JP2004240617A - 駐車場利用料金算出システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駐車場への入庫時に車両一時識別子と利用者一時識別子を一時識別子生成手段が生成し,駐車場の利用時間を車両一時識別子に関連付けて駐車場利用情報保持手段が保持し,利用者情報保持手段は駐車場利用料金に関連する情報を利用者一時識別子と対にして保持し,車両の出庫時に車両一時識別子からの駐車場利用時間と,利用者一時識別子からの駐車場利用料金関連情報から利用料金を清算情報生成手段が算出し、料金清算後ゲートをオープンし、かつ、利用料金を出庫ゲート制御手段へ送出後車両一時識別子と利用者一時識別子を破棄する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,駐車場の利用料金の算出システムであって,デパートやショッピングモール等の店舗での利用額に応じて割引される駐車場利用料金を算出するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デパートやショッピングモール等の店舗に併設された駐車場の利用においては利用者が支払う利用料金の算出方法として,駐車場の利用時間に応じた利用料金と,駐車場を管理又は駐車場と提携した店舗での利用額に応じた割引とから求める方法がある。駐車場の利用時間に応じた利用料金とは,例えば,利用30分毎に一定の金額を積算するものがあり,また店舗での利用金額に応じた割引とは,例えば,店舗での物品購入などの支払い金額が2000円以上であれば,駐車場利用が2時間無料などである。このような場合,利用者が2000円以上の物品購入を行い,駐車場利用時間が2時間以内であれば,利用30分毎に積算される駐車料金が無料となる。
【0003】
このような割引は店舗またはショッピングモール等店舗集合体における利用者に対する,物品購入額に見合った時間の駐車場利用料金を無料にする店舗側のサービスである。
このような方式の利用料金算出方法として,駐車場入庫時に駐車場入庫時間を入力した駐車券と呼ぶ磁気媒体を発行し,利用者がこの駐車券を携行して,物品購入時に店舗販売員に提示し、店舗販売員が支払い料金に応じた無料利用時間を駐車券に入力,駐車場出庫時に利用者が清算機に駐車券を投入して,入庫時間,出庫時間,無料利用時間とから,実際の利用料金を算出する方法がある。また支払い料金に応じた無料利用時間を駐車券に入力する代わりに,無料時間に相当する駐車場利用券を発行する方法もあり,この場合、利用料金は入庫時間と出庫時間から算出され,これに対する利用料金支払いの際に,この駐車場利用券を充当することになる。
【0004】
このような従来の利用料金の算出方法において,同一店舗の複数箇所,または複数店舗の複数箇所で支払いを行って,単一箇所の支払いでは駐車場利用料金の割引対象とならない場合であっても,その合計金額であれば割引の対象となる場合には,利用者が複数の箇所で発行された領収書を保持し,最終的に割引対象となる額までの領収書を得た時点で,駐車券への無料利用時間入力を依頼する方法になっている。 また駐車券に各箇所での支払い金額を入力し,利用者がその都度領収書を保持しなくとも複数箇所での支払い金額の積算額で割引を受けるような方法もある。
このような駐車券による利用料金の算出は個々の利用者の事前登録を要しないという特徴がある。
【0005】
またここまでに説明したような駐車場利用料金算出方法を電子化し,さらに,駐車場の入庫時,出庫時,及び物品購入の支払い時に,利用者を特定する認証データをシステムに入力することで,複数箇所での物品購入のための支払いに応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出に加えて,利用料金の決済機関による電子決済を行う方法が,特開2001−283271号公報に述べられている。
【0006】
この方法は,駐車場の入庫時間,物品購入の支払いによる駐車場の割引額を示す利用情報,および駐車場の出庫時間とを,事前にシステムに登録した本人認証が可能な認証データと対にして記憶し,駐車場からの出庫時に,認証データと対にして記憶された上記情報を勘案し利用料金を求めて電子決済することで,キャッシュレスで支払いを行うものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−283271号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような駐車場利用料金の算出方法では、利用者の物品購入時の支払いが複数箇所に及ぶ場合,別々に発行された複数枚の領収書を,割引対象となる金額の支払いが完了するまで、利用者が保持しなければならず,店舗側にとっても,領収書を目視にて積算し割引対象金額であるか否かを判別した上で,磁気カードへの割引入力,または駐車場利用券の発行を行う必要があり,手順が煩雑化していた。
