JP2004233447A - 電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成のデータ線選択回路を提供する。
【解決手段】データ線選択回路U1〜U120は、3個のスイッチ回路SWRG,SWBR,及びSWGBを備える。各スイッチ回路の一方の端子は入力端子に接続されており、他方の端子は各出力端子に各々接続されている。出力端子には2本を1組とするデータ線3の組が接続されている。走査線2は1行に2本が割り当てられており組を構成する。組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学パネル及びその駆動方法、電気光学装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学物質として液晶を用いる液晶パネルとしてアクティブマトリックス型のものがある。この液晶パネルは、複数の走査線と複数のデータ線を備え、データ線と走査線の交差に対応して、画素がマトリックス状に配置されている。画素は、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する)、画素電極、液晶、及び画素電極と液晶を挟んで対向する対向電極を備える。走査線が順次選択されると、当該走査線に接続されているTFTがオン状態となり、データ線に供給される画像信号が画素に取り込まれ、電荷が液晶容量に蓄積される。
【0003】
液晶パネルの駆動回路は、データ線や走査線などに、画像信号や走査信号を所定タイミングで供給するための走査線駆動回路や画像信号出力回路などから構成されている。このような画像信号出力回路として、n本のデータ線毎に画像信号を生成するものがある。そして、特許文献1には、n本のデータ線毎にn対1のマルチプレクサを各々設け1本のデータ線を選択することによって画像信号を各データ線に供給する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−74839号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマルチプレクサは、1つのデータ線にスイッチを介して他のデータ線が接続されるから、n−1個のスイッチが必要となる。また、各スイッチを制御するためにn−1本の制御線を液晶パネルに形成する必要がある。このため、従来の技術には、マルチプレクサを構成するスイッチの数が多く、さらに、制御線の本数が多いといった問題があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、マルチプレクサを構成するスイッチ数、及び制御線の本数を低減させた電気光学パネル等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学パネルは、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備えるものであって、前記走査線は2本で1組となっており、前記データ線は2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方のデータ線に接続される前記スイッチング素子の制御端子と接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方のデータ線に接続される前記スイッチング素子の制御端子と接続され、画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線の各組と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、データ線選択回路の各出力端子には2本のデータ線が接続されることになるが、このうち一方のデータ線に接続されるスイッチング素子は一方の走査線によって接続状態が制御され、他方のデータ線に接続されるスイッチング素子は他方の走査線によって接続状態が制御される。従って、各スイッチング素子を介して画像信号を書き込むことが可能である。データ線選択回路の出力端子数はデータ線数の半分で済むので、その回路構成を簡単なものにすることができる。なお、スイッチング素子は、例えば、TFTなどによって構成することができる。また、電気光学物質は、電気的に透過率を調整可能な液晶の他、電気的に発光量を調整可能なエレクトロルミネッセンス素子が含まれる。
【0009】
また、本発明に係る他の電気光学パネルは、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備えるものであって、前記各データ線には、行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続されており、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方の前記スイッチング素子の制御端子と接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方の前記スイッチング素子の制御端子と接続され、画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、各データ線には、行方向に隣接する2個のスイッチング素子の組が各々接続されているが、そのうち一方のスイッチング素子は一方の走査線によってオン・オフが制御され、他方のスイッチング素子は他方の走査線によってオン・オフが制御される。従って、各スイッチング素子を介して画像信号を書き込むことが可能である。また、データ線の本数自体を半減させることができ、これに伴ってデータ線選択回路の数を大幅に低減することが可能となる。
【0011】
上述した電気光学パネルにおいて、前記データ線選択回路は、前記入力端子と前記複数の出力端子との間に各々設けられた複数のスイッチ回路を備えることが好ましい。この場合には、出力端子数の減少又はデータ線選択回路の数の削減に伴って、パネル全体として用いられるスイッチ回路の数を大幅に減らすことが可能となる。
【0012】
