JP2004239071A - 内燃機関および内燃機関の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の気筒C1〜C4内で燃料を燃焼させて動力を発生する内燃機関1は、各気筒C1〜C4のそれぞれに個別に対応するように設けられた複数の燃料噴射弁i1〜i4と、各気筒C1〜C4のそれぞれに設けられた吸気弁Viおよび排気弁Veと、各気筒C1〜C4の吸気弁Viおよび排気弁Veを少なくとも開閉させることができる動弁機構9と、複数の気筒C1〜C4の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を実行することができるECU10とを備え、ECU10は、機関始動時に減筒運転を実行する場合に、すべての休止気筒C1およびC4の吸気弁Viおよび排気弁Veが閉弁されるように動弁機構9を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる減筒運転を実行することができる内燃機関、および、そのような内燃機関の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冷却水温が低い状態にある際に、複数の気筒の一部に対する燃料供給が停止される減筒運転を実行すると共に、燃料供給が停止された休止気筒のうち、一部の気筒の吸気弁および排気弁を閉鎖させる内燃機関が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この内燃機関では、低温状態にある際、吸気弁および排気弁が開かれたままの休止気筒から排出される新気により機関排気中の酸素濃度を高めて、それにより、排気中の有害物質を除去するための触媒における酸化反応を促進させ、当該触媒を早期に活性化させようとしている。
【0003】
ところが、低温状態にある内燃機関では、排気中の酸素濃度を高めたとしても酸素が排気と充分に混ざり合わず、低温の新気により触媒が却って冷却されてしまうのが実情である。従って、このような構成を採用したとしても、触媒を早期に活性化させることは困難であった。また、上述の内燃機関において、低温の新気が触媒に流入するのを防止しようとすれば、精度よくスロットルバルブを閉じる必要が生じる。しかしながら、精度よくスロットルバルブが閉じられたとしても、特に機関始動直後に、気筒内が真空に近くなってしまい、ポンピングロスが増大化してしまう。
【0004】
このため、これらの問題を解消するための技術として、減筒運転に際し、燃料供給が停止される休止気筒に連なる排気管から、バルブを備えた還流通路を介して休止気筒から排出される新気を吸気側に導き、触媒への新気の流入を遮断可能な内燃機関も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−208152号公報
【特許文献2】
特開2000−179329号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、休止気筒から排出される新気を排気側で遮断して触媒への新気の流入を防止する場合、吸気圧が排気圧よりも高まることから、依然としてポンピングロスが発生してしまう。また、休止気筒から排出される新気を吸気側に還流させる場合、所望のトルクを得るためには、スロットルバルブおよび新気還流用バルブの双方の開度を精度よく調整する必要が生じてしまう。更に、触媒に対する新気の流入を断って新気を吸気側に還流させた場合、排気圧は、スロットルバルブや新気還流用バルブの開度変化に伴って変動することになる。そして、スロットルバルブや新気還流用バルブの開度が変化した際、各気筒間において吸気圧および排気圧の変化が行程遅れ分だけズレるため、吸気量が不安定になり、機関の安定した始動や、安定したアイドル状態を得ることが困難となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、ポンピングロスを低減させつつ、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ること、更には、触媒の良好な温度制御を可能にする内燃機関および内燃機関の運転方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による内燃機関は、複数の気筒内で燃料を燃焼させて動力を発生する内燃機関において、複数の気筒のそれぞれに個別に対応するように設けられた複数の燃料供給手段と、複数の気筒のそれぞれに設けられた吸気弁および排気弁と、各気筒の吸気弁および排気弁を少なくとも開閉させることができる動弁機構と、複数の気筒の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を実行することができる制御手段とを備え、この制御手段は、機関始動時に減筒運転を実行する場合に、すべての休止気筒で吸気弁および排気弁が閉弁されるように動弁機構を制御することを特徴とする。
【0009】
