完了するので、スイッチ部3aではアークが発生するが、電流零点では再点弧しない絶縁距離が確保できているので、以後のストロークd2の間、すなわちスイッチ部3b側の可動接点1bが開極動作中はアークが発生しない。従って、可動接点1bは可動接点1aより遅い速度で十分な接点間距離を確保できように駆動すればよい。速度が遅い分、操作機構6bの駆動部の開極動作時の衝撃力を小さくでき、駆動エネルギーも小さくできる。
また、スイッチ部に真空バルブを使用した場合は、スイッチ部3bではアークが発生しないので、内部および接点表面を常にクリーンな状態に保つことができる。
【0015】
図4は接点の開閉タイミングを制御する場合の構成の一例を示す図である。外部端子11,13近傍に電流または電圧を計測する計測器14,15を設け、計測器14,15の出力を制御装置16に入力し、制御装置16がタイミングを制御しつつ、操作機構6aと操作機構6bに開閉動作指令を出力するように構成されている。
【0016】
次に、閉極動作について説明する。図1を参照して説明すると、閉極動作時は、図示しない制御部からの閉極指令により、まず操作機構6bが作動し、絶縁ロッド5b及び駆動軸4bに連接したスイッチ部3b側の可動接点1bが、比較的遅い速度で図の左方向に駆動されて閉極する。引き続き、操作機構6aが作動し、絶縁ロッド5a及び駆動軸4aに連接したスイッチ部3a側の可動接点1aが可動接点1bより速い速度で図の右方向に駆動されて閉極する。
【0017】
図5は、開閉装置の接点が開いている状態において接点間に印加される回路電圧を絶対値に直して示し、これに、接点の全ストロークに比例した接点間の絶縁破壊電圧(ストロークA及びB)を重ねて表示したものである。
例えば、電圧が零の瞬間に接点を投入することを考える。接点間の電圧が零の瞬間に接点を投入できれば、いわゆる投入サージの発生を抑制することができる。しかし、図のストロークAのように閉極速度が遅い場合は、接点が接触する前に接点間の絶縁耐力が持たなくなる(図のt_brk点)ため、絶縁破壊してサージが発生してしまう。そこで、図のストロークBのように速い速度で接点を投入すれば、接点間の絶縁破壊電圧の方が回路電圧より高いので絶縁破壊せずに接点を投入できる。通常、交流回路の回路電圧波形は図のような正弦波なので、必ずしもストロークBのように一定の速度で投入する必要はなく、以下に説明するように接点間距離が離れているあいだは速度を遅くすることができる。
【0018】
図6は、本実施の形態の発明を実施した場合の、接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点の全ストローク長(d1+d2)に比例した接点間の絶縁破壊電圧を重ねて示した図である。
操作機構6bにより可動接点1bを駆動して可動接点1aより低速で投入動作後、続いて操作機構6aにより可動接点1aを可動接点1bより高速で投入動作させることにより、全ストロークはd1とd2の和となり、閉極過程において速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク型の投入動作となる。接点間の破壊電圧も図の折れ線で示すように変化するので回路電圧以上となるよう制御すれば、絶縁破壊を起こすことなく、また無駄な駆動エネルギーを消費せずに駆動することが可能となる。投入タイミングの制御は、図4で説明したように、計測器14,15にて接点両端の電圧を計測して制御装置16に取り込み、制御装置16がタイミングを制御しつつ操作機構6b,6aに閉極信号を送る。
【0019】
図7は、真空及びSF6ガスの絶縁破壊電圧と接点間距離の関係を示す図である。SF6ガスの場合は破壊電圧は接点間距離にほぼ比例するが、真空の場合は図のような非直線形の挙動を示す。すなわち、接点間距離が短い場合でも高い絶縁破壊電圧を有するが更に距離が短くなると急激に低下する。また、図8は真空中での2段ストローク形に閉極する場合の絶縁破壊電圧と接点の移動時間の関係を示す図である。図7及び図8からわかるように、真空では接点間距離が短い部分でも絶縁特性がよいので、スイッチ部に真空バルブを用いて位相制御を併用すれば、SF6ガスを用いた開閉装置の位相制御と比較して、スイッチ部3a側の可動接点1aの駆動速度を低くすることができる。
【0020】