また、上述した電気光学パネルにおいて、前記データ線選択回路は、前記複数の出力端子の一つと前記入力端子とを接続する配線と、他の出力端子と前記入力端子との間に各々設けられた一又は複数のスイッチ回路とを備えることが好ましい。この場合にはスイッチ回路の数をより一層削減することができる。
【0013】
さらに、前記選択信号は前記各スイッチ回路のオン・オフを制御する各制御信号を含み、前記各データ線選択回路に前記各制御信号を供給する各制御線を備えたとことを特徴とする。この場合には、スイッチ回路の数に応じた制御線を電気光学パネルに形成する必要があるが、スイッチ回路の削減に伴って制御線の数も削減することができる。
【0014】
次に、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、水平走査期間毎に前記走査線の組を順次選択し、当該水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択し、後半期間に当該組を構成する他方の走査線を選択する走査線駆動回路とを備えることを特徴とする。この場合には、1水平走査期間中に2本の走査線が順次選択されることになる。
【0015】
次に、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記複数のスイッチ回路をオフ状態とする前記選択信号を生成して前記各データ線選択回路に供給する制御回路と、を備えることが好ましい。この場合には、対向電極電位の遷移期間において、各データ線はフローティング状態になるので、対向電極とデータ線との間で発生する容量性負荷を概ね零にすることができ、対向電極の駆動に要する消費電力を削減することができる。また、遷移期間を短縮することができ、その短縮分を画像信号の書き込み期間に割り当てることもできる。
【0016】
次に、本発明に係る電気光学装置は、上述した電気光学パネルと、前記各データ線選択回路の各入力端子へ前記画像信号を各々供給するとともに、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線選択回路の前記入力端子をハイインピーダンス状態とする画像信号出力回路とを備えることが好ましい。この場合には、データ線選択回路の入力端子がハイインピーダンス状態となるから、データ線選択回路中に入力端子と所定の出力端子とを短絡する配線が存在しても、対向電極電位の遷移期間において、各データ線を各データ線はフローティング状態になる。従って、当該遷移期間において対向電極とデータ線との間で発生する容量性負荷を概ね零にすることができ、対向電極の駆動に要する消費電力を削減することができる。また、遷移期間を短縮することができ、その短縮分を画像信号の書き込み期間に割り当てることもできる。
【0017】
次に、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学パネルを備えたことを特徴とするものであり、例えば、ビデオカメラに用いられるビューファインダ、携帯電話機、ノート型コンピュータ、ビデオプロジェクタ等が該当する。
【0018】
次に、本発明に係る電気光学パネルの駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極と、画像信号が供給される1個の入力端子と2本で1組となる前記データ線の各組と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路とを備える電気光学パネルを駆動する方法であって、前記走査線は2本で1組となっており、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択して組を構成する一方のデータ線に接続される前記スイッチング素子をオン状態にし、当該水平走査期間の後半期間に組を構成する他方の走査線を選択して組を構成する他方のデータ線に接続される前記スイッチング素子をオン状態にし、前記水平走査期間の前半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して画像信号を前記一方のデータ線に各々供給し、前記水平走査期間の後半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記画像信号を前記他方のデータ線に各々供給するように、前記選択信号を前記各データ線選択回路に供給することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、2本のデータ線が接続されることになるが、このうち2本のデータ線で構成される組のうち一方のデータ線に接続されるスイッチング素子は一方の走査線によって接続状態が制御され、他方のデータ線に接続されるスイッチング素子は他方の走査線によって接続状態が制御される。従って、データ線数の半分の出力端子数を有するデータ線選択回路を用いて、画像信号を所望の画素電極に引加することが可能となる。
【0020】
また、本発明に係る他の電気光学パネルの駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極と、画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線と各々接続される複数の出力端子とを有するとともに選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路とを備え、前記各データ線には行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続される電気光学パネルを駆動する方法であって、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択して組を構成する一方の前記スイッチング素子をオン状態にし、当該水平走査期間の後半期間に組を構成する他方の走査線を選択して組を構成する他方の前記スイッチング素子をオン状態にし、前記水平走査期間の前半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記一方の前記スイッチング素子に供給すべき画像信号を前記データ線に供給し、前記水平走査期間の後半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記他方の前記スイッチング素子に供給すべき画像信号を前記データ線に供給するように、前記選択信号を前記各データ線選択回路に供給することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、各データ線には、行方向に隣接する2個のスイッチング素子の組が各々接続されているが、そのうち一方のスイッチング素子は一方の走査線によってオン・オフが制御され、他方のスイッチング素子は他方の走査線によってオン・オフが制御される。従って、各スイッチング素子を介して画像信号を書き込むことが可能である。
