JP2004241060A - 光ディスク装置及びリードリトライ回数制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄なリードリトライによる時間的なロスを無くし、リード速度を上げることができる光ディスク装置及びリードリトライ回数制御方法を得る。
【解決手段】光ディスクの再生においてリードエラーが発生した場合、近傍セクタのエラー発生頻度に基づいて、リードリトライの有無あるいはリードリトライ回数の制限を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】光ディスクの再生においてリードエラーが発生した場合、近傍セクタのエラー発生頻度に基づいて、リードリトライの有無あるいはリードリトライ回数の制限を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置及びリードリトライ回数調整方法に係り、特に、光ディスクの再生において、リードエラーが発生した場合、所定トラック手前のセクタを含む近傍のセクタエラー発生率の状況に基づいて、リードリトライ回数を定めるリードリトライ回数設定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置において、光ディスク上のゴミや欠陥、或いは電気的ノイズ、振動等により、光ディスクから信号を読み出す再生信号品質が劣化して正常に再生できないことがある。或いは、記録光学ヘッドからの記録信号が光ディスクに正常に到達できず、光ディスクに正常に記録が行われないという問題もある。こうした問題の解決策として、従来、再生できない箇所、あるいは記録できない箇所をもう一度再生或いは記録動作を行う、リトライ動作が行なわれている。
このリトライ動作は、記録データを出来るだけ信頼性良く光ディスク上に記録する用途においては有効な手段であるが、転送速度が低下する為、画像データや音声データのように連続したデータをある転送速度以上の速度で再生或いは記録する場合にはリトライ回数を簡略化する必要がある。
【0003】
また、光ディスク表面の傷によって情報の読み出しができない場合は、もともとの信号品質が保証されないので何度リトライを行っても読み出される可能性は低く、バッファメモリに蓄えられた情報量が少ないときにリトライが行われると、リトライカウンタでカウントするリトライ回数が上限値を越える前にバッファメモリが空になり、映像を凍結したままでストップしてしまうという事態が発生する。
【0004】
こうした不都合に対応する為、記録或いは再生が出来ずにリトライが生じた場合、光ディスクに記録或いは再生を行う際の転送速度と、ホストコンピュータから光ディスク装置に転送される転送速度とを比較し、光ディスクへの記録又は再生の転送速度より大きい場合のみリトライを行い、光ディスクへの記録或いは再生の転送速度が所定値以下になった場合には、リトライせずにエラーであってもそのまま記録或いは再生を継続する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、リトライ管理手段を設けてバッファメモリ内の情報の残量を検出してリトライ回数を変更するように構成し、また、バッファメモリ内の情報の再生時間を算出してリトライ回数を変更するよう構成し、また、リトライ管理手段が読出しを行う光ディスク半径方向における読み出し位置に基づいてリトライ回数を変更するよう構成し、更に、リトライ管理手段にて、光ディスクから情報を読み出したとき光ディスク上の傷情報を検出し、傷の有無に基づいてリトライ回数を変更するように構成している(特許文献2参照)。
【0006】
更に、エラー発生要因を判別するエラー発生要因判別手段を設けて、アドレスが連続してリードできないと判別した場合に、再生処理手段でエラー発生基準となる設定回数よりも少ないリトライ回数で再生処理を終了している(特許文献3)。
また、データの信頼性を保つ手法として、エラーセクタアドレスを専用メモリに保存し、該当セクタを次回リード時に光ディスク回転速度を下げて再生する技術を開示しているが,リード初回時には有効に動作しない(特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−093067号公報
【特許文献2】
特開2002−140875号公報
【特許文献3】
特開2001−283539号公報
【特許文献4】
特開2002−163891号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術は、システム動作を円滑に進めることを前提として動作が決定されているため、常にデータの信頼性に課題を残している。
また、直接、該当セクタのキズや該当セクタ直前のアドレスセクタのリード結果を用いる手法もあるが、光ディスクの物理フォーマット特性上、該当セクタやその直前セクタのみでは、十分に該当セクタの光ディスク情報面状態を判断することができない。
即ち、特許文献3の技術では、当該セクタの直前のセクタに傷や汚れがなく、当該セクタに傷や汚れがある場合には、当該セクタのリトライ回数を変更することができない。
【0009】
本発明の目的は、誤訂正情報を含んだ情報信号が認められるセクタのリード時、リードリトライ回数をエラー発生位置近傍の光ディスクメディア状態にあわせて切り替えることで、データ信頼性の確保を保ちつつ無駄なリードリトライによる時間的なロスを無くして、リード速度と信頼性のバランスを取ることができるリードリトライ技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、第1の発明では、光ディスク装置は、エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルを格納するメモリと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算する手段と、前記テーブルによって前記計算されたエラー発生頻度からリードリトライ回数を決定する手段と、前記決定された回数のリードリトライ処理を行う手段とを備える。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記テーブルは前記エラー発生頻度が多いほどリードリトライ回数が減少する。
【0012】
第3の発明では、リードリトライ回数制御方法は、エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルをメモリに格納するステップと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算するステップと、前記計算されたエラー発生頻度から前記テーブルによってリードリトライ回数を決定するステップと、前記決定された回数のリードリトライ処理を行うステップとを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。
