JP2004240192A - 電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成のデータ線選択回路を提供する。
【解決手段】データ線選択回路U1〜U120は、データ線3Aと3Bとの間に設けられたスイッチ回路SWRG及びデータ線3Bと3Cとの間に設けられたSWGBを備える。その出力端子には2本を1組とするデータ線3の組が接続されている。走査線2は1行に2本が割り当てられており組を構成する。組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続される。
【選択図】 図2
【解決手段】データ線選択回路U1〜U120は、データ線3Aと3Bとの間に設けられたスイッチ回路SWRG及びデータ線3Bと3Cとの間に設けられたSWGBを備える。その出力端子には2本を1組とするデータ線3の組が接続されている。走査線2は1行に2本が割り当てられており組を構成する。組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学物質として液晶を用いる液晶パネルとしてアクティブマトリックス型のものがある。この液晶パネルは、複数の走査線と複数のデータ線を備え、データ線と走査線の交差に対応して、画素がマトリックス状に配置されている。画素は、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する)、画素電極、液晶、及び画素電極と液晶を挟んで対向する対向電極を備える。走査線が順次選択されると、当該走査線に接続されているTFTがオン状態となり、データ線に供給される画像信号が画素に取り込まれ、電荷が液晶容量に蓄積される。
【0003】
液晶パネルの駆動回路は、データ線や走査線などに、画像信号や走査信号を所定タイミングで供給するための走査線駆動回路や画像信号出力回路などから構成されている。このような画像信号出力回路として、n本のデータ線毎に画像信号を生成するものがある。そして、特許文献1には、n本のデータ線毎にn対1のマルチプレクサを各々設け1本のデータ線を選択することによって画像信号を各データ線に供給する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−74839号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマルチプレクサは、1つのデータ線にスイッチを介して他のデータ線が接続されるから、n−1個のスイッチが必要となる。また、各スイッチを制御するためにn−1本の制御線を液晶パネルに形成する必要がある。さらに、従来のマルチプレクサは、1列の画素当たり1本のデータ線が形成されることを前提しているため、n列の画素当たりn−1個のスイッチが必要となる。このため、従来の技術には、マルチプレクサを構成するスイッチの数が多く、さらに、制御線の本数が多いといった問題があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、マルチプレクサを構成するスイッチ数、及び制御線の本数を低減させた電気光学パネル等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学パネルは、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に対応して配置されたスイッチング素子、とを備える電気光学パネルであって、前記各データ線には、行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々電気的に接続されており、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、行方向に続いて配置される第1乃至第3データ線の組に対応して各々設けられ、第1画像信号と第2画像信号とを前記第1乃至第3データ線に振り分けて出力するデータ線選択回路を備え、前記データ線選択回路は、選択信号に基づいて動作し、前記一方の走査線が選択されている期間中、前記第1画像信号を前記第1データ線及び前記第2データ線に出力した後、前記第2データ線への前記第1画像信号の出力を停止すると共に前記第2画像信号を前記第3データ線に出力し、前記他方の走査線が選択されている期間中に、前記第2画像信号を前記第2データ線及び前記第3データ線へ出力した後、前記第2データ線への前記第2画像信号の出力を停止すると共に前記第1画像信号を前記第1データへ出力することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、1組のスイッチング素子によってデータ線を共有化するから、データ線の本数を減らすことができ、出力端子数の少ないデータ線選択回路を用いることができる。そして、出力端子数の低減に伴って、データ線選択回路の構成を簡易なものにすることができる。さらに、一方の走査線が選択されている期間中、第1画像信号を第1データ線及び第2データ線に出力した後、第2データ線への第1画像信号の出力を停止するので、最初に第1データ線及び第2データ線へ第1画像信号を供給し、次に第1データ線へのみ第1画像信号を供給する。このように、一方の走査線が選択されている期間において第1データ線と第2データ線の選択状態を切替えることにより、第1データ線と第2データ線とへ供給する第1画像信号を割り振ることが可能となる。この点は、他方の走査線が選択されている期間における第2データ線と第3データ線とへ供給する第2画像信号の割り振りにつても同様である。なお、スイッチング素子は、例えば、TFTなどによって構成することができる。
【0009】
ここで、前記データ線選択回路は、前記第1画像信号が供給される第1入力端子及び前記第2画像信号が供給される第2入力端子と、前記第1データ線及び前記第1入力端子と接続される第1出力端子、前記第2データ線と接続される第2出力端子、並びに前記第3データ線及び前記第2入力端子と接続される第3出力端子と、前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に設けられた第1スイッチ回路と、前記第2出力端子と前記第3出力端子との間に設けられた第2スイッチ回路とを備え、前記選択信号に基づいて、前記第1及び第2スイッチ回路のオン・オフが制御されることが好ましい。
【0010】
この発明によれば、3本のデータ線当たり2個のスイッチ回路を用いて、データ線選択回路を構成することができる。従って、6列の画素当たり2個のスイッチ回路を用いてデータ線選択回路を構成することができ、スイッチ回路の個数を大幅に削減することが可能となる。
【0011】
また、前記選択信号は、第1制御信号と第2制御信号とを含み、前記第1スイッチ回路は、前記第1制御信号に基づいてオン・オフが制御され、前記第2スイッチ回路は、前記第2制御信号に基づいてオン・オフが制御され、前記第1制御信号を供給する第1制御線と、前記第2制御信号を供給する第2制御線とを備えることが好ましい。この場合には、スイッチ回路数の低減に伴って制御線数も大幅に削減されることとなる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、水平走査期間毎に前記走査線の組を順次選択し、当該水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択し、後半期間に当該組を構成する他方の走査線を選択する走査線駆動回路とを備えたことを特徴とする。この場合には、1水平走査期間中に2本の走査線が順次選択されることになる。
【0013】
また、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、タイミング制御回路を備え、前記タイミング制御回路は、前記一方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオフ状態にするように前記第2制御信号を生成し、前記他方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第2制御信号を生成することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、一方の走査線が選択されている期間において、第1スイッチ回路はオン状態になった後にオフ状態になり、第2スイッチ回路はオフ状態となるから、最初に第1データ線及び第2データ線へ第1画像信号が供給され、次に第1データ線へのみ第1画像信号が供給されると共に、第3データ線には第2画像信号が供給される。また、他方の走査線が選択されている期間において、第1スイッチ回路がオフ状態になり、第2スイッチ回路はオン状態にした後にオフ状態になるから、最初に第2データ線及び第3データ線へ第2画像信号が供給され、次に第3データ線へのみ第2画像信号が供給されると共に、第3データ線には第1画像信号が供給される。
【0015】