【0022】
ここで、上述した電気光学パネルの駆動方法は、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記各データ線選択回路の出力端子をハイインピーダンス状態とすることが好ましい。この場合には、対向電極電位の遷移期間において、各データ線はフローティング状態になるので、対向電極とデータ線との間で発生する容量性負荷を概ね零にすることができ、対向電極の駆動に要する消費電力を削減することができる。また、遷移期間を短縮することができ、その短縮分を画像信号の書き込み期間に割り当てることもできる。なお、データ線選択回路の出力端子をハイインピーダンス状態とすることには、その入力端子がハイインピーダンス状態になること、及びデータ線選択回路が入力端子と各出力端子との間に各々スイッチ回路を備える場合には、各スイッチ回路をオフ状態にすることが含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<1.第1実施形態>
<1−1:液晶装置の全体構成>
まず、本発明に係る電気光学装置として、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を一例にとって説明する。液晶装置は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。
【0024】
図1は実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。この液晶装置は、液晶パネルAA、走査線駆動回路100、画像信号出力回路200、タイミング発生回路300および画像処理回路400を備える。液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、データ線選択回路群500、及び制御線L1〜L3を備える。データ線選択回路群500はTFTにより構成されており、画像表示領域AにおけるTFTと同一のプロセスで同時に形成される。
【0025】
この液晶装置に供給される入力画像データDinは、例えば、3ビットパラレルの形式である。タイミング発生回路300は、入力画像データDに同期してYクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB、及びY転送開始パルスDYを生成して、走査線駆動回路100に供給する。また、タイミング発生回路300は、入力画像データDinに同期してXクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、及びX転送開始パルスDXを生成して、画像信号出力回路200に供給する。さらに、タイミング発生回路300は、画像処理回路400を制御する各種のタイミング信号を生成し、これを出力する。
【0026】
ここで、Yクロック信号YCKは1周期が2水平走査期間の信号であり、反転Yクロック信号YCKBはYクロック信号YCKを反転したものである。Xクロック信号XCKは、所定周期の信号であり、その1周期がデータ線3の選択期間の2倍となっている。反転Xクロック信号XCKBはXクロック信号XCKを反転したものである。また、Y転送開始パルスDYは走査線2の選択開始を指示するパルスであり、一方、X転送開始パルスDXはデータ線3の選択開始を指示するパルスである。
【0027】
画像処理回路300は、入力画像データDinに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施して出力画像データDoutを生成し、これを画像信号出力回路200に供給する。画像信号出力回路200は、120個の出力端子を有し、各出力端子から画像信号SEG1〜SEG120を出力する。各画像信号SEG1〜SEG120には6本のデータ線3に供給すべき信号が含まれる。
【0028】
<1−2:液晶パネルの構成>
図2に、液晶パネルAAの電気的構成を示す。この図に示すように画像表示領域Aには、2本を1組とする走査線2が320組、X方向に沿って平行に形成されている。また、画像表示領域Aには、6本を1組とするデータ線3が120組、Y方向に沿って平行に形成されている。走査線2とデータ線3との交差付近においては、TFT50のゲートが走査線2に接続される一方、TFT50のソースがデータ線3に接続されるとともに、TFT50のドレインが画素電極6に接続される。そして、各画素は、画素電極6と、対向基板に形成される対向電極(後述する)と、これら両電極間に挟持された液晶とによって構成される。この結果、走査線2とデータ線3との各交差に対応して、画素はマトリクス状に配列されることとなる。
【0029】
この例の画素は、Y方向に沿って、赤(R)を表示する画素、緑(G)を表示する画素、及び青(B)を表示する画素がストライプ状に配列されている。以下の説明では、個々の画素をサブ画素Psと称し、R画素Psr、G画素Psg、及びB画素Psbの組をメイン画素Pmと称する。画像表示領域Aには、X方向に240個のメイン画素Pmが配列され、Y方向に320個のメイン画素Pmが配列されている。なお、図2に示す例では、作図の都合上、各サブ画素を正方形で示してあるが、実際の液晶パネルAAにおいては、メイン画素Pmの形状が正方形となるにように各サブ画素Psの形状は縦長となっている。
【0030】