以上までの説明では、操作機構6aと6bを順次駆動しスイッチ部の開閉動作を順番に操作する場合について説明したが、次のように操作してもよい。すなわち、開極動作時は操作機構6a,6bを同時に駆動する。これにより、操作速度が速い可動接点1aが先に駆動を終えてスイッチ部3aが先に開極を完了し、操作速度が遅い可動接点1bが遅れて駆動を終えてスイッチ部3bが遅く開極を完了する。また、閉極動作時は、操作機構6bを先に駆動し6aを後に駆動して、両スイッチ部3a,3bが同時に閉極を完了するように制御する。このような操作としても、両駆動速度の和が2段階に変速する2段ストロークを実現できる。
そして、この場合は、2段ストロークの速度の速い部分は、両可動接点の速度が合成されるので、速い速度を得ることが容易になる。
【0021】
次に、操作機構部の構成について説明する。図9は操作機構6aの一例を示す断面図である。図のように、同軸上に固定して配置された2つのコイル17および18と、コイルの17,18の中心軸上にあって一端が可動接点1aと機械的に連結された可動軸19と、可動軸19に固定されてコイル17,18間に配置された導電性材料からなる反発板20と、可動軸19の他端に連結した例えば皿ばねのような保持機構21とで構成されている。開極動作時は、コイル17にパルス電流を流すと、反発板20の表面に渦電流が誘起され、コイル17と反発板20間に反発力が発生し、保持機構21の作用力よりも大きな反発力が生じた時点で、反発板20と連結した可動接点1aが開極し、その状態が反転した皿ばねの保持機構21で保持される。逆に閉極動作時はコイル18にパルス電流を流すと、反発板20の表面に渦電流が誘起され、コイル18と反発板20間に反発力が発生し、保持機構21の作用力よりも大きな反発力が生じた時点で、反発板20と連結した可動接点1aが閉極動作し、閉極状態が反転した皿ばねの保持機構21で保持される。
【0022】
なお、反発板19の代わりに、反発板19とほぼ同じ形状で可動軸19に固定された可動コイルを用いてもよい。コイル17と同時に可動コイルにもパルス電流を流せば、固定コイルと可動コイル間に反発力が発生し、同様の動作を実現できる。
以上は、電磁反発力を利用した例を示したが、例えば、ばねとラッチによって、ばね定数の大きいばねを使用するか、ばねのたわみ量を大きくして、駆動速度の大きな操作機構を構成してもよい。
【0023】
また、保持機構21は、図9に示す以外に単純なラッチでもよく、また、磁石ばねでもよい。図10は磁石ばねの一例を示す斜視図である。可動軸19と結合した往復運動可能な可動子22を囲うようにヨーク23が配置され、可動子22とヨーク23との間のヨーク23側に永久磁石24を取り付けている。可動子22は、永久磁石24から発生する磁束によりに移動方向のヨーク窓内面のいずれかにに吸引される。このような磁気吸引力は、空隙が大きくなると急激に減衰するので、可動子は、図中でヨーク窓の左端と右端にあるときに、大きな吸引力を左方向または右方向に受け、双方向安定なばねが得られる。
【0024】
図11は低速側の操作機構6bの一例を示す斜視図である。内部構造がわかるように一部分解して表示している。スイッチ部3b側の可動接点1bに機械的に連結した可動軸25と、それに結合して往復運動可能な可動子26を囲うように第1のヨーク27があり、さらに、永久磁石28が固着された第2のヨーク29a,29bが結合される。また、第1のヨーク27窓内の可動子26の可動方向の両側には、可動子26の外形より大きい内径を有するコイル30,31が設けられている。このような構成により、可動子26は永久磁石28の発生する磁束によって第1のヨーク27窓内のどちらかの内面に吸引され、双方向安定な荷重特性を有する操作機構が得られる。そして、可動子26が吸着した側と反対側のコイルを励磁すれば、コイル励磁により発生する磁束により可動子26が吸引されて往復運動する。
【0025】
なお、操作機構6bとして、先に説明した図9のような駆動機構を使用し、例えば、コイルに流す電流値を小さくするなどにより駆動のための入力エネルギーを小さくして低速駆動するようにしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施の形態による発明によれば、2組のスイッチ部を個別に駆動する操作機構を設け、一方の可動接点の駆動速度を他方の可動接点の駆動速度より速く駆動するように構成したので、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和を2段階に変速でき、開閉性能を向上させ、また、駆動効率を向上させることができる。