【0009】
また、駐車場の利用料金が物品購入支払いによる割引で,清算不要であっても,駐車場の出庫時に割引確認のため,駐車券を出庫ゲートに挿入する必要があり,車両のスムーズな出庫を妨げる要因になっていた。
【0010】
さらに、特開2001−283271号公報では,例え電子決済を行わず,駐車場利用料金の算出だけを行う目的に限った場合であっても,駐車場入庫時間,駐車場出庫時間,物品購入時の支払額を,ひとつの認証データに対応して記憶するために,事前に個人を特定する認証データをシステムに登録し,同じ認証データを共通カードと呼ばれる媒体に格納して,利用者に配布する必要があった。このため,利用者は,共通カードの提示により、複数箇所での物品購入の支払いに応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出という利便性を得ることができる。しかし反面、利用者の事前登録を要することにより,店舗側は同一利用者による複数回の駐車場利用及び物品購入支払いの特定が可能であり、匿名性を得られないという問題点があった。
【0011】
本発明は,利用者の匿名性を維持した上で,複数箇所での支払いに応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことを第一の目的とする。
また,車両の出庫時に店舗での割引額が駐車場利用料金に対し不足がない場合,出庫ゲートを自動的にオープンして,出庫ゲートにおける不要なカード提示による混雑を回避することを,第二の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る駐車場利用料金算出システムは、車両の駐車場への入庫時に車両一時識別子と利用者一時識別子を生成する一時識別子生成手段と,車両の駐車場の利用時間を前記車両一時識別子に関連付けて保持する駐車場利用情報保持手段と,
利用者の駐車場利用料金に関連する情報を利用者一時識別子と対にして保持する利用者情報保持手段と,
車両の駐車場からの出庫時に車両一時識別子から求めた駐車場利用時間と,利用者一時識別子から求めた駐車場利用料金に関連する情報とから利用料金を算出する清算情報生成手段と,
利用料金の清算が完了した時点でゲートをオープンする出庫ゲート制御手段とを備え,前記清算情報生成手段は算出した利用料金を前記出庫ゲート制御手段へ送出後車両一時識別子と利用者一時識別子を破棄する機能をも併せ持つ構成とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず本発明を適用する駐車場利用料金システムの概要について説明する。利用者は,車両に乗車して駐車場を利用する。駐車場は,店舗または複数の店舗からなる店舗群(以降単に店舗と記載)の駐車場であり,入庫ゲート,出庫ゲート,駐車場利用料金の清算機を備える。利用者は,駐車場に車両を駐車して,店舗を利用する。駐車場利用料金は,一定時間毎に一定料金を加算して算出する。ただし店舗で物品購入などの支払い額に応じて駐車場利用料金の一定時間の無料化を行う。例えば駐車場利用に際して,20分当たり100円の利用料金が自動的に加算されるが,利用者が店舗で2000円以上の物品購入を行うと,2時間分の駐車場利用が無料となるというような設定が可能である。駐車場利用料金の清算は現金を用いて行う。もちろん利用者が2000円以上の物品購入をした場合でかつ,利用開始から2時間以内の出庫であれば,現金の支払いは不要である。
【0014】
また別の駐車場利用料金システムとして,店舗での物品購入支払い1000円毎に30分の駐車場利用を利用を無料とする方法も適用可能である。この場合,2000円の店舗での支払いを行うと,1時間の駐車場利用が無料となる。さらに店舗毎に駐車場利用を無料とする時間と支払額の割合を変化させる方法も適用可能である。
【0015】
このような利用方法を可能とするため本発明の実施の形態では,駐車場入庫時から出庫時までの間に,車両を識別する車両一時識別子と,同じ利用者を一時的に識別する利用者一時識別子を生成し,これ等を対にして保持し,また車両一時識別子を車両に搭載した車載装置に割り付け,利用者一時識別子を利用者携帯器に割り付ける。車両の入庫時間を駐車場利用情報保持手段に車両一時識別子と対にして保持し,駐車場利用時間の算出は,出庫時に車載装置から得られる車両一時識別子から入庫時間を得る。また利用者が物品購入の支払い時に,利用者携帯器を提示することで,駐車場利用料金割引額などを示す利用者の駐車場利用料金に関連する情報を利用者情報保持手段に利用者一時識別子と対にして保持する。車両の出庫時に車載装置から得られる車両一時識別子と対になる利用者一時識別子を介して,駐車場利用料金に関する情報を得て,これと駐車場利用時間とから,駐車場利用料金を算出する。出庫時の駐車場利用料金の算出に必要な車両一時識別子は,車載装置から近距離無線通信により得る。算出した利用料金が無料となった場合,出庫ゲートが自動的にオープンする。利用料金に不足がある場合は,現金投入による清算を行うことで,出庫ゲートがオープンする。駐車場利用料金の算出が終わった時点で,保持していた車両一時識別子及び利用者一時識別子を破棄する。次回駐車場利用時には,同一の車両,同一の利用者の利用であっても,車両一時識別子及び利用者一時識別子を再生成する。
