JP2004238953A - 溝蓋の固定方法 - Google Patents
溝蓋の固定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004238953A JP2004238953A JP2003030163A JP2003030163A JP2004238953A JP 2004238953 A JP2004238953 A JP 2004238953A JP 2003030163 A JP2003030163 A JP 2003030163A JP 2003030163 A JP2003030163 A JP 2003030163A JP 2004238953 A JP2004238953 A JP 2004238953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mounting hole
- fixing
- mounting
- groove
- receiving frame
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sewage (AREA)
- Connection Of Plates (AREA)
- Clamps And Clips (AREA)
Abstract
【課題】溝蓋の固定におけるスペースが少なくで済み、また固定に係わる孔等の位置合わせが簡便となされ、且つ既設の溝蓋にも容易に適用できる溝蓋の固定方法を提供する。
【解決手段】固定金具2が取付孔1内で受け枠20に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具2と取付孔1内面との間の摩擦力等により溝蓋10が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具2が取付孔1内でその内面に当接されることで取付孔1が小さくとも固定金具2を挿入することができるから、溝蓋10の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋10の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋10の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋10にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋10が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【選択図】 図4
【解決手段】固定金具2が取付孔1内で受け枠20に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具2と取付孔1内面との間の摩擦力等により溝蓋10が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具2が取付孔1内でその内面に当接されることで取付孔1が小さくとも固定金具2を挿入することができるから、溝蓋10の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋10の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋10の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋10にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋10が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に道路の側縁等の排水溝の上面に設置され、上面の車両の通過及び排水を妨げずに溝蓋を強固に固定する溝蓋の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溝蓋は、その上面を自動車や自転車等の車両が通過し、また溝蓋からの排水を行うために、金属板を立てた状態で格子状に形成したものが好適に用いられてきている。しかし、単に自重により溝蓋が載置されているだけの状態では、上面を車両が通過した際にその荷重や衝撃により溝蓋が浮き上がって大きな音を発したり、溝蓋自体が外れたりする恐れがある。とりわけ自動車が高速で走行するような道路において、溝蓋が外れるようなことは大惨事にも繋がりかねず、溝蓋は強固に固定されることが必須である。また上面を車両や歩行者が通過することから、溝蓋や路面より突設される部位は極力少なくする必要がある、かかる溝蓋の固定方法については従来様々な発明が開示されてきている。
【0003】
まず実公昭58−28073号公報において、鋼製溝蓋に設けられた取付部に穿設されたボルト孔と、受枠の水平辺に設けたボルト孔とにボルトを挿通して上方からナットを螺合して緊結する固定装置が開示されている。
【0004】
また特開2001−288804号公報において、側溝本体の内側面に埋め込まれたインサート部材に、側溝蓋の側壁に設けられた透孔を貫通した係止ピンが着脱自在に取り付けられた側溝蓋の外れ防止具が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実公昭58−28073号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−288804号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載される如き固定装置では、螺合するナットや工具を挿入するスペースが必要であり、そのスペースを設けるのに格子状の金属板の間隔をその部分だけ広げる必要が出てくる場合があり、かような場合に格子状の部分に入らない筈の塵埃や歩行者の踵などが入り、清掃の手間や思わぬ事故に繋がる恐れがある。また格子状の間隔が変わることで、溝蓋自体の強度の低下の恐れもある。またかかる固定装置を固定がなされていない既設の溝蓋に適用するには、溝蓋や受枠に取付部や水平辺を取り付ける必要があり、現場において容易には行うことは困難である。
【0008】
また特許文献2に示される如き外れ防止具では、予め側溝本体にインサート部材を埋設しておく必要があり、側溝蓋の固定には手間と時間を要するものであった。更には側溝蓋内側面の透孔とインサート部材との位置合わせをある程度厳密に行う必要があり、各々について精密な配置を行う必要があった。更には側溝蓋に透孔を穿設する必要があり、既設の側溝蓋に現場において透孔を穿設する作業は容易なものではなく、また側溝蓋の材質や形状によっては適用できない場合があった。
【0009】