また、この電気光学装置は、前記第1画像信号と前記第2画像信号を生成する画像信号出力回路を備え、前記画像信号出力回路は、前記一方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第1スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第1画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記第1スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記一方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記一方の走査線が選択状態にある期間において、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記他方の走査線が選択状態にある期間において、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記他方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第2スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第2画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記第2スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記他方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成することが好ましい。この発明によれば、走査線の選択とデータ線の選択に応じて、各画素電極に書き込むべき画像信号を生成することができる。
【0016】
また、本発明に係る電気光学装置は、画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極を備えた電気光学パネルと、前記第1及び第2入力端子へ前記第1及び第2画像信号を各々供給すると共に、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線選択回路の前記第1及び第2入力端子をハイインピーダンス状態とする画像信号出力回路とを備えることが好ましい。この場合には、対向電極電位の遷移期間において、各データ線はフローティング状態になるので、対向電極とデータ線との間で発生する容量性負荷を概ね零にすることができ、対向電極の駆動に要する消費電力を削減することができる。また、対向電極の容量性負荷が軽減されるので遷移期間を短縮することができ、その短縮分を画像信号の書き込み期間に割り当てることもできる。
【0017】
次に、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えたことを特徴とするものであり、例えば、ビデオカメラに用いられるビューファインダ、携帯電話機、ノート型コンピュータ、ビデオプロジェクタ等が該当する。
【0018】
次に、本発明に係る電気光学パネルの駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備え、前記各データ線には行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続される電気光学パネルの駆動方法であって、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、前記データ線は行方向に続く第1乃至第3データ線で1組となっており、前記一方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線及び前記第2データ線に前記第2データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第1データ線のみに前記第1データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記一方の走査線を選択した状態で、前記第3データ線に前記第3データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記他方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線に前記第1データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記他方の走査線を選択した状態で、前記第2データ線及び前記第3データ線に前記第2データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第3データ線のみに前記第3データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給することが好ましい。
【0019】
この駆動方法によれば、データ線を共有化した電気光学パネルにおいて、走査線の選択とデータ線の選択に応じて、各画素電極に画像信号を適切に供給することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<1.実施形態>
<1−1:液晶装置の全体構成>
まず、本発明に係る電気光学装置として、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を一例にとって説明する。液晶装置は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。
【0021】
図1は実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。この液晶装置は、液晶パネルAA、走査線駆動回路100、画像信号出力回路200、タイミング発生回路400および画像処理回路300を備える。液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、データ線選択回路群500、及び制御線L1〜L3を備える。データ線選択回路群500はTFTにより構成されており、画像表示領域AにおけるTFTと同一のプロセスで同時に形成される。
【0022】
この液晶装置に供給される入力画像データDinは、例えば、3ビットパラレルの形式である。タイミング発生回路400は、入力画像データDに同期してYクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB、及びY転送開始パルスDYを生成して、走査線駆動回路100に供給する。また、タイミング発生回路400は、入力画像データDinに同期してXクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、及びX転送開始パルスDXを生成して、画像信号出力回路200に供給する。さらに、タイミング発生回路400は、画像処理回路300を制御する各種のタイミング信号を生成し、これを出力する。
【0023】
画像処理回路300は、入力画像データDinに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施して出力画像データDoutを生成し、これを画像信号出力回路200に供給する。画像信号出力回路200は、240個の出力端子を有し、各出力端子から画像信号SEG1〜SEG240を出力する。各画像信号SEG1〜SEG240には2本のデータ線3に供給すべき信号が時分割多重されている。
【0024】
<1−2:液晶パネルの構成>
図2に、液晶パネルAAの電気的構成を示す。この図に示すように画像表示領域Aには、2本を1組とする走査線2が320組、X方向に沿って平行に形成されている。また、画像表示領域Aには、3本を1組とするデータ線3が120組、Y方向に沿って平行に形成されている。走査線2とデータ線3との交差付近においては、TFT50のゲートが走査線2に接続される一方、TFT50のソースがデータ線3に接続されるとともに、TFT50のドレインが画素電極6に接続される。そして、各画素は、画素電極6と、対向基板に形成される対向電極(後述する)と、これら両電極間に挟持された液晶とによって構成される。この結果、走査線2とデータ線3との各交差に対応して、画素はマトリクス状に配列されることとなる。
【0025】
この例の画素は、Y方向に沿って、赤(R)を表示する画素、緑(G)を表示する画素、及び青(B)を表示する画素がストライプ状に配列されている。以下の説明では、個々の画素をサブ画素Psと称し、R画素Psr、G画素Psg、及びB画素Psbの組をメイン画素Pmと称する。画像表示領域Aには、X方向に240個のメイン画素Pmが配列され、Y方向に320個のメイン画素Pmが配列されている。なお、図2に示す例では、作図の都合上、各サブ画素を正方形で示してあるが、実際の液晶パネルAAにおいては、メイン画素Pmの形状が正方形となるにように各サブ画素Psの形状は縦長となっている。
【0026】
