JP2004238319A - 積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 - Google Patents
積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004238319A JP2004238319A JP2003028392A JP2003028392A JP2004238319A JP 2004238319 A JP2004238319 A JP 2004238319A JP 2003028392 A JP2003028392 A JP 2003028392A JP 2003028392 A JP2003028392 A JP 2003028392A JP 2004238319 A JP2004238319 A JP 2004238319A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- cosmetic
- laminated film
- layer
- black
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】積層フィルム、該フィルムからなる包装材、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善したシート状化粧料並びに包装体の提供。
【解決手段】合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であり、かつ、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であるシート状化粧料である。遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層とを有し、該遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下である積層フィルムである。該積層フィルムで形成された軟包装材。該軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体である。
【選択図】 なし
【解決手段】合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であり、かつ、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であるシート状化粧料である。遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層とを有し、該遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下である積層フィルムである。該積層フィルムで形成された軟包装材。該軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与できるシート状化粧料、内部にウエットシートを収容した時に、シート状基材に含浸させた化粧料などの影響によるヒートシーラント層と遮蔽層との剥離を防止し、保存時の質量減少やアルミニウム腐食によるウエットシートの変色が生じない積層フィルム、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汗や皮脂汚れを除去するために、不織布等のシート状基材に化粧料を含浸させてなるシート状化粧料が種々提案されている。例えば、レーヨン、コットン等のセルロース系繊維を主体とする不織布、又はそれらと合成繊維を混紡した不織布に粉体(特に、球状粉体)と、水性媒体を担持させたシート状化粧料が提案されており、肌へ白残りしないことを特徴としている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかし、これらは肌に対して白残りしない化粧料であっても、ストッキング等を着用した上から使用した場合には白残りが生じてしまうという問題がある。
【0003】
一方、ストッキング等の上から足を拭き取るのに用いるシート状化粧料としては、従来から、粉体を含有せず、さっぱり感のみを得ることができるものが提案されている。しかし、前記シート状化粧料は、粉体を含有していないためにさらさら感が損なわれてしまうという問題点がある。
【0004】
近年、携帯性や使用時の簡便性を指向したシート状化粧料などのウエットシートが増加している。これらのほとんどは不織布や紙などのシート状基材に内容液を含浸させたものであり、これらを所定量積層し、ガスバリア性を有する積層フィルムからなる軟包装により包装されている。該包装体は、内容物をスムーズに取り出すため、上部にウエットシート取り出し用開口又は取り出し用開口を形成する切りこみが設けられ、該開向部又は該切りこみ部を覆って粘着される開閉蓋を有するもののが提案されている(例えば、特許文献6及び特許文献7参照)。また、前記包装体は、積層フィルムのヒートシールにより形成できるため安価であり、柔軟であることから使用時に内容物であるウエットシートの量が減った場合であっても嵩張らずに保管、携帯することができ、廃棄する時も小さく畳めるという利点がある。
【0005】
前記積層フィルムは、一般的に、基材層/バリア層/ヒートシーラント層からなる層構成を有する。前記基材層としては、延伸ポリエステル、ナイロンなどが好適に用いられている。前記ヒートシーラント層としては、ポリエチレンなどが好適に用いられている。前記バリア層としては、アルミニウム箔、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の酸素透過性及び水蒸気透過性の低いフィルムが使用されている。基材層とバリア層とは接着剤を使用したドライラミネーション加工により接着されている。バリア層とヒートシーラント層とはドライラミネーション加工又はヒートシーラント層の樹脂を押出ラミネーション加工することにより接着されている。特に、前記金属酸化物蒸着フィルムは、透明で内容物がよく見えることから近年多用されている。しかし、前記金属酸化物蒸着フィルムはアルミニウム箔をバリア層として用いた積層フィルムに比べて、遮光性及びバリア性に劣るため、内容物(例えば、化粧料)の保存安定性の面からはバリア層としてアルミニウム箔を用いた積層フィルムの方が優れている。
【0006】
一方、ウエットシートに含浸されている内容液(例えば、化粧料など)は、性能を確保したり、嗜好性を高めるため、界面活性剤、油剤、溶剤、多価アルコール類、香料等を含有している。前記包装体の取り出し用開口部及び切りこみ部分は、内容液が積層フィルム断面と直接接することから、バリア層とヒートシーラント層との剥離が発生し易く、内容液の蒸発や、アルミニウムの腐食によるウエットシートの変色などが問題となる。
【0007】
かかる問題を解決するため、バリア層とヒートシーラント層との接着性を向上させる提案がなされている。例えば、アルミニウム箔をエッチング処理したり、酸又はアルカリ処理により表面を粗くすることで接着性の向上を図る方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。また、金属箔上に表面カップリング処理層を設けることによって金属箔とヒートシーラント層との化学的結合を高める方法が提案されている(例えば、特許文献9及び特許文献10参照)。
【0008】
しかしながら、前記特許文献8に記載された積層フィルムの場合には、アルミニウム箔の厚さは15μm以上に限定されており、通常の軟包装用積層フィルムに使用される10μm以下のアルミニウム箔についてはエッチング処理や酸又はアルカリ処理等の化学的処理では作用が強すぎ、部分的に薄くなったり、孔があいてしまったりする可能性があり、強度面及びガスバリア性の面で問題がある。
【0009】
また、前記特許文献9に記載された積層フィルムの場合には、カップリング処理層の形成だけでは内容液(例えば、化粧料など)によるバリア層の腐食防止及び接着性の劣化防止効果が充分ではなく、しかも、保護層を積層する必要があることから、積層フィルム全体の厚みが増し、フィルムの柔軟性が低下することにより、包装体の生産性が低下してコストが上昇してしまうという問題やウエットシートの量が減った場合に包装体がかさばるなどの問題がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−1424号公報
【特許文献2】
特開2000−256164号公報
【特許文献3】
特開2001−233758号公報
【特許文献4】
特開2001−278736号公報
【特許文献5】
特開2002−201109号公報
【特許文献6】
特公平2−30948号公報
【特許文献7】
特開平7−291379号公報
【特許文献8】
特開2001−35455号公報
【特許文献9】
特開2001−59181号公報
【特許文献10】
特開2002−127299号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与することができるシート状化粧料を提供することを目的とする。
また、本発明は、内部に収容される内容液(例えば、化粧料など)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができ、保存安定性の良好な積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の問題点や欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、合成高分子化合物及び天然鉱物から選ばれる少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料が、白化が目立つ黒色ストッキング又は黒色タイツの上から清拭しても白くならず、かつ十分なさらさら感を付与できることを知見した。
【0013】
また、本発明者らは、前記課題を解決するため、遮蔽層であるアルミニウム箔の圧延工程において二枚重ねて圧延するため、一枚のアルミニウム箔の表裏の平滑性(表面光沢度)が異なることに着目して鋭意検討を重ねた結果、遮蔽層(アルミニウム箔)の非平滑面側(表面光沢度が低い側)にヒートシーラント層を配置することによって、接着性が向上し、内容液によるアルミニウム箔とヒートシーラント層との間の剥離を防止でき、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができる保存安定性の良好な積層フィルムが得られ、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供できることを知見した。
【0014】
即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> 合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であり、かつ、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であることを特徴とするシート状化粧料である。
<2> 粉体が、鱗片状である前記<1>に記載のシート状化粧料である。
<3> 25℃における粘度が100mPa・s以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のシート状化粧料である。