図1は本発明による情報記録媒体記録再生装置の一実施例を示すブロック図である。図において、書き換え可能な記録媒体である光ディスク101には光ピックアップ102からレーザビームが照射される。また、光ディスク101から反射された反射光は光ピックアップ102のフォトディテクタで検出され、I−Vアンプ104でフォトディテクタからの出力を電圧に変換する。なお、本実施例で、光ピックアップ102には、半導体レーザ、対物レンズ等の光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、フォトディテクタ、及びレンズポジションセンサ等で構成される。
I−Vアンプ104の出力はアナログ信号処理回路108に入力され、ここでI−Vアンプ104の出力は演算され、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブリング信号を生成し、フォーカシング及びトラッキング処理部に入力され、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づいて、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ制御を行う。アナログ信号処理回路108から得られたRF信号はイコライザ113でRF信号の波形等化が行われ、二値化回路117で二値化され、PLL回路116に入力される。PLL回路116で二値化信号からチャネルクロックが生成され、デコーダ118に入力される。デコーダ118ではPLL回路116で作成したチャネルクロックで二値化信号をデコードして、データを復調する。従って、デコーダ118の出力端子には再生データが得られる。
【0014】
109は試し書き領域(PCA)に試し書きした際に、光ディスク101から得られた反射光に相当する二値化されたデータを処理する反射光処理部であり、反射光処理部109の出力はMPU119に入力され、MPU119の出力によってレーザドライバ105に設定するパラメータを微調整する。従って、反射光処理部109の出力を用いて、ランニングOPC(OPC:Optimum Power Calibration)を行うことができる。112はアシンメトリ処理部であり、アナログ信号処理回路108から出力されたRF信号から記録パワー毎のベータ(β)値を作成する。従って、このデータをMPU119に入力することによって、β値を基に最適パワーレベルを決定することができる。なお、MPU119では、各回路へのクロックや制御信号の供給や割り込み信号の処理、ファームウェアの制御等を行う。114はウォブル処理部であり、アナログ信号処理回路108で生成されたウォブル信号からウォブル周期を作成する。このデータはMPU119及びスピンドル制御回路111に入力される。ウォブル周期はクロックの生成やスピンドル制御に使用される。また、セクタ内のシンクフレームタイミングもウォブル周期で作成することができる。
【0015】
記録データはエンコーダ115で8/16変調され、記録パルス発生器110に入力される。記録パルス発生器110では、エンコーダ115から入力された変調データからNRZIを生成して、レーザ制御ドライバ105に出力される。レーザ制御ドライバ105では、入力されたNRZI信号を発光波形に変換し、半導体レーザ(図示せず)のパワーレベル、発光パルス幅の制御を行う。
スピンドル制御回路111は、ウォブル処理部114から入力されたウォブル信号及びMPU119の固定周期発生器から入力された信号によってドライバ駆動のための周波数を生成する。スピンドル制御ドライバ106は、CAV制御時にはスピンドル制御回路111から入力された倍速に応じた一定周波数を電圧に変換してスピンドルモータ103を駆動する。また、CLV制御時には、スピンドル制御回路111から入力されるウォブル信号周期に基づいて生成された可変周波数を電圧変換してスピンドルモータ103に供給する。
【0016】
デコーダ118ではPLL回路116で作成したチャネルクロックで二値化信号をデコードして、データを復調すると共に、デコーダ118は、セクタアドレス毎に、デコード完了報告と共に当該デコードデータに訂正誤りがあるか否かをMPU119に報告する。MPU119は、デコーダ118からの報告により、メモリ121にセクタアドレス毎に、データの訂正誤りの有無とそれを用いて計算されるエラー発生頻度、リードリトライ回数、及び、予め作製されているエラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を表すテーブルを記憶している。
また、デコーダ118で復調された正常なデータ及び訂正誤りを含むデータはアドレス情報付きでメモリコントローラ122に入力され、このメモリコントローラ122の制御に基づいてバッファメモリ123に入力される。MPU119はメモリコントローラ122に対して破棄命令を入力することによって、バッファメモリ123に記憶されている訂正誤りを含むデータを破棄することができる。従って、バッファメモリ123には、正常なデータ、リードリトライによって得られ、訂正誤りを含むデータと置換された正常なデータ、及び、リードリトライしても正常なデータが得られず、訂正誤りを含むデータが記憶されている。MPU119はバッファメモリ123に記憶されたデータの出力方法を選択することができる。MPU119からメモリコントローラ122に発行される命令に基づいて、メモリコントローラ122は、バッファメモリ123に記憶されたデータをホストインターフェース回路124、オーディオDAC125に入力する。この結果、ホストインターフェース回路124より、デジタルデータ信号が、オーディオDAC125より、アナログオーディオ信号が出力される。
【0017】
以下、本発明によるリードリトライ回数制御方法について説明する。
図2は本発明によるリードリトライ制御処理動作の実施例を示すフローチャートである。また、図3はエラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルである。図3はディスクの情報記録面にキズ、汚れがない光ディスクを基準ディスクとし、基準となる再生装置を用いて得られた、標準のエラー発生頻度に基づいて作成されており、予めメモリ121に記憶されている。
【0018】