本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、溝蓋の固定におけるスペースが少なくで済み、また固定に係わる孔等の位置合わせが簡便となされ、且つ既設の溝蓋にも容易に適用できる溝蓋の固定方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる溝蓋の固定方法は、溝や排水枡等の上に設けられた受け枠に溝蓋を載置し、固定金具を用いて前記受け枠に溝蓋を固定する方法であって、溝蓋は上下に開口された取付孔を備え、該取付孔に固定金具が挿入され、前記固定金具を受け枠に固着させると共に取付孔内面に当接させて、溝蓋を受け枠に固定させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、固定金具が取付孔内で受け枠に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具と取付孔内面との間の摩擦力等により溝蓋が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具が取付孔内でその内面に当接されることで取付孔が小さくとも固定金具を挿入することができるから、溝蓋の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【0012】
本発明に係わる溝蓋は、上下に開口し下方の幅が上方の幅より狭くなされた取付孔を有するものであれば特に限定されるものではなく、金属製、コンクリート製、合成樹脂製等のものを用いてよいが、強度が高く靱性の高い金属製のものが好ましく、更には排水や塵埃を流下できるよう、上述の如く金属板を立てた状態で格子状に形成し、併せて取付孔を形成したものが好ましい。また前記の如き下方の幅が上方の幅より狭くなされた取付孔は、取付孔内面を変形させたり、取付孔内面に部材を取り付ける等の適宜方法で形成してよい。
【0013】
また受け枠は、上面から取付ボルトが突設され、該取付ボルトが溝蓋が受け枠に載置されると共に前記取付孔の下方から挿入され、取付ボルトに固定金具が取り付けられるものであれば、取付孔内で取付ボルトを固定する必要がなく、作業が容易となり好ましい。
【0014】
また取付孔は、上方より下方の幅が狭くなされ、取付孔内で固定金具は取付孔の下方の幅より広くなされていれば、固定金具が取付孔内面に当接されている状態で、摩擦力のみに頼る場合と較べ、より強固に溝蓋が上方へ持ち上がろうとするのを抑止でき好ましい。
【0015】
また取付孔は、上下方向の途中に上方より下方の幅が狭くなされた段差部が設けられたものであれば、固定金具が段差部に引っかかり、更に強固に溝蓋が上方へ持ち上がろうとするのを抑止でき、また固定金具のずれ等を防止でき好ましい。
【0016】
また固定金具は、固定金具は、取付孔内で長さ方向の向きが変わることで取付孔内面に当接されるものであれば、固定金具の幅の拡大が極めて容易に行うことができ好ましい。
【0017】
また固定金具は、長さ方向の中央部に上下方向の折り曲げ部が形成されて長さ方向が取付孔の幅より小さくなされ、取付孔内において前記折り曲げ部が戻されることで取付孔内面に当接されるものであれば、取付孔への固定金具の挿入が円滑なものとなり好ましい。
【0018】
また固定金具は、上方又は下方に開口した取付溝を有する当接部材と拡張用部材とを備え、前記当接部材を受け枠に固着し、前記拡張用部材により前記当接部材の取付溝が拡張されて当接金具が取付孔内面に圧接されるものであれば、当接部材の大きさや形状を変更することで溝蓋と受け枠との固定の強度を設定でき好ましい。
【0019】
また固定金具は、取付孔の上方からボルト又はナットを締め付けて当接金具及び/又は拡張用金具を上下方向に移動させることで当接部材の取付溝を拡張するものであれば、取付孔の上方からの作業で溝蓋を固定でき、作業は容易且つ安全なものとなる。
【0020】
また当接部材は、断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝を形成する横棒2本の部位が取付孔内面に押しつけられ、前記横棒2本を接続する縦棒の部位が受け枠に固着されるものであれば、簡潔な断面形状のもので、当接部材の取付孔内面と当接する面を大きくでき、また固定におけるバランスも良好なものとなり好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明が適用される溝蓋及び受け枠の一例を示す説明図である。図1において、上方に開口された排水枡Mをそのままにしておくと歩行者や車両が排水Wに向かって落ち込む恐れがあり、その上方を覆う溝蓋の取り付けが必要となる。但し、排水枡Mに直接溝蓋を取り付けると排水枡Mの周囲が崩落する恐れがあり、排水枡Mの保護及び溝蓋の取り付けを容易にする目的で、まず排水枡Mの開口部には鉄鋼、ステンレス等の金属からなる受け枠20が取り付けられる。
【0022】
続いて図2において、排水枡Mに取り付けられた受け枠20上に溝蓋10が載置される。イ)において、溝蓋10は金属板Kを立てた状態で格子状に溶接、嵌合等して形成されたもので、金属板K以外の部分は上下方向に開口された開口部となされていることで周囲の雨水等を流下させて滞留させないようにしたものである。かかる開口部から選ばれた少なくとも1つが取付孔1を兼ねるものとして溝蓋10と受け枠20との固定に用いられる。
【0023】
ロ)はイ)における溝蓋10が受け枠20に載置された状態でのA−A断面図であるが、溝蓋10を形成する金属板Kの間に上下に開口された取付孔1が形成されている。かかる溝蓋10を受け枠20上に載置したのみでは、嵌合されている場合であっても溝蓋10上を車両、とりわけトラックやダンプカーの大型車両や、高速道路等において高速で走行する車両が通過した際に非常に大きな音を立てたり、また跳ね上がりが起こる恐れがある。
【0024】
図3及び図4は本発明に係わる溝蓋の固定方法の、実施の一形態を示すもので、図2のイ)と同方向からの断面図である。まず図3のイ)において、受け枠20には取付ボルト3が取り付けられる。取付ボルト3はアンカーボルト等を用いてもよいが、受け枠20の表面をグラインダー等で研磨した上で錆、汚れ等を取り除き、溶接により取り付ければ嵌挿孔を穿設する必要がなく作業を簡便にでき好ましい。次に受け枠20上に溝蓋10が載置されるが、その際に金属板Kにより形成された取付孔1の下方から、取付ボルト3が取付孔1内に挿入される。
【0025】
次にロ)において、固定金具2と、固定金具2の上下方向での位置を調整するスペーサーSが取付孔1に挿入される。固定金具2及びスペーサーSには、取付ボルト3を挿通する貫通孔21及びS1が穿設されている。挿入される段階においては、固定金具2の幅aは取付孔1の幅bより小さくなされ、固定金具2は取付部1に容易に挿入可能である。
【0026】
続いて図4のイ)において、スペーサーS及び固定金具2を挿通した取付ボルト3にナットNが螺着されることで固定金具2は受け枠20に固着される。更に固定金具2は取付孔1内でその幅が拡大され、ロ)に示す如く取付孔1内面に当接されて当接部Tが形成され、当接部Tにおける摩擦力等により固定金具2を介して溝蓋10は受け枠20に固定される。
【0027】