この内燃機関は、複数の気筒の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を実行可能なものであり、機関始動時に減筒運転が行われる場合、制御手段によって、すべての休止気筒で吸気弁および排気弁が閉弁されるように動弁機構が制御される。これにより、この内燃機関では、機関始動時に減筒運転が行われる場合、休止気筒を経由する新気の流れが完全に断たれると共に、燃料が供給される運転気筒に関しては、吸気圧と排気圧とが概ね同一となることから、ポンピングロスの発生を極めて効果的に抑制することが可能となる。
【0010】
また、すべての休止気筒で吸気弁および排気弁をすべて閉弁させて休止気筒を経由する新気の流れを完全に断つことにより、スロットルバルブの開度調整のみによって運転気筒に対する新気供給量を設定することができる。更に、休止気筒を経由する新気の流れを完全に断つことにより、吸気量が減少することになるので、機関始動時において運転気筒内の負圧の高まりが抑制される。従って、燃料が供給される運転気筒内に残留するガスの量を低減させて良好な燃焼状態を得ることができる。この結果、この内燃機関では、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ることが可能となる。
【0011】
そして、本発明の内燃機関は、複数の気筒の少なくとも何れか一つからの排気中に含まれる有害物質を除去するための触媒と、触媒の温度を推定する触媒温度推定手段とを更に備えると好ましく、この場合、制御手段は、機関始動時であって触媒温度推定手段によって推定された触媒温度が所定温度以上である場合に、減筒運転を実行する一方、機関始動時であって触媒温度推定手段によって推定された触媒温度が所定温度を下回っている場合に、すべての気筒に対して燃料を供給して全筒運転を実行すると好ましい。
【0012】
一般に、内燃機関は、前回の機関停止から長時間経過した後に再始動されることもあれば、前回の機関停止から比較的短時間のうちに再始動されることもある。また、排気中に含まれる有害物質を除去するための触媒の温度は、前回の機関停止からの経過時間に応じて変化し、前回の機関停止から比較的短時間のうちに内燃機関が再始動される場合、触媒の温度がある程度高いままとなっていることもある。
【0013】
これらの点に鑑みて、この内燃機関では、機関始動時(再始動時)に触媒温度推定手段によって触媒の温度が推定される。そして、機関始動時であって触媒の推定温度が所定温度以上である場合、この内燃機関では、すべての休止気筒の吸気弁および排気弁が閉弁された状態で減筒運転が実行される。これにより、触媒が新気によって冷却されてしまうことはなくなり、触媒を活性温度まで早期に昇温させることができるので、触媒温度を良好に制御して排気中の有害物質を触媒により確実に除去することが可能となる。
【0014】
一方、触媒がある程度冷え切っている状態では、触媒の暖気性や、有害物質の除去性能等の観点から減筒運転を行なうメリットは少ない。従って、この内燃機関では、機関始動時であって触媒の推定温度が所定温度を下回っている場合、すべての気筒に対して燃料が供給される全筒運転が実行されることになる。かかる構成は、間欠運転を行なうことが多い、いわゆるエコラン時において有利であり、また、内燃機関を間欠運転することが多いハイブリッド車両に適用されると有効である。
【0015】
本発明による内燃機関の運転方法は、それぞれ吸気弁および排気弁が備えられた複数の気筒内で燃料を燃焼させて動力を発生する内燃機関の運転方法において、機関始動時に複数の気筒の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を行なう場合に、すべての休止気筒で吸気弁および排気弁を閉弁させることを特徴とする。
【0016】
この場合、機関始動時に、複数の気筒の少なくとも何れか一つからの排気中に含まれる有害物質を除去するための触媒の温度を推定し、機関始動時であって触媒の推定温度が所定温度以上である場合に、減筒運転を実行する一方、機関始動時であって触媒の推定温度が所定温度を下回っている場合に、すべての気筒に対して燃料を供給して全筒運転を実行すると好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による内燃機関および内燃機関の運転方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明による内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、直列4気筒型のガソリンエンジンとして構成されており、車両の走行駆動源として用いられると好適なものである。内燃機関1は、エンジンブロックに形成された第1〜第4の気筒C1,C2,C3およびC4内でガソリン等の燃料と空気との混合気を燃焼させ、ピストンを往復移動させることにより動力を発生する。
【0019】