本実施例は、CDディスク、DVDディスクに対して適用可能であり、訂正エラー判定の1アドレス単位は、CDディスクでは、セクタであり、DVDディスクではECCブロックである。図2のフローチャートではセクタとして表現しているが、DVDディスクの場合にはECCブロックと読み替えるものとする。以下、CDディスクを例にとって説明するが、DVDディスクの場合の処理動作は、セクタをECCブロックと読み返ることによって説明できる。
【0019】
本実施例では、現在再生しているセクタより3トラック手前から現在の再生セクタまでに含まれるエラーセクタ数を用いて、エラー発生頻度を次のように定義する。
本実施例においては、エラー発生発生頻度を次のように定義する。
CDディスク(線速1.2m、16mm/セクタ)の最内周及び最外周のエラー発生頻度は、(数1)及び(数2)のように定義する。
最内周(半径24mm)は9.42セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(9.24×3)……(数1)
最外周(半径58mm)は22.77セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(22.77×3)……(数2)
最内周及び最外周の間のエラー発生頻度は当該トラックのセクタ数によって変化する。
DVD(シングルーレイヤー(層))ディスクの最内周及び最外周のエラー発生頻度は、(数3)及び(数4)のように定義する。
最内周(半径24mm)は1.83セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(1.83×3)……(数3)
最外周(半径58mm)は4.41セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(4.41×3)……(数4)
最内周及び最外周の間のエラー発生頻度は当該トラックのECCブロック数によって変化する。
【0020】
図2において、ステップ201では、リードリトライ回数の初期値を設定する。すなわち、最内周部分ではそれよりも手前のトラックを読めないので、エラーセクタはないものと仮定して、最大のリトライ回数、例えば10回をメモリ121に記憶する。ステップ202で、リード処理を開始する。ステップ203においてリードエラーが発生したか否かは、デコーダ118からMPU119への訂正誤り報告の有無により、MPU119によって判別する。ステップ203で、リードエラーが発生しない場合、ステップ204に移行し、ここで、MPU119は、当該セクタが正常なセクタであったことを、メモリ121に記憶する。一方、リードエラーが発生した場合、ステップ205に移行し、ここで、MPU119は、当該セクタがエラーセクタであったことを、メモリ121に記憶する。当該セクタが正常なセクタであった場合、ステップ204で正常セクタとして登録した後、ステップ213に移行いし、ステップ213で、当該セクタのリード処理を完了して、ステップ203に戻って、次のセクタの処理を行う。
【0021】
当該セクタがエラーセクタであった場合、ステップ205でエラーセクタと登録した後、ステップ206において、ステップ205においてメモリ121に記憶されている情報より、MPU119は、当該セクタの3トラック手前より含まれるエラーセクタ数を数える。MPU119は、このエラーセクタ数を用いて、エラー発生頻度を計算して、メモリ121に記憶する。次に、ステップ207で、MPU119はステップ206でメモリ121に記憶されたエラー発生頻度が、メモリ121に記憶されている図3のテーブル内で、いずれのエラー発生頻度条件に該当するか検索して、該当するエラー発生頻度条件時に許容されるリードリトライ回数をメモリ121に記憶する。
【0022】
図3は、エラー発生頻度に対して許容されるリードリトライ回数を設定するものである。
例えば、エラー発生頻度が0以上0.1未満の場合、10回までリードリトライを許可し、0.1以上0.2未満のときは5回までリードリードリトライを許可し、0.2以上0.5未満の場合、1回のみリードリトライを許可し、0.5以上の場合、リードリトライを許可しないことを定めている。これはすなわち、当該セクタより3トラック手前のセクタの間のセクタにおいて、エラーセクタの占める割合が高いと許容されるリードリトライ回数が少なく設定され、エラーセクタの占める割合が低いと許容されるリードリトライ回数が多く設定されるということになる。
【0023】
図2のステップ208で、許容されたリードリトライ回数がゼロ回、つまり、エラー発生頻度が0.5以上だった場合、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだバッファデータを当該セクタの出力用データとして、ステップ213に移行して、当該セクタのリード処理を完了する。一方、ステップ208で、許容されたリードリトライ回数が0回でない場合、ステップ209において、MPU119は、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄するために、メモリコントローラ122に対して、破棄命令を行い、これに従いメモリコントローラ122はバッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄する。その後、当該セクタに対してリードリトライ処理を行う。
【0024】
ステップ210で、当該セクタのリードリトライの結果、リードエラーが発生したか否かは、デコーダ118からMPU119への訂正誤り報告の有無により、MPU119によって判別する。リードリトライ処理の結果、訂正誤りを含まないバッファデータが得られた場合は、ステップ213に移行して当該セクタのリード処理を終了する。当該セクタが再びエラーセクタと判別された場合は、ステップ211で、MPU119は、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数と、現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数を比較して、現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数が、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数に達した場合、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだバッファデータを当該セクタの出力用データとして、ステップ213に移行して当該セクタのリード処理を完了する。現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数が、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数に達しない場合、ステップ212において、MPU119は、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄するために、メモリコントローラ122に対して、破棄命令を行い、これに従いメモリコントローラ122はバッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄する。その後、ステップ210に戻って、当該セクタに対して、再度、リードリトライ処理を行う。