かかる方法により溝蓋10を受け枠20に固定することで、溝蓋10、受け枠20に対して施す加工は取付ボルト3の取り付けのみであり、新設のもののみならず、既設の溝蓋10及び受け枠20においても、一旦溝蓋10を取り外し、受け枠20に取付ボルト3を取り付け、溝蓋10を元の位置に戻し、固定金具2を取付孔1に挿入してその幅を拡大し、ナットNを締め付けることで溝蓋10を受け枠20に固定でき、現場における簡便な作業で容易に溝蓋10を受け枠20に固定して、音鳴りや跳ね上がりを防止することができる。
【0028】
図5は、本発明に係わる固定金具の実施の一形態を示すもので、イ)は斜視図、ロ)は上面図、ハ)は側面図である。固定金具2Aは鉄鋼、ステンレス等の金属製の平板を用いて形成されるが、中央に取付ボルトを挿通する貫通孔2A1が穿設され、長さ方向の中央部に上下方向に折り曲げ部2A2が形成されている。また長さ方向の両端は貫通孔2A1を中心に回動が容易になるよう、貫通孔2A1中央から点対称に円弧状部2A3となされている。
【0029】
かかる固定金具2は、図6及び図7に示す如き方法にて用いられ、図6は断面図、図7は上面図である。図6のイ)において、取付孔1の幅bより小さくなされた幅aの固定金具2がスペーサーSと共に取付孔1に挿入され、貫通孔S1及び2A1に取付ボルト3が挿通される。ロ)において、取付孔1の上方からナットNが取付孔1に挿入され、且つ取付ボルト3に螺着される。取付ボルト3にナットNを螺着し緊結して行くと、ハ)に示す如く、固定金具2が受け枠20に固着されると共に、固定金具2の中央部がスペーサーS及びナットNに挟まれて折り曲げ部2A2が戻されて固定金具2の幅が拡大し、固定金具2Aと取付孔1の内面との間に当接部Tが形成されることで、溝蓋10は受け枠20に固定される。
【0030】
図7は、図6に示した固定方法の上面図であり、イ)において長さ方向が、取付孔1の長さ方向と平行となされた状態で取付孔1に挿入された固定金具2Aは、その貫通孔2A1に取付ボルト3が挿通され、取付ボルト3を中心に矢印の方向に回転されてロ)に示す如く、固定金具2の長さ方向は、取付孔1の長さ方向と直交するようになされることで固定金具2の幅は拡大される。続いてハ)において、ナットNが緊結され、折り曲げ部2A2が戻されることで更に固定金具2の幅は拡大されてその両端が取付孔1内面に当接して当接部Tが形成されることで、固定金具2を介して溝蓋10と受け枠20とは固定される。
【0031】
かかる固定金具2Aを用いる方法により、上述の幅の拡大する固定金具を用いることによる効果に加え、固定金具2Aの挿入時において固定金具2Aと取付孔1の内面との間隙を広くすることができ、溝蓋10の厚みの大きい場合でも固定金具2Aを挿入するのが容易となる。また折り曲げ部2A2が設けられていることで、ナットNの緊結により固定金具2Aの幅の拡大と固定金具2Aの受け枠20への固着が同時に行われ、固定に係わる作業性は向上される。更にまた固定金具2Aの長さ方向の両端が貫通孔2A1を中心に点対称となされた円弧状部2A3とされていることで、取付孔1内における固定金具2Aの回転は円滑なものとでき、固定金具2Aの幅の拡大は容易に可能である。
【0032】
尚、本実施形態においては、固定金具2Aは折り曲げ部2A2及び円弧状部2A3を共に備えるものであるが、いずれか一方のみを備えたものとしてもよい。
【0033】
また取付孔1は図8に示す如きものとしてもよく、イ)において取付孔1は金属板Kの厚みが下方に向かって漸次大きくなされることで、上方の幅bより下方の幅cが狭くなされているものである。取付孔1に挿入された固定金具2の幅aは、取付孔1内で下方の幅cより広くなされることで当接部Tが形成されるが、取り付け時や長期の使用において固定金具2の変形等により幅aが僅かに小さくなった場合でも、取付孔1の下方から固定金具2は抜けにくく、溝蓋10の浮き上がりや外れを防止できる。
【0034】
またロ)において、取付孔1の上下方向の途中に上方の幅bより下方の幅cが狭くなされた段差部4が設けられ、固定金具2の幅aは取付孔1内で下方の幅cより広くなされることで取付孔1内面との当接部Tが形成される。固定金具2はその段差部4に引っかかることで、固定金具2が変形したり位置がずれたりした場合でも段差部Tの下方へ固定金具2は抜けにくく、溝蓋10の浮き上がりや外れを防止できる。
【0035】
図9〜図11は、本発明に係わる溝蓋の固定方法の、実施の一形態を示すもので図9は固定金具を示す説明図、図10及び図11は固定金具の取り付けを示す断面図である。まず図9のイ)において、当接部材2Bは断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝2B1を形成する横棒2本の部位2B2及び2B3が、縦棒の部位2B4により接続され、縦棒の部位2B4には2つの貫通孔2B5及び2B6が穿設されている。またロ)において、拡張用部材2Cは、断面ヘ字状となされ、ヘ字状の頂点中央にねじ山が螺刻されたねじ孔2C1が穿設されている。
【0036】
かかる当接部材2B及び拡張用部材2Cを用いて溝蓋10を受け枠20に固定する方法は、まず図10のイ)において、取付ボルト3が取り付けられた受け枠20に載置された溝蓋10の取付孔1に、取付孔1の幅bより幅aが狭くなされ、下方に向けて開口された取付溝2B1を備えた当接部材2Bを挿入する。当接部材2Bに2つ穿設された貫通孔の内、一方の貫通孔2B5に取付ボルト3を挿通した状態で、ロ)に示す如くナットNが取付ボルト3に螺合されることで、当接部材2Bは受け枠20に固着される。
【0037】
次に図11のロ)において、ボルトBが当接部材2Bに穿設された他方の貫通孔2B6に挿通され、更に取付孔1に挿入された拡張用部材2Cに穿設されたねじ孔2C1に螺着される。拡張用部材2Cは、当接部材2Bの下方に当てがわれればよく、取付孔1内に挿入するのは当接部材2Bの挿入前でも挿入後でも、同時であってもよい。ねじ孔2C1に螺着したボルトBを締め付けて行くと、拡張用部材2Cは上方に移動されるようになされており、その上面が当接部材2Bの取付溝2B1に押しつけられる。当接部材2Bは貫通孔2B5において取付ボルト3及びナットNにより受け枠20に固着されており、拡張用部材2Cが上方に移動されることで、コ字状の縦棒の部位2B4と拡張用部材2Cに挟まれた横棒の部位2B2及び2B3に加えられた応力が横方向に逃げようとすることで当接部材2Bの取付孔2B1が拡張され、固定金具が取付孔1内面に圧接されて当接部Tが生じ、溝蓋10は固定金具を介して受け枠20に固定される。
【0038】
かかる方法により、上方のみからの作業で済む等の上述の効果に加え、溝蓋10と受け枠20に施す加工は取付ボルト3を取り付けるのみであり、現地における作業は簡便なものとなり既設の溝蓋に対しても容易に適用が可能である。またボルトBの締め付け強さにより溝蓋の固定強度を任意のものとでき、設置状況に応じた強度での溝蓋の固定が可能となる。更に固定金具の変形を弾性変形の範囲に留めれば、溝蓋10を取り外す必要が生じた場合でも、ボルトBを取り外すのみで固定金具を外し、溝蓋10の固定を解除することが容易である。
【0039】