<4> 遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層を有し、該遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下であることを特徴とする積層フィルムである。
<5> 積層フィルムにおける遮蔽層のヒートシーラント層側の反対側に、少なくとも基材層を有する前記<4>に記載の積層フィルムである。
<6> 遮蔽層とヒートシーラント層とが、ドライラミネーションにより接着されている前記<4>から<5>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<7> 遮蔽層が、アルミニウム箔である前記<4>から<6>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<8> 遮蔽層の厚みが、10μm以下である前記<4>から<7>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<9> 積層フィルムの厚みが、105μm以下である前記<4>から<8>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<10> 前記<4>から<9>のいずれかに記載の積層フィルムで形成されたことを特徴とする軟包装材である。
<11> 軟包装材が、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体と、を備えてなる前記<10>に記載の軟包装材である。
<12> 前記<10>から<11>のいずれかに記載の軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなることを特徴とする包装体である。
<13> ウエットシートが、前記<1>から<3>のいずれかに記載のシート状化粧料である前記<12>に記載の包装体である。
<14> ウエットシートが、清掃用シートである前記<12>に記載の包装体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(シート状化粧料)
本発明のシート状化粧料は、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0016】
−粉体−
前記粉体としては、シート状化粧料に配合した場合において黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下の範囲を満たすことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体が挙げられ、これらの中でも鱗片状粉体が白残りのなさの点で好ましい。
前記鱗片状粉体の含有量は、粉体の全量に対し50質量%以上が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。前記鱗片状粉体の含有量が50質量%未満であると、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りの改善効果が得られない場合がある。
【0017】
前記合成高分子化合物としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸ビーズ、テフロン(R)末、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、合成シリカ、ポリウレタン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、などが挙げられ、これらの中でも、架橋ポリメタクリル酸ビーズ、テフロン(R)末が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記天然鉱物としては、例えば、シリカ、タルク、セリサイト、マイカ、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スメクタイト、雲母、ベントナイト等)、などが挙げられ、これらの中でも、タルク、セリサイト、シリカが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記粉体の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、0.1〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
前記粉体の配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、化粧料の全量に対し0.1〜10質量%が好ましい。
【0020】
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記合成高分子化合物と前記天然鉱物とを併用してもよく、また、前記合成高分子化合物と前記天然鉱物と、適宜選択したその他の成分とを併用してもよい。
【0021】
−その他の成分−
前記化粧料には、前記粉体以外にも、シート状化粧料の目的、用途に合わせてその他の成分を配合することができる。該その他の成分としては、例えば、低級アルコール、非イオン界面活性剤、保湿剤、植物抽出物等の香粧品成分、殺菌剤、防腐剤、キレート剤、色素、香料、酸化防止剤、pH調整剤、薬効成分、などが挙げられる。
【0022】
前記低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、これらの中でもエタノールが特に好ましい。
前記低級アルコールの配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、化粧料全量に対し30〜60質量%が好ましい。前記低級アルコールの配合量が30質量%未満であると乾き難いなどの使用感の悪化に繋がる場合がある。一方、60質量%を超えるとかさつきや皮膚刺激に繋がる場合がある。
【0023】
前記非イオン界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリルエステル、脂肪酸アルキロールアミド、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記非イオン界面活性剤の配合量は、化粧料全量に対し0.05〜15質量%が好ましい。
【0024】
前記保湿剤としては、多価アルコール又はグリコールエーテル等が好適に使用することができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ヘキシレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、等が挙げられる。
前記グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、等が挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール等が使用感の点から好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤の配合量は、化粧料全量に対し0.1〜10質量%が好ましい。
【0025】
前記防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記香料としては、例えば、特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
−化粧料−
前記化粧料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、通常、25℃における粘度が1500mPa・s以下が好ましく、1〜100mPa・sがより好ましく、1〜50mPa・sが更に好ましい。粘度が高すぎるとベタベタした感触となり、さらっとした感触が得られないのみならず、シート状基材への十分な含浸性が得られない場合がある。
ここで、前記化粧料の粘度は、B型粘度計などを用いて測定することができる。
【0029】
前記化粧料には積層フィルムを用いた軟包装材として用いることが多い。その場合、遮蔽層(ガスバリア層)としては、アルミニウム箔が用いられることが多く、該アルミニウム箔の腐食及び積層の剥離を防ぐため、化粧料のpHは7.5〜9が好ましい。
【0030】
−シート状基材−
本発明のシート状化粧料に用いられるシート状基材は、前記化粧料が含浸可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、不織布、シート状発泡体等が好適である。
【0031】
前記不織布としては、例えば、肌接触面に占めるセルロース系繊維の含量が40質量%以上、好ましくは60質量%以上であり、かつ不織布全体に占めるセルロース系繊維の含量が20〜70質量%、好ましくは30〜50質量%である不織布などを挙げることができる。肌接触面に占めるセルロース系繊維の含量が40質量%未満では含浸液の含浸性の低下、肌感触の低下、肌への含浸液移行性の低下が発生する場合がある。また、不織布全体に占めるセルロース系繊維の含量が20質量%未満ではシート状化粧料が硬くなる場合があり、70質量%を超えると使用時のヨレやヘタリが発生する場合がある。
【0032】
前記不織布として用いられるセルロース系繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、綿、パルプ、麻等の他、パルプより得られるビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨンであるリオセル等が挙げられ、これらの1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】
前記セルロース系繊維の繊度及び繊維長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、前記繊度としては0.55〜3.3デシテックスが好ましい。前記繊維長としては20〜51mm程度が好ましい。
【0034】
本発明のシート状基材に用いられる不繊布の上記セルロース系以外の繊維としては、種々の合成繊維、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂からなる繊維、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂からなる繊維及びこれら樹脂の共重合物、変性物及びこれらの組み合わせからなる繊維等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
これら繊維の繊度及び繊維長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、前記繊度としては、0.20〜3.3デシテックスが好ましい。前記繊維長としては20〜51mm程度が好ましい。
【0036】
前記繊維により構成された不織布の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、25〜120g/m2が好ましく、40〜80g/m2がより好ましい。前記坪量が25g/m2未満であると使用時のヨレやヘタリが発生しやすくなる場合があり、一方、120g/m2を超えると肌感触が硬くなる場合がある。
【0037】
前記不織布の製造方法としては、水流交絡(スパンレース)法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等の一般的な方法を採用することができるが、これらの中でも特に水流交絡法が好適である。サーマルボンド法、ケミカルボンド法では不織布を構成する繊維間が接着されるため、繊維の自由度が低減して肌感触が硬くなる場合がある。