【0025】
以上述べたように、本実施例では、現在リード中のセクタから3トラック前のセクタまでの間のセクタにおける、エラーセクタの占める割合で表現されるエラー発生頻度によって、リードリトライ回数を決めてリードリトライ処理を行っている。これは、ディスク面上で複数のトラック間にまたがっている大きなキズや汚れによるエラーセクタで発生するリードエラーはリードリトライによって、訂正誤りを含まないバッファデータが得られる確率がより低いものと考えるためである。このように、本実施例では、エラー発生頻度が高くなるに従って、許容するリードリトライ回数を減少させているので、無駄に行われる可能性の高いリードリトライ処理を省くことができ、時間的なロスを減らして、リード速度を上げることができる。なお、上記の説明において、セクタをECCブロックと読み替えると、DVDディスクにも適用できる。
【0026】
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例では、当該セクタより2トラック手前のセクタの内、当該セクタ近傍のセクタのエラー発生頻度によって、リードリトライ回数を決定している。
図4は光ディスクのセクタの模式図である。図において、Zは当該セクタであり、エラーが発生している。A〜Gは当該セクタZの近傍のセクタを示す。セクタGはセクタZの手前に位置するアドレスのセクタである。セクタEは当該セクタZより前のトラックのセクタであって、当該セクタZと接する線が最大のセクタである。セクタDはセクタEの手前のアドレスに位置するセクタである。セクタFはセクタEのすぐ後のアドレスに位置するセクタである。セクタBはセクタEより前のトラックのセクタであって、当該セクタEと接する線が最大のセクタである。セクタDはセクタBの手前のアドレスに位置するセクタである。セクタCはセクタBのすぐ後のアドレスに位置するセクタである。
【0027】
本実施例では、これら7つのセクタに重み付けを行い、A〜Gまでの各セクタのエラーの有無によって、エラー発生頻度を決定する。重み付けとしては、例えば、セクタA〜Cにおける重み係数を0.09、セクタD〜Gにおける重み係数を0.18とする。例えば、セクタA〜Cにおけるエラーセクタ数をx、セクタD〜Gにおけるエラーセクタ数をy、とすると、エラー発生頻度は以下のように計算できる。
エラー発生頻度=(0.09×x)+(0.18×y)……(数5)
ここで、セクタA、セクタB、セクタEをエラーセクタとすると、エラー発生頻度は0.36となる。
【0028】
ディスクの情報記録面にキズ、汚れがない光ディスクを基準ディスクとし、基準となる再生装置を用いて得られた、標準のエラー発生頻度に基づいて作製された、前記実施例で使用した図3のような、エラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルを、予めメモリ121に記憶しておく。このようにすると、前記実施例のように、算出されたエラー発生頻度を基に、リードリトライ回数を制御することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、エラー発生数に応じてリードリトライ回数を設定しているので、再生データの信頼を保ちつつ、無駄なリードリトライによる時間的なロスを無くし、リード速度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報記録媒体記録再生装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリードリトライ制御処理動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】エラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルである。
【図4】光ディスクのセクタの模式図である。
【符号の説明】
101…光ディスク、102…光ピックアップ、103…スピンドルモータ、104…I−Vアンプ、105…レーザ制御ドライバ、106…スピンドルモータ制御ドライバ、107…フォーカシング及びトラッキング処理部、108…アナログ信号処理回路、109…反射光処理部、110…記録パルス発生器、111…スピンドル制御回路、112…アシンメトリ処理部、113…イコライザ、114…ウォブル処理部、115…エンコーダ、116…PLL回路、117…二値化回路、118…デコーダ、119…MPU、121…メモリ、122…メモリコントローラ、123…バッファメモリ、124…ホストインターフェース回路、125…オーディオDAC。
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置及びリードリトライ回数調整方法に係り、特に、光ディスクの再生において、リードエラーが発生した場合、所定トラック手前のセクタを含む近傍のセクタエラー発生率の状況に基づいて、リードリトライ回数を定めるリードリトライ回数設定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置において、光ディスク上のゴミや欠陥、或いは電気的ノイズ、振動等により、光ディスクから信号を読み出す再生信号品質が劣化して正常に再生できないことがある。或いは、記録光学ヘッドからの記録信号が光ディスクに正常に到達できず、光ディスクに正常に記録が行われないという問題もある。こうした問題の解決策として、従来、再生できない箇所、あるいは記録できない箇所をもう一度再生或いは記録動作を行う、リトライ動作が行なわれている。
このリトライ動作は、記録データを出来るだけ信頼性良く光ディスク上に記録する用途においては有効な手段であるが、転送速度が低下する為、画像データや音声データのように連続したデータをある転送速度以上の速度で再生或いは記録する場合にはリトライ回数を簡略化する必要がある。
【0003】
また、光ディスク表面の傷によって情報の読み出しができない場合は、もともとの信号品質が保証されないので何度リトライを行っても読み出される可能性は低く、バッファメモリに蓄えられた情報量が少ないときにリトライが行われると、リトライカウンタでカウントするリトライ回数が上限値を越える前にバッファメモリが空になり、映像を凍結したままでストップしてしまうという事態が発生する。