図12及び図13は本発明に係わる溝蓋の固定方法の、更に他の実施形態を示すもので、図12は固定金具を示す説明図、図13は取り付けに係わる断面図である。図12において、当接部材2Dは断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝2D1を形成する横棒2本の部位2D2及び2D3が、縦棒の部位2D4により接続され、縦棒の部位2D4には貫通孔2D5が穿設されている。またロ)において、拡張用部材2Eは、断面逆U字状となされ、逆U字状の頂点中央に貫通孔2E1が穿設されている。
【0040】
かかる当接部材2D及び拡張用部材2Eを用いて溝蓋10を受け枠20に固定する方法は、まず図13のイ)において、受け枠20に取り付けられた取付ボルト3が拡張用部材2Eの貫通孔2E1に挿通され、溝蓋10の取付孔1に嵌着された当接部材2Dが貫通孔2D5に取付ボルト3が挿通されるように、溝蓋10ごと受け枠20上に載置されることで、当接部材2Dの取付孔2D1に拡張用部材2Eが当てがわれる。当接部材2D及び拡張用部材2Eは、かかる方法のみならず双方を予め受け枠20上に配置してから溝蓋10を載置しても、溝蓋10を載置してから取付孔1に挿入してもよい。
【0041】
貫通孔2D5及び2E1に取付ボルト3が挿通された状態で、当接部材2Dの上面からナットNを締め付けると、ナットNが押しつけられて当接部材2Dは下方に移動され、コ字状の縦棒の部位2D4と拡張用部材2Eに挟まれた横棒の部位2D2及び2D3に加えられた応力が横方向に逃げようとすることで当接部材2Dの取付孔2D1が拡張され、固定金具が取付孔1内面に圧接されて当接部Tが生じ、溝蓋10は固定金具を介して受け枠20に固定される。
【0042】
かかる方法により、上方のみからの作業で済む等の上述の効果に加え、溝蓋10と受け枠20に施す加工は取付ボルト3を取り付けるのみであり、現地における作業は簡便なものとなり既設の溝蓋に対しても容易に適用が可能である。またナットNの締め付け強さにより溝蓋の固定強度を任意のものとでき、設置状況に応じた強度での溝蓋の固定が可能となる。更に固定金具の変形を弾性変形の範囲に留めれば、溝蓋10を取り外す必要が生じた場合でも、ナットNを取り外すのみで固定金具を外し、溝蓋10の固定を解除することが容易である。更にまた、ナットNの締め付けのみにより、固定金具の受け枠20への固着と固定金具の拡大を同時に行うことができ、作業は簡便且つ迅速なものとなり得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、固定金具が取付孔内で受け枠に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具と取付孔内面との間の摩擦力等により溝蓋が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具が取付孔内でその内面に当接されることで取付孔が小さくとも固定金具を挿入することができるから、溝蓋の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される排水枡の一例を示す説明図である。
【図2】本発明が適用される溝蓋及び受け枠の一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる実施の一形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係わる実施の一形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係わる実施の一形態の、固定金具を示す説明図である。
【図6】図5の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図7】図5の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す上面図である。
【図8】本発明に係わる他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係わる他の実施形態の、固定金具を示す説明図である。
【図10】図9の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図11】図9の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図12】本発明に係わる更に他の実施形態の、固定金具を示す説明図である。
【図13】図12の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 取付孔
2 固定金具
2B、2D 当接部材
2C、2E 拡張用部材
3 取付ボルト
4 段差部
10 溝蓋
20 受け枠
M 排水枡
K 金属板
N ナット
T 当接部
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に道路の側縁等の排水溝の上面に設置され、上面の車両の通過及び排水を妨げずに溝蓋を強固に固定する溝蓋の固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溝蓋は、その上面を自動車や自転車等の車両が通過し、また溝蓋からの排水を行うために、金属板を立てた状態で格子状に形成したものが好適に用いられてきている。しかし、単に自重により溝蓋が載置されているだけの状態では、上面を車両が通過した際にその荷重や衝撃により溝蓋が浮き上がって大きな音を発したり、溝蓋自体が外れたりする恐れがある。とりわけ自動車が高速で走行するような道路において、溝蓋が外れるようなことは大惨事にも繋がりかねず、溝蓋は強固に固定されることが必須である。また上面を車両や歩行者が通過することから、溝蓋や路面より突設される部位は極力少なくする必要がある、かかる溝蓋の固定方法については従来様々な発明が開示されてきている。
【0003】
まず実公昭58−28073号公報において、鋼製溝蓋に設けられた取付部に穿設されたボルト孔と、受枠の水平辺に設けたボルト孔とにボルトを挿通して上方からナットを螺合して緊結する固定装置が開示されている。
【0004】
また特開2001−288804号公報において、側溝本体の内側面に埋め込まれたインサート部材に、側溝蓋の側壁に設けられた透孔を貫通した係止ピンが着脱自在に取り付けられた側溝蓋の外れ防止具が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実公昭58−28073号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−288804号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載される如き固定装置では、螺合するナットや工具を挿入するスペースが必要であり、そのスペースを設けるのに格子状の金属板の間隔をその部分だけ広げる必要が出てくる場合があり、かような場合に格子状の部分に入らない筈の塵埃や歩行者の踵などが入り、清掃の手間や思わぬ事故に繋がる恐れがある。また格子状の間隔が変わることで、溝蓋自体の強度の低下の恐れもある。またかかる固定装置を固定がなされていない既設の溝蓋に適用するには、溝蓋や受枠に取付部や水平辺を取り付ける必要があり、現場において容易には行うことは困難である。