各気筒C1〜C4の吸気ポートは、吸気マニホールド2の分岐管にそれぞれ接続され、各気筒C1〜C4の排気ポートは、排気マニホールド3の分岐管にそれぞれ接続されている。吸気マニホールド2の各分岐管には、各気筒C1〜C4の吸気ポートに向けて燃料を噴射可能な燃料噴射弁(燃料供給手段)i1〜i4が各気筒C1〜C4に対応するように配設されている。各燃料噴射弁i1〜i4は、図示されない燃料供給源に接続される。また、吸気マニホールド2は、吸気ライン4に接続されており、吸気ライン4には、ドライブバイワイヤ式等のスロットルバルブSが設置されている。
【0020】
一方、排気マニホールド3は、排気ライン5に接続されており、排気ライン5には、排気マニホールド3側から順番に、前段触媒装置6および後段触媒装置7が組み込まれている。前段触媒装置6は、近接三元触媒を含み、後段触媒装置7は、NOx触媒および三元触媒を含むものである。各気筒C1〜C4から各排気弁Veを介して排出される排気中の有害物質は、これらの前段触媒装置6および後段触媒装置7によって除去される。
【0021】
更に、エンジンブロックのシリンダヘッド8には、吸気ポートを開閉する一対の吸気弁Viと、排気ポートを開閉する一対の排気弁Veとが各気筒C1〜C4ごとに配設されている。各気筒C1〜C4の各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、動弁機構9によって開閉させられる。この動弁機構9は、各吸気弁Viおよび各排気弁Veを少なくとも開閉させ得るものであるが、いわゆる可変バルブタイミング機構を含むものであってもよい。
【0022】
上述の燃料噴射弁i1〜i4および動弁機構9は、ECU(制御手段)10に接続されている。ECU10は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および、記憶装置等を含むものである。また、ECU10には、周囲の大気温度を検出する大気温センサ11と、内燃機関1の冷却水温度を検出する水温センサ12とが接続されている。そして、内燃機関1の始動時に、ECU10は、大気温センサ11および水温センサ12からの信号に基づいて、各気筒C1〜C4ごとに設けられた燃料噴射弁i1〜i4からの燃料噴射量と、各吸気弁Viおよび各排気弁Veの開閉動作とを制御する。
【0023】
次に、図2および図3を参照しながら、上述のように構成される内燃機関1の機関始動時における動作について説明する。
【0024】
この場合、イグニッションキー等が操作されて内燃機関1が始動されると、まず、大気温センサ11によって周囲の大気温度Taが検出されると共に、水温センサ12によって内燃機関1の冷却水温度Twが検出される(S10)。そして、大気温センサ11は、大気温度Taを示す信号をECU10に与え、水温センサ12は、冷却水温度Twを示す信号をECU10に与える。
【0025】
大気温センサ11および水温センサ12から信号を受け取ると、ECU10は、検出された大気温度Taおよび冷却水温度Twと、図3に例示されるマップとを用いて、排気ライン5に組み込まれている前段触媒装置6の触媒床温Tcを求める(S12)。
【0026】
すなわち、内燃機関1の冷却水温度Twと前段触媒装置6における触媒床温Tcとは相関関係を有している。また、触媒床温Tcは更に大気温度Taに応じて変化するものであり、大気温度Taが高いほど、触媒床温Tcは上昇する。これらの点を踏まえて、内燃機関1では、冷却水温度Twおよび大気温度Taと触媒床温Tcとの相関関係を規定するマップ(図3)が予め作成されており、ECU10の記憶装置に記憶されている。このようなマップを用いることにより、機関始動時に検出された大気温度Taと冷却水温度Twとから、機関始動時における前段触媒装置6の触媒床温Tcを精度よく推定することができる。
【0027】
ここで、内燃機関1は、前回の機関停止から長時間経過した後に再始動されることもあれば、前回の機関停止から比較的短時間のうちに再始動されることもある。また、排気中に含まれる有害物質を除去するための前段触媒装置6における触媒床温Tcは、前回の機関停止からの経過時間に応じて変化し、前回の機関停止から比較的短時間のうちに内燃機関1が再始動される場合、触媒床温Tcがある程度高いままとなっていることもある。
【0028】
これらの点に鑑みて、内燃機関1のECU10は、S12にて前段触媒装置6の触媒床温Tcを推定すると、推定された触媒床温Tcと、予め定められている閾値Tcactとを比較する(S14)。この場合、S14にて用いられる閾値Tcactは、内燃機関1の使用状態等を踏まえて、例えば200〜400℃の範囲内から選択される。また、閾値Tcactは、機関停止時における触媒床温Tcと、前回の機関停止から所定時間(例えば、10分)が経過する間における触媒床温Tcの降下分とに基づいて定められてもよい。
【0029】