【0004】
こうした不都合に対応する為、記録或いは再生が出来ずにリトライが生じた場合、光ディスクに記録或いは再生を行う際の転送速度と、ホストコンピュータから光ディスク装置に転送される転送速度とを比較し、光ディスクへの記録又は再生の転送速度より大きい場合のみリトライを行い、光ディスクへの記録或いは再生の転送速度が所定値以下になった場合には、リトライせずにエラーであってもそのまま記録或いは再生を継続する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、リトライ管理手段を設けてバッファメモリ内の情報の残量を検出してリトライ回数を変更するように構成し、また、バッファメモリ内の情報の再生時間を算出してリトライ回数を変更するよう構成し、また、リトライ管理手段が読出しを行う光ディスク半径方向における読み出し位置に基づいてリトライ回数を変更するよう構成し、更に、リトライ管理手段にて、光ディスクから情報を読み出したとき光ディスク上の傷情報を検出し、傷の有無に基づいてリトライ回数を変更するように構成している(特許文献2参照)。
【0006】
更に、エラー発生要因を判別するエラー発生要因判別手段を設けて、アドレスが連続してリードできないと判別した場合に、再生処理手段でエラー発生基準となる設定回数よりも少ないリトライ回数で再生処理を終了している(特許文献3)。
また、データの信頼性を保つ手法として、エラーセクタアドレスを専用メモリに保存し、該当セクタを次回リード時に光ディスク回転速度を下げて再生する技術を開示しているが,リード初回時には有効に動作しない(特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−093067号公報
【特許文献2】
特開2002−140875号公報
【特許文献3】
特開2001−283539号公報
【特許文献4】
特開2002−163891号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術は、システム動作を円滑に進めることを前提として動作が決定されているため、常にデータの信頼性に課題を残している。
また、直接、該当セクタのキズや該当セクタ直前のアドレスセクタのリード結果を用いる手法もあるが、光ディスクの物理フォーマット特性上、該当セクタやその直前セクタのみでは、十分に該当セクタの光ディスク情報面状態を判断することができない。
即ち、特許文献3の技術では、当該セクタの直前のセクタに傷や汚れがなく、当該セクタに傷や汚れがある場合には、当該セクタのリトライ回数を変更することができない。
【0009】
本発明の目的は、誤訂正情報を含んだ情報信号が認められるセクタのリード時、リードリトライ回数をエラー発生位置近傍の光ディスクメディア状態にあわせて切り替えることで、データ信頼性の確保を保ちつつ無駄なリードリトライによる時間的なロスを無くして、リード速度と信頼性のバランスを取ることができるリードリトライ技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、第1の発明では、光ディスク装置は、エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルを格納するメモリと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算する手段と、前記テーブルによって前記計算されたエラー発生頻度からリードリトライ回数を決定する手段と、前記決定された回数のリードリトライ処理を行う手段とを備える。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記テーブルは前記エラー発生頻度が多いほどリードリトライ回数が減少する。
【0012】
第3の発明では、リードリトライ回数制御方法は、エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルをメモリに格納するステップと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算するステップと、前記計算されたエラー発生頻度から前記テーブルによってリードリトライ回数を決定するステップと、前記決定された回数のリードリトライ処理を行うステップとを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。
図1は本発明による情報記録媒体記録再生装置の一実施例を示すブロック図である。図において、書き換え可能な記録媒体である光ディスク101には光ピックアップ102からレーザビームが照射される。また、光ディスク101から反射された反射光は光ピックアップ102のフォトディテクタで検出され、I−Vアンプ104でフォトディテクタからの出力を電圧に変換する。なお、本実施例で、光ピックアップ102には、半導体レーザ、対物レンズ等の光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、フォトディテクタ、及びレンズポジションセンサ等で構成される。
I−Vアンプ104の出力はアナログ信号処理回路108に入力され、ここでI−Vアンプ104の出力は演算され、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブリング信号を生成し、フォーカシング及びトラッキング処理部に入力され、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づいて、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ制御を行う。アナログ信号処理回路108から得られたRF信号はイコライザ113でRF信号の波形等化が行われ、二値化回路117で二値化され、PLL回路116に入力される。PLL回路116で二値化信号からチャネルクロックが生成され、デコーダ118に入力される。デコーダ118ではPLL回路116で作成したチャネルクロックで二値化信号をデコードして、データを復調する。従って、デコーダ118の出力端子には再生データが得られる。
【0014】