【0038】
−シート状化粧料−
本発明のシート状化粧料は、前記化粧料を前記シート状基材に含浸させることにより得られる。
前記シート状基材への含浸率は、シート状基材1質量部に対して、2.0〜4.0倍量が好ましい。前記含浸率が2.0倍未満では充分量の含浸成分を肌に移行させるのが困難となる場合があり、一方、4.0倍量を超えるとシート状基材からの液垂れにより、使用性が損なわれる場合がある。
【0039】
本発明のシート状化粧料は、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であり、2.5以下がより好ましい。前記色差(ΔE)が3.0を超えるとストッキング又は黒タイツに白残りが発生してしまう。
ここで、前記色差(ΔE)は、例えば、10cm×15cmに裁断した黒色ストッキング又は黒色タイツを10%×20%の長さになるように伸ばして固定し、その上を往復20回シート状化粧料で清拭し、黒色ストッキング又は黒色タイツを乾燥した後、伸ばしていない状態で、色差計を用いて測定し、清拭前後の色差(ΔE)を求めることができる。
【0040】
前記黒色ストッキング又は黒色タイツとしては、市販品を用いることができ、無地、レース、柄、網、等の種類を問わない。色調は標準色表(JIS Z 87214準拠)で明度がN1であり、全ての色相別チャートでV3/C2の範囲内のものを用いることができる。
【0041】
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層とを有し、遮蔽層のヒートシーラント層側とは反対側に、少なくとも基材層を有することが好ましく、更に必要に応じて中間層、接着層、などを有している。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0042】
−遮蔽層−
前記遮蔽層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、アルミニウム箔、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の酸素透過性及び水蒸気透過性の低いフィルムなどが挙げられ、これらの中でも、アルミニウム箔が遮光性及びガスバリア性に優れ、内容物の保存安定性に優れている点で好ましい。
【0043】
前記遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下であり、40以下がより好ましい。前記表面光沢度が50を超えると遮蔽層とヒートシーラント層の接着層が低下し、剥離が発生しやすくなる。
前記表面光沢度は、20度表面光沢度を意味し、表面光沢度測定装置を用いて測定することができる。
前記遮蔽層の厚みは、10μm以下が好ましく、7〜9μmがより好ましい。前記遮蔽層の厚みが10μmを超えても特に効果の点でメリットがないだけでなく、積層フィルムの柔軟性が低下する場合がある。
【0044】
−ヒートシーラント層−
前記ヒートシーラント層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレンなどが挙げられる。
【0045】
前記遮蔽層と前記ヒートシーラント層とが、ドライラミネーションにより接着されていることが接着性が向上する点で好ましい。
前記ドライラミネーションは、通常用いられている接着剤を用いて公知のドライラミネーション法により形成することができる。
【0046】
−基材層−
前記基材層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
前記基材層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、10〜30μm程度である。
【0047】
−その他の層−
前記その他の層としては、例えば、接着層、中間層、などが挙げられる。
前記接着層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリエーテルウレタン系、ポリエステルウレタン系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系、シアノアクリレート系、有機チタン化合物系、エポキシ系、イミド系、シリコーン系の樹脂及びこれらの変性物、又は、これらの混合物からなる公知のドライラミネーション用接着剤として用いられている樹脂などが挙げられる。
前記接着剤層の形成方法としては、前記樹脂を溶液化したものをロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗工法で、例えば、アルミニウム箔などの易接着処理面に塗工して乾燥することにより形成することができる。
前記中間層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが挙げられる。
【0048】
前記積層フィルムの層構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下の(1)〜(3)の層構成、即ち、(1)基材層/接着層/遮蔽層/接着層/ヒートシーラント層、(2)基材層/接着層/遮蔽層/ヒートシーラント層、(3)基材層/接着層/遮蔽層/接着層/中間層/接着層/ヒートシーラント層などが好適に挙げられる。
前記積層フィルムの厚みは、105μm以下が好ましく、40〜80μmがより好ましい。前記積層フィルムの厚みが105μmを超えると積層フィルムの柔軟性が低下し、包装体を形成し難くなる場合がある。
【0049】
(軟包装材)
本発明の軟包装材は、前記本発明の積層フィルムで形成されたものである。これにより、内容液(例えば、化粧料)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができ、保存安定性が良好である。
【0050】
前記軟包装材は、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体とを備えてなることが好ましい。
前記本体に設けられた開口部は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、楕円形、円形、長方形、菱形等の適宜な形状とすることができる。なお、開口部はハーフカットを施し、該開口部を覆うように貼付された蓋体の開封に伴い開口が形成されるように設計したもの、などが好ましい。
前記蓋体の形状は、開口部を完全に覆うことができれば特に制限はなく、例えば、楕円形、長方形、等を採用することができる。
【0051】
(包装体)
本発明の包装体は、前記本発明の軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる。
前記包装体の内部に収容されるウエットシートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、前記シート状化粧料、清掃用シートなどが挙げられる。
【0052】
前記シート状化粧料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、日焼け止め化粧料、クレンジング剤、清拭・制汗剤、乳液、化粧水、ボディローション、美容液、育毛剤、ドライシャンプー等の各種化粧料をシート状基材に含浸させたものを適宜選択して用いることができるが、前記本発明のシート状化粧料が好適である。これは、内容液(化粧料)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液(化粧料)の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたシート状化粧料の変色を防止することができ、保存安定性が向上する点で特に好ましい。
【0053】
前記ウエットシートが収容された包装体は、使用時に蓋体の摘み部を摘んで開いた蓋体を開らいた状態のままに保持でき、この状態で使用者は開口部を通して片方の手の指を本体の内部に差込み、本体内部のウエットシートの端を摘み、摘んだウエットシートを開口部を通して取出すことができる。従って、使用者は、片手でウエットシートを極めて容易に取り出すことができ、利便性に優れたものである。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0055】
(実施例1〜16及び比較例1〜6)
−シート状基材の調製−
常法により、以下の表1に示すシート状基材a〜fを調製した。
【0056】
【表1】
【0057】
調製した前記基材シートに対し、表2〜表4に示す組成からなる化粧料を含浸させて実施例1〜16及び比較例1〜6のシート状化粧料をそれぞれ製造した。
得られたシート状化粧料について、下記に示す方法により清拭前後の色差、白残りのなさ、及びさらさら感を評価した。結果を表2〜表4に示す。
【0058】
<色差評価>
10cm×15cmに裁断した黒色ストッキング(30デニールタイツ サポートタイプ 色番822 ブラック;カネボウストッキング社製)を10%×20%の長さになるように伸ばして固定し、その上を往復20回シート状化粧料で清拭し、該黒色ストッキングを乾燥した後、伸ばしていない状態で、色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定し、清拭前後の色差(ΔE)を求めた。
【0059】
<白残りの評価>
黒色のタイツ(30デニールタイツ サポートタイプ 色番822 ブラック;カネボウストッキング社製)をモニターの女性10名に着用してもらい、各シート状化粧料を用いて清拭し、清拭後の白残りのなさについて以下の評価基準より評価を行った。
〔評価基準〕
3:白残りしない
2:ほとんど白残りしない
1:やや白残りする
0:かなり白残りする
【0060】
<さらさら感評価>
前記白残りの評価と同様にして、各シート状化粧料を用いて清拭し、清拭後のさらさら感について以下の評価基準による評価を行った。
〔評価基準〕
2:さらさらする
1:ややさらさらする
0:さらさらしない
【0061】
【表2】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:ORGASOL 4000EXD NAT COS(エルフ・アトケム社製)
*6:KMP−594(信越化学工業社製)
*7:SB−700(三好化成社製)
*8:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*9:クジンET−50(丸善製薬社製)
【0062】
【表3】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:ORGASOL 4000EXD NAT COS(エルフ・アトケム社製)
*6:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*7:T−800(ライオン化学社製)
*8:SS−10(日光ケミカルズ社製)
*9:ソルボンT−60(東邦化学工業社製)
*10:クジンET−50(丸善製薬社製)
*11:ファルコレックス ソウハクヒ E(一丸ファルコス社製)
【0063】
【表4】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:KMP−594(信越化学工業社製)
*6:SB−700(三好化成社製)
*7:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*8:T−800(ライオン化学社製)