【0016】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について詳述する。
図1は実施の形態1のシステム構成図である。システムは,利用者100が携帯可能な利用者携帯器105,車両101に搭載された車載装置106,駐車場設備102,駐車場清算サーバ103,店舗設備104からなる。
利用者携帯器105は利用者が携行可能で、赤外線やBluetoothなどの近距離通信手段とフラッシュメモリなどの書き換え可能な記憶手段を有するものであるか,非接触ICカードまたは接触型磁気カードなどの通信手段と記憶手段を併せ持つ媒体である。
車載装置106は記憶手段と赤外線やBluetoothなどの近距離通信手段を有し、記憶手段に車両一時識別子を保持し,近距離通信手段によって,利用者携帯器105に対して,利用者一時識別子を出力する。
駐車場設備102は駐車場に設置した設備であり,駐車場に入庫する車両の特定を行い,後述の駐車場清算サーバ103に対して駐車場利用料金の算出を依頼する。この駐車場設備102は、車両検出手段116、一時識別子出力手段107、車両一時識別子入力手段108、料金清算手段117、出庫ゲート制御手段109およびこれ等の各手段と車両101、駐車場清算サーバ103との間の信号の授受を行う近距離通信手段(図示せず)を備える。
駐車場清算サーバ103は駐車場と同じ,または別の場所に設置して駐車場の利用料金を算出する。この駐車場清算サーバ103は、一時識別子生成手段110,駐車場利用情報保持手段111、一時識別子保持手段112,清算情報生成手段113、利用者情報保持手段114およびこれ等の各手段と駐車場設備102,店舗設備104との間の信号の授受を行う近距離通信手段(図示せず)を備える。
店舗設備104は,店舗に設置され,利用者の物品購入などのよる駐車場利用料金割引の算出の元となる支払い料金などを入力する為の利用者一時識別子入力手段115および利用者携帯器105,駐車場清算サーバ103との間の信号の授受を行う近距離通信手段(図示せず)を備える。
【0017】
ここで各構成物の接続について説明する。
利用者携帯器105は、車載装置106または駐車場設備102の一時識別子出力手段107と赤外線,Bluetoothなどの近距離通信手段,非接触ICカードの極近距離通信手段,接触型磁気カードによる書き込み/読み出し手順などにより接続される。
【0018】
車載装置106と駐車場設備102の一時識別子出力手段107または車両一時識別子入力手段108は夫々の通信手段により、DSRC(Dedicated Short Range Communication)や802.11方式無線LANなどの近距離通信により接続されるる。これら媒体上の通信はSSL(Secure Socket Layer)などの暗号化通信手段により通信データの秘匿を保つものとする。
【0019】
駐車場設備102と駐車場清算サーバ103との間,及び店頭設備104と駐車場清算サーバ103との間は,各通信手段によりEthernet(登録商標),ISDNなどのLAN型,WAN型の通信媒体によって接続される。これら構成物間の通信は、秘匿が守れ,かつ装置間の接続距離の通信を満たすことのできる通信媒体であれば,有線,無線を問わず利用可能である。駐車場設備102と駐車場清算サーバ103との間とは,車両検出手段116と一時識別子生成手段110,一時識別子出力手段107と一時識別子生成手段110,車両一時識別子入力手段108と清算情報生成手段113,料金清算手段117と清算情報生成手段113のそれぞれの間を示しており,また,店舗設備104と駐車場清算サーバ103との間の接続とは,利用者一時識別子入力手段115と利用者情報保持手段114の間を示している。
【0020】
次に本実施の形態1の動作について説明する。図2は,本実施の形態1の動作の流れの概要を示す。ステップS201は車両の駐車場への入庫処理である。ステップS202は利用者による店舗での物品購入時の支払い処理である。ステップS203は車両の駐車場からの出庫処理である。駐車場利用料金の算出は,駐車場の入庫から出庫までの間の時間による料金加算とその間に行われる利用者による物品購入時の支払い額に応じた無料利用時間とから行う。ステップS201の入庫からステップS203の出庫までの間,利用者は任意の回数のステップS202の物品購入時の支払いを実施可能である。場合によっては,利用者は物品購入を行わない場合もある。