109は試し書き領域(PCA)に試し書きした際に、光ディスク101から得られた反射光に相当する二値化されたデータを処理する反射光処理部であり、反射光処理部109の出力はMPU119に入力され、MPU119の出力によってレーザドライバ105に設定するパラメータを微調整する。従って、反射光処理部109の出力を用いて、ランニングOPC(OPC:Optimum Power Calibration)を行うことができる。112はアシンメトリ処理部であり、アナログ信号処理回路108から出力されたRF信号から記録パワー毎のベータ(β)値を作成する。従って、このデータをMPU119に入力することによって、β値を基に最適パワーレベルを決定することができる。なお、MPU119では、各回路へのクロックや制御信号の供給や割り込み信号の処理、ファームウェアの制御等を行う。114はウォブル処理部であり、アナログ信号処理回路108で生成されたウォブル信号からウォブル周期を作成する。このデータはMPU119及びスピンドル制御回路111に入力される。ウォブル周期はクロックの生成やスピンドル制御に使用される。また、セクタ内のシンクフレームタイミングもウォブル周期で作成することができる。
【0015】
記録データはエンコーダ115で8/16変調され、記録パルス発生器110に入力される。記録パルス発生器110では、エンコーダ115から入力された変調データからNRZIを生成して、レーザ制御ドライバ105に出力される。レーザ制御ドライバ105では、入力されたNRZI信号を発光波形に変換し、半導体レーザ(図示せず)のパワーレベル、発光パルス幅の制御を行う。
スピンドル制御回路111は、ウォブル処理部114から入力されたウォブル信号及びMPU119の固定周期発生器から入力された信号によってドライバ駆動のための周波数を生成する。スピンドル制御ドライバ106は、CAV制御時にはスピンドル制御回路111から入力された倍速に応じた一定周波数を電圧に変換してスピンドルモータ103を駆動する。また、CLV制御時には、スピンドル制御回路111から入力されるウォブル信号周期に基づいて生成された可変周波数を電圧変換してスピンドルモータ103に供給する。
【0016】
デコーダ118ではPLL回路116で作成したチャネルクロックで二値化信号をデコードして、データを復調すると共に、デコーダ118は、セクタアドレス毎に、デコード完了報告と共に当該デコードデータに訂正誤りがあるか否かをMPU119に報告する。MPU119は、デコーダ118からの報告により、メモリ121にセクタアドレス毎に、データの訂正誤りの有無とそれを用いて計算されるエラー発生頻度、リードリトライ回数、及び、予め作製されているエラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を表すテーブルを記憶している。
また、デコーダ118で復調された正常なデータ及び訂正誤りを含むデータはアドレス情報付きでメモリコントローラ122に入力され、このメモリコントローラ122の制御に基づいてバッファメモリ123に入力される。MPU119はメモリコントローラ122に対して破棄命令を入力することによって、バッファメモリ123に記憶されている訂正誤りを含むデータを破棄することができる。従って、バッファメモリ123には、正常なデータ、リードリトライによって得られ、訂正誤りを含むデータと置換された正常なデータ、及び、リードリトライしても正常なデータが得られず、訂正誤りを含むデータが記憶されている。MPU119はバッファメモリ123に記憶されたデータの出力方法を選択することができる。MPU119からメモリコントローラ122に発行される命令に基づいて、メモリコントローラ122は、バッファメモリ123に記憶されたデータをホストインターフェース回路124、オーディオDAC125に入力する。この結果、ホストインターフェース回路124より、デジタルデータ信号が、オーディオDAC125より、アナログオーディオ信号が出力される。
【0017】
以下、本発明によるリードリトライ回数制御方法について説明する。
図2は本発明によるリードリトライ制御処理動作の実施例を示すフローチャートである。また、図3はエラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルである。図3はディスクの情報記録面にキズ、汚れがない光ディスクを基準ディスクとし、基準となる再生装置を用いて得られた、標準のエラー発生頻度に基づいて作成されており、予めメモリ121に記憶されている。
【0018】
本実施例は、CDディスク、DVDディスクに対して適用可能であり、訂正エラー判定の1アドレス単位は、CDディスクでは、セクタであり、DVDディスクではECCブロックである。図2のフローチャートではセクタとして表現しているが、DVDディスクの場合にはECCブロックと読み替えるものとする。以下、CDディスクを例にとって説明するが、DVDディスクの場合の処理動作は、セクタをECCブロックと読み返ることによって説明できる。
【0019】
本実施例では、現在再生しているセクタより3トラック手前から現在の再生セクタまでに含まれるエラーセクタ数を用いて、エラー発生頻度を次のように定義する。
本実施例においては、エラー発生発生頻度を次のように定義する。
CDディスク(線速1.2m、16mm/セクタ)の最内周及び最外周のエラー発生頻度は、(数1)及び(数2)のように定義する。
最内周(半径24mm)は9.42セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(9.24×3)……(数1)
最外周(半径58mm)は22.77セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(22.77×3)……(数2)
最内周及び最外周の間のエラー発生頻度は当該トラックのセクタ数によって変化する。
DVD(シングルーレイヤー(層))ディスクの最内周及び最外周のエラー発生頻度は、(数3)及び(数4)のように定義する。
最内周(半径24mm)は1.83セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(1.83×3)……(数3)
最外周(半径58mm)は4.41セクタ/周なので、この場合の
エラー発生頻度=3トラック前からのエラー発生セクタ数/(4.41×3)……(数4)
最内周及び最外周の間のエラー発生頻度は当該トラックのECCブロック数によって変化する。
【0020】
図2において、ステップ201では、リードリトライ回数の初期値を設定する。すなわち、最内周部分ではそれよりも手前のトラックを読めないので、エラーセクタはないものと仮定して、最大のリトライ回数、例えば10回をメモリ121に記憶する。ステップ202で、リード処理を開始する。ステップ203においてリードエラーが発生したか否かは、デコーダ118からMPU119への訂正誤り報告の有無により、MPU119によって判別する。ステップ203で、リードエラーが発生しない場合、ステップ204に移行し、ここで、MPU119は、当該セクタが正常なセクタであったことを、メモリ121に記憶する。一方、リードエラーが発生した場合、ステップ205に移行し、ここで、MPU119は、当該セクタがエラーセクタであったことを、メモリ121に記憶する。当該セクタが正常なセクタであった場合、ステップ204で正常セクタとして登録した後、ステップ213に移行いし、ステップ213で、当該セクタのリード処理を完了して、ステップ203に戻って、次のセクタの処理を行う。