ECU10は、S14にて、推定された触媒床温Tcが所定の閾値Tcact以上であると判断した場合、複数の気筒C1〜C4のうち、第2気筒C2および第3気筒C3に対応した燃料噴射弁i2およびi3から予め定められた手順に従って燃料を噴射させる一方、第1気筒C1および第4気筒C4に対応した燃焼噴射弁i1およびi4からの燃料噴射を停止させる。同時に、ECU10は、燃料噴射の停止により休止させられる第1気筒C1および第4気筒C4の吸気弁Viおよび排気弁Veがすべて閉弁されるように動弁機構9に所定の動作信号を与える。
【0030】
これにより、すべての休止気筒C1およびC4の各吸気弁Viおよび各排気弁Veが閉弁された状態で内燃機関1の減筒運転が実行されることになる(S16)。この結果、休止気筒C1およびC4を経由する新気の流れが完全に断たれることになるので、前段触媒装置6の触媒が新気によって冷却されてしまうことが完全に防止される。従って、前段触媒装置6の触媒を活性温度まで早期に昇温させることができるので、触媒床温Tcを良好に制御して排気中の有害物質を確実に除去することが可能となる。
【0031】
また、このように、休止気筒C1およびC4の各吸気弁Viおよび各排気弁Veがすべて閉弁された状態で内燃機関1の減筒運転が実行されることにより、休止気筒C1およびC4を経由する新気の流れが完全に断たれ、燃料が供給される運転気筒C2およびC3に関しては吸気圧と排気圧とが概ね同一となる。従って、内燃機関1では、機関始動時に減筒運転が行なわれる場合であっても、ポンピングロスの発生が極めて効果的に抑制されることになる。
【0032】
更に、休止気筒C1およびC4の吸気弁Viおよび排気弁Veをすべて閉弁させて休止気筒C1およびC4を経由する混合気の流れを完全に断つことにより、スロットルバルブSの開度調整のみによって運転気筒C2およびC3に対する新気供給量を設定することができる。更に、休止気筒C1およびC4を経由する新気の流れを完全に断つことにより、吸気量自体が減少することになるので、機関始動時において運転気筒C2およびC3内の負圧の高まりが抑制される。従って、燃料が供給される運転気筒C2およびC3内に残留するガスの量を低減させて良好な燃焼状態を得ることができる。この結果、内燃機関1では、機関始動時に減筒運転が行なわれる場合であっても、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ることが可能となる。
【0033】
一方、ECU10は、S14にて、推定された触媒床温Tcが所定の閾値Tcactを下回っていると判断した場合、燃料噴射弁i1〜i4からすべての気筒C1〜C4に対して燃料を噴射させると共に、各気筒C1〜C4の吸気弁ViおよびVeが通常通り動作するように動弁機構9に所定の動作信号を与える(S18)。このように、推定された触媒床温Tcが所定の閾値Tcactを下回っている場合、すなわち、前段触媒装置6の触媒がある程度冷え切っている状態では、触媒の暖気性や、有害物質の除去性能等の観点から減筒運転を行なうメリットは少ない。従って、内燃機関1では、機関始動時であって推定された触媒床温Tcが所定温度を下回っている場合、すべての気筒C1〜C4に対して燃料が供給される全筒運転が実行されることになる。
【0034】
S16およびS18における処理の後、ECU10は、ユーザのスロットル操作等に応じて内燃機関1の制御を実行する。このように、内燃機関1では、ポンピングロスを低減させつつ、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ると共に、触媒を良好に温度制御することが可能となる。そして、上述のように構成される内燃機関1は、間欠運転を行なうことが多い、いわゆるエコラン時において有利なものとなる。また、内燃機関1は、間欠運転することが多いハイブリッド車両に適用されると好ましい。
【0035】
図4は、本発明による内燃機関の他の実施形態を示す概略構成図である。
【0036】
同図に示される内燃機関1Aでは、減筒運転に際して休止される第1気筒C1および第4気筒C4の排気ポートと、減筒運転の際に稼動させられる第2気筒C2および第3気筒C3とに、それぞれ独立の排気マニホールド3a,3bが備えられている。すなわち、第1気筒C1および第4気筒C4の排気ポートは、第1排気マニホールド3aに接続されており、第2気筒C2および第3気筒C3の排気ポートは、第2排気マニホールド3bに接続されている。第1排気マニホールド3aは、前段触媒装置6aに接続され、第2排気マニホールド3bは、前段触媒装置6bに接続されている。そして、前段触媒装置6aおよび6bは、Y字状の接続管を介して1体の後段触媒装置7に接続されている。
【0037】
このように構成される内燃機関1Aでは、機関始動時に、ECU10が大気温度Taおよび冷却水温度Twと、図3に例示されるようなマップとを用いて、休止気筒C1およびC4と、運転気筒C2およびC3との双方から排気が導かれる後段触媒装置7の触媒床温Tcを求める。そして、ECU10は、推定した触媒床温Tcが閾値Tcact以上である場合に、第1気筒C1および第4気筒C4を休止させて減筒運転を実行する一方、推定した触媒床温Tcが閾値Tcactを下回っている場合に、すべての気筒C1〜C4に燃料を供給して全筒運転を実行する。これにより、内燃機関1Aによっても、ポンピングロスを低減させつつ、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ると共に、触媒を良好に温度制御することが可能となる。