そして、各行に配列されるサブ画素Psは1サブ画素Psおきに2本の走査線2と交互に接続されている。例えば、左上隅のメイン画素Pm(Pm1とする)及びその右隣のメイン画素Pm(Pm2とする)に着目すると、第1番目の走査線2−1Aには、メイン画素Pm1のR画素Psr1及びB画素Psb1、並びにメイン画素Pm2の及びG画素Psg2が接続されている。一方、第2番目の走査線2−1Bには、メイン画素Pm1のG画素Psg1、並びにメイン画素Pm2のR画素Psr2及びB画素Psb2が接続されている。つまり、1行当たり2本の走査線2の組が形成され、画像表示領域A全体としては、320組・640本の走査線2が形成されている。
【0027】
また、1本のデータ線3当たり2列のサブ画素Psが形成され、画像表示領域A全体としては、360本のデータ線3が形成される。各データ線3には、行方向に隣接する2個のサブ画素Psが接続されている。すなわち、隣接するサブ画素Psでデータ線3の共有化が図られている。この例では、R画素Psr1及びG画素Psg1がデータ線3を共有し、B画素Psb1及びR画素Psr2がデータ線3Bを共有し、G画素Psg2及びB画素Psb2がデータ線3Cを共有する。データ線3A(第1データ線)、データ線3B(第2データ線)、及びデータ線3Cは組を構成する。
【0028】
また、行方向に隣接する2個のTFT50は組を構成し、走査線2は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のTFT50のゲートと接続されている。そして、隣接する2個のTFT50が1本のデータ線3に接続されることによって、データ線3の共有化が図られている。
【0029】
次に、データ線選択回路群500は、120個のマルチプレクサ(データ線選択回路)U1〜U120を備える。各マルチプレクサU1〜U120は、2個の入力端子IN1及びIN2、3個の出力端子OUT1、OUT2及びOUT3、並びに2個のスイッチ回路SWGB及びSWRGを各々有する。そして、出力端子OUT1及びOUT2の間にスイッチ回路SWGBが接続され、出力端子OUT2及びOUT3の間にスイッチ回路SWRBが接続されている。そして、出力端子OUT1にはデータ線3Aと入力端子IN1とが接続され、出力端子OUT2はデータ線3Bとスイッチ回路SWGB及びSWRGの接続点と接続され、さらに、出力端子OUT3にはデータ線3Cと入力端子IN2が接続される。
【0030】
スイッチ回路SWGB及びSWRGは、制御線L1及びL2を介して供給される選択信号GBSE及びRGSEによってオン・オフが各々制御される。ここで、各画像信号SEG1〜SEG240は、データ線3に供給すべき信号が時分割多重されたものであり、これらがスイッチ回路SWGB及びSWRGによってサンプリングされ或いは直接、データ線信号X1〜X360として各データ線3に供給される。
【0031】
<1−3:液晶パネルの駆動>
図3に、液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートを示す。この図に示すように、対向電極の電位であるコモン電位は、2水平走査期間を1周期として、1水平走査期間毎に高電位と低電位との間で切り替わる。
【0032】
1水平走査期間は、分割された5つの期間からなる。奇数番目の画像信号SEG1、SEG3、…、SEG239(第1画像信号)の信号レベルは、期間TaにおいてB画素Psb1に供給すべき信号レベル、期間TbにおいてR画素Psr1に供給すべき信号レベル、期間Tc及び期間TdにおいてはG画素Psg1に供給すべき信号レベルとなる。一方、偶数番目の画像信号SEG2、SEG4、…、SEG240(第2画像信号)の信号レベルは、期間Ta及び期間TbにおいてG画素Psg2に供給すべき信号レベル、期間TcにおいてR画素Psr2に供給すべき信号レベル、期間TTdにおいてB画素Psb2に供給すべき信号レベルとなる。
【0033】
そして、期間Teにおいては、画像信号出力回路200から総ての画像信号SEG1〜SEG240の出力が禁止され、画像信号出力回路200の各出力端子はハイインピーダンス状態となる。具体的には、画像信号出力回路200の各出力端子にはスイッチが設けられおり、期間Teにおいて各スイッチがオフ状態となる。当該期間Teにおいて、コモン電位が切り替わる。従って、コモン電位が低電位と高電位との間で遷移する反転期間において、対向電極158とデータ線3との間の寄生容量を概ね零とすることができる。このため、対向電極158の容量性負荷が低減するから、対向電極158を駆動する駆動回路の消費電力を低減することができる。くわえて、対向電極の容量性負荷が軽減されるのでコモン電位の電位応答が速くなり反転期間の短縮をさせることができる。反転期間の短縮分は画像信号の書き込み時間に割り当てることが可能である。
【0034】
次に、第n番目の行に対応する1対の走査線2−nA及び走査線2−nBに供給される走査信号をGnA及びGnBとし、第n+1番目の行に対応する1対の走査線2−n+1A及び走査線2−n+1Bに供給される走査信号をGn+1A及びGn+1Bとする。走査線2−nA及び走査線2−nBは組を構成し、走査線2−nAが一方の走査線に走査線2−nBが他方の走査線に相当する。
【0035】
n番目の水平走査期間の後半において、走査信号GnBがアクティブになると、走査線2−nBが選択状態となり、G画素Psg1、R画素Psr2、及びB画素Psb2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間Tcにおいて選択信号RGSEがアクティブ(ハイレベル)となると、スイッチ回路SWRGがオン状態となる。このとき、画像信号R2がデータ線3B及び3Cに供給される。
【0036】
そして、時刻t3において、選択信号RGSEが非アクティブ(ローレベル)となると、スイッチ回路SWRGがオフ状態となり、データ線3Bはハイインピーダンス状態となる。このため、時刻t3において、R画素Psr2に取り込まれる電位が確定し、画像信号R2がR画素Psr2へ書き込まれる。
【0037】
次に、期間Tdにおいて、選択信号GBSE及びRGSEは非アクティブとなる。このため、スイッチ回路SWGB及びSWRGはオフ状態となる。但し、入力端子IN1及びIN2は、出力端子OUT1及びOUT3を介して、データ線3A及び3Cに各々接続されているから、データ線3Aには画像信号G1が供給される一方、データ線3Cには画像信号B2が供給される。
【0038】
そして、時刻t4において、走査信号GnBが非アクティブになると、G画素Psg1及びB画素Psb2に取り込まれる電位が確定し、画像信号G1がG画素Psg1へ書き込まれるとともに画像信号B2がB画素Psb2へ書き込まれる。そして、n+1番目の水平走査期間においてもn番目の水平走査期間と同様にデータ線3の選択及び画像信号のサンプリングが実行される。
【0039】
換言すれば、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線2を選択し、その後半期間に組を構成する他方の走査線2を選択する。また、前半期間においてマルチプレクサU1〜U120の入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を一方のデータ線2に各々供給し、後半期間において入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を他方のデータ線3に各々供給する。つまり、マルチプレクサU1〜U120において水平走査期間中に各出力端子を順次選択する動作が2回実行され、最初の動作時に一方の走査線2に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれ、次の動作時に他方の走査線2に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれる。
【0040】
このように本実施形態においては、各マルチプレクサU1〜U120の各出力端子には2本のデータ線3の組が接続されるから、マルチプレクサの出力端子数はデータ線数の半分で済む。このため、スイッチ回路の数を大幅に減らすことができ、さらに、スイッチ回路を制御するための制御線の本数を減らすことができる。
【0041】
<1−4:液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図5は、図4におけるZ−Z’線断面図である。
【0042】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極6等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、共通電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶155を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶155を封入するために一部が開口している。このため、液晶155の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0043】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、複数の接続電極157が形成されて、画像信号出力回路2500からの画像信号SEG1〜SEG120や各種信号を入力する構成となっている。画像信号出力回路200、走査線駆動回路100等の周辺回路は、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装されているが、駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い、さらには、素子基板151上に形成してもよい。