そして、各行に配列されるサブ画素Psは1サブ画素Psおきに2本の走査線2と交互に接続されている。例えば、左上隅のメイン画素Pm(Pm1とする)及びその右隣のメイン画素Pm(Pm2とする)に着目すると、第1番目の走査線2−1Aには、メイン画素Pm1のR画素Psr及びB画素Psb、並びにメイン画素Pm2の及びG画素Psgが接続されている。一方、第2番目の走査線2−1Bには、メイン画素Pm1のG画素Psg、並びにメイン画素Pm2のR画素Psr及びB画素Psbが接続されている。つまり、1行当たり2本の走査線2が形成され、画像表示領域A全体としては、640本の走査線2が形成されている。また、データ線3は各列に1本形成され、画像表示領域A全体としては、720本のデータ線3が形成されている。
【0031】
次に、データ線選択回路群500は、120個のマルチプレクサ(データ線選択回路)U1〜U120を備える。各マルチプレクサU1〜U120は、1個の入力端子、3個の出力端子、並びに3個のスイッチ回路SWRG、SWBR及びSWGBを各々有する。そして、各出力端子が2本のデータ線3に各々接続されている。出力端子に接続される2本のデータ線3は組を構成する。そして、各出力端子とスイッチ回路SWRG、SWBR及びSWGBの一方の端子が接続されている。例えば、マルチプレクサU1において、スイッチ回路SWRGは第1番目及び第2番目のデータ線3の組に、スイッチ回路SWBRは第3番目及び第4番目のデータ線3の組に、スイッチ回路SWGBは第5番目及び第6番目データ線3の組に、各々接続される。即ち、6本のデータ線3毎に1個のマルチプレクサが設けられている。なお、以下の説明においては、各マルチプレクサと接続される6本のデータ線3のうち、左から見て第1番目のデータ線3に対応するR画素をPsr1、第2番目のデータ線3に対応するG画素をPsg1、第3番目のデータ線3に対応するB画素をPsb1、第4番目のデータ線3に対応するR画素をPsr2、第5番目のデータ線3に対応するG画素をPsg2、第6番目のデータ線3に対応するB画素をPsb2と称する。
【0032】
スイッチ回路SWRG、SWBR及びSWGBは、制御線L1〜L3を介して供給される選択信号RGSE、BRSE及びGBSEによってオン・オフが制御される。また、各スイッチ回路SWRG、SWBR及びSWGBにおいて、データ線3と反対側の端子はマルチプレクサの入力端子と各々接続される。この入力端子には、画像信号が供給される。ここで、各画像信号SEG1〜SEG120は、6本のデータ線3に供給すべき信号が時分割多重されたものであり、これらがスイッチ回路SWRG、SWBR及びSWGBによってサンプリングされ、データ線信号X1〜X720として各データ線3に供給される。
【0033】
ところで、本実施形態においては、2本で1組のデータ線3が各マルチプレクサの各出力端子に接続されているから、組を構成するデータ線3の電位は同一となる。従って、データ線3の電位をサブ画素Psに取り込む期間を異ならせる必要がある。このため、走査線2は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線2は組を構成する一方のデータ線3に接続されるTFT50のゲート(制御端子)と接続され、組を構成する他方の走査線2は組を構成する他方のデータ線3に接続されるTFT50のゲートと接続されている。
【0034】
<1−3:液晶パネルの駆動>
図3に、液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートを示す。この図に示すように、対向電極の電位であるコモン電位は、2水平走査期間を1周期として、1水平走査期間毎に高電位と低電位との間で切り替わる。
【0035】
1水平走査期間は、分割された7つの期間からなる。画像信号SEG1〜SEG120の信号レベルは、期間TR1においてR画素Psr1に供給すべき信号レベル、期間TB1においてB画素Psb1に供給すべき信号レベル、期間TG2においてG画素Psg2に供給すべき信号レベル、期間TG1においてG画素Psg1に供給すべき信号レベル、期間TR2においてR画素Psr2に供給すべき信号レベル、期間TB2においてB画素Psb2に供給すべき信号レベルとなる。また、期間INV中にコモン電位が切り替わる。
【0036】
期間INVにおいては、総ての選択信号RGSE、BRSE、及びGBSEが非アクティブ(ローレベル)となっているから、総てのスイッチ回路SWRG、SWBR、及びSWGBがオフ状態となる。従って、コモン電位が低電位と高電位との間で遷移する反転期間において、対向電極158とデータ線3との間の寄生容量を概ね零とすることができる。このため、対向電極158の容量性負荷が低減するから、対向電極158を駆動する駆動回路の消費電力を低減することができる。くわえて、コモン電位の電位応答が速くなり反転期間の短縮をさせることができる。反転期間の短縮分は画像信号の書き込み時間に割り当てることが可能である。
【0037】
第n番目の行に対応する1対の走査線2−nA及び走査線2−nBに供給される走査信号をGnA及びGnBとし、第n+1番目の行に対応する1対の走査線2−n+1A及び走査線2−n+1Bに供給される走査信号をGn+1A及びGn+1Bとする。走査線2−nA及び走査線2−nBは組を構成し、走査線2−nAが一方の走査線に走査線2−nBが他方の走査線に相当する。
【0038】
この場合、n番目の水平走査期間の前半において、走査信号GnAがアクティブとなり、その後半において走査信号GnBがアクティブとなる。n番目の水平走査期間の前半においては走査線2−nAが選択状態となり、R画素Psr1、B画素Psb1、及びG画素Psg2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間TR1において選択信号RGSEがアクティブとなると、画像信号R1がサンプリングされてR画素Psr1に書き込まれる。次に、期間TB1において選択信号BRSEがアクティブとなると、画像信号B1がサンプリングされてB画素Psb1に書き込まれる。次に、期間TG2において選択信号GBSEがアクティブとなると、画像信号G2がサンプリングされてG画素Psg2に書き込まれる。
【0039】