*9:SS−10(日光ケミカルズ社製)
*10:ソルボンT−60(東邦化学工業社製)
*11:クジンET−50(丸善製薬社製)
*12:ファルコレックス ソウハクヒ E(一丸ファルコス社製)
【0064】
表2〜表4の結果から、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であって、かつ、該シート状化粧料を用いて黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以上である実施例1〜16は、比較例1〜6に比べて、清拭後の白残りがなく、さらさら感を出すことができることが認められる。
【0065】
(実施例17〜20及び比較例7〜12)
−積層フィルム及び軟包装材の製造−
表5に示す層構成からなる積層フィルムを常法により製造した。得られた積層フィルムについて遮蔽層におけるシーラント層側表面の20度光沢度をHORIBA GROSS CHECKERを用いて測定した。結果を表5に示す。
【0066】
次に、得られた積層フィルムを用いて、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き、又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体とを備えた軟包装材I〜Xを製造した。
【0067】
【表5】
表5において、「PET12」は、ポリエチレンテレフタレート(厚み:12μm)を表す。「PET16」は、ポリエチレンテレフタレート(厚み:16μm)を表す。「DL」は、ドライラミネーションを表す。「PE15」は、ポリエチレン(厚み:15μm)を表す。「PE30」は、ポリエチレン(厚み:30μm)を表す。「PE40」は、ポリエチレン(厚み:40μm)を表す。「AL7」は、アルミニウム箔(厚み:7μm)を表す。「AL9」は、アルミニウム箔(厚み:9μm)を表す。「AL20」は、アルミニウム箔(厚み:20μm)を表す。「CPP40」は、未延伸ポリプロピレン(厚み:40μm)を表す。「PPa50」は、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)を表す。「OPP50」は、延伸ポリプロピレン(厚み:50μm)を表す。
【0068】
(実施例21〜69及び比較例13〜38)
−シート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体−
前記表5に示す軟包装材I〜Xの内部に、実施例1の化粧料、下記表6〜表15に示す化粧料処方番号1〜39の各化粧料をそれぞれ基材フィルムに含浸させたシート状化粧料と、下記表16に示す清掃用シート処方番号40〜45の内容液を基材フィルムに含浸させた清掃用シートとを表17〜表25に示す組み合わせで収納し、前記接合した面と反対側の面中央に開口又は開口形成用切り込みが位置するように、前後両端部を接合、切断してそれぞれ表17〜表25に示すシート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体を製造した。
【0069】
−化粧料処方番号1〜39の化粧料−
表6〜表15に示した成分組成の化粧料(化粧料処方番号1〜39)を、常法により調製した。
【0070】
【表6】
*1:Pemulen TR2(BFGoodrich社製)
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0071】
【表7】
*4:CETIOL HE(コグニクスジャパン社製)
*5:NIKKOL MYL−10(日光ケミカル社製)
*6:プルロニック P65(旭電化社製)
*7:プルロニック P88(旭電化社製)
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0072】
【表8】
*8:SB−700(三好化成社製)
*9:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*10:一丸ファルコス社製
*11:一丸ファルコス社製
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0073】
【表9】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0074】
【表10】
*12:HEC−600(ダイセル化学工業社製)
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0075】
【表11】
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0076】
【表12】
*13:SH−200C 10cs(東レダウコーニングシリコーン社製)
*14:SH245(東レダウコーニングシリコーン社製)
*15:ハイビスワコー105(和光純薬工業社製)
*16:CMC1380(ダイセル化学工業社製)
*17:モナートガムDA(大日本製薬社製)
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0079】
【表15】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0080】
−清掃用シート処方番号40〜45の内容液−
表16に示した成分組成の内容液(清掃用シート処方番号40〜45)を、常法により調製した。
【表16】
*18:C10/C12/C14=64/29/7
*19:昭和電工社製 ハイジライトH−32
*20:日東紛化工業社製 NN#200、寒水#70、東洋ファインケミカル社製 ホワイトンP−50より適宜選択
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択
【0081】
得られた実施例21〜69及び比較例13〜38のシート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体について、下記方法により、保存安定性(外観)、保存安定性(質量変化)及び生産適正の評価を行った。結果を表17〜表25に表す。
【0082】
<保存安定性(外観)>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した後、1kgf加重下で50℃恒温槽に1ヵ月保存し、内容物の外観及び包装体内面の外観を下記基準に従って目視判定した。
〔評価基準〕
◎:内容物、包装体共外観の変化は全く認められない。
○:包装体に極わずかな外観変化が認められるが、内容物の外観変化は認められない。
△:内容物、包装体共明らかな外観変化が認められる。
×:内容物、包装体共著しい外観変化が認められる。
【0083】
<保存安定性(質量変化)>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した後、50℃恒温槽に1ヵ月保存し、質量変化を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:質量変化はほとんど認められない。
○:質量変化は極わずかに認められるが、製品性能への影響は無い。
△:質量変化が明らかに認められ、製品性能上問題がある。
×:質量変化が著しいく認められ、製品性能上問題がある。
【0084】
<生産適性>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した際の生産適性を下記の基準に従って目視判定した。
〔評価基準〕
◎:生産適性が非常に良好である。
○:生産適性がやや良好である。
△:生産適性があまり良好でない。
×:生産適性が全く良好でない。
【0085】
【表17】
【0086】
【表18】
【0087】
【表19】
【0088】
【表20】
【0089】
【表21】
【0090】
【表22】
【0091】
【表23】
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
表17〜表25の結果から、遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下である実施例21〜69のシート状化粧料が収容された包装体は、比較例13〜38に比べて、保存安定性(外観)、保存安定性(質量変化)及び生産適正がいずれも優れていることが認められる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によると、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与できるシート状化粧料、内部にウエットシートを収容した時に、シート状基材に含浸させた内容液の影響によるヒートシーラント層と遮蔽層との剥離を防止し、保存時の質量減少やアルミニウム腐食によるウエットシートの変色が生じない積層フィルム、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与できるシート状化粧料、内部にウエットシートを収容した時に、シート状基材に含浸させた化粧料などの影響によるヒートシーラント層と遮蔽層との剥離を防止し、保存時の質量減少やアルミニウム腐食によるウエットシートの変色が生じない積層フィルム、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汗や皮脂汚れを除去するために、不織布等のシート状基材に化粧料を含浸させてなるシート状化粧料が種々提案されている。例えば、レーヨン、コットン等のセルロース系繊維を主体とする不織布、又はそれらと合成繊維を混紡した不織布に粉体(特に、球状粉体)と、水性媒体を担持させたシート状化粧料が提案されており、肌へ白残りしないことを特徴としている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかし、これらは肌に対して白残りしない化粧料であっても、ストッキング等を着用した上から使用した場合には白残りが生じてしまうという問題がある。
【0003】
一方、ストッキング等の上から足を拭き取るのに用いるシート状化粧料としては、従来から、粉体を含有せず、さっぱり感のみを得ることができるものが提案されている。しかし、前記シート状化粧料は、粉体を含有していないためにさらさら感が損なわれてしまうという問題点がある。
【0004】
近年、携帯性や使用時の簡便性を指向したシート状化粧料などのウエットシートが増加している。これらのほとんどは不織布や紙などのシート状基材に内容液を含浸させたものであり、これらを所定量積層し、ガスバリア性を有する積層フィルムからなる軟包装により包装されている。該包装体は、内容物をスムーズに取り出すため、上部にウエットシート取り出し用開口又は取り出し用開口を形成する切りこみが設けられ、該開向部又は該切りこみ部を覆って粘着される開閉蓋を有するもののが提案されている(例えば、特許文献6及び特許文献7参照)。また、前記包装体は、積層フィルムのヒートシールにより形成できるため安価であり、柔軟であることから使用時に内容物であるウエットシートの量が減った場合であっても嵩張らずに保管、携帯することができ、廃棄する時も小さく畳めるという利点がある。
【0005】