【0044】
対向基板152の共通電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。そして、導通材を介してコモン電位VCOMが供給されるようになっている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0045】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶155として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0046】
<2.応用例>
<2−1:素子基板の構成など>
上述した各実施形態においては、液晶パネルAAの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子(TFT50)を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0047】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極6をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極6を反射型にしても良い。また、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0048】
<2−2:電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
<2−2−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図6は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0049】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0050】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0051】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0052】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0053】
<2−2−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図7は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0054】
<2−2−3:携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図8は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0055】
なお、図6〜図8を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同装置に用いる液晶パネルAAの電気的構成を示す回路図である。
【図3】同液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートである。
【図4】同液晶パネルAAの構造を説明するための斜視図である。
【図5】同液晶パネルAAの構造を説明するための一部断面図である。
【図6】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるビデオプロジェクタの断面図である。
【図7】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図8】同液晶装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…走査線、3…データ線、6…画素電極、50…TFT、100…走査線駆動回路、200…画像信号出力回路、500…データ線選択回路群、U1〜U120…データ線選択回路、L1、L2…制御線、SWRG,SWGB…スイッチ回路、RGSE、GBSE…選択信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学物質として液晶を用いる液晶パネルとしてアクティブマトリックス型のものがある。この液晶パネルは、複数の走査線と複数のデータ線を備え、データ線と走査線の交差に対応して、画素がマトリックス状に配置されている。画素は、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する)、画素電極、液晶、及び画素電極と液晶を挟んで対向する対向電極を備える。走査線が順次選択されると、当該走査線に接続されているTFTがオン状態となり、データ線に供給される画像信号が画素に取り込まれ、電荷が液晶容量に蓄積される。
【0003】
液晶パネルの駆動回路は、データ線や走査線などに、画像信号や走査信号を所定タイミングで供給するための走査線駆動回路や画像信号出力回路などから構成されている。このような画像信号出力回路として、n本のデータ線毎に画像信号を生成するものがある。そして、特許文献1には、n本のデータ線毎にn対1のマルチプレクサを各々設け1本のデータ線を選択することによって画像信号を各データ線に供給する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−74839号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマルチプレクサは、1つのデータ線にスイッチを介して他のデータ線が接続されるから、n−1個のスイッチが必要となる。また、各スイッチを制御するためにn−1本の制御線を液晶パネルに形成する必要がある。さらに、従来のマルチプレクサは、1列の画素当たり1本のデータ線が形成されることを前提しているため、n列の画素当たりn−1個のスイッチが必要となる。このため、従来の技術には、マルチプレクサを構成するスイッチの数が多く、さらに、制御線の本数が多いといった問題があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、マルチプレクサを構成するスイッチ数、及び制御線の本数を低減させた電気光学パネル等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学パネルは、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に対応して配置されたスイッチング素子、とを備える電気光学パネルであって、前記各データ線には、行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々電気的に接続されており、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、行方向に続いて配置される第1乃至第3データ線の組に対応して各々設けられ、第1画像信号と第2画像信号とを前記第1乃至第3データ線に振り分けて出力するデータ線選択回路を備え、前記データ線選択回路は、選択信号に基づいて動作し、前記一方の走査線が選択されている期間中、前記第1画像信号を前記第1データ線及び前記第2データ線に出力した後、前記第2データ線への前記第1画像信号の出力を停止すると共に前記第2画像信号を前記第3データ線に出力し、前記他方の走査線が選択されている期間中に、前記第2画像信号を前記第2データ線及び前記第3データ線へ出力した後、前記第2データ線への前記第2画像信号の出力を停止すると共に前記第1画像信号を前記第1データへ出力することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、1組のスイッチング素子によってデータ線を共有化するから、データ線の本数を減らすことができ、出力端子数の少ないデータ線選択回路を用いることができる。そして、出力端子数の低減に伴って、データ線選択回路の構成を簡易なものにすることができる。さらに、一方の走査線が選択されている期間中、第1画像信号を第1データ線及び第2データ線に出力した後、第2データ線への第1画像信号の出力を停止するので、最初に第1データ線及び第2データ線へ第1画像信号を供給し、次に第1データ線へのみ第1画像信号を供給する。このように、一方の走査線が選択されている期間において第1データ線と第2データ線の選択状態を切替えることにより、第1データ線と第2データ線とへ供給する第1画像信号を割り振ることが可能となる。この点は、他方の走査線が選択されている期間における第2データ線と第3データ線とへ供給する第2画像信号の割り振りにつても同様である。なお、スイッチング素子は、例えば、TFTなどによって構成することができる。