n番目の水平走査期間の後半においては走査線2−nBが選択状態となり、G画素Psg1、R画素Psr2、及びB画素Psb2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間TG1において選択信号RGSEがアクティブとなると、画像信号G1がサンプリングされてG画素Psg1に書き込まれる。次に、期間TR2において選択信号BRSEがアクティブとなると、画像信号R2がサンプリングされてR画素Psr2に書き込まれる。次に、期間TB2において選択信号GBSEがアクティブとなると、画像信号B2がサンプリングされてB画素Psb2に書き込まれる。そして、n+1番目の水平走査期間においてもn番目の水平走査期間と同様にデータ線3の選択及び画像信号のサンプリングが実行される。
【0040】
換言すれば、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線3を選択し、その後半期間に組を構成する他方の走査線3を選択する。また、前半期間においてマルチプレクサU1〜U120の入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を一方のデータ線2に各々供給し、後半期間において入力端子と複数の出力端子とを順次接続して画像信号を他方のデータ線2に各々供給する。つまり、マルチプレクサU1〜U120において水平走査期間中に各出力端子を順次選択する動作が2回実行され、最初の動作時に一方の走査線3に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれ、次の動作時に他方の走査線3に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれる。
【0041】
このように本実施形態においては、各マルチプレクサU1〜U120の各出力端子には2本のデータ線3の組が接続されるから、マルチプレクサの出力端子数はデータ線数の半分で済む。このため、スイッチ回路の数を大幅に減らすことができ、さらに、スイッチ回路を制御するための制御線の本数を減らすことができる。
【0042】
<1−4:液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図5は、図4におけるZ−Z’線断面図である。
【0043】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極6等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、共通電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶155を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶155を封入するために一部が開口している。このため、液晶155の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0044】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、複数の接続電極157が形成されて、画像信号出力回路500からの画像信号SEG1〜SEG120や各種信号を入力する構成となっている。画像信号出力回路200、走査線駆動回路100等の周辺回路は、例えば、TAB(TapeAutomated Bonding)技術を用いてフィルムに実装されているが、駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い、さらには、素子基板151上に形成してもよい。
【0045】
対向基板152の共通電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。そして、導通材を介してコモン電位VCOMが供給されるようになっている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0046】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶155として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0047】
<2.第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係る液晶パネルAAの回路図である。第2実施形態に係る液晶装置は、データ線選択回路200のマルチプレクサU1〜U120においてスイッチ回路SWGBを省略した点及び制御線L3を省略した点を除いて、第1実施形態の液晶装置と同様に構成されている。この場合、入力端子Tinと出力端子Toutは配線Lによって接続される。
【0048】
図7に、第2実施形態に係る液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートを示す。n番目の水平走査期間の前半において走査信号GnAがアクティブとなると、走査線2−nAが選択状態となり、R画素Psr1、B画素Psb1、及びG画素Psg2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間TR1において画像信号R1がスイッチ回路SWRGによってサンプリングされてR画素Psr1に書き込まれ、次に、期間TB1において画像信号B1がスイッチ回路SWBRによってサンプリングされてB画素Psb1に書き込まれる。
【0049】
そして、期間TG2においては、スイッチ回路SWRG及びスイッチ回路SWBRがオフ状態となる。一方、当該期間において画像信号G2が、図6に示すデータ線3g及び3bに供給される。このとき、走査線2−nAは選択状態にある一方、走査線2−nBは非選択状態である。従って、G画素Psg2に画像信号G2が書き込まれる。そして、図7に示す走査信号GnAがハイレベルからローレベルに遷移すると、G画素Psg2のTFT50がオン状態からオフ状態に移行してG画素Psg2への書き込みが確定する。
【0050】