【0027】
また、スイッチ部に真空スイッチを用いた場合は、低速側のスイッチ内部ではアークが発生しないので、高い絶縁性能を維持でき、スイッチ部の寿命を延ばすことができる。
【0028】
また、開閉位相制御をすることで、開閉性能を高めることができ、更にアーク時間を短縮できるので、信頼性の高い開閉装置を提供することができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態2による開閉装置は、実施の形態1で説明した図1とほぼ同様の構成なので、同様の部分の説明は省略し異なる部分のみを説明する。図1において、操作機構6aと操作機構6bの駆動速度を同じに構成したものである。また、開極状態におけるスイッチ部3a側の可動接点1aと固定接点2aとの接点間距離(ストローク長d1)を、スイッチ部3b側の可動接点1bと固定接点2bとの接点間距離(ストローク長d2)よりも短く構成している。
【0030】
次に、動作について説明する。開極動作時は、操作機構6aと操作機構6bを同時に駆動させ、可動接点1aと可動接点1bを同じ速度で同時に駆動開始する。図12に開極動作時のストロークと時間の関係を示す。速度は同じであるがストローク長d1とd2が異なるので開極を完了する時間が異なる。両可動接点1a,1bの駆動速度の和をdとして表せば、図のように開極過程で駆動速度が2段階に変速するいわゆる2段ストローク形の開極動作が実現できる。
閉極動作時は、図13に示すように、可動接点1bを速く駆動開始し、遅れて可動接点1aを駆動開始して、両可動接点1b,1aが同時に固定接点2b,2aに接触し閉極を完了するように駆動する。両可動接点1b,1aの駆動速度の和dは図のように閉極過程で2段階に変速する2段ストローク形となる。
【0031】
以上のように、本実施の形態の発明によれば、実施の形態1の効果に加え、2段ストロークの速度の速い部分は、両可動接点の速度が合成されるので、速い速度を得ることが容易になる。また、操作機構6a、6bはストロークが違うのみで同じ構成にできるので、製作コストを低減できる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3による開閉装置は、実施の形態1で説明した図1とほぼ同様の構成なので、同様の部分の説明は省略し異なる部分のみを説明する。図1において、開極状態におけるスイッチ部3a側の可動接点1aと固定接点2aの接点間距離(ストローク長d1)を、スイッチ部3b側の可動接点1bと固定接点2bの接点間距離(ストローク長d2)よりも短く構成したものである。
すなわち、本実施の形態では、実施の形態1と同様に操作機構6aの操作速度を操作機構6bの操作速度より速く構成し、開極時の接点間距離は実施の形態2と同様にスイッチ部3aのほうを短くしている。
【0033】
次に動作について説明する。開極動作時は、まず操作機構6aを作動して可動接点1aを駆動させスイッチ部3aを開極したのち、続いて操作機構6bを作動させて可動接点1bを駆動しスイッチ部3bを開極する。閉極動作時は、まず操作機構6bを作動して可動接点1bを駆動させスイッチ部3bを閉極したのち、続いて操作機構6aを作動させて可動接点1aを駆動しスイッチ部3aを閉極する。このような操作により、開極過程では高速から低速、閉極過程では低速から高速に変速する2段ストロークが実現できる。
【0034】
一般的に、長ストロークで投入制御するよりも、短ストロークで高速で投入する方が、制御の精度が高くなることは明らであり、本実施の形態では、可動接点1aのほうがストローク長が短くかつ速い速度で駆動するように構成されているので、最終的に接点が接触し閉路となる可動接点1aの投入タイミングを精度良く制御することができる。
【0035】
また、開閉操作を次のように行ってもよい。すなわち、開極動作時は操作機構6a,6bを同時に駆動する。これにより、操作速度が速く、接点間距離の短いスイッチ部3aが先に開極を完了し、操作速度が遅く接点間距離の長いスイッチ部3bが遅く開極を完了する。また、閉極動作時は、操作機構6bを先に、6aを後に駆動し、両スイッチ部3a,3bが同時に閉極を完了するように制御する。このような操作により、両駆動速度の和が2段階に変速する2段ストロークを実現できる。
【0036】