【0009】
ここで、前記データ線選択回路は、前記第1画像信号が供給される第1入力端子及び前記第2画像信号が供給される第2入力端子と、前記第1データ線及び前記第1入力端子と接続される第1出力端子、前記第2データ線と接続される第2出力端子、並びに前記第3データ線及び前記第2入力端子と接続される第3出力端子と、前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に設けられた第1スイッチ回路と、前記第2出力端子と前記第3出力端子との間に設けられた第2スイッチ回路とを備え、前記選択信号に基づいて、前記第1及び第2スイッチ回路のオン・オフが制御されることが好ましい。
【0010】
この発明によれば、3本のデータ線当たり2個のスイッチ回路を用いて、データ線選択回路を構成することができる。従って、6列の画素当たり2個のスイッチ回路を用いてデータ線選択回路を構成することができ、スイッチ回路の個数を大幅に削減することが可能となる。
【0011】
また、前記選択信号は、第1制御信号と第2制御信号とを含み、前記第1スイッチ回路は、前記第1制御信号に基づいてオン・オフが制御され、前記第2スイッチ回路は、前記第2制御信号に基づいてオン・オフが制御され、前記第1制御信号を供給する第1制御線と、前記第2制御信号を供給する第2制御線とを備えることが好ましい。この場合には、スイッチ回路数の低減に伴って制御線数も大幅に削減されることとなる。
【0012】
次に、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、水平走査期間毎に前記走査線の組を順次選択し、当該水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択し、後半期間に当該組を構成する他方の走査線を選択する走査線駆動回路とを備えたことを特徴とする。この場合には、1水平走査期間中に2本の走査線が順次選択されることになる。
【0013】
また、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、タイミング制御回路を備え、前記タイミング制御回路は、前記一方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオフ状態にするように前記第2制御信号を生成し、前記他方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第2制御信号を生成することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、一方の走査線が選択されている期間において、第1スイッチ回路はオン状態になった後にオフ状態になり、第2スイッチ回路はオフ状態となるから、最初に第1データ線及び第2データ線へ第1画像信号が供給され、次に第1データ線へのみ第1画像信号が供給されると共に、第3データ線には第2画像信号が供給される。また、他方の走査線が選択されている期間において、第1スイッチ回路がオフ状態になり、第2スイッチ回路はオン状態にした後にオフ状態になるから、最初に第2データ線及び第3データ線へ第2画像信号が供給され、次に第3データ線へのみ第2画像信号が供給されると共に、第3データ線には第1画像信号が供給される。
【0015】
また、この電気光学装置は、前記第1画像信号と前記第2画像信号を生成する画像信号出力回路を備え、前記画像信号出力回路は、前記一方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第1スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第1画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記第1スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記一方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記一方の走査線が選択状態にある期間において、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記他方の走査線が選択状態にある期間において、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記他方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第2スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第2画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、前記第2スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記他方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成することが好ましい。この発明によれば、走査線の選択とデータ線の選択に応じて、各画素電極に書き込むべき画像信号を生成することができる。
【0016】
また、本発明に係る電気光学装置は、画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極を備えた電気光学パネルと、前記第1及び第2入力端子へ前記第1及び第2画像信号を各々供給すると共に、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線選択回路の前記第1及び第2入力端子をハイインピーダンス状態とする画像信号出力回路とを備えることが好ましい。この場合には、対向電極電位の遷移期間において、各データ線はフローティング状態になるので、対向電極とデータ線との間で発生する容量性負荷を概ね零にすることができ、対向電極の駆動に要する消費電力を削減することができる。また、対向電極の容量性負荷が軽減されるので遷移期間を短縮することができ、その短縮分を画像信号の書き込み期間に割り当てることもできる。
【0017】
次に、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えたことを特徴とするものであり、例えば、ビデオカメラに用いられるビューファインダ、携帯電話機、ノート型コンピュータ、ビデオプロジェクタ等が該当する。
【0018】
次に、本発明に係る電気光学パネルの駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備え、前記各データ線には行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続される電気光学パネルの駆動方法であって、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、前記データ線は行方向に続く第1乃至第3データ線で1組となっており、前記一方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線及び前記第2データ線に前記第2データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第1データ線のみに前記第1データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記一方の走査線を選択した状態で、前記第3データ線に前記第3データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記他方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線に前記第1データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、前記他方の走査線を選択した状態で、前記第2データ線及び前記第3データ線に前記第2データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第3データ線のみに前記第3データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給することが好ましい。
【0019】
この駆動方法によれば、データ線を共有化した電気光学パネルにおいて、走査線の選択とデータ線の選択に応じて、各画素電極に画像信号を適切に供給することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<1.実施形態>
<1−1:液晶装置の全体構成>