【0021】
以下、ステップS201からステップS203までの処理の詳細な流れを説明する。
図3は駐車場入庫処理(ステップS201)の詳細な流れを示し、図6は車両の入庫処理時における各装置間の通信メッセージと一時識別子の生成,伝達の流れを示した図である。
なお、図6において矢印はメッセージの送信を示し,矢印上にはメッセージ種別を,メッセージ種別の後のかっこ内はメッセージと合わせて送信するパラメータを示している。
【0022】
本駐車場入庫処理の主たる目的は,車両出庫時に入庫した車両と出庫する車両とを一意に識別する車両一時識別子を生成し,車載装置106に格納すること,店舗で物品購入による支払いを行う利用者を,ステップS201からステップS203の間だけ一意に識別する利用者一時識別子を生成し、利用者携帯器105に格納すること,およびこれ等2つの一時識別子の対を生成することにある。併せて,駐車場利用情報保持手段111に,車両一時識別子と対に車両の駐車場入庫時間を保持する。
【0023】
以下、図3および図6に沿って駐車場入庫処理(ステップS201)の詳細な流れを説明する。
ステップS301で,車両101の車載装置106が駐車場設備102を検出すると,車載装置106は駐車場設備102に対して入庫メッセージを送信する。駐車場設備102の車両検出手段116が車両101の入庫を認識すると,車両検出手段116は駐車場清算サーバ103の一時識別子生成手段110に対して一時識別子要求メッセージを送信する。
【0024】
ステップS302で一時識別子生成手段110が車両一時識別子と利用者一時識別子の両一時識別子を生成し,生成した一時識別子を一時識別子保持手段112に保持する。
ステップS303で駐車場清算サーバ103は一時識別子要求メッセージの応答として,駐車場設備102の一時識別子出力手段107に対して一時識別子通知メッセージを送信する。 パラメータは車両一時識別子と利用者一時識別子である。
また、駐車場利用情報保持手段111に車両一時識別子と駐車場入庫時間を関連付けて保持する。
【0025】
ステップS304で駐車場設備102の一時識別子出力手段107は受領した一時識別子通知メッセージ(車両一時識別子と利用者一時識別子)を車載装置106に対して送信する。
ステップS305で車載装置106が車両一時識別子と利用者一時識別子を保持する。利用者100が携行する利用者携帯器105を操作して,車両101(車載装置106)に対して,一時識別子要求メッセージを送信すると,車載装置106は利用者100(利用者携帯器105)に対して一時識別子通知メッセージを送信する。パラメータは利用者一時識別子である。
【0026】
利用者携帯器105に対しての送信は,赤外線やBluetoothなどの近距離通信手段によって,利用者一時識別子を出力する。利用者携帯器105は,これを保持する。
このメッセージ送信の後,車載装置106は利用者一時識別子を破棄して,車両一時識別子のみを保持する。
【0027】
利用者携帯器105は車載装置106を介さずに近距離通信手段,極近距離通信手段,接触型書き込み/読み込み手段を通じて,一時識別子出力手段107から直接利用者一時識別子を受け取り,保持することもできる。この場合,ステップS304で一時識別子出力手段107は車載装置106に対して車両一時識別子を出力し,利用者携帯器105に対して利用者一時識別子を出力する。ステップS305は不要となる。
【0028】
図4はステップS202の利用者による物品購入時の支払い処理の詳細な流れを、図7は利用者の物品購入時の支払い時の各装置間の通信メッセージと一時識別子の伝達の流れを示した図である。なお、図7で矢印はメッセージの送信を示し,矢印上にはメッセージ種別を,メッセージ種別の後のかっこ内はメッセージと合わせて送信するパラメータを示している。
【0029】
本処理の主たる目的は,利用者情報保持手段114に,利用者一時識別子と対に,利用者の駐車場利用料金に関連する情報を保持することにある。利用者の駐車場利用料金に関連する情報とは,具体的に,入庫から出庫までの間における利用者の物品購入時の支払い金額の総額,または個別支払額の履歴である。また支払額に応じて駐車場の無料利用時間を変化させる場合や店舗毎に支払額に対する無料利用時間の率を変化させる場合は,駐車場利用料金に関する情報は,利用者に与える無料利用時間の総時間数か,物品購入毎に与えられる無料利用時間の履歴とする。
【0030】
以下、図4および図7に沿って物品購入時の支払い処理(ステップS202)の詳細な流れを説明する。