本実施の形態の発明によれば、実施の形態1及び2の効果に加え、2段変速の速度と時間をより自由に選択でるので、効率よくまた精度の高い開閉性能を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の開閉装置によれば、接離可能な可動接点と固定接点とを有する2組のスイッチ部を直列に接続し、両可動接点を個別に駆動させる操作機構を備え、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和が駆動過程において2段階に変速するように構成したので、開極または閉極動作時に適切な開閉特性が得られ、また駆動効率のよい開閉装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による開閉装置の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による開閉装置の開極ストローク長と時間の関係を示すである。
【図3】開閉装置の主回路電流と開極のタイミングを説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態1による開閉装置において接点の開閉タイミングを制御する場合の構成の一例を示す図である。
【図5】接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点間の絶縁破壊電圧の関係を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による開閉装置の接点間に印加される回路電圧の絶対値と、接点間の絶縁破壊電圧の関係を示す図である。
【図7】真空及びSF6ガスの絶縁破壊電圧と接点間距離の関係を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1による開閉装置の閉極時の絶縁破壊電圧と接点の移動時間の関係を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1による開閉装置の操作機構に使用する磁石ばねを示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態1による開閉装置の別の操作機構の一部を示す斜視図である。
【図12】この発明の実施の形態2による開閉装置の開極ストロークと時間の関係を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態2による開閉装置の閉極ストロークと時間の関係を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 可動接点 2a、2b 固定接点
3a,3b スイッチ部 6a,6b 操作機構
14,15 計測器 16 制御装置。
Claims (7)
- 接離可能な可動接点と固定接点とを有する2組のスイッチ部を直列に接続し、上記両可動接点を個別に駆動させる操作機構を備えた開閉装置において、開極または閉極動作時の両可動接点の駆動速度の和が駆動過程において2段階に変速するように構成したことを特徴とする開閉装置。
- 請求項1記載の開閉装置において、上記両可動接点のうち一方の可動接点の駆動速度を他方の可動接点の駆動速度より速くしたことを特徴とする開閉装置。
- 請求項2記載の開閉装置において、開極動作時は上記一方の可動接点を先に駆動させて一方のスイッチ部を開極したのち続いて上記他方の可動接点を駆動させて他方のスイッチ部を開極することを特徴とする開閉装置。
- 請求項2記載の開閉装置において、閉極動作時は上記他方の可動接点を先に駆動させて他方のスイッチ部を閉極したのち続いて上記一方の可動接点を駆動させて一方のスイッチ部を閉極することを特徴とする開閉装置。
- 請求項1記載の開閉装置において、スイッチ部の開極状態における可動接点と固定接点の接点間距離が両スイッチ部で異なることを特徴とする開閉装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の開閉装置において、スイッチ部は真空バルブであることを特徴とする開閉装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の開閉装置において、上記開閉装置の主回路電流または電圧を計測する計測部を有し、上記計測部の計測結果をもとに開極または閉極のタイミングを決定して開極指令または閉極指令を出力する制御部を備えたことを特徴とする開閉装置。
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