まず、本発明に係る電気光学装置として、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を一例にとって説明する。液晶装置は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。
【0021】
図1は実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。この液晶装置は、液晶パネルAA、走査線駆動回路100、画像信号出力回路200、タイミング発生回路400および画像処理回路300を備える。液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、データ線選択回路群500、及び制御線L1〜L3を備える。データ線選択回路群500はTFTにより構成されており、画像表示領域AにおけるTFTと同一のプロセスで同時に形成される。
【0022】
この液晶装置に供給される入力画像データDinは、例えば、3ビットパラレルの形式である。タイミング発生回路400は、入力画像データDに同期してYクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB、及びY転送開始パルスDYを生成して、走査線駆動回路100に供給する。また、タイミング発生回路400は、入力画像データDinに同期してXクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、及びX転送開始パルスDXを生成して、画像信号出力回路200に供給する。さらに、タイミング発生回路400は、画像処理回路300を制御する各種のタイミング信号を生成し、これを出力する。
【0023】
画像処理回路300は、入力画像データDinに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施して出力画像データDoutを生成し、これを画像信号出力回路200に供給する。画像信号出力回路200は、240個の出力端子を有し、各出力端子から画像信号SEG1〜SEG240を出力する。各画像信号SEG1〜SEG240には2本のデータ線3に供給すべき信号が時分割多重されている。
【0024】
<1−2:液晶パネルの構成>
図2に、液晶パネルAAの電気的構成を示す。この図に示すように画像表示領域Aには、2本を1組とする走査線2が320組、X方向に沿って平行に形成されている。また、画像表示領域Aには、3本を1組とするデータ線3が120組、Y方向に沿って平行に形成されている。走査線2とデータ線3との交差付近においては、TFT50のゲートが走査線2に接続される一方、TFT50のソースがデータ線3に接続されるとともに、TFT50のドレインが画素電極6に接続される。そして、各画素は、画素電極6と、対向基板に形成される対向電極(後述する)と、これら両電極間に挟持された液晶とによって構成される。この結果、走査線2とデータ線3との各交差に対応して、画素はマトリクス状に配列されることとなる。
【0025】
この例の画素は、Y方向に沿って、赤(R)を表示する画素、緑(G)を表示する画素、及び青(B)を表示する画素がストライプ状に配列されている。以下の説明では、個々の画素をサブ画素Psと称し、R画素Psr、G画素Psg、及びB画素Psbの組をメイン画素Pmと称する。画像表示領域Aには、X方向に240個のメイン画素Pmが配列され、Y方向に320個のメイン画素Pmが配列されている。なお、図2に示す例では、作図の都合上、各サブ画素を正方形で示してあるが、実際の液晶パネルAAにおいては、メイン画素Pmの形状が正方形となるにように各サブ画素Psの形状は縦長となっている。
【0026】
そして、各行に配列されるサブ画素Psは1サブ画素Psおきに2本の走査線2と交互に接続されている。例えば、左上隅のメイン画素Pm(Pm1とする)及びその右隣のメイン画素Pm(Pm2とする)に着目すると、第1番目の走査線2−1Aには、メイン画素Pm1のR画素Psr1及びB画素Psb1、並びにメイン画素Pm2の及びG画素Psg2が接続されている。一方、第2番目の走査線2−1Bには、メイン画素Pm1のG画素Psg1、並びにメイン画素Pm2のR画素Psr2及びB画素Psb2が接続されている。つまり、1行当たり2本の走査線2の組が形成され、画像表示領域A全体としては、320組・640本の走査線2が形成されている。
【0027】
また、1本のデータ線3当たり2列のサブ画素Psが形成され、画像表示領域A全体としては、360本のデータ線3が形成される。各データ線3には、行方向に隣接する2個のサブ画素Psが接続されている。すなわち、隣接するサブ画素Psでデータ線3の共有化が図られている。この例では、R画素Psr1及びG画素Psg1がデータ線3を共有し、B画素Psb1及びR画素Psr2がデータ線3Bを共有し、G画素Psg2及びB画素Psb2がデータ線3Cを共有する。データ線3A(第1データ線)、データ線3B(第2データ線)、及びデータ線3Cは組を構成する。
【0028】
また、行方向に隣接する2個のTFT50は組を構成し、走査線2は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のTFT50のゲートと接続されている。そして、隣接する2個のTFT50が1本のデータ線3に接続されることによって、データ線3の共有化が図られている。
【0029】
次に、データ線選択回路群500は、120個のマルチプレクサ(データ線選択回路)U1〜U120を備える。各マルチプレクサU1〜U120は、2個の入力端子IN1及びIN2、3個の出力端子OUT1、OUT2及びOUT3、並びに2個のスイッチ回路SWGB及びSWRGを各々有する。そして、出力端子OUT1及びOUT2の間にスイッチ回路SWGBが接続され、出力端子OUT2及びOUT3の間にスイッチ回路SWRBが接続されている。そして、出力端子OUT1にはデータ線3Aと入力端子IN1とが接続され、出力端子OUT2はデータ線3Bとスイッチ回路SWGB及びSWRGの接続点と接続され、さらに、出力端子OUT3にはデータ線3Cと入力端子IN2が接続される。
【0030】
スイッチ回路SWGB及びSWRGは、制御線L1及びL2を介して供給される選択信号GBSE及びRGSEによってオン・オフが各々制御される。ここで、各画像信号SEG1〜SEG240は、データ線3に供給すべき信号が時分割多重されたものであり、これらがスイッチ回路SWGB及びSWRGによってサンプリングされ或いは直接、データ線信号X1〜X360として各データ線3に供給される。
【0031】
<1−3:液晶パネルの駆動>
図3に、液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートを示す。この図に示すように、対向電極の電位であるコモン電位は、2水平走査期間を1周期として、1水平走査期間毎に高電位と低電位との間で切り替わる。
【0032】
1水平走査期間は、分割された5つの期間からなる。奇数番目の画像信号SEG1、SEG3、…、SEG239(第1画像信号)の信号レベルは、期間TaにおいてB画素Psb1に供給すべき信号レベル、期間TbにおいてR画素Psr1に供給すべき信号レベル、期間Tc及び期間TdにおいてはG画素Psg1に供給すべき信号レベルとなる。一方、偶数番目の画像信号SEG2、SEG4、…、SEG240(第2画像信号)の信号レベルは、期間Ta及び期間TbにおいてG画素Psg2に供給すべき信号レベル、期間TcにおいてR画素Psr2に供給すべき信号レベル、期間TTdにおいてB画素Psb2に供給すべき信号レベルとなる。
【0033】
そして、期間Teにおいては、画像信号出力回路200から総ての画像信号SEG1〜SEG240の出力が禁止され、画像信号出力回路200の各出力端子はハイインピーダンス状態となる。具体的には、画像信号出力回路200の各出力端子にはスイッチが設けられおり、期間Teにおいて各スイッチがオフ状態となる。当該期間Teにおいて、コモン電位が切り替わる。従って、コモン電位が低電位と高電位との間で遷移する反転期間において、対向電極158とデータ線3との間の寄生容量を概ね零とすることができる。このため、対向電極158の容量性負荷が低減するから、対向電極158を駆動する駆動回路の消費電力を低減することができる。くわえて、対向電極の容量性負荷が軽減されるのでコモン電位の電位応答が速くなり反転期間の短縮をさせることができる。反転期間の短縮分は画像信号の書き込み時間に割り当てることが可能である。
【0034】
次に、第n番目の行に対応する1対の走査線2−nA及び走査線2−nBに供給される走査信号をGnA及びGnBとし、第n+1番目の行に対応する1対の走査線2−n+1A及び走査線2−n+1Bに供給される走査信号をGn+1A及びGn+1Bとする。走査線2−nA及び走査線2−nBは組を構成し、走査線2−nAが一方の走査線に走査線2−nBが他方の走査線に相当する。
【0035】
n番目の水平走査期間の後半において、走査信号GnBがアクティブになると、走査線2−nBが選択状態となり、G画素Psg1、R画素Psr2、及びB画素Psb2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間Tcにおいて選択信号RGSEがアクティブ(ハイレベル)となると、スイッチ回路SWRGがオン状態となる。このとき、画像信号R2がデータ線3B及び3Cに供給される。