ステップS401で利用者が物品購入を行うと,店舗のレジなどで支払いが発生する。ステップS402で利用者携帯器105から店舗設備104の利用者一時識別子入力手段115に対して一時識別子通知メッセージを送信する。パラメータは利用者一時識別子である。また例えばテンキーパッドなどにより物品購入時の支払額を入力することにより、利用者の駐車場利用料金に関する情報、即ち物品購入額に応じた駐車場利用料割引料等を利用者一時識別子入力手段115に入力する。
【0031】
テンキーパッドへの入力は,運用上,店舗の係員が行う。またキャッシュレジスタ装置と連動して,自動的に支払額が利用者一時識別子入力手段115に対して入力されるようにしても良い。店舗設備104の利用者一時識別子入力手段115は,駐車場清算サーバ103に対して,利用者情報登録メッセージを送信する。パラメータは利用者一時識別子と駐車場利用料金に関する情報である。
【0032】
ステップS403で,利用者一時識別子入力手段115から入力された利用者の駐車場利用料金に関する情報と利用者一時識別子を,駐車場清算サーバ103の利用者情報保持手段114に保持する。
【0033】
図5はステップS203の駐車場からの車両の出庫処理の詳細な流れ図、図8は車両の出庫処理時における各装置間の通信メッセージと一時識別子の伝達,破棄の流れを示した図である。なお、図8で矢印はメッセージの送信を示し,矢印上にはメッセージ種別を,メッセージ種別の後のかっこ内はメッセージと合わせて送信するパラメータを示している。
本処理の主たる目的は,駐車場清算サーバ103の駐車場利用情報保持手段111から車両一時識別子を用いて得た駐車場入庫時間と,利用者情報保持手段114から利用者一時識別子を用いて得た利用者の駐車場利用料金に関連する情報とを清算情報生成手段113に入力して,駐車場利用時間と割引を積算した駐車場利用料金の算出を行うことと,割引が利用料金を上回って現金の精算が不要となった場合に,出庫ゲートを自動的にオープンし,利用者が駐車場設備を操作することなく出庫できるようにすることおよび駐車場利用料金の算出が終わり、出力した時点で車両と利用者を識別する車両一時識別子及び利用者一時識別子を破棄することである。
【0034】
図5および図8に沿って車両の出庫処理(ステップS203)の詳細な流れを説明する。
ステップS501で車両101の出庫に伴う車両出庫要求を車載装置106が駐車場設備102の車両一時識別子入力手段108から発信される無線電波を検出して、駐車場設備102に対して出庫メッセージを送信し、駐車場設備102は車両出庫要求を認識する。出庫メッセージのパラメータは車両一時識別子である。ステップS502で駐車場設備102の車両一時識別子入力手段108は,メッセージを受信すると,駐車場清算サーバ103の清算情報生成手段113に対して清算要求メッセージを送信する。パラメータは車両一時識別子である。
ステップS503で清算情報生成手段113はメッセージを受信すると,車両一時識別子を用いて,一時識別子保持手段112から車両一時識別子に対応する利用者一時識別子を取得取得する。
ステップS504で清算情報生成手段113は,利用者一時識別子に対応する利用者の駐車場利用料金に関連する情報を利用者情報保持手段114から取得する。ステップS505で清算情報生成手段113は,車両一時識別子を用いて駐車場利用情報保持手段111から車両一時識別子に対応する駐車場入庫時間を取得して,これと現在時間とから車両の駐車場利用時間を算出する。
【0035】
ステップS506で清算情報生成手段113は,駐車場利用に関連する情報と駐車場利用時間とから駐車場利用料金を算出する。清算情報生成手段113は,駐車場設備102の料金清算手段117に対して清算メッセージを送信する。パラメータは清算金額である。
清算情報生成手段113は駐車場利用料金算出のとき,駐車場利用に関連する情報の形式と無料利用時間の算出方法に合わせて演算を行う。駐車場利用に関連する情報の形式は,(A)利用者の物品購入時の支払額の総額,(B)個別支払額の履歴,(C)利用者に与える無料利用時間の総時間数,(D)物品購入毎の無料利用時間の履歴などの場合がある。また駐車場利用料金は例えば20分当たり100円で駐車した時間だけの総額となる(課金の単位時間と単位金額は任意に決定することができる)。
【0036】
無料利用時間の算出方法は,(a)利用者が店舗で2000円以上の物品購入を行うと2時間分の駐車場利用が無料となるというような方法,(b)1000円支払い毎に30分の駐車場利用を利用を無料とする方法などの場合がある(物品購入金額及び無料利用時間は任意に決定することができる)。ここで(A)と(a)の組み合わせでは,店舗での支払い額の総額が2000円以上である場合,実際の駐車場利用時間から2時間分を引いた時間が駐車場利用時間となり,この時間に課金単位時間をかけたものが駐車場利用料金となる。駐車場利用時間がマイナスになった場合,駐車場利用料金は0円となる。
【0037】