【0021】
当該セクタがエラーセクタであった場合、ステップ205でエラーセクタと登録した後、ステップ206において、ステップ205においてメモリ121に記憶されている情報より、MPU119は、当該セクタの3トラック手前より含まれるエラーセクタ数を数える。MPU119は、このエラーセクタ数を用いて、エラー発生頻度を計算して、メモリ121に記憶する。次に、ステップ207で、MPU119はステップ206でメモリ121に記憶されたエラー発生頻度が、メモリ121に記憶されている図3のテーブル内で、いずれのエラー発生頻度条件に該当するか検索して、該当するエラー発生頻度条件時に許容されるリードリトライ回数をメモリ121に記憶する。
【0022】
図3は、エラー発生頻度に対して許容されるリードリトライ回数を設定するものである。
例えば、エラー発生頻度が0以上0.1未満の場合、10回までリードリトライを許可し、0.1以上0.2未満のときは5回までリードリードリトライを許可し、0.2以上0.5未満の場合、1回のみリードリトライを許可し、0.5以上の場合、リードリトライを許可しないことを定めている。これはすなわち、当該セクタより3トラック手前のセクタの間のセクタにおいて、エラーセクタの占める割合が高いと許容されるリードリトライ回数が少なく設定され、エラーセクタの占める割合が低いと許容されるリードリトライ回数が多く設定されるということになる。
【0023】
図2のステップ208で、許容されたリードリトライ回数がゼロ回、つまり、エラー発生頻度が0.5以上だった場合、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだバッファデータを当該セクタの出力用データとして、ステップ213に移行して、当該セクタのリード処理を完了する。一方、ステップ208で、許容されたリードリトライ回数が0回でない場合、ステップ209において、MPU119は、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄するために、メモリコントローラ122に対して、破棄命令を行い、これに従いメモリコントローラ122はバッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄する。その後、当該セクタに対してリードリトライ処理を行う。
【0024】
ステップ210で、当該セクタのリードリトライの結果、リードエラーが発生したか否かは、デコーダ118からMPU119への訂正誤り報告の有無により、MPU119によって判別する。リードリトライ処理の結果、訂正誤りを含まないバッファデータが得られた場合は、ステップ213に移行して当該セクタのリード処理を終了する。当該セクタが再びエラーセクタと判別された場合は、ステップ211で、MPU119は、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数と、現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数を比較して、現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数が、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数に達した場合、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだバッファデータを当該セクタの出力用データとして、ステップ213に移行して当該セクタのリード処理を完了する。現在までに当該セクタに行われたリードリトライ回数が、ステップ207で設定した許容されるリードリトライ回数に達しない場合、ステップ212において、MPU119は、バッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄するために、メモリコントローラ122に対して、破棄命令を行い、これに従いメモリコントローラ122はバッファメモリ123に記憶されている、訂正誤りを含んだ当該バッファデータを破棄する。その後、ステップ210に戻って、当該セクタに対して、再度、リードリトライ処理を行う。
【0025】
以上述べたように、本実施例では、現在リード中のセクタから3トラック前のセクタまでの間のセクタにおける、エラーセクタの占める割合で表現されるエラー発生頻度によって、リードリトライ回数を決めてリードリトライ処理を行っている。これは、ディスク面上で複数のトラック間にまたがっている大きなキズや汚れによるエラーセクタで発生するリードエラーはリードリトライによって、訂正誤りを含まないバッファデータが得られる確率がより低いものと考えるためである。このように、本実施例では、エラー発生頻度が高くなるに従って、許容するリードリトライ回数を減少させているので、無駄に行われる可能性の高いリードリトライ処理を省くことができ、時間的なロスを減らして、リード速度を上げることができる。なお、上記の説明において、セクタをECCブロックと読み替えると、DVDディスクにも適用できる。
【0026】
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例では、当該セクタより2トラック手前のセクタの内、当該セクタ近傍のセクタのエラー発生頻度によって、リードリトライ回数を決定している。
図4は光ディスクのセクタの模式図である。図において、Zは当該セクタであり、エラーが発生している。A〜Gは当該セクタZの近傍のセクタを示す。セクタGはセクタZの手前に位置するアドレスのセクタである。セクタEは当該セクタZより前のトラックのセクタであって、当該セクタZと接する線が最大のセクタである。セクタDはセクタEの手前のアドレスに位置するセクタである。セクタFはセクタEのすぐ後のアドレスに位置するセクタである。セクタBはセクタEより前のトラックのセクタであって、当該セクタEと接する線が最大のセクタである。セクタDはセクタBの手前のアドレスに位置するセクタである。セクタCはセクタBのすぐ後のアドレスに位置するセクタである。
【0027】