【0036】
そして、時刻t3において、選択信号RGSEが非アクティブ(ローレベル)となると、スイッチ回路SWRGがオフ状態となり、データ線3Bはハイインピーダンス状態となる。このため、時刻t3において、R画素Psr2に取り込まれる電位が確定し、画像信号R2がR画素Psr2へ書き込まれる。
【0037】
次に、期間Tdにおいて、選択信号GBSE及びRGSEは非アクティブとなる。このため、スイッチ回路SWGB及びSWRGはオフ状態となる。但し、入力端子IN1及びIN2は、出力端子OUT1及びOUT3を介して、データ線3A及び3Cに各々接続されているから、データ線3Aには画像信号G1が供給される一方、データ線3Cには画像信号B2が供給される。
【0038】
そして、時刻t4において、走査信号GnBが非アクティブになると、G画素Psg1及びB画素Psb2に取り込まれる電位が確定し、画像信号G1がG画素Psg1へ書き込まれるとともに画像信号B2がB画素Psb2へ書き込まれる。そして、n+1番目の水平走査期間においてもn番目の水平走査期間と同様にデータ線3の選択及び画像信号のサンプリングが実行される。
【0039】
換言すれば、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線2を選択し、その後半期間に組を構成する他方の走査線2を選択する。また、前半期間においてマルチプレクサU1〜U120の入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を一方のデータ線2に各々供給し、後半期間において入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を他方のデータ線3に各々供給する。つまり、マルチプレクサU1〜U120において水平走査期間中に各出力端子を順次選択する動作が2回実行され、最初の動作時に一方の走査線2に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれ、次の動作時に他方の走査線2に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれる。
【0040】
このように本実施形態においては、各マルチプレクサU1〜U120の各出力端子には2本のデータ線3の組が接続されるから、マルチプレクサの出力端子数はデータ線数の半分で済む。このため、スイッチ回路の数を大幅に減らすことができ、さらに、スイッチ回路を制御するための制御線の本数を減らすことができる。
【0041】
<1−4:液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図5は、図4におけるZ−Z’線断面図である。
【0042】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極6等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、共通電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶155を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶155を封入するために一部が開口している。このため、液晶155の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0043】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、複数の接続電極157が形成されて、画像信号出力回路2500からの画像信号SEG1〜SEG120や各種信号を入力する構成となっている。画像信号出力回路200、走査線駆動回路100等の周辺回路は、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装されているが、駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い、さらには、素子基板151上に形成してもよい。
【0044】
対向基板152の共通電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。そして、導通材を介してコモン電位VCOMが供給されるようになっている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0045】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶155として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0046】
<2.応用例>
<2−1:素子基板の構成など>
上述した各実施形態においては、液晶パネルAAの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子(TFT50)を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0047】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極6をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極6を反射型にしても良い。また、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0048】
<2−2:電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
<2−2−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図6は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0049】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0050】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0051】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0052】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0053】
<2−2−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図7は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0054】
<2−2−3:携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図8は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0055】
なお、図6〜図8を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同装置に用いる液晶パネルAAの電気的構成を示す回路図である。
【図3】同液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートである。
【図4】同液晶パネルAAの構造を説明するための斜視図である。
【図5】同液晶パネルAAの構造を説明するための一部断面図である。
【図6】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるビデオプロジェクタの断面図である。
【図7】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図8】同液晶装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…走査線、3…データ線、6…画素電極、50…TFT、100…走査線駆動回路、200…画像信号出力回路、500…データ線選択回路群、U1〜U120…データ線選択回路、L1、L2…制御線、SWRG,SWGB…スイッチ回路、RGSE、GBSE…選択信号。
Claims (10)
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に対応して配置されたスイッチング素子、とを備える電気光学パネルであって、
前記各データ線には、行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々電気的に接続されており、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方の前記スイッチング素子と電気的に接続され、