n番目の水平走査期間の後半において走査信号GnBがアクティブとなると、走査線2−nBが選択状態となり、G画素Psg1、R画素Psr2、及びB画素Psb2を構成するTFT50がオン状態となる。まず、期間TG1において選択信号RGSEがアクティブとなると、画像信号G1がサンプリングされてG画素Psg1に書き込まれる。次に、期間TR2において選択信号BRSEがアクティブとなると、画像信号R2がサンプリングされてR画素Psr2に書き込まれる。
【0051】
そして、期間TB2においては、スイッチ回路SWRG及びスイッチ回路SWBRがオフ状態となる。一方、当該期間において画像信号B2が、図6に示すデータ線3g及び3bに供給される。このとき、走査線2−nBは選択状態にある一方、走査線2−nAは非選択状態である。従って、B画素Psb2に画像信号B2が書き込まれる。そして、図7に示す走査信号GnBがハイレベルからローレベルに遷移すると、B画素Psb2のTFT50がオン状態からオフ状態に移行してB画素Psb2への書き込みが確定する。
【0052】
このように本実施形態においては、走査信号の立ち下がり波形を利用して、G画素Psg2及びB画素Psb2に書き込む画像信号G2及びB2を確定させたので、マルチプレクサU1〜U120を構成するスイッチ回路の数をより一層低減することができ、さらに、制御線の本数をより一層減らすことができる。
【0053】
<3.第3実施形態>
図8に、第3実施形態に係る液晶パネルAA及びその周辺回路のブロック図を示す。第3実施形態に係る液晶装置は、画像信号出力回路200の内部構成を除いて、第2実施形態の液晶装置と同様に構成されている。第2実施形態に係る画像信号出力回路200は、120個の出力端子を備え、画像信号SEG1〜SEG120をローインピーダンスで出力するものであった。これに対して、第3実施形態の画像信号出力回路200は、各出力端子は出力スイッチSW1〜SW120を介して画像信号SEG1〜SEG120をデータ線選択回路群500に出力する。そして、出力スイッチSW1〜SW120はコモン電位が切り替わる期間においてオフ状態となり、各出力端子がハイインピーダンス状態となるようになっている。
【0054】
図9に第3実施形態に係る液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートを示す。この図に示すように期間INVにおいて画像信号SEG1〜SEG120は禁止され、各出力端子はハイインピーダンス(禁止)となる。すなわち、当該期間において、液晶パネルAAに形成された総てのデータ線3がフローティング状態となる。よって、コモン電位が低電位から高電位へと遷移する反転期間において、対向電極158とデータ線3との間の寄生容量を概ね零とすることができる。このため、対向電極158の容量性負荷が低減するから、対向電極158を駆動する駆動回路の消費電力を低減することができる。くわえて、コモン電位の電位応答が速くなり反転期間の短縮をさせることができる。反転期間の短縮分は画像信号の書き込み時間に割り当てることが可能である。
【0055】
<4.応用例>
<4−1:データ線の共有>
上述した各実施形態においては、各行に配置される各サブ画素Ps毎にデータ線3を形成した。しかしながら、R画素Psr1とG画素Psg1、B画素Psb1とR画素Psr2、及びG画素Psg2とB画素Psb2への書き込みは、各々同時に実行されることはない。そこで、R画素Psr1とG画素Psg1、B画素Psb1とR画素Psr2、及びG画素Psg2とB画素Psb2の各々でデータ線3を共有してもよい。
【0056】
図10は第1実施形態の液晶パネルにデータ線3の共有化を適用した液晶パネルのブロック図であり、図11は第2実施形態の液晶パネルにデータ線3の共有化を適用した液晶パネルのブロック図であり、図12は第3実施形態の液晶パネル及び周辺回路にデータ線3の共有化を適用した液晶パネルのブロック図である。
【0057】
これらの図に示すように、マルチプレクサU1〜U120を構成する各スイッチ回路SWRG、SWBR、及びSWGBには、各々1本のデータ線3が接続されており、データ線3の共有化が図れている。具体的には、各データ線2には、行方向に隣接する2個のTFT50の組が各々接続されている。また、走査線3は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方のTFT50のゲートと接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方のTFT50のゲートと接続されている。なお、各構成のタイミングチャートは上述した各実施形態で説明した図3、7及び図9と同様であるので、その詳細な説明は省略するが、動作の概要は以下の通りである。
【0058】
まず、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線3を選択し、その後半期間に組を構成する他方の走査線3を選択する。また、マルチプレクサU1〜U120では、水平走査期間の前半期間において入力端子と複数の出力端子とを順次接続して一方のTFT50に供給すべき画像信号をデータ線2に供給し、その後半期間において入力端子と複数の出力端子とを順次接続して他方のTFT50に供給すべき画像信号を同じデータ線2に供給する。つまり、マルチプレクサU1〜U120において水平走査期間中に各出力端子を順次選択する動作が2回実行され、最初の動作時に一方の走査線3に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれ、次の動作時に他方の走査線3に接続される各サブ画素Psに画像信号が順次書き込まれる。
【0059】
このようにデータ線3を共有化することによって、配線の交差部が減り回路のレイアウトが容易になる。また、サブ画素Psへの書き込み動作がないデータ線3へ電圧を書き込むといった無駄がなくなり、画像信号出力回路200の消費電力を大幅に低減させることができる。
【0060】
<4−2:素子基板の構成など>