ここまでで車両一時識別子及び利用者一時識別子が不要となったので,ステップS507で清算情報生成手段113が一時識別子保持手段110,駐車場利用情報保持手段111,利用者情報保持手段114に対して,車両一時識別子と利用者一時識別子とこれら一時識別子と対にして保持している利用者のプライバシーに関する情報を破棄する。
【0038】
ステップS508で料金清算手段117はステップS506で算出した駐車場利用料金を入力し駐車場利用料金が0円である場合には,清算が不要であるので,出庫ゲート制御手段109に対し出庫ゲートオープンの信号を出力する。不足金がある場合は,ステップS509で料金清算手段117は利用者に対し現金の清算実施を要求し、清算が終了すると出庫ゲート制御手段109に対し出庫ゲートオープンの信号を出力する。ステップS510において出庫ゲート制御手段109が料金清算手段117からの信号で出庫ゲートをオープンする。
【0039】
本清算システムは永続的な識別子を持たないため,出庫後の利用者と次回入庫の際の利用者との同一性を判定することができない。
本実施の形態では,不足金の清算手段を駐車場設備に対して現金投入することによったが,駐車場設備がクレジットカード決済機能を持つことでカード決済と組み合わせることが可能である。また車載装置及び駐車場設備がETC(Electronic Toll Collection)システムにあるような電子決済機能を持つことで,不足金の有無にかかわらず出庫ゲートを自動的にオープンすることが可能である。このような第三者決済機能と組み合わせる場合には,利用者は決済に必要な情報を開示しなければならない。
【0040】
以上のように、本実施の形態によれば、会員登録などの事前登録作業を行うことなく,利用者の匿名性を維持した上で,利用者の物品購入時の支払いに応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となり、また、利用者の物品購入時の支払いが複数箇所にわたっても,支払額に応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となる
【0041】
また、本実施の形態によれば,駐車場出庫時に清算が不要である場合を自動的に判別して,出庫ゲートをオープンすることができ,利用者は駐車場設備の操作などなく,駐車場を出庫することが可能となるという効果がある。
【0042】
さらに、本実施の形態によれば,利用者携帯器として紙に磁気テープを添付した安価な媒体を利用することで,利用者は既存の磁気カード型の駐車券の利用方法と同様の方法で,支払額に応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となるという効果がある。
【0043】
さらにまた、本実施の形態によれば,利用者携帯器として携帯電話や非接触ICカードを用いることで,利用者はひとつの携帯電話や非接触カードを保持して,別の店舗に併設された駐車場であっても,同様の利用方法で,支払額に応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となるという効果がある。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば,会員登録などの事前登録作業を行うことなく,利用者の匿名性を維持した上で,利用者の物品購入時の支払いに応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となり、また利用者の物品購入時の支払いが複数箇所にわたっても,支払額に応じた駐車料金の割引を含めた駐車場利用料金の算出を行うことが可能となるという効果がある。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】は本実施の形態のシステム構成図である。
【図2】本実施の形態の動作の流れ図である。
【図3】ステップS201の駐車場の入庫処理の詳細な流れ図である。
【図4】ステップS202の利用者による物品購入時の支払い処理の詳細な流れ図である。
【図5】図5はステップS203の駐車場からの車両の出庫処理の詳細な流れ図である。
【図6】車両の入庫処理時の各装置間の通信メッセージと一時識別子の生成,伝達の流れを示した図である。
【図7】図7は利用者の物品購入時の支払い時の各装置間の通信メッセージと一時識別子の伝達の流れを示した図である。
【図8】図8は車両の出庫処理時の各装置間の通信メッセージと一時識別子の伝達,破棄の流れを示した図である。
【符号の説明】
100:利用者、101:車両、102:駐車場設備,103:駐車場清算サーバ,104:店舗設備、105:利用者携帯器,106:車載装置、107:一時識別子出力手段、108:車両一時識別子入力手段、109:出庫ゲート制御手段、110:一時識別子生成手段,111:駐車場利用情報保持手段、112:一時識別子保持手段,113:清算情報生成手段、114:利用者情報保持手段、115:利用者一時識別子入力手段,116:車両検出手段、117:料金清算手段。