本実施例では、これら7つのセクタに重み付けを行い、A〜Gまでの各セクタのエラーの有無によって、エラー発生頻度を決定する。重み付けとしては、例えば、セクタA〜Cにおける重み係数を0.09、セクタD〜Gにおける重み係数を0.18とする。例えば、セクタA〜Cにおけるエラーセクタ数をx、セクタD〜Gにおけるエラーセクタ数をy、とすると、エラー発生頻度は以下のように計算できる。
エラー発生頻度=(0.09×x)+(0.18×y)……(数5)
ここで、セクタA、セクタB、セクタEをエラーセクタとすると、エラー発生頻度は0.36となる。
【0028】
ディスクの情報記録面にキズ、汚れがない光ディスクを基準ディスクとし、基準となる再生装置を用いて得られた、標準のエラー発生頻度に基づいて作製された、前記実施例で使用した図3のような、エラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルを、予めメモリ121に記憶しておく。このようにすると、前記実施例のように、算出されたエラー発生頻度を基に、リードリトライ回数を制御することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、エラー発生数に応じてリードリトライ回数を設定しているので、再生データの信頼を保ちつつ、無駄なリードリトライによる時間的なロスを無くし、リード速度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報記録媒体記録再生装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリードリトライ制御処理動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】エラー発生頻度とリードリトライ回数の関係を示すテーブルである。
【図4】光ディスクのセクタの模式図である。
【符号の説明】
101…光ディスク、102…光ピックアップ、103…スピンドルモータ、104…I−Vアンプ、105…レーザ制御ドライバ、106…スピンドルモータ制御ドライバ、107…フォーカシング及びトラッキング処理部、108…アナログ信号処理回路、109…反射光処理部、110…記録パルス発生器、111…スピンドル制御回路、112…アシンメトリ処理部、113…イコライザ、114…ウォブル処理部、115…エンコーダ、116…PLL回路、117…二値化回路、118…デコーダ、119…MPU、121…メモリ、122…メモリコントローラ、123…バッファメモリ、124…ホストインターフェース回路、125…オーディオDAC。
Claims (7)
- エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルを格納するメモリと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算する手段と、前記テーブルによって前記計算されたエラー発生頻度からリードリトライ回数を決定する手段と、前記決定された回数のリードリトライ処理を行う手段とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
- 請求項1記載の光ディスク装置において、前記テーブルは前記エラー発生頻度が多いほどリードリトライ回数が減少することを特徴とする光ディスク装置。
- 請求項1記載の光ディスク装置において、前記再生中の1アドレス単位より手前の前記複数のアドレス単位は前記再生中のアドレス単位より複数トラック手前までのアドレス単位であることを特徴とする光ディスク装置。
- 請求項1記載の光ディスク装置において、前記再生中の1アドレス単位より手前の前記複数のアドレス単位は前記再生中のアドレス単位より複数トラック手前のアドレス単位の内、前記再生中の1アドレス単位近傍の複数のアドレス単位であることを特徴とする光ディスク装置。
- 請求項3又は4記載の光ディスク装置において、前記再生中の1アドレス単により近いアドレス単位と、比較的遠いアドレス単位の間に重み付けを行ってエラー発生頻度を計算することを特徴とする光ディスク装置。
- エラー発生頻度に対するリードリトライ許容回数を示すテーブルをメモリに格納するステップと、光ディスクにおいて現在再生中の訂正エラー判定単位である1アドレス単位にリードエラーが発生した場合、前記再生中の1アドレス単位より手前の複数のアドレス単位におけるエラー発生頻度を計算するステップと、前記計算されたエラー発生頻度から前記テーブルによってリードリトライ回数を決定するステップと、前記決定された回数のリードリトライ処理を行うステップとを備えることを特徴とするリードリトライ回数制御方法。
- 請求項6記載のリードリトライ回数制御方法において、前記テーブルは前記エラー発生頻度が多いほどリードリトライ回数が減少することを特徴とするリードリトライ回数制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003030542A JP2004241060A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 光ディスク装置及びリードリトライ回数制御方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008056424A1 (fr) * | 2006-11-10 | 2008-05-15 | Pioneer Corporation | Programme de reproduction de données en continu et dispositif de lecteur de disque optique |
CN100401387C (zh) * | 2005-08-22 | 2008-07-09 | 上海乐金广电电子有限公司 | 光盘播放装置及其播放方法 |
JP2009211773A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Funai Electric Co Ltd | 光ディスク再生装置及び光ディスクの再生方法 |
JP2010092561A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Toshiba Storage Device Corp | 記憶装置のデータリード方法及び記憶装置 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030542A patent/JP2004241060A/ja active Pending
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