前記積層フィルムは、一般的に、基材層/バリア層/ヒートシーラント層からなる層構成を有する。前記基材層としては、延伸ポリエステル、ナイロンなどが好適に用いられている。前記ヒートシーラント層としては、ポリエチレンなどが好適に用いられている。前記バリア層としては、アルミニウム箔、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の酸素透過性及び水蒸気透過性の低いフィルムが使用されている。基材層とバリア層とは接着剤を使用したドライラミネーション加工により接着されている。バリア層とヒートシーラント層とはドライラミネーション加工又はヒートシーラント層の樹脂を押出ラミネーション加工することにより接着されている。特に、前記金属酸化物蒸着フィルムは、透明で内容物がよく見えることから近年多用されている。しかし、前記金属酸化物蒸着フィルムはアルミニウム箔をバリア層として用いた積層フィルムに比べて、遮光性及びバリア性に劣るため、内容物(例えば、化粧料)の保存安定性の面からはバリア層としてアルミニウム箔を用いた積層フィルムの方が優れている。
【0006】
一方、ウエットシートに含浸されている内容液(例えば、化粧料など)は、性能を確保したり、嗜好性を高めるため、界面活性剤、油剤、溶剤、多価アルコール類、香料等を含有している。前記包装体の取り出し用開口部及び切りこみ部分は、内容液が積層フィルム断面と直接接することから、バリア層とヒートシーラント層との剥離が発生し易く、内容液の蒸発や、アルミニウムの腐食によるウエットシートの変色などが問題となる。
【0007】
かかる問題を解決するため、バリア層とヒートシーラント層との接着性を向上させる提案がなされている。例えば、アルミニウム箔をエッチング処理したり、酸又はアルカリ処理により表面を粗くすることで接着性の向上を図る方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。また、金属箔上に表面カップリング処理層を設けることによって金属箔とヒートシーラント層との化学的結合を高める方法が提案されている(例えば、特許文献9及び特許文献10参照)。
【0008】
しかしながら、前記特許文献8に記載された積層フィルムの場合には、アルミニウム箔の厚さは15μm以上に限定されており、通常の軟包装用積層フィルムに使用される10μm以下のアルミニウム箔についてはエッチング処理や酸又はアルカリ処理等の化学的処理では作用が強すぎ、部分的に薄くなったり、孔があいてしまったりする可能性があり、強度面及びガスバリア性の面で問題がある。
【0009】
また、前記特許文献9に記載された積層フィルムの場合には、カップリング処理層の形成だけでは内容液(例えば、化粧料など)によるバリア層の腐食防止及び接着性の劣化防止効果が充分ではなく、しかも、保護層を積層する必要があることから、積層フィルム全体の厚みが増し、フィルムの柔軟性が低下することにより、包装体の生産性が低下してコストが上昇してしまうという問題やウエットシートの量が減った場合に包装体がかさばるなどの問題がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−1424号公報
【特許文献2】
特開2000−256164号公報
【特許文献3】
特開2001−233758号公報
【特許文献4】
特開2001−278736号公報
【特許文献5】
特開2002−201109号公報
【特許文献6】
特公平2−30948号公報
【特許文献7】
特開平7−291379号公報
【特許文献8】
特開2001−35455号公報
【特許文献9】
特開2001−59181号公報
【特許文献10】
特開2002−127299号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与することができるシート状化粧料を提供することを目的とする。
また、本発明は、内部に収容される内容液(例えば、化粧料など)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができ、保存安定性の良好な積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の問題点や欠点を克服すべく鋭意研究を行った結果、合成高分子化合物及び天然鉱物から選ばれる少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料が、白化が目立つ黒色ストッキング又は黒色タイツの上から清拭しても白くならず、かつ十分なさらさら感を付与できることを知見した。
【0013】
また、本発明者らは、前記課題を解決するため、遮蔽層であるアルミニウム箔の圧延工程において二枚重ねて圧延するため、一枚のアルミニウム箔の表裏の平滑性(表面光沢度)が異なることに着目して鋭意検討を重ねた結果、遮蔽層(アルミニウム箔)の非平滑面側(表面光沢度が低い側)にヒートシーラント層を配置することによって、接着性が向上し、内容液によるアルミニウム箔とヒートシーラント層との間の剥離を防止でき、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができる保存安定性の良好な積層フィルムが得られ、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供できることを知見した。
【0014】
即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> 合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であり、かつ、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であることを特徴とするシート状化粧料である。
<2> 粉体が、鱗片状である前記<1>に記載のシート状化粧料である。
<3> 25℃における粘度が100mPa・s以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のシート状化粧料である。
<4> 遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層を有し、該遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下であることを特徴とする積層フィルムである。
<5> 積層フィルムにおける遮蔽層のヒートシーラント層側の反対側に、少なくとも基材層を有する前記<4>に記載の積層フィルムである。
<6> 遮蔽層とヒートシーラント層とが、ドライラミネーションにより接着されている前記<4>から<5>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<7> 遮蔽層が、アルミニウム箔である前記<4>から<6>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<8> 遮蔽層の厚みが、10μm以下である前記<4>から<7>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<9> 積層フィルムの厚みが、105μm以下である前記<4>から<8>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<10> 前記<4>から<9>のいずれかに記載の積層フィルムで形成されたことを特徴とする軟包装材である。
<11> 軟包装材が、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体と、を備えてなる前記<10>に記載の軟包装材である。
<12> 前記<10>から<11>のいずれかに記載の軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなることを特徴とする包装体である。
<13> ウエットシートが、前記<1>から<3>のいずれかに記載のシート状化粧料である前記<12>に記載の包装体である。
<14> ウエットシートが、清掃用シートである前記<12>に記載の包装体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(シート状化粧料)
本発明のシート状化粧料は、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0016】
−粉体−
前記粉体としては、シート状化粧料に配合した場合において黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下の範囲を満たすことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体が挙げられ、これらの中でも鱗片状粉体が白残りのなさの点で好ましい。
前記鱗片状粉体の含有量は、粉体の全量に対し50質量%以上が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。前記鱗片状粉体の含有量が50質量%未満であると、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りの改善効果が得られない場合がある。
【0017】
前記合成高分子化合物としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸ビーズ、テフロン(R)末、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、合成シリカ、ポリウレタン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、などが挙げられ、これらの中でも、架橋ポリメタクリル酸ビーズ、テフロン(R)末が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
前記天然鉱物としては、例えば、シリカ、タルク、セリサイト、マイカ、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スメクタイト、雲母、ベントナイト等)、などが挙げられ、これらの中でも、タルク、セリサイト、シリカが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記粉体の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、0.1〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
前記粉体の配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、化粧料の全量に対し0.1〜10質量%が好ましい。
【0020】
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記合成高分子化合物と前記天然鉱物とを併用してもよく、また、前記合成高分子化合物と前記天然鉱物と、適宜選択したその他の成分とを併用してもよい。
【0021】
−その他の成分−
前記化粧料には、前記粉体以外にも、シート状化粧料の目的、用途に合わせてその他の成分を配合することができる。該その他の成分としては、例えば、低級アルコール、非イオン界面活性剤、保湿剤、植物抽出物等の香粧品成分、殺菌剤、防腐剤、キレート剤、色素、香料、酸化防止剤、pH調整剤、薬効成分、などが挙げられる。
【0022】
前記低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、これらの中でもエタノールが特に好ましい。