【0008】
また特許文献2に示される如き外れ防止具では、予め側溝本体にインサート部材を埋設しておく必要があり、側溝蓋の固定には手間と時間を要するものであった。更には側溝蓋内側面の透孔とインサート部材との位置合わせをある程度厳密に行う必要があり、各々について精密な配置を行う必要があった。更には側溝蓋に透孔を穿設する必要があり、既設の側溝蓋に現場において透孔を穿設する作業は容易なものではなく、また側溝蓋の材質や形状によっては適用できない場合があった。
【0009】
本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、溝蓋の固定におけるスペースが少なくで済み、また固定に係わる孔等の位置合わせが簡便となされ、且つ既設の溝蓋にも容易に適用できる溝蓋の固定方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる溝蓋の固定方法は、溝や排水枡等の上に設けられた受け枠に溝蓋を載置し、固定金具を用いて前記受け枠に溝蓋を固定する方法であって、溝蓋は上下に開口された取付孔を備え、該取付孔に固定金具が挿入され、前記固定金具を受け枠に固着させると共に取付孔内面に当接させて、溝蓋を受け枠に固定させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、固定金具が取付孔内で受け枠に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具と取付孔内面との間の摩擦力等により溝蓋が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具が取付孔内でその内面に当接されることで取付孔が小さくとも固定金具を挿入することができるから、溝蓋の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【0012】
本発明に係わる溝蓋は、上下に開口し下方の幅が上方の幅より狭くなされた取付孔を有するものであれば特に限定されるものではなく、金属製、コンクリート製、合成樹脂製等のものを用いてよいが、強度が高く靱性の高い金属製のものが好ましく、更には排水や塵埃を流下できるよう、上述の如く金属板を立てた状態で格子状に形成し、併せて取付孔を形成したものが好ましい。また前記の如き下方の幅が上方の幅より狭くなされた取付孔は、取付孔内面を変形させたり、取付孔内面に部材を取り付ける等の適宜方法で形成してよい。
【0013】
また受け枠は、上面から取付ボルトが突設され、該取付ボルトが溝蓋が受け枠に載置されると共に前記取付孔の下方から挿入され、取付ボルトに固定金具が取り付けられるものであれば、取付孔内で取付ボルトを固定する必要がなく、作業が容易となり好ましい。
【0014】
また取付孔は、上方より下方の幅が狭くなされ、取付孔内で固定金具は取付孔の下方の幅より広くなされていれば、固定金具が取付孔内面に当接されている状態で、摩擦力のみに頼る場合と較べ、より強固に溝蓋が上方へ持ち上がろうとするのを抑止でき好ましい。
【0015】
また取付孔は、上下方向の途中に上方より下方の幅が狭くなされた段差部が設けられたものであれば、固定金具が段差部に引っかかり、更に強固に溝蓋が上方へ持ち上がろうとするのを抑止でき、また固定金具のずれ等を防止でき好ましい。
【0016】
また固定金具は、固定金具は、取付孔内で長さ方向の向きが変わることで取付孔内面に当接されるものであれば、固定金具の幅の拡大が極めて容易に行うことができ好ましい。
【0017】
また固定金具は、長さ方向の中央部に上下方向の折り曲げ部が形成されて長さ方向が取付孔の幅より小さくなされ、取付孔内において前記折り曲げ部が戻されることで取付孔内面に当接されるものであれば、取付孔への固定金具の挿入が円滑なものとなり好ましい。
【0018】
また固定金具は、上方又は下方に開口した取付溝を有する当接部材と拡張用部材とを備え、前記当接部材を受け枠に固着し、前記拡張用部材により前記当接部材の取付溝が拡張されて当接金具が取付孔内面に圧接されるものであれば、当接部材の大きさや形状を変更することで溝蓋と受け枠との固定の強度を設定でき好ましい。
【0019】
また固定金具は、取付孔の上方からボルト又はナットを締め付けて当接金具及び/又は拡張用金具を上下方向に移動させることで当接部材の取付溝を拡張するものであれば、取付孔の上方からの作業で溝蓋を固定でき、作業は容易且つ安全なものとなる。
【0020】
また当接部材は、断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝を形成する横棒2本の部位が取付孔内面に押しつけられ、前記横棒2本を接続する縦棒の部位が受け枠に固着されるものであれば、簡潔な断面形状のもので、当接部材の取付孔内面と当接する面を大きくでき、また固定におけるバランスも良好なものとなり好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明が適用される溝蓋及び受け枠の一例を示す説明図である。図1において、上方に開口された排水枡Mをそのままにしておくと歩行者や車両が排水Wに向かって落ち込む恐れがあり、その上方を覆う溝蓋の取り付けが必要となる。但し、排水枡Mに直接溝蓋を取り付けると排水枡Mの周囲が崩落する恐れがあり、排水枡Mの保護及び溝蓋の取り付けを容易にする目的で、まず排水枡Mの開口部には鉄鋼、ステンレス等の金属からなる受け枠20が取り付けられる。
【0022】
続いて図2において、排水枡Mに取り付けられた受け枠20上に溝蓋10が載置される。イ)において、溝蓋10は金属板Kを立てた状態で格子状に溶接、嵌合等して形成されたもので、金属板K以外の部分は上下方向に開口された開口部となされていることで周囲の雨水等を流下させて滞留させないようにしたものである。かかる開口部から選ばれた少なくとも1つが取付孔1を兼ねるものとして溝蓋10と受け枠20との固定に用いられる。
【0023】
ロ)はイ)における溝蓋10が受け枠20に載置された状態でのA−A断面図であるが、溝蓋10を形成する金属板Kの間に上下に開口された取付孔1が形成されている。かかる溝蓋10を受け枠20上に載置したのみでは、嵌合されている場合であっても溝蓋10上を車両、とりわけトラックやダンプカーの大型車両や、高速道路等において高速で走行する車両が通過した際に非常に大きな音を立てたり、また跳ね上がりが起こる恐れがある。
【0024】
図3及び図4は本発明に係わる溝蓋の固定方法の、実施の一形態を示すもので、図2のイ)と同方向からの断面図である。まず図3のイ)において、受け枠20には取付ボルト3が取り付けられる。取付ボルト3はアンカーボルト等を用いてもよいが、受け枠20の表面をグラインダー等で研磨した上で錆、汚れ等を取り除き、溶接により取り付ければ嵌挿孔を穿設する必要がなく作業を簡便にでき好ましい。次に受け枠20上に溝蓋10が載置されるが、その際に金属板Kにより形成された取付孔1の下方から、取付ボルト3が取付孔1内に挿入される。