上述した各実施形態においては、液晶パネルAAの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子(TFT50)を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0061】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極6をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極6を反射型にしても良い。
【0062】
また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置として説明したが、これに限られず、STN(Super Twisted Nematic)液晶などを用いたパッシィブ型にも適用可能である。さらに、電気光学材料としては、液晶のほかに、エレクトロルミネッセンス素子などを用いて、その電気光学効果により表示を行う表示装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0063】
<4−3:電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
<4−3−1:プロジェクタ>
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図13は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0064】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0065】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0066】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0067】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0068】
<4−3−2:モバイル型コンピュータ>
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図14は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0069】
<4−3−3:携帯電話>
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図15は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0070】
なお、図13〜図15を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同装置に用いる液晶パネルAAの電気的構成を示す回路図である。
【図3】同液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートである。
【図4】同液晶パネルAAの構造を説明するための斜視図である。
【図5】同液晶パネルAAの構造を説明するための一部断面図である。
【図6】第2実施形態に用いる液晶パネルAAの電気的構成を示す回路図である。
【図7】同液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートである。
【図8】第3実施形態に用いる液晶パネルAAの電気的構成及びその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】同液晶パネルAAの駆動波形のタイミングチャートである。
【図10】第1実施形態の液晶パネルAAにデータ線3の共有化を適用した液晶パネルの応用例の構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態の液晶パネルにデータ線3の共有化を適用した液晶パネルの応用例の構成を示すブロック図である。
【図12】第3実施形態の液晶パネル及び周辺回路にデータ線3の共有化を適用した液晶パネルの応用例の構成を示すブロック図である。
【図13】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるビデオプロジェクタの断面図である。
【図14】同液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図15】同液晶装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
2…走査線
3…データ線
6…画素電極
50…TFT
100…走査線駆動回路
200…画像信号出力回路
500…データ線選択回路群
U1〜U120…データ線選択回路
L1〜L3…制御線
SWRG,SWBR,SWGB…スイッチ回路
RGSE、BRSE、GBSE…選択信号
SW1〜SW120…スイッチ

Claims (12)

  1. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備える電気光学パネルであって、
    前記走査線は2本で1組となっており、前記データ線は2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方のデータ線に接続される前記スイッチング素子の制御端子と接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方のデータ線に接続される前記スイッチング素子の制御端子と接続され、
    画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線の各組と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路を
    備えたことを特徴とする電気光学パネル。
  2. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極とを備える電気光学パネルであって、