前記低級アルコールの配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、化粧料全量に対し30〜60質量%が好ましい。前記低級アルコールの配合量が30質量%未満であると乾き難いなどの使用感の悪化に繋がる場合がある。一方、60質量%を超えるとかさつきや皮膚刺激に繋がる場合がある。
【0023】
前記非イオン界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリルエステル、脂肪酸アルキロールアミド、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記非イオン界面活性剤の配合量は、化粧料全量に対し0.05〜15質量%が好ましい。
【0024】
前記保湿剤としては、多価アルコール又はグリコールエーテル等が好適に使用することができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ヘキシレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、等が挙げられる。
前記グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、等が挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール等が使用感の点から好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤の配合量は、化粧料全量に対し0.1〜10質量%が好ましい。
【0025】
前記防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記香料としては、例えば、特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
−化粧料−
前記化粧料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、通常、25℃における粘度が1500mPa・s以下が好ましく、1〜100mPa・sがより好ましく、1〜50mPa・sが更に好ましい。粘度が高すぎるとベタベタした感触となり、さらっとした感触が得られないのみならず、シート状基材への十分な含浸性が得られない場合がある。
ここで、前記化粧料の粘度は、B型粘度計などを用いて測定することができる。
【0029】
前記化粧料には積層フィルムを用いた軟包装材として用いることが多い。その場合、遮蔽層(ガスバリア層)としては、アルミニウム箔が用いられることが多く、該アルミニウム箔の腐食及び積層の剥離を防ぐため、化粧料のpHは7.5〜9が好ましい。
【0030】
−シート状基材−
本発明のシート状化粧料に用いられるシート状基材は、前記化粧料が含浸可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、不織布、シート状発泡体等が好適である。
【0031】
前記不織布としては、例えば、肌接触面に占めるセルロース系繊維の含量が40質量%以上、好ましくは60質量%以上であり、かつ不織布全体に占めるセルロース系繊維の含量が20〜70質量%、好ましくは30〜50質量%である不織布などを挙げることができる。肌接触面に占めるセルロース系繊維の含量が40質量%未満では含浸液の含浸性の低下、肌感触の低下、肌への含浸液移行性の低下が発生する場合がある。また、不織布全体に占めるセルロース系繊維の含量が20質量%未満ではシート状化粧料が硬くなる場合があり、70質量%を超えると使用時のヨレやヘタリが発生する場合がある。
【0032】
前記不織布として用いられるセルロース系繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、綿、パルプ、麻等の他、パルプより得られるビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨンであるリオセル等が挙げられ、これらの1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】
前記セルロース系繊維の繊度及び繊維長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、前記繊度としては0.55〜3.3デシテックスが好ましい。前記繊維長としては20〜51mm程度が好ましい。
【0034】
本発明のシート状基材に用いられる不繊布の上記セルロース系以外の繊維としては、種々の合成繊維、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂からなる繊維、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂からなる繊維及びこれら樹脂の共重合物、変性物及びこれらの組み合わせからなる繊維等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
これら繊維の繊度及び繊維長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、前記繊度としては、0.20〜3.3デシテックスが好ましい。前記繊維長としては20〜51mm程度が好ましい。
【0036】
前記繊維により構成された不織布の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、25〜120g/m2が好ましく、40〜80g/m2がより好ましい。前記坪量が25g/m2未満であると使用時のヨレやヘタリが発生しやすくなる場合があり、一方、120g/m2を超えると肌感触が硬くなる場合がある。
【0037】
前記不織布の製造方法としては、水流交絡(スパンレース)法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等の一般的な方法を採用することができるが、これらの中でも特に水流交絡法が好適である。サーマルボンド法、ケミカルボンド法では不織布を構成する繊維間が接着されるため、繊維の自由度が低減して肌感触が硬くなる場合がある。
【0038】
−シート状化粧料−
本発明のシート状化粧料は、前記化粧料を前記シート状基材に含浸させることにより得られる。
前記シート状基材への含浸率は、シート状基材1質量部に対して、2.0〜4.0倍量が好ましい。前記含浸率が2.0倍未満では充分量の含浸成分を肌に移行させるのが困難となる場合があり、一方、4.0倍量を超えるとシート状基材からの液垂れにより、使用性が損なわれる場合がある。
【0039】
本発明のシート状化粧料は、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であり、2.5以下がより好ましい。前記色差(ΔE)が3.0を超えるとストッキング又は黒タイツに白残りが発生してしまう。
ここで、前記色差(ΔE)は、例えば、10cm×15cmに裁断した黒色ストッキング又は黒色タイツを10%×20%の長さになるように伸ばして固定し、その上を往復20回シート状化粧料で清拭し、黒色ストッキング又は黒色タイツを乾燥した後、伸ばしていない状態で、色差計を用いて測定し、清拭前後の色差(ΔE)を求めることができる。
【0040】
前記黒色ストッキング又は黒色タイツとしては、市販品を用いることができ、無地、レース、柄、網、等の種類を問わない。色調は標準色表(JIS Z 87214準拠)で明度がN1であり、全ての色相別チャートでV3/C2の範囲内のものを用いることができる。
【0041】
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層とを有し、遮蔽層のヒートシーラント層側とは反対側に、少なくとも基材層を有することが好ましく、更に必要に応じて中間層、接着層、などを有している。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0042】
−遮蔽層−
前記遮蔽層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、アルミニウム箔、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の酸素透過性及び水蒸気透過性の低いフィルムなどが挙げられ、これらの中でも、アルミニウム箔が遮光性及びガスバリア性に優れ、内容物の保存安定性に優れている点で好ましい。
【0043】
前記遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下であり、40以下がより好ましい。前記表面光沢度が50を超えると遮蔽層とヒートシーラント層の接着層が低下し、剥離が発生しやすくなる。
前記表面光沢度は、20度表面光沢度を意味し、表面光沢度測定装置を用いて測定することができる。
前記遮蔽層の厚みは、10μm以下が好ましく、7〜9μmがより好ましい。前記遮蔽層の厚みが10μmを超えても特に効果の点でメリットがないだけでなく、積層フィルムの柔軟性が低下する場合がある。
【0044】
−ヒートシーラント層−
前記ヒートシーラント層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレンなどが挙げられる。
【0045】
前記遮蔽層と前記ヒートシーラント層とが、ドライラミネーションにより接着されていることが接着性が向上する点で好ましい。
前記ドライラミネーションは、通常用いられている接着剤を用いて公知のドライラミネーション法により形成することができる。
【0046】
−基材層−
前記基材層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリエステル、ナイロンなどが挙げられる。
前記基材層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、10〜30μm程度である。
【0047】
−その他の層−
前記その他の層としては、例えば、接着層、中間層、などが挙げられる。
前記接着層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、ポリエーテルウレタン系、ポリエステルウレタン系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系、シアノアクリレート系、有機チタン化合物系、エポキシ系、イミド系、シリコーン系の樹脂及びこれらの変性物、又は、これらの混合物からなる公知のドライラミネーション用接着剤として用いられている樹脂などが挙げられる。
前記接着剤層の形成方法としては、前記樹脂を溶液化したものをロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗工法で、例えば、アルミニウム箔などの易接着処理面に塗工して乾燥することにより形成することができる。
前記中間層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが挙げられる。
【0048】
前記積層フィルムの層構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下の(1)〜(3)の層構成、即ち、(1)基材層/接着層/遮蔽層/接着層/ヒートシーラント層、(2)基材層/接着層/遮蔽層/ヒートシーラント層、(3)基材層/接着層/遮蔽層/接着層/中間層/接着層/ヒートシーラント層などが好適に挙げられる。
前記積層フィルムの厚みは、105μm以下が好ましく、40〜80μmがより好ましい。前記積層フィルムの厚みが105μmを超えると積層フィルムの柔軟性が低下し、包装体を形成し難くなる場合がある。