【0025】
次にロ)において、固定金具2と、固定金具2の上下方向での位置を調整するスペーサーSが取付孔1に挿入される。固定金具2及びスペーサーSには、取付ボルト3を挿通する貫通孔21及びS1が穿設されている。挿入される段階においては、固定金具2の幅aは取付孔1の幅bより小さくなされ、固定金具2は取付部1に容易に挿入可能である。
【0026】
続いて図4のイ)において、スペーサーS及び固定金具2を挿通した取付ボルト3にナットNが螺着されることで固定金具2は受け枠20に固着される。更に固定金具2は取付孔1内でその幅が拡大され、ロ)に示す如く取付孔1内面に当接されて当接部Tが形成され、当接部Tにおける摩擦力等により固定金具2を介して溝蓋10は受け枠20に固定される。
【0027】
かかる方法により溝蓋10を受け枠20に固定することで、溝蓋10、受け枠20に対して施す加工は取付ボルト3の取り付けのみであり、新設のもののみならず、既設の溝蓋10及び受け枠20においても、一旦溝蓋10を取り外し、受け枠20に取付ボルト3を取り付け、溝蓋10を元の位置に戻し、固定金具2を取付孔1に挿入してその幅を拡大し、ナットNを締め付けることで溝蓋10を受け枠20に固定でき、現場における簡便な作業で容易に溝蓋10を受け枠20に固定して、音鳴りや跳ね上がりを防止することができる。
【0028】
図5は、本発明に係わる固定金具の実施の一形態を示すもので、イ)は斜視図、ロ)は上面図、ハ)は側面図である。固定金具2Aは鉄鋼、ステンレス等の金属製の平板を用いて形成されるが、中央に取付ボルトを挿通する貫通孔2A1が穿設され、長さ方向の中央部に上下方向に折り曲げ部2A2が形成されている。また長さ方向の両端は貫通孔2A1を中心に回動が容易になるよう、貫通孔2A1中央から点対称に円弧状部2A3となされている。
【0029】
かかる固定金具2は、図6及び図7に示す如き方法にて用いられ、図6は断面図、図7は上面図である。図6のイ)において、取付孔1の幅bより小さくなされた幅aの固定金具2がスペーサーSと共に取付孔1に挿入され、貫通孔S1及び2A1に取付ボルト3が挿通される。ロ)において、取付孔1の上方からナットNが取付孔1に挿入され、且つ取付ボルト3に螺着される。取付ボルト3にナットNを螺着し緊結して行くと、ハ)に示す如く、固定金具2が受け枠20に固着されると共に、固定金具2の中央部がスペーサーS及びナットNに挟まれて折り曲げ部2A2が戻されて固定金具2の幅が拡大し、固定金具2Aと取付孔1の内面との間に当接部Tが形成されることで、溝蓋10は受け枠20に固定される。
【0030】
図7は、図6に示した固定方法の上面図であり、イ)において長さ方向が、取付孔1の長さ方向と平行となされた状態で取付孔1に挿入された固定金具2Aは、その貫通孔2A1に取付ボルト3が挿通され、取付ボルト3を中心に矢印の方向に回転されてロ)に示す如く、固定金具2の長さ方向は、取付孔1の長さ方向と直交するようになされることで固定金具2の幅は拡大される。続いてハ)において、ナットNが緊結され、折り曲げ部2A2が戻されることで更に固定金具2の幅は拡大されてその両端が取付孔1内面に当接して当接部Tが形成されることで、固定金具2を介して溝蓋10と受け枠20とは固定される。
【0031】
かかる固定金具2Aを用いる方法により、上述の幅の拡大する固定金具を用いることによる効果に加え、固定金具2Aの挿入時において固定金具2Aと取付孔1の内面との間隙を広くすることができ、溝蓋10の厚みの大きい場合でも固定金具2Aを挿入するのが容易となる。また折り曲げ部2A2が設けられていることで、ナットNの緊結により固定金具2Aの幅の拡大と固定金具2Aの受け枠20への固着が同時に行われ、固定に係わる作業性は向上される。更にまた固定金具2Aの長さ方向の両端が貫通孔2A1を中心に点対称となされた円弧状部2A3とされていることで、取付孔1内における固定金具2Aの回転は円滑なものとでき、固定金具2Aの幅の拡大は容易に可能である。
【0032】
尚、本実施形態においては、固定金具2Aは折り曲げ部2A2及び円弧状部2A3を共に備えるものであるが、いずれか一方のみを備えたものとしてもよい。
【0033】
また取付孔1は図8に示す如きものとしてもよく、イ)において取付孔1は金属板Kの厚みが下方に向かって漸次大きくなされることで、上方の幅bより下方の幅cが狭くなされているものである。取付孔1に挿入された固定金具2の幅aは、取付孔1内で下方の幅cより広くなされることで当接部Tが形成されるが、取り付け時や長期の使用において固定金具2の変形等により幅aが僅かに小さくなった場合でも、取付孔1の下方から固定金具2は抜けにくく、溝蓋10の浮き上がりや外れを防止できる。
【0034】
またロ)において、取付孔1の上下方向の途中に上方の幅bより下方の幅cが狭くなされた段差部4が設けられ、固定金具2の幅aは取付孔1内で下方の幅cより広くなされることで取付孔1内面との当接部Tが形成される。固定金具2はその段差部4に引っかかることで、固定金具2が変形したり位置がずれたりした場合でも段差部Tの下方へ固定金具2は抜けにくく、溝蓋10の浮き上がりや外れを防止できる。
【0035】
図9〜図11は、本発明に係わる溝蓋の固定方法の、実施の一形態を示すもので図9は固定金具を示す説明図、図10及び図11は固定金具の取り付けを示す断面図である。まず図9のイ)において、当接部材2Bは断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝2B1を形成する横棒2本の部位2B2及び2B3が、縦棒の部位2B4により接続され、縦棒の部位2B4には2つの貫通孔2B5及び2B6が穿設されている。またロ)において、拡張用部材2Cは、断面ヘ字状となされ、ヘ字状の頂点中央にねじ山が螺刻されたねじ孔2C1が穿設されている。
【0036】
かかる当接部材2B及び拡張用部材2Cを用いて溝蓋10を受け枠20に固定する方法は、まず図10のイ)において、取付ボルト3が取り付けられた受け枠20に載置された溝蓋10の取付孔1に、取付孔1の幅bより幅aが狭くなされ、下方に向けて開口された取付溝2B1を備えた当接部材2Bを挿入する。当接部材2Bに2つ穿設された貫通孔の内、一方の貫通孔2B5に取付ボルト3を挿通した状態で、ロ)に示す如くナットNが取付ボルト3に螺合されることで、当接部材2Bは受け枠20に固着される。
【0037】