    前記各データ線には、行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続されており、前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、組を構成する一方の走査線は組を構成する一方の前記スイッチング素子の制御端子と接続され、組を構成する他方の走査線は組を構成する他方の前記スイッチング素子の制御端子と接続され、
    画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路を
    備えたことを特徴とする電気光学パネル。
  3. 前記データ線選択回路は、前記入力端子と前記複数の出力端子との間に各々設けられた複数のスイッチ回路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学パネル。
  4. 前記データ線選択回路は、前記複数の出力端子の一つと前記入力端子とを接続する配線と、他の出力端子と前記入力端子との間に各々設けられた一又は複数のスイッチ回路とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学パネル。
  5. 前記選択信号は前記各スイッチ回路のオン・オフを制御する各制御信号を含み、前記各データ線選択回路に前記各制御信号を供給する各制御線を備えたとことを特徴とする請求項3又は4に記載の電気光学パネル。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載した電気光学パネルと、
    水平走査期間毎に前記走査線の組を順次選択し、当該水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択し、後半期間に当該組を構成する他方の走査線を選択する走査線駆動回路と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項3に記載した電気光学パネルと、
    前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記複数のスイッチ回路をオフ状態とする前記選択信号を生成して前記各データ線選択回路に供給する制御回路と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項4に記載した電気光学パネルと、
    前記各データ線選択回路の各入力端子へ前記画像信号を各々供給するとともに、前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記データ線選択回路の前記入力端子をハイインピーダンス状態とする画像信号出力回路と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項5乃至8のうちいずれか1項に記載した電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極と、画像信号が供給される1個の入力端子と2本で1組となる前記データ線の各組と各々接続される複数の出力端子とを有し、選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路と、を備える電気光学パネルの駆動方法であって、
    前記走査線は2本で1組となっており、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択して組を構成する一方のデータ線に接続される前記スイッチング素子をオン状態にし、当該水平走査期間の後半期間に組を構成する他方の走査線を選択して組を構成する他方のデータ線に接続される前記スイッチング素子をオン状態にし、
    前記水平走査期間の前半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して画像信号を前記一方のデータ線に各々供給し、前記水平走査期間の後半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記画像信号を前記他方のデータ線に各々供給するように、前記選択信号を前記各データ線選択回路に供給する
    ことを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。
  11. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された複数の画素電極と、前記走査線に制御端子が接続され前記データ線と前記画素電極との接続状態を切替えるスイッチング素子と、前記画素電極と電気光学物質を挟んで対向する対向電極と、画像信号が供給される1個の入力端子と前記データ線と各々接続される複数の出力端子とを有するとともに選択信号に基づいて前記入力端子と前記複数の出力端子との接続状態が制御される複数のデータ線選択回路とを備え、前記各データ線には行方向に隣接する2個の前記スイッチング素子の組が各々接続される電気光学パネルの駆動方法であって、
    前記走査線は列方向に隣接する2本で1組となっており、水平走査期間の前半期間に組を構成する一方の走査線を選択して組を構成する一方の前記スイッチング素子をオン状態にし、当該水平走査期間の後半期間に組を構成する他方の走査線を選択して組を構成する他方の前記スイッチング素子をオン状態にし、
    前記水平走査期間の前半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記一方の前記スイッチング素子に供給すべき画像信号を前記データ線に供給し、前記水平走査期間の後半期間において前記入力端子と前記複数の出力端子とを順次接続して前記他方の前記スイッチング素子に供給すべき画像信号を前記データ線に供給するように、前記選択信号を前記各データ線選択回路に供給する
    ことを特徴とする電気光学パネルの駆動方法。
  12. 前記対向電極の電位が低電位と高電位との間で遷移する期間において、前記各データ線選択回路の出力端子をハイインピーダンス状態とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の電気光学パネルの駆動方法。
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