【0038】
また、本発明は、図5に示される内燃機関1Bのように、前段触媒装置6aおよび6bがそれぞれ別個の後段触媒装置7aおよび7bに接続されている内燃機関にも適用することができる。図5の内燃機関1Bでは、機関始動時に、ECU10が大気温度Taおよび冷却水温度Twと、図3に例示されるようなマップとを用いて、休止気筒C1およびC4に連なる前段触媒装置6aの触媒床温Tcを求める。そして、ECU10は、推定した触媒床温Tcが閾値Tcact以上である場合に、第1気筒C1および第4気筒C4を休止させて減筒運転を実行する一方、推定した触媒床温Tcが閾値Tcactを下回っている場合に、すべての気筒C1〜C4に燃料を供給して全筒運転を実行する。これにより、内燃機関1Bによっても、ポンピングロスを低減させつつ、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ると共に、触媒を良好に温度制御することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明によれば、ポンピングロスを低減させつつ、良好なエンジン始動特性およびアイドル特性を得ると共に、触媒を良好に温度制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関を示す概略構成図である。
【図2】図1に示される内燃機関の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】触媒床温を推定するために用いられるマップを例示する模式図である。
【図4】本発明による内燃機関の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】本発明による内燃機関の更に他の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 内燃機関
2 吸気マニホールド
3,3a,3b 排気マニホールド
6,6a,6b 前段触媒装置
7,7a,7b 後段触媒装置
9 動弁機構
10 ECU
11 大気温センサ
12 水温センサ
C1,C2,C3,C4 気筒
S スロットルバルブ
Vi 吸気弁
Ve 排気弁
i1,i2,i3,i4 燃料噴射弁
Claims (4)
- 複数の気筒内で燃料を燃焼させて動力を発生する内燃機関において、
前記複数の気筒のそれぞれに個別に対応するように設けられた複数の燃料供給手段と、
前記複数の気筒のそれぞれに設けられた吸気弁および排気弁と、
前記各気筒の前記吸気弁および前記排気弁を少なくとも開閉させることができる動弁機構と、
前記複数の気筒の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を実行することができる制御手段とを備え、この制御手段は、機関始動時に減筒運転を実行する場合に、すべての休止気筒で前記吸気弁および前記排気弁が閉弁されるように前記動弁機構を制御することを特徴とする内燃機関。 - 前記複数の気筒の少なくとも何れか一つからの排気中に含まれる有害物質を除去するための触媒と、
前記触媒の温度を推定する触媒温度推定手段とを更に備え、
前記制御手段は、機関始動時であって前記触媒温度推定手段によって推定された触媒温度が所定温度以上である場合に、減筒運転を実行する一方、機関始動時であって前記触媒温度推定手段によって推定された触媒温度が所定温度を下回っている場合に、すべての気筒に対して燃料を供給して全筒運転を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。 - それぞれ吸気弁および排気弁が備えられた複数の気筒内で燃料を燃焼させて動力を発生する内燃機関の運転方法において、
機関始動時に前記複数の気筒の一部に対する燃料供給を停止させて減筒運転を行なう場合に、すべての休止気筒で前記吸気弁および前記排気弁を閉弁させることを特徴とする内燃機関の運転方法。 - 機関始動時に、前記複数の気筒の少なくとも何れか一つからの排気中に含まれる有害物質を除去するための触媒の温度を推定し、機関始動時であって前記触媒の推定温度が所定温度以上である場合に、減筒運転を実行する一方、機関始動時であって前記触媒の推定温度が所定温度を下回っている場合に、すべての気筒に対して燃料を供給して全筒運転を実行することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の運転方法。
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