次に図11のロ)において、ボルトBが当接部材2Bに穿設された他方の貫通孔2B6に挿通され、更に取付孔1に挿入された拡張用部材2Cに穿設されたねじ孔2C1に螺着される。拡張用部材2Cは、当接部材2Bの下方に当てがわれればよく、取付孔1内に挿入するのは当接部材2Bの挿入前でも挿入後でも、同時であってもよい。ねじ孔2C1に螺着したボルトBを締め付けて行くと、拡張用部材2Cは上方に移動されるようになされており、その上面が当接部材2Bの取付溝2B1に押しつけられる。当接部材2Bは貫通孔2B5において取付ボルト3及びナットNにより受け枠20に固着されており、拡張用部材2Cが上方に移動されることで、コ字状の縦棒の部位2B4と拡張用部材2Cに挟まれた横棒の部位2B2及び2B3に加えられた応力が横方向に逃げようとすることで当接部材2Bの取付孔2B1が拡張され、固定金具が取付孔1内面に圧接されて当接部Tが生じ、溝蓋10は固定金具を介して受け枠20に固定される。
【0038】
かかる方法により、上方のみからの作業で済む等の上述の効果に加え、溝蓋10と受け枠20に施す加工は取付ボルト3を取り付けるのみであり、現地における作業は簡便なものとなり既設の溝蓋に対しても容易に適用が可能である。またボルトBの締め付け強さにより溝蓋の固定強度を任意のものとでき、設置状況に応じた強度での溝蓋の固定が可能となる。更に固定金具の変形を弾性変形の範囲に留めれば、溝蓋10を取り外す必要が生じた場合でも、ボルトBを取り外すのみで固定金具を外し、溝蓋10の固定を解除することが容易である。
【0039】
図12及び図13は本発明に係わる溝蓋の固定方法の、更に他の実施形態を示すもので、図12は固定金具を示す説明図、図13は取り付けに係わる断面図である。図12において、当接部材2Dは断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝2D1を形成する横棒2本の部位2D2及び2D3が、縦棒の部位2D4により接続され、縦棒の部位2D4には貫通孔2D5が穿設されている。またロ)において、拡張用部材2Eは、断面逆U字状となされ、逆U字状の頂点中央に貫通孔2E1が穿設されている。
【0040】
かかる当接部材2D及び拡張用部材2Eを用いて溝蓋10を受け枠20に固定する方法は、まず図13のイ)において、受け枠20に取り付けられた取付ボルト3が拡張用部材2Eの貫通孔2E1に挿通され、溝蓋10の取付孔1に嵌着された当接部材2Dが貫通孔2D5に取付ボルト3が挿通されるように、溝蓋10ごと受け枠20上に載置されることで、当接部材2Dの取付孔2D1に拡張用部材2Eが当てがわれる。当接部材2D及び拡張用部材2Eは、かかる方法のみならず双方を予め受け枠20上に配置してから溝蓋10を載置しても、溝蓋10を載置してから取付孔1に挿入してもよい。
【0041】
貫通孔2D5及び2E1に取付ボルト3が挿通された状態で、当接部材2Dの上面からナットNを締め付けると、ナットNが押しつけられて当接部材2Dは下方に移動され、コ字状の縦棒の部位2D4と拡張用部材2Eに挟まれた横棒の部位2D2及び2D3に加えられた応力が横方向に逃げようとすることで当接部材2Dの取付孔2D1が拡張され、固定金具が取付孔1内面に圧接されて当接部Tが生じ、溝蓋10は固定金具を介して受け枠20に固定される。
【0042】
かかる方法により、上方のみからの作業で済む等の上述の効果に加え、溝蓋10と受け枠20に施す加工は取付ボルト3を取り付けるのみであり、現地における作業は簡便なものとなり既設の溝蓋に対しても容易に適用が可能である。またナットNの締め付け強さにより溝蓋の固定強度を任意のものとでき、設置状況に応じた強度での溝蓋の固定が可能となる。更に固定金具の変形を弾性変形の範囲に留めれば、溝蓋10を取り外す必要が生じた場合でも、ナットNを取り外すのみで固定金具を外し、溝蓋10の固定を解除することが容易である。更にまた、ナットNの締め付けのみにより、固定金具の受け枠20への固着と固定金具の拡大を同時に行うことができ、作業は簡便且つ迅速なものとなり得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、固定金具が取付孔内で受け枠に固着され且つ取付孔内面に当接されることで、固定金具と取付孔内面との間の摩擦力等により溝蓋が上方に持ち上がろうとするのを抑止するが、固定金具が取付孔内でその内面に当接されることで取付孔が小さくとも固定金具を挿入することができるから、溝蓋の固定に係わるスペースは少なくで済み、溝蓋の格子状の間隔を広げる必要をなくすることができる。更には溝蓋の新設、既設や材質、形状を問わず適用が可能である。更にまた、溝蓋にボルト孔等の加工を施す必要がなく、対象とする溝蓋が既設のものであっても、現地における容易な作業で適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される排水枡の一例を示す説明図である。
【図2】本発明が適用される溝蓋及び受け枠の一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる実施の一形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係わる実施の一形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係わる実施の一形態の、固定金具を示す説明図である。
【図6】図5の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図7】図5の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す上面図である。
【図8】本発明に係わる他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明に係わる他の実施形態の、固定金具を示す説明図である。
【図10】図9の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図11】図9の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【図12】本発明に係わる更に他の実施形態の、固定金具を示す説明図である。
【図13】図12の固定金具を用いた溝蓋の固定方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 取付孔
2 固定金具
2B、2D 当接部材
2C、2E 拡張用部材
3 取付ボルト
4 段差部
10 溝蓋
20 受け枠
M 排水枡
K 金属板
N ナット
T 当接部
Claims (9)
- 溝や排水枡等の上に設けられた受け枠に溝蓋を載置し、固定金具を用いて前記受け枠に溝蓋を固定する方法であって、溝蓋は上下に開口された取付孔を備え、該取付孔に固定金具が挿入され、前記固定金具を受け枠に固着させると共に取付孔内面に当接させて、溝蓋を受け枠に固定させることを特徴とする溝蓋の固定方法。
- 受け枠は、上面から取付ボルトが突設され、該取付ボルトが溝蓋が受け枠に載置されると共に前記取付孔の下方から挿入され、取付ボルトに固定金具が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の溝蓋の固定方法。
- 取付孔は、上方より下方の幅が狭くなされ、取付孔内で固定金具は取付孔の下方の幅より広くなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の溝蓋の固定方法。
- 取付孔は、上下方向の途中に上方より下方の幅が狭くなされた段差部が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の溝蓋の固定方法。
- 固定金具は、取付孔内で長さ方向の向きが変わることで取付孔内面に当接されることを特徴とする請求項3又は4に記載の溝蓋の固定方法。
- 固定金具は、長さ方向の中央部に上下方向の折り曲げ部が形成されて長さ方向が取付孔の幅より小さくなされ、取付孔内において前記折り曲げ部が戻されることで取付孔内面に当接されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の溝蓋の固定方法。
- 固定金具は、上方又は下方に開口した取付溝を有する当接部材と拡張用部材とを備え、前記当接部材を受け枠に固着し、前記拡張用部材により前記当接部材の取付溝が拡張されて取付孔内面に圧接されることを特徴とする請求項1又は2に記載の溝蓋の固定方法。
- 固定金具は、取付孔の上方からボルト又はナットを締め付けて当接金具及び/又は拡張用金具を上下方向に移動させることで当接部材の取付溝を拡張することを特徴とする請求項7に記載の溝蓋の固定方法。
- 当接部材は、断面コ字状であって、コ字状を形成する3本の部位の内、取付溝を形成する横棒2本の部位が取付孔内面に押しつけられ、前記横棒2本を接続する縦棒の部位が受け枠に固着されることを特徴とする請求項7又は8に記載の溝蓋の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030163A JP2004238953A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 溝蓋の固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030163A JP2004238953A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 溝蓋の固定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004238953A true JP2004238953A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32957117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003030163A Pending JP2004238953A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 溝蓋の固定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004238953A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009084806A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Chubu Corporation | グレーチング用標識 |
EP2808457A3 (de) * | 2013-05-29 | 2015-03-18 | WEDI GmbH | Wasserablaufvorrichtung für eine sanitäre Anlage, wie einen bodenebenen Duschplatz |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030163A patent/JP2004238953A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009084806A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Chubu Corporation | グレーチング用標識 |
EP2808457A3 (de) * | 2013-05-29 | 2015-03-18 | WEDI GmbH | Wasserablaufvorrichtung für eine sanitäre Anlage, wie einen bodenebenen Duschplatz |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009287285A (ja) | 張り出し床版用支保工 | |
JP2007009411A (ja) | アンカーボルトの位置保持用金具及び位置固定構造,それを利用した鉄骨柱の建て方方法 | |
JP2004238953A (ja) | 溝蓋の固定方法 | |
JP2010031629A (ja) | グレーチング用固定具 | |
KR101835121B1 (ko) | 연결 너트 보강형 턴버클 및 이를 이용한 긴장력 도입 방법 | |
KR101909507B1 (ko) | 차량 방호울타리 및 기존 차량 방호울타리의 보강방법 | |
JP2011153405A (ja) | 防護柵 | |
JP2020007765A (ja) | 橋梁用排水桝蓋の改修工法 | |
JP2000170240A (ja) | グレーチング固定金具 | |
JP2007205142A (ja) | 1枚板側壁パネルを備える組立柵渠 | |
JP2011157715A (ja) | 防護柵 | |
KR101898724B1 (ko) | 케이블 보강 차량 방호울타리 및 이에 사용되는 턴버클을 이용하여 케이블에 긴장력을 도입하는 방법 | |
JP4569805B2 (ja) | U字溝への溝蓋の取付け構造 | |
JP5944776B2 (ja) | 側溝ブロック又は擁壁ブロックのフェンス支柱の取付構造 | |
JP7411963B2 (ja) | かん合パネル落下防止用ワイヤーロープの取付け金具 | |
JP2006299794A (ja) | グレーチング設置構造体、前記グレーチング設置構造体を備えたグレーチング付き側溝、並びに、前記グレーチング設置構造体を備えたグレーチング。 | |
JP5755951B2 (ja) | グレーチング | |
JP2008013912A (ja) | ブレース付き露出型柱脚構造 | |
JP2010070910A (ja) | 排水溝ユニット | |
JP4010459B2 (ja) | 浮遊具 | |
JP7154500B2 (ja) | 梁型枠底部受具 | |
JP2017214713A (ja) | 橋梁地覆への車両乗り上げ抑制構造 | |
JP2004316260A (ja) | 鋼製スリットダム | |
KR100456320B1 (ko) | 교량 상판 슬래브의 부모멘트 발생 방지 공법 및 그 구조 | |
JP3086554U (ja) | 排水桝蓋の跳ね上げ防止装置 |