Claims (7)
- 車両の駐車場への入庫時に車両一時識別子と利用者一時識別子を生成する一時識別子生成手段と,車両の駐車場の利用時間を前記車両一時識別子に関連付けて保持する駐車場利用情報保持手段と,
利用者の駐車場利用料金に関連する情報を前記利用者一時識別子と対にして保持する利用者情報保持手段と,
車両の駐車場からの出庫時に車両一時識別子から求めた駐車場利用時間と,利用者一時識別子から求めた駐車場利用料金に関連する情報とから利用料金を算出し、利用料金の清算が完了した時点で駐車場のゲートをオープンする出庫ゲート制御手段に利用料金を送出後車両一時識別子と利用者一時識別子を破棄する清算情報生成手段とを備えたことを特徴とする駐車場利用料金算出システム。 - 車両の入庫時に前記一時識別子生成手段が生成した車両一時識別子を受信し,車両の出庫時に前記清算情報生成手段に対して車両一時識別子を送信し、かつこの受送信はその入出力データを秘匿して行う車両に搭載された車載装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の駐車場利用料金算出システム。
- 店舗に備えられ、利用者が店舗の利用に際して利用者の駐車場利用料金に関する情報が発生した際に,利用者一時識別子と利用者の駐車場利用料金に関する情報を前記利用者情報保持手段に送信する利用者一時識別子入力手段と
利用者が携行可能であり、車両の入庫時に前記一時識別子生成手段が生成した利用者一時識別子を保持し、店舗の利用に際して利用者の駐車場利用料金に関する情報が発生した際に,前記利用者一時識別子入力手段に対して利用者一時識別子を送出する利用者携帯器とをさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の駐車場利用料金算出システム。 - 前記利用者携帯器は磁気媒体で形成され,車両の入庫の際に,前記一時識別子生成手段からの利用者一時識別子は磁力により記録され、前記店舗の利用者一時識別子入力手段へ磁力により利用者一時識別子を送出する構成にされたことを特徴とする請求項3記載の駐車場利用料金算出システム。
- 前記利用者携帯器は極近距離無線通信手段を備えた携帯端末装置で形成され,車両の入庫の際に,前記一時識別子生成手段からの利用者一時識別子は極近距離無線通信手段により通知され,店舗の利用者一時識別子入力手段に極近距離無線通信手段により利用者一時識別子を出力する構成にされたことを特徴とする請求項3記載の駐車場利用料金算出システム。
- 前記車載装置は,前記一時識別子生成手段からの利用者一時識別子をさらに受信し,前記利用者携帯器は極近距離無線通信手段を備えた携帯端末装置で形成され,利用者一時識別子を前記車載装置から受信する構成にされたことを特徴とする請求項3記載の駐車場利用料金算出システム。
- 前記出庫ゲート制御手段は、前記清算情報生成手段の出力する利用料金が0円以下であることを入力した場合は、ゲートをオープンする構成にされたことを特徴とする請求項2乃至6の何れか一に記載の駐車場利用料金算出システム。
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---|---|---|---|
JP2003027956A JP2004240617A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 駐車場利用料金算出システム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010015264A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Nec Mobiling Ltd | 来場管理システム、dsrc制御装置、及び来場管理方法 |
JP2016045601A (ja) * | 2014-08-20 | 2016-04-04 | ヤフー株式会社 | 端末装置、検証方法及び検証プログラム |
JP2016146203A (ja) * | 2016-04-01 | 2016-08-12 | 株式会社ワイティーエム | 電子クーポン発行方法 |
CN108230459A (zh) * | 2018-01-05 | 2018-06-29 | 北京悦畅科技有限公司 | 一种停车场收费方法及装置 |
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2003
- 2003-02-05 JP JP2003027956A patent/JP2004240617A/ja not_active Abandoned
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