【0049】
(軟包装材)
本発明の軟包装材は、前記本発明の積層フィルムで形成されたものである。これにより、内容液(例えば、化粧料)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたウエットシートの変色を防止することができ、保存安定性が良好である。
【0050】
前記軟包装材は、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体とを備えてなることが好ましい。
前記本体に設けられた開口部は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、楕円形、円形、長方形、菱形等の適宜な形状とすることができる。なお、開口部はハーフカットを施し、該開口部を覆うように貼付された蓋体の開封に伴い開口が形成されるように設計したもの、などが好ましい。
前記蓋体の形状は、開口部を完全に覆うことができれば特に制限はなく、例えば、楕円形、長方形、等を採用することができる。
【0051】
(包装体)
本発明の包装体は、前記本発明の軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる。
前記包装体の内部に収容されるウエットシートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、前記シート状化粧料、清掃用シートなどが挙げられる。
【0052】
前記シート状化粧料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、日焼け止め化粧料、クレンジング剤、清拭・制汗剤、乳液、化粧水、ボディローション、美容液、育毛剤、ドライシャンプー等の各種化粧料をシート状基材に含浸させたものを適宜選択して用いることができるが、前記本発明のシート状化粧料が好適である。これは、内容液(化粧料)による遮蔽層(アルミニウム箔)とヒートシーラント層との接着性の低下を防ぎ、内容液(化粧料)の蒸発及びアルミニウム箔の腐食による収容されたシート状化粧料の変色を防止することができ、保存安定性が向上する点で特に好ましい。
【0053】
前記ウエットシートが収容された包装体は、使用時に蓋体の摘み部を摘んで開いた蓋体を開らいた状態のままに保持でき、この状態で使用者は開口部を通して片方の手の指を本体の内部に差込み、本体内部のウエットシートの端を摘み、摘んだウエットシートを開口部を通して取出すことができる。従って、使用者は、片手でウエットシートを極めて容易に取り出すことができ、利便性に優れたものである。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0055】
(実施例1〜16及び比較例1〜6)
−シート状基材の調製−
常法により、以下の表1に示すシート状基材a〜fを調製した。
【0056】
【表1】
【0057】
調製した前記基材シートに対し、表2〜表4に示す組成からなる化粧料を含浸させて実施例1〜16及び比較例1〜6のシート状化粧料をそれぞれ製造した。
得られたシート状化粧料について、下記に示す方法により清拭前後の色差、白残りのなさ、及びさらさら感を評価した。結果を表2〜表4に示す。
【0058】
<色差評価>
10cm×15cmに裁断した黒色ストッキング(30デニールタイツ サポートタイプ 色番822 ブラック;カネボウストッキング社製)を10%×20%の長さになるように伸ばして固定し、その上を往復20回シート状化粧料で清拭し、該黒色ストッキングを乾燥した後、伸ばしていない状態で、色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて測定し、清拭前後の色差(ΔE)を求めた。
【0059】
<白残りの評価>
黒色のタイツ(30デニールタイツ サポートタイプ 色番822 ブラック;カネボウストッキング社製)をモニターの女性10名に着用してもらい、各シート状化粧料を用いて清拭し、清拭後の白残りのなさについて以下の評価基準より評価を行った。
〔評価基準〕
3:白残りしない
2:ほとんど白残りしない
1:やや白残りする
0:かなり白残りする
【0060】
<さらさら感評価>
前記白残りの評価と同様にして、各シート状化粧料を用いて清拭し、清拭後のさらさら感について以下の評価基準による評価を行った。
〔評価基準〕
2:さらさらする
1:ややさらさらする
0:さらさらしない
【0061】
【表2】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:ORGASOL 4000EXD NAT COS(エルフ・アトケム社製)
*6:KMP−594(信越化学工業社製)
*7:SB−700(三好化成社製)
*8:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*9:クジンET−50(丸善製薬社製)
【0062】
【表3】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:ORGASOL 4000EXD NAT COS(エルフ・アトケム社製)
*6:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*7:T−800(ライオン化学社製)
*8:SS−10(日光ケミカルズ社製)
*9:ソルボンT−60(東邦化学工業社製)
*10:クジンET−50(丸善製薬社製)
*11:ファルコレックス ソウハクヒ E(一丸ファルコス社製)
【0063】
【表4】
*1:JA−68R(浅田製粉社製)
*2:LMP(富士タルク工業社製)
*3:セリサイトDN−MC(大日本化成社製)
*4:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*5:KMP−594(信越化学工業社製)
*6:SB−700(三好化成社製)
*7:HCO−60(日光ケミカルズ社製)
*8:T−800(ライオン化学社製)
*9:SS−10(日光ケミカルズ社製)
*10:ソルボンT−60(東邦化学工業社製)
*11:クジンET−50(丸善製薬社製)
*12:ファルコレックス ソウハクヒ E(一丸ファルコス社製)
【0064】
表2〜表4の結果から、合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であって、かつ、該シート状化粧料を用いて黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以上である実施例1〜16は、比較例1〜6に比べて、清拭後の白残りがなく、さらさら感を出すことができることが認められる。
【0065】
(実施例17〜20及び比較例7〜12)
−積層フィルム及び軟包装材の製造−
表5に示す層構成からなる積層フィルムを常法により製造した。得られた積層フィルムについて遮蔽層におけるシーラント層側表面の20度光沢度をHORIBA GROSS CHECKERを用いて測定した。結果を表5に示す。
【0066】
次に、得られた積層フィルムを用いて、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き、又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体とを備えた軟包装材I〜Xを製造した。
【0067】
【表5】
表5において、「PET12」は、ポリエチレンテレフタレート(厚み:12μm)を表す。「PET16」は、ポリエチレンテレフタレート(厚み:16μm)を表す。「DL」は、ドライラミネーションを表す。「PE15」は、ポリエチレン(厚み:15μm)を表す。「PE30」は、ポリエチレン(厚み:30μm)を表す。「PE40」は、ポリエチレン(厚み:40μm)を表す。「AL7」は、アルミニウム箔(厚み:7μm)を表す。「AL9」は、アルミニウム箔(厚み:9μm)を表す。「AL20」は、アルミニウム箔(厚み:20μm)を表す。「CPP40」は、未延伸ポリプロピレン(厚み:40μm)を表す。「PPa50」は、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)を表す。「OPP50」は、延伸ポリプロピレン(厚み:50μm)を表す。
【0068】
(実施例21〜69及び比較例13〜38)
−シート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体−
前記表5に示す軟包装材I〜Xの内部に、実施例1の化粧料、下記表6〜表15に示す化粧料処方番号1〜39の各化粧料をそれぞれ基材フィルムに含浸させたシート状化粧料と、下記表16に示す清掃用シート処方番号40〜45の内容液を基材フィルムに含浸させた清掃用シートとを表17〜表25に示す組み合わせで収納し、前記接合した面と反対側の面中央に開口又は開口形成用切り込みが位置するように、前後両端部を接合、切断してそれぞれ表17〜表25に示すシート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体を製造した。
【0069】
−化粧料処方番号1〜39の化粧料−
表6〜表15に示した成分組成の化粧料(化粧料処方番号1〜39)を、常法により調製した。
【0070】
【表6】
*1:Pemulen TR2(BFGoodrich社製)
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0071】
【表7】
*4:CETIOL HE(コグニクスジャパン社製)
*5:NIKKOL MYL−10(日光ケミカル社製)
*6:プルロニック P65(旭電化社製)
*7:プルロニック P88(旭電化社製)
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0072】
【表8】
*8:SB−700(三好化成社製)
*9:サイリシア730(富士シリシア化学社製)
*10:一丸ファルコス社製
*11:一丸ファルコス社製
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0073】
【表9】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0074】
【表10】
*12:HEC−600(ダイセル化学工業社製)
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0075】
【表11】
*2:一丸ファルコス社製
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0076】
【表12】
*13:SH−200C 10cs(東レダウコーニングシリコーン社製)
*14:SH245(東レダウコーニングシリコーン社製)
*15:ハイビスワコー105(和光純薬工業社製)
*16:CMC1380(ダイセル化学工業社製)
*17:モナートガムDA(大日本製薬社製)
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0079】
【表15】
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択された香料
【0080】
−清掃用シート処方番号40〜45の内容液−
表16に示した成分組成の内容液(清掃用シート処方番号40〜45)を、常法により調製した。
【表16】
*18:C10/C12/C14=64/29/7