行方向に続いて配置される第1乃至第3データ線の組に対応して各々設けられ、第1画像信号と第2画像信号とを前記第1乃至第3データ線に振り分けて出力するデータ線選択回路を備え、
前記データ線選択回路は、選択信号に基づいて動作し、前記一方の走査線が選択されている期間中、前記第1画像信号を前記第1データ線及び前記第2データ線に出力した後、前記第2データ線への前記第1画像信号の出力を停止すると共に前記第2画像信号を前記第3データ線に出力し、前記他方の走査線が選択されている期間中に、前記第2画像信号を前記第2データ線及び前記第3データ線へ出力した後、前記第2データ線への前記第2画像信号の出力を停止すると共に前記第1画像信号を前記第1データへ出力する
ことを特徴とする電気光学パネル。 - 前記データ線選択回路は、
前記第1画像信号が供給される第1入力端子及び前記第2画像信号が供給される第2入力端子と、
前記第1データ線及び前記第1入力端子と接続される第1出力端子、前記第2データ線と接続される第2出力端子、並びに前記第3データ線及び前記第2入力端子と接続される第3出力端子と、
前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に設けられた第1スイッチ回路と、
前記第2出力端子と前記第3出力端子との間に設けられた第2スイッチ回路とを備え、
前記選択信号に基づいて、前記第1及び第2スイッチ回路のオン・オフが制御される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学パネル。 - 前記選択信号は、第1制御信号と第2制御信号とを含み、
前記第1スイッチ回路は、前記第1制御信号に基づいてオン・オフが制御され、
前記第2スイッチ回路は、前記第2制御信号に基づいてオン・オフが制御され、
前記第1制御信号を供給する第1制御線と、
前記第2制御信号を供給する第2制御線と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電気光学パネル。 - 請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載した電気光学パネルと、
水平走査期間毎に前記走査線の組を順次選択し、当該水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択し、後半期間に当該組を構成する他方の走査線を選択する走査線駆動回路と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項3に記載した電気光学パネルと、タイミング制御回路を備え、
前記タイミング制御回路は、
前記一方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオフ状態にするように前記第2制御信号を生成し、
前記他方の走査線が選択されている期間において、前記第1スイッチ回路をオフ状態にするように前記第1制御信号を生成し、且つ、前記第2スイッチ回路をオン状態にした後、オフ状態にするように前記第2制御信号を生成する
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記第1画像信号と前記第2画像信号を生成する画像信号出力回路を備え、
前記画像信号出力回路は、
前記一方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第1スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第1画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、
前記第1スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記一方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、
前記一方の走査線が選択状態にある期間において、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、
前記他方の走査線が選択状態にある期間において、前記第1画像信号として前記第1データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、
前記他方の走査線が選択状態にあり、且つ、前記第2スイッチ回路がオン状態となる期間において、前記第2画像信号として前記第2データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成し、
前記第2スイッチ回路がオン状態からオフ状態へ切り替わった後で、且つ、前記他方の走査線の選択状態が終了する前に、前記第2画像信号として前記第3データ線に電気的に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。 - 前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極を備えた請求項2又は3に記載した電気光学パネルと、
前記第1及び第2入力端子へ前記第1及び第2画像信号を各々供給すると共に、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線選択回路の前記第1及び第2入力端子をハイインピーダンス状態とする画像信号出力回路と、
を備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項4乃至7のうちいずれか1項に記載した電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備え、前記各データ線には行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続される電気光学パネルの駆動方法であって、
前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、前記データ線は行方向に続く第1乃至第3データ線で1組となっており、
前記一方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線及び前記第2データ線に前記第2データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第1データ線のみに前記第1データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、
前記一方の走査線を選択した状態で、前記第3データ線に前記第3データ線に接続される前記一方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、
前記他方の走査線を選択した状態で、前記第1データ線に前記第1データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給し、
前記他方の走査線を選択した状態で、前記第2データ線及び前記第3データ線に前記第2データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給した後、前記第3データ線のみに前記第3データ線に接続される前記他方のスイッチング素子を介して前記画素電極に書き込むべき画像信号を供給する
ことを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。 - 前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線への前記画像信号の供給を停止することを特徴とする請求項9に記載の電気光学パネルの駆動方法。
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JP2008070763A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Hitachi Displays Ltd | 液晶表示装置 |
CN103809313A (zh) * | 2012-11-06 | 2014-05-21 | 乐金显示有限公司 | 液晶显示装置及其驱动方法 |
WO2015100809A1 (zh) * | 2013-12-30 | 2015-07-09 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 双栅面板内嵌式触控装置 |
JP2015141402A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 表示装置 |
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- 2003-02-06 JP JP2003029572A patent/JP2004240192A/ja not_active Withdrawn
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