*19:昭和電工社製 ハイジライトH−32
*20:日東紛化工業社製 NN#200、寒水#70、東洋ファインケミカル社製 ホワイトンP−50より適宜選択
*3:無配合又は特願2001−262009号に記載の香料A〜E成分から適宜選択
【0081】
得られた実施例21〜69及び比較例13〜38のシート状化粧料又は清掃用シートが収容された包装体について、下記方法により、保存安定性(外観)、保存安定性(質量変化)及び生産適正の評価を行った。結果を表17〜表25に表す。
【0082】
<保存安定性(外観)>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した後、1kgf加重下で50℃恒温槽に1ヵ月保存し、内容物の外観及び包装体内面の外観を下記基準に従って目視判定した。
〔評価基準〕
◎:内容物、包装体共外観の変化は全く認められない。
○:包装体に極わずかな外観変化が認められるが、内容物の外観変化は認められない。
△:内容物、包装体共明らかな外観変化が認められる。
×:内容物、包装体共著しい外観変化が認められる。
【0083】
<保存安定性(質量変化)>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した後、50℃恒温槽に1ヵ月保存し、質量変化を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:質量変化はほとんど認められない。
○:質量変化は極わずかに認められるが、製品性能への影響は無い。
△:質量変化が明らかに認められ、製品性能上問題がある。
×:質量変化が著しいく認められ、製品性能上問題がある。
【0084】
<生産適性>
実施例1及び表6〜表15に記載の化粧料並びに表16に記載の内容液を調製し、表17〜表25に記載の不織布(寸法:100mm×150mm)に、表17〜表25に記載の量を含浸させたものを10枚ずつ積層し、表17〜表25に記載の軟包装材で包装した際の生産適性を下記の基準に従って目視判定した。
〔評価基準〕
◎:生産適性が非常に良好である。
○:生産適性がやや良好である。
△:生産適性があまり良好でない。
×:生産適性が全く良好でない。
【0085】
【表17】
【0086】
【表18】
【0087】
【表19】
【0088】
【表20】
【0089】
【表21】
【0090】
【表22】
【0091】
【表23】
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
表17〜表25の結果から、遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下である実施例21〜69のシート状化粧料が収容された包装体は、比較例13〜38に比べて、保存安定性(外観)、保存安定性(質量変化)及び生産適正がいずれも優れていることが認められる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によると、足拭き取りの際、黒色ストッキング等への白残りを改善でき、十分なさらさら感を付与できるシート状化粧料、内部にウエットシートを収容した時に、シート状基材に含浸させた内容液の影響によるヒートシーラント層と遮蔽層との剥離を防止し、保存時の質量減少やアルミニウム腐食によるウエットシートの変色が生じない積層フィルム、該積層フィルムで形成された軟包装材、及び該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなる包装体を提供できる。
Claims (9)
- 合成高分子化合物及び天然鉱物から選択される少なくとも1種の粉体を含有する化粧料をシート状基材に含浸させてなるシート状化粧料であり、かつ、該シート状化粧料で黒色ストッキング又は黒色タイツの上から足を清拭した場合に、該黒色ストッキング又は黒色タイツの清拭前後の色差(ΔE)が3.0以下であることを特徴とするシート状化粧料。
- 粉体が、鱗片状である請求項1に記載のシート状化粧料。
- 遮蔽層と該遮蔽層の片面上に少なくともヒートシーラント層を有し、該遮蔽層における該ヒートシーラント層側の表面光沢度が50以下であることを特徴とする積層フィルム。
- 遮蔽層とヒートシーラント層とが、ドライラミネーションにより接着されている請求項3に記載の積層フィルム。
- 遮蔽層が、アルミニウム箔である請求項3から4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 請求項3から5のいずれかに記載の積層フィルムで形成されたことを特徴とする軟包装材。
- 軟包装材が、取り出し用の開口部を形成するための切り抜き又は切り込みが設けられた本体と、前記開口部を覆って粘着され、繰り返し開閉可能とした蓋体とを備えてなる請求項6に記載の軟包装材。
- 請求項6から7のいずれかに記載の軟包装材を用い、該軟包装材の内部にウエットシートが収容されてなることを特徴とする包装体。
- ウエットシートが、請求項1から2のいずれかに記載のシート状化粧料である請求項8に記載の包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003028392A JP2004238319A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003028392A JP2004238319A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004238319A true JP2004238319A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32955878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003028392A Pending JP2004238319A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004238319A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012087117A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Lion Corp | シート状化粧料 |
US9554978B2 (en) | 2013-06-27 | 2017-01-31 | The Procter & Gamble Company | Personal care articles |
JP2020158429A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | ライオン株式会社 | 液体化粧料組成物、及びシート状化粧料 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028392A patent/JP2004238319A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012087117A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Lion Corp | シート状化粧料 |
US9554978B2 (en) | 2013-06-27 | 2017-01-31 | The Procter & Gamble Company | Personal care articles |
US9907738B2 (en) | 2013-06-27 | 2018-03-06 | The Procter & Gamble Company | Personal care compositions and articles |
US10357441B2 (en) | 2013-06-27 | 2019-07-23 | The Procter & Gamble Company | Personal care articles |
US11090244B2 (en) | 2013-06-27 | 2021-08-17 | The Procter & Gamble Company | Personal care compositions and articles |
JP2020158429A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | ライオン株式会社 | 液体化粧料組成物、及びシート状化粧料 |
WO2020195161A1 (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | ライオン株式会社 | 液体化粧料組成物、及びシート状化粧料 |
JP7274905B2 (ja) | 2019-03-26 | 2023-05-17 | ライオン株式会社 | シート状化粧料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5731527B2 (ja) | 親水性閉じ込め層を有する冷却基材及びその作製方法 | |
JP2003093152A (ja) | 化粧料含浸シート | |
JP3061211U (ja) | セルフタンニング用品 | |
JP2008150317A (ja) | 化粧水シート | |
JP2004238319A (ja) | 積層フィルム、該フィルムからなる軽包装材、シート状化粧料並びに包装体 | |
JP2006149444A (ja) | シート及びこれを用いたシート状化粧料 | |
CA2643188A1 (en) | Fibrous structures comprising volatile agents | |
EP2081465A2 (en) | Liquid-permeable appliance for delivering a composition | |
JP3971125B2 (ja) | 防腐防黴組成物を含むウエットワイパー | |
JP7274905B2 (ja) | シート状化粧料 | |
JP4468728B2 (ja) | 清拭シート | |
JP7139438B2 (ja) | 皮膚化粧料用組成物 | |
BR112014017160B1 (pt) | Sistema de administração de fragrância, artigo emissor de fragrância e método de fabricação do mesmo | |
JP4632810B2 (ja) | 清拭シート | |
JP5719130B2 (ja) | 外用貼付剤 | |
JP2015143214A (ja) | パック | |
KR20190129874A (ko) | 신체 화장료 | |
JP2002145762A (ja) | ウエットティシュ型塗布薬、包装ウエットティシュ型塗布薬および塗布方法 | |
JP4500897B2 (ja) | 身体清拭用繊維ウェブ | |
JP7460289B2 (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
JP6576793B2 (ja) | シート化粧料 | |
JP7470582B2 (ja) | ウェットティシュー製品 | |
JP4288480B2 (ja) | 制汗・消臭剤 | |
JP7301190B2 (ja) | 身体貼付用シート | |
JP5627229B2 (ja) | シート